(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065006
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】タッチセンシング装置、電子機器及びそのタッチ操作記録方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
G06F3/041
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149562
(22)【出願日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】18/050,477
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502016219
【氏名又は名称】ハイマックス テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】歐 育年
(72)【発明者】
【氏名】莊 竣凱
(72)【発明者】
【氏名】洪 培元
(72)【発明者】
【氏名】林 雍翔
(57)【要約】
【課題】タッチセンシング装置、電子機器及びそのタッチ操作記録方法を提供する。
【解決手段】タッチ検出機能を有するパネルと、パネルに結合され、且つパネルにおけるタッチ操作を検出し、タッチセンシング装置のエラーイベントを記録し、データ通信インターフェースを介してエラーイベントを外部記憶媒体に書き込むように構成されるタッチ検出回路と、を備えるタッチセンシング装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ検出機能を有するパネルと、
前記パネルに結合され、且つ前記パネルにおけるタッチ操作を検出し、エラーイベントを記録し、データ通信インターフェースを介して前記エラーイベントを外部記憶媒体に書き込むように構成されるタッチ検出回路と、
を備えるタッチセンシング装置。
【請求項2】
前記タッチ検出回路によって検出された前記エラーイベントは、静電気放電(electrostatic discharge;ESD)イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含む請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項3】
前記データ通信インターフェースがビジーである場合、前記タッチ検出回路は、前記データ通信インターフェースがアイドルになるのを待って、前記エラーイベントを前記外部記憶媒体に書き込む請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項4】
前記タッチ検出回路は、前記パネルの静電気放電イベントを検出するように構成される静電気放電検出回路を含む請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項5】
前記タッチ検出回路は、前記タッチ検出回路の温度を検出するように構成される温度センサを含む請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項6】
前記外部記憶媒体は、フラッシュメモリ(flash memory)である請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項7】
前記データ通信インターフェースは、シリアルペリフェラルインターフェース(serial peripheral interface;SPI)である請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項8】
前記タッチ検出回路は、タッチアンドディスプレイドライバー統合(touch and display driver integration;TDDI)回路である請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項9】
前記タッチ検出回路を前記外部記憶媒体に結合するプリント回路基板(printed circuit board;PCB)を更に含む請求項1に記載のタッチセンシング装置。
【請求項10】
電子機器であって、
タッチ検出機能を有するパネルと、
アプリケーションプロセッサと、
前記パネルに結合され、且つ前記パネルにおけるタッチ操作を検出し、前記電子機器のエラーイベントを記録し、データ通信インターフェースを介して前記エラーイベントを前記アプリケーションプロセッサに伝送するように構成されるタッチ検出回路と、
を備え、
前記アプリケーションプロセッサは、前記タッチ検出回路から受信した前記エラーイベントに応答して、前記エラーイベントを外部記憶媒体に書き込むように構成される電子機器。
【請求項11】
前記タッチ検出回路によって検出された前記エラーイベントは、静電気放電イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含む請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記データ通信インターフェースがビジーである場合、前記タッチ検出回路は、前記データ通信インターフェースがアイドルになるのを待って、前記エラーイベントを前記アプリケーションプロセッサに伝送する請求項10に記載の電子機器。
【請求項13】
