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特開2024-64937リチウム電池用セパレータ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064937
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】リチウム電池用セパレータ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/451 20210101AFI20240507BHJP
   H01M 50/446 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/443 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/426 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/42 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/429 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/491 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/411 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20240507BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20240507BHJP
【FI】
H01M50/451
H01M50/446
H01M50/434
H01M50/443 M
H01M50/414
H01M50/417
H01M50/426
H01M50/42
H01M50/429
H01M50/491
H01M50/411
H01M50/489
H01M50/403 D
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021502
(22)【出願日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】111141036
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】廖 徳超
(72)【発明者】
【氏名】曹 俊哲
(72)【発明者】
【氏名】陳 政宏
(72)【発明者】
【氏名】王 俐ティン
【テーマコード(参考)】
5H021
【Fターム(参考)】
5H021BB12
5H021CC03
5H021CC04
5H021EE01
5H021EE02
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE05
5H021EE06
5H021EE08
5H021EE10
5H021EE11
5H021EE21
5H021HH00
5H021HH01
5H021HH02
5H021HH03
5H021HH04
5H021HH06
(57)【要約】
【課題】本発明は、リチウム電池用セパレータ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
セパレータは、基材層及びコーティング層を含む。基材層は、厚みが10μm~30μmのポリオレフィン多孔質フィルム基材である。コーティング層は、基材層に塗布すると共に、コーティング層の厚みは1μm~5μmである。コーティング層は、耐熱樹脂材料及び耐熱樹脂材料に付着された複数個の無機セラミック粒子を含む。耐熱樹脂材料は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有する。無機セラミック粒子の平均粒子径は、コーティング層の厚みの10%~40%である。コーティング層において、前記無機セラミック粒子が少なくとも3層の高さとなるように積み重ねられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材厚みが10μm~30μmのポリオレフィン多孔質フィルム基材である基材層と、
前記基材層の一つの面に塗布され、コーティング層厚みが1μm~5μmのコーティング層と、を備え、
前記コーティング層は、耐熱樹脂材料及び前記耐熱樹脂材料に付着された複数個の無機セラミック粒子を含み、
前記耐熱樹脂材料は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有し、前記無機セラミック粒子の平均粒子径は、前記コーティング層の厚みの10%~40%であり、前記コーティング層において、前記無機セラミック粒子が少なくとも3層の高さとなるように積み重ねられることを特徴とする、リチウム電池用セパレータ。
【請求項2】
