(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065005
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】宇宙船外用ペンレフィル
(51)【国際特許分類】
B43K 7/08 20060101AFI20240507BHJP
B43K 5/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B43K7/08
B43K5/00 100
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144027
(22)【出願日】2023-09-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】202211322607.2
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523338875
【氏名又は名称】西北工業大学寧波研究院
【氏名又は名称原語表記】Ningbo Institute of Northwestern Polytechnical University
【住所又は居所原語表記】Lane 218, Qingyi Road, High tech Zone, Ningbo City, Zhejiang Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】盛 美萍
(72)【発明者】
【氏名】趙 拓
【テーマコード(参考)】
2C350
【Fターム(参考)】
2C350GA03
2C350KD08
2C350NA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スペースペンを船外に出して使用する際、内部の気圧によって内部のインクが押し出されて書き込みに影響を及ぼす技術的な問題を解決する。
【解決手段】ボール1と、リフィル本体2と、ファイバーロッド3と、ファイバーインクチューブ4とを含み、該ボール1は該リフィル本体2の一端内に一部が外部に露出するように回転可能に連結され、該ファイバーインクチューブ4の内部に該ファイバーロッド3の一端が挿入された状態で該リフィル本体2の内部に連結され、該ファイバーロッド3の他端は該ボール1の方向に設けられて該ボール1にインキを供給し、該リフィル本体2の他端の端面に第一逆止弁5と第二逆止弁6とが連結され、該第一逆止弁5と該第二逆止弁6は、該リフィル本体2の内部と外部とに一方向に連結され、該第一逆止弁5と該第二逆止弁6内の気体の流通方向が逆になっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール(1)と、リフィル本体(2)と、ファイバーロッド(3)と、ファイバーインクチューブ(4)とを含み、前記ボール(1)は前記リフィル本体(2)の一端内に回転可能に連結され、前記ボール(1)の一部が前記リフィル本体(2)の外部に露出し、前記ファイバーインクチューブ(4)は前記リフィル本体(2)の内部に連結され、前記ファイバーロッド(3)は前記ファイバーインクチューブ(4)の内部に一端が挿入され、前記ファイバーロッド(3)の他端は前記ボール(1)の方向に設けられ、前記ボール(1)にインキを供給し、前記リフィル本体(2)の他端の端面に第一逆止弁(5)と第二逆止弁(6)とが連結され、前記第一逆止弁(5)と前記第二逆止弁(6)は前記リフィル本体(2)の内部と前記リフィル本体(2)の外部とに一方向に連結され、前記第一逆止弁(5)と前記第二逆止弁(6)内の気体の流通方向が逆になっている、ことを特徴とする宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項2】
