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特開2024-64894情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064894
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20240507BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240507BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240507BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/79
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173845
(22)【出願日】2022-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】東山 朝日
(72)【発明者】
【氏名】横山 栄介
(72)【発明者】
【氏名】森下 陽介
(57)【要約】
【課題】
オンライン対戦ゲームにおいて、今までに無いマッチング処理を実現できる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供すること。
【課解決手段】
本発明の一実施形態に係るサーバ100は、少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なゲーム装置300と通信可能であり、上記オンライン対戦ゲームにおける第1の側と第2の側とのマッチングを実行するものであり、データ管理DB102aに蓄積されたプレイ結果に基づいて、所定の観点から不均衡となるように上記マッチングを行う(ステップS36)。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置と通信可能であり、前記オンライン対戦ゲームにおける前記第1の側と前記第2の側とのマッチングを実行する前記情報処理装置であって、
前記オンライン対戦ゲームをプレイするユーザの各々のプレイ結果を蓄積する手段と、
前記蓄積されたプレイ結果に基づいて、所定の観点から不均衡となるように前記マッチングを行う手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記不均衡なマッチングとは異なるマッチングであって、前記第1の側および前記第2の側に対して、同等の強さのユーザが配属される、またはランダムにユーザが配属されるような第2のマッチングを実行する手段と、
前記ユーザ側情報処理装置から、前記不均衡なマッチングと前記第2のマッチングとのうちユーザがどちらを選択したかを受付ける手段とをさらに備え、
前記受付けたユーザの選択に応じて、前記不均衡なマッチングおよび前記第2のマッチングのいずれかを実行することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の側は、所定の条件を満たしたユーザのみが配属可能な第1の配属先であり、
前記第2の側は、前記所定の条件を満たしたユーザ、および前記所定の条件を満たさないユーザの双方が配属可能な第2の配属先であり、
前記マッチングを実行する手段は、
前記オンライン対戦ゲームのマッチング要求を行っているユーザの各々について、前記蓄積されたプレイ結果に基づいて前記所定の条件を満たしているか否かを判断する手段と、
前記所定の条件を満たしている場合と、前記所定の条件を満たしていない場合とで表示態様を変えて、前記第1の配属先および前記第2の配属先のうち配属可能な配属先を、前記オンライン対戦ゲームのマッチング要求を行っているユーザの各々に対応するユーザ側情報処理装置に表示させる手段と、
前記ユーザ側情報処理装置にて前記表示に応じて選択された配属先に基づいて、前記マッチングを実行する手段と
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームにおける前記第1の側と前記第2の側とのマッチングを実行する情報処理方法であって、
前記オンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置にてユーザにより入力されたマッチング要求を受付ける工程と、
前記オンライン対戦ゲームをプレイするユーザの各々に対して蓄積されたプレイ結果に基づいて、前記マッチング要求を受付けたユーザのうち不均衡なマッチングを要求するユーザに対して、所定の観点から不均衡となるように前記マッチングを行う工程と
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームにおける前記第1の側と前記第2の側とのマッチングを実行する情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記オンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置にてユーザにより入力されたマッチング要求を受付ける工程と、
前記オンライン対戦ゲームをプレイするユーザの各々に対して蓄積されたプレイ結果に基づいて、前記マッチング要求を受付けたユーザのうち不均衡なマッチングを要求するユーザに対して、所定の観点から不均衡となるように前記マッチングを行う工程と
を有するプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットといったネットワークを介して遠隔に居る者同士で所定のゲームの対戦を行うオンライン対戦ゲームにおいて、対戦相手を決める際、所謂マッチング処理が実行されることがある。特許文献1には、チームが編成されて対戦を行うオンライン対戦ゲームのマッチング処理であって、チーム全体のプレイレベル値が同程度のチーム同士が対戦するようなマッチング処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-229040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、オンライン対戦ゲームにおいて対戦するチーム間のレベルが拮抗することとなり、白熱した対戦が期待できる。すなわち、特許文献1では、対戦するチーム間のレベル差がなるべく生じないようにチーム編成をすることをマッチングの基準とすることにより、ある意味どちらが勝ってもおかしくないような対戦環境を提供しており、これにより各プレイヤはお互いのチームの力量に整合が取れた対戦を楽しむことができる。
