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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064950
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H05K3/46 E
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066583
(22)【出願日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0140031
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.Ajinomoto Build-up Film
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 仁建
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316CC02
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC39
5E316DD02
5E316DD25
5E316DD33
5E316EE08
5E316FF03
5E316FF07
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG23
5E316GG28
5E316HH31
(57)【要約】
【課題】アンダーカット及び/またはデラミネーションを効果的に抑制することができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本開示は、非感光性絶縁物質を含む第1絶縁層、上記第1絶縁層に埋め込まれ、上面が上記第1絶縁層の上面から露出し、第1金属層及び上記第1金属層よりも薄い厚さで上記第1金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層を含む第1配線層、及び上記第1絶縁層の下面上に配置され、上記第1配線層の下面の少なくとも一部を覆い、非感光性絶縁物質を含む第2絶縁層を含む、プリント回路基板に関するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非感光性絶縁物質を含む第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に埋め込まれ、上面が前記第1絶縁層の上面から露出し、第1金属層と前記第1金属層より薄い厚さで前記第1金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層を含む第1配線層と、
前記第1絶縁層の下面上に配置され、前記第1配線層の下面の少なくとも一部を覆い、非感光性絶縁物質を含む第2絶縁層と、を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、互いに境界が区分される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、それぞれABF(Ajinomoto Build-up Film)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第2絶縁層の下側に埋め込まれた第2配線層と、
前記第2絶縁層を貫通するビアホールに配置され、前記第1配線層及び前記第2配線層を電気的に連結し、前記ビアホールの壁面と前記第2配線層の前記ビアホールを介して露出する上面上に延びる前記第2金属層及び前記ビアホール内に延びる前記第1金属層を含むビアと、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層の上面上に配置され、前記第1配線層の露出した上面の少なくとも一部を覆い、非感光性絶縁物質を含む第3絶縁層と、をさらに含む、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第2絶縁層の下面上に配置され、非感光性絶縁物質を含む第3絶縁層と、
前記第3絶縁層に埋め込まれ、上面が前記第3絶縁層の上面から露出し、第3金属層及び前記第3金属層よりも薄い厚さで前記第3金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第4金属層を含む第2配線層と、
前記第2絶縁層を貫通する第1ビアホールに配置され、前記第1配線層及び前記第2配線層を電気的に連結し、前記第1ビアホールの壁面と前記第2配線層の前記第1ビアホールを介して露出する上面上に延びる前記第1金属層及び前記第1ビアホール内に延びる前記第2金属層を含む第1ビアと、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1絶縁層の上面上に配置され、前記第1配線層の露出した上面の少なくとも一部を覆い、非感光性絶縁物質を含む第4絶縁層と、
前記第4絶縁層の上面上に配置され、非感光性絶縁物質を含む第5絶縁層と、
前記第5絶縁層に埋め込まれ、上面が前記第5絶縁層の上面から露出し、第5金属層及び前記第5金属層よりも薄い厚さで前記第5金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第6金属層を含む第3配線層と、
前記第4絶縁層を貫通する第2ビアホールに配置され、前記第1配線層及び前記第3配線層を電気的に連結し、前記第2ビアホールの壁面と前記第1配線層の前記第2ビアホールを介して露出する上面上に延びる前記第5金属層及び前記第2ビアホール内に延びる前記第6金属層を含む第2ビアと、をさらに含む、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1配線層の上面は、前記第1絶縁層の上面より下側にリセスされ、