前記リフィル本体(2)は、ボールホルダー(21)と、連結部材(22)と、レフィルハウジング(23)とを含み、前記ボールホルダー(21)は前記連結部材(22)を介して前記レフィルハウジング(23)に連結されており、前記ボールホルダー(21)には軸方向に沿って第一貫通孔(7)が設けられ、前記連結部材(22)には軸方向に沿って第二貫通孔(8)が設けられ、前記レフィルハウジング(23)には軸方向に沿って取付穴(9)が設けられ、前記第一貫通孔(7)は前記第二貫通孔(8)を介して前記取付穴(9)に連通し、前記第二貫通孔(8)は前記取付穴(9)より内径が小さく、前記ファイバーインクチューブ(4)は前記取付穴(9)内に連通し、前記ボール(1)は前記第一貫通孔(7)内に回転可能に設けられ、前記ボール(1)の一部は前記ボールホルダー(21)の外に露出しており、前記ファイバーロッド(3)の他端は前記第二貫通孔(8)を通って前記第一貫通孔(7)に締まり嵌めされており、前記第一逆止弁(5)と前記第二逆止弁(6)はともに前記レフィルハウジング(23)上の前記ボールホルダー(21)から離れた端面に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項3】
前記第一貫通孔(7)の内壁には環状凸部(10)が設けられ、前記ファイバーロッド(3)の他端の端面は前記環状凸部(10)上の前記ファイバーロッド(3)に近い端面に当接し、前記環状凸部(10)の内周壁には球状のストッパー溝(11)が設けられ、前記ボール(1)は前記ストッパー溝(11)内に回転可能に連結されている、ことを特徴とする請求項2に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項4】
前記連結部材(22)上の前記レフィルハウジング(23)に近い端面には第一突出部(12)が設けられ、前記第二貫通孔(8)は前記第一突出部(12)を貫通し、前記第一突出部(12)は前記レフィルハウジング(23)の端面に挿入されて前記レフィルハウジング(23)に締まり嵌めされている、ことを特徴とする請求項2に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項5】
前記ボールホルダー(21)上の前記連結部材(22)に近い端面には第二突出部(13)が設けられ、前記第一貫通孔(7)は前記第二突出部(13)を貫通し、前記第二突出部(13)は前記第二貫通孔(8)に挿入されて前記第二貫通孔(8)の内壁に締まり嵌めされている、ことを特徴とする請求項2に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項6】
前記第二貫通孔(8)の内径は前記第一貫通孔(7)より大きい、または等しい、ことを特徴とする請求項2に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項7】
前記ファイバーロッド(3)の一端がテーパ状である、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項8】
前記ファイバーロッド(3)の他端と前記ボール(1)との間には隙間(14)が残されており、前記隙間(14)の寸法範囲は0.01mmから0.08mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文房具用品の技術分野に関し、具体的には宇宙船外用ペンレフィルに関する。
【背景技術】
【0002】
スペースペンは宇宙飛行士のためにデザインされた専用のペンで、その核心技術は無重力状態で使用できることである。一般的な万年筆とボールペンは液滴の重力でペン先からインクを出すので、無重力状態では使用できません。鉛筆は無重力環境の制約を受けないが、鉛筆の芯が切れた後、無重力の空間を漂い、鼻腔や目に漂ったり、導電性があるため電気回路の短絡を起こしやすく、また鉛筆のレフィル(詰め替え)や木は純酸素の環境で急速に燃えやすく危険性が極めて高いため、宇宙船環境での使用リスクが大きい。この問題を解決するために、アメリカは宇宙ボールペンを開発し、宇宙飛行士が宇宙環境で使用できるようにしたが、販売価格は非常に高かった。現在、中国も宇宙ゲルペン、宇宙ボールペン、多機能宇宙ペンなど異なる原理の宇宙ペンを提案している。性能の良いスペースペンは宇宙飛行に適用できるほか、山登り、ダイビング、探検旅行、極地探検などの過酷な環境でも使用できる。例えば、中国特許CN111319376Aは、毛細孔材の芯を利用するバランスよくインクを出力する宇宙レフィルを開示する。しかし、宇宙は無重力環境であるほか、大気がないため、無圧力環境でもある。上記特許にある宇宙レフィルは、船外に出して使用すると、レフィル内部の気圧が外部の気圧よりもはるかに大きくなり、内部のインクが押し出され、書き込みに影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
