(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064945
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/343 20060101AFI20240507BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240507BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20240507BHJP
A61K 31/202 20060101ALI20240507BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20240507BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240507BHJP
A23L 33/12 20160101ALI20240507BHJP
C07D 307/93 20060101ALN20240507BHJP
【FI】
A61K31/343
A61P29/00
A61P3/02
A61K31/202
A61K36/28
A23L33/105
A23L33/12
C07D307/93
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061693
(22)【出願日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2022173405
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000119472
【氏名又は名称】一丸ファルコス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 知也
(72)【発明者】
【氏名】濱田 朋志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 達治
【テーマコード(参考)】
4B018
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB07
4B018LB08
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4B018MD08
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4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB11
4C206ZC21
(57)【要約】
【課題】当該異風味の発生を抑えつつ、新規な栄養補助などを達成できる新規経口用組成物、例えばがん患者などより摂取しやすい当該組成物、を提供すること、などである。
【解決手段】シナロピクリンと、エイコサペンタエン酸(EPA)とを含有する、炎症性サイトカイン抑制 のための経口用組成物。アーティチョーク葉抽出物と、エイコサペンタエン酸(EPA)とを含有する、炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シナロピクリンと、エイコサペンタエン酸(EPA)とを含有する、炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物。
【請求項2】
アーティチョーク葉抽出物と、エイコサペンタエン酸(EPA)とを含有する、炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ヒト等に用いるための、炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物、などに関する。
【背景技術】
【0002】
がん患者が、がん関連低栄養がもたらす悪液質が治療困難を招き、予後不良に陥らせている。例えば、担癌患者の31%から87%が低栄養状態を呈しており、治療の反応性や生存率、QOLに影響することが報告されている。入院患者のみならず外来での栄養管理の必要性についても報告されているが、栄養サポートに関する検証は未だに少ない(非特許文献1)。
【0003】
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等のn-3系PUFA(多価不飽和脂肪酸)やビタミンA・D・Eを豊富に含む魚油は、健康に良い油として認識され、世界中で需要が高まっている。魚油の持つ効果としては、中性脂肪の低下、記憶力の改善、冠動脈系の疾患の軽減等が世界中で確認されている。しかし、魚油特有の臭い(異風味)が嫌いでどうしても摂取出来ない人もいる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】柴田裕ら、静脈経腸栄養、Vol.29、No.4、2014、p87(1043)-p93(1049)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、当該異風味の発生を抑えつつ、新規な栄養補助などを達成できる新規経口用組成物、例えばがん患者などより摂取しやすい当該組成物、を提供すること、などである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の発明者は、鋭意検討を重ねた結果、以下の本発明を完成した。具体的には、本発明は以下の項を含む発明、である。
〔項1〕シナロピクリンと、エイコサペンタエン酸(EPA)とを含有する、炎症性サイトカイン抑制 のための経口用組成物。
