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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064882
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】反射板装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20240507BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173830
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000217653
【氏名又は名称】電気興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓介
(72)【発明者】
【氏名】大島 一郎
【テーマコード(参考)】
5J020
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
5J020DA03
5J047AA07
5J047EF05
5J047FD01
(57)【要約】
【課題】映像用ディスプレイとRISを共用化することで、例えばデジタルサイネージや大型のディスプレイが設置できる場所に、容易にRIS機能を付加できる反射板装置を提供する。
【解決手段】 反射方向制御型メタサーフェス反射板、液晶一体化機構を備える。反射方向制御型メタサーフェス反射板は、上部反射板用電極、下部反射板用電極、反射板用誘電体層、反射板制御部を備える。反射板制御部は、外部からの入力信号に応じて、上部反射板用電極と下部反射板用電極の間に電圧を印加することにより、入射される電波の反射方向を制御する信号を出力する。上部反射板用電極、および、下部反射板用電極は、アクティブマトリクスとして形成されている。液晶一体化機構は、反射方向制御型メタサーフェス反射板を液晶表示装置上に固定する。反射方向制御型メタサーフェス反射板は、液晶表示装置の一部のみを覆う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射方向制御型メタサーフェス反射板、および、液晶一体化機構を備え、
前記反射方向制御型メタサーフェス反射板は、上部反射板用電極、下部反射板用電極、反射板用誘電体層、および、反射板制御部を備え、
前記反射板制御部は、外部からの入力信号に応じて、前記上部反射板用電極と前記下部反射板用電極の間に電圧を印加することにより、入射される電波の反射方向を制御する信号を出力する信号出力部を備え、
前記上部反射板用電極、および、前記下部反射板用電極は、それぞれ、アクティブマトリクスとして形成されており、
前記液晶一体化機構は、前記反射方向制御型メタサーフェス反射板を、液晶表示装置上に固定し、
前記反射方向制御型メタサーフェス反射板は、前記液晶表示装置の一部のみを覆うことを特徴とする、反射板装置。
【請求項2】
前記液晶一体化機構は、前記液晶表示装置に対して前記反射方向制御型メタサーフェス反射板を着脱可能に固定する固定部を備え、
前記反射方向制御型メタサーフェス反射板は、前記液晶表示装置の中央部は覆わないことを特徴とする、請求項1に記載の反射板装置。
【請求項3】
液晶表示部を備え、
前記液晶表示部は、
上部液晶用電極、下部液晶用電極、液晶用誘電体層、液晶表示制御部を備え、
前記液晶表示制御部は、外部からの入力信号に応じて、前記上部液晶用電極と前記下部液晶用電極の間に電圧を印加することにより液晶表示を制御するよう構成されており、
前記液晶用誘電体層の誘電率と前記反射板用誘電体層の誘電率は異なるものであることを特徴とする、請求項1に記載の反射板装置。
【請求項4】
前記液晶表示部と前記反射方向制御型メタサーフェス反射板は同一層の液晶として形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の反射板装置。
【請求項5】
前記液晶用誘電体層と前記反射板用誘電体層は略同一平面状に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項6】
前記上部液晶用電極と前記上部反射板用電極、または、前記下部液晶用電極と前記下部反射板用電極は、同一のアクティブマトリクスとして形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項7】
前記アクティブマトリクスが薄膜トランジスタアレイであることを特徴とする、請求項6に記載の反射板装置。
【請求項8】
前記上部液晶用電極と前記上部反射板用電極は透明導電材であることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項9】
液晶部を備えた液晶表示装置を構成し、前記液晶部のうち、一部が前記液晶表示部であり、他が反射方向制御型メタサーフェス反射板であることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項10】
前記反射板用誘電体層は略十字型であり、
略十字型の前記反射板用誘電体層を囲む長方形における隙間部分に、前記液晶用誘電体層が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項11】
前記反射板用誘電体層は中央部に形成され、前記反射板用誘電体層を囲む長方形における隙間部分に前記液晶用誘電体層が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項12】
ユニットセルを有し、
それぞれの前記ユニットセルに前記反射板用誘電体層が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置。
【請求項13】
前記反射板用誘電体層は、前記液晶用誘電体層より厚く形成されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の反射板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶を用いたRIS(Reconfigurable Intelligent Surface)構成、つまり、反射板装置に関するものであり、特に、移動通信におけるミリ波帯以上のエリア改善を目的とした反射板に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば基地局と携帯端末との間で電波により信号の送受信を行う場合、図1に示されるように、従来の電波環境では、基地局と携帯端末間の伝達関数Hは固定されている。
これに対し、エリア改善の技術として、動的に反射角を変化できるRISが検討されている。RISは、メタ反射板の表面において位相を制御することにより反射方向を動的に制御することができる反射板である。つまり、図2に示されるように、送信側Tから受信側Rへの伝達関数Hを適切に制御することができる(F2)。RISはSmart Radio Environments(SREs)を実現するためのキーコンポーネントであり、伝達関数Hを動的に最適化することが可能となる。
特許文献1には、反射角を自由に設計できるメタサーフェスが記載されている。特許文献2には、液晶を用い動的に反射角を変える技術が記載されている。また、特許文献3には、液晶ディスプレイ用に、電圧印可のためのTFTに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-48465号公報
【特許文献2】特表2019-530387号公報
【特許文献3】特開2003-315831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RISでは、機能実現のため電源・ネットワーク接続・設置場所の確保が必要である。反射板の機能のためだけに、これらの条件を満たす場所を探すことは、専用工事必須・美観の観点から困難と想定される。
つまり、特許文献1ないし3のいずれの技術においても、電源、ネットワーク接続、インストールが別途必要となる。また、特許文献1ないし3はいずれも、映像用ディスプレイとRISの共用化に言及していない。
そこで、本発明は、映像用ディスプレイの機能と、RISの機能の共用化を可能とする装置を実現することを目的とする。
本発明のその他の目的は、発明を実施するための形態においても説明される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る反射板装置は、
反射方向制御型メタサーフェス反射板、および、液晶一体化機構を備え、
反射方向制御型メタサーフェス反射板は、上部反射板用電極、下部反射板用電極、反射板用誘電体層、および、反射板制御部を備え、
反射板制御部は、外部からの入力信号に応じて、上部反射板用電極と下部反射板用電極の間に電圧を印加することにより、入射される電波の反射方向を制御する信号を出力する信号出力部を備え、
上部反射板用電極、および、下部反射板用電極は、それぞれ、アクティブマトリクスとして形成されており、
液晶一体化機構は、反射方向制御型メタサーフェス反射板を、液晶表示装置上に固定し、
反射方向制御型メタサーフェス反射板は、液晶表示装置の一部のみを覆うことを特徴とする、反射板装置である。

