(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064999
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】筋肉、皮膚、又は脳に基づく認証及び識別
(51)【国際特許分類】
A61B 5/117 20160101AFI20240507BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240507BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20240507BHJP
A61B 5/389 20210101ALI20240507BHJP
A61B 5/369 20210101ALI20240507BHJP
G06V 40/18 20220101ALI20240507BHJP
【FI】
A61B5/117 200
A61B5/00 A
A61B5/256 120
A61B5/256 110
A61B5/389
A61B5/369
G06V40/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】41
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023135128
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】63/420,335
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/118,833
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523320423
【氏名又は名称】リニア ディメンションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド,シー
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
4C127
5B043
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA07
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5B043GA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザから固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスを提供する。
【解決手段】デバイスは、ユーザの筋肉、皮膚、又は脳の活動のうちの1つに応答する電気信号を生成するセンサを有する。スペクトル変換機構が、電気信号をスペクトル画像に変換する。機械学習デバイスが、スペクトル画像を、ユーザに関連付けられた認識ベクトルに変換する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスであって、
前記ユーザの筋肉、皮膚、又は脳の活動のうちの1つに応答する電気信号を生成するセンサと、
前記電気信号をスペクトル画像に変換するスペクトル変換機構と、
前記スペクトル画像を、前記ユーザに関連付けられた認識ベクトルに変換する機械学習デバイスと、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記センサは、容量センサ、接触センサ、場強度センサ、磁気センサ、レーダーセンサ、超音波CMUTセンサ、音響MEMセンサ、圧電センサ、銀-塩化銀センサ、皮膚インピーダンスセンサなどのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記センサは、眼の筋肉、眼電図関連筋肉、顎の筋肉、口の筋肉、脳の活動、脳からの脳電図(EEG)信号、顔の筋肉、額の筋肉、耳周辺の筋肉、首の筋肉、心筋、腕の筋肉、手の筋肉、指の筋肉、腹部の筋肉、鼠径部の筋肉、脚の筋肉、足首の筋肉、足の筋肉、足指の筋肉、電気皮膚反応などのうちの少なくとも1つをモニタリングする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、アイウェアに結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記アイウェアは、眼鏡、AR/VRヘッドセット、ゴーグル、アイマスクなどのうちの1つである、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、ヘッドホンデバイスに結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、1点の衣類に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、ヘッドウェアに結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、口腔器具に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは、1点の装身具に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスは、CPAPマスク又はCPAPチューブのうちの1つに結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、座席に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスに電力供給するバッテリを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記スペクトル変換機構は、ウェーブレット画像である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記スペクトル変換機構は、fftベースの時間周波数分析である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記機械学習デバイスは、畳み込みニューラルネットワークである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記機械学習デバイスは、完全接続ネットワークである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ユーザに関連付けられた認識ベクトルを記憶するデータベースを更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
現在抽出されている認識ベクトルを、前記データベースに記憶されている認識ベクトルと比較して、前記ユーザを認証又は識別する比較デバイスを備える、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
人物又は動物から固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスであって、
少なくとも1つのセンサであって、前記少なくとも1つのセンサは、ユーザに結合された光学センサ、超音波センサ、又は音響センサのうちの1つであり、前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザに結合された光学入力、超音波入力、又は音響入力から抽出された光学活動、超音波活動、又は音響活動の変動に応答する電気信号を提供する、少なくとも1つのセンサと、
前記電気信号をスペクトル画像に変換するスペクトル変換機構と、
前記スペクトル画像を、前記ユーザに応答する認識ベクトルに変換する機械学習機構と、を備える、デバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つのセンサは、プレチモグラム又はppg光リターン信号、キートーン変動信号、グルカゲン変動信号、超音波リターン信号、音響リターン信号、又は前記ユーザの眼を監視する画像センサのうちの少なくとも1つに対して応答性である、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記デバイスは、アイウェアに結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項23】
前記デバイスは、ヘッドホンに結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスは、ヘッドウェアに結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスは、1片の装身具に結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項26】
前記デバイスは、1片の衣類に結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項27】
前記デバイスに電力供給するバッテリを備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項28】
前記デバイスは、口腔器具に結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項29】
前記デバイスは、CPAPマスク又はCPAPチューブのうちの1つに結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項30】
前記スペクトル変換機構は、ウェーブレット画像である、請求項20に記載のデバイス。
【請求項31】
前記スペクトル変換機構は、fftベースの時間周波数分析である、請求項20に記載のデバイス。
【請求項32】
前記機械学習機構は、畳み込みニューラルネットワークである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項33】
前記デバイスは、座席に結合されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項34】
