(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064923
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 307/89 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
C07D307/89 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201990
(22)【出願日】2022-12-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】111141030
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】廖 徳超
(72)【発明者】
【氏名】莊 榮仁
(72)【発明者】
【氏名】陳 仲裕
(72)【発明者】
【氏名】呉 榮祖
(57)【要約】
【課題】本発明は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法を提供する。
【解決手段】
メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、反応タンクに無水マレイン酸を添加する工程と、反応タンクにピペリレンを添加して、ピペリレンと無水マレイン酸との第1の付加反応を行い、無水マレイン酸の転化率が25%以上に至った時に、第1の付加反応が完了する工程と、反応タンクにイソプレンを添加して、イソプレンと無水マレイン酸との第2の付加反応を行うことによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を得る工程と、を含む。メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応タンクに無水マレイン酸を添加することと、
前記反応タンクにピペリレンを添加して、前記ピペリレンと前記無水マレイン酸との第1の付加反応を行い、前記無水マレイン酸の転化率が25%以上に至った時に、前記第1の付加反応が完了することと、
前記反応タンクにイソプレンを添加して、前記イソプレンと前記無水マレイン酸との第2の付加反応を行うことによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を得ることと、を含み
前記メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含むことを特徴とする、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項2】
前記第1の付加反応は80℃~120℃の温度で行い、前記第2の付加反応は80℃~120℃の温度で行う、請求項1に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項3】
前記3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と前記4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(前記3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:前記4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7である、請求項1に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項4】
前記メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(前記トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:前記シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:4~1:7である、請求項1に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項5】
前記無水マレイン酸の含有量が100ppm未満である時に、前記第2の付加反応が完了する、請求項1に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項6】
前記メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物とアルカリ触媒との異性化反応を行うことによって、異性化産物を得ることを含み、前記異性化産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む、請求項1に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項7】
前記アルカリ触媒は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される、請求項6に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項8】
前記異性化反応は130℃~160℃の温度で行う、請求項6に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項9】
前記メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(前記トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:前記シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1である、請求項6に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項10】
前記異性化産物の粘度は30cps~50cpsである、請求項6に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【請求項11】
前記ピペリレンの純度は65%~75%であり、前記イソプレンの純度が99%以上である、請求項1に記載のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法に関し、特に、反応効率の高いメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メチルテトラヒドロフタル酸無水物は、良好な耐熱性及び安定性を有し、高温環境でも良好な物理的特性及び電気特性を維持することができるため、有機酸無水物硬化エポキシ樹脂の硬化剤としてよく用いられる。
【0003】
一般的に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物を合成する反応物として、ピペリレン、イソプレン及び酸無水物を含む。従来の技術において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、計量された反応物を一回に反応タンクに添加して、反応物をディールス・アルダー反応(Diels-Alder reaction,共役ジエンへの付加反応とも称す)を行うことによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物を製造する。
【0004】
その反応工程を検討したところ、反応過程において酸無水物は限定試薬であり、ピペリレン及びイソプレンは過剰反応物である。反応過程の前段において、ピペリレンとイソプレンとの間に競争反応(competitive reaction)を起こす。反応過程の中段・後段において、酸無水物の濃度が低いため、反応の進行に不利となる。よって、高い転化率を達成するために、従来の技術において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は通常、長い反応時間又は高い反応温度を有するため、製造コストが高く、エネルギー消費量が高い問題を有する。
【0005】
故に、工程の改良により、反応物の反応効率を向上することによって、上述した欠点を克服することは、本事業にとって重要な課題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術の課題は、従来技術の不足に対し、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法を提供する。前記メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、反応タンクに無水マレイン酸を添加することと、反応タンクにピペリレンを添加して、ピペリレンと無水マレイン酸との第1の付加反応を行い、無水マレイン酸の転化率が25%以上に至った時に、第1の付加反応が完了することと、反応タンクにイソプレンを添加して、イソプレンと無水マレイン酸との第2の付加反応を行うことによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を得ることと、を含む。メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。
【0008】
一つの実施形態において、第1の付加反応は80℃~120℃の温度で行い、第2の付加反応は80℃~120℃の温度で行う。
【0009】
一つの実施形態において、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7である。
【0010】
一つの実施形態において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:4~1:7である。
【0011】
一つの実施形態において、無水マレイン酸の含有量が100ppm未満である時に、第2の付加反応が完了する。