従来技術の不足に対して、本発明の目的は、船外使用時に空気圧によってレフィル内部のインクが押し出されるのを防止することができる宇宙船外用ペンレフィルを提供することである。
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、ボールと、リフィル本体と、ファイバーロッドと、ファイバーインクチューブとを含む宇宙船外用ペンレフィルを提供し、ボールはリフィル本体の一端内に回転可能に連結され、ボールの一部がリフィル本体の外部に露出し、ファイバーインクチューブはリフィル本体の内部に連結され、ファイバーロッドはファイバーインクチューブの内部に一端が挿入され、ファイバーロッドの他端はボールの方向に設けられてボールにインキを供給し、リフィル本体の他端の端面に第一逆止弁と第二逆止弁とが連結され、第一逆止弁と第二逆止弁は、リフィル本体の内部とリフィル本体の外部とに一方向に連結され、第一逆止弁と第二逆止弁内の気体の流通方向が逆になっている。
【0005】
上記構造を採用した後、本発明の宇宙船外用ペンレフィルは、以下の利点を有する。リフィル本体の内外の圧力が変化すると、第一逆止弁と第二逆止弁によって内外の圧力バランスが制御される。船外使用時にはリフィル本体の内部の圧力が外部の圧力よりも大きくなり、このとき内部の気体が第一逆止弁を介して外部に流出して内外の圧力バランスを保つ。船内使用時には外部の圧力が内部の圧力よりも大きくなり、このとき外部の気体が第二逆止弁を介して内部に流入し、内外の圧力バランスを保ち、リフィル本体内部のインクが押し出されることを防止し、インクの吐出安定性を向上させる。また、第一逆止弁と第二逆止弁には一定のシール作用があり、インクの蒸発を減らし、書き込み品質をさらに向上させることができ、船内環境を汚染し、人体の健康と機器の安全を脅かすことを避けることができる。
【0006】
改良として、リフィル本体は、ボールホルダーと、連結部材と、レフィルハウジングとを含み、ボールホルダーは連結部材を介してレフィルハウジングに連結されている。ボールホルダーには軸方向に沿って第一貫通孔が設けられ、連結部材には軸方向に沿って第二貫通孔が設けられ、レフィルハウジングには軸方向に沿って取付穴が設けられ、第一貫通孔は第二貫通孔を介して取付穴に連通している。第二貫通孔は取付穴より内径が小さく、ファイバーインクチューブは取付穴内に連結され、ボールは第一貫通孔内に回転可能に設けられ、ボールの一部はボールホルダーの外に露出しており、ファイバーロッドの他端は第二貫通孔を通って第一貫通孔に締まり嵌めされている。第一逆止弁と第二逆止弁はともにレフィルハウジング上のボールホルダーから離れた端面に連結されている。このような構造により、ファイバーロッドの他端が第一貫通孔に締まり嵌めされており、ファイバーロッドとリフィル本体との連結の安定性が向上する。また、ファイバーロッドとファイバーインクチューブとが連結されるため、ファイバーインクチューブとリフィル本体との連結の安定性を向上させ、書き込み中にファイバーロッドとファイバーインクチューブが移動してインクの吐出に影響を与えることを防止し、書き込み品質を向上させることができる。
【0007】
改良として、第一貫通孔の内壁には環状凸部が設けられ、ファイバーロッドの他端の端面は環状凸部上のファイバーロッドに近い端面に当接し、環状凸部の内周壁には球状のストッパー溝が設けられ、ボールはストッパー溝内に回転可能に連結されている。このような構造により、環状凸部はストッパー溝を介してボールの回転連結を実現し、ファイバーロッドに対してストッパーとしても機能し、書き込み中のファイバーロッドの移動をさらに防止する。
【0008】
改良として、連結部材上のレフィルハウジングに近い端面には第一突出部が設けられ、第二貫通孔は第一突出部を貫通し、第一突出部はレフィルハウジングの端面に挿入されてレフィルハウジングに締まり嵌めされている。このような構造により、第一突出部によって連結部材とレフィルハウジングとの間の取り外し可能な構造が実現され、インクがなくなったとき、連結部材を取り外してファイバーインクチューブにインクを注入することでリサイクルが可能となる。
【0009】
改良として、ボールホルダー上の連結部材に近い端面には第二突出部が設けられ、第一貫通孔は第二突出部を貫通し、第二突出部は第二貫通孔に挿入されて第二貫通孔の内壁に締まり嵌めされている。このような構造により、構造が簡単で、組み立てが容易であるという利点がある。
【0010】