前記第1配線層の上面は、前記第1絶縁層の上面と段差を有する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1配線層は、上面の少なくとも一部が前記第1絶縁層の上面より上側に膨らんだ、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1配線層は、前記第1絶縁層の上面の少なくとも一部を覆う、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1配線層の上面は、前記第1絶縁層の上面と実質的に共面である、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
非感光性絶縁物質を含む絶縁層と、
前記絶縁層の上側に埋め込まれ、上面が前記絶縁層の上面から露出し、第1金属層と前記第1金属層より薄い厚さで前記第1金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層を含む第1配線層と、を含み、
前記第1配線層は、側面が実質的に垂直である、プリント回路基板。
【請求項13】
前記絶縁層の下側に埋め込まれ、下面が前記絶縁層の下面から露出する第2配線層と、
前記絶縁層を貫通するビアホールに配置され、前記第1配線層及び前記第2配線層を電気的に連結し、前記ビアホールの壁面と前記第2配線層の前記ビアホールを介して露出する上面上に延びる前記第2金属層及び前記ビアホール内に延びる前記第1金属層を含むビアと、をさらに含む、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記絶縁層は、第1絶縁層及び第2絶縁層を含み、
前記第1配線層は前記第1絶縁層に埋め込まれ、上面が前記第1絶縁層の上面から露出し、
前記第2配線層は前記第2絶縁層に埋め込まれ、下面が前記第2絶縁層の下面から露出する、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記絶縁層は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の間に配置される第3絶縁層をさらに含み、
前記ビアホールは、前記第3絶縁層を貫通する、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1金属層は電気銅を含み、
前記第2金属層は化学銅を含む、請求項12に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、絶縁材に回路パターンを形成するめっき工程としては、MSAP(Modified Semi-Additive Process)が用いられている。MSAPは、絶縁材上に化学銅をシードとして塗布した後、ドライフィルムを用いて電気銅をめっきして回路を形成する。したがって、回路形成後にドライフィルムの下部の化学銅シードを除去するためのウェットエッチング工程が必要である。但し、このようなウェットエッチング時にアンダーカットが発生する可能性があり、回路線幅が減少する可能性がある。また、回路線幅が減少する場合、回路と絶縁材との間のデラミネーションが発生する可能性があり、その結果、製品の信頼性にも影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、上述のアンダーカット及び/またはデラミネーションを効果的に抑制することができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示を介して提案するいくつかの解決手段の一つは、配線層を形成するためのめっきの前に非感光性の絶縁層を先に形成することで、アンダーカット発生メカニズムを削除することである。例えば、下部絶縁層上にドライフィルムを形成した後、パターニングし、これを覆う上部絶縁層を形成し、ドライフィルムを除去し、ドライフィルムが除去されて形成されたパターニングされた開口にめっきを進めて配線層を形成することができる。
【0005】
したがって、一例によるプリント回路基板は、非感光性絶縁物質を含む第1絶縁層と、上記第1絶縁層に埋め込まれ、上面が上記第1絶縁層の上面から露出し、第1金属層と上記第1金属層より薄い厚さで上記第1金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層を含む第1配線層と、上記第1絶縁層の下面上に配置され、上記第1配線層の下面の少なくとも一部を覆い、非感光性絶縁物質を含む第2絶縁層と、を含むものであることができる。
【0006】
または、一例によるプリント回路基板は、非感光性絶縁物質を含む絶縁層と、上記絶縁層の上側に埋め込まれ、上面が上記絶縁層の上面から露出し、第1金属層及び上記第1金属層よりも薄い厚さで上記第1金属層の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層を含む第1配線層と、を含み、上記第1配線層は側面が実質的に垂直であることもできる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の様々な効果の一つとして、上述したアンダーカット及び/またはデラミネーションを効果的に抑制することができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
図4図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図5図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図6】プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
図7図6のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図8図6のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図9】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図10図9のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図11図9のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
