(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065021
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】電極懸濁液の製造プロセス及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 4/139 20100101AFI20240507BHJP
B01F 27/1143 20220101ALI20240507BHJP
B01F 27/2322 20220101ALI20240507BHJP
B01F 27/722 20220101ALI20240507BHJP
B01F 27/723 20220101ALI20240507BHJP
B01F 23/53 20220101ALI20240507BHJP
B01F 35/213 20220101ALI20240507BHJP
B01F 35/214 20220101ALI20240507BHJP
B01F 35/221 20220101ALI20240507BHJP
B01F 35/82 20220101ALI20240507BHJP
【FI】
H01M4/139
B01F27/1143
B01F27/2322
B01F27/722
B01F27/723
B01F23/53
B01F35/213
B01F35/214
B01F35/221
B01F35/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023178193
(22)【出願日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】22204480
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ハイン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス フィードラー
(72)【発明者】
【氏名】アルノ クヴァーデ
(72)【発明者】
【氏名】マルセル ヴェーバー
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
4G078
5H050
【Fターム(参考)】
4G035AB46
4G035AE02
4G035AE13
4G037BA05
4G037BC03
4G037BD06
4G037BE02
4G037EA03
4G078AA03
4G078AA20
4G078AB01
4G078AB20
4G078BA01
4G078BA07
4G078DA09
4G078EA10
5H050AA19
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB03
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB12
5H050GA10
5H050GA29
5H050HA00
(57)【要約】
【課題】電極懸濁液を製造するプロセスを改善すること、特に目標品質の電極懸濁液の製造を保証し、棄却率を低減するプロセスを提供する。
【解決手段】電極懸濁液を製造するプロセス及び装置(1)について説明する。電極懸濁液の配合成分(A,B,C,D)が供給及び混合され、電極懸濁液が得られる。少なくとも1つの光学測定が、それぞれの場合において、紫外、可視及び/又は赤外の周波数範囲の少なくとも1つの部分領域にわたる電極懸濁液のスペクトルを検出することで、電極懸濁液に対して行われる。少なくとも1つの光学測定が評価される。電極懸濁液のさらなる処理は評価に応じて決まる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極懸濁液を製造するプロセスであって、
電極懸濁液(30;430)の配合成分(A,B,C,D)を供給するステップと、
前記配合成分(A,B,C,D)を混合して電極懸濁液(30;430)を得るステップと、
それぞれの場合において、紫外、可視及び/又は赤外の周波数範囲の少なくとも1つの部分領域にわたって前記電極懸濁液(30;430)のスペクトルを検出することで、前記電極懸濁液(30;430)の少なくとも1つの光学測定を実施するステップと、
前記少なくとも1つの光学測定を評価するステップと、
前記評価に応じて、前記電極懸濁液(30;430)をさらに処理するステップと、
を備えるプロセス。
【請求項2】
前記評価は、前記スペクトルから確認された色空間の少なくとも1つの色座標(L*,a*,b*)を用いて、特に前記スペクトルから確認された色軌跡を用いて行われることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
