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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064929
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
H01L21/304 648K
H01L21/304 648L
H01L21/304 648G
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001501
(22)【出願日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0139802
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オ,ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,キ ボン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン ド
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミ ソ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジン セ
(72)【発明者】
【氏名】コ,ヨン スン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA09
5F157AB02
5F157AB33
5F157CB27
5F157CE07
5F157CF14
5F157CF16
5F157CF34
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF99
5F157DA21
5F157DB32
5F157DB45
5F157DC90
(57)【要約】      (修正有)
【課題】超臨界流体の排気時間を短縮させて工程時間を減らす基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、処理流体が供給される供給ポート111P1、111P2と、処理流体が排気される排気ポート111P3を含むベッセル部110、処理流体を供給する流体供給ユニット及びベッセル部110から処理流体を排気する排気ユニットを含む。排気ユニットは、排気ポート111P3と連結されるメインライン142、メインライン142から分枝し、第1オリフィス143F又は第1チェック弁143Cのうちの少なくとも何れか一つを含んで排気速度が調節される延長ライン143及びメインライン142から分枝し、オリフィスとチェック弁が形成されない補助ライン145を含み、第1工程時間の間、延長ライン143を介して処理流体を排出し、第2工程時間の間、補助ライン145を介して処理流体を排出する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理領域が形成され、前記基板処理領域に処理流体が供給される供給ポートと、前記基板処理領域から前記処理流体が排気する排気ポートとを含むベッセル部と、
前記基板処理領域に前記処理流体を供給する流体供給ユニットと、
前記ベッセル部から前記処理流体を排気する排気ユニットと、を含み、
前記排気ユニットは、
前記排気ポートと連結されるメインラインと、
前記メインラインの第1ノードと第2ノードのうちの少なくともいずれか一つから分枝し、第1オリフィスまたは第1チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節される延長ラインと、
前記メインラインの第3ノードから分枝し、オリフィスとチェック弁が形成されない補助ラインと、を含み、
第1工程時間の間、前記延長ラインを介して前記処理流体を排出し、前記補助ラインを介して前記処理流体を排出せず、
第2工程時間の間、前記補助ラインを介して前記処理流体を排出する、基板処理装置。
【請求項2】
前記第2工程時間の間前記延長ラインを介して前記処理流体を排出しないことをさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記延長ラインは前記ベッセル部が設けられたチャンバ部材と、前記チャンバ部材と隣接して配置されたコントロールボックス内に設けられ、
前記第1オリフィスまたは前記第1チェック弁は前記コントロールボックス内に設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記補助ラインは前記チャンバ部材と前記コントロールボックス内に設けられ、
前記チャンバ部材内の前記補助ラインに、電源がON状態で流路を閉鎖して電源がOFF状態で流路を開放する弁が提供される、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1ノードと前記第2ノードおよび前記第3ノードは、前記チャンバ部材内に形成される、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記延長ラインは、
前記第1ノードから分枝し、前記第1オリフィスまたは前記第1チェック弁を含んで排気速度が調節され、前記第1工程時間の第1サブ工程時間の間流路が開放される第1ラインと、