図12】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図13】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
図14】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0017】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されないこともできる他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0019】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【0020】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板100Aは、第1絶縁層111、第1絶縁層111に埋め込まれ、上面が第1絶縁層111の上面から露出する第1配線層121、第1絶縁層111の下面上に配置され、第1配線層121の下面の少なくとも一部を覆う第2絶縁層112、第2絶縁層112の下側に埋め込まれた第2配線層122、第2絶縁層112を貫通するビアホールVに配置され、第1及び第2配線層121、122を電気的に連結するビア131、及び第1絶縁層111の上面上に配置され、第1配線層121の露出した上面の少なくとも一部を覆う第3絶縁層113を含む。
【0021】
第1配線層121は、第1金属層M1及び第1金属層M1よりも薄い厚さで第1金属層M1の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層M2を含むことができる。第2金属層M2は、第1金属層M1の形成のためのシード層であることができる。ビア131は、ビアホールVの壁面と第2配線層122のビアホールVを介して露出する上面上に延びる第2金属層M2とビアホールV内に延びる第1金属層M1を含むことができる。後述する工程から分かるように、第2金属層M2のこのような配置は、シード層除去のためのフラッシュエッチング工程を省略することができるため、第1配線層121にアンダーカットが発生することと第1配線層121の線幅が減少することを効果的に抑制することができる。
【0022】
第1絶縁層111、第2絶縁層112、及び/または第3絶縁層113はそれぞれ非感光性絶縁物質を含むことができる。例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)などを含むことができる。特に、第1絶縁層111が非感光性絶縁物質を含む場合、後述する工程から分かるように、第1配線層121を形成するためのパターン化された開口をパターニングされたドライフィルムを用いて形成することができ、これにより、第1絶縁層111の形成後にめっきで第1配線層121を形成することができるため、第1配線層121にアンダーカットが発生するメカニズムを最初から除去することができる。また、第2絶縁層112が非感光性絶縁物質を含む場合、レーザ加工などでビアホールVを形成する際に、ビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面の一部が下側にリセスされることができ、断面上でリセスされた上面はラウンド状を有することができる。このようなアンカー状の構造により、ビア131の信頼性をより向上させることができる。
【0023】
第1配線層121の上面は、第1絶縁層111の上面より下側にリセスされることができる。例えば、第1配線層121の上面は、第1絶縁層111の上面と段差を有することができる。このようなリセスされた空間は、第3絶縁層113で埋められることができる。このような実質的に一定の段差を介してめっき厚さのばらつきを効果的に制御することができ、またディンプルが発生することを効果的に防止することができる。
【0024】
第1配線層121の側面は実質的に垂直であることができる。後述する工程から分かるように、ドライフィルムが除去されて形成されたパターニングされた開口及びこれをめっきで埋めて形成される第1配線層121は、実質的に垂直な側面を有することができる。この場合、第1配線層121のパターン間の間隔が設計値に合わせてより一定であることができる。したがって、より効果的に微細パターンを形成することができる。また、微細パターン間にショートが発生することをより効果的に制御することができる。
【0025】
以下では、図面を参照して一例によるプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0026】
第1~第3絶縁層111、112、113はそれぞれ非感光性絶縁物質を含むことができる。非感光性絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やポリイミドなどの熱可塑性樹脂などの絶縁樹脂、またはこれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、または無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。第1~第3絶縁層111、112、113は、互いに同じタイプの材料を含むことができ、この場合にも積層工程の過程で互いに境界が区分されることができる。
【0027】
