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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064928
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】用紙検出装置及びその検出方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240507BHJP
   B65H 1/00 20060101ALI20240507BHJP
   B65H 1/04 20060101ALN20240507BHJP
【FI】
B65H7/02
B65H1/00 501A
B65H1/04 324
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000962
(22)【出願日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】202211326649.3
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514176398
【氏名又は名称】金寶電子工業股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張子承
(72)【発明者】
【氏名】趙偉淳
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AB01
3F048BA07
3F048BB09
3F048BB10
3F048CA03
3F048CC05
3F048DB02
3F048DB13
3F048DC19
3F048EB02
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC11
3F343HE20
3F343HE23
3F343LD22
3F343MA26
3F343MB02
3F343MC05
(57)【要約】
【課題】用紙検出装置及びその検出方法を提供する。
【解決手段】用紙検出装置の検出方法は、第1感磁素子により磁気素子に対応して第1電圧信号を生成することと、第2感磁素子により磁気素子に対応して第2電圧信号を生成することと、処理部により第1電圧信号に基づいて、磁気素子の第1感磁素子に対する第1相対位置を判断することと、処理部により第2電圧信号に基づいて、磁気素子の第2感磁素子に対する第2相対位置を判断することと、処理部により第1相対位置及び第2相対位置に基づいて、磁気素子の静止位置を判断することと、処理部により静止位置に基づいて、用紙ガイドが突き当たる用紙の用紙サイズを判断することと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙検出装置の検出方法であって、
前記用紙検出装置は、用紙ガイドを有する用紙トレイと協働し、前記用紙ガイドに配置された磁気素子と、前記用紙トレイに配置された第1感磁素子及び第2感磁素子と、前記第1感磁素子と前記第2感磁素子とに電気的に接続された処理部と、を備え、
前記検出方法は、
前記第1感磁素子により、前記磁気素子に対応して第1電圧信号を生成することと、
前記第2感磁素子により、前記磁気素子に対応して第2電圧信号を生成することと、
前記処理部により、前記第1電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第1感磁素子に対する第1の相対位置を判断することと、
前記処理部により、前記第2電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第2感磁素子に対する第2の相対位置を判断することと、
前記処理部により、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記磁気素子の静止位置を判断することと、
前記処理部により、前記静止位置に基づいて、前記用紙ガイドが突き当たる用紙の用紙サイズを判断することと、
を含む検出方法。
【請求項2】
前記第1電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記処理部により、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断し、かつ前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置すると判断すること、をさらに含む請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記処理部により、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断すること、をさらに含む請求項2に記載の検出方法。
【請求項4】
前記第1電圧信号が前記所定電圧信号に対応せず、かつ前記第2電圧信号が前記所定電圧信号に対応する場合、前記処理部により、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、かつ前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断すること、をさらに含む請求項2に記載の検出方法。
【請求項5】
前記処理部により、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記静止位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断すること、をさらに含む請求項4に記載の検出方法。
【請求項6】
前記処理部によって前記第1電圧信号に基づいて第1の相対位置を判断することは、前記処理部により、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断すること、をさらに含む請求項1に記載の検出方法。
【請求項7】
前記処理部によって前記第2電圧信号に基づいて第2の相対位置を判断することは、前記処理部により、前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断すること、をさらに含む請求項6に記載の検出方法。
【請求項8】
前記処理部によって前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて前記静止位置を判断することは、前記処理部により、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間に位置していると判断すること、をさらに含む請求項7に記載の検出方法。
【請求項9】
用紙ガイドを有する用紙トレイと協働する用紙検出装置であって、
用紙ガイドに配置された磁気素子と、
前記用紙トレイに配置され、前記磁気素子に対応して第1電圧信号を生成する第1感磁素子と、
前記用紙トレイに配置され、前記第1感磁素子と間隔を置いて配置され、前記磁気素子に対応して第2電圧信号を生成する第2感磁素子と、
前記第1感磁素子と前記第2感磁素子とに電気的に接続され、前記第1電圧信号及び前記第2電圧信号を受信する処理部と、を備え、
前記処理部は、前記第1電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第1感磁素子に対する第1の相対位置を判断し、前記第2電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第2感磁素子に対する第2の相対位置を判断し、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記磁気素子の静止位置を判断し、前記静止位置に基づいて、前記用紙ガイドが突き当たる用紙の用紙サイズを判断するように構成されている、