前記コーティング層において、前記コーティング層の総重量を100wt%として、前記耐熱樹脂材料の含有量は2wt%~10wt%であり、前記無機セラミック粒子の含有量は80wt%~96wt%である、請求項1に記載のリチウム電池用セパレータ。
【請求項3】
前記コーティング層において、前記耐熱樹脂材料は、水性樹脂材料であると共に、ポリフッ化ビニリデン水性エマルジョン、アルキルアミド樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体水性エマルジョン、アミド化ポリアクリルラテックス、ポリエステルアクリル水性複合樹脂、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシアルキルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載のリチウム電池用セパレータ。
【請求項4】
前記コーティング層において、前記耐熱樹脂材料の化学構造が、前記無機セラミック粒子の表面に水素結合を生成可能な水酸基を有することによって、前記無機セラミック粒子が前記耐熱樹脂材料に分散するのに有利となる、請求項1に記載のリチウム電池用セパレータ。
【請求項5】
前記コーティング層において、前記無機セラミック粒子は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベーマイト、雲母からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載のリチウム電池用セパレータ。
【請求項6】
前記基材層は、30%~60%の基材の気孔率を有し、
前記コーティング層は、45%~55%のコーティング層の気孔率を有し、
前記無機セラミック粒子の比表面積は、5m/g~25m/gである、請求項1に記載のリチウム電池用セパレータ。
【請求項7】
前記コーティング層には、加工助剤が微量に添加され、
前記加工助剤の含有量は、0.01wt%~3wt%であり、
前記加工助剤は、湿潤剤、分散剤、レベリング剤の中の少なくとも一つである、請求項1に記載のリチウム電池用セパレータ。
【請求項8】
前記リチウム電池用セパレータは、以下の特性(1)~(6)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のリチウム電池用セパレータ。
(1)テープテストにより前記コーティング層を剥離する際にセラミック材料の脱落を抑制し、
(2)前記セパレータの水接触角が50°以下であり、
(3)前記セパレータの150℃でのMD方向の熱収縮は10%未満であり、
(4)前記コーティング層におけるコーティング層の気孔率は45%~55%であり、
(5)前記セパレータのガーレー値(sec/10cc air)は10~20であり、
(6)前記セパレータの熱閉鎖温度は150℃以上である。
【請求項9】
基材厚みが10μm~30μmのポリオレフィン多孔質フィルム基材である基材層を提供することと、
溶質成分及び溶媒成分を含む塗布液組成物を調製することと、
前記塗布液組成物を基材層の一つの表面に塗布することと、
前記塗布液組成物における前記溶媒成分を除去することによって、前記塗布液組成物はコーティング層厚みが1μm~5μmのコーティング層として形成されることと、を含み、
前記溶質成分と前記溶媒成分との重量比(前記溶質成分:前記溶媒成分)は2~20:98~80であり、前記溶質成分は、耐熱樹脂材料及び複数個の無機セラミック粒子を含み、
前記基材層及び前記コーティング層は共にセパレータとして形成され、
前記コーティング層において、前記耐熱樹脂材料は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有し、前記無機セラミック粒子の平均粒子径は、前記コーティング層厚みの10%~40%であり、
前記コーティング層において、前記無機セラミック粒子が少なくとも3層の高さとなるように積み重ねられることを特徴とする、セパレータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータ及びその製造方法に関し、特に、リチウム電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池の構造は通常、正極材、負極材、電解液、及びセパレータを備える。セパレータは、電子をバリアすることで正極と負極とのショートを回避するように、正極材と負極材との間に設置されることが多い。セパレータは同時にその微孔質構造によって、電解液に含まれた正荷電を有するリチウムイオンを伝導する。このように、セパレータの特性は、電池の性能に対する影響が大きい。セパレータの特性は、電池のエネルギー密度、電力密度、サイクル寿命、及び安全性能などに反映されている。
【0003】