【0012】
一つの実施形態において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物とアルカリ触媒との異性化反応を行うことによって、異性化産物を得ることを含み、異性化産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。
【0013】
一つの実施形態において、アルカリ触媒は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される。
【0014】
一つの実施形態において、異性化反応は130℃~160℃の温度で行う。
【0015】
一つの実施形態において、異性化産物において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1である。
【0016】
一つの実施形態において、異性化産物の粘度は30cps~50cpsである。
【0017】
一つの実施形態において、ピペリレンの純度は65%~75%であり、イソプレンの純度が99%以上である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有利な効果として、本発明に係るメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、「反応タンクにピペリレンを添加して、ピペリレンと無水マレイン酸との第1の付加反応を行う」及び「反応タンクにイソプレンを添加して、イソプレンと無水マレイン酸との第2の付加反応を行う」といった技術的特徴によって、反応物の反応効率を向上して、低い温度で反応を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明のメチルテトラヒドロフタル酸無水物を製造するための装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照されたい。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0021】
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明の「メチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法」の実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つまたは複数の組み合わせを含むことがある。
【0022】
一回に反応物を添加すること(ピペリレン及びイソプレンが同時に付加反応を行う)に比べて、本発明では反応物を段階的に添加して二回の付加反応を行うこと(ピペリレン及びイソプレンがそれぞれ異なる段階で添加される)によって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物の反応効率を向上することができる。
【0023】
第1の付加反応において、無水マレイン酸が過剰試薬であり、ピペリレンが限定試薬であり、また、無水マレイン酸とピペリレンとが反応して、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成する。第2の付加反応において、無水マレイン酸が限定試薬であり、イソプレンが過剰試薬であり、また、残った無水マレイン酸とイソプレンとが反応して、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成する。二回の付加反応(第1の付加反応及び第2の付加反応)を経た後に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。このように、ピペリレンとイソプレンとの間の競争反応の発生を回避できるため、反応物の反応効率を向上する効果を果たせる。
【0024】
また、反応物を段階的に添加する技術的手段によって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を制御することができ、必要に応じて所望の特性を有するメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を製造することもできる。
【0025】
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は本発明のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法のフローチャートである。
図2は本発明のメチルテトラヒドロフタル酸無水物を製造するための装置の模式図であり、また、
図2で示した装置は本発明を実施することができるが、本発明の工程はこれに制限されるものではない。
【0026】
工程S1~S3において、反応タンク1に反応物R(無水マレイン酸、ピペリレン及びイソプレン)を添加し、二回の付加反応(第1の付加反応及び第2の付加反応)を経た後に、結晶性固体(Crystalline solid)のメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を生成することができる。反応物Rに含まれた不純物G(特にピペリレンに含まれた不純物)は、無水マレイン酸と反応することがないため、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を生成した後に、不純物Gは、気体として反応タンク1から排出するように、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物と分離することができる。
【0027】
工程S1において、反応タンク1に無水マレイン酸を添加する。反応タンク1を60℃~75℃に加熱することによって、無水マレイン酸を液体にすることで、反応に便利となる。
【0028】
工程S2において、反応タンク1にピペリレンを添加する。詳しく説明すると、ピペリレンが気体として反応タンク1に導入される。反応タンク1が80℃~120℃に加熱されて、第1の付加反応を行う。第1の付加反応において、無水マレイン酸とピペリレンとの反応によって3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成する。
【0029】
三次元構造の相違によって、第1の付加反応で生成された3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸は光学異性体(optical isomer)を有する。具体的に説明すると、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より少ない。一つの示範例において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は1:4~1:7(例えば、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6又は1:6.5)である。トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との比例関係を更に調整する場合、メチルテトラヒドロ無水フタル酸に対して異性化反応を行う(工程S4)ことができる。異性化反応の具体的なステップについて、後に説明する。
【0030】
第1の付加反応を行う時間を調整することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有比を調整する効果を果たせる。本発明において、無水マレイン酸の転化率が25%以上に至った時に、第1の付加反応が完了する。即ち、本発明において、生成されたメチルテトラヒドロフタル酸無水物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、少なくとも25%以上である。具体的に説明すると、第1の付加反応は、無水マレイン酸の転化率が30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%又は80%に至った時に中止することが可能である。
【0031】
3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の融点は、4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の融点より低いため、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量が高い場合、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物が比較的に低い粘度を有する。メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量が低い場合、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物が比較的に高い粘度を有する。簡単に言えば、本発明において、第1の付加反応の中止する時間を調整する場合、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物の成分比又は特性(例えば、粘度)を制御することができる。
【0032】
工程S3において、反応タンク1にイソプレンを添加する。詳しく説明すると、イソプレンが気体として反応タンク1に導入される。反応タンク1が80℃~120℃に加熱されて、第2の付加反応を行う。第2の付加反応において、無水マレイン酸とイソプレンとの反応によって4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成する。生産コストを低減するために、無水マレイン酸の含有量が100ppm未満である時に、第2の付加反応が完了するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0033】