前記第2ノードから分枝し、第2オリフィスまたは第2チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節され、前記第1工程時間の第2サブ工程時間の間流路が開放される第2ラインと、を含む、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2オリフィスまたは前記第2チェック弁は前記コントロールボックス内に設けられる、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1ラインは、前記基板処理領域の内圧が維持されるように、前記流体供給ユニットで供給する前記処理流体の量と同一範囲の前記処理流体の量を排気し、
前記第2ラインは、前記流体供給ユニットで供給する前記処理流体の供給が中断された状態で前記基板処理領域から前記処理流体を排気し、第1排気速度で前記処理流体を排気し、
前記補助ラインは、臨界圧力以下で開放され、前記第1排気速度より速く前記延長ラインの最大排気速度より速い第2排気速度で前記処理流体を排気する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第2工程時間は前記第1工程時間に続く、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記延長ラインは第1タンクと連結され、
前記補助ラインは、前記第1タンクと物理的に分離された第2タンクに連結される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記延長ラインに、電源がOFF状態で流路を閉鎖して電源がON状態で流路を開放する弁が提供される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記処理流体は超臨界状態のCOで提供され、
前記基板は、有機溶剤で液膜が処理された基板で提供され、前記基板処理領域で超臨界乾燥が行われる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
基板処理領域が形成され、前記基板処理領域に処理流体が供給される供給ポートと、前記基板処理領域から前記処理流体が排気する排気ポートを含むベッセル部と、
前記基板処理領域に前記処理流体を供給する流体供給ユニットと、
前記ベッセル部から前記処理流体を排気し、前記排気ポートと連結されるメインラインと、前記メインラインの第1ノードと第2ノードのうちの少なくともいずれか一つから分枝する延長ラインと、前記メインラインの第3ノードから分枝する補助ラインとを含む排気ユニットと、
前記延長ラインが連結される第1タンクと、
前記第1タンクと物理的に分離され、前記補助ラインと連結される第2タンクとを含む、基板処理装置。
【請求項14】
前記延長ラインは、第1工程時間の間前記処理流体を排出する第1ラインと、第2工程時間の間前記処理流体を排出する第2ラインとを含み、
前記補助ラインは、第3工程時間の間前記処理流体を排出する、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記延長ラインは、オリフィスまたはチェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節され、
前記補助ラインは、前記オリフィスと前記チェック弁が形成されない、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記処理流体は超臨界状態のCOで提供され、
前記基板は、有機溶剤で液膜が処理された基板で提供され、前記基板処理領域で超臨界乾燥が行われる、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項17】
収容空間が形成されるチャンバ部材と、
前記チャンバ部材と隣り合って設けられるコントロールボックスと、
前記収容空間に設けられ、有機溶剤で液膜が処理された基板を処理する基板処理領域が形成され、前記基板処理領域に超臨界流体である超臨界状態のCOが供給される供給ポートと、前記基板処理領域から前記超臨界流体が排気する排気ポートとを含むベッセル部と、
前記基板処理領域に前記超臨界流体を供給する流体供給ユニットと、
前記ベッセル部から前記超臨界流体を排気する排気ユニットと、を含み、
前記排気ユニットは、
前記排気ポートと連結されるメインラインと、
前記メインラインの第1ノードから分枝し、前記コントロールボックスの内部に位置する第1オリフィスまたは第1チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節される第1ラインと、
前記メインラインの第2ノードから分枝し、前記コントロールボックスの内部に位置する第2オリフィスまたは第2チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節される第2ラインと、
前記チャンバ部材の内部で前記メインラインの第3ノードから分枝し、オリフィスとチェック弁が形成されない補助ラインと、
前記第1ラインと前記第2ラインが連結される第1タンクと、
前記第1タンクと物理的に分離され、前記補助ラインと連結される第2タンクと、を含み、
前記第1ラインに設けられる第1弁と前記第2ラインに設けられる第2弁は、電源がOFF状態で流路を閉鎖して電源がON状態で流路を開放し、
前記補助ラインに設けられる第3弁は、電源がON状態で流路を閉鎖して電源がOFF状態で流路を開放し、
第1工程時間の間、前記第1ラインを介して前記超臨界流体を排出し、
第2工程時間の間、前記第2ラインを介して前記超臨界流体を排出し、
前記第1工程時間と前記第2工程時間の間、前記補助ラインを介して前記超臨界流体を排出せず、