従来の技術において、リチウム電池用セパレータは、ポリオレフィンフィルム(Polyolefin Separator)であることが多い。ポリオレフィンフィルムの材料としては主に、ポリエチレン(Polyethylene,PE)、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)又はポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)であり、ある程度の機械的強度、化学安定性、高気孔率を有することによって、電解液を吸収して高いイオン伝導率を維持する。また、電池の安全性の面から、セパレータの耐熱性が極めて重要であり、セパレータは電池の温度が上昇する際に、電池のショットによる熱暴走(Thermal Runaway)を発生し爆発することを回避するように、閉鎖機構を起動する。
【0004】
現在、PEフィルムは約130℃で閉鎖機構を起動し、PPフィルムは165℃以下の温度で機械的強度及び寸法の安定性を維持することができる。しかしながら、前記二種のフィルムの欠点は、気孔率が低く、一部の電解液に対する濡れ性が不良であると共に、熱安定性が165℃以下に制限されることである。
【0005】
従って、セパレータに化学物質を添加することで修飾を行うことによって、セパレータの機械的強度及び熱安定性を改良することは、未来の発展の要である。
【0006】
現在の耐熱性セパレータは、セパレータにセラミック層(例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウムなどの無機粒子)を塗布することによって、耐熱性、耐熱収縮性、突き刺し強度などを向上することが多い。それによって、ポリオレフィンフィルムが高温で溶融収縮することで電子をバリアする作用を失う。しかしながら、現在のセラミックス材料は、凝集しやすく、分散が不均一であるなどの問題があり、表面のセラミックコーティング層の分散が不均一で、機械的強度が低いなどの問題を引き起こしやすい。さらに、セラミック材料は、基板への接着性が低く、脱落しやすく、電解質との濡れ率が低いなどの欠点があり、リチウム電池の性能と安全性にも影響する。
【0007】
そこで、本発明者は、上述した問題が改善可能であることに鑑みて、鋭意研究を行い学理を併せて運用した結果、設計が合理的で且つ前記問題を効果的に改善することができる方法として本発明に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術の課題は、従来技術の不足に対し、リチウム電池用セパレータ及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段は、リチウム電池用セパレータを提供する。リチウム電池用セパレータは、厚みが10μm~30μmのポリオレフィン多孔質フィルム基材である基材層と、前記基材層の一つの面に塗布され、厚みが1μm~5μmであるコーティング層とを備え、前記コーティング層は、耐熱樹脂材料及び耐熱樹脂材料に付着された複数個の無機セラミック粒子を含み、前記耐熱樹脂材料は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有し、前記無機セラミック粒子の平均粒子径は、前記コーティング層の厚みの10%~40%であり、前記コーティング層において、前記無機セラミック粒子が少なくとも3層の高さとなるように積み重ねられる。
【0010】
好ましくは、前記コーティング層において、前記コーティング層の総重量を100wt%として、前記耐熱樹脂材料の含有量は、2wt%~10wt%であり、前記無機セラミック粒子の含有量は、80wt%~96wt%である。
【0011】
好ましくは、前記コーティング層において、前記耐熱樹脂材料は、水性樹脂材料であると共に、ポリフッ化ビニリデン水性エマルジョン、アルキルアミド樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体水性エマルジョン、アミド化ポリアクリルラテックス、ポリエステルアクリル水性複合樹脂、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシアルキルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0012】
好ましくは、前記コーティング層において、前記耐熱樹脂材料の化学構造が、前記無機セラミック粒子の表面に水素結合を生成可能な水酸基を有することによって、前記無機セラミック粒子が前記耐熱樹脂材料に分散するのに有利となる。
【0013】
好ましくは、前記コーティング層において、前記無機セラミック粒子は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベーマイト、雲母からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0014】
好ましくは、前記基材層は、30%~60%の基材の気孔率を有し、前記コーティング層は、45%~55%のコーティング層の気孔率を有し、前記無機セラミック粒子の比表面積は、5m/g~25m/gである。
【0015】
好ましくは、前記コーティング層には、加工助剤を微量に添加し、前記加工助剤の含有量は、0.01wt%~3wt%であり、前記加工助剤は、例えば、湿潤剤、分散剤、レベリング剤の中の少なくとも一つである。
【0016】