前記外部記憶媒体は、セキュアデジタル(secure digital;SD)メモリカード又はTransFlash(TF)メモリカードである請求項10に記載の電子機器。
【請求項14】
前記データ通信インターフェースは、集積回路間(inter integrated circuit;I2C)インターフェースである請求項10に記載の電子機器。
【請求項15】
前記タッチ検出回路は、タッチアンドディスプレイドライバー統合回路である請求項10に記載の電子機器。
【請求項16】
タッチ検出回路を、パネルにおけるタッチ操作を検出し、且つ前記タッチ検出回路又は前記パネルのエラーイベントを記録するように構成する工程と、
データ通信インターフェースを介して前記エラーイベントを外部記憶媒体に書き込む工程と、
を含むタッチセンシング用のタッチ操作記録方法。
【請求項17】
前記エラーイベントを書き込む工程は、
前記データ通信インターフェースがビジーであるか否かを判別する工程と、
前記データ通信インターフェースがビジーである場合、前記データ通信インターフェースがアイドルになるのを待って、前記エラーイベントを前記外部記憶媒体に書き込む工程と、
を含む請求項16に記載のタッチ操作記録方法。
【請求項18】
前記エラーイベントは、前記タッチ検出回路によって前記外部記憶媒体に直接書き込まれる請求項16に記載のタッチ操作記録方法。
【請求項19】
前記エラーイベントを書き込む工程は、
前記データ通信インターフェースを介して前記エラーイベントをアプリケーションプロセッサに伝送する工程と、
前記アプリケーションプロセッサが前記タッチ検出回路から受信した前記エラーイベントに応答して、前記エラーイベントを前記外部記憶媒体に書き込む工程と、
を含む請求項16に記載のタッチ操作記録方法。
【請求項20】
前記タッチ検出回路によって検出された前記エラーイベントは、静電気放電イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含む請求項16に記載のタッチ操作記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作のエラーイベントの検出に関し、特に、タッチ操作のエラーイベント検出機能を有するタッチセンシング装置、電子機器及びそのタッチ操作記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ検出機能を有するディスプレイは、車両情報表示、カーナビゲーション、ビデオ再生、交通状況通知、及び/又はそれらのような車両アプリケーションに広く使用されている。タッチ検出機能を有する電子機器としては、エラーイベントが存在する時に、タッチ操作が失敗する場合がある。しかしながら、幾つかの場合では、エラーイベントを正確又は同様にコピーできないため、タッチ検出失敗の根本原因を追跡することは困難になる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様は、タッチ検出機能を有するパネルと、パネルに結合され、且つパネルにおけるタッチ操作を検出し、タッチセンシング装置のエラーイベントを記録し、データ通信インターフェースを介してエラーイベントを外部記憶媒体に書き込むように構成されるタッチ検出回路と、を備えるタッチセンシング装置である。
【0004】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路によって検出されたエラーイベントは、静電気放電(electrostatic discharge;ESD)イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含む。
【0005】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、データ通信インターフェースがビジーである場合、タッチ検出回路は、データ通信インターフェースがアイドルになるのを待って、エラーイベントを外部記憶媒体に書き込む。
【0006】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路は、パネルの静電気放電イベントを検出するように構成される静電気放電検出回路を含む。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路は、タッチ検出回路の温度を検出するように構成される温度センサを含む。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、外部記憶媒体は、フラッシュメモリ(flash memory)である。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、データ通信インターフェースは、シリアルペリフェラルインターフェース(serial peripheral interface;SPI)である。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路は、タッチアンドディスプレイドライバー統合(touch and display driver integration;TDDI)回路である。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施形態によれば、タッチセンシング装置は、タッチ検出回路を外部記憶媒体に結合するプリント回路基板(printed circuit board;PCB)を更に含む。
【0012】
