(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064909
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】平板運搬具
(51)【国際特許分類】
B62B 3/10 20060101AFI20240507BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20240507BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20240507BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B62B3/10 Z
B62B3/02 B
B60P3/00 G
B62B5/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173864
(22)【出願日】2022-10-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】512118174
【氏名又は名称】株式会社F.クリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】古宮 昇
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA35
3D050BB02
3D050CC05
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
(57)【要約】
【課題】 幅の狭い通路や足場でも容易に持ち運ぶことができ、台車に取り付けることで、平板の重量物を安定して運搬することができる平板運搬具を提供する。
【解決手段】 本発明の平板運搬具は、台車に取り付け可能であって、平板を斜めに立て掛けて運搬できるものである。本発明の平板運搬具の構成は、平板運搬具を前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して50°以上85°以下の角度をなす矩形状の平板寄掛りフレームと、前記平板寄掛りフレームの上面の下辺に連結され、前記平板寄掛りフレームの上面に対して80°~100°の角度で固定された矩形状の平板下支えフレームと、前記平板寄掛りフレームの下面の前後両端に取り付けられ、前記平板運搬具を前記台車の上面に固定する一対の固定フレームと、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車に取り付け可能であって、平板を斜めに立て掛けて運搬できる平板運搬具であって、
前記平板運搬具を前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して50°以上85°以下の角度をなす矩形状の平板寄掛りフレームと、
前記平板寄掛りフレームの上面の下辺に連結され、前記平板寄掛りフレームの上面に対して80°~100°の角度で固定された矩形状の平板下支えフレームと、
前記平板寄掛りフレームの下面の前後両端に取り付けられ、前記平板運搬具を前記台車の上面に固定する一対の固定フレームと、を有することを特徴とする平板運搬具。
【請求項2】
前記一対の固定フレームはそれぞれ、前記平板寄掛りフレームの下面の側辺に回動可能に取り付けられている請求項1に記載の平板運搬具。
【請求項3】
前記固定フレームは、前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して垂直に延びる脚部と、前記脚部と前記平板寄掛りフレームの下面の側辺とを繋ぎ、前記平板寄掛りフレームの下面の側辺に取り付けられている支持部と、を有し、
前記脚部の下端には、前記台車の上面を上下に挟み込む固定部が設けられている請求項1又は2に記載の平板運搬具。
【請求項4】
前記平板下支えフレームは、前記平板寄掛りフレームの上面に対して最大90°の範囲で回動可能に前記平板寄掛りフレームの上面の下辺に取り付けられている請求項1又は2に記載の平板運搬具。
【請求項5】
前記支持部は、前記脚部と前記平板寄掛りフレームの下面の側辺とを繋ぐ部材として2本以上設けられており、かつ前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して平行とされている請求項3に記載の平板運搬具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の重量物を簡便に運搬できる平板運搬具に関し、より詳細には、台車に取り付け可能で、台車に取り付けた状態で板状の重量物を簡便に運搬できる平板運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