〔項2〕アーティチョーク葉抽出物と、エイコサペンタエン酸(EPA)とを含有する、炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物。
〔項3〕シナロピクリンを含有する、内臓脂肪を低減するための経口用組成物。
〔項4〕アーティチョーク葉抽出物を含有する、内臓脂肪を低減するための経口用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、新たに炎症性サイトカイン抑制のための経口用組成物、などを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
(シナロピクリン)
シナロピクリン(Cynaropicrin、PubChem CID:119093)は、セスキテルペン(Sesquiterpene)の一種で、下記(化1)
で表される化合物で、分子式がC19H22O6である。
【0011】
【0012】
(アーティチョーク)
アーティチョーク(Artichoke、Globe artichoke、学名はCynara scolymus)は、キク科チョウセンアザミ属の多年草である。アーティチョークの和名はチョウセンアザミ(朝鮮薊)である。本発明では、アーティチョークの花、葉、茎、枝、枝葉、地上部又は全草の抽出物を用いるが、本発明では、上記シナロピクリンがより多く含有されていること等の観点で、好ましくはアーティチョークの葉又は枝葉の抽出物を用いるのが好ましい。
【0013】
本発明で用いるアーティチョークの抽出物を得る抽出溶媒は、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなど)、液状多価アルコール類(1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなど)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテルなど)が挙げられる。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。
【0014】
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭などによる脱色、脱臭、エタノール沈殿などの処理をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いても良い。
【0015】
本発明で用いるアーティチョーク抽出物の1日あたりの摂取量(経口用組成物での摂取の場合)は、摂取形態、使用目的、年齢、体重などによって適宜調整することができるが、所望の効果(炎症性サイトカインの抑制効果など)が発揮されるために、ヒト成人1日当り、アーティチョーク抽出物を乾燥物に換算して、好ましくは1mg/kg/日以上、より好ましくは2.5mg/kg/日以上、より好ましくは5mg/kg/日以上、 より好ましくは10mg/kg/日以上、より好ましくは25mg/kg/日以上、更に好ましくは50mg/kg/日以上であり、当該摂取の際のヒト等での安全性などの観点で、好ましくは1000mg/kg/日以下、より好ましくは750mg/kg/日以下、更に好ましくは500mg/kg/日以下、である。
【0016】
本発明で用いるシナロピクリンの1日あたりの摂取量(経口用組成物での摂取の場合)は、摂取形態、使用目的、年齢、体重などによって適宜調整することができるが、所望の効果(炎症性サイトカインの抑制効果など)が発揮されるために、ヒト成人1日当り、シナロピクリンを、好ましくは0.001mg/kg/日以上、より好ましくは0.0025mg/kg/日以上、より好ましくは0.005mg/kg/日以上、より好ましくは0.01mg/kg/日以上、より好ましくは0.025mg/kg/日以上、より好ましくは0.05mg/kg/日以上、より好ましくは0.10mg/kg/日以上、より好ましくは0.25mg/kg/日以上、更に好ましくは0.50mg/kg/日以上であり、当該摂取の際のヒト等での安全性などの観点で、好ましくは12.0mg/kg/日以下、より好ましくは9.00mg/kg/日以下、更に好ましくは6.00mg/kg/日以下、である。
【0017】
(アーティチョーク抽出物の調製)
本発明で用いられるアーティチョーク抽出物は、例えば、以下の製造例1、製造例2の製造方法により作製することができる。以下実施例で記載のアーティチョーク抽出物は、以下製造例1により作製されたアーティチョーク抽出物である。
【0018】
(製造例1)アーティチョークの葉熱水抽出物の製造方法
アーティチョークの葉100gを200mLの精製水を加え、95~100℃で約45分間抽出した後、濾過、濃縮後、賦形剤を加えて調整して、乾燥後、抽出物の粉末(アーティチョーク抽出物の一例であるアーティチョークの葉熱水抽出物)を約6g得た。当該粉末中には、上述のシナロピクリンが1.0709質量%含有された。
【0019】
(製造例2)アーティチョークの葉エタノール抽出物の製造方法
アーティチョークの葉乾燥物100gを400mLの45%エタノール溶液を加え、65~70℃で約2時間抽出した後、濾過、濃縮後、賦形剤を加えて調整して、乾燥後、抽出物の粉末(アーティチョーク抽出物の一例であるアーティチョークの葉エタノール抽出物)を約50g得た。当該粉末中には、上述のシナロピクリンが1.0709質量%含有された。
【0020】
(EPA)