【0005】
このように特許文献1に係るマッチング処理は、プレイヤの満足度を高めることができる非常に有効な手段であると言えるが、オンライン対戦ゲームの楽しみ方に多様性を持たせるべく、上述とは全く別の視点のマッチング処理が実現できれば、さらにプレイヤの満足度を高めたり、あるいは新たなゲームの楽しみ方を提供することができるかもしれない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、オンライン対戦ゲームにおいて、今までに無いマッチング処理を実現できる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明の第一の態様は、少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置と通信可能であり、前記オンライン対戦ゲームにおける前記第1の側と前記第2の側とのマッチングを実行する前記情報処理装置であって、前記オンライン対戦ゲームをプレイするユーザの各々のプレイ結果を蓄積する手段と、前記蓄積されたプレイ結果に基づいて、所定の観点から不均衡となるように前記マッチングを行う手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームにおける前記第1の側と前記第2の側とのマッチングを実行する情報処理方法であって、前記オンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置にてユーザにより入力されたマッチング要求を受付ける工程と、前記オンライン対戦ゲームをプレイするユーザの各々に対して蓄積されたプレイ結果に基づいて、前記マッチング要求を受付けたユーザのうち不均衡なマッチングを要求するユーザに対して、所定の観点から不均衡となるように前記マッチングを行う工程とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様は、コンピュータに、少なくとも1人のユーザが各々に配属される第1の側と第2の側とが対戦するオンライン対戦ゲームにおける前記第1の側と前記第2の側とのマッチングを実行する情報処理方法を実行させるプログラムであって、前記情報処理方法は、前記オンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置にてユーザにより入力されたマッチング要求を受付ける工程と、前記オンライン対戦ゲームをプレイするユーザの各々に対して蓄積されたプレイ結果に基づいて、前記マッチング要求を受付けたユーザのうち不均衡なマッチングを要求するユーザに対して、所定の観点から不均衡となるように前記マッチングを行う工程とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によればオンライン対戦ゲームにおいて、今までに無いマッチング処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムを示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るユーザ管理データベースの構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るオンライン対戦ゲームにおけるマッチングの処理手順を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係るオンライン対戦のモードをユーザに選択させるための画像を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るオンライン対戦ゲームにおけるマッチングの処理手順を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る不均衡なマッチングにおいて配属先をユーザに選択させるための画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0013】
本発明の一実施形態は、オンライン対戦ゲームにおいて、対戦する2つの配属先の一方である第1の側(少なくとも1人のユーザ)と他方である第2の側(少なくとも1人のユーザ)とのマッチング(組み合わせの設定)を、所定の観点において意図的に不均衡とするものである。すなわち、特許文献1のように第1の側と第2の側とが拮抗するようにマッチングするのではなく、第1の側および第2の側のいずれか一方が上記所定の観点で厳しくなるような状況を敢えて作るようにマッチングするのである。なお、マッチング対象となるプレイヤの上記オンライン対戦ゲームの今までのプレイ結果に基づいてマッチングを行っても良い。
【0014】
本発明の一実施形態において、第1の側および第2の側の各々は、個人であっても良いし(この場合は、オンライン対戦ゲームは1対1の対戦)、複数人からなるグループ(チーム)であっても良いし(この場合は、グループ対グループの対戦)、一方が個人で他方がグループ(この場合は、1対グループの対戦)であっても良い。また、グループ対グループの場合、グループを構成する人数が異なっても良い。
【0015】
「所定の観点」とは、例えば、プレイヤの強さまたは経験を示す尺度(レベル、力量、過去の戦績等)、またはグループを構成する人数(1対N(Nは、2以上の整数)、またはN対M(Mは、Nより大きい整数))であり、不均衡となると第1の側と第2の側とのいずれか一方が不利な状況となるような、マッチング時の基準である。なお、「不利な状況」の方が必ずオンライン対戦で負ける、というものではなく、あくまでも客観的に見て「不利であろう」という目安である。よって、本発明の一実施形態に係る不均衡なマッチングの結果、不利な状況の側が勝つこともあるし、当然負けることもあり、当該対戦の結果(勝ち負け)は、該対戦に参加したユーザの実際のプレイにのみ因るものである。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るゲームシステムを示す図である。図1において、ゲームシステム100は、情報処理装置としてのサーバ100とゲーム装置300a~300nとを備え、サーバ100とゲーム装置300a~300nとはインターネット等のネットワーク200を介して接続されており、互いに通信することができる。すなわち、ゲーム装置300a~300nの各ユーザは、サーバ100にて実行されるマッチングに従ってネットワーク200を介して他のゲーム装置300a~300nのユーザとオンライン対戦ゲームを行うことができる。なお、本明細書においては、サーバ100との通信の対象としてゲーム装置を表現する際、説明の便宜上、個々のゲーム装置300a~300nを総じて「ゲーム装置300」と呼ぶこともある。