アルポリック、ストローボード材、オフィスアルミパーティションなどの内装資材、ガラス、サッシ、ベニヤ板、パネル、コンパネ、ボードなどの板状の重量物の運搬は、その形状の特質から、通常、一般的な台車には載せることができず、仮に載せることができたとしても台車が不安定になり運びにくく危険である。また、台車が場所を取りすぎたり、資材や荷物が不安定な状態となったりするため、思うように作業を進めることができず、最悪の場合、板状物を壁や柱などにぶつけて破損させてしまうリスクや、運搬中に台車や台車からはみ出した板状物を人にぶつけてしまう危険性もある。このため、やむを得ず板状の重量物を手運びすることもあり、時間と労力のかかる非効率的な作業になる。
【0003】
上記の板状の重量物を効率的に運搬するための台車として、例えば、特許文献1(特開2020-050290号公報)には、パネル材の運搬台車が開示されている。特許文献1に開示のパネル材の運搬台車は、車体前方の下部に設けられる一つの車輪と、当該車輪に支持されるフレームと、を備えており、パネル材をその長手方向を進行方向の左右側に向けて当該パネル材が前記一対の上枠側部に跨って載置可能であるとともに、前記パネル材の1つの角部が上方を向き、且つ、前記1つの角部の対角の角部が前記上枠前部及び前記連結部の間で下方を向いて、当該パネル材の側面が前記上枠前部及び前記連結部に当接するように載置可能である。
【0004】
特許文献1に開示のパネル材の運搬台車を用いることにより、板状の重量物を安全に効率よく運ぶことができるので、人手による作業時間を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のパネル材の運搬台車の欠点として、車輪が1つのみであるから運搬台車を動かしている最中に不安定になること、パネル材を運搬台車に固定するときの作業が煩わしいこと、運搬台車の2倍以上の大きさのパネル材を搭載すると不安定になってしまうこと、運搬台車を折りたたむことができないため、運搬台車を持ち運びするときの作業が煩わしいこと等が挙げられる。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、幅の狭い通路や足場でも容易に持ち運ぶことができる平板運搬具であって、この平板運搬具を台車に取り付けることで、平板状のパネル材を安定して運搬することができる平板運搬具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、台車に取り付ける平板運搬具の構成について鋭意検討を重ねることにより、以下に示す本発明を完成させた。すなわち、本発明の平板運搬具は、台車に取り付け可能であって、平板を斜めに立て掛けて運搬できるものである。本発明の平板運搬具の構成は、平板運搬具を前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して50°以上85°以下の角度をなす矩形状の平板寄掛りフレームと、前記平板寄掛りフレームの上面の下辺に連結され、前記平板寄掛りフレームの上面に対して80°~100°の角度で固定された矩形状の平板下支えフレームと、前記平板寄掛りフレームの下面の前後両端に取り付けられ、前記平板運搬具を前記台車の上面に固定する一対の固定フレームと、を有する。
【0009】
一対の固定フレームを用いて台車に平板運搬具を取り付けることにより、平板寄掛りフレームが台車の上面に対して50°以上85°以下の角度をなした状態となる。この状態で、平板下支えフレームに平板の底部を置いて平板の表面を平板寄掛りフレームに立て掛けることにより、平板を平板運搬具に安定して載せることができる。そして、平板寄掛りフレームと平板下支えフレームのなす角度を80°~100°とすることで、平板の底部が平板下支えフレームに接した状態で、平板の表面が平板寄掛りフレームに当接しやすくなるので、台車で平板を運搬するときにも平板がガタつきにくい。しかも、本発明の平板運搬具は、台車とは別部材で構成されるため、平板を運搬しないときには平板運搬具を台車から取り外すことができるので、従来のように台車と運搬具が一体となった構成の場合と比べて持ち運びしやすいという利点がある。
【0010】
上記構成において、一対の固定フレームはそれぞれ、平板寄掛りフレームの下面の側辺に回動可能に取り付けられていることが好ましい。このように一対の固定フレームが平板寄掛りフレームの下面の側辺に回動可能に取り付けられていることにより、平板運搬具を台車から取り外した後に、一対の固定フレームを平板寄掛りフレームに向けて回動させることによって、平板運搬具をコンパクトに収納することができ、さらに持ち運びしやすくなる。
【0011】
上記構成において、前記固定フレームは、前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して垂直に延びる脚部と、前記脚部と前記平板寄掛りフレームの下面の側辺とを繋ぎ、前記平板寄掛りフレームの下面の側辺に取り付けられている支持部と、を有し、前記脚部の下端には、前記台車の上面を上下に挟み込む固定部が設けられていることが好ましい。このように脚部と支持部によって平板寄掛りフレームの下面を下側から支えることによって平板寄掛りフレームを固定することができる。そして、このように固定フレームが台車の上面を上下に挟み込む固定部を有することにより、平板運搬具を台車により強固に固定することができるようになるため、平板を運搬するときの平板の安定性をさらに向上させることができる。