好ましくは、前記リチウム電池用セパレータは、以下の特性(1)~(6)を有する。
【0017】
(1)テープテストにより前記コーティング層を剥離する際にセラミック材料の脱落を抑制し、(2)前記セパレータの水接触角が50°以下であり、(3)前記セパレータの150℃でのMD方向の熱収縮は10%未満であり、(4)前記コーティング層におけるコーティング層の気孔率は45%~55%であり、(5)前記セパレータのガーレー値(sec/10cc air)は10~20であり、(6)前記セパレータの熱閉鎖温度は150℃以上である。
【0018】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用するもう一つの技術的手段は、セパレータの製造方法を提供する。セパレータの製造方法は、厚みが10μm~30μmのポリオレフィン多孔質フィルム基材である基材層を提供することと、溶質成分及び溶媒成分を含む塗布液組成物を調製することと、前記塗布液組成物を基材層の一つの表面に塗布することと、前記塗布液組成物における前記溶媒成分を除去することによって、前記塗布液組成物は厚みが1μm~5μmのコーティング層として形成されることとを含み、前記溶質成分と前記溶媒成分との重量比(前記溶質成分:前記溶媒成分)は2~20:98~80であり、前記溶質成分は、耐熱樹脂材料及び複数個の無機セラミック粒子を含み、前記基材層及び前記コーティング層は共にセパレータとして形成され、前記コーティング層において、前記耐熱樹脂材料は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有し、無機セラミック粒子の平均粒子径は、前記コーティング層の厚みの10%~40%であり、前記コーティング層において、前記無機セラミック粒子が少なくとも3層の高さとなるように積み重ねられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の少なくとも一つの有利な効果として、本発明に係るリチウム電池用セパレータは、従来の技術におけるセラミック材料の塗布が均一でなく、且つセラミック材料の基材に対する付着力が不良である問題を解決することができる。本発明において、コーティング層にセラミック材料の分散性、粘着性及び耐熱性を向上することができる樹脂及び加工助剤などの材料を添加することによって、セラミック材料の分散均一性及び基材の接着性を向上するだけでなく、セパレータの耐熱性を向上すると共に、セパレータの熱収縮性を低減することができる。別の観点から、本発明は、新規な水性塗料を提供する。すなわち、耐熱性セラミックと、耐熱性及び接着性を有する水性樹脂と、他の媒介物とを混合し、また、水性塗料が単層又は複数層のポリオレフィン多孔質フィルム基材に塗布されて、表面に均一に分散し且つ耐熱性を有する塗布型セパレータを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る実施形態のセパレータの片面にコーティング層を有することを示す模式図である。
図2】本発明に係る実施形態のセパレータの両面にコーティング層を有することを示す模式図である。
図3】本発明の実験データにおける実施例1のSEM図である。
図4】本発明の実験データにおける実施例5のSEM図である。
図5】本発明の実験データにおける比較例2のSEM図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照されたい。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0022】
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明の実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。
【0023】
理解すべきことは、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」といった用語を用いて各種の要素又は符号を記述することがあるが、これらの要素又は符号は、これらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は主に、1つの要素ともう1つの要素、又は1つの符号ともう1つの符号を区別するためのものである。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つ又は複数の組み合わせを含むことがある。
【0024】
[リチウム電池用セパレータ]
図1に示すように、本発明の実施形態においてリチウム電池用セパレータS(Separator for Lithium Batteries)を提供する。前記リチウム電池用セパレータSは、基材層1と前記基材層1に塗布するコーティング層2とを備える。
【0025】
基材層の厚みについて、前記基材層1の基材厚みT1は10μm~30μmであり、15μm~30μmであることが好ましい。
【0026】