【0017】
本実施形態では、例えばゲーム装置300aにてユーザによって所定のオンライン対戦ゲームの立ち上げが指示されると該ゲームに関するプログラムが実行され、ゲーム装置300aとサーバ100とが通信し接続される。次いでゲーム装置300aにてオンライン対戦ゲームの開始が指示されると、サーバ100は、ゲーム装置300aのユーザと対戦するユーザ(ゲーム装置)の組み合わせを決定するべくマッチング処理を実行し、上記ゲーム装置300aのユーザとの対戦相手を特定して、これらプレイヤ間でのオンライン対戦ゲームを実行するよう制御を開始する。オンライン対戦ゲームの実行中は、該対戦に関わるゲーム装置300aおよびその対戦相手が操作するゲーム装置にて入力されたゲームに対する操作内容はサーバ100に送信される。サーバ100は、受信した操作内容に応じた演算を実行し、演算結果に関する情報をゲーム装置300aおよびその対戦相手が操作するゲーム装置300に送信する。上記演算結果に関する情報を受信すると、ゲーム装置300aおよびその対戦相手が操作するゲーム装置300は、受信した演算結果に関する情報に基づいてゲーム画面を生成して各々の表示部に表示する。このようにして、オンライン対戦ゲームは実行される。
【0018】
サーバ100は、制御部101と、記憶部102と、入力操作部103と、表示部104と、通信部105を備える。
【0019】
制御部101は、サーバ100の各種動作を制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)等を含んで構成される。例えばCPUは、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するものであり、例えばROM(記憶部102)から所定のプログラムをRAM(記憶部102)にロードし、該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、様々な処理を実行するよう機能する。
【0020】
記憶部102は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを有する。上記ROMは、制御部101のCPUが読み出して実行するためのプログラム(例えば、図3に示すプログラムや図5のステップS31~S33およびステップS61~S64を含むプログラム等)及び各種のデータが格納されている。上記RAMは、データ及びプログラムを一時的に保持し、上記CPUの処理動作中のデータや入力データ、さらには外部より取得したデータ(通信部105を介して入力されたデータ等)を一時的に格納するものである。また、記憶部102は、さらにハードディスクドライブを有し、該ハードディスクドライブには、ユーザ管理データベース(DB)102aが格納されている。
【0021】
図2は、本実施形態に係るユーザ管理DB102aの構成を示す図である。ユーザ管理DB102aは、対象となるオンライン対戦ゲームにおける各ユーザの今までのプレイ結果を蓄積するものであって、ユーザID列、レベル列、実力値列、「過去20戦の勝敗状況」列、称号/アワード列を有する。ユーザID列には、該当するオンライン対戦ゲームに登録しているユーザを識別するためのIDが格納される。レベル列には、該当するオンライン対戦ゲームをプレイした結果、所定のタイミングで得られるポイント(例えば、経験値)の累積で増加するレベルが格納される。実力値列には、上記レベルとは別の指標であって、各ユーザの実力を示すパラメータが格納される。該実力値は、オンライン対戦終了後にその対戦の結果に応じて変動するパラメータであり、例えば、対戦に勝てば所定ポイント増加し、負ければ所定ポイント減少するように設定されている。よって、一概には言えないが、実力値は、その値が近いほどそのゲームにおける実力が近いだろうという目安となるものである。「過去20戦の勝敗状況」列には、各ユーザの直近20戦の勝敗を示す情報が格納される。称号/アワード列には、各ユーザについて、各々が取得した称号やアワードが格納される。このように、ユーザ管理DB102aは、対象となるゲームのオンライン対戦における、各ユーザの力量および戦績の少なくとも一方(過去のプレイ結果)を各ユーザに紐づけて管理するものである。なお、ユーザの力量を示すパラメータは、対象のオンライン対戦ゲームにおける過去のプレイの結果に応じて決まるので、過去のプレイ結果と言える。
【0022】
なお、ユーザ管理DB102aの各列は、各々に適したタイミングで更新される。すなわち、制御部101は、対象となるオンライン対戦ゲームにおける各ユーザのプレイ結果をユーザ管理DB102aに蓄積していく。例えば、実力値列の更新は、各オンライン対戦終了後である。すなわち、制御部102aは、ユーザID“P0001”のユーザがある対戦を終了して実力値ポイントを取得すると、ユーザ管理DB102aのユーザID“P0001”に該当する実力値に取得した実力値ポイントを加える/減らして実力値を更新する。また例えば、称号/アワード列の更新は、各ユーザが称号やアワードを取得したタイミングである。すなわち、制御部102aは、ユーザID“P0004”のユーザが王者の称号を持つユーザを5回倒して「王者キラー」の称号を取得すると、ユーザ管理DB102aのユーザID“P0004”の称号/アワード列に「王者キラー」の称号に関する情報を保存する。
【0023】
入力操作部103は、キーボードやマウス、タッチパネル等であり、使用者が操作することによって入力された操作に関する入力信号を受付ける。表示部104は、ディスプレイ等、所定の情報を使用者に提示する。通信部105は、ネットワーク200に接続されて、該ネットワーク200に接続されている他の情報処理装置(ゲーム装置300等)と通信する。この通信は有線であっても無線であってもよい。