対応する目標色座標からの前記少なくとも1つの色座標(L*,a*,b*)の少なくとも1つの色の相違が確認され、前記少なくとも1つの色の相違に応じて前記電極懸濁液(30;430)のさらなる処理が行われることを特徴とする、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記電極懸濁液(30;430)は、特に押出機(2)によって連続的に製造されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記評価に応じて、特に押出機出口(8)における前記懸濁液の流れを偏向するための多方向スイッチ(11)が作動されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光学測定はインラインで、特に押出機出口(8)の領域で行われることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
複数の光学測定が異なる位置で行われることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
複数の光学測定が連続的に行われること、特に、前記光学測定が定期的に繰り返され、好ましくは本質的に連続的に行われることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記評価に応じて、特に、少なくとも1つの色座標(L*,a*,b*)に応じて、前記配合成分(A,B,C,D)の前記供給、及び/又は前記配合成分(A,B,C,D)の前記混合、特に押出機(2)のプロセスパラメータが、閉ループ制御によって制御されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記評価の結果、特に少なくとも1つの色座標(L*,a*,b*)が保存されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
電極懸濁液の製造のための装置であって
2つ以上の配合成分(A,B,C,D)を混合して電極懸濁液(30;430)を得る混合装置(2;402)と、
前記電極懸濁液(30;430)の少なくとも1つの光学測定を行うための少なくとも1つの測定装置(12)と、
前記少なくとも1つの光学測定を評価する評価ユニット(15)と、を有し、
前記少なくとも1つの測定装置(12)は、紫外、可視及び/又は赤外の周波数範囲の少なくとも1つの部分領域にわたる前記電極懸濁液(30;430)の連続スペクトルを検出するように設計されている、装置。
【請求項12】
前記混合装置(2)は押出機を有することを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光学測定の評価に応じて、特に押出機出口(8)における懸濁液の流れを偏向するための多方向スイッチ(11)を備えることを特徴とする、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの測定装置(12)は、前記混合装置(2;402)内及び/又は前記混合装置(2)の出口(8)、特に押出機出口(8)において前記電極懸濁液を分析するように設定されることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
異なる位置に配置された複数の測定装置(12)を備えることを特徴とする、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記混合装置(2;402)の開ループ制御及び/又は閉ループ制御のための、及び/又は前記少なくとも1つの光学測定の評価に応じた前記電極懸濁液(30;430)のさらなる処理のための制御ユニット(5)を備えることを特徴とする、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの測定装置(12)は、分光光度計を含むことを特徴とする、請求項11乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極懸濁液を製造するプロセスに関する。本発明はさらに、電極懸濁液の製造のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電極懸濁液は、例えばバッテリー及び/又はアキュムレータのようなガルバニックエネルギー貯蔵手段の製造に使用される。ここで電極懸濁液は、電極基材を被覆(コーティング)する役割を果たす。この点で、アノード懸濁液とカソード懸濁液を区別することができる。電極懸濁液は、電池懸濁液、電池スラリー、電極ペースト、又は触媒分散液とも呼ばれる。
【0003】
電極懸濁液を製造するためのプロセスは知られている。電極懸濁液の配合成分を混合して懸濁液を得る。異なる電極懸濁液、特にアノード懸濁液及びカソード懸濁液、並びに触媒分散液は、それぞれの配合成分の選択とその組成が異なる。現在、懸濁液は主にバッチ法で製造されている。
【0004】
電極懸濁液の品質にとって重要な要因は、特に、正しい成分の選択、その特性、例えば固体成分の粒径、その混合比及び/又は分散品質である。したがって、電極懸濁液をさらに処理する前、特に電極懸濁液で電極を被覆する前に、電極懸濁液を検証することは既知の手順である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電極懸濁液を製造するプロセスを改善することであり、特に、目標品質での電極懸濁液の製造を保証し、棄却率を低減するプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に規定されたステップを有するプロセスによって達成される。電極懸濁液の配合成分が提供され、混合されて電極懸濁液が得られる。少なくとも1つの光学測定が、それぞれの場合において、紫外線、可視光線及び/又は赤外線、特に近赤外線の周波数範囲の少なくとも1つの部分領域にわたって電極懸濁液のスペクトルを検出することによって、電極懸濁液に対して行われる。少なくとも1つの光学測定値が評価される。電極懸濁液のさらなる処理は、評価によって決まる。