基材層の材料について、前記基材層1はポリオレフィン(Polyolefin)多孔質フィルム基材であり、例えば、単層構造を有するポリオレフィン多孔質フィルム基材又は多層構造を有するポリオレフィン多孔質フィルム基材であってもよい。具体的に説明すると、前記基材層1は例えば、単層構造を有するポリエチレン(PE)多孔質フィルム基材、単層構造を有するポリプロピレン(PP)多孔質フィルム基材又は多層構造を有するポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)多孔質フィルム基材であってもよい。
【0027】
基材層の材料特性について、前記基材層1の基材の気孔率は30%~60%である。説明すべきことは、本明細書の気孔率(Porosity)は、材料の気孔の物理量を示すものである。気孔率は、気孔の体積と材料の総体積との比であり、0%~100%のパーセンテージで表される。
【0028】
続いて、図1に示すように、前記コーティング層2は、耐熱樹脂材料21(耐熱接着剤とも称す)及び前記耐熱樹脂材料21に付着した複数個の無機セラミック粒子22を含む。
【0029】
コーティング層の厚みについて、前記コーティング層2のコーティング層厚みT2は、1μm~5μmであり、1μm~3μmであることが好ましい。
【0030】
各成分の含有量について、前記コーティング層2の総重量を100wt%として、前記耐熱樹脂材料21の含有量は、2wt%~10wt%であり(5~7wt%であることが好ましく、5.5~6.5wt%であることが特に好ましい)、また、前記無機セラミック粒子22の含有量は80wt%~96wt%である(93wt%~95wt%であることが好ましく、93.5wt%~94.5であることが特に好ましい)。即ち、本実施形態において、前記耐熱樹脂材料21の含有量は、無機セラミック粒子22の含有量より低いと共に、前記コーティング層2においてマトリックスとして無機セラミック粒子22を用いる。前記耐熱樹脂材料21は、無機セラミック粒子22同士を接着させると共に、前記基材層1に接着性を付与することができる。
【0031】
耐熱樹脂材料について、前記耐熱樹脂材料21は、水性樹脂材料であり、例えば、ポリフッ化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンホモポリマー水性エマルション、若しくはポリフッ化ビニリデンとその他のフッ化ビニルモノマーを少量に含有するモノマーとの共重合体水性エマルション)である。若しくは、前記耐熱樹脂材料21は例えば、アルキルアミド樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体水性エマルジョン、アミド化ポリアクリルラテックス、及びポリエステルアクリル水性複合樹脂の中の少なくとも1つである。若しくは、前記耐熱樹脂材料21は例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールの中の少なくとも1つである。若しくは、前記耐熱樹脂材料21は例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシアルキルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つである。上記の材料はいずれも、ある程度の耐熱性及び接着性を有すると共に、水に分散可能な水性樹脂材料である。
【0032】
特筆すべきことは、前記ポリフッ化ビニリデンホモポリマー水性エマルション及びポリフッ化ビニリデンとその他のフッ化ビニルモノマーを少量に含有するモノマーとの共重合体水性エマルションを用いる場合、セパレータの電解液に対する浸透率を向上することができる。また、前記ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アルキルアミド樹脂、アミド化ポリアクリルラテックスを用いる場合、樹脂の化学構造に水酸基(-OH)を有するため、無機セラミック粒子の表面に水素結合を生じることによって、無機セラミック粒子を樹脂材料に分散することには有利となる。
【0033】
耐熱樹脂材料の特性について、前記耐熱樹脂材料21は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有する(融点又はガラス転移温度が100℃~250℃であることが好ましい)。
【0034】
無機セラミック粒子の材料について、前記無機セラミック粒子22は例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベーマイト、雲母からなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
【0035】
無機セラミック粒子の材料特性について、前記無機セラミック粒子の材料はいずれも、耐熱性及び化学安定性を有する。特筆すべきことは、前記無機セラミック粒子22を均一に耐熱樹脂材料21に分散させ、且つセラミックの耐熱性を発揮するために、前記無機セラミック粒子22の平均粒子径は前記コーティング層2のコーティング層厚みT2の10%~40%であり、10%~30%であることが好ましい。本発明の一つの実施形態において、前記無機セラミック粒子の比表面積は、5m/g~25m/gであり、5m/g~15m/gであることが好ましい。前記無機セラミック粒子の外観形状は例えば、球状、フレーク状、又は直方体などの特定の形状であってもよい。