【0024】
ゲーム装置300は、ネットワーク200を介してサーバ100と通信可能であり、所定のオンライン対戦ゲームに関する処理を実行可能なユーザ側情報処理装置であって、例えばサーバ100と同様の構成を備えている。ゲーム装置300は、スマートフォンやタブレットといった携帯端末、パーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機(据置型や携帯型)、アーケードゲーム機等、ゲームを実行できる情報処理装置であればいずれであっても良い。
【0025】
例えば、ゲーム装置300aは、制御部301a、記憶部302a、入力操作部303a、表示部304a、通信部305aを備えている。記憶部302aには、図5のステップS51~S54を含むプログラム等が格納されている。
【0026】
なお、上述のようにゲーム装置300は、個々のゲーム装置300a~300nを一般化したものであるので、各構成も一般化して制御部301、記憶部302、入力操作部303、表示部304、通信部305と表現する。なお、制御部301a(301)、記憶部302a(302)、入力操作部303a(303)、表示部304a(304)、および通信部305a(305)はそれぞれ、制御部101、記憶部102、入力操作部103、表示部104、および通信部105と同じ構成とすることができるので、ここではそれらの説明を省略する。
【0027】
本実施形態において、オンライン対戦ゲームは、1対1の対戦であり、対戦形式が「通常モード」と「チャレンジモード」とが用意されており、ユーザは所望に応じてこれら2つのモードを選択することができる。「通常モード」とは、対戦相手を決めるためのマッチングをランダムに行うものであり、本実施形態では、マッチング対象となるユーザから抽選によって対戦するペアを決める。このランダムなマッチングによって対戦するペアの一方と他方との間に大きなレベルの差が生じて両者間のレベルが不均衡になったとしても、これは結果的にそうなったのであって、意図的に不均衡になるようなマッチングではない。また、ランダムなマッチングは、対戦相手が同じようなレベルや実力となる場合もあるし、対戦相手との間にレベルや実力に差が出る場合もあるが、意図的に不均衡なマッチングとは言えない。なお、通常モードとしては、対戦するペアが同等の強さとなるようにマッチングするものであっても良く、この場合は、例えば、実力値を基準に対戦するペアを決めればよい。
【0028】
一方、「チャレンジモード」とは、本実施形態に係るマッチングであって、対戦するペアが意図的に不均衡になるようにマッチングするものである。本実施形態では、上記意図的に不均衡なマッチングをするための所定の観点を、ユーザの実力値とする。本実施形態では所定の観点を、より具体的に実力値が10以上高いこととする。よって、チャレンジモードを選択したユーザは、自分よりも実力値が10以上高い相手との対戦を要求することになる。例えば、図2においてユーザID“P0003”のユーザがチャレンジモードを選択した場合においてマッチングが成立すると、対戦相手は実力値42以上のユーザと対戦することになるのである。
【0029】
このように本実施形態ではチャレンジモードは、自分よりも実力値が高いユーザに挑戦するためのモードであり、当該ゲームにおける強者と戦ってみたいユーザであったり、当該ゲームの練習を積み以前よりも実力が上がり、その向上した実力を試してみたいユーザ等に適している。あるいは、敢えて自分を不利な状況に追い込んでプレイしてみたい、というユーザにも好まれるであろう。
【0030】
図3は、本実施形態に係るオンライン対戦ゲームにおけるマッチングの処理手順を示すフローチャートである。図3に示すマッチング処理が開始されると、制御部101は、不図示のタイマーを制御して経時を開始する。
各ユーザがオンライン対戦ゲームを行う際は、対戦相手のマッチングにおいて、ゲーム置300の表示部304に表示された図4に示す画面より、入力操作部303により通常モードかチャレンジモードのいずれかを選択する。すなわち、ユーザがゲーム装置300に表示された選択画面400において通常モードボタン401およびチャレンジモード402のいずれか一方を選択すると、ゲーム装置300は、ユーザによって選択されたモードを示すモード情報と共にマッチング要求をネットワーク200を介してサーバ100に送信する。ステップS31では、制御部101は、ゲーム装置300からユーザID、マッチング要求およびモード情報を受信する。すなわち、制御部101は、オンライン対戦ゲームへのユーザからのエントリを受付ける。なお、上記モード情報は、各ゲーム装置300の各々のユーザが望むモード(チャレンジモードおよびチャレンジモードと態様が異なるモードである通常モードのいずれか一方)を示す情報であるので、本ステップにおいて、制御部101は、各ユーザのマッチング要求に加えて、各ユーザが望むマッチングモードを受付けているとも言える。
【0031】
ステップS32では、制御部101は、受信したマッチング要求(当該オンライン対戦ゲームを要求しているユーザ数)が少なくとも対戦が実現できるユーザ数以上となる所定数を超えたか否かを判断する。すなわち、制御部101は、オンライン対戦ゲームにエントリしたユーザが所定数以上となったか否かを判断する。本実施形態では、上記所定数を、より多様なマッチングを実現するため、4以上の偶数とする。本実施形態では、1対1の対戦であるので、奇数のマッチング要求が集まった時点でマッチングを行うと、どうしても1ユーザ分マッチングから余ってしまうので、マッチング候補数とも言える上記所定数は偶数であることが好ましいと言える。しかしながら、該所定数は、奇数であっても良いことは言うまでもない。ステップS32において、制御部101は、マッチング要求が所定数集まっていないと判断する場合は(ステップS32においてNo)、ステップS33に進む。
【0032】
ステップS33では、制御部101は、タイマーを参照して、本マッチング処理の開始から所定時間経過しているか否かを判断する。所定時間経過していないと判断する場合は(ステップS33においてNo)、ステップS31に戻り、マッチング要求を受信し、受信したマッチング要求が所定数を超えたか否かの判断を繰り返す(ステップS31、S32)。一方、制御部101は、所定時間経過していると判断する場合は、ステップS40に進む。この場合、ステップS40では、制御部101は、ユーザIDに基づいてステップS31にて受信したマッチング要求の送信元のゲーム装置300を各々特定し、マッチング結果としてマッチング不成立の旨の通知を特定したゲーム装置300の各々に送信する。該マッチング不成立の通知を受信したゲーム装置300は、マッチングが不成立である旨の表示を表示部304に表示する。