第1配線層121は金属物質を含むことができる。例えば、第1配線層121は、第1及び第2金属層M1、M2を含むことができる。第1及び第2金属層M1、M2はそれぞれ銅Cuを含むことができる。より具体的には、第1金属層M1は電気銅を含むことができ、第2金属層M2は化学銅を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、第1及び第2金属層M1、M2は銅(Cu)以外にも他の金属物質、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、チタン(Ti)などを含むこともできる。第1配線層121は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれトレース(Trace)、プレーン(Plane)、及び/またはパッド(Pad)を含むことができる。トレースは、ライン/スペースが2μm/2μm以下の微細パターンであることができる。
【0028】
第2配線層122は金属物質を含むことができる。例えば、第2配線層122は銅(Cu)を含むことができる。例えば、第2配線層122は、電気銅を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、銅(Cu)以外にも他の金属物質、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、チタン(Ti)などを含むこともできる。第2配線層122は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などを含むことができる。これらのパターンはそれぞれトレース、プレーン、及び/またはパッドを含むことができる。トレースは、ライン/スペースが2μm/2μm以下の微細パターンであることができる。
【0029】
ビアホールVは、第2絶縁層112を貫通することができる。ここで、貫通はパッドまでの貫通を意味することができる。ビアホールVは、最上側での直径が最下側での直径より大きいことができる。例えば、ビアホールVは断面上でテーパー形状を有することができる。ビア131は、金属物質を含むことができる。例えば、ビア131は、第1及び第2金属層M1、M2を含むことができる。ビア131は、ビアホールVを埋めることができる。ビア131は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号連結のためのビア、グランド連結のためのビア、パワー連結のためのビアなどを含むことができる。ビア131の数は特に限定されず、複数個であることができる。
【0030】
図4及び図5は、図3のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【0031】
まず、第2配線層122が下側に埋め込まれた第2絶縁層112にビアホールVを形成する。第2絶縁層112は非感光性絶縁物質を含むことができるため、ビアホールVはレーザ加工で形成することができる。レーザ加工後にデスミア及びソフトエッチングを進行する場合、ビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面の少なくとも一部は下側にリセスされることができる。
【0032】
次に、第2絶縁層112の上面上にドライフィルム210を形成した後、露光及び現像してパターニングする。ドライフィルム210は、感光性フィルムを積層した後、乾燥して形成することができる。パターニングされたドライフィルム210は、トレース、プレーン、パッドなどのための様々な形態のパターンを有することができる。
【0033】
次に、第2絶縁層112の上面上にパターニングされたドライフィルム210を埋め込む第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、フィルムタイプの非感光性絶縁物質を積層した後、乾燥して形成することができる。
【0034】
次に、パターニングされたドライフィルム210が露出するように第1絶縁層111の厚さを減少させる。例えば、シンニング(Thinning)工程により、第1絶縁層111の厚さがパターニングされたドライフィルム210の厚さより薄くなるようにすることができる。または、図面とは異なってCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程で第1絶縁層111の厚さがパターニングされたドライフィルム210の厚さと実質的に同様にすることもできる。一方、シンニングまたはCMP工程後には、第1絶縁層111の上面に粗さが形成されることができるため、第2金属層M2、第3絶縁層113などとの密着力が改善されることができる。
【0035】
次に、剥離液を用いるウェット工程などでパターニングされたドライフィルム210を剥離する。パターニングされたドライフィルム210を剥離すると、パターニングされた開口Oが形成されることができる。パターニングされた開口Oは様々な形態のパターンを含むことができる。
【0036】
次に、化学銅めっきで第1絶縁層111の上面とパターニングされた開口Oの壁面及び底面とビアホールVの壁面とビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面に第2金属層M2を形成する。このように、第1絶縁層111を形成した後にシード層である第2金属層M2を形成するため、アンダーカットや回路線幅を減少させるシードウェットエッチング工程を省略することができる。
【0037】
次に、電気銅めっきでパターニングされた開口O及びビアホールVを埋める第1金属層M1を形成する。第1金属層M1は、第1絶縁層111以上の厚さで形成されることができるため、第1絶縁層111の上面上に突出することができる。
【0038】
次に、フラッシュエッチングにより、第1絶縁層111の上面上の第1及び第2金属層M1、M2を除去する。その結果、第1配線層121が形成されることができ、第1配線層121の上面は第1絶縁層111の上面より下側にリセスされることができる。例えば、第1配線層121の上面は、第1絶縁層111の上面と段差を有することができる。第1金属層M1の上面は、実質的に平らであることができる。したがって、めっき厚さのばらつきが少なくなり、ディンプルを防止することができる。
【0039】
次に、第1絶縁層111の上面上に第1配線層121の露出した上面を覆う第3絶縁層113を形成する。第3絶縁層113は、フィルムタイプの非感光性絶縁物質を積層した後、乾燥して形成することができる。