用紙検出装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記第1電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断し、かつ前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断する、請求項9に記載の用紙検出装置。
【請求項11】
前記用紙トレイに配置され、前記第2感磁素子と間隔を置いて配置された第3感磁素子をさらに備え、
前記第2感磁素子は、前記第1感磁素子と前記第3感磁素子との間に位置し、
前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間の第1の間隔と、前記第2感磁素子と前記第3感磁素子との間の第2の間隔とが異なる、請求項9に記載の用紙検出装置。
【請求項12】
前記第3感磁素子は、前記磁気素子に対応して第3電圧信号を生成し、
前記処理部は、前記第3電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第3感磁素子に対する第3の相対位置を判断し、前記第1の相対位置、前記第2の相対位置及び前記第3の相対位置に基づいて、前記磁気素子の前記静止位置を判断する、請求項11に記載の用紙検出装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記第2電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断し、前記第3の相対位置を前記磁気素子が前記第3感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記静止位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断する、請求項12に記載の用紙検出装置。
【請求項14】
前記用紙トレイに配置され、前記第2感磁素子と間隔を置いて配置された第3感磁素子をさらに備え、
前記第2感磁素子は、前記第1感磁素子と前記第3感磁素子との間に位置し、
前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間の第1の間隔と、前記第2感磁素子と前記第3感磁素子との間の第2の間隔とが同じである、請求項9に記載の用紙検出装置。
【請求項15】
前記第3感磁素子は、前記磁気素子に対応して第3電圧信号を生成し、
前記処理部は、前記第3電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第3感磁素子に対する第3の相対位置を判断し、前記第1の相対位置、前記第2の相対位置及び前記第3の相対位置に基づいて、前記磁気素子の前記静止位置を判断する、請求項14に記載の用紙検出装置。
【請求項16】
前記処理部は、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第3の相対位置を前記磁気素子が前記第3感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間に位置していると判断する、請求項15に記載の用紙検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関し、特に用紙検出装置及びその検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙検出機構の主な構造は、給紙トレイ(input tray)と用紙ガイド(paper guide)上に配置されたラスターセンサモジュールとを含み、用紙ガイドの移動によって光センサを所望の位置に変位させ、光センサが読み取った位置により、用紙幅サイズを取得する。
【0003】
その他、台湾特許公開第201402343A号明細書において、プリンタの用紙サイズ検出装置は、用紙トレイと、幅調節器と、長さ調節器と、論理ユニットとを含み、幅調節器と長さ調節器は用紙トレイの底板の正面に配置され、幅調節器、長さ調節器及び底板は共同で用紙排出エリアを構成している。用紙サイズ検出装置は、幅調節器に設けられた第1磁気素子と、長さ調節器に設けられた第2磁気素子、と底板裏面に設けられた複数の感磁素子とを含む。各感磁素子は、第1磁気素子又は第2磁気素子を検出したときに位置信号を生成し、論理ユニットは、複数の感磁素子によって生成された位置信号の組合せによって用紙収納エリアの用紙サイズを確定する。
【0004】
しかし、このような従来技術の設計思想では、光センサも感磁素子も信号の有無を検出するだけで構成されている。そのため、用紙ガイドや調節器が予め設定された用紙サイズの位置からわずかにずれた場合、光センサや感磁素子が信号を生成するが、信号強度が予め設定された強度に対応していない可能性があるため、信号判断の誤り、ひいては用紙サイズの判断の誤りを引き起こしやすい。
【0005】
そこで、用紙のサイズをより正確に検出できる用紙検出装置をどのように提供するかが、本願発明者によって検討された重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、用紙サイズをより正確に検出できる用紙検出装置及びその検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る検出方法は、用紙検出装置の検出方法であって、前記用紙検出装置は、用紙ガイドを有する用紙トレイと協働し、前記用紙ガイドに配置された磁気素子と、前記用紙トレイに配置された第1感磁素子及び第2感磁素子と、前記第1感磁素子と前記第2感磁素子とに電気的に接続された処理部と、を備え、前記検出方法は、前記第1感磁素子により、前記磁気素子に対応して第1電圧信号を生成することと、前記第2感磁素子により、前記磁気素子に対応して第2電圧信号を生成することと、前記処理部により、前記第1電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第1感磁素子に対する第1の相対位置を判断することと、前記処理部により、前記第2電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第2感磁素子に対する第2の相対位置を判断することと、前記処理部により、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記磁気素子の静止位置を判断することと、前記処理部により、前記静止位置に基づいて、前記用紙ガイドが突き当たる用紙の用紙サイズを判断することと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記検出方法は、前記第1電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記処理部により、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断し、かつ前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記検出方法は、前記処理部により、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記検出方法は、前記第1電圧信号が前記所定電圧信号に対応せず、かつ前記第2電圧信号が前記所定電圧信号に対応する場合、前記処理部により、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、かつ前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記検出方法は、前記処理部により、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記静止位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記処理部によって前記第1電圧信号に基づいて第1の相対位置を判断することは、前記処理部により、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記処理部によって前記第2電圧信号に基づいて第2の相対位置を判断することは、前記処理部により、前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記処理部によって前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて前記静止位置を判断することは、前記処理部により、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間に位置していると判断すること、をさらに含む。