【0036】
別の観点から、図1に示すように、前記無機セラミック粒子22は、コーティング層2において少なくとも三層の高さとなるように積み重ねられ、好ましくは、3層~10層の高さとなるように積み重ねられる。それによって、無機セラミック粒子が足りる耐熱性を提供できると共に、崩れにくくなる。
【0037】
本発明の一つの実施形態において、前記コーティング層2のコーティング層厚みT2は、前記基材層1の基材厚みT1の10%~30%であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0038】
更に説明すると、前記コーティング層2は、微量に添加された加工助剤(図面なし)を更に含む。前記加工助剤の含有量は、0.01wt%~3wt%であり、0.01wt%~2wt%であることが好ましい。
【0039】
加工助剤の材料について、前記加工助剤は例えば、湿潤剤、分散剤、及びレベリング剤の中の少なくとも一つであってもよい。
【0040】
前記湿潤剤は例えば、エトキシアセチレン、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル及び変性ポリアクリレートからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。前記分散剤は例えば、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、及びアルキルアンモニウムからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。前記レベリング剤は例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンエーテル、ポリアクリレート及びメタクリレートのホモポリマー又は共重合体からなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
【0041】
上記の構成によって、本発明に係るリチウム電池用セパレータSは、従来の技術におけるセラミック材料の塗布が均一でないと共に、基材に対する接着性が劣るなどの問題を解決することができる。
【0042】
本発明において、コーティング層に粘着性及び耐熱性を有する水性樹脂及び加工助剤などの材料を添加することによって、セラミック材料及び基材の接着性を向上するだけでなく、セパレータの電解液に対する浸透率を向上することができる。別の観点から、本発明において、耐熱性セラミックと、耐熱性及び接着性を有する水性樹脂と、他の媒介物とを混合し、また、水性塗料が単層又は複数層のポリオレフィン多孔質フィルム基材に塗布されて、表面に均一に分散し且つ耐熱性を有する塗布型セパレータを形成することができる。
【0043】
本発明に係るセパレータSは、以下の特性を有する。(1)テープテストにより前記コーティング層を剥離する際にセラミック材料の脱落を抑制する。(2)セパレータの水接触角が50°以下である。(3)セパレータの150℃でのMD方向の熱収縮は10%未満である。(4)コーティング層におけるコーティング層の気孔率は45%~55%である。(5)セパレータのガーレー値(sec/10cc air)は10~20である。(6)セパレータの熱閉鎖温度は150℃以上である。
【0044】
特筆すべきことは、本発明の実施形態に係るセパレータSは、基材層1の片面にコーティング層2を有するものを例として説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。本発明の一つの変化例において、図2に示すように、前記セパレータS’は例えば、基材層1の両面にコーティング層2を有するものであってもよい。
【0045】
[セパレータの製造方法]
以上の内容は、本発明の実施形態に係るリチウム電池用セパレータの構造特徴及び材料特徴の説明である。以下にて、本発明の実施形態に係るセパレータの製造方法を続いて説明する。前記セパレータの製造方法は、工程S110、工程S120、工程S130及び工程S140を含む。説明すべきことは、本実施形態における各工程の順番や操作方式はニーズに応じて調整することは可能であり、これに制限されるものではない。
【0046】
前記工程S110は、ポリオレフィン多孔質フィルム基材である基材層を提供することを含む。前記基材層の基材厚みは、10μm~30μmであり、15μm~30μmであることが好ましい。前記基材層の基材の気孔率は30%~60%である。
【0047】