前記認識ベクトルは、前記座席の位置を調整するために使用される、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記認識ベクトルは、購入取引点に使用される、請求項33に記載のデバイス。
【請求項36】
ユーザから固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスであって、
前記ユーザの眼を監視する画像センサと、
前記画像センサに結合された機械学習デバイスであって、前記眼の少なくとも1つの動き、瞳孔拡張、振動、瞬きパターン、及び眼の構造を測定し、それらの要素のうちの1つ以上の組み合わせを、前記ユーザに応答する認識ベクトルにまとめる、機械学習デバイスと、を備える、デバイス。
【請求項37】
比較機構であって、それによって、以前に抽出された認識ベクトルのデータベースを現在抽出されている認識ベクトルと比較して前記ユーザを識別する、比較機構を備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記デバイスは、前記センサの出力、前記スペクトル画像、又は前記機械学習デバイスの結果の出力のうちの1つを外部デバイスに通信するように無線デバイスに結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項39】
前記デバイスは、前記画像センサの出力又は前記機械学習デバイスの結果の出力のうちの1つを外部デバイスに通信するように無線デバイスに結合されている、請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記電気信号をスペクトル画像に変換すること、及び前記スペクトル画像を認識ベクトルに変換することは、外部デバイス上で行われる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項41】
前記それらの要素のうちの1つ以上を組み合わせて前記ユーザに応答する認識ベクトルにすることは、外部デバイス上で行われる、請求項36に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許出願は、David Schie名義で「MUSCLE,SKIN OR BRAIN BASED AUTHENTICATION AND IDENTIFICATION」と題された、2022年10月28日出願の米国仮出願第63/420,335号に関連し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本特許出願は、米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。
【0002】
本願は、概して、認証又は識別システムに関し、より具体的には、認識ベクトルを抽出し、これらの認識ベクトルを比較して人物又は動物を識別又は認証することができる、異なるフォームファクタを有する携帯用ウェアラブルデバイスのための認証又は識別デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、(例えば、携帯電話又はラップトップに使用されるような)携帯用デバイスの認証又は識別は、指紋センサ、顔識別(ID)、眼スキャン、又は他のバイオメトリック検知デバイスなどのユーザが作動させるデバイスによって生成される認識ベクトルに基づき得る。これらのタイプのデバイスは、一般に、認証手段を使用するために、センサ上に指を置いたり、センサの前に顔を位置させたり、又は眼のスキャンを提供したりするという、ユーザによる意識的な相互作用を必要とする。
【0004】
多くのデバイスで、ユーザの認証又は識別のための手段が、現在のフォームファクタと両立性がない場合がある。これらのユーザが作動させる形態の認証又は識別が望ましくない可能性がある新世代のデバイスが出現している。例えば、新興の拡張現実/バーチャルリアリティ(AR/VR)ヘッドマウントデバイス、眼鏡、イヤホン、ヘッドセット、口腔器具、スマート装身具、アイマスク、その他は、頭部に装着され、合理的な見晴らし点を達成することができないので、顔IDでは機能しない。これらのデバイスは、手探りでセンサの位置を見つけることが困難であるし、そうするのは不便であるので、指紋センサには都合よくない。それらは、イヤホンなどの特定のケースでは眼にアクセスできないので、網膜スキャンには都合よくない。
【0005】
加えて、ユーザは、ロック解除が発生するが検証されない可能性がある認証を開始する必要があるので、特定のデバイスは継続的に安全ではない。例えば、フォークリフトオペレータは、局所指紋センサを用いて認証し得るが、その後、別のドライバがそのオペレータと交替し得るが、機械はその交替を決して知らない可能性がある。
【0006】
顎及び歯の調整のための口腔器具、又は睡眠時無呼吸のための連続気道陽圧(CPAP)機など、いくつかのウェアラブルフォームファクタでは、デバイスのコンプライアンス又は使用を保証する手段を有することが望ましい。例えば、保険会社は、特定の健康保険の下で機器の支払いをするために、そのようなコンプライアンスを主張する場合がある。現在、温度センサが、コンプライアンスを保証するために使用され得る。これらの温度センサは、温度データログを維持し、結果が、一定期間にわたって変動を有するヒトの予想体温と比較され得る。しかしながら、温度コンプライアンスは、デバイスを使用している人物が、デバイスが意図された人物であるという証拠を提供せず、改ざん及びエラーを被る可能性がある。