前記第1の付加反応及び前記第2の付加反応(工程S1~S3)を経た後に、結晶性固体のメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物が得られる。メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を含む。また、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有比は、第1の付加反応の反応時間によって調整することができる。一つの示範例において、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3~3:7である。例えば、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比は、6:4、5:5又は4:6であってもよい。
【0034】
また、反応物の純度も反応の反応速度に影響する。現在、市販のピペリレンの純度がイソプレンの純度より低いことが多いため、本発明において、ピペリレンを先に添加して、イソプレンを次に添加する。第1の付加反応において、無水マレイン酸が未だ反応を行っていなく、高い濃度を有するため、ピペリレンの純度が低いことによる反応速度が低い問題を補足することができる。第2の付加反応において、無水マレイン酸とピペリレンとを反応させて3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸を生成したため、無水マレイン酸の濃度が低い。よって、純度が高いイソプレンによって、無水マレイン酸の濃度が低いことによる反応速度が低い問題を補足することができる。このように、本発明に係るメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、反応効率を向上する効果を果たせる。
【0035】
本発明の実施形態において、ピペリレンの純度が80%以下(65%~75%)である場合、イソプレンの純度が99%以上であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0036】
メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を製造した後に、必要に応じて、工程S4~工程S6でメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物の特性を調整することができる。
【0037】
工程S4において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を異性化タンク2に送り込むことによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物とアルカリ触媒Cとを130℃~160℃の温度で異性化反応(isomerization reaction)させることで、異性化産物を得る。詳しく説明すると、工程S4は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物における3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に対して異性化反応を行って、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸をトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に変化させることによって、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を調整する。
【0038】
異性化反応を行う前、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より少ない。異性化反応を行った後、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量は、シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量より多い。異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比は、ガスクロマトグラフ(ブランド:Agilent,品番:8860 GC)によりモニターすることができる。一つの示範例において、トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.1:1~4.8:1(例えば、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1又は4.5:1)である。
【0039】
異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量を向上した後に、異性化産物の粘度を低くすることができるため、最終の製品はより広く応用されることができる。具体的に説明すると、異性化産物の粘度は、30cps~50cpsであってもよい。例えば、35cps、40cps又は45cpsである。
【0040】
異性化反応で用いたアルカリ触媒Cは、有機塩基又は無機塩基であってもよい。有機塩基は、アルカノールアミンであってもよく、特に、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される。無機塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選択されてもよい。
【0041】
工程S5において、異性化産物を蒸留塔3に導入することによって、アルカリ触媒Cを分離して精製を行う。工程S6において、異性化産物を蒸留塔3から配合タンク4に導入すると共に、安定剤S(例えば、2,6-ジブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene,BHT))を選択的に添加して、産物の保存性を向上することができるが、本発明はこれに制限されるものではない。工程S7において、安定剤Sを添加した産物を、配合タンク4から完成品貯蔵タンク5に送り込むことによって、製品の包装を行う。
【0042】
本発明のメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法を説明するために、後述の実施例1~7を用いて説明する。実施例1~3の反応パラメータについて、表1に示すとおりである。実施例4~7の反応パラメータについて、表2に示すとおりである。
【0043】
[実施例1]
反応タンクに無水マレイン酸6000kgを添加すると共に、無水マレイン酸を加熱・溶融した。反応タンクの温度が70℃に加熱された時に、反応タンクに気化されたピペリレンを導入して、第1の付加反応を行った。第1の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の転化率をモニターした。無水マレイン酸の転化率が70%(12時間かかる)に至った時に、ピペリレンの導入を停止し、第1の付加反応が完了した。
【0044】
反応タンクに気化されたイソプレンを導入して、第2の付加反応を行った。第2の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の含有量をモニターした。無水マレイン酸の含有量が100ppm未満(4時間かかる)となった時に、イソプレンの導入を停止し、第2の付加反応が完了した。反応タンクにおける残留の気体を排除することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を得た。
【0045】
実施例1において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、7:3であった。3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:5.6であった。
【0046】
次に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を、異性化タンクに導入して、水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)を添加すると共に、150℃の温度で異性化反応を24時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.31:1であり、異性化産物の粘度は33cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0047】
[実施例2]
反応タンクに無水マレイン酸6000kgを添加すると共に、無水マレイン酸を加熱・溶融した。反応タンクの温度が100℃に加熱された時に、反応タンクに気化されたピペリレンを導入して、第1の付加反応を行った。第1の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の転化率をモニターした。無水マレイン酸の転化率が50%(8.5時間かかる)に至った時に、ピペリレンの導入を停止し、第1の付加反応が完了した。
【0048】
反応タンクに気化されたイソプレンを導入して、第2の付加反応を行った。第2の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の含有量をモニターした。無水マレイン酸の含有量が100ppm未満(6時間かかる)となった時に、イソプレンの導入を停止し、第2の付加反応が完了した。反応タンクにおける残留の気体を排除することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を得た。
【0049】
実施例2において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:1であった。3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:5.2であった。