【0040】
一連の過程を介して上述した一例によるプリント回路基板100Aが製造されることができ、その他の内容は、上述したものと実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0041】
図6は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
【0042】
図面を参照すると、他の一例によるプリント回路基板100Bは、上述した一例によるプリント回路基板100Aと比較して、第1配線層121の上面の少なくとも一部が第1絶縁層111の上面より上側に膨らんで、第1配線層121は、第1絶縁層111の上面の少なくとも一部を覆うことができる。この場合、ディンプルをさらに効果的に防止することができ、第1配線層121の信頼性をより高めることができる。その他の内容は、上述と実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0043】
図7及び図8は、図6のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【0044】
まず、第2配線層122が下側に埋め込まれた第2絶縁層112を用意する。
【0045】
次に、第2絶縁層112の上面上にドライフィルム210を形成した後、露光及び現像してパターニングする。ドライフィルム210は、感光性フィルムを積層した後、乾燥して形成することができる。パターニングされたドライフィルム210は、トレース、プレーン、パッドなどのための様々な形態のパターンを有することができる。
【0046】
次に、第2絶縁層112の上面上にパターニングされたドライフィルム210を埋め込む第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、フィルムタイプの非感光性絶縁物質を積層した後、乾燥して形成することができる。
【0047】
次に、パターニングされたドライフィルム210が露出するように第1絶縁層111の厚さを減少させる。例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)工程により、第1絶縁層111の厚さがパターニングされたドライフィルム210の厚さと実質的に同様にすることができる。一方、CMP工程後には、第1絶縁層111の上面に粗さが形成されることができるため、第2金属層M2、第3絶縁層113などとの密着力が改善されることができる。
【0048】
次に、剥離液を用いるウェット工程などでパターニングされたドライフィルム210を剥離する。パターニングされたドライフィルム210を剥離すると、パターニングされた開口Oが形成されることができる。パターニングされた開口Oは様々な形態のパターンを含むことができる。剥離後に第2絶縁層112にビアホールVを形成する。第2絶縁層112は非感光性絶縁物質を含むことができるため、ビアホールVはレーザ加工で形成することができる。レーザ加工後にデスミアとソフトエッチングを進行する場合、ビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面の少なくとも一部は下側にリセスされることができる。
【0049】
次に、化学銅めっきで第1絶縁層111の上面とパターニングされた開口Oの壁面及び底面とビアホールVの壁面とビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面に第2金属層M2を形成する。このように、第1絶縁層111を形成した後にシード層である第2金属層M2を形成するため、アンダーカットや回路線幅を減少させるシードウェットエッチング工程を省略することができる。
【0050】
次に、電気銅めっきでパターニングされた開口OとビアホールVを埋める第1金属層M1を形成する。第1金属層M1は、第1絶縁層111以上の厚さで形成されることができるため、第1絶縁層111の上面上に突出することができる。特に、他の一例では、上述した一例よりも第1金属層M1をより厚く形成することができる。
【0051】
次に、フラッシュエッチングにより、第1絶縁層111の上面上の第1及び第2金属層M1、M2を除去する。その結果、第1配線層121が形成されることができ、上述したように第1金属層M1を厚く形成したため、フラッシュエッチング後の第1配線層121の上面は少なくとも一部が第1絶縁層111の上面より上側に膨らむ場合がある。また、第1配線層121は、第1絶縁層111の上面の少なくとも一部を覆うことができる。したがって、ディンプルをさらに確実に防止することができ、第1配線層121の信頼性をさらに改善することができる。
【0052】
次に、第1絶縁層111の上面上に第1配線層121の露出した上面を覆う第3絶縁層113を形成する。第3絶縁層113は、フィルムタイプの非感光性絶縁物質を積層した後、乾燥して形成することができる。
【0053】
一連の過程を介して上述した他の一例によるプリント回路基板100Bが製造されることができ、その他の内容は上述したものと実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0054】
図9は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
【0055】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板100Cは、上述した一例によるプリント回路基板100Aと比較して、第1配線層121の上面が第1絶縁層111の上面と実質的に共面である。この場合、めっき厚さのばらつきをさらに効果的に減少させることができる。また、第1絶縁層111の上面に表面粗さを形成して第3絶縁層113との密着力をさらに改善することができる。その他の内容は、上述と実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0056】