第3工程時間の間、前記補助ラインを介して前記超臨界流体を排出し、前記補助ラインは臨界圧力以下で開放され、前記第1ラインおよび前記第2ラインの最大排気速度より速い排気速度で前記超臨界流体を排気する、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するためには蒸着、フォト、エッチング、洗浄などのような多様な工程が行われる。この中でフォト工程は塗布工程、露光工程、そして、現像工程を含む。塗布工程は基板上にフォトレジストのような感光液を塗布する工程である。露光工程は塗布されたフォトレジスト膜の上にフォトマスクにより光源の光を露出させて基板上に回路パターンを露光する工程である。そして、現像工程は基板の露光処理された領域を選択的に現像する工程である。
【0003】
現像工程は現像液供給段階、リンス液供給段階、そして乾燥段階を含む。乾燥段階には基板を支持するスピンチャックを回転させて、スピンチャックが基板に加える遠心力を用いて基板に残留する現像液またはリンス液を乾燥するスピン乾燥を行う。
【0004】
最近、基板に形成されたパターンとパターンとの距離(CD:Critical Dimension)が微細化されるにつれ、上述したスピン乾燥を行う場合、パターンが崩れたり歪むリーニング(Leaning)現象が発生する。そのため、超臨界流体を用いた乾燥装置が導入されている。
【発明の概要】
【0005】
[発明が解決しようとする課題]
一方、超臨界乾燥装置は、圧力および温度が常圧および常温に比べて高く形成されるように密閉空間を有し、密閉空間に超臨界流体を流出入させて基板を処理する。しかし、超臨界流体の排気時間を短縮させて工程時間を減らす必要がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、工程時間を短縮できる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【0008】
[課題を解決するための手段]
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一態様(aspect)は、基板処理領域が形成され、前記基板処理領域に処理流体が供給される供給ポートと、前記基板処理領域から前記処理流体が排気する排気ポートを含むベッセル部;前記基板処理領域に前記処理流体を供給する流体供給ユニット;および前記ベッセル部から前記処理流体を排気する排気ユニットを含み、前記排気ユニットは、前記排気ポートと連結されるメインライン;前記メインラインの第1ノードと第2ノードのうちの少なくともいずれか一つから分枝し、第1オリフィスまたは第1チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節される延長ライン;および前記メインラインの第3ノードから分枝し、オリフィスとチェック弁が形成されない補助ラインを含み、第1工程時間の間、前記延長ラインを介して前記処理流体を排出し、前記補助ラインを介して前記処理流体を排出せず、第2工程時間の間、前記補助ラインを介して前記処理流体を排出する。
【0009】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の態様は、基板処理領域が形成され、前記基板処理領域に処理流体が供給される供給ポートと、前記基板処理領域から前記処理流体が排気する排気ポートを含むベッセル部;前記基板処理領域に前記処理流体を供給する流体供給ユニット;前記ベッセル部から前記処理流体を排気し、前記排気ポートと連結されるメインラインと、前記メインラインの第1ノードと第2ノードのうちの少なくともいずれか一つから分枝する延長ラインと、前記メインラインの第3ノードから分枝する補助ラインを含む排気ユニット;前記延長ラインが連結される第1タンク;および前記第1タンクと物理的に分離され、前記補助ラインと連結される第2タンクを含む。
【0010】
前記また他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の態様は、収容空間が形成されるチャンバ部材;前記チャンバ部材と隣り合って設けられるコントロールボックス;前記収容空間に設けられ、有機溶剤で液膜が処理された基板を処理する基板処理領域が形成され、前記基板処理領域に超臨界流体である超臨界状態のCOが供給される供給ポートと、前記基板処理領域から前記超臨界流体が排気する排気ポートを含むベッセル部;前記基板処理領域に前記超臨界流体を供給する流体供給ユニット;前記ベッセル部から前記超臨界流体を排気する排気ユニットを含み、前記排気ユニットは、前記排気ポートと連結されるメインライン;前記メインラインの第1ノードから分枝し、前記コントロールボックスの内部に位置する第1オリフィスまたは第1チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節される第1ライン;前記メインラインの第2ノードから分枝し、前記コントロールボックスの内部に位置する第2オリフィスまたは第2チェック弁のうちの少なくともいずれか一つを含んで排気速度が調節される第2ライン;前記チャンバ部材の内部で前記メインラインの第3ノードから分枝し、オリフィスとチェック弁が形成されない補助ライン;前記第1ラインと前記第2ラインが連結される第1タンク;および前記第1タンクと物理的に分離され、前記補助ラインと連結される第2タンクを含み、前記第1ラインに設けられる第1弁と前記第2ラインに設けられる第2弁は、電源がOFF状態で流路を閉鎖して電源がON状態で流路を開放し、前記補助ラインに設けられる第3弁は、電源がON状態で流路を閉鎖して電源がOFF状態で流路を開放し、第1工程時間の間、前記第1ラインを介して前記超臨界流体を排出し、第2工程時間の間、前記第2ラインを介して前記超臨界流体を排出し、前記第1工程時間と前記第2工程時間の間、前記補助ラインを介して前記超臨界流体を排出せず、第3工程時間の間、前記補助ラインを介して前記超臨界流体を排出し、前記補助ラインは臨界圧力以下で開放され、前記第1ラインおよび前記第2ラインの最大排気速度より速い排気速度で前記超臨界流体を排気する。