改良として、第二貫通孔の内径は第一貫通孔より大きい、または等しい。このような構造により、第二貫通孔の内径が第一貫通孔の内径より大きい場合、第二貫通孔の内壁とファイバーロッドとの間には、組み立てを容易にするために隙間が残されている。第二貫通孔の内径が第一貫通孔と等しいと、第二貫通孔とファイバーロッドとの締まり嵌めが可能となり、ファイバーロッドをさらに固定することができる。
【0011】
改良として、ファイバーロッドの一端はテーパ状である。このような構造により、ファイバーインクチューブへの挿入が容易になる。
【0012】
改良として、ファイバーロッドの他端とボールとの間には隙間が残されて、隙間の寸法範囲は0.01mmから0.08mmである。このような構造により、ファイバーロッドの他端とボールとの間に残された隙間は書き込み中のボールの回転によるファイバーロッドの摩耗を回避することができる。ファイバーロッドは毛管原理によってボールにインクを供給するため、この隙間が小さすぎるとファイバーロッドとボールとの接触の可能性が残り、この隙間が大きすぎるとファイバーロッドのボールへのインク供給に影響を及ぼす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は本発明における全体の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の宇宙船外用ペンレフィルについて、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0015】
図1~
図3に示すように、宇宙船外用ペンレフィルはボール1と、リフィル本体2と、ファイバーロッド3と、ファイバーインクチューブ4とを含み、ボール1はリフィル本体2の一端内に回転可能に連結され、ボール1の一部がリフィル本体2の外部に露出し、ファイバーインクチューブ4はリフィル本体2の内部に連結され、ファイバーロッド3はファイバーインクチューブ4の内部に一端が挿入され、ファイバーロッド3の他端はボール1の方向に設けられてボール1にインキを供給し、リフィル本体2の他端の端面に第一逆止弁5と第二逆止弁6とが連結され、第一逆止弁5と第二逆止弁6は、リフィル本体2の内部とリフィル本体2の外部とに一方向に連結され、第一逆止弁5と第二逆止弁6内の気体の流通方向が逆になっている。
図1に示すように、リフィル本体2の下端内にボール1が回転可能に連結され、ファイバーロッド3の上端がファイバーインクチューブ4内に挿入され、下端がボール1方向に配置される。そして、
図2に示すように、ファイバーロッド3の他端とボール1との間に隙間14を残しており、すなわち、ファイバーロッド3の下端とボール1との間に隙間14を残しており、隙間14の寸法範囲は0.01mmから0.08mmであり、これにより、ボール1とファイバーロッド3との接触によるファイバーロッド3の摩耗を回避しつつ、毛管原理を利用してファイバーロッド3からボール1にインクを供給することができる。また、第一逆止弁5と第二逆止弁6は、いずれもリフィル本体2の上端面に設けられ、両者ともリフィル本体2の内部空間に連通しており、第一逆止弁5における気体の流通方向はリフィル本体2の内部から外部に向かっており、第二逆止弁6における気体の流通方向はリフィル本体2の外部から内部に向かっている。本実施例では、第一逆止弁5と第二逆止弁6はいずれもシリカゲル呼吸弁を採用しており、フラップは一方向にしか開くことができず、片側の気流が通過するとフラップが開いて気流を通過させる。
【0016】
図1に示すように、リフィル本体2は、ボールホルダー21と、連結部材22と、レフィルハウジング23とを含み、ボールホルダー21は連結部材22を介してレフィルハウジング23に連結されており、すなわち、ボールホルダー21の上端は連結部材22の下端に連結され、連結部材22の上端はレフィルハウジング23の下端に連結され、第一逆止弁5と第二逆止弁6はともにレフィルハウジング23上のボールホルダー21から離れた端面、すなわちレフィルハウジング23の上端に連結され、そしてボール1はボールホルダー21の下端に連結されている。ボールホルダー21には軸方向に沿って第一貫通孔7が設けられ、連結部材22には軸方向に沿って第二貫通孔8が設けられ、レフィルハウジング23には軸方向に沿って取付穴9が設けられ、そして第一貫通孔7と第二貫通孔8と取付穴9とは同軸に設けられる。