図10及び図11は、図9のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【0057】
まず、第2配線層122が下側に埋め込まれた第2絶縁層112にビアホールVを形成する。第2絶縁層112は非感光性絶縁物質を含むことができるため、ビアホールVはレーザ加工で形成することができる。レーザ加工後にデスミア及びソフトエッチングを進行する場合、ビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面の少なくとも一部は下側にリセスされることができる。
【0058】
次に、第2絶縁層112の上面上にドライフィルム210を形成した後、露光及び現像してパターニングする。ドライフィルム210は、感光性フィルムを積層した後、乾燥して形成することができる。パターニングされたドライフィルム210は、トレース、プレーン、パッドなどのための様々な形態のパターンを有することができる。
【0059】
次に、第2絶縁層112の上面上にパターニングされたドライフィルム210を埋め込む第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、フィルムタイプの非感光性絶縁物質を積層した後、乾燥して形成することができる。
【0060】
次に、パターニングされたドライフィルム210が露出するように第1絶縁層111の厚さを減少させる。例えば、シンニング(Thinning)工程により、第1絶縁層111の厚さがパターニングされたドライフィルム210の厚さより薄くなるようにすることができる。一方、シンニング工程後には、第1絶縁層111の上面に粗さが形成されることができるため、第2金属層M2、第3絶縁層113などとの密着力が改善されることができる。
【0061】
次に、剥離液を用いるウェット工程などでパターニングされたドライフィルム210を剥離する。パターニングされたドライフィルム210を剥離すると、パターニングされた開口Oが形成されることができる。パターニングされた開口Oは、様々な形態のパターンを含むことができる。
【0062】
次に、化学銅めっきで第1絶縁層111の上面とパターニングされた開口Oの壁面及び底面とビアホールVの壁面とビアホールVを介して露出する第2配線層122の上面に第2金属層M2を形成する。このように、第1絶縁層111を形成した後にシード層である第2金属層M2を形成するため、アンダーカットや回路線幅を減少させるシードウェットエッチング工程を省略することができる。
【0063】
次に、電気銅めっきでパターニングされた開口OとビアホールVを埋める第1金属層M1を形成する。第1金属層M1は、第1絶縁層111以上の厚さで形成されることができるため、第1絶縁層111の上面上に突出することができる。
【0064】
次に、CMP工程で第1絶縁層111の上面上の第1及び第2金属層M1、M2を除去する。その結果、第1配線層121が形成されることができ、第1配線層121の上面は第1絶縁層111の上面と実質的に共面であることができる。この場合、めっき厚さのばらつきをさらに効果的に減少させることができる。また、第1絶縁層111の上面に表面粗さを形成して第3絶縁層113との密着力をさらに改善することができる。
【0065】
次に、第1絶縁層111の上面上に第1配線層121の露出した上面を覆う第3絶縁層113を形成する。第3絶縁層113は、フィルムタイプの非感光性絶縁物質を積層した後、乾燥して形成することができる。
【0066】
一連の過程を介して上述したまた他の一例によるプリント回路基板100Cが製造されることができ、その他の内容は、上述したものと実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0067】
図12は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【0068】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板100Dは、第1絶縁層111、第1絶縁層111に埋め込まれ、上面が第1絶縁層111の上面から露出する第1配線層121、第1絶縁層111の下面上に配置されて第1配線層121の下面の少なくとも一部を覆う第2絶縁層112、第2絶縁層112の下面上に配置される第3絶縁層113、第3絶縁層113に埋め込まれ、上面が第3絶縁層113の上面から露出する第2配線層122、第2絶縁層112を貫通する第1ビアホールV1に配置されて第1及び第2配線層121、122を電気的に連結する第1ビア131、第1絶縁層111の上面上に配置されて第1配線層121の露出した上面の少なくとも一部を覆う第4絶縁層114、第4絶縁層114の上面上に配置される第5絶縁層115、第5絶縁層115に埋め込まれ、上面が第5絶縁層115の上面から露出する第3配線層123、及び第4絶縁層114を貫通する第2ビアホールV2に配置されて第1及び第3配線層121、123を電気的に連結する第2ビア132を含む。
【0069】
第1配線層121は、第1金属層M1及び第1金属層M1よりも薄い厚さで第1金属層M1の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2金属層M2を含むことができる。第2金属層M2は、第1金属層M1を形成するためのシード層であることができる。第1ビア131は、第1ビアホールV1の壁面と第1ビアホールV1を介して露出する第2配線層122の上面上に延びる第2金属層M2及び第1ビアホールV1内に延びる第1金属層M1を含むことができる。第2金属層M2のこのような配置は、シード層除去のためのフラッシュエッチング工程を省略することができるため、第1配線層121にアンダーカットが発生することと第1配線層121の線幅が減少することを効果的に抑制することができる。
【0070】
第2配線層122は、第3金属層M3及び第3金属層M3よりも薄い厚さで第3金属層M3の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第4金属層M4を含むことができる。第4金属層M4は、第3金属層M3を形成するためのシード層であることができる。第4金属層M4のこのような配置は、シード層除去のためのフラッシュエッチング工程を省略することができるため、第2配線層122にアンダーカットが発生すること及び第2配線層122の線幅が減少することを効果的に抑制することができる。