【0011】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を示す図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の超臨界チャンバの内部を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態による基板処理装置を示す図である。
図4】本発明の第2実施形態による基板処理装置での下部供給ラインを経由して処理流体が供給される様子を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態による基板処理装置での上部供給ラインを経由して処理流体が供給されて第1ラインを経由して処理流体が排気する様子を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態による基板処理装置での第2ラインを経由して処理流体が排気する様子を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態による基板処理装置での補助ラインを経由して処理流体が排気する様子を示す図である。
図8】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の時間による圧力変化を示す図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の時間による流路の開閉を示す図である。
図10】比較例の基板処理装置の時間による圧力変化を示す図である。
図11】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の基板処理方法で延長ラインの流路開放を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0014】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0015】
図1は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を示す図である。
【0016】
図2は本発明の第1実施形態による基板処理装置の超臨界チャンバの内部を示す図である。
【0017】
先に図1を参照すると、基板処理装置1は、簡略に言うと、インデックスモジュール20(index module)、処理モジュール30(treating module)を含むことができる。例示としてインデックスモジュール20と処理モジュール30はX軸方向に沿って一列に配置される。
【0018】
インデックスモジュール20は基板Wが収納された容器(図示せず)から基板Wを処理モジュール30に搬送し、処理が完了した基板Wを容器に収納する。例えば、インデックスモジュール20はロードポート22およびインデックスロボット23を含み得る。ロードポート22には基板Wが収納された容器が置かれ得る。インデックスロボット23はY軸方向に提供されたガイドレール24に沿って移動可能に提供される。
【0019】
処理モジュール30はバッファチャンバ31、搬送チャンバ32、湿式処理チャンバ33および超臨界チャンバ34を含み得る。
【0020】
バッファチャンバ31はインデックスモジュール20と搬送チャンバ32の間に設けられる。しかし、これに限定されない。バッファチャンバ31は複数の基板Wを共に保管することができる。バッファチャンバ31に保管された基板Wはインデックスロボット23および搬送ロボット32RBにより搬入または搬出される。
【0021】
搬送チャンバ32は湿式処理チャンバ33および超臨界チャンバ34の間に基板Wを搬送する。搬送チャンバ32はその長手方向がX軸方向と平行なように提供される。搬送チャンバ32には搬送ロボット32RBが提供される。搬送ロボット32RBは基板Wが置かれるハンドを有することができる。搬送チャンバ32内にはその長手方向がX軸方向と平行なように提供されるガイドレール32GRが提供され、搬送ロボット32RBはガイドレール32GR上で移動可能に提供されることができる。
【0022】
湿式処理チャンバ33は基板Wに液膜を処理する。例示として湿式処理チャンバ33は基板Wに対して洗浄工程を行い、基板Wのパターン面を洗浄する。湿式処理チャンバ33から吐出される処理液は洗浄液であって、ケミカル(chemical)、純水(DIW)、そして有機溶剤を含み得る。有機溶剤はイソプロピルアルコール(Isopropyl alcohol:IPA)を含み得る。
【0023】
超臨界チャンバ34は湿式処理チャンバ33と隣り合って設けられる。超臨界チャンバ34は基板Wに超臨界流体を供給して基板Wを処理する。一例として、超臨界チャンバ34は湿式処理チャンバ33で処理された基板Wに超臨界流体を供給して基板Wを乾燥処理する。言い換えれば、超臨界チャンバ34は基板Wに残留する有機溶剤を乾燥する。超臨界流体は、例示として超臨界状態のCOであり得る。