【0007】
商業的農業では、大規模な動物の群れが一般的であり得る。動物を識別し、動物の種類から、大きさ、体重、病気、又は他の特性に至るまでの多数の要素によってそれらを分けることが望ましい場合がある。目下のところ、焼き印又はRFタグが使用され得る。例えば、RFタグが、動物の耳に取り付けられ得る。しかしながら、現在、動物への特定のバイオメトリックカップリングは存在せず、したがって、これらのタグは動物間で交換することができ、エラー、詐欺、又は盗難が可能であり得る。
【0008】
生物学的システムでは、赤外線などの光学波長を導入することが一般的であり得る。例えば、赤外線(IR)発光ダイオード(LED)又はレーザーを使用して光を対象の皮膚に結合し、リターン信号の応答又は変動を測定し得る。別の例は、IR波長を結合し、人体の多くの部分からの応答を測定することによるものであり、心拍の異なる位相の間又は後に、より多くの又はより少ない光が下層にある静脈又は動脈によって吸収されるときに、パルス情報(プレチスモグラム又はppg)を提供し得る。
【0009】
これらに限定されないが、フォークリフト、他の建設機器の使用、公共交通機関、第一対応者、又はユーザが機械を制御若しくは運転している他の用途など、自動車使用がモニタリングされる必要があり得る特定の業界では、ユーザが認証を開始することは危険であり得る。同時に、ユーザが機器を使用することを許可された者であることを、連続的又はほぼ連続的に保証することが望ましい場合がある。また、ユーザが、車又は他の車両(購入点)から口頭で商品を購入したり、キー又はフォブなしで機器の起動を開始したり、又はユーザが他の許可されたユーザによって使用された後に機器に入るたびに再調整したりする必要がないように、機器の各ユーザの座席又はハンドルの位置などの設定を覚えさせることを可能にすることも望ましくあり得る。
【0010】
AR/VR用途及び眼鏡用途では、ユーザの眼の動きは固有であり得る。したがって、認識ベクトルを作成するために、i)眼の動き、ii)光刺激に対する眼の焦点応答、iii)眼の構造の詳細、iv)瞬きパターン、その他のうちの1つ以上の場合、眼の動きを利用することが可能である。
【0011】
したがって、上記を克服するデバイス及び方法を提供することが望ましいであろう。デバイス及び方法は、使用されているデバイスの所望のフォームファクタと両立性のある認証又は識別の手段を提供するであろう。
【発明の概要】
【0012】
1つの実施形態によれば、ユーザから固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスが開示される。デバイスは、ユーザの筋肉、皮膚、又は脳の活動のうちの1つに応答する電気信号を生成するセンサを有する。スペクトル変換機構が、電気信号をスペクトル画像に変換する。機械学習デバイスが、スペクトル画像を、ユーザに関連付けられた認識ベクトルに変換する。
【0013】
1つの実施形態によれば、ユーザから固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスが開示される。デバイスは、少なくとも1つのセンサであって、少なくとも1つのセンサは、ユーザに結合された電気センサ(容量性又は接触)、光学センサ、超音波センサ、又は音響センサのうちの1つであり、少なくとも1つのセンサは、ユーザに結合された光入力、超音波入力、又は音響入力から抽出された光活動、超音波活動、又は音響活動の変動に応答する電気信号を生成する、少なくとも1つのセンサを有する。スペクトル変換機構が、電気信号をスペクトル画像に変換する。機械学習機構が、スペクトル画像を、ユーザに応答する認識ベクトルに変換する。
【0014】
1つの実施形態によれば、ユーザから固有の認識ベクトルを抽出するためのデバイスが開示される。デバイスは、ユーザの眼を監視する画像センサを有する。機械学習デバイスが、画像センサに結合されている。機械学習デバイスは、眼の少なくとも1つの動き、瞳孔拡張、振動、瞬きパターン、及び眼の構造を測定し、それらの要素のうちの1つ以上の組み合わせを、ユーザに応答する認識ベクトルにまとめる。
【0015】
本願を、以下の図面に関して更に詳述する。これらの図は、本発明の範囲を制限することを意図せず、むしろ、その特定の属性を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのデバイスを有する例示的な口腔器具の斜視図である。
【
図2】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのデバイスを有する例示的なCPAPマスク及びチューブの斜視図である。
【
図3A-C】本願の1つの態様によるデバイスによって使用され得る例示的な心筋波形の図である。
【
図4A-B】本願の1つの態様によるデバイスによって使用され得る、2人の異なる人物の時間周波数筋肉応答(ウェーブレット)に固有の例示的なスペクトル画像の図である。