【0015】
本発明に係る用紙検出装置は、用紙ガイドを有する用紙トレイと協働し、用紙ガイドに配置された磁気素子と、前記用紙トレイに配置され、前記磁気素子に対応して第1電圧信号を生成する第1感磁素子と、前記用紙トレイに配置され、前記第1感磁素子と間隔を置いて配置され、前記磁気素子に対応して第2電圧信号を生成する第2感磁素子と、前記第1感磁素子と前記第2感磁素子とに電気的に接続され、前記第1電圧信号及び前記第2電圧信号を受信する処理部と、を備え、前記処理部は、前記第1電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第1感磁素子に対する第1の相対位置を判断し、前記第2電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第2感磁素子に対する第2の相対位置を判断し、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記磁気素子の静止位置を判断し、前記静止位置に基づいて、前記用紙ガイドが突き当たる用紙の用紙サイズを判断するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記第1電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断し、かつ前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第1の相対位置及び前記第2の相対位置に基づいて、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子に位置していると判断する。
【0017】
いくつかの実施形態において、用紙検出装置は、前記用紙トレイに配置され、前記第2感磁素子と間隔を置いて配置された第3感磁素子をさらに備え、前記第2感磁素子は、前記第1感磁素子と前記第3感磁素子との間に位置し、前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間の第1の間隔と、前記第2感磁素子と前記第3感磁素子との間の第2の間隔とが異なる。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記第3感磁素子は、前記磁気素子に対応して第3電圧信号を生成し、前記処理部は、前記第3電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第3感磁素子に対する第3の相対位置を判断し、前記第1の相対位置、前記第2の相対位置及び前記第3の相対位置に基づいて、前記磁気素子の前記静止位置を判断する。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記第2電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断し、前記第3の相対位置を前記磁気素子が前記第3感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記静止位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子に位置していると判断する。
【0020】
いくつかの実施形態において、用紙検出装置は、前記用紙トレイに配置され、前記第2感磁素子と間隔を置いて配置された第3感磁素子をさらに備え、前記第2感磁素子は、前記第1感磁素子と前記第3感磁素子との間に位置し、前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間の第1の間隔と、前記第2感磁素子と前記第3感磁素子との間の第2の間隔とが同じである。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記第3感磁素子は、前記磁気素子に対応して第3電圧信号を生成し、前記処理部は、前記第3電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記第3感磁素子に対する第3の相対位置を判断し、前記第1の相対位置、前記第2の相対位置及び前記第3の相対位置に基づいて、前記磁気素子の前記静止位置を判断する。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記第1の相対位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第2の相対位置を前記磁気素子が前記第2感磁素子の前記第1感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記第3の相対位置を前記磁気素子が前記第3感磁素子の前記第2感磁素子に近い側に位置していると判断し、前記静止位置を前記磁気素子が前記第1感磁素子と前記第2感磁素子との間に位置していると判断する。
【0023】
本発明に係る用紙検出装置は、用紙ガイドを有する用紙トレイと協働し、用紙ガイドに配置された磁気素子と、前記用紙トレイに間隔を置いて配置され、各々が前記磁気素子に対応して電圧信号を生成し、数が予め設定された用紙種類の数に対応する複数の感磁素子と、前記複数の感磁素子に電気的に接続された処理部と、を備え、前記処理部は、前記複数の感磁素子が生成した複数の電圧信号に基づいて、前記磁気素子の前記複数の感磁素子に対する複数の相対位置を判断し、前記複数の相対位置に基づいて、前記磁気素子の静止位置を判断し、前記静止位置に基づいて、前記用紙ガイドが突き当たる用紙の用紙サイズを判断するように構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記複数の感磁素子のうち1つの感磁素子の電圧信号が所定電圧信号に対応する場合、前記複数の相対位置の1つを前記磁気素子が前記1つの感磁素子に位置していると判断する。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記1つの感磁素子の前記電圧信号が前記所定電圧信号に対応する場合、前記1つの感磁素子に隣接する前記複数の感磁素子のうち他の感磁素子の電圧信号は、前記所定電圧信号と異なる。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記複数の相対位置のうち他の相対位置を、前記磁気素子が前記他の感磁素子の前記1つの感磁素子に近い側に位置していると判断する。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法では、異なる位置に少なくとも2つの感磁素子をそれぞれ配置し、感磁素子は、磁気素子に対応してそれぞれ異なる電圧信号を生成する。これにより、用紙ガイドが磁気素子を異なる位置に移動させ、異なる感磁素子が磁気素子に対応して異なる電圧信号を生成する場合、処理部は、これらの電圧信号に基づいて、磁気素子のこれらの感磁素子に対する相対位置を判断することができ、磁気素子を備えた用紙ガイドの位置を正確に判断することができる。信号の有無を検出するだけで構成されている従来技術に対し、本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法では、磁気素子の位置がどこにあるかにかかわらず、処理部は、感磁素子によって生成される電圧信号に基づいて、磁気素子の相対位置を判断することができ、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイドが突き当たる用紙のサイズを正確に判断することができる。