【0024】
以下では図面を参照して超臨界チャンバ34で超臨界乾燥を行う基板処理装置100について説明する。
【0025】
図2を参照すると、第1実施形態による基板処理装置100は、チャンバ部材34C、コントロールボックス34P、ベッセル部110、基板支持ユニット120、流体供給ユニット130、排気ユニット140、加熱部材150およびドレンタンク160を含み得る。
【0026】
チャンバ部材34Cは超臨界乾燥空間が複数で設けられるように、水平方向に複数個が設けられるだけでなく、上下方向に複数で設けられることができる。しかし、これに限定されない。
【0027】
チャンバ部材34Cにはベッセル部110が収容される収容空間が形成される。言い換えれば、チャンバ部材34Cはバッファチャンバ31および湿式処理チャンバ33などと空間を画するために設けられる。チャンバ部材34Cには基板Wが出入りする開口部(図示せず)が形成される。
【0028】
コントロールボックス34Pはチャンバ部材34Cと隣り合って設けられる。例えばコントロールボックス34Pには流体供給ユニット130の貯蔵タンク(図示せず)および排気ユニット140が収容される。
【0029】
ベッセル部110は乾燥工程が行われる基板処理領域110S(超臨界処理空間であり得る)を提供する。ベッセル部110は上部に設けられる上体111と下部に設けられる下体112を有し、上体111と下体112は互いに結合されて基板処理領域110Sを提供する。
【0030】
上体111と下体112のうちのいずれか一つが他の一つに対して相手移動することができ、これは駆動部材110MTにより行われる。例えば、上体111は位置が固定され、下体112は駆動部材110MTにより昇下降し得る。ここで駆動部材110MTは空圧または油圧を使用するアクチュエータ、電磁気的相互作用によって作動するリニアモータ、またはボールスクリュ機構で構成されるが、これは例示に過ぎない。
【0031】
下体112が上体111から離隔すると基板処理領域110Sが開放され、この時、基板Wが搬入または搬出される。工程進行時には下体112が上体111に密着して基板処理領域110Sが外部から密閉される。
【0032】
さらに、ベッセル部110は上部供給ポート111P1、下部供給ポート111P2および排気ポート111P3を含むことができる。ここで上部供給ポート111P1は上体111に設けられる処理流体の供給流路を形成し、下部供給ポート111P2は下体112に設けられる処理流体の供給流路を形成する。そして、排気ポート111P3は下体112に設けられる処理流体の排気流路を形成する。
【0033】
基板支持ユニット120はベッセル部110の基板処理領域110S内で基板Wを水平な状態で支持する。基板支持ユニット120は基板Wの処理面が上に向かうように支持する。基板支持ユニット120は第1支持部材121、第2支持部材122およびプレート123を含み得る。
【0034】
第1支持部材121と第2支持部材122は基板Wを支持する領域が異なってもよい。第1支持部材121は基板Wの縁領域を支持し、第2支持部材122は基板Wの中央領域を支持する。
【0035】
例えば第1支持部材121は上体111で下部方向に延びるが、基板Wに向かって折り曲げられ得る。第2支持部材122はプレート123に設けられる。例示としてプレート123は円形の板として提供されることができる。プレート123は下部供給ポート111P2と第1支持部材121の間に位置する。
【0036】
プレート123は下部供給ポート111P2および排気ポート111P3をすべて覆う直径を有する。そのため、下部供給ポート111P2から供給される処理流体の流れ経路はプレート123により迂回する。すなわち、プレート123は下部供給ポート111P2から供給される超臨界流体が基板Wの非処理面に直接供給されることを防止することができる。
【0037】
流体供給ユニット130はベッセル部110の基板処理領域110Sに乾燥用流体である処理流体を供給する。例示として処理流体は臨界温度および臨界圧力によって超臨界状態で基板処理領域110Sに供給される。ただし、これに限定されない。
【0038】
例えば流体供給ユニット130は流体が貯蔵される貯蔵タンク(図示せず)、上部供給ライン132および下部供給ライン134を含み得る。上部供給ライン132は上部供給ポート111P1に連結される。下部供給ライン134は上部供給ライン132から分岐して下部供給ポート111P2に連結される。
【0039】
貯蔵タンクに貯蔵される処理流体(超臨界状態のCOであり得る)は、上部供給ライン132および下部供給ライン134を経由して基板処理領域110Sに供給される。上部供給ライン132および下部供給ライン134それぞれに弁(符号を図示せず)が設けられて処理流体の流量が調節されることができる。
【0040】
排気ユニット140は、メインライン142、延長ライン、補助ライン145およびポンプ(図示せず)を含み得る。実施形態の変形例によって延長ラインは第1ライン143および第2ライン144(図3を参照)を含み得る。すなわち、延長ラインは多数のラインで提供されることができ、第1ライン143および第2ライン144それぞれが一つ以上のラインで提供されることができる。
【0041】
以下では第1実施形態の延長ラインが第1ライン143として提供される場合を説明する。
【0042】
ポンプは強制排気のためにメインライン142、第1ライン143および補助ライン145のうちの少なくともいずれか一つ以上に設けられることができる。さらに、第2実施形態の場合、第2ライン144にもポンプが設けられることもできる。