【
図5】本願の1つの態様によるデバイスによって使用され得る、識別データベース中の例示的な一群の128バイト認識ベクトルを示す。
【
図6】3dプロットによって示されるように三次元にプロットすることができ、各個人に固有であり、本願の1つの態様によるデバイスによって使用され得る、電磁エネルギーを生成する心筋パケット又はアクチュエータの例示的な成長を示す。
【
図7A-B】本願の1つの態様による、指紋の固有の隆線パターン及び谷線パターンが、筋肉の固有の筋肉パケット放出にいかに類似するかを示す。
【
図8A】本願の1つの態様による、容量性車座席センサからのきれいな心筋入力に従うスペクトル画像を示す。
【
図8B】本願の1つの態様による、測定されている対象が着用している衣服及びセーターによって引き起こされた静電気によるノイズを示す。
【
図9A-E】本願の1つの態様による、異なる眼鏡フォームファクタの例示的な実施形態を示す。
【
図10A-B】本願の1つの態様による、瞬き、瞳孔拡張、及び動きを測定することができることを示す、眼鏡又はAR/VRフォームファクタの内側からの眼の画像センサビューの例示的な実施形態を示す。
【
図11】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのセンサを有するイヤホンの例示的な実施形態を示す。
【
図12】本願の1つの態様による、車座席に座っている対象者から衣服を通して筋肉電気情報を抽出することができる容量センサを使用するデバイスによって可能にされた車座席を示す。
【
図13】本願の1つの態様による、ユーザの眼の近くに配置されたアイウェアに取り付けられた容量センサからの異なる波形応答(EOG)を示す。
【
図14】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのデバイスを有する衣類の例示的な実施形態を示す。
【
図15】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのデバイスを有するヘッドウェアの例示的な実施形態を示す。
【
図16】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのデバイスを有する装身具の例示的な実施形態を示す。
【
図17】本願の1つの態様による、認識ベクトルを抽出するためのデバイスのボック図の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面に関連して以下に示される説明は、開示の現在好ましい実施形態の説明として意図されており、本開示を構築及び/又は利用することができる唯一の形態を表すことを意図していない。説明は、示された実施形態に関連して本開示を構築し動作させるための機能及び一連のステップを示す。しかしながら、同じ又は等価の機能及び順序が、本開示の趣旨及び範囲内に包含されることも意図される異なる実施形態によって達成され得ることを理解されたい。
【0018】
例示的なデバイス及び方法の実施形態は、認識ベクトルを抽出し、これらの認識ベクトルを比較して人物又は動物を識別又は認証することができる、異なるフォームファクタを有する携帯用ウェアラブルデバイスのための認証又は識別デバイスに関する。認証又は識別デバイスは、対象の物理的変化から測定された筋肉又は光学的変動から放射される電磁エネルギーをモニタリング及び記録し得、電磁エネルギーは、次いで、ウェーブレット画像などのスペクトル形式に変換され得、それは次いで、機械学習アルゴリズムによって分析されて、ユーザに応答する認識ベクトルを生成し、その後、認識ベクトルをデータベースに記憶された他のそのようなベクトルと比較してユーザを識別又は認証し得る。認証又は識別デバイスは、改ざん又は詐欺が発生していないことを保証するために、口腔器具及びCPAP機がユーザを認証又は識別することを可能にし得る。認証又は識別デバイスは、耳タグ又は他のバイオメトリックフォームファクタを使用して動物を識別するために使用され得、したがって、タグ上の番号だけに代わり、動物に関連付けられた真のバイオメトリック識別子が存在し得る。認証又は識別デバイスは、以下に説明するように、他の目的に使用され得る。
【0019】
図を参照すると、認証又は識別のためのデバイス10が示され得ている。デバイス10は、固有の認識ベクトルを抽出し、固有の認識ベクトルを比較して人物又は動物を識別又は認証することができ得る。デバイス10は、異なるフォームファクタを有する携帯用ウェアラブルデバイス12に具設され、使用され得る。例えば、
図1は、デバイス10が口腔器具12A内に位置決めされ得ることを示す。デバイス10は、過去に温度センサに使用され得ていた場所に具設され得る。温度センサは、コンプライアンスをモニタリングするために、過去の口腔器具12Aに使用され得る。温度センサは、一般に、温度をモニタリングして、口腔器具12Aが患者によって着用されているときを判定する。同様に、デバイス10は、器具が患者によって着用されているときを判定するために、
図2に示され得るように、CPAPマスク及びチューブ12Bに使用され得る。