【0028】
以下の添付図面及び説明において本明細書に記載された主題の1つ又は複数の実施形態の詳細を説明する。本明細書、添付図面及び特許請求の範囲から、本明細書の主題のその他の特徴、態様及び長所が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置及び用紙トレイを示す概略分解図である。
図2】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図3】感磁素子及び磁気素子の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
図4】本発明に係る用紙検出装置の検出方法のフローチャートである。
図5】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図6】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図7】本発明に係る第2実施形態の用紙検出装置及び用紙トレイを示す概略分解図である。
図8A】本発明に係る第2実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図8B】感磁素子及び磁気素子の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
図9A】本発明に係る第3実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図9B】感磁素子及び磁気素子の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
図10A】本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図10B】感磁素子及び磁気素子の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の他の利点及び効果をより理解するために、具体的な実施形態と添付の図面を組み合わせて本発明に係る技術内容を詳細に説明するが、本発明の特許請求の範囲は限定されない。本発明は、他の異なる具体的な実施形態を有してもよい。本発明の明細書の詳細は、異なる見解及び用途に応じて、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変化又は付加することが可能である。
【0031】
図1は、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1及び用紙トレイ9を示す概略分解図である。図2は、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1の使用状態を示す概略図である。
【0032】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る用紙検出装置1は、例えば、プリンタ(図示せず)の用紙トレイ9と協働して配置されることができる。用紙トレイ9は、例えば、用紙ガイド91を有していてもよい。用紙ガイド91は、用紙トレイ9内に設けられ、移動方向Dに沿って移動可能である。なお、用紙ガイド91は、片側(左側、右側、又は下側)の用紙ガイド(図1に示す)、左右両側に連動する用紙ガイド(後述の図7に示す)、左側(又は右側)及び下側に連動する用紙ガイド(図示せず)、或いは、その他の連動する又は連動しない用紙ガイドであってもよいが、本発明はこれらに限定されない。上記左側、右側又は下側は、用紙トレイ9がプリンタの給紙口に接続されている側を上側として説明する。
【0033】
用紙検出装置1は、磁気素子11と、第1感磁素子12と、第2感磁素子13と、処理部14とを備える。
【0034】
磁気素子11は、用紙ガイド91に配置されている。磁気素子11は、例えば磁石であり、その磁気強度(又は磁力)が限定されない。用紙ガイド91が移動方向Dに沿って移動すると、用紙ガイド91は磁気素子11を移動させる。また、磁気素子11の磁気モーメント方向M1(南極Sから北極Nへ向かう方向)の配置態様は限定されない。ここで、磁気モーメント方向M1が用紙ガイド91の用紙トレイ9の側壁から離れる移動方向D(即ち、図2における左方向への移動方向D)と同一である態様を例に説明する。
【0035】
第1感磁素子12は、用紙トレイ9に配置され、磁気素子11に対応して第1電圧信号V1を生成することができる。第1感磁素子12は、例えばホールセンサ(Hall sensor)であってもよいが、これに限定されない。
【0036】
第2感磁素子13は、用紙トレイ9に配置され、第1感磁素子12と間隔を置いて配置され、磁気素子11に対応して第2電圧信号V2を生成することができる。第2感磁素子13は、例えばホールセンサであってもよいが、これに限定されない。第2感磁素子13は、第1感磁素子12と同じ仕様の感磁素子であってもよく、異なる仕様の感磁素子であってもよいが、これに限定されない。本実施形態では、第1感磁素子12と第2感磁素子13が同じ仕様の感磁素子であることを例に説明する。
【0037】
いくつかの実施形態において、第1感磁素子12及び第2感磁素子13は、第1感磁素子12及び第2感磁素子13が対応して電圧信号を生成できれば、磁気素子11の側辺(図2に示す)に位置してもよく、或は、磁気素子の底側(図示せず、即ち上から見たときに感磁素子と用紙ガイド91が重なる)に位置してもよいが、これらに限定されない。
【0038】
処理部14は、第1感磁素子12と第2感磁素子13とに電気的に接続されている。処理部14は、例えば、センサ集積回路、マイクロコントローラ(MCU)、マイクロプロセッサ(MPU)、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、グラフィックスプロセッサ(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はシステムオンチップ(SoC)などを含んでもよい。
【0039】
図3は、感磁素子及び磁気素子の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。いくつかの実施形態において、磁気素子11に対して異なる位置にある第1感磁素子12又は第2感磁素子13が生成する電圧信号V1、V2は、図3のように表示できる。具体的には、磁気素子11の磁気モーメント方向M1が左側に向き(即ち、北極Nが左側にある)、図面の左側から右側に移動すると、第1感磁素子12又は第2感磁素子13が生成する電圧信号V1、V2は先に上がり、ある地点に達すると、電圧信号V1、V2が最高点に達する。磁気素子11が右側に移動し続けると、電圧信号V1、V2が下がっていく。磁気素子11の中心線が第1感磁素子12又は第2感磁素子13の中心線と重なると、磁気素子11の磁力線が第1感磁素子12又は第2感磁素子13と平行になるため、第1感磁素子12又は第2感磁素子13はいかなる磁力線も検出することができない。そのため、第1感磁素子12又は第2感磁素子13がここで生成する電圧信号V1、V2は所定電圧信号である。いくつかの実施形態において、所定電圧信号は、例えば、アクセス電圧Vccの半分(即ちVcc/2であり、例えば1.65Vとしてもよい)である。磁気素子11がさらに右側に移動し続けてある地点に達すると、第1感磁素子12又は第2感磁素子13が生成する電圧信号V1、V2は最低点に達する。磁気素子11がさらに右側に移動し続けると、第1感磁素子12又は第2感磁素子13が生成する電圧信号V1、V2は徐々に上がり、所定電圧信号(例えばVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)に近づいていく。