【0033】
ステップS34では、制御部101は、ステップS31にてマッチング要求と共に受信したモード情報を参照し、チャレンジモードによる対戦を要求しているユーザが居るか否かを判断する。すなわち、制御部101は、収集したモード情報の中にチャレンジモードを選択したことを示すモード情報があるか否か判定することにより、現時点においてオンライン対戦ゲームのマッチング対象となる所定数のユーザの中にチャレンジモードを選択したユーザが居るか否かを判断する。上述のように、ユーザが今回の対戦としてチャレンジモードを要求する場合はユーザがゲーム装置300においてチャレンジモードボタン402を指定することにより、ゲーム装置300は、ユーザIDおよびマッチング要求に加えて該ユーザがチャレンジモードを要求していることを示すモード情報をサーバ100に送信することになる。従って、制御部101は、受信したユーザIDおよびモード情報に基づいて、チャレンジモードが指定されたゲーム装置300を特定することができ、どのゲーム装置300のユーザがチャレンジモードを要求しているのか、を認識することができる。
【0034】
チャレンジモードを要求するユーザが居ない場合(チャレンジモードを示すモード情報を送信したゲーム装置が無い場合;ステップS34にてNo)、制御部101は、現在オンライン対戦ゲームをするべくエントリしたユーザのうちチャレンジモードを選択したユーザは居ないと判断したので、通常モードのマッチングを実行する。本実施形態では、ステップS31にて受信したマッチング要求をしたユーザが上記エントリを行ったユーザであるので、制御部101は、ステップS31にて受信したユーザID(マッチング対象のユーザID)から抽選で対戦ペアを順次決めていく。次いで、ステップS40にて、制御部101は、ユーザIDに基づいてステップS31にて受信したマッチング要求の送信元のゲーム装置300を各々特定し、マッチング結果として各々のユーザIDに対して決定された対戦相手を示すマッチング結果情報を、特定したゲーム装置の各々に送信する。
【0035】
チャレンジモードを要求するユーザがいる場合(チャレンジモードを示すモード情報を送信したゲーム装置がある場合;ステップS34にてYes)、ステップS36にて、制御部101は、ステップS31にて受信したモード情報およびユーザIDに基づき、ユーザ管理DB102aを参照して、チャレンジモードを要求したユーザに対して該当するマッチングを行う(チャレンジモードでのマッチングを行う)。具体的にはまず、制御部101は、ユーザ管理DB102aにおいてマッチング対象のユーザIDの各々を参照して現在オンライン対戦ゲームにエントリしているユーザの各々の実力値を抽出する。次いで、制御部101は、ステップS31にて受信したモード情報およびユーザIDに基づいて、上記エントリしているユーザの中からチャレンジモードを指定したユーザを特定し、上記抽出した実力値を参照して該チャレンジモードを指定したユーザの各々について自身よりも実力値が10以上高いユーザと対戦するようマッチングを行う。このマッチングの際は、制御部101は、チャレンジモードを指定したあるユーザの対戦相手を決定する際、モード情報を参照して通常モードを指定したユーザの中から上記あるユーザの実力値よりも10以上高いユーザを該あるユーザの対戦相手として決定する。
【0036】
例えば、図2において、ユーザID“P0001”および“P0003”のユーザがチャレンジモードを指定し、ユーザID“P0004”およびユーザID“P0005”のユーザが通常モードを指定したとする。この場合、ステップS36においては、ユーザID“P0003”に対応するユーザの対戦相手として、ユーザID“P0005”に対応するユーザは実力値が“41”であり条件を満たさないので選択されず(実力値が10以上が条件)、ユーザID“P0003”の実力値“32”よりも10以上高いユーザID“P0004”に対応するユーザ(該ユーザに対応するユーザID)が選択される。すなわち、自身よりも実力が高いユーザとの対戦を望むユーザID“P0003”のユーザにとって(意図的な不均衡なマッチングを望むユーザにとって)、実力値が10以上高いユーザとの対戦が実現される。なお、ユーザID“P0001”の実力値もユーザID“P0003”よりも10以上高いが、ユーザID“P0001”のユーザもチャレンジモードを指定しているので、ユーザID“P0003”のユーザとマッチングすると、ユーザID“P0001”に対応するユーザにとっては「実力値が10以上高い」という条件を満たさなくなってしまう。よって、チャレンジモードを指定したユーザとのマッチングは、通常モードを指定したユーザから探すのである。
【0037】
制御部101は、上述のようにして、チャレンジモードを指定したユーザに対して対戦相手を決定してく。ただし、場合によっては、チャレンジモードを指定したユーザによっては、現在のマッチング対象(エントリしているユーザ)の中には条件を満たすユーザが居ないかもしれない。例えば、ユーザID“P0001”の実力値は“90”であり、現在のマッチング対象の通常モードを指定したユーザの中には実力値“90”よりも10以上高いユーザが居ない場合は、制御部101は、ユーザID“P0001”のユーザのマッチングを保留とする。
【0038】
ステップS37では、制御部101は、ステップS36においてチャレンジモードを要求したユーザの全てがチャレンジモードにてマッチングがなされたか否かを判断する。すなわち、制御部101は、チャレンジモードを要求したがチャレンジモードでのマッチングが保留されたユーザが居るか否を判断する。例えば、上述のように、現在エントリしているユーザの中に自身の実力値よりも10以上高いユーザが居ないユーザID“P0001”のユーザに対するチャレンジモードでのマッチングは保留となっているので、このような場合制御部101は、チャレンジモードを要求したユーザの全てがチャレンジモードにてマッチングがなされていないと判断し(ステップS37にてYes)、ステップS38に進む。