【0012】
上記構成において、平板下支えフレームは、前記平板寄掛りフレームの上面に対して最大90°の範囲で回動可能に平板寄掛りフレームの上面の下辺に取り付けられていることが好ましい。このように平板下支えフレームが平板寄掛りフレームの上面の下辺に回動可能に取り付けられていることにより、平板運搬具を台車から取り外した後に、平板下支えフレームを平板寄掛りフレームの上面まで回動させることによって平板運搬具をコンパクトに収納することができ、さらに持ち運びしやすくなる。しかも、平板寄掛りフレームと平板下支えフレームのなす角度を最大90°とすることで、平板の底部が平板下支えフレームに接した状態で、平板の表面が平板寄掛りフレームに当接するので、台車で平板を運搬するときにも平板がガタつきにくい。
【0013】
上記構成において、支持部は、前記脚部と前記平板寄掛りフレームの下面の側辺とを繋ぐ部材として2本以上設けられており、かつ台車に取り付けた状態で、台車の上面に対して平行とされていることが好ましい。このように台車の上面に対して平行となるように複数の支持部が設けられることにより、この支持部の上に平板とは別の部材を配置して平板とともに運搬することができる。平板の重量物を運搬する際には、平板のみを運搬することは稀であり、平板とともに角材や棒材を運搬することが一般的であるため、平板以外の部材も同時に運搬できることで、運搬の作業効率を向上させることができる。しかも、平板以外の部材を支持部に配置することにより、台車全体の重量を増加させることができるため、台車の安定性をさらに高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の平板運搬具は、幅の狭い通路や足場でも容易に持ち運ぶことができ、台車に取り付けることで、平板の重量物を安定して運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】
図1の平板運搬具を台車に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図3の平板運搬具に平板の重量物を搭載した状態を示す斜視図である。
【
図7】
図5の平板運搬具に角材などの他の部材を搭載した状態を示す斜視図である。
【
図9】
図4の平板下支えフレームを畳んだ状態の正面図である。
【
図10】
図9の固定フレームを畳んだ状態を示す図である。
【
図11】
図10の平板寄掛りフレームを上下方向に収縮させた後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更することができる。
【0017】
図1は、本発明の平板運搬具の斜視図であり、
図3は、
図1の平板運搬具を台車に取り付けた状態を示す斜視図であり、
図5は、
図3の平板運搬具に平板の重量物を搭載した状態を示す斜視図であり、
図7は、
図5の平板運搬具に角材などの他の部材を搭載した状態を示す斜視図である。また
図2、
図4、
図6及び
図8はそれぞれ、
図1、
図3、
図5及び
図7の正面図である。本発明の平板運搬具10は、台車20に取り付けて使用されるものであり、平板寄掛りフレーム11と、平板下支えフレーム12と、一対の固定フレーム13で構成されている。以下において、
図1の紙面の手前側を前側とし、
図1の紙面の奥を後ろ側とする。
【0018】
(平板寄掛りフレーム)
平板寄掛りフレーム11は、
図1に示すように、平板30の重量物を搭載したときに平板30が寄り掛かる部位であり、4本の金属製フレームを組み合わせて矩形状とされている。平板寄掛りフレーム11は、
図3に示すように、平板運搬具10を台車20に取り付けた状態で、台車20の天板21に対して50°以上85°以下の角度をなすようにして台車20に固定されている。このような角度で台車20に平板寄掛りフレーム11が固定されていることで、
図5に示すように、平板30を平板寄掛りフレーム11に寄り掛かるように搭載することができ、台車動作時の平板30の安定性を向上させることができる。平板寄掛りフレーム11の台車20の天板に対する角度が50°未満であっても、85°を超えても平板の安定性が著しく低下するため好ましくない。
【0019】
平板寄掛りフレーム11は、4本の金属製フレームのうちの側辺二辺に一回り細い金属製フレームが内蔵されている。そして、この一回り細い金属製フレームを上側に引き出した状態で固定できるので、平板寄掛りフレーム11の上下方向の長さを調整できる。これにより、例えば、運搬したい平板30のサイズが大きい場合、平板寄掛りフレーム11の上下方向の長さを調整することで、平板30が安定して寄り掛かることができるサイズに平板寄り掛かりフレーム11のサイズを調整することができる。
図5及び
図6に示すように、平板寄掛りフレーム11の上下方向の長さは、運搬時の安定性の観点から、運搬したい平板30の上下方向の長さの60%以上にすることが好ましい。
【0020】
(平板下支えフレーム)