【0040】
言い換えると、電圧信号V1、V2が所定電圧信号(例えばVcc/2)より高い場合、磁気素子11は第1感磁素子12又は第2感磁素子13の左側に位置し、電圧信号V1、V2が所定電圧信号より低い場合、磁気素子11は第1感磁素子12又は第2感磁素子13の右側に位置することになる。
【0041】
なお、磁気素子11の磁気モーメント方向M1が上記と逆である(即ち、N極が右側にある)場合、電圧信号V1、V2が所定電圧信号に対応する判断方法も、上記の判断方法とは逆になる。
【0042】
図4は、本発明に係る用紙検出装置の検出方法のフローチャートである。
【0043】
図2及び図4を参照すると、本発明に係る用紙検出装置の検出方法は、ステップS10~ステップS15を含む。ステップS10において、第1感磁素子12は磁気素子11に対応して第1電圧信号V1を生成する。ステップS11において、第2感磁素子13は磁気素子11に対応して第2電圧信号V2を生成する。ステップS12において、処理部14は第1電圧信号V1に基づいて、磁気素子11の第1感磁素子12に対する第1相対位置P11を判断する。ステップS13において、処理部14は第2電圧信号V2に基づいて、磁気素子11の第2感磁素子13に対する第2相対位置P2を判断する。ステップS14において、処理部14は第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、磁気素子11の静止位置Pを判断する。ステップS15において、処理部14は、静止位置Pに基づいて、用紙ガイド91が突き当たる用紙(図示せず)の用紙サイズを判断する。
【0044】
具体的には、例えば、第1電圧信号V1が所定電圧信号(例えば図3に示すVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)に対応する場合、処理部14は、第1相対位置P1を磁気素子11が第1感磁素子12に位置していると判断し、かつ第2相対位置P2を磁気素子11が第2感磁素子13の第1感磁素子12に近い側に位置していると判断する。処理部14は、第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、静止位置Pを磁気素子11が第1感磁素子12に位置していると判断する。
【0045】
なお、磁気素子11が第1感磁素子12に位置することは、例えば、磁気素子11が第1感磁素子12に隣接すること、磁気素子11の中心線が第1感磁素子12の中心線と揃えること、磁気素子11の中心線と第1感磁素子12の中心線が最短距離であること、又はその他の磁気素子11が第1感磁素子12に隣接して第1電圧信号V1を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。
【0046】
また、磁気素子11が第2感磁素子13の第1感磁素子12に近い側に位置することは、例えば図2に示すように、磁気素子11が第2感磁素子13の右側に位置することを意味する。即ち、第2感磁素子13の左右両側において、磁気素子11が第1感磁素子12に近い側(即ち図2中の右側)に位置している。
【0047】
したがって、処理部14は、第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、静止位置Pを磁気素子11が第1感磁素子12に位置していると判断すると、用紙ガイド91が突き当たる用紙(図示せず)の用紙サイズが第1感磁素子12の位置によって定義された用紙サイズに対応していると判断することができる。
【0048】
図5は、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1の使用状態を示す概略図である。
【0049】
いくつかの実施形態において、第1電圧信号V1が所定電圧信号(例えば図3に示すVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)に対応せず、第2電圧信号V2が所定電圧信号に対応する場合、処理部14は、第1相対位置P1を磁気素子11が第1感磁素子12の第2感磁素子13に近い側に位置していると判断し、かつ第2相対位置P2を磁気素子11が第2感磁素子13に位置していると判断する。処理部14は、第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、静止位置Pを磁気素子11が第2感磁素子13に位置していると判断する。
【0050】
なお、磁気素子11が第1感磁素子12の第2感磁素子13に近い側に位置することは、例えば図5に示すように、磁気素子11が第1感磁素子12の左側に位置することを意味する。即ち、第1感磁素子12の左右両側において、磁気素子11が第2感磁素子13に近い側(即ち図5中の左側)に位置している。
【0051】
なお、磁気素子11が第2感磁素子13に位置することは、例えば、磁気素子11が第2感磁素子13に隣接すること、磁気素子11の中心線が第2感磁素子13の中心線と揃えること、磁気素子11の中心線と第2感磁素子13の中心線が最短距離であること、又はその他の磁気素子11が第2感磁素子13に隣接して第2電圧信号V2を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。
【0052】
したがって、処理部14は、第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、静止位置Pを磁気素子11が第2感磁素子13に位置していると判断すると、用紙ガイド91が突き当たる用紙(図示せず)の用紙サイズが第2感磁素子13の位置によって定義された用紙サイズに対応していると判断することができる。
【0053】
図6は、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1の使用状態を示す概略図である。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1電圧信号V1及び第2電圧信号V2が所定電圧信号(例えば図3に示すVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)に対応せず、かつ第1電圧信号V1及び第2電圧信号V2が所定電圧信号の両側に位置する場合、処理部14は、第1相対位置P1を磁気素子11が第1感磁素子12の第2感磁素子13に近い側に位置していると判断し、かつ第2相対位置P2を磁気素子11が第2感磁素子13の第1感磁素子12に近い側に位置していると判断する。処理部14は、第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、静止位置Pを磁気素子11が第1感磁素子12と第2感磁素子13間に位置していると判断する。
【0055】
なお、磁気素子11が第1感磁素子12の第2感磁素子13に近い側に位置することは、例えば図6に示すように、磁気素子11が第1感磁素子12の左側に位置することを意味する。即ち、第1感磁素子12の左右両側において、磁気素子11が第2感磁素子13に近い側(即ち図6中の左側)に位置している。