本発明の請求項2に係る反射板装置は、
液晶一体化機構は、液晶表示装置に対して反射方向制御型メタサーフェス反射板を着脱可能に固定する固定部を備え、
反射方向制御型メタサーフェス反射板は、液晶表示装置の中央部は覆わないことを特徴とする、請求項1に記載の反射板装置である。

本発明の請求項3に係る反射板装置は、
液晶表示部を備え、
液晶表示部は、
上部液晶用電極、下部液晶用電極、液晶用誘電体層、液晶表示制御部を備え、
液晶表示制御部は、外部からの入力信号に応じて、上部液晶用電極と下部液晶用電極の間に電圧を印加することにより液晶表示を制御するよう構成されており、
液晶用誘電体層の誘電率と反射板用誘電体層の誘電率は異なるものであることを特徴とする、請求項1に記載の反射板装置である。

本発明の請求項4に係る反射板装置は、
液晶表示部と反射方向制御型メタサーフェス反射板は同一層の液晶として形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の反射板装置である。

本発明の請求項5に係る反射板装置は、
液晶用誘電体層と反射板用誘電体層は略同一平面状に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項6に係る反射板装置は、
上部液晶用電極と上部反射板用電極、または、下部液晶用電極と下部反射板用電極は、同一のアクティブマトリクスとして形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項7に係る反射板装置は、
アクティブマトリクスが薄膜トランジスタアレイであることを特徴とする、請求項6に記載の反射板装置である。

本発明の請求項8に係る反射板装置は、
上部液晶用電極と上部反射板用電極は透明導電材であることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項9に係る反射板装置は、
液晶部を備えた液晶表示装置を構成し、液晶部のうち、一部が液晶表示部であり、他が反射方向制御型メタサーフェス反射板であることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項10に係る反射板装置は、
反射板用誘電体層は略十字型であり、
略十字型の反射板用誘電体層を囲む長方形における隙間部分に、液晶用誘電体層が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項11に係る反射板装置は、
反射板用誘電体層は中央部に形成され、反射板用誘電体層を囲む長方形における隙間部分に液晶用誘電体層が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項12に係る反射板装置は、
ユニットセルを有し、
それぞれのユニットセルに反射板用誘電体層が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の反射板装置である。