EPAは、エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)の略である。EPAは、いわし、さば、あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつである。主に青魚の油に多く含まれるEPAは、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」の一種である。なお、本発明で用いられるEPAとは、本来のEPAだけでなく、同しEPAの塩、若しくはエステルなどのEPA誘導体をも含くまれる。また、本発明のEPAは、必ずしも高純度商品に限る必要はなく、例えば、ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoicacid)などの他の高度不飽和脂肪酸、またはこれらの誘導体などを含有するものであってもよい。
【0021】
(炎症性サイトカイン)
炎症性サイトカインは、生体内における様々な炎症症状を引き起こす原因因子として関与するサイトカインである。炎症性サイトカインは、例えば、IL-1β、IL-6、TNFα、IFNγ、IL-8などである。
【0022】
当該炎症性サイトカインの濃度が血中で高くなることにより(例えばガン細胞から炎症性サイトカインが産生されることなどにより)、ヒト等の体内において、炎症状態及び/又は炎症性疾患が生じる。炎症状態又は炎症性疾患とは、炎症を伴う状態又は疾患である。炎症状態は、例えば、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、敗血症を含む全身性炎症反応症候群、胃又は腸の潰瘍、などである。炎症性疾患は、例えば、感染性胃腸炎、クローン病,潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、重症感染症、深在性真菌症、などである。なお、炎症状態と炎症性疾患とは明確に区別されるものではない。
【0023】
(内臓脂肪)
内臓脂肪は、腹筋および背筋の内側において内臓の周囲に蓄積した脂肪のことであり、胴部の表層に位置する皮下脂肪と区別されるものである。なお、内臓脂肪量を示す指標としては、臍位置に対応する部分の胴部断面において内臓脂肪が占める面積(以下、内臓脂肪断面積という)を採用することが一般的である。内臓脂肪量の測定には、例えば、X線CT(Computed Tomography)あるいはMRI(Magnetic Resonance Imaging)等を用いた画像解析法が利用される。この画像解析法においては、X線CTあるいはMRI等を用いることで取得した胴部の断層画像から内臓脂肪断面積が幾何学的に算出される(特開2012-40094)。
【0024】
(経口用組成物)
本発明に係る経口用組成物は、例えば飲食品(機能性表示食品、特定保健用食品、サプリメントなども含む)、医薬品などである。
【0025】
例えば、当該経口用組成物が飲食品の場合、当該飲食品の形態は、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料などの各種飲食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。種々の形態の食品は、本発明の有効成分を単独で、または他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて調製することができる。
【0026】
例えば、当該経口用組成物が医薬品の場合は、当該医薬品は一般的に苦痛の程度に従って調整することができる好都合の1日投薬レジメンを組み立てやすいが、当該医薬品の形態は、例えば固体の形態、液体の形態である。当該固体の形態は、例えば、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、トローチ剤、坐剤および分散性顆粒剤などが挙げられる。例えば、粉末剤では、担体は一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。例えば、錠剤では、活性成分は一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状および大きさに成形される。適切な担体は、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等を非限定的に含むこともある。当該医薬品は、所望の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、pH調整剤、防腐剤等の成分を含有することもできる。
【0027】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例において、各種成分の添加量を示す数値の単位%は、質量%を意味する。
【実施例0028】
以下、本発明の実施例について、説明する。なお、以下実験で用いた試料等は以下である。
・EPA:5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸 99% (ナカライテスク、コード:14326-04)
・アーティチョーク葉抽出物:上述の製造例1により作製したアーティチョークの葉熱水抽出物から所定の条件で精製したもの
・BxPC-3細胞:ヒト膵臓腺癌細胞、株式会社ケーエーシー
・RPMI-1640培地:RPMI-1640(4,500mg/L グルコース)(L-グルタミン、フェノールレッド、HEPES、ピルビン酸ナトリウム含有)、富士フイルム和光純薬株式会社、187-02705
・Human IL-6 Quantikine ELISA Kit:R&D SYSTEMS
【0029】
(実験1:ヒト癌細胞を用いてのIL-6産生量の評価
BxPC-3細胞において、アーティチョーク葉抽出物(シナロピクリンを含有)とエイコサペンタエン酸(EPA)とを添加することによりIL-6産生量が抑制されるかを確認することで、当該評価を行った。