【0071】
第3配線層123は、第5金属層M5及び第5金属層M5よりも薄い厚さで第5金属層M5の下面及び側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う第6金属層M6を含むことができる。第6金属層M6は、第5金属層M5を形成するためのシード層であることができる。第2ビア132は、第2ビアホールV2の壁面と第2ビアホールV2を介して露出する第1配線層121の上面上に延びる第6金属層M6及び第2ビアホールV2内に延びる第5金属層M5を含むことができる。第6金属層M6のこのような配置は、シード層除去のためのフラッシュエッチング工程を省略することができるため、第3配線層123にアンダーカットが発生すること及び第3配線層123の線幅が減少することを効果的に抑制することができる。
【0072】
第1絶縁層111、第2絶縁層112、第3絶縁層113、第4絶縁層114、及び/または第5絶縁層115は、それぞれ非感光性絶縁物質を含むことができる。例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)などを含むことができる。特に、第1絶縁層111、第3絶縁層113、及び第5絶縁層115が非感光性絶縁物質を含む場合、第1配線層121、第2配線層122、及び第3配線層123の形成のためのパターニングされた開口をパターニングされたドライフィルムを用いて形成することができ、これによって絶縁層111、113、115の形成後にめっきで配線層121、122、123を形成することができるため、配線層121、122、123にアンダーカットが発生するメカニズムを最初から除去することができる。また、第2絶縁層112及び第4絶縁層114が非感光性絶縁物質を含む場合、レーザ加工などによって第1及び第2ビアホールV1、V2を形成する際に、第1ビアホールV1及び第2ビアホールV2を介してそれぞれ露出する第2配線層122及び第1配線層121のそれぞれの上面の一部が下側にリセスされることができ、断面上でこのようにリセスされた上面はラウンド状を有することができる。このようなアンカー状の構造により、第1及び第2ビア131、132の信頼性をより向上させることができる。
【0073】
第1配線層121、第2配線層122、及び第3配線層123のそれぞれの上面は、第1絶縁層111、第3絶縁層113、及び第5絶縁層115のそれぞれの上面より下側にリセスされることができる。例えば、第1配線層121、第2配線層122、及び第3配線層123のそれぞれの上面は、第1絶縁層111、第3絶縁層113、及び第5絶縁層115のそれぞれの上面と段差を有することができる。第2配線層122及び第1配線層121のそれぞれの上面に形成されたリセスされた空間は、第2絶縁層112及び第4絶縁層114でそれぞれ埋められることができる。このような実質的に一定の段差を介してめっき厚さのばらつきを効果的に制御することができ、またディンプルが発生することを効果的に防止することができる。
【0074】
第1配線層121、第2配線層122、第3配線層123のそれぞれの側面は実質的に垂直であることができる。例えば、ドライフィルムが除去されて形成されたパターニングされた開口及びこれをめっきで埋めて形成される第1配線層121、第2配線層122、第3配線層123のそれぞれは、実質的に垂直な側面を有することができる。この場合、第1配線層121、第2配線層122、第3配線層123のそれぞれのパターン間の間隔が設計値に合わせてより一定であることができる。したがって、より効果的に微細パターンを形成することができる。また、微細パターン間にショートが発生することをより効果的に制御することができる。
【0075】
以下では、図面を参照してまた他の一例によるプリント回路基板100Dの構成要素についてより詳細に説明する。
【0076】
第1~第5絶縁層111、112、113、114、115はそれぞれ非感光性絶縁物質を含むことができる。非感光性絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やポリイミドなどの熱可塑性樹脂などの絶縁樹脂、またはこれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、または無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。第1~第5絶縁層111、112、113、114、115は、互いに同じタイプの材料を含むことができ、この場合にも積層工程の過程で互いに境界が区分されることができる。
【0077】
第1~第3配線層121、122、123はそれぞれ金属物質を含むことができる。例えば、第1配線層121は、第1及び第2金属層M1、M2を含むことができる。第2配線層122は、第3及び第4金属層M3、M4を含むことができる。第3配線層123は、第5及び第6金属層M5、M6を含むことができる。第1~第6金属層M1、M2、M3、M4、M5、M6はそれぞれ銅(Cu)を含むことができる。より具体的には、第1、第3、第5金属層M1、M3、M5はそれぞれ電気銅を含むことができ、第2、第4、第6金属層M2、M4、M6はそれぞれ化学銅を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、第1~第6金属層M1、M2、M3、M4、M5、M6はそれぞれ銅(Cu)以外にも他の金属物質、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、チタン(Ti)などを含むこともできる。第1~第3配線層121、122、123は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれトレース(Trace)、プレーン(Plane)、及び/またはパッド(Pad)を含むことができる。トレースは、ライン/スペースが2μm/2μm以下の微細パターンであることができる。