本発明の別の態様は、タッチ検出機能を有するパネルと、アプリケーションプロセッサと、パネルに結合され、且つパネルにおけるタッチ操作を検出し、電子機器のエラーイベントを記録し、データ通信インターフェースを介してエラーイベントをアプリケーションプロセッサに伝送するように構成されるタッチ検出回路と、を備え、前記アプリケーションプロセッサは、タッチ検出回路から受信したエラーイベントに応答して、エラーイベントを外部記憶媒体に書き込むように構成される電子機器である。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路によって検出されたエラーイベントは、静電気放電イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含む。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、データ通信インターフェースがビジーである場合、タッチ検出回路は、データ通信インターフェースがアイドルになるのを待って、エラーイベントをアプリケーションプロセッサに伝送する。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施形態によれば、外部記憶媒体は、セキュアデジタル(secure digital;SD)メモリカード又はTransFlash(TF)メモリカードである。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、データ通信インターフェースは、集積回路間(inter integrated circuit;I2C)インターフェースである。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路は、タッチアンドディスプレイドライバー統合回路である。
【0018】
本発明の別の態様は、タッチ検出回路を、パネルにおけるタッチ操作を検出し、且つタッチ検出回路又はパネルのエラーイベントを記録するように構成する工程と、データ通信インターフェースを介してエラーイベントを外部記憶媒体に書き込む工程と、を含むタッチセンシング用のタッチ操作記録方法である。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、エラーイベントを書き込む工程は、データ通信インターフェースがビジーであるか否かを判別する工程と、データ通信インターフェースがビジーである場合、データ通信インターフェースがアイドルになるのを待って、エラーイベントを外部記憶媒体に書き込む工程と、を含む。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、エラーイベントは、タッチ検出回路によって外部記憶媒体に直接書き込まれる。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、エラーイベントを書き込む工程は、データ通信インターフェースを介してエラーイベントをアプリケーションプロセッサに伝送する工程と、アプリケーションプロセッサがタッチ検出回路から受信したエラーイベントに応答して、エラーイベントを外部記憶媒体に書き込む工程と、を含む。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、タッチ検出回路によって検出されたエラーイベントは、静電気放電イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
実施例及びその利点をより完全に理解するために、以下、図面を参照しながら説明する。
【
図1】本発明の幾つかの実施例によるタッチセンシング装置の模式図である。
【
図2】
図1のタッチ検出回路を模式的に示す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の幾つかの実施例によるタッチ操作記録方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の幾つかの実施例による電子機器の模式図である。
【
図5】
図4におけるタッチ検出回路とホストを模式的に示す機能ブロック図である。
【
図6】本発明の幾つかの実施例によるタッチ操作記録方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施例を詳しく説明する。しかしながら、理解できるように、実施例は多くの応用可能な概念を提供し、それが様々な特定の内容に実施可能である。討論・開示される実施例は、説明のためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。
【0025】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特に制限がない限り、単数形の「一」又は「該」の用語は、複数形を表すために使用されてもよい。
【0026】
以下の説明及び特許請求の範囲では、用語「結合」及びその派生語を使用してよい。特定の実施例において、「結合」とは、2つ又は複数の部品を互いに物理的又は電気的に直接接触するか、又は互いに直接接触しないことを指してよい。「結合」とはまた、2つ又は複数の部品を互いに操作又は動作することを指してもよい。
【0027】