第一貫通孔7は第二貫通孔8を介して取付穴9に連通し、第二貫通孔8は取付穴9より内径が小さく、第二貫通孔8は取付穴9に連通するようにレフィルハウジング23の下端面まで貫通し、ファイバーインクチューブ4は取付穴9内に連結され、ボール1は第一貫通孔7内に回転可能に設けられ、かつボール1の一部は書き込み用にボールホルダー21の外に露出しており、ファイバーロッド3の他端は第二貫通孔8を通って第一貫通孔7に締まり嵌めされている。第二貫通孔8の内径は第一貫通孔7より大きいか、または等しい。第二貫通孔8の内径が第一貫通孔7の内径より大きい場合、第二貫通孔8の内壁とファイバーロッド3との間には、組み立てを容易にするために隙間が残されている。第二貫通孔8の内径が第一貫通孔7と等しいと、第二貫通孔8とファイバーロッド3との締まり嵌めが可能となり、ファイバーロッド3をさらに固定することができる。
図1及び
図2に示すように、本実施例では、第二貫通孔8の内径は第一貫通孔7より大きく、第二貫通孔8の内壁とファイバーロッド3との間に隙間が残されている。
【0017】
図2に示すように、第一貫通孔7の内壁には環状凸部10が設けられ、ファイバーロッド3の他端の端面は環状凸部10上のファイバーロッド3に近い端面に当接し、環状凸部10の内周壁には球状のストッパー溝11が設けられ、ボール1はストッパー溝11内に回転可能に連結されている。本実施例では、ボールホルダー21の下端近傍の第一貫通孔7の内周壁には環状凸部10が設けられ、ファイバーロッド3の下端端面と環状凸部10の上端面とが当接してファイバーロッド3がボール1の方向に移動できないようにし、ファイバーロッド3とボール1との接触による摩耗を防止する。ストッパー溝11は環状凸部10の下端近傍の内周壁に設けられ、かつストッパー溝11はボールホルダー21まで延びて、ボール1はストッパー溝11内に埋め込まれ、ボールホルダー21と環状凸部10とは一体成形される。
図1に示すように、ファイバーロッド3の一端はテーパ状であり、すなわちファイバーロッド3の上端はテーパ状である。
【0018】
図3に示すように、連結部材22上のレフィルハウジング23に近い端面には第一突出部12が設けられ、第二貫通孔8は第一突出部12を貫通し、第一突出部12はレフィルハウジング23の端面に挿入され、レフィルハウジング23に締まり嵌めされている。すなわち、連結部材22の上端面には連結部材22と同軸に配置された第一突出部12が設けられ、連結部材22は第一突出部12と一体成形され、第一突出部12の外周壁はレフィルハウジング23の下端面の内周壁と締まり嵌めを形成する。
図2に示すように、ボールホルダー21上の連結部材22に近い端面には第二突出部13が設けられ、第一貫通孔7は第二突出部13を貫通し、第二突出部13は第二貫通孔8に挿入されて第二貫通孔8の内壁に締まり嵌めされている。すなわち、ボールホルダー21の上端面にはボールホルダー21と同軸に設置された第二突出部13が設けられ、ボールホルダー21と第二突出部13とは一体成形されており、第二突出部13の外周壁と第二貫通孔8の内壁との間に締まり嵌めが形成されている。
【0019】
リフィル本体2の内外の圧力が変化すると、第一逆止弁5と第二逆止弁6によって内外の圧力バランスが制御される。船外使用時にはリフィル本体2の内部の圧力が外部の圧力よりも大きくなり、このとき内部の気体が第一逆止弁5を介して外部に流出して内外の圧力バランスを保つ。船内使用時には外部の圧力が内部の圧力よりも大きくなり、このとき外部の気体が第二逆止弁6を介して内部に流入し、内外の圧力バランスを保ち、リフィル本体2内部のインクが押し出されることを防止し、インクの吐出安定性を向上させる。また、第一逆止弁5と第二逆止弁6には一定のシール作用があり、インクの蒸発を減らし、書き込み品質をさらに向上させることができ、船内環境を汚染し、人体の健康と機器の安全を脅かすことを避けることができる。
【0020】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の1つの実施形態に限定されるものではなく、当業者が創造的な労働をすることなく得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲に属する。
【符号の説明】
【0021】
1 ボール
2 リフィル本体
21 ボールホルダー
22 連結部材
23 レフィルハウジング
3 ファイバーロッド