図9A~
図9Eは、デバイス10を使用し得る異なるアイウェアを示す。
図9Aは、外側を向いているが、眼を見るためにカメラを内向きに装着することもできるアイウェアに装着された、カメラを有する眼鏡12Cフォームファクタと、これらに限定されないが、瞬き、瞳孔拡張、眼の動きなどの眼のバイオメトリクスに関連付けられた固有の認識ベクトルを使用し得るデバイス10を使用し得る、他のアイウェア及びAR/VR12D~12Gフォームファクタとを示す。デバイス10はまた、
図11に示され得るようなイヤホン12H、
図12に示されるような車座席12I、又は
図16に示されるような装身具12Lにも使用され得る。上記は実施例として与えられており、限定的に見てはならない。デバイス10は、上述されたものなどの任意のウェアラブルフォームファクタ、並びにユーザが作動させるのが難しいので、顔認識、指紋センサ、虹彩センサなどの既存の認証及び識別メカニズムと一緒にうまく機能しない衣類、家具、靴などの他のものとともに使用され得る。
【0020】
デバイス10は、携帯用ウェアラブルデバイス12のバッテリ制約と両立性があり得る。例えば、眼鏡12C及びAR/VRデバイス12Dは、それらが小さくて軽い場合に望ましい。これらのフォームファクタでは顔をスキャンすることが困難であるにもかかわらず、画像操作(ISP)を行い、その後認識ベクトルを抜き出すために必要とされるプロセッサ及び数理エンジンでさえ、かなりの電力を必要とし、したがって、バッテリに対して面積及び重量の許容範囲が非常に小さいこれらのフォームファクタでは、苦労する。
【0021】
図14に見られ得るように、デバイス10は、センサ14を有し得る。センサ14は、デバイス10が具設され得る携帯用ウェアラブルデバイス12を着用しているユーザの筋肉、皮膚、又は脳のうちの1つの活動に応答する電気信号を生成し得る。携帯用ウェアラブルデバイス12がユーザ(すなわち、デバイス10を着用している人物又は動物)の上に位置決めされているとき、センサ14は、筋肉、皮膚、又は脳の活動/動きのうちの1つをモニタリングし得る。例えば、センサ14は、眼の動き又は活動、眼電図関連筋肉、顎又は口の筋肉、脳からの1つ以上の脳電図(EEG信号)、顔の筋肉、額の筋肉、耳周辺の筋肉、首の筋肉、心筋、腕の筋肉、手の筋肉、指の筋肉、腹部の筋肉、鼠径部の筋肉、脚の筋肉、足首の筋肉、足の筋肉、足指の筋肉、皮膚上の任意の場所からの電気皮膚応答などをモニタリングし得る。更に、センサ14は、プレチモグラム又はppg光学リターン信号、キートーン変動信号、グルカゲン変動信号、超音波リターン信号、音響リターン信号などをモニタリングし得る。
【0022】
センサ14は、容量センサ、接触センサ、場強度センサ、磁気センサ、レーダーセンサ、超音波容量微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)センサ、音響微小電気機械(MEM)若しくは圧電センサ、銀-塩化銀センサ、皮膚インピーダンスセンサ(また、応答性電気皮膚応答(GSR))、又は他のタイプのセンサであり得る。
【0023】
センサ14は、携帯用ウェアラブルデバイス12に置かれ得るか、装着され得るか、又は結合され得、フォームファクタに依存し得る。例えば、関心対象の信号を非侵襲的に抽出するために、容量センサが、車座席12I、眼鏡12C、又はシャツ、ズボン、ジャケットなどの衣類若しくはヘッドウェア12Kに使用され得る。この実施例では、車座席12I、又はシャツ、ズボン、若しくは帽子などの衣類12J、銅布又は導電性繊維が、容量センサの一方のプレートを構成し、ユーザの体が他方のプレートを構成し得る。別の実施例では、小さなCMOS画像センサがセンサ14として使用され得、眼鏡12Cのコーナー又はノーズピースの内側に位置決めされ得る。
【0024】
デバイス10は、センサ14に結合されたスペクトル変換機構16を有し得る。スペクトル変換機構16は、センサ12によって生成された電気信号をスペクトル画像に変換し得る。1つの実施形態によれば、スペクトル変換は、ウェーブレット画像であり得る。スペクトル変換機構16はまた、fftベースの時間周波数分析又は他のスペクトルマッピングであり得る。
【0025】
スペクトル変換機構16は、電気信号に含まれる周波数及び時間の情報に基づいてスペクトル画像を作成し得る。例えば、センサ14は、ユーザの心臓をモニタリングし得る。心臓によって生成される電気信号は、
図3A~
図3Cに示され得るように、異なる心臓波形で示され得る。この実施例では、センサ14は、心臓の心電図(EKG)、心拍数、及び心拍を記録し得る。このデータは、
図4A及び
図4Bに示され得るようなスペクトル画像に変換され得る。スペクトル画像は、異なるユーザに固有であり得る。
【0026】
上記したように、スペクトル画像は異なるユーザに固有であり得るので、各ユーザの認識ベクトルも固有であり得る。
図5に示され得るように、異なるユーザ(すなわち、人間又は動物)の異なる認識ベクトルのデータベースが見られ得る。
図5に示され得るように、様々な出力場所からの同じユーザ及び異なるユーザのスペクトル画像が示され得る。例えば、同じユーザ及び異なるユーザの口、心臓、眼などに位置するデバイス10から、読み取り値が取得され得る。見られ得るように、スペクトル画像は、各ユーザについて各出力領域に固有であり得る。