平板下支えフレーム12は、平板の重量物の底部を支持するために設けられるものであり、4本の金属製フレームを組み合わせて矩形状とされている。本実施形態では、平板下支えフレーム12の耐荷重性を向上させるために、4本の金属製フレームを補強するフレーム材がさらに取り付けられている。本実施形態において、平板下支えフレーム12は、平板寄掛りフレーム11の上面に対して最大90°の範囲で回動可能に平板寄掛りフレーム11の上面の下辺に蝶番を用いて取り付けられている。
【0021】
図5及び
図6に示すように、平板30の表面を平板寄掛りフレーム11に寄り掛かるようにして、平板の重量物が平板下支えフレーム12に搭載される。
図2及び
図4に示されるように、平板寄掛りフレーム11の表面と平板下支えフレーム12の表面とのなす角が最大90°となるように組付けられているので、平板30の重量物を平板下支えフレーム12に搭載したときに、平板30と平板寄掛りフレーム11の間に隙間が生じにくく、台車20の動作時のガタつきを防止することができる。なお、本実施形態では、平板寄掛りフレーム11の表面と平板下支えフレーム12の表面とのなす角度が90°の場合(すなわち直交する場合)を説明したが、90°であることは必須ではなく、平板寄掛りフレーム11の上面に対する平板下支えフレーム12の表面は、80°~100°の角度となるように固定してもよい。80°未満であっても100°を超えても運搬時の平板の安定性が低下するため好ましくない。
【0022】
(固定フレーム)
一対の固定フレーム13は、平板運搬具10を台車20の上面に固定するための部位であり、平板寄掛りフレーム11の下面(平板下支えフレーム12が取り付けられた側とは反対側の面)の前後側辺に回動可能に取り付けられている。固定フレーム13は、台車20に取り付けた状態で、台車20の上面に対して垂直に延びる脚部131と、脚部131と平板寄掛りフレーム11の下面の側辺とを繋ぎ、平板寄掛りフレーム11の下面の側辺に取り付けられている支持部133と、を有し、脚部131の下端には、台車20の天板21を上下に挟み込む固定部132が設けられている。
【0023】
図4及び
図6に示す通り、一対の固定フレーム13のそれぞれの脚部131が台車20の天板21に当接するとともに、平板運搬具10の平板寄掛りフレーム11の下端が台車20の天板21に当接し、これらの当接が相俟って、台車20の上に平板運搬具10を強固に固定することができる。また、台車20の上面に対して脚部131が垂直に延びているので、平板寄掛りフレーム11に平板30が積層された時にも脚部131が平板寄掛りフレーム11の下面をしっかりと支持することができる。しかも、脚部131の下端には台車20の天板21を挟み込むように固定部132が設けられているので、この固定部132を台車20の天板21に挟み込むことで、固定フレーム13の固定強度をさらに高めることが可能となる。
【0024】
ここで、固定部132は、
図2に示すように、脚部131の先端において、脚部131に対して垂直に取り付けられた突起134と、当該突起134から天板21の厚み程度に離れた位置に、当該突起134と同様に脚部131に対して垂直に取り付けられ、かつ天板21の上面に当接する当接部135とを有している。そして、当接部135と突起134の2点で台車20の天板21を挟み込むことによって固定フレーム13を天板21に固定されている。
【0025】
本実施形態では、
図2、
図4、
図6、
図8に示す通り、支持部133は、脚部131と平板寄掛りフレーム11の下面の側辺とを繋ぐ部材として2本設けられており、かつ台車20に取り付けた状態で、台車20の上面に対して平行とされている。このように支持部133を設けることにより、当該支持部133の上側にも運搬物を搭載することが可能となる。平板30の重量物を運搬する際には、平板30のみを運搬することは稀であり、平板30とともに角材31や棒材32を運搬することが一般的であるため、
図7及び
図8に示すように、支持部133を2本設けることにより、平板30と同時に角材31や棒材32を運搬することができるため、運搬の作業効率をさらに向上させることができる。しかも、平板30の重量物以外の運搬物(
図7、
図8の角材31、棒材32等)を支持部133に配置することにより、台車全体の重量を増加させることができるため、台車20の安定性をさらに高めることが可能となる。
【0026】
なお、本実施形態では、脚部131と平板寄掛りフレーム11の下面の側辺とを繋ぐ支持部133が2本設けられている場合を例示して説明したが、支持部133の本数は2本に限られず、3本以上の支持部133を設けてもよい。支持部133の本数を増やすほど、平板寄掛りフレーム11の支持強度を向上させることができるし、支持部133の上部に運搬できる運搬物の種類を増やすことが可能となる。ただし、支持部133の本数を増やし過ぎると、平板以外の大きな運搬物を運搬しにくくなるため、支持部133の本数は用途に応じて適宜設定すべきである。
【0027】
(台車)
本発明の平板運搬具10を取り付ける台車20は、各図の通り、四輪式が好ましいが、三輪式であってもよい。本発明の平板運搬具10を三輪式の台車に取り付ける場合、台車20の前後方向への動作が容易であるものの、台車20の前後方向に垂直な方向に台車を動作させたいときには台車20を蛇行運転させる必要がある。このため、台車の機動性を考慮すると、