【0043】
排気ユニット140の処理流体排気は第2実施形態と同一または類似し、すなわち、第1実施形態の第1ライン143の排気が第2実施形態の第1ライン143と第2ライン144に区分される点で差異があり、第2実施形態の第1ライン143および第2ライン144の排気を第1実施形態は一つに統合するものであるから、第2実施形態の説明では重複する説明は省略する。
【0044】
加熱部材150は基板処理領域110Sが工程で求められる温度を有するか、維持できるように、基板処理領域110Sを加熱する。加熱部材150は基板処理領域110Sに供給された超臨界流体を臨界温度以上に加熱して超臨界流体相を維持するようにすることができる。
【0045】
加熱部材150は下体112(または上体111)の壁内に埋設される。例えば、加熱部材150は外部から電源を受けて熱を発生させるヒータとして提供される。
【0046】
ドレンタンク160は、基板Wを乾燥処理した処理流体(反応物)がドレンされる構成であって、第1タンク161および第2タンク163を含み得る。ドレンタンク160には発癌物質のように大気中に任意に排出することが難しい有機溶剤IPAが含まれた処理流体が貯蔵され、外部と隔離される収容空間が形成される。
【0047】
第1タンク161と第2タンク163は物理的に分離されて空間が分離される。第1タンク161と第2タンク163それぞれは基板処理領域110Sから排気する超臨界流体が貯蔵される。
【0048】
第1タンク161は第1ライン143(第2実施形態の場合は第1ライン143と第2ライン144であり得る)が連結され、基板Wの超臨界処理過程で排気する超臨界流体が貯蔵される。第2タンク163は補助ライン145が連結されて超臨界処理が完了する過程で排気する超臨界流体が貯蔵される。このように、第1タンク161と第2タンク163に区分され、第1タンク161の空間不足を第2タンク163で解消することができる。
【0049】
さらに、第1タンク161と第2タンク163それぞれは排気マニホールド(図示せず)が設けられるが、排気過程で圧力が解消できず排気マニホールド(または第1タンク161)と延長ライン143の差圧が減少し得る。差圧減少により排気速度が遅くなると、延長ライン143を用いて排気するときに排気時間が徐々に長くなる(図10を参照、T4以後にも排気が持続する)。
【0050】
本実施形態はスロー排気(slow vent)をなす延長ライン143とファスト排気(fast vent)をなす補助ライン145が第1タンク161と第2タンク163に区分されるので、延長ライン143と第1タンク161の差圧減少により排気速度が遅くなることが防止され、速い排気を実行および持続することができる。
【0051】
すなわち、排気量の増加による差圧減少および/または第1タンク161の収容空間不足による逆圧が発生しても、補助ライン145の排気が第2タンク163で行われるので、工程中に差圧および/または逆圧によるパーティクルの再流入のような現象を防止して品質低下を防止することができる。
【0052】
さらに、基板処理装置100で発生し得る多様な非常状況(例、停電によりベッセル部110内部に超臨界流体が閉じ込められること)が発生しても、補助ライン145を使用して直ちに対応することができる。これは補助ライン145に設けられる第3弁145Vが電源がOFFされると流路を開放する弁として提供されることによって行われ、これは図3を参照して後述する。
【0053】
以下では図面を参照して本実施形態の変形例を説明し、同じ機能をする同じ構成の重複する説明は省略する。
【0054】
図3は本発明の第2実施形態による基板処理装置を示す図である。図4ないし図7は本発明の第2実施形態による基板処理装置を流出入する処理流体の流れを示す図である。図8は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の時間による圧力変化を示す図である。図9は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の時間による流路の開閉を示す図であり、図10は比較例の基板処理装置の時間による圧力変化を示す図である。さらに、図11および図12は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置の基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0055】
先に図3を参照すると、第2実施形態による基板処理装置100は、第1実施形態と同一または類似にチャンバ部材34C、コントロールボックス34P、ベッセル部110、基板支持ユニット120、流体供給ユニット130、排気ユニット140、加熱部材150およびドレンタンク160を含み得る。
【0056】
ただし、第2実施形態の延長ラインは第1ライン143と第2ライン144を含む点で差異がある。言い換えれば、第2実施形態の延長ラインは多数のラインで形成されることができる。
【0057】
第2実施形態の排気ユニット140は、メインライン142、第1ライン143、第2ライン144および補助ライン145として提供され、下記のとおりである。
【0058】
メインライン142は、下体112に設けられる排気ポート111P3に連結されて基板処理領域110Sから外部に処理流体を排気する。メインライン142は第1ライン143、第2ライン144および補助ライン145がそれぞれ連結され、処理流体の排気が行われる上流領域をなす。
【0059】