【0056】
なお、磁気素子11が第2感磁素子13の第1感磁素子12に近い側に位置することは、例えば図6に示すように、磁気素子11が第2感磁素子13の右側に位置することを意味する。即ち、第2感磁素子13の左右両側において、磁気素子11が第1感磁素子12に近い側(即ち図6中の右側)に位置している。
【0057】
したがって、処理部14は、第1相対位置P1及び第2相対位置P2に基づいて、静止位置Pを磁気素子11が第1感磁素子12と第2感磁素子13との間に位置していると判断すると、用紙ガイド91が突き当たる用紙(図示せず)の用紙サイズが、磁気素子11と第1感磁素子12、第2感磁素子13との相対位置によって定義された用紙サイズに対応していると判断することができる。
【0058】
上述したように、本実施形態の用紙検出装置1及びその検出方法では、異なる位置に2つの感磁素子12、13をそれぞれ配置し、感磁素子12、13は、磁気素子11に対応してそれぞれ異なる電圧信号V1、V2を生成する。これにより、用紙ガイド91が磁気素子11を異なる位置に移動させ、異なる感磁素子12、13が磁気素子11に対応して異なる電圧信号V1、V2を生成する場合、処理部14は、これらの電圧信号V1、V2に基づいて、磁気素子11の感磁素子12、13に対する相対位置P1、P2を判断することができ、磁気素子11を備えた用紙ガイド91の位置を正確に判断することができる。信号の有無を検出するだけで構成されている従来技術に対し、本実施形態の用紙検出装置1及びその検出方法では、磁気素子11の位置がどこにあるかにかかわらず、処理部14は、感磁素子12、13によって生成される電圧信号V1、V2に基づいて、磁気素子11の相対位置P1、P2を判断することができ、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイド91が突き当たる用紙サイズを正確に判断することができる。
【0059】
図7は、本発明に係る第2実施形態の用紙検出装置2及び用紙トレイ9を示す概略分解図である。図8Aは、本発明に係る第2実施形態の用紙検出装置2の使用状態を示す概略図である。図8Bは、感磁素子22A~22E及び磁気素子21の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
【0060】
図7及び図8Aを参照すると、本実施形態に係る用紙検出装置2は、用紙ガイド91が左右に連動する用紙ガイドである点、及び用紙検出装置2の感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eの数が予め設定された用紙種類の数に対応している点で、上記用紙検出装置1とは相違している。本実施形態において、用紙検出装置2は、用紙サイズA3、B4、レター、A4、A5にそれぞれ対応する5つの感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eを備えることを例として説明するが、これに限定されない。
【0061】
なお、感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eは異なる用紙サイズに対応しているため、感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eの隣接する2つの感磁素子同士間の間隔は異なる。例えば、感磁素子22Aと感磁素子22Bとの間は間隔D1、感磁素子22Bと感磁素子22Cとの間は間隔D2、感磁素子22Cと感磁素子22Dとの間は間隔D3、感磁素子22Dと感磁素子22Eとの間は間隔D4であり、間隔D1~D4は互いに異なる。
【0062】
また、本実施形態では1個の磁気素子21を例として説明するが、これに限定されず、異なる設計に応じて2つ以上の磁気素子を配置することも可能である。磁気素子21の磁気モーメント方向M1(南極Sから北極Nへ向かう方向)の配置態様は、磁気モーメント方向M1が用紙ガイド91の用紙トレイ9の側壁から離れる移動方向D(即ち、図8Aにおける左方向への移動方向D)と同一である態様を例に説明する。
【0063】
感磁素子22Aは、用紙トレイ9に配置され、用紙サイズA5に対応している。感磁素子22Bは、用紙トレイ9に配置され、用紙サイズA4に対応している。感磁素子22Cは、用紙トレイ9に配置され、用紙サイズレターに対応している。感磁素子22Dは、用紙トレイ9に配置され、用紙サイズB4に対応している。感磁素子22Eは、用紙トレイ9に配置され、用紙サイズA3に対応している。
【0064】
図8A及び8Bを参照すると、いくつかの実施形態において、磁気素子21は、例えば磁石である。以下の表1は、例えば、磁気素子21が感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eにそれぞれ移動したときに感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eによって生成される電圧信号V1、V2、V3、V4、V5の比較表の一実施形態であるが、これに限定されず、異なる素子仕様によって異なる値を有することができる。
【0065】
【表1】
【0066】
ユーザが用紙トレイ9内で用紙ガイド91を移動方向Dに沿って移動させて用紙を突き当てると、磁気素子21が用紙ガイド91とともに移動することになる。例えば、感磁素子22Aが磁気素子21に対応して電圧信号V1(例えば表1の0.5V)を出力し、感磁素子22Bが磁気素子21に対応して電圧信号V2(例えば表1の1.65V)を出力し、感磁素子22Cが磁気素子21に対応して電圧信号V3(例えば表1の3.2V)を出力するとき、電圧信号V1が所定電圧信号(例えばVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)より小さいことに基づいて、処理部24は、磁気素子21が感磁素子22Aの右側(図8Aに示すように、即ち感磁素子22Aの感磁素子22Bに近い側)に位置していることを判断し、電圧信号V2が所定電圧信号と等しいことに基づいて、処理部24は、磁気素子21が感磁素子22Bに位置していることを判断し、電圧信号V3が所定電圧信号より大きいことに基づいて、処理部24は、磁気素子21が感磁素子22Cの左側(図8Aに示すように、即ち感磁素子22Cの感磁素子22Bに近い側)に位置していることを判断する。このようにして、処理部24は、磁気素子21の感磁素子22A~22Cに対する相対位置に基づいて、静止位置Pを磁気素子21が感磁素子22Bに位置していると判断することができる。
【0067】
なお、感磁素子22D、22Eの電圧信号V4、V5も、所定電圧信号(例えばVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)に等しいが、電圧信号V3に基づいて感磁素子22Aの左側に磁気素子21が位置していると判断することができるので、処理部24は、磁気素子21が感磁素子22D、22Eに位置していないと判断することができる。
【0068】
なお、磁気素子21が感磁素子22Bに位置することは、例えば、磁気素子21が感磁素子22Bに隣接すること、磁気素子21の中心線が感磁素子22Bの中心線と揃えること、磁気素子21の中心線と感磁素子22Bの中心線が最短距離であること、又はその他の磁気素子21が感磁素子22Bに隣接して電圧信号V2を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。
【0069】
したがって、処理部24は、磁気素子21の相対位置に基づいて、静止位置Pを磁気素子21が感磁素子22Bに位置していると判断すると、用紙ガイド91が突き当たる用紙(図示せず)の用紙サイズが、感磁素子22Bの位置によって定義された用紙サイズ(例えば用紙サイズA4)に対応していると判断することができる。