本発明の請求項13に係る反射板装置は、
反射板用誘電体層は、液晶用誘電体層より厚く形成されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の反射板装置である。

本発明は、以上の構成により、映像用ディスプレイとRISを共用化することで、例えばデジタルサイネージや大型のディスプレイが設置できる場所に、容易にRIS機能を付加できる。言い換えれば、電源・ネットワーク接続・工事・美観の全てが解決できる。
例えば、映像用ディスプレイ用の液晶領域と、RIS用の液晶領域に分け、それぞれ独立に電圧可変できるように、バイアスを掛けられる構成であるため、RIS用の導体および液晶領域を適切に設定することで、ディスプレイ用の液晶の影響を受けずに、独立でRISの性能を動かすことが可能である。
本発明のその他の効果は、発明を実施するための形態においても説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】電波環境の概念図を示す。
図2】電波環境の概念図を示す。
図3】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図4】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図5】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図6】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図7】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図8】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図9】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図10】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図11】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図12】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図13】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図14】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図15】本発明の一実施例における反射板装置の構成例を示す。
図16】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図17】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図18】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
図19】本発明の一実施例における反射板装置の特性例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図3および図4は、本発明の一実施例における反射板装置1の構成例を示す。
反射板装置1は、反射方向制御型メタサーフェス反射板10、および、液晶一体化機構18を備える。
図3に示されるように、反射方向制御型メタサーフェス反射板10は、上部反射板用電極11、下部反射板用電極12、反射板用誘電体層13、および、反射板制御部14を備える。
【0008】
反射板制御部14は、信号出力部15を備える。信号出力部15は、外部からの入力信号に応じて、上部反射板用電極11と下部反射板用電極12の間に電圧を印加することにより、入射される電波の反射方向を制御する
上部反射板用電極11、および、下部反射板用電極12は、それぞれ、アクティブマトリクスとして形成されている。
【0009】
液晶一体化機構18は、反射方向制御型メタサーフェス反射板10を、液晶表示装置200上に固定する。
反射方向制御型メタサーフェス反射板10は、液晶表示装置200の一部のみを覆うよう構成されている。
反射方向制御型メタサーフェス反射板10により、液晶の一部のみがおおわれているため、液晶と反射板の機能を両立できる。
【0010】
本発明の一実施例において、液晶一体化機構18は、液晶表示装置200に対して反射方向制御型メタサーフェス反射板10を着脱可能に固定する固定部19を備える。
反射方向制御型メタサーフェス反射板10は、液晶表示装置200の中央部は覆わない。
本構成により、取り外し可能であるため、既存の液晶表示装置200に対して簡単な施工のみで反射方向制御型メタサーフェス反射板10を取り付けることができる。
【0011】
図5および図6は、本発明の一実施例における反射板装置1の構成例を示す。
反射板装置1は、液晶表示部20を備える。
液晶表示部20は、上部液晶用電極21、下部液晶用電極22、液晶用誘電体層23、液晶表示制御部24を備える。
液晶表示制御部24は、外部からの入力信号に応じて、上部液晶用電極21と下部液晶用電極22の間に電圧を印加することにより液晶表示を制御するよう構成されている。
液晶用誘電体層23の誘電率と反射板用誘電体層13の誘電率は異なるものである。
【0012】
本実施例では、映像を表示する液晶表示部20の上部に、反射板用の液晶が配置されている。
本構成により、液晶表示部20と一体化された反射板装置1を実現でき、省電力および省スペースが同時に実現できる。
【0013】