【0039】
ステップS38では、制御部101は、ステップS36にてチャレンジモードでのマッチングが保留されたユーザについて、モード情報をチャレンジモードを要求する旨の情報から通常モードを要求する旨の情報に変更する。すなわち、制御部101は、上記保留となっているユーザIDを抽出し、該ユーザIDに対応するモード情報を通常モードを要求する内容に書き換える。例えば、チャレンジモードでのマッチングが保留となっているユーザID“P0001”に対応するモード情報は、チャレンジモードを要求する内容から通常モードを要求する内容に変更される。このようにすることにより、エントリ時にはチャレンジモードを要求したが、その時のエントリしたユーザ(マッチング対象のユーザ)の中に自身の実力値に適した相手が居ないユーザであっても、当初要求したモードでは無いが、通常モードでのマッチングが行われ、オンライン対戦ゲームをプレイすることができる。
【0040】
一方、ステップS37においてチャレンジモードでのマッチングが保留されたユーザが居ない場合は、制御部101は、チャレンジモードを要求したユーザの全てがチャレンジモードでのマッチングがなされたと判断し(ステップS37にてNo)、ステップS39に進む。ステップS39では、制御部101は、ステップS36にてチャレンジモードでのマッチングがなされたユーザ以外のユーザ、つまり現在残っているユーザにおいて通常のマッチングを行う。すなわち、制御部101は、上記チャレンジモードに対するマッチングから残っているユーザIDから抽選で対戦ペアを順次決めていく。例えば、ステップS38にてマッチングの態様がチャレンジモードから通常モードに変更されたユーザについては、本ステップにおいて通常モードでのマッチングが行われる。例えば、上述のユーザID“P0001”については、該IDのユーザはエントリ時にはチャレンジモードを要求したが、チャレンジモード実現の要件に合う対戦相手が居なかったため、通常モードでのマッチングに活用され、ユーザID“P0001”に対応するユーザは通常モードでオンライン対戦ゲームをプレイすることになる。
【0041】
ステップS40では、制御部101は、制御部101は、ユーザIDに基づいてステップS31にて受信したマッチング要求の送信元のゲーム装置300を各々特定し、マッチング結果として各々のユーザIDに対して決定された対戦相手を示すマッチング結果情報を、特定したゲーム装置の各々に送信する。なお、ステップS38にてマッチングの態様がチャレンジモードから通常モードに変更されたユーザに対しては、該モードが変更された旨も通知する。従って、制御部101は、上記モードが変更されたユーザに関するユーザIDに基づいて、該ユーザIDの送信元のゲーム装置300に対しては、モードが変更された旨の情報をマッチング結果情報に含めて送信する。このようにして制御部101は、マッチング処理を終了し、次いでマッチングがなされた対戦ペアの各々についてオンライン対戦ゲームに係る次の処理を実行する。
【0042】
ゲーム装置300は、受信したマッチング結果情報(場合によってはモード変更を示す情報も含む)に基づいて、今回のオンライン対戦における対戦相手を表示部304に表示して(モード変更を示す情報も含まれる場合は、適切な対戦相手が居なかったためチャレンジモードから通常モードに変更した旨も表示して)、ユーザに対してマッチング結果を通知する。
【0043】
このように本実施形態によれば、オンライン対戦ゲームにおいて、所定の観点(例えば、実力値等)おいて意図的に不均衡なマッチングを実行することができるので、「自分よりも数段格上の実力を持つユーザに挑戦したい」であったり、「自分の実力が現状よりも上のレベルで通用するか試してみたい」であったり、「強者の強さを体感してみたい」といった、自分よりも強者との対戦を望むユーザの要求を満たすことができる。このような自分よりも強者との対戦は、単なる抽選にて対戦相手を決定するようなランダムなマッチングでも実現されることはあるが、こちらは抽選の結果でたまたまそうなる、という結果論であって、自分よりも強者との対戦を望んだタイミングで実現されるとは限らない。
【0044】
また、例えば、上記所定の観点が対戦するグループの人数であり、不均衡なマッチングとして1対Nとなるようなマッチングの場合、一人の方が人数が少なく不利となるが、このような状況も実力が高いユーザにとってはやりがいのある状況になるかもしれない。すなわち、実力が高く1対1の対戦では敵無しのようなユーザに対して、人数的に不利での対戦という難易度が上がったオンライン対戦の場を提供することができる。
【0045】
このように、本実施形態によれば、同レベルでのマッチングやランダムなマッチングのように一般的に行われるマッチングとは別の視点である不均衡なマッチングを実行することにより、上述のような対戦する2つの側が不均衡であるからこそ得ることができる、新たなオンライン対戦の楽しみ方(例えば、敢えて困難なオンライン対戦に挑む等)を提供することができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、意図的な不均衡なマッチングであるチャレンジモードに加えて、同レベルでのマッチングやランダムなマッチングである通常モードを用意し、それらをユーザが選択できるので、不均衡なマッチングにより享受される遊び方や通常の遊び方でオンライン対戦を行うことができ、オンライン対戦ゲームの更なる楽しみ方の幅を拡げることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、意図的に不均衡なマッチングをするための所定の観点を実力値としているが、レベルや戦績であっても良い。所定の観点を戦績とする場合、例えば、所定の観点を「過去20戦の対戦で16勝以上していること」とすると、該当するユーザは過去20戦の勝率が80%以上であり、調子が絶好調であると推定される。こういったユーザとのマッチングは、調子という尺度から不均衡なマッチングとも言えるだろう。この場合は、ステップS36において制御部101は、ユーザ管理DB102aの「過去20戦の勝敗状況」列を参照して過去20戦で15勝以上しているユーザを抽出し、該抽出されたユーザをチャレンジモードを望むユーザの対戦相手として設定すれば良い。また、所定の観点を「戦績としてのある称号を保有していること」とすると、ステップS36において制御部101は、ユーザ管理DB102aの「称号/アワード」列を参照して該当する称号を保有するユーザを抽出し、該抽出されたユーザをチャレンジモードを望むユーザの対戦相手として設定すれば良い。このように、絶好調のユーザや称号やアワードを保有しているユーザと対戦したい、と望むユーザの希望を実現することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