【0070】
具体的には、処理部24は、表1の結果に基づいて、磁気素子21の相対位置を判断し、さらに、磁気素子21の静止位置Pを判断することができる。この判断結果は、以下の表2のように整理される。即ち処理部24は、磁気素子21が感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eのいずれかの側に位置していると判断して和集合(union)を用いて、磁気素子21の位置を判断し、用紙ガイド91が突き当たる用紙の用紙サイズを判断することができる。
【0071】
【表2】
【0072】
なお、上述した左側又は右側は、図8Aに示す移動方向Dの左方向及び右方向に対応して説明されている。
【0073】
上述したように、本実施形態の用紙検出装置2及びその検出方法では、異なる位置に予め設定された用紙種類の数に対応する複数の感磁素子22A~22Eをそれぞれ配置し、感磁素子22A~22Eは、磁気素子11に対応してそれぞれ異なる電圧信号V1~V5を生成する。これにより、用紙ガイド91が磁気素子21を異なる位置に移動させ、異なる感磁素子22A~22Eが磁気素子21に対応して異なる電圧信号V1~V5を生成する場合、処理部24は、これらの電圧信号V1~V5に基づいて、磁気素子11の感磁素子22A~22Eに対する相対位置を判断することができ、磁気素子21を備えた用紙ガイド91の位置を正確に判断することができる。信号の有無を検出するだけで構成されている従来技術に対し、本実施形態の用紙検出装置2及びその検出方法では、磁気素子21の位置がどこにあるかにかかわらず、処理部14は、感磁素子22A~22Eによって生成される電圧信号V1~V5に基づいて、磁気素子21の相対位置を判断することができ、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイド91が突き当たる用紙サイズを正確に判断することができる。
【0074】
図9Aは、本発明に係る第3実施形態の用紙検出装置3の使用状態を示す概略図である。図9Bは、感磁素子32A~32E及び磁気素子31の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
【0075】
図9A及び図9Bを参照すると、本実施形態に係る用紙検出装置3は、磁気素子31の磁気モーメント方向M2(南極Sから北極Nへ向かう方向)が、用紙ガイド91の用紙トレイ9の側壁への移動方向D(即ち、図9Aにおける右方向への移動方向D)と同一である点で、上記用紙検出装置2とは相違している。
【0076】
なお、感磁素子32A、32B、32C、32D、32Eは、感磁素子22A、22B、22C、22D、22Eと同様に設けられているので、ここでは説明を省略する。
【0077】
いくつかの実施形態において、以下の表3は、例えば、磁気素子31が感磁素子32A、32B、32C、32D、32Eにそれぞれ移動したときに感磁素子32A、32B、32C、32D、32Eによって生成される電圧信号V1、V2、V3、V4、V5の比較表の一実施形態であるが、これに限定されず、異なる素子仕様によって異なる値を有することができる。
【0078】
【表3】
【0079】
言い換えれば、磁気素子31の磁気モーメント方向M2が上記磁気モーメント方向M1(図8Aに示す)と逆である場合、電圧信号V1、V2が所定電圧信号に対応する判断方法も、上記第2実施形態の判断方法とは逆になる。
【0080】
このため、ユーザが用紙トレイ9内で用紙ガイド91を移動方向Dに沿って移動させて用紙を突き当てると、磁気素子31が用紙ガイド91とともに移動することになる。例えば、感磁素子32Aが磁気素子31に対応して電圧信号V1(例えば表3の3V)を出力し、感磁素子32Bが磁気素子31に対応して電圧信号V2(例えば表3の1.65V)を出力し、感磁素子32Cが磁気素子31に対応して電圧信号V3(例えば表3の0.2V)を出力するとき、電圧信号V1が所定電圧信号(例えばVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)より大きいことに基づいて、処理部34は、磁気素子31が感磁素子32Aの右側(図9Aに示すように、即ち感磁素子32Aの感磁素子32Bに近い側)に位置していることを判断し、電圧信号V2が所定電圧信号と等しいことに基づいて、処理部34は、磁気素子31が感磁素子32Bに位置していることを判断し、電圧信号V3が所定電圧信号より小さいことに基づいて、処理部34は、磁気素子31が感磁素子32Cの左側(図9Aに示すように、即ち感磁素子32Cの感磁素子32Bに近い側)に位置していることを判断する。このようにして、処理部34は、磁気素子31の感磁素子32A~32Cに対する相対位置に基づいて、静止位置Pを磁気素子31が感磁素子32Bに位置していると判断することができる。
【0081】
同様に、感磁素子32D、32Eの電圧信号V4、V5も、所定電圧信号(例えばVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)に等しいが、電圧信号V3に基づいて感磁素子32Aの左側に磁気素子31が位置していると判断することができるので、処理部34は、磁気素子31が感磁素子32D、32Eに位置していないと判断することができる。
【0082】
したがって、処理部34は、磁気素子31の相対位置に基づいて、静止位置Pを磁気素子31が感磁素子32Bに位置していると判断すると、用紙ガイド91が突き当たる用紙(図示せず)の用紙サイズが、感磁素子32Bの位置によって定義された用紙サイズ(例えば用紙サイズA4)に対応していると判断することができる。
【0083】
具体的には、同様に、処理部34は、表3の結果に基づいて、磁気素子31の相対位置を判断し、さらに、磁気素子31の静止位置Pを判断することができる。この判断結果は、表2と同様に整理されることができる。即ち処理部34は、磁気素子31が感磁素子32A、32B、32C、32D、32Eのいずれかの側に位置していると判断して照合を用いて、磁気素子31の位置を判断し、用紙ガイド91が突き当たる用紙の用紙サイズを判断することができる。
【0084】
上述したように、本実施形態の用紙検出装置3及びその検出方法では、磁気素子31の位置がどこにあるかにかかわらず、処理部34は、感磁素子32A~32Eによって生成される電圧信号V1~V5に基づいて、磁気素子31の相対位置を判断することができ、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイド91が突き当たる用紙サイズを正確に判断することができる。さらに、磁気素子31の磁気モーメント方向の異なる配置態様により、本実施形態の用紙検出装置3及びその検出方法の設計の自由度を高めることができる。
【0085】
図10Aは、本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置4の使用状態を示す概略図である。図10Bは、感磁素子42A~42E及び磁気素子41の相対位置と電圧信号との関係を示す概略図である。
【0086】
図10A及び図10Bを参照すると、本実施形態の用紙検出装置4は、感磁素子42A、42B、42C、42D、42Eの隣接する2つの感磁素子同士間の間隔が同じである点で、上述した用紙検出装置2とは相違している。例えば、感磁素子42Aと感磁素子42Bとの間は間隔D1、感磁素子42Bと感磁素子42Cとの間は間隔D2、感磁素子42Cと感磁素子42Dとの間は間隔D3、感磁素子42Dと感磁素子42Eとの間は間隔D4であり、間隔D1~D4は互いに同一である。本実施形態では、用紙検出装置4が5個の感磁素子42A、42B、42C、42D、42Eを有することを例として説明するが、これに限定されず、異なる設計方式によって2つ以上の感磁素子が配置されることができる。なお、間隔D1~D4の距離は限定されず、ここでは10mmを例に説明する。