【0007】
本発明に従って、少なくとも1つの光学測定の評価から、電極懸濁液の信頼できる特性評価が可能であることが認識されている。特に、少なくとも1つの光学測定及びその評価によって、1つ又は複数の配合成分の特性、配合成分の混合比、及び/又は分散品質が、効率的かつ確実に検証可能である。
【0008】
電極懸濁液のさらなる処理は、少なくとも1つの光学測定の評価に依存する。例えば、目標特性からの差異が認識された場合、特に品質が目標品質より低い又は高い場合、電極懸濁液は排出され、及び/又は、例えば更なる配合成分の添加及び/又はより長い期間の混合による処理に付され得る。目標特性、特に目標品質に十分に準拠した場合、電極懸濁液は特にさらなる処理工程に送ることができ、例えば電極基材のコーティングに使用することができる。
【0009】
有利には、少なくとも1つの光学測定は、電極懸濁液に対して直接行われる。例えば希釈及び/又は遠心分離による試料の排出及び/又は処理は必要ない。これにより、特に時間効率的で効果的な測定が可能になる。測定とその意義は、試料の処理に影響されない。
【0010】
少なくとも1つの光学測定の実行は特に有利である。スペクトルの分析には、電極懸濁液の関連特性、例えば配合成分、その混合比及び/又は分散品質を、単一の測定で確認できるという利点がある。これにより、電極懸濁液の効率的な検証が可能になる。特に、電極懸濁液の検証は、個々の機械的特性又はレオロジー特性に限定されない。
【0011】
さらに、光学測定は、電極懸濁液、特に懸濁液の流れに、たとえ有るとしても、ほとんど影響を与えないという利点もある。特に、懸濁液の流れに悪影響を及ぼす可能性のある、例えば粘度計による機械的測定及び/又はレオロジー測定を行うが必要ない。したがって、少なくとも1つの光学測定はインライン用途に特に適している。
【0012】
少なくとも1つの光学測定のさらなる利点は、その拡張性の容易さである。
【0013】
少なくとも1つの光学測定のさらなる利点は、特に機械的及び/又はレオロジー的測定と比較して、誤差が生じにくいことである。特に、機械的測定装置の損傷及び/又は汚れ、例えば、粘度計の回転部分の汚れや詰まりの結果としての測定の歪みが回避される。
【0014】
測定は、完成した電極懸濁液に対して、又は先行するプロセス工程で行うことができる。例えば、異なる配合成分を電極懸濁液に連続的に添加し、混合することが可能である。少なくとも1つの光学測定は、プロセスの異なる部分、特に中間体に対して、例えば個々の配合成分が混合された後に行うことができる。好ましくは、少なくとも1回の光学測定は、すべての関連する配合成分の供給及び混合に続いて行われる。異なるプロセス段階で、光学測定を行うことも可能である。このようにして、不正確な配合成分及び/又は混合比及び/又は分散品質及び/又は分離を初期段階で認識することが可能である。よって、棄却率が減少する。低品質の中間段階でのさらなる配合成分の添加が回避される。
【0015】
電極懸濁液の配合成分の供給及び混合は、それ自体公知である。特に、電極懸濁液、特に陽極(アノード)及び/又は陰極(カソード)懸濁液の製造に適した配合物が知られている。
【0016】
電極懸濁液のための既知の配合物は、特に、溶媒、少なくとも1つの導電性添加剤、少なくとも1つの電気化学的活性材料、及び/又は少なくとも1つの結合剤(バインダー)を含む。さらに、さらなる添加剤及び/又はプロセス助剤を加えることができる。
【0017】
好適な溶媒は、例えば、水、特に蒸留水、脱塩水、脱イオン水及び/又は完全脱塩水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及び/又はN-エチル-2-ピロリドン(NEP)、リン酸トリエチル(TEP)、イソプロパノール又はキシレンである。
【0018】
好適な導電性添加剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT及び/又はMWCNT)である。導電性添加剤は、特に固体粒子の形態である。種々の導電性添加剤は、特に固体粒子の粒径が異なっていてもよい。
【0019】
使用される電気化学的活性材料は、例えば、グラファイト、シリコン、シリコン複合材料、ニッケルマンガンコバルトリチウム酸化物、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムスピネル、リン酸鉄リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物、チタン酸リチウム、リチウムアルミニウム合金、リチウムマグネシウム合金、リチウムシリコン合金である、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、チタン酸リチウム酸化物、リチウムアルミニウム合金、リチウムマグネシウム合金、リチウムシリコン合金、リチウムスズ合金、リン酸鉄ナトリウム及び/又は六フッ化