本実施形態は、不均衡なユーザ同士のマッチングにおいて、対戦する2つの配属先の一方が所定の条件を満たした場合にのみ配属可能(エントリ可能)なものであり、対戦する2つの配属先の他方が所定の条件を満たさなくても配属可能(エントリ可能)なものであり、対象となるオンライン対戦ゲームにおけるプレイ結果に基づいて上記所定の条件を基準にそのユーザが配属可能な配属先(選択可能な配属先)を決定して該ユーザに表示するものである。
【0049】
本実施形態において、オンライン対戦ゲームは、1対K(Kは、2以上の整数)の対戦(所定の観点を配属先を構成する人数)であり、所定の観点において意図的に不均衡なマッチングによって対戦相手が決定される。また、プレイ結果に基づいて、上記所定の条件を満たした場合にのみ配属可能な配属先としての“猛者側”と、上記所定の条件を満たさなくても配属可能な配属先としての“常人側”とが用意されており、猛者側には1人のユーザが配属され、常人側にはN人のユーザが配属される。よって、N人のユーザに対して自分ひとりで対戦することを望むユーザが猛者側を選択することになるであろう。ただし、上述のように、所定の条件を満たしたユーザでなければ、猛者側にてプレイすることはできない。すなわち、猛者側をプレイしたいと要望するが、所定の条件を満たさないユーザは猛者側ではプレイできないのである。なお、本実施形態において、“所定の条件”とは、「実力値が70以上であること」とする。従って、実力値が70以上であるユーザは、猛者側および常人側の双方を選択することができるが、実力値が70未満のユーザは、猛者側を選択することはできず、常人側のみ選択できることとなる。
【0050】
図5は、本実施形態に係るオンライン対戦ゲームにおけるマッチングの処理手順を示すフローチャートである。図5に示すマッチング処理が開始されると、制御部101は、不図示のタイマーを制御して経時を開始する。
ステップS51では、制御部301は、ユーザからマッチング要求を受け付けると、マッチング要求およびユーザIDをサーバ100に対して送信する。本実施形態では、不均衡なマッチングを行うことを前提としているが、第1の実施形態のように不均衡なマッチングと、通常のマッチング(ランダムなマッチング等)とをユーザに選択させても良い。
【0051】
ステップS31~S33において、制御部101は、第1の実施形態と同様に各ゲーム装置300からマッチング要求およびユーザIDを受信し、所定時間を経過する間にマッチング要求が所定数集まったか否かを判断する。所定時間経過したタイミングで所定数のマッチング要求が集まらなかった場合は、ステップS64に進み、制御部101は、ユーザIDに基づいてステップS31にて受信したマッチング要求の送信元のゲーム装置300を各々特定し、マッチング結果としてマッチング不成立の旨を示すマッチング結果情報を特定したゲーム装置300の各々に送信する(ステップS64)。次いで、ゲーム装置300では、ステップS64にて送信されたマッチング結果情報に基づいて表示部304にマッチングが不成立だった旨を表示する(ステップS54)。
【0052】
ステップS61では、制御部101は、ステップS31にて受信したユーザIDに基づきユーザ管理DB102aを参照して(プレイ結果に基づいて)、現在エントリしているユーザ(マッチング要求しているユーザ)の各々について、所定の条件を満たしているか否かを基準に自身が配属可能(選択可能)な配属先を決定(設定)する。すなわち、制御部101は、エントリしているユーザのユーザIDによりユーザ管理DB102aから該ユーザIDに対応する実力値を抽出し、このユーザに対する配属可能な配属先として、抽出された実力値が70以上である場合は“猛者側”および“常人側”を設定し、抽出された実力値が70未満である場合は“常人側”のみを設定する。よって、例えば、ユーザID“P0001”、ユーザID“P0004”のユーザがエントリした場合は、これらの実力値は70以上であるので所定の条件を満たしていると判断されて、“猛者側”と“常人側”の双方が配属可能として決定される。一方、ユーザID“P0002”、ユーザID“P0003”、ユーザID“P0005”のユーザがエントリした場合は、これらの実力値は70未満であるので所定の条件を満たしていないと判断されて、“常人側”のみが配属可能として決定される。すなわち、ユーザID“P0002”、ユーザID“P0003”、ユーザID“P0005”に対応するユーザは、猛者側での対戦を希望しても、現状はプレイできないのである。
【0053】
ステップS62では、制御部101は、現在エントリしているユーザの各々に対して、ステップS61にて決定された配属可能な配属先を表示するよう該当するゲーム装置300に指示する。すなわち、制御部101は、ステップS31にて受信したユーザIDの送信元のゲーム装置300に対して、ステップS61にて決定された配属可能な配属先を示す配属先情報を送信して、ユーザのプレイ履歴に基づいて決定された配属可能な配属先を各ゲーム装置300に表示させる。
【0054】
ステップS52では、制御部301は、サーバ100から受信した配属先情報に基づいて、本ゲーム装置300に対応するユーザが配属可能な配属先を表示部304に表示する。すなわち、制御部301は、所定の条件を満たしている場合と満たしていない場合とで表示態様を変えた選択画面を表示部304に表示し、ユーザに所望の配属先を選択させる。例えば、制御部301は、所定の条件を満たしているユーザに対しては図6に示す選択画面600を提示し、所定の条件を満たしていないユーザに対しては選択画面601を提示する。選択画面600では、猛者側選択ボタン602と常人側選択ボタン603との双方が入力可能に表示される。一方、選択画面601では、常人側選択ボタン603は入力可能に表示されるが、猛者側選択ボタン602は暗転するなどして入力できないように表示される。すなわち、選択画面600においては猛者側選択ボタン602および常人側選択ボタン603の双方を選択可能であるが、選択画面601においては猛者側選択ボタン602を選択できず、常人側選択ボタン603のみを選択可能である。