【0087】
磁気素子41の磁気モーメント方向M1の配置態様は、磁気モーメント方向M1が用紙ガイド91の用紙トレイ9の側壁から離れる移動方向D(即ち、図10Aにおける右方向への移動方向D)と同一である態様を例に説明する。
【0088】
いくつかの実施形態において、以下の表4は、例えば、磁気素子41が感磁素子42A~42Eのいずれかから異なる距離にあるときに感磁素子42A~42Eによって生成される電圧信号V1~V5の比較表の一実施形態であるが、これに限定されず、異なる素子仕様によって異なる値を有することができる。なお、負の距離は、磁気素子41が感磁素子42A~42Eの左側(即ち、図10Aにおける左方向への移動方向D)にあることを示し、正の距離は、磁気素子41が感磁素子42A~42Eの右側(即ち、図10Aにおける右方向への移動方向D)にあることを示している。
【0089】
【表4】
【0090】
このため、ユーザが用紙トレイ9内で用紙ガイド91を移動方向Dに沿って移動させて用紙を突き当てると、磁気素子41が用紙ガイド91とともに移動することになる。以下、磁気素子41が感磁素子42A及び感磁素子42Bの間にある場合を例に、処理部44の判断方法について説明する。磁気素子41が感磁素子42Aと感磁素子42Bとの間にあるとき、感磁素子42A~42Eが磁気素子41に対応して出力する電圧信号V1~V5は、例えば、以下の表5に示されている。ここで、6つのゾーン(即ち感磁素子42Aと感磁素子42Bの間に5つの位置決め位置42A-1~42A-5に細分化される)を例として説明するが、これらに限定されず、感磁素子42A~42Eの間の間隔D1~D4が需要に応じて、異なる数のゾーンに区分されることができる。例えば、感磁素子42A~42Eの間の間隔D1~D4はより小さく細分化されて(例えば5つの位置決め位置より多い)、磁気素子41の位置判読をより正確にすることができる。
【0091】
【表5】
【0092】
例えば、磁気素子41が位置42A-3に位置している場合、感磁素子42Aが磁気素子41に対応して出力する電圧信号V1が0.3Vであり、感磁素子42Bが磁気素子21に対応して出力する電圧信号V2が3.1Vであるとき、電圧信号V1が所定電圧信号(例えばVcc/2であり、1.65Vとしてもよい)より小さいことに基づいて、処理部44は、磁気素子41が感磁素子42Aの右側(図10Aに示すように、即ち感磁素子42Aの感磁素子42Bに近い側)に位置していると判断し、電圧信号V2が所定電圧信号より大きいことに基づいて、処理部44は、磁気素子41が感磁素子42Bの左側(図10Aに示すように、即ち感磁素子42Bの感磁素子42Aに近い側)に位置していると判断する。このようにして、処理部44は、まず、静止位置Pを磁気素子41が感磁素子42Aと感磁素子42Bとの間に位置していると判断することができる。
【0093】
また、電圧信号V1が0.3Vであることから、処理部44は、上記表4に基づいて、磁気素子41が感磁素子42Aの約5mm右側(表4では5mmが0.26Vに対応することを示している)又は約7.5mm右側(表4では7.5mmが0.26Vに対応することを示している)に位置していると判断し、電圧信号V2が3.1Vであることから、処理部44は、上記表4に基づいて、磁気素子41が感磁素子42Bの約5mm左側(表4では-5mmが3.09Vに対応することを示している)又は約6.88mm左側(表4では-6.88mmが3.09Vに対応することを示している)に位置していると判断することができる。このようにして、処理部44は、論理的な比較により、静止位置Pを磁気素子41が感磁素子42Aの5mm右側及び感磁素子42Bの5mm左側の位置(即ち位置42A-3)に位置していると判断することができる。
【0094】
したがって、処理部44は、感磁素子42A~42Eによって出力される電圧信号V1~V5に基づいて、磁気素子41の静止位置Pが異なる感磁素子42A~42Eに対する距離を判断すると、処理部44は、用紙ガイド91の位置を判断することができ、距離の設定に基づいて突き当たる用紙の用紙サイズを判断することができる。
【0095】
上述したように、本実施形態の用紙検出装置4及びその検出方法では、予め設定された用紙種類の数に対応して感磁素子を配置する必要がなく、より少ない数の感磁素子を配置し、異なる感磁素子は、磁気素子41に対応して異なる電圧信号を生成する。これにより、処理部44は、これらの電圧信号に基づいて、磁気素子41の感磁素子に対する相対位置を判断することができ、磁気素子21を備えた用紙ガイド91の位置を正確に判断することができる。これにより、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイド91が突き当たる用紙のサイズを正確に判断することができるだけでなく、全体的なコストを削減することができる。
【0096】
以上をまとめると、本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法では、異なる位置に少なくとも2つの感磁素子をそれぞれ配置し、感磁素子は、磁気素子に対応してそれぞれ異なる電圧信号を生成する。これにより、用紙ガイドが磁気素子を異なる位置に移動させ、異なる感磁素子が磁気素子に対応して異なる電圧信号を生成する場合、処理部は、これらの電圧信号に基づいて、磁気素子のこれらの感磁素子に対する相対位置を判断することができ、磁気素子を備えた用紙ガイドの位置を正確に判断することができる。信号の有無を検出するだけで構成されている従来技術に対し、本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法では、磁気素子の位置がどこにあるかにかかわらず、処理部は、感磁素子によって生成される電圧信号に基づいて、磁気素子の相対位置を判断することができ、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイドが突き当たる用紙のサイズを正確に判断することができる。
【0097】
また、本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法は、磁気素子の磁気モーメントの方向の異なる配置態様により、本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法の設計の自由度を高めることができる。さらに、本発明に係る用紙検出装置及びその検出方法は、予め設定された用紙種類の数に対応して感磁素子を配置する必要がなく、より少ない数の感磁素子を配置することができ、全体的なコストを削減することができる。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもなく、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の全ての範囲は以下の特許請求の範囲に基づくものであり、本発明の特許請求の範囲に合致する精神とその類似の変形例は、本発明の範囲に含まれるべきであり、当業者であれば、本発明の技術的範囲内において、容易に思いつくことができ、また、その変形例や修正例も、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1、2、3、4 用紙検出装置
11、21、31、41 磁気素子
12、13、22A~22E、32A~32E、42A~42E 感磁素子
14、24、34、44 処理部
9 用紙トレイ
91 用紙ガイド
D 移動方向
P 静止位置
P1、P2 相対位置
V1~V5 電圧信号
D1~D5 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B