例示として、メインライン142は第1ノードN1、第2ノードN2および第3ノードN3が備えられる。メインライン142はマニホールド構造をなすが、これに限定されない。
【0060】
第1ライン143はメインライン142の第1ノードN1から分枝する。第1ライン143はコントロールボックス34Pの内部で第1メーターリング弁143M、第1オリフィス143Fおよび/または第1チェック弁143Cが設けられ、これらの制御により処理流体の排気速度が調節されることができる。
【0061】
第2ライン144はメインライン142の第2ノードN2から分枝する。第2ライン144はコントロールボックス34Pの内部で第2メーターリング弁144M、第2オリフィス144Fおよび/または第2チェック弁144Cが設けられ、これらの制御により処理流体の排気速度が調節されることができる。
【0062】
第1メーターリング弁143M、第1オリフィス143F、第1チェック弁143Cと第2メーターリング弁144M、第2オリフィス144F、第2チェック弁144Cのサイズおよび直径などは互いに異なってもよい。
【0063】
例示として、第1オリフィス143Fと第2オリフィス144Fの直径が異なってもよいが、これは第1ライン143と第2ライン144それぞれの排気速度が最適化されるための直径を有して、第1ライン143と第2ライン144の最大排気速度が異なる形態をなすためであるが、これに限定されない。
【0064】
さらに、流体供給と中断のために、第1ライン143には第1弁V1が提供され、第2ライン144には第2弁V2が設けられる。例えば第1弁V1と第2弁V2は電源がOFF状態で流路を閉鎖して電源がON状態で流路を開放する弁として提供されることができる。電源がON状態で流路を開放する弁は、ばね力で閉鎖状態を維持する構造を有することができる。したがって、電源がON状態で流路を閉鎖する弁(流体駆動圧力で閉鎖状態を維持)に比べて寿命が長い。
【0065】
補助ライン145はメインライン142の第3ノードN3から分枝するが、コントロールボックス34Pの前端に位置するチャンバ部材34Cの内部で分岐し得る。言い換えれば、補助ライン145は、抵抗流路が形成される第1ライン143や第2ライン144から分岐しないので、第1ライン143と第2ライン144の排気速度に影響を受けずに排気することができる。
【0066】
補助ライン145には抵抗流路を形成するオリフィスとチェック弁が形成されないので、第3弁145Vの後端と第2タンク163の間の内径が一定に形成される。したがって、補助ライン145は第1ライン143と第2ライン144の最大排気速度より速い速度で排気が可能である。さらに、上記で言及したように、第1ライン143/第2ライン144と第1タンク161の間で発生する差圧減少とは別に、排気が可能であるため速い排気をなすことができる。
【0067】
上記で言及したように、第1ライン143や第2ライン144の排気が行われるとき、基板処理領域110Sの内部圧力と第1タンク161(または排気マニホールド)の間の差圧は減少し得る。差圧減少により第1ライン143や第2ライン144を用いた排気は排気時間が遅延される。
【0068】
しかし、本実施形態は第2タンク163と連結される補助ライン145を用いて排気するので、第1ライン143や第2ライン144で発生する排気の遅延なく、ファストベントを実行/持続することができる。
【0069】
補助ライン145は第3弁145Vが設けられる。補助ライン145の第3弁145Vは電源がONされると流路を閉鎖し、電源がOFFされると流路を開放する弁として提供される。補助ライン145は停電時に開放されてベッセル部110内の処理流体を排気する。
【0070】
他の例として第3弁145Vは、第1弁V1/第2弁V2と同一または類似に、電源がOFF状態で流路を閉鎖して電源がON状態で流路を開放する弁として提供されることができる。この時、メインライン142の第4ノード(図示せず)から分枝する別のラインがさらに設けられることができ、別のラインは電源がOFF状態で流路を開放する弁が提供され、停電のような非常時にベッセル部110の内部から流体を排気することができる。
【0071】
このような排気ユニット140と流体供給ユニット130により処理流体の流出入(供給および排気)が行われる。
【0072】
以下では図面を参照して基板処理方法について説明する。
【0073】
図4ないし図9図11および図12を参照すると、チャンバ部材34C、コントロールボックス34P、ベッセル部110、基板支持ユニット120、流体供給ユニット130、排気ユニット140、加熱部材150およびドレンタンク160を含む基板処理装置100が提供され、次に、基板処理領域110S内に基板Wを位置させて(S110)、次に、第1工程時間および第2工程時間の間流体供給ユニット130から処理流体が基板処理領域110Sに供給され(S120)、第2工程時間および第3工程時間(第2工程時間に続く工程時間)の間延長ラインの流路が開放され(S130)、次に、第4工程時間の間延長ラインの流路は閉鎖されて補助ライン145の流路は開放される(S140)。ここで第1、2、3、4工程時間は説明および理解の便宜のために区分するものであるから、用語に限定されないことを言及しておく。具体的に説明すると、下記のとおりである。
【0074】
先に、第1、2実施形態の基板処理装置100が提供される。以下では第2実施形態の基板処理装置100が提供される場合を説明する。
【0075】
次に、基板処理領域110S内に基板Wを位置させる(S110)。このために上体111と下体112は互いに離隔した状態をなして、基板処理領域110Sが開放される(図2を参照)。基板Wの搬入は、搬送ロボット32RBを用いて行う。