本開示において、外部記憶媒体は、タッチ検出機能を有するパネル(例えば、タッチパネル又はタッチ表示パネル)のエラーイベントを直ちに記憶するためのエラーイベント記録装置として使用される。特に、パネルを駆動するためのタッチ検出回路がノイズ干渉を受ける例において、ノイズ保護機能を有効にすると、パネルのタップリターン情報を数秒以内に外部記憶媒体に記憶して、ゴーストタッチ(ghost touch)イベントを記録することができる。異常イベント(例えば、タッチ操作機能の過熱)発生の例及び/又はセルフレスキュー操作を実行する必要がある例において、検出された異常イベント、ファームウェア状況、及び/又はセルフレスキュー操作をトリガーする条件は、システム故障又はセルフレスキュー操作実行時に直ちに外部記憶媒体に記憶することができる。本開示の実施例によるエラーイベント記録メカニズムは、エンジニアがタッチ検出失敗の根本原因を分析するのに役立つ。
【0028】
図1は、本発明の幾つかの実施例によるタッチセンシング装置100の模式図である。タッチセンシング装置100は、タッチ検出機能を有するパネル110と、タッチ検出回路120と、を備える。タッチ検出機能を有するパネル110は、アレイ状に配列されたタッチセンサを有してよい。タッチ検出回路120は、パネル110を駆動してタッチ検出を行うように、パネル110に結合される。タッチ検出回路120は、ホストHに結合されてよい。ホストHは、電子機器、例えば、車載インフォテイメントディスプレイ(automotive infotainment display)、カーナビゲーションデバイス、及び/又はタッチ検出・表示機能を有する他の適切な電子機器であってよい。パネル110は、タッチ表示スクリーンを有する電子機器を形成するように、ホストHに取り付けられてよい。幾つかの代替実施例において、タッチ操作機能を有するパネル110は、タッチ表示パネルを形成するように、ホストHにおける表示パネルに統合されてよい。幾つかの実施例において、タッチ検出回路120は、パネル110のタッチ検出駆動及びホストHの表示駆動に用いられるタッチアンドディスプレイドライバー統合(touch and display driver integration;TDDI)回路である。タッチ検出回路120は、次の操作を行うように、パネル110におけるタッチ操作に対応する座標をホストHのアプリケーションプロセッサAに伝送することができる。外部記憶媒体S1は、タッチセンシング装置100に着脱可能に挿入される。外部記憶媒体S1は、フラッシュメモリ(flash memory)、又はタッチセンシング装置100にサポートされ、且つタッチ検出回路120によるアクセス(例えば、データ書き込み)に適する他の類似の記憶媒体であってよい。
【0029】
幾つかの実施例において、タッチセンシング装置100は、プリント回路基板(printed circuit board;PCB)130を更に含む。外部記憶媒体S1がタッチセンシング装置100に挿入されると、プリント回路基板130は、タッチ検出回路120を外部記憶媒体S1に結合する。プリント回路基板130は、リジッド回路基板、フレキシブルプリント回路基板等であってよい。また、タッチ検出回路120は、チップオンフィルム(chip-on-film;COF)パッケージを形成するように、プリント回路基板130に接続されてよい。
【0030】
図2は、
図1のタッチ検出回路120を模式的に示す機能ブロック図である。
図2に示すように、タッチ検出回路120は、アナログデジタル変換(analog-to-digital converter;ADC)回路121、メモリ122、コントローラ123、及びデータ通信インターフェース124を含む。アナログデジタル変換回路121は、パネル110におけるタッチ操作を検出し、且つ検出されたタッチ信号をタッチデータに変換するように構成される。メモリ122は、タッチデータ及びタッチセンシング装置100にある任意のエラーイベントを記憶するように構成される。タッチ検出回路100におけるエラーイベントは、静電気放電(electrostatic discharge;ESD)イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含むが、それらに限定されない。メモリ122は、揮発性メモリ、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory;SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory;DRAM)、及び/又はそのようなものであってよい。コントローラ123は、対応するパネル110におけるタッチ操作の座標をタッチデータから算出するように構成される。コントローラ123は、例えば、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit;MCU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit;ASIC)、プログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller;PLC)等であってよい。データ通信インターフェース124は、コントローラ123が外部記憶媒体S1にアクセスするための通信経路を提供するように構成される。外部記憶媒体S1のタイプによって、データ通信インターフェース124は、例えば、シリアルペリフェラルインターフェース(serial peripheral interface;SPI)又は他の適切なインターフェースであってよい。タッチセンシング装置100に何らかのエラーイベントがあると、コントローラ123は、メモリ122からエラーイベントを取得し、続いてデータ通信インターフェース124を介してエラーイベントを外部記憶媒体S1に書き込むことができる。外部記憶媒体S1に書き込まれるエラーイベントは、エラー種別コード、発生日時、及びエラー種別コードに対応する詳細情報を含んでよい。例えば、エラー種別コードがノイズ干渉を示す場合、詳細情報はゴーストタッチ(ghost touch)座標を含んでよい。幾つかの実施例において、コントローラ123は、算出された座標を外部記憶媒体S1に書き込んでもよい。