【0078】
第1及び第2ビアホールV1、V2はそれぞれ第2及び第4絶縁層112、114を貫通することができる。ここで、貫通はパッドまでの貫通を意味することができる。第1及び第2ビアホールV1、V2は、それぞれ最上側での直径が最下側での直径より大きいことができる。例えば、第1及び第2ビアホールV1、V2は、それぞれ断面上でテーパー形状を有することができる。第1及び第2ビア131、132はそれぞれ金属物質を含むことができる。例えば、第1ビア131は、第1及び第2金属層M1、M2を含むことができる。第2ビア132は、第5及び第6金属層M5、M6を含むことができる。第1及び第2ビア131、132は、それぞれ第1及び第2ビアホールV1、V2を埋めることができる。第1及び第2ビア131、132はそれぞれの設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号連結のためのビア、グランド連結のためのビア、パワー連結のためのビアなどを含むことができる。第1及び第2ビア131、132の数は特に限定されず、複数個であることができる。
【0079】
なお、また他の一例によるプリント回路基板100Dの製造一例は、上述した一例によるプリント回路基板100Aの製造一例で説明した内容に準じることができ、これに対する詳細な説明は省略する。
【0080】
図13は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【0081】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板100Eは、上述したまた他の一例によるプリント回路基板100Dと比較して、第1~第3配線層121、122、123のそれぞれの上面の少なくとも一部がそれぞれ第1、第3、第5絶縁層111、113、115のそれぞれの上面より上側に膨らんで、第1~第3配線層121、122、123のそれぞれは第1、第3、第5絶縁層111、113、115のそれぞれの上面の少なくとも一部を覆うことができる。この場合、ディンプルをさらに効果的に防止することができ、第1~第3配線層121、122、123の信頼性をより高めることができる。その他の内容は、上述と実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0082】
なお、また他の一例によるプリント回路基板100Eの製造一例は、上述した他の一例によるプリント回路基板100Bの製造一例で説明した内容に準じることができ、これに対する詳細な説明は省略する。
【0083】
図14は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【0084】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板100Fは、上述したまた他の一例によるプリント回路基板100Dと比較して、第1~第3配線層121、122、123のそれぞれの上面が第1、第3、第5絶縁層111、113、115のそれぞれの上面と実質的に共面である。この場合、めっき厚さのばらつきをさらに効果的に減少させることができる。また、第1、第3、第5絶縁層111、113、115のそれぞれの上面に表面粗さを形成して第2、第4絶縁層112、114などとの密着力をさらに改善することができる。その他の内容は上述と実質的に同一であるため、これに対する詳細な説明は省略する。
【0085】
なお、他の一例によるプリント回路基板100Fの製造一例は、上述したまた他の一例によるプリント回路基板100Cの製造一例で説明した内容に準じることができ、これに対する詳細な説明は省略する。
【0086】
一方、上述したプリント回路基板100A、100B、100C、100D、100E、100Fは、マルチダイ間のインターコネクションのための微細回路を含むパッケージ基板や、インターポーザ基板、またはブリッジ基板などに用いられることができ、これに限定されるものでもない。
【0087】
本開示において、実質的という意味は、工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に平らであるとは、完全に平らな場合のみならず、工程誤差によって大略的に発生する微細な差異が存在する場合も含むものであることができる。また、実質的に共面であるとは、完全に共面である場合のみならず、工程誤差によって大略的に発生する微細な差異が存在する場合も含むものであることができる。また、実質的に垂直であるとは、完全に垂直である場合のみならず、工程誤差によって大略的に発生する微細な差異が存在する場合も含むものであることができる。
【0088】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、間接的に連結された場合も含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、該当構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0089】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0090】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0091】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
100A、100B、100C、100D、100E、100F プリント回路基板
111、112、113、114、115 絶縁層
121、122、123 配線層
131、132 ビア
V、V1、V2 ビアホール
M1、M2、M3、M4、M5、M6 金属層
O 開口
210 ドライフィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14