前記工程S120は、塗布液組成物を調製することを含む。前記塗布液組成物は、溶媒成分と、前記溶媒成分に分散する溶質成分と、を含む。前記溶質成分と前記溶媒成分との重量は、2~20:98~80である。即ち、前記溶質成分の塗布液組成物での重量比は、約2%~20%である。前記溶質成分は、耐熱樹脂材料及び複数個の無機セラミック粒子を含む。前記溶質成分の総重量を100重量部として、前記耐熱樹脂材料の重量は、2重量部~10重量部(好ましくは、5重量部~10重量部である)であると共に、前記無機セラミック粒子の重量は、80重量部~96重量部(好ましくは、90重量部~96重量部である)である。前記耐熱樹脂材料は水性樹脂材料であると共に、ポリフッ化ビニリデン水性エマルジョン、アルキルアミド樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体水性エマルジョン、アミド化ポリアクリルラテックス、ポリエステルアクリル水性複合樹脂、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシアルキルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つである。前記耐熱樹脂材料は、150℃以上の融点、若しくは100℃以上のガラス転移温度を有する(融点又はガラス転移温度が100℃~250℃であることが好ましい)。前記無機セラミック粒子は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベーマイト、雲母からなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
【0048】
更に説明すると、前記溶質成分は、微量の加工助剤を更に含む。前記加工助剤の使用量は、0.01重量部~3重量部であり、0.01重量部~2重量部であることが好ましい。上記の構成によって、前記塗布液組成物は適切の粘度を有するため、基材層に塗布することは容易である。更に説明すると、前記溶媒成分は水性溶媒である。前記水性溶媒は主に、水溶性分子に用いる。前記水性溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つである。水性溶媒を採用する利点は、環境にやさしいと共に、プロセス及び塗布のコストがいずれも低いことである。
【0049】
前記工程S130は、前記塗布液組成物を基材層の片面に塗布することを含む。その中、本発明の実施形態で用いた塗布方法は、従来のウェットコーティングであってもよく、例えば、ディップコート、スロットコート、グラビアコート、スピンコート、ワイヤーバーコートが挙げられるが、本発明はこれに制限されるものではない。油性高沸点溶剤を用いる場合、位相反転法により溶媒と非溶媒(水)とを交換した後にフィルムを製造することができる。
【0050】
前記工程S140は、前記塗布液組成物における溶媒成分を除去すること(例えば、オーブン乾燥で60℃~80℃で乾燥する)によって、前記塗布液組成物をコーティング層として形成される。前記コーティング層は、1μm~5μmのコーティング層厚みを有する。
【0051】
[実験データの測定]
以下、実施例1~5及び比較例1~3により、本発明の内容を詳しく説明するが、それらの実施例は、本発明を理解するためのものであり、本発明はこれに制限されるものではない。
【0052】
実施例1:20μmの基材厚みを有する基材層(実施例1では、単層構造のポリプロピレンを採用した)を提供した。溶質成分及び溶媒成分を含む塗布液組成物を調製し、溶質成分と溶媒成分(溶質成分:溶媒成分)との重量比は20:80であり、溶質成分は、耐熱樹脂材料(実施例1ではポリビニルアルコールを採用した)、無機セラミック粒子(実施例1では酸化アルミニウムを採用した)及び加工助剤(実施例1ではポリアクリル酸アンモニウムを採用した)を含み、溶媒成分は水とエタノールのアルコールとの共溶媒(水は70%であり、アルコールは30%である)であった。溶質成分の総重量を100重量部として(以下にて、無機セラミック粒子及び耐熱樹脂材料の総重量を100重量部とし、加工助剤の使用量は、総重量の重量%に基づいて表記された)、耐熱樹脂材料の使用量は6重量部であり、無機セラミック粒子の使用量は94重量部であり、加工助剤の使用量は0.01重量部であった。塗布液組成物を基材層の片面に塗布し、塗布液組成物における溶媒成分を除去して、塗布液組成物が2μmのコーティング層として形成され、基材層及びコーティング層は共にセパレータとして形成された。コーティング層において、耐熱樹脂材料であるポリビニルアルコールは、225℃の融点を有し、無機セラミック粒子の平均粒子径(250nm)は、コーティング層のコーティング層厚み(2μm)の12.5%であると共に、コーティング層において無機セラミック粒子は3層以上の高さとなるように積み重ねられた。実施例2~5及び比較例1~3の製造方法は、実施例1と基本的に同様であり、それらの相違点については、異なる種類の耐熱樹脂材料及び使用量を用いることであり、その実験条件については、下表1に示す通りである。
【0053】
次に、前記実施例及び比較例で製造されたセパレータを物理化学特性の測定を行うことによって、それらのセパレータの物理化学特性を得た。例えば、コーティング層の粉落ち、セパレータの熱収縮の測定、加熱収縮率の測定、コーティング層の気孔率の測定、セパレータのガーレー値(Gurley)の測定、突き刺し強度の測定及び引張強度の測定が挙げられる。それらの測定方法は、後述の通りであると共に、その測定の結果は、表2に示す通りである。