液晶表示は、一般に、電圧をONすることで光を遮断し、カラーフィルタの透過量を制御することで白や黒、様々な色を表現する。そこで、本実施例では、光を透過する部分と、RIS制御の部分を、同一層の液晶内で分割することにより、実現する。
液晶表示部20と反射方向制御型メタサーフェス反射板10は同一層の液晶として形成されている構成とすることもできる。
【0014】
本発明の一実施例において、液晶用誘電体層23と反射板用誘電体層13は略同一平面状に形成されている。
誘電率がεr1の映像モニタ用の液晶と、誘電率がεr2のRIS用の液晶とを、略同一平面状、つまり、略同一面内に配置することで、薄型となり、液晶モニタとして構成が容易となる。
【0015】
本発明の一実施例において、上部液晶用電極21と上部反射板用電極11、または、下部液晶用電極22と下部反射板用電極12は、同一のアクティブマトリクスとして形成されている。
【0016】
図7図8図9および図10は、εr1と、 εr2を変化させた場合の、ユニットセル100の特性を検討するものであり、液晶RIS用ユニットセル100の反射位相・通過特性を示す。εr1と、εr2はそれぞれ2.5から4.0程度の範囲である。
εr1=3の場合は、反射位相は各周波数で約320°の変化量が得られており、反射板としての機能は十分確保されている。
【0017】
しかし、εr2の中央値あたりで不連続点が生じており、反射位相が急峻に変化する領域では通過特性が悪化するため、厚みを増す必要がある。
εr2=3.2の場合、映像用の液晶の誘電率εr1の変化に対して、反射位相・通過特性ともに、ほぼ変化しない。本構成であれば、映像モニタの機能と、RISの機能を独立で制御でき、共用化が可能となる。
【0018】
本発明の一実施例において、アクティブマトリクスが薄膜トランジスタアレイとすることができる。
液晶ディスプレイは薄膜トランジスタ(TFT)を用いていることが多いため、本構成により、従来の液晶ディスプレイの構成を利用して、容易に実現できる。
【0019】
本発明の一実施例において、上部液晶用電極21と上部反射板用電極11は透明導電材とすることができる。
本構成により、液晶ディスプレイとしての機能性を高めることができる。特に、液晶表示部20の上に、反射方向制御型メタサーフェス反射板10を重ねる場合、光が透過するため、液晶ディスプレイとして、より広い面積を確保することが可能となる。
【0020】
本発明の一実施例において、反射板装置1は、液晶部210を備えた液晶表示装置200を構成し、液晶部210のうち、一部が液晶表示部20であり、他が反射方向制御型メタサーフェス反射板10である。
本構成により、液晶ディスプレイとしての機能と、反射方向制御型メタサーフェス反射板10としての機能を、全体として最大の効率で確保することができる。
【0021】
図11は、本発明の一実施例における反射板装置1の構成例を示す。
本実施例では、反射板用誘電体層13は略十字型である。そして、略十字型の反射板用誘電体層13を囲む長方形における隙間部分に、液晶用誘電体層23が形成されている。
本構成により、反射方向制御型メタサーフェス反射板10以外の部分を、液晶表示のために有効に活用することができる。
【0022】
図12は、本発明の一実施例における反射板装置1の構成例を示す。
本実施例では、反射板用誘電体層13は中央部に形成され、反射板用誘電体層13を囲む長方形における隙間部分に液晶用誘電体層23が形成されている。
【0023】
図13は、本発明の一実施例における反射板装置1の構成例を示す。
本実施例では、反射板装置1は、ユニットセル100を有し、それぞれのユニットセル100に反射板用誘電体層13が形成されている。反射板用誘電体層13、および、それに対応して形成される反射方向制御型メタサーフェス反射板10は、十字型であるが、図14に示されるように中央に矩形に形成されてもよい。
【0024】
図15は、本発明の一実施例における反射板装置1の構成例を示す。
本実施例では、反射板装置1における反射板用誘電体層13は、液晶用誘電体層23より厚く形成されている。
【0025】
誘電率がεr1である映像モニタ用の液晶と、誘電率がεr2であるRIS用の液晶を図15のように配置することで、RISの厚みを増やすことができ、損失が低くなる。
【0026】
図16図17図18および図19は、εr1とεr2を変化させた場合の、ユニットセル100特性を示す。
εr1が3前後の場合、反射位相は各周波数で約210°の変化量であり、位相の変化範囲を増やす必要があるが、通過特性は0.6から0.8(=-1.9dB)に改善している。
εr2=3.2の場合、映像用の液晶の誘電率の変化に対して、反射位相・通過特性ともに、ほぼ変化しない。本構成により、映像モニタの機能と、RISの機能を独立で制御でき、共用化が可能となる。
【0027】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うでもない。
例えば、RISの領域とディスプレイの領域は、十字型や実施例に示された例以外にも様々な形状が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 反射板装置
10 反射方向制御型メタサーフェス反射板
11 上部反射板用電極
12 下部反射板用電極
13 反射板用誘電体層
14 反射板制御部
15 信号出力部
18 液晶一体化機構
19 固定部
20 液晶表示部
21 上部液晶用電極
22 下部液晶用電極
23 液晶用誘電体層
24 液晶表示制御部
100 ユニットセル
200 液晶表示装置
210 液晶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19