【0031】
幾つかの実施例において、タッチ検出回路120は、静電気放電検出回路125及び/又は温度センサ126を更に含む。静電気放電検出回路125は、何らかの静電気放電イベントがあるか否かを検出し、且つ検出された静電気放電イベントをメモリ122に記憶するように構成される。温度センサ126は、タッチ検出回路120の温度を検出し、且つ温度情報をメモリ122に記憶できるように構成される。
【0032】
図3は、本発明の幾つかの実施例によるタッチ操作記録方法300のフローチャートである。タッチ操作記録方法300は、
図1に示す構成又は他の適切な構成に適用されてよい。以下、
図1に示す構成を例として説明する。工程S302において、タッチ検出回路120は、パネル110におけるタッチ操作、例えば人の指又はタッチペン(stylus)の操作を検出するように構成される。工程S304において、タッチ検出回路120は、タッチセンシング装置100に何らかのエラーイベントがあるか否かを判別する。タッチセンシング装置100にエラーイベントがあれば、工程S306を行い、タッチ検出回路120がエラーイベントを記録する。逆に、タッチセンシング装置100にエラーイベントがなければ、工程S308を行い、タッチ検出回路120は、対応するパネル110におけるタッチ操作の座標を算出し、続いて工程S310を行い、タッチ検出回路120は、パネル110の座標をホストHに伝送し、それによりホストHが座標を収集して、次の操作を行い、例えば通話を開始したり、アプリケーションプログラムを起動したりする。
【0033】
エラーイベントを記録した後、工程S312を行い、タッチ検出回路120は、そのデータ通信インターフェース124がビジーであるか否かを判別する。データ通信インターフェース124がビジーである場合、工程S314を行い、所定の時間を待って、工程S312を繰り返す。逆に、データ通信インターフェース124がビジーでない(即ち、データ通信インターフェース124がアイドルである)場合、工程S316を行い、データ通信インターフェース124を介してエラーイベントを外部記憶媒体S1に書き込む。データ通信インターフェース124がアイドルになるまで、工程S314を繰り返す。
【0034】
タッチ操作記録方法300は、所定の周期(例えば、ホストHの表示画面のフレーム周期)毎に行ってよい。また、タッチセンシング装置100の使用要件に応じて、タッチ検出回路120は、タッチ操作記録方法300を有効/無効にするように構成されてよい。
【0035】
図4は、本発明の幾つかの実施例による電子機器400の模式図である。電子機器400は、例えば車載インフォテイメントディスプレイ、カーナビゲーション装置、及び/又はタッチ検出・表示機能を有する他の適切な電子機器であってよい。電子機器400は、タッチ検出機能を有するパネル410、タッチ検出回路420、及びホスト440を含む。タッチ検出機能を有するパネル410は、アレイ状に配列されたタッチセンサを有してよい。タッチ検出回路420は、パネル410を駆動してタッチセンシングを行うように、パネル410に結合される。ホスト440は、ユーザアプリケーションを処理するためのアプリケーションプロセッサ441を含む。アプリケーションプロセッサ441は、システムオンチップ(system on chip;SoC)、マイクロコントローラユニット、マイクロプロセッサ等であってよい。幾つかの代替実施例において、タッチ検出機能を有するパネル410は、タッチ表示パネルを形成するように、ホスト440における表示パネルと統合されてよい。幾つかの実施例において、タッチ検出回路420は、パネル410のタッチ検出駆動及びホスト440の表示駆動に用いられるタッチアンドディスプレイドライバー統合回路である。タッチ検出回路420は、次の操作、例えば、地図に現在地を表示したり、動画を再生したりするように、パネル410におけるタッチ操作に対応する座標をアプリケーションプロセッサ441に伝送することができる。アプリケーションプロセッサ441は、ホスト440に挿入された外部記憶媒体S2にアクセスすることもできる。外部記憶媒体S2は、電子機器400に着脱可能に挿入される。外部記憶媒体S2は、セキュアデジタル(secure digital;SD)メモリカード、transflash(TF)メモリカード、又はホスト440にサポートされ、且つアプリケーションプロセッサ441がアクセス(例えば、データ書き込み)するのに適する他の類似の記憶媒体であってよい。
【0036】
図5は、
図4のタッチ検出回路420とホスト440を模式的に示す機能ブロック図である。
図5に示すように、タッチ検出回路420は、アナログデジタル変換回路421、メモリ422、コントローラ423、及びデータ通信インターフェース424を含み、ホスト440は、アプリケーションプロセッサ441、データ通信インターフェース442、及びメモリ443を含む。
【0037】