【0054】
測定の方法について後述の通りであると共に、その測定の結果は、表1でまとめている。
【0055】
<コーティング層の粉落ち>
塗布されたセパレータを、目視法で簡単に粉落ちがあるか否かについて観察した。
【0056】
<セパレータの熱収縮の測定>
MD/TD方向の熱収縮を測定する方法として、7cm×7cmの塗布されたサンプルを切り取って、サンプルを150℃にしたオーブンに放置して、60分経った後に30分冷却することによって、ノギスを用いてその四辺の長さを測定することで、加熱前後の寸法安定性を測定し、耐熱性を評価した。その計算式は、加熱熱収縮%=((加熱前長さ-加熱後長さ)/加熱前長さ)×100%である。
【0057】
<コーティング層の気孔率測定>
ガス置換法真密度分析器で塗布型フィルムの気孔率を測定した。また、ASTM C604、ASTM D2638、ASTM D4892及びISO 5106に基づいて測定を行った。
【0058】
<セパレータのガーレー値(Gurley)の測定>
高圧密度計(High Pressure Densometers,GURLEY 4150)を用いて10cc当たりの空気がセパレータを通過した時間を測定し、その時間は通気度であった。
【0059】
<突き刺し強度の測定>
直径1mmのラウンドニードルで測定すべきセパレータを突き刺して、セパレータの破りに必要の最大の力を測定した。具体的な測定方法は、ASTM D3763-10《Standard Test Method for High Speed Puncture Properties of Plastics Using Load and Displacement Sensors》に基づいて測定を行った。
【0060】
<引張強度>
ASTM D638に基づいて、万能試験機で測定した。
【0061】
<水接触角の測定>
ASTM D 5725-1999(2008)に基づいて、塗布されたセパレータの表面に水を落とし、水滴と固体表面の間の角度を測定した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
[測定結果の検討]
実施例1において、耐熱樹脂材料ではポリビニルアルコール6重量部を用いる場合、セラミック材料の顕著な粉落ちを有さず、MD熱収縮が7.8%であり、図3のSEM図によると、コーティング層の表面の分散が均一であり、比較例1に比べてより低い熱収縮を備えた。比較例2のように、用いたポリビニルアルコールの使用量を4重量部に低減した場合、セラミック材料が少しの粉落ちを有すると共に、図5のSEM図によると、コーティング層の表面の分散が均一でないことを観察した。上記の結果によると、ポリビニルアルコールの添加量の重量部が6重量部の場合、最も優れた結果を示した。耐熱樹脂材料の添加量を観察することによって、耐熱樹脂材料の含有比を向上すると、セパレータの通気度が低下することを発見した。
【0065】
実施例2~5においては、実施例1の耐熱樹脂材料の添加比率を参考にして、耐熱樹脂材料を他の種類に変更した。実験の結果によると、カルボキシメチルセルロース及びポリエステルアクリル複合樹脂のセラミックに対する粘着性が比較的低く、少しの粉落ちを発見したが、許容範囲内であった。アルキルアミド樹脂及びアミド化ポリアクリルラテックスのセラミックに対する粘着性が優れていると共に、二種の樹脂はいずれも高いガラス転移温度を有し、熱収縮が4%未満であり、効果が一番優れていた。実施例5を見ると、SEM図での分散がより均一であった。突き刺し強度及び引張強度については主に、基材の特性及びセラミック材料に影響されるため、顕著な違いを有さない。
【0066】
[実施形態による有利な効果]
本発明の少なくとも一つの有利な効果として、本発明に係るリチウム電池用セパレータは、従来の技術におけるセラミック材料の塗布が均一でなく、且つセラミック材料の基材に対する付着力が不良である問題を解決することができる。本発明において、コーティング層にセラミック材料の分散性、粘着性及び耐熱性を向上することができる樹脂及び加工助剤などの材料を添加することによって、セラミック材料の分散均一性及び基材の接着性を向上するだけでなく、セパレータの耐熱性を向上すると共に、セパレータの熱収縮性を低減することができる。別の観点から、本発明は、新規な水性塗料を提供する。すなわち、耐熱性セラミックと、耐熱性及び接着性を有する水性樹脂と、他の媒介物とを混合し、また、水性塗料が単層又は複数層のポリオレフィン多孔質フィルム基材に塗布されて、表面に均一に分散し且つ耐熱性を有する塗布型セパレータを形成することができる。
【0067】
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
S,S’…セパレータ
1…基材層
2…コーティング層
21…耐熱樹脂材料
22…無機セラミック粒子
T1…基材厚み
T2…コーティング層厚み
図1
図2
図3
図4
図5