【0027】
次いで、スペクトル画像は、機械学習デバイス18に送信され得る。機械学習デバイス18は、畳み込みニューラルネットワーク、完全接続ネットワークなどであり得る。機械学習デバイス18は、スペクトル画像を、ユーザ、すなわち人物又は動物に応答する認識ベクトルに変換し得る。形成された認識ベクトルは、多次元認識ベクトルであり得る。スペクトル画像は、各ユーザについて各出力領域に固有であり得るので、認識ベクトルは、ユーザの各出力領域に固有であり得、識別及び/又は承認の目的で使用され得る。いったん最初の認識ベクトルがユーザの特定の出力領域に基づいて形成されると、認識ベクトルはデータベース20に記憶され得る。同じ出力から現在抽出されている認識ベクトルを、データベース24に記憶されている認識ベクトルと比較してユーザを識別又は認証するために、比較デバイス22が使用され得る。1つの実施形態によれば、デバイス10は、128バイトの認識ベクトルなどの認識ベクトルを抽出し得、したがって、ユーザを識別又は認証するために、認識ベクトルを、データベース20に記憶されている以前に抽出された認識ベクトルと比較することができる。1つの実施形態によれば、デバイス10は、認識ベクトルの抽出、及びその後の比較データベース20との比較を開始し得、時間又はイベントベースのトリガに基づいてそうすることができる。これは、デバイス10が「連続認証装置」であることを可能にし得る。1つの実施形態によれば、自動車、建設機器における連続認証は、ユーザが、購入したり、車両/デバイスの設定を調整したり又はその動作を開始したりするために相互作用することを可能にしながら、第一対応者又は他のユーザが、機器を運転すること又は操作することに集中することを可能にし得る。
【0028】
デバイス10は、電源22を有し得る。電源22は、デバイス10の各コンポーネントに電力供給するために使用され得る。1つの実施形態によれば、電源22は、バッテリであり得る。
【0029】
上記したように、デバイス10は、ユーザの体の異なる部分上で使用され得る。
図6は、三次元にプロットすることができ、各個人に固有である電磁エネルギー信号を生成する心筋パケット又はアクチュエータの成長を示し得る。筋肉パケット放出によって形成された三次元プロットの固有性は、
図7に見られ得るような指紋の固有の隆線パターン及び谷線パターンに類似し得る。
【0030】
デバイス10は、ノイズの影響を受けた可能性がある読み取り値を区別するために、機械学習を使用し得る。例えば、シャツ、セーターなどの衣類を通して取られた読み取り値に対して、デバイス10が皮膚上に直接配置され得ている場合では、ユーザの心筋をモニタリングすることは異なるであろう。
図8A及び
図8Bは、きれいな心筋入力(
図8A)及びノイズの多い心筋入力(
図8B)に従うスペクトル画像を示す。これらの読み取り値は、車座席12Iに具設され得た容量センサを使用するデバイス10を通して取得され得た。2番目の図は、測定されているユーザが着用している衣服及び/又はセーターによって引き起こされた静電気によってノイズが生じている。
【0031】
前述したように、眼の動き、光刺激に対する眼の焦点応答、眼の構造の詳細、瞬きパターン、又は同様の眼のうちの1つ以上が、認識ベクトルを作成するために使用され得る場合、デバイス10は眼の動きを利用し得る。
図10は、瞬き、瞳孔拡張、及び動きを測定することができることを示す、眼鏡12C又はAR/VRフォームファクタ12D~12Gの内側からの眼の画像センサビューを示す。
図13は、ユーザの眼の近くに配置されたアイウェアに取り付けられた容量センサからの異なる波形応答(EOG)を示す。
【0032】
上記の実施例は、心臓及び眼の活動をモニタリングするために使用されているデバイスを示しているが、デバイス10は、上記に開示されているように、他の筋肉、皮膚、又は脳の活動を測定するために使用され得る。
【0033】
デバイス10は、異なるフォームファクタを有する携帯用ウェアラブルデバイス12のユーザの認証又は識別のために構成され得る。デバイス10は、認識ベクトルを抽出し、これらの認識ベクトルを比較して人物又は動物を識別又は認証することができる。10のデバイスは、センサ出力、スペクトル出力、又は機械学習出力が、携帯電話、埋め込みシステム、又は外部デバイスなどの外部デバイスに結合され得るように、無線手段を含むか、又は無線手段に結合され得る。また、10のデバイスは、スペクトル変換又は機械学習を実行するためのプロセッサを含むか、又はそれに結合され得る。特定の実施例が提供されているが、本願で教示されている革新事項を保持しながら、教示されている手段に対する代替及び変形が使用され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0034】
前述の説明は、発明の特定の実施形態を示すものであるが、その実施に対する制限であることを意味するものではない。以下の特許請求の範囲は、その全ての等価物を含め、発明の範囲を定義することが意図される。
【外国語明細書】