アナログデジタル変換回路421は、パネル410におけるタッチ操作を検出し、且つ検出されたタッチ信号をタッチデータに変換するように構成される。メモリ422は、タッチデータ及び電子機器400にある任意のエラーイベントを記憶するように構成される。電子機器400におけるエラーイベントは、静電気放電イベント、システムリセットイベント、ノイズ干渉、パネル破損、タッチセンサオーペン、タッチセンサショート、温度異常、又はシステム電力異常を含むが、それらに限定されない。メモリ422は、揮発性メモリ、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、及び/又はそのようなものであってよい。コントローラ423は、対応するパネル410におけるタッチ操作の座標をタッチデータから算出するように構成される。コントローラ423は、例えば、マイクロコントローラユニット、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックコントローラ等であってよい。データ通信インターフェース424は、コントローラ423がホスト440と通信するための通信経路を提供するように構成される。幾つかの実施例において、
図2のタッチ検出回路120と同様に、タッチ検出回路420は、静電気放電検出回路425及び/又は温度センサ426を更に含む。
【0038】
ホスト440において、データ通信インターフェース442は、アプリケーションプロセッサ441がタッチ検出回路420と通信するための通信経路を提供するように構成される。データ通信インターフェース424、442のそれぞれは、例えば、集積回路間(inter integrated circuit;I2C)インターフェース又は他の適切なインターフェースであってよい。メモリ443は、タッチ検出回路420から伝送されたデータ、例えばタッチデータ及び電子機器400にある任意のエラーイベントを記憶するように構成される。同様に、メモリ443は、揮発性メモリ、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、及び/又はそのようなものであってよい。アプリケーションプロセッサ441は、メモリ443に記憶されたデータを収集するように構成される。電子機器400に何らかのエラーイベントがあれば、アプリケーションプロセッサ441は、エラーイベントを外部記憶媒体S2に書き込むことができる。幾つかの実施例において、アプリケーションプロセッサ441は、算出された座標を外部記憶媒体S2に書き込んでもよい。
【0039】
図6は、本発明の幾つかの実施例によるタッチ操作記録方法600のフローチャートである。タッチ操作記録方法600は、
図4に示す構成又は他の類似の構成に適用されてよい。以下、
図4に示す構成を例として説明する。工程S602において、タッチ検出回路420は、パネル410におけるタッチ操作、例えば人の指又はタッチペンの操作を検出するように構成される。工程S604において、タッチ検出回路420は、電子機器400に何らかのエラーイベントがあるか否かを判別する。電子機器400にエラーイベントがあれば、工程S606を行い、タッチ検出回路420がエラーイベントを記録する。逆に、電子機器400にエラーイベントがなければ、工程S608を行い、タッチ検出回路420は、対応するパネル410におけるタッチ操作の座標を算出し、続いて工程S610を行い、タッチ検出回路420は、パネル410の座標をホスト440に伝送し、それによりホスト440が座標を収集して、次の操作、例えば地図に現在地を表示したり、動画を再生したりする。
【0040】
エラーイベントを記録した後、工程S612を行い、タッチ検出回路420は、そのデータ通信インターフェース424がビジーであるか否かを検出する。データ通信インターフェース424がビジーである場合、工程S614を行い、所定の時間を待って、工程S612を繰り返す。逆に、データ通信インターフェース424がビジーではない(即ち、データ通信インターフェース424がアイドルである)場合、工程S616を行い、ホスト440がタッチ検出回路420からエラーイベントを収集し、続いて工程S618を行い、ホスト440がエラーイベントを外部記憶媒体S2に書き込む。データ通信インターフェース424がアイドルになるまで、工程S614を繰り返す。
【0041】
タッチ操作記録方法600は、所定の周期(例えば、ホスト440の表示画面のフレーム周期)毎に行ってよい。また、電子機器400の使用要件に応じて、タッチ検出回路420は、タッチ操作記録方法600を有効/無効にするように構成されてよい。
【0042】
本開示は、実施例に基づいて以上のように開示されたが、実施例は本開示を限定するものではなく、当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、よって、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に定義されたものを基準とする。
【符号の説明】
【0043】
100 タッチセンシング装置
110、410 パネル
120、420 タッチ検出回路
121、421 アナログデジタル変換回路
122、422、443 メモリ
123、423 コントローラ
124、424、442 データ通信インターフェース
125、425 静電気放電検出回路
126、426 温度センサ
130 プリント基板
300、600 タッチ操作記録方法
400 電子機器
440、H ホスト
441、A アプリケーションプロセッサ
S1、S2 外部記憶媒体
S302-S316、S602-S618 工程