4 ファイバーインクチューブ
5 第一逆止弁
6 第二逆止弁
7 第一貫通孔
8 第二貫通孔
9 取付穴
10 環状凸部
11 ストッパー溝
12 第一突出部
13 第二突出部
14 隙間
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール(1)と、リフィル本体(2)と、ファイバーロッド(3)と、ファイバーインクチューブ(4)とを含み、前記ボール(1)は前記リフィル本体(2)の一端内に回転可能に連結され、前記ボール(1)の一部が前記リフィル本体(2)の外部に露出し、前記ファイバーインクチューブ(4)は前記リフィル本体(2)の内部に連結され、前記ファイバーロッド(3)は前記ファイバーインクチューブ(4)の内部に一端が挿入され、前記ファイバーロッド(3)の他端は前記ボール(1)の方向に設けられ、前記ボール(1)にインキを供給し、前記リフィル本体(2)の他端の端面に第一逆止弁(5)と第二逆止弁(6)とが連結され、前記第一逆止弁(5)と前記第二逆止弁(6)は前記リフィル本体(2)の内部と前記リフィル本体(2)の外部とに一方向に連結され、前記第一逆止弁(5)と前記第二逆止弁(6)内の気体の流通方向が逆になっており、
前記リフィル本体(2)は、ボールホルダー(21)と、連結部材(22)と、レフィルハウジング(23)とを含み、前記ボールホルダー(21)は前記連結部材(22)を介して前記レフィルハウジング(23)に連結されており、前記ボールホルダー(21)には軸方向に沿って第一貫通孔(7)が設けられ、前記連結部材(22)には軸方向に沿って第二貫通孔(8)が設けられ、前記レフィルハウジング(23)には軸方向に沿って取付穴(9)が設けられ、前記第一貫通孔(7)は前記第二貫通孔(8)を介して前記取付穴(9)に連通し、前記第二貫通孔(8)は前記取付穴(9)より内径が小さく、前記ファイバーインクチューブ(4)は前記取付穴(9)内に連通し、前記ボール(1)は前記第一貫通孔(7)内に回転可能に設けられ、前記ボール(1)の一部は前記ボールホルダー(21)の外に露出しており、前記ファイバーロッド(3)の他端は前記第二貫通孔(8)を通って前記第一貫通孔(7)に締まり嵌めされており、前記第一逆止弁(5)と前記第二逆止弁(6)はともに前記レフィルハウジング(23)上の前記ボールホルダー(21)から離れた端面に連結され、
前記連結部材(22)上の前記レフィルハウジング(23)に近い端面には第一突出部(12)が設けられ、前記第二貫通孔(8)は前記第一突出部(12)を貫通し、前記第一突出部(12)は前記レフィルハウジング(23)の端面に挿入されて前記レフィルハウジング(23)に締まり嵌めされている、ことを特徴とする宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項2】
前記第一貫通孔(7)の内壁には環状凸部(10)が設けられ、前記ファイバーロッド(3)の他端の端面は前記環状凸部(10)上の前記ファイバーロッド(3)に近い端面に当接し、前記環状凸部(10)の内周壁には球状のストッパー溝(11)が設けられ、前記ボール(1)は前記ストッパー溝(11)内に回転可能に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項3】
前記ボールホルダー(21)上の前記連結部材(22)に近い端面には第二突出部(13)が設けられ、前記第一貫通孔(7)は前記第二突出部(13)を貫通し、前記第二突出部(13)は前記第二貫通孔(8)に挿入されて前記第二貫通孔(8)の内壁に締まり嵌めされている、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項4】
前記第二貫通孔(8)の内径は前記第一貫通孔(7)より大きい、または等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項5】
前記ファイバーロッド(3)の一端がテーパ状である、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。
【請求項6】
前記ファイバーロッド(3)の他端と前記ボール(1)との間には隙間(14)が残されており、前記隙間(14)の寸法範囲は0.01mmから0.08mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の宇宙船外用ペンレフィル。