【0076】
次に、図4および図8を参照すると(S120)、処理流体がベッセル部110に供給される。例えば、第1工程時間である0時間とT1時間の間で下部供給ライン134を介して基板処理領域110Sに処理流体が供給される。ここで下部供給ライン134および下部供給ポート111P2を経由した処理流体はプレート123により基板Wの非処理面に直接供給されずに迂回する。
【0077】
ここで処理流体がベッセル部110に供給されるとき、下部で先に供給されるのは、リーニング(Leaning)現象を最小化するためである。例えば、基板Wの上部で処理流体が供給されると基板Wの上部で供給される処理流体の吐出圧による影響が発生し得る。すなわち、処理流体の吐出圧により、濡れた(wetting)状態の基板Wの液膜がパターンの方に押され、パターンが崩れたり歪むリーニング(Leaning)現象が発生し得る。これを防止するために下部で先に処理流体を供給することができる。
【0078】
基板処理領域110Sに処理流体が満たされると、圧力が臨界圧力以上に維持され(図8を参照、P1からなる設定圧力以上に維持)、超臨界乾燥処理が行われる。ここで超臨界乾燥処理は上部供給ポート111P1を経由した処理流体によって行われる。この時、下部供給ライン134は閉鎖される。
【0079】
すなわち、図5図8および図9を参照すると(S130,S131)、超臨界乾燥処理が行われる間(第2工程時間であるT1時間とT2時間の間)、基板処理領域110Sの圧力が維持されることができる。圧力維持は上部供給ポート111P1で供給される処理流体の供給と共に排気が行われることによってなされる。
【0080】
例えば超臨界乾燥過程で、処理流体と有機溶剤IPAが置換された反応物は排気して新しい処理流体が基板Wを乾燥させるように、T1時間とT2時間の間で上部供給ライン132および上部供給ポート111P1を経由して基板Wの上部に処理流体が継続して供給されることができる。この時、基板処理領域110Sの内圧が維持されるように排気動作が共に行われることができる。排気動作は排気ポート111P3を経由して処理流体(反応物)が排気することによって行われる。排気ポート111P3を経由した処理流体は第1ライン143を介して排気する。
【0081】
言い換えれば、第1ライン143は、基板Wが処理されて超臨界流体が供給される第1状態で基板処理領域110Sが超臨界状態を維持するように、臨界圧力以上で流路が開放されるが、T1時間とT2時間の間で設定された圧力であるP1以下に圧力が低くならないように(臨界圧力であるP2を超える圧力を維持)、流体供給ユニット130で供給する処理流体の量と同一範囲の処理流体の量を排気することができる。
【0082】
図6図8および図9を参照すると(S130,S132)、超臨界乾燥処理の完了時点に近接する間、すなわちT3時間以前に、例えば、第3工程時間であるT2時間とT3時間の間で処理流体の供給は中断され、基板処理領域110Sから処理流体の排気は持続する。このために上部供給ライン132および下部供給ライン134はすべて閉鎖される。
【0083】
さらに、排気動作は第1ライン143または第2ライン144で行われる。先立って行われた第1ライン143の排気速度と第2ライン144の排気速度は異なってもよい。
【0084】
以下では第3工程時間であるT2時間とT3時間の間の排気動作は第2ライン144で行われる場合を説明する。基板処理領域110Sから処理流体を排気する時、基板Wの周辺で処理流体の超臨界状態が急速に解除されないように、T2時間とT3時間の間で行われる排気は第1排気速度で処理流体を排気する。ここで超臨界状態が急速に解除されない第1排気速度は、第2排気速度より遅いスローベントで行われる。これは基板Wの上部に残存する反応物が、超臨界状態の解除により再び基板Wに落下しないようにするためである。
【0085】
T3時間以後、基板Wの上部周辺は処理流体が排気した状態であり得る。したがって、工程時間短縮のために急速な排気を行う。この時、圧力は臨界圧力P2以下であり得る。
【0086】
図7図8および図9を参照すると(S140)、第4工程時間であるT3時間とT4時間の間で基板処理領域110Sから補助ライン145を介して処理流体の排気が行われる。
【0087】
例えば補助ライン145は、T3時間とT4時間の間の時間に臨界圧力P2以下で開放されて排気作動を行う。補助ライン145は上記で言及したように流路抵抗をなすメーターリング弁、オリフィスおよびチェック弁が形成されないため第1排気速度より速い。すなわち、補助ライン145は、第1ライン143の最大排気速度より速い第2排気速度で処理流体を排気する。第2排気速度は第1速度より速いファストベントで行われることができる。
【0088】
反面、図10を参照すると、比較例の基板処理装置は、超臨界乾燥が完了する時点で抵抗流路が形成される配管による処理流体の排気が行われ、排気過程で排気マニホールドとの差圧が減少して工程時間が長くなって遅延される。
【0089】
このように基板処理が完了すると、処理が完了した基板Wを搬出する。これは基板処理領域110S内で搬送ロボット32RBを用いて基板Wを搬出する。
【0090】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0091】
1,100 基板処理装置
110 ベッセル部
120 基板支持ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12