【0055】
なお、ステップS62によるサーバ100からの指示に応じて、ゲーム装置300は図6に示すような選択画面をユーザに提示するので、制御部101は、所定の条件を満たしている場合と満たしていない場合とで表示態様を変えて、配属可能な配属先をゲーム装置に表示させていると言える。
【0056】
ステップS53では、制御部301は、ユーザにより選択(入力)された配属先を受付け、該選択された配属先を示す選択配属先情報およびユーザIDをサーバ100に送信する。所定の条件を満たしているユーザは、“猛者側”および“常人側”の双方を選択できるので、所望に応じて猛者側選択ボタン602および常人側選択ボタン603のいずれか一方を指定することができ、制御部301は、指定された方に対応する配属先を示す選択配属先情報を生成する。また、所定の条件を満たしていないユーザは、“猛者側”は選択できず“常人側”のみを選択できるので、常人側選択ボタン603を指定することになり、制御部301は、配属先として常人側を示す選択配属先情報を生成する。
【0057】
ステップS63では、制御部101は、各ゲーム装置300から送信された選択配属先情報およびユーザIDに基づいて、各ユーザが自身で選択した配属先に配属されるようマッチング(不均衡なマッチング)を行う。すなわち、制御部101は、ステップS53にて選択配属先情報を送信したユーザ群から、1対K(猛者側の配属先が1人であり、常人側の配属先がK人となる対戦)という人数の観点から不均衡な対戦グループを次々と生成していく。例えば、Kが“3”であり(1対3の対戦)、ユーザID“P0001”に対応するユーザが猛者側を選択し、ユーザID“P0002”、ユーザID“P0003”、ユーザID“P0004”に対応するユーザがそれぞれ常人側を選択した場合、ユーザID“P0001”は猛者側の配属先に配属されるように設定され、ユーザID“P0002”、ユーザID“P0003”、ユーザID“P0004”は常人側の配属先に配属されるように設定されることにより、1つの対戦グループが形成される。同様にして、制御部101は、猛者側に対応する配属先と常人側に対応する配属先とが対戦する対戦グループが形成されるよう、各ユーザIDに対応する選択配属先情報に基づいて該当する側に次々と配属していく。
【0058】
なお、場合によっては、常人側を選択したユーザが非常に多く、1対Kの対戦グループを形成する相手となる猛者側のユーザが残っていない等、ステップS53にて選択配属先情報を送信したユーザ群から1対Kからなる対戦グループに入れないユーザも出てくるかもしれない。こういった場合は、例えば、残ってしまったユーザについては本実施形態に係る不均衡なマッチングとは別のマッチングに切替えてマッチングを行えばよい。このような別のマッチングとしては、例えば、同数のチームによる対戦として各チームへの配属をランダム(抽選等)に行えばよい。あるいは、残ってしまったユーザに対しては、マッチング不成立としても良い。
【0059】
ステップS64では、制御部101は、ユーザIDに基づいて、ステップS63でのマッチングの結果(対戦相手)を示すマッチング結果情報を各ユーザIDに対応するゲーム装置300に送信し、ゲーム装置300にてマッチング結果(対戦相手)を表示させる。なお、上述のように、ステップS63にてマッチングからあぶれてしまったユーザが生じてしまった場合は、制御部101は、これらユーザに対して、別のマッチングに切替えた旨および切替えられたマッチングにより決定された対戦相手の情報や、マッチング不成立を示す情報をマッチング結果情報として対応した処理に応じて送信すれば良い。このようにして制御部101は、マッチング処理を終了し(サーバ側のマッチング処理を終了)、次いでマッチングがなされた対戦グループの各々についてオンライン対戦ゲームに係る次の処理を実行する。
【0060】
ステップS54では、制御部301は、ステップS64にてサーバ100から送信されたマッチング結果情報を受信すると、該マッチング結果情報が示すマッチング結果を表示部304に表示する。このようにして制御部301は、マッチング処理を終了し(ゲーム装置側のマッチング処理を終了)、次いでマッチングがなされた対戦グループの各々についてオンライン対戦ゲームに係る次の処理を実行する。
【0061】
このように本実施形態によれば、第1の配属先と第2の配属先とが対戦する所定のオンライン対戦ゲームにおける上記2つの配属先の一方への不均衡なマッチングにおいて、所定の条件を満たしている場合にのみ配属が可能な配属先と、所定の条件を満たさなくても配属可能な配属先とを用意し、各ユーザについて、上記オンライン対戦ゲームに対するユーザのプレイ結果に基づいて所定の条件を満たしているか否かによって配属可能な配属先を設定しているので、不均衡なマッチングによって不利となる配属先(例えば、猛者側)に、そこまで実力が高くないユーザが配属されることを低減することができる。従って、不均衡なマッチングという一方の配属先にとっては厳しい状況でのオンライン対戦において、厳しい方の配属先(例えば、猛者側)に実力が劣るユーザが配属されてしまい全く試合にならない、という状況に陥ることを低減することができる。
【0062】
(その他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラム(例えば、図3図5に示す処理を行うプログラム)を記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM等を用いることができる。また上述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し上述の実施形態の動作を実行するものも上述した実施形態の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
100 サーバ
101、301、301a 制御部
102、302、302a 記憶部
102a ユーザ管理DB
103、303、303a、 入力操作部
104、304、304a 表示部
105、305、305a 通信部
200 ネットワーク
300、300a~300n ゲーム装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6