【0030】
(実験方法)
1.細胞の準備
75cm2フラスコ中に、10%のFBSを含むRPMI-1640培地(富士フィルム和光純薬、製品番号187-02705)及びBxPC-3細胞を入れた。当該入れた後、当該培地を新鮮な培地へ交換しながら、60~70%コンフルエントになるまで、5%CO2、37℃の条件で培養した。当該培養後、PBSで洗浄し、「TrypLETM Select Enzyme(1×)、no phenol red (Gibco、製品番号:12563011)」を用いて、当該フラスコからBxPC-3細胞を剥がし、継代操作を行った。
【0031】
当該継代操作後のBxPC-3細胞を24穴細胞培養プレート(10%のFBSを含むRPMI-1640培地が含有)へ1×106cells/wellになるように播種した。当該培地を新鮮な培地へ交換しながら、100%コンフルエントになるまで、当該プレートで培養した。この培養後、当該プレートの培地を1%のFBSを含むRPMI-1640培地へ交換した。この交換後、5%CO2、37℃の条件で24時間培養を行った。
【0032】
2.細胞への試料の添加
当該24時間培養後、培地を表1に示す培地(培養条件)に置換して、5%CO2、37℃の条件で48時間培養した。
【0033】
3.IL-6の産生量の測定
当該48時間の培養後、当該培養後の培養液の上清を回収した。当該上清の中のIL-6の量を、Human IL-6 Quantikine ELISA Kitを用いて評価した。なお、測定においては、表1に示す5つの実験群(コントロール群、群1から群4)のサンプルをそれぞれ3つ(n=3)作製して、IL-6の産生量の測定を行った。測定結果(IL-6の産生量(pg/ml))を表1に示す。
【0034】
表1に示すように、コントロール群と比べて、群2及び群4では、有意に(Turkey検定にてp<0.01)IL-6の産生量が少なかった。また、表1で示すように、群1と比べて、群2では、有意に(Turkey検定にてp<0.05)IL-6の産生量が少なかった。
【0035】
【0036】
[実験2:内臓脂肪低減の評価]
実験動物(マウス)を用いて、シナロピクリンを含有する経口組成物についての内臓脂肪低減作用の評価(実験)を行った。この実験2で用いた試料は以下である。
・アーティチョーク葉抽出物:上述の製造例1により作製したアーティチョークの葉熱水抽出物から所定の条件で精製したもの
・デキストリン:松谷化学工業株式会社、マルトデキストリン(パインデックス#1)
【0037】
以下実験方法を記載する。まず、5週齢の雄のKKAyマウス(日本クレア株式会社)40匹を入手した。当該入手したマウスを1週間の通常飼育(通常の餌及び水を自由に与える飼育)を行った。
【0038】
当該1週間の通常飼育をした後、1群10匹として以下4つの実験群を設定し、この設定による飼育(通常の餌及び下記群になるような水を自由に与える飼育)を6週間(42日間)行った。
【0039】
・群1:飲水により、デキストリンを当該マウスへ500mg/kg/day与えた群。
・群2:飲水により、デキストリンを当該マウスへ500mg/kg/day与えた群。この群2では、群1と異なり、トレッドミル(夏目製作所、KN-73トレッド・ミル)を用いた運動を行った。当該運動は、トレッドミルを用いて45分/1日、15m/1分の速度において週5日間、6週間実施した。
・群3:飲水より、製造例1により作製したアーティチョークの葉熱水抽出物を当該マウスへ500mg/kg/day与えた群。すなわち、飲水により、シナロピクリンを5.3545mg/kg/day与えた群。マウスへシナロピクリンを5.3545mg/kg/day与えることは、当該マウスにおけるヒト等価用量(HED)12.3を基に、ヒト成人への投与量に換算した場合、ヒト成人へシナロピクリンを0.4353mg/kg/day与えることである。
・群4:飲水より、製造例1により作製したアーティチョークの葉熱水抽出物を当該マウスへ500mg/kg/day与えた群。すなわち、飲水により、シナロピクリンを5.3545mg/kg/day与えた群。マウスへシナロピクリンを5.3545mg/kg/day与えることは、当該マウスにおけるヒト等価用量(HED)12.3を基に、ヒト成人への投与量に換算した場合、ヒト成人へシナロピクリンを0.4353mg/kg/day与えることである。この群4では、群3と異なり、トレッドミル (夏目製作所、KN-73トレッド・ミル)を用いた運動を行った。当該運動は、トレッドミルを用いて45分/1日、15m/1分の速度において週5日間、6週間実施した。
【0040】
なお、トレッドミルを用いた運動は、論文(Journal of Nutritional Science and Vitaminology、2017 年 63 巻 5 号 p.339-348)に記載の方法に基づいて行った。
【0041】
当該6週間の飼育後、マウスの体重を測定し麻酔下にて各群のマウスから精巣上体脂肪を摘出した。当該摘出した精巣上体脂肪の湿重量を測定した。測定結果を以下表2に示す。表2の測定結果は、各群のサンプル(10匹)の平均値を算出した結果である。群4の値(mg)は、群1の値(mg)と比べ、Tukey検定にてp<0.05、であった。群4の値(mg)は、群3の値(mg)と比べ、Tukey検定にてp<0.01、であった。
【0042】
【0043】
以上、本発明の実施の形態(実施例も含め)について、図面を参照して説明してきたが、本発明の具体的構成は、これに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計変更等があっても、本発明に含まれるものである。