【0050】
次に、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を、異性化タンクに導入して、水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)を添加すると共に、150℃の温度で異性化反応を20時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3.5:1であり、異性化産物の粘度は36cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0051】
[実施例3]
反応タンクに無水マレイン酸6000kgを添加すると共に、無水マレイン酸を加熱・溶融した。反応タンクの温度が100℃に加熱された時に、反応タンクに気化されたピペリレンを導入して、第1の付加反応を行った。第1の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の転化率をモニターした。無水マレイン酸の転化率が30%(4時間かかる)に至った時に、ピペリレンの導入を停止し、第1の付加反応が完了した。
【0052】
反応タンクに気化されたイソプレンを導入して、第2の付加反応を行った。第2の付加反応の過程において、ガスクロマトグラフで無水マレイン酸の含有量をモニターした。無水マレイン酸の含有量が100ppm未満(8時間かかる)となった時に、イソプレンの導入を停止し、第2の付加反応が完了した。反応タンクにおける残留の気体を排除することによって、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を得た。
【0053】
実施例3において、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との重量比(3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3:7であった。3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1:5.5であった。
【0054】
メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を異性化タンクに導入して、水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)を添加すると共に、150℃の温度で異性化反応を16時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.1:1であり、異性化産物の粘度は40cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0055】
【0056】
実施例1~3の内容によれば、本発明の段階的に反応物を添加する技術的手段は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を調整することができる。また、本発明の段階的に反応物を添加する技術的手段は、反応物の反応効率を向上して、比較的に低い温度で二回の付加反応を行うことができる。なお、メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物に含まれた3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸と4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比、及び異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比を制御することによって、産物の粘度を制御する効果を果たせる。具体的に説明すると、異性化産物の粘度は32cps~42cpsであった。
【0057】
[実施例4]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投与した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含む。
【0058】
水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、140℃の温度で異性化反応を24時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.03:1であり、異性化産物の粘度は34cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0059】
[実施例5]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投与した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含む。
【0060】
ジエタノールアミン(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、140℃の温度で異性化反応を24時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、1.19:1であり、異性化産物の粘度は37cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0061】
[実施例6]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投与した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含む。
【0062】
水酸化ナトリウム(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、150℃の温度で異性化反応を24時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、4.31:1であり、異性化産物の粘度は33cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0063】
[実施例7]
総重量10000kgの粗製硬化剤を異性化タンクに投与した。粗製硬化剤は、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸7000kg(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸の含有量比=1:5.6)及び4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸3000kgを含む。
【0064】
トリエタノールアミン(アルカリ触媒)60kgを添加した後に、140℃の温度で異性化反応を24時間行うことによって、異性化産物を得た。ガスクロマトグラフでモニターした後に、異性化産物に含まれたトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸とシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸との含有量比(トランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸:シス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸)は、3.75:1であり、異性化産物の粘度は36cpsであった。次に、異性化産物に対して前記工程S5~工程S7を行って最終製品を得た。
【0065】
【0066】
実施例4~7の内容によれば、アルカリ触媒を用いて、一部のシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸をトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に変化させることによって、異性化産物の粘度を低減する効果を果たせた。具体的に説明すると、異性化産物の粘度は、32cps~38cpsであった。更に、アルカリ触媒の触媒効果を比較すると、無機塩基が有機塩基より優れた反応効果を有する。
【0067】
[実施形態による有利な効果]
本発明の有利な効果として、本発明に係るメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法は、「反応タンクにピペリレンを添加して、ピペリレンと無水マレイン酸と第1の付加反応を行う」及び「反応タンクにイソプレンを添加して、イソプレンと無水マレイン酸との第2の付加反応を行う」といった技術的特徴によって、反応物の反応効率を向上して、低い温度で反応を行うことができる。
【0068】
更に説明すると、本発明に係るメチルテトラヒドロフタル酸無水物の製造方法において、反応物はより優れた反応効率を有するため、80℃~120℃の温度で反応を行って、生産コストを低減することができる。メチルテトラヒドロフタル酸無水物産物を生成した後に、アルカリ触媒を添加してメチルテトラヒドロフタル酸無水物産物と異性化反応を行うことによって、一部のシス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸をトランス-3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸に変化させることで、異性化産物の粘度を低減させることができる。このように、産物はより広く応用されることができる。
【0069】
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…反応タンク
2…異性化タンク
3…蒸留塔
4…配合タンク
5…完成品貯蔵タンク