図1、
図3等に示す通り、四輪式の台車を用いることが好ましい。
【0028】
(平板運搬具の収納方法)
本発明の平板運搬具を収納する方法について、
図9~
図11を用いて説明する。
図9は、
図4の平板下支えフレームを畳んだ状態の正面図であり、
図10は、
図4の固定フレームを畳んだ状態を示す図であり、
図11は、
図10の平板寄掛りフレームを上下方向に収縮させた後の状態を示す図である。平板下支えフレーム12が、平板寄掛りフレーム11の上面に対して最大90°の範囲で回動可能に取り付けられている場合、平板30を運搬しないときには平板下支えフレーム12を平板寄掛りフレーム11側に畳むことで(
図9)、幅の狭い通路や足場でも容易に台車で移動することができる他、平板運搬具10を台車20から取り外したときには平板運搬具10をコンパクトに収納することができる。
【0029】
さらに、一対の固定フレーム13がそれぞれ、平板寄掛りフレーム11の下面の側辺に対して回動可能に取り付けられていることで、平板30を運搬しないときには、
図10に示すように、一対の固定フレーム13を平板寄掛りフレーム11側に折り畳むことで、平板運搬具10を枚葉状に収納することができ、幅の狭い通路や足場でも容易に持ち運びすることができる。
【0030】
本発明の平板運搬具10は、
図11に示すように、平板寄掛りフレーム11の上面側に取り付けられた平板下支えフレーム12を折り畳み、さらに、平板寄掛りフレーム11の下面側に取り付けられた一対の固定フレーム13を折り畳むことで、
図11に示すように枚葉状のシートにまで収納することができる。これにより現場に持ち運ぶ際には、本発明の平板運搬具10を折り畳んだ状態で台車20の上に載せて現場まで運び、現場に到着した時点で平板運搬具10を台車20に組み付けることによって、あらゆる場所で平板の運搬作業を開始することができる。
【0031】
平板運搬台車が三輪式である場合には、台車の進行方向に押し進めることは容易であるが、台車の進行方向の垂直方向には移動させにくく、進行方向の垂直方向に台車を押し進めるときには蛇行運転する必要がある。その点、本発明の平板運搬具は、四輪式の台車に取り付けることができるので、四輪式の台車に搭載することによって、台車の進行方向とは垂直に押し進めやすいという利点がある。
【0032】
従来の平板運搬台車は、台車と平板積載部分が一体型となっていたためコンパクトに収納することが難しく、このため、狭い現場に持ち込みにくいため小回りが利かず、しかも、平板の重量物を運搬する用途だけに限定されていた。一方、本発明の平板運搬具10は、台車とは別部材として設けられているため、狭いところに持ち運びすることができ、かつ現場で簡単に台車に組み付けることができるので、狭い場所やスペースが限られた場所でも平板30を運搬することができる。そして、平板の運搬作業が終わると、平板運搬具10を取り外して折り畳んで収納することもできるし、台車を別用途にそのまま使うことができるので使い勝手が良い。
【符号の説明】
【0033】
10 平板運搬具
11 平板寄掛りフレーム
12 平板下支えフレーム
13 固定フレーム
20 台車
21 天板
30 平板
131 脚部
132 固定部
133 支持部
134 突起
135 当接部
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車に取り付け可能であって、平板を斜めに立て掛けて運搬できる平板運搬具であって、
前記平板運搬具を前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して50°以上85°以下の角度をなす矩形状の平板寄掛りフレームと、
前記平板寄掛りフレームの上面の下辺に連結され、前記平板寄掛りフレームの上面に対して80°~100°の角度で固定された矩形状の平板下支えフレームと、
前記平板寄掛りフレームの下面の前後両端に取り付けられ、前記平板運搬具を前記台車の上面に固定する一対の固定フレームと、を有し、
前記固定フレームは、前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して垂直に延びる脚部と、前記脚部と前記平板寄掛りフレームの下面の側辺とを繋ぎ、前記平板寄掛りフレームの下面の側辺に取り付けられている支持部と、を有し、
前記脚部の下端には、前記台車の上面を上下に挟み込む固定部が設けられていることを特徴とする平板運搬具。
【請求項2】
前記一対の固定フレームはそれぞれ、前記平板寄掛りフレームの下面の側辺に回動可能に取り付けられている請求項1に記載の平板運搬具。
【請求項3】
前記平板下支えフレームは、前記平板寄掛りフレームの上面に対して最大90°の範囲で回動可能に前記平板寄掛りフレームの上面の下辺に取り付けられている請求項1又は2に記載の平板運搬具。
【請求項4】
前記支持部は、前記脚部と前記平板寄掛りフレームの下面の側辺とを繋ぐ部材として2本以上設けられており、かつ前記台車に取り付けた状態で、前記台車の上面に対して平行とされている請求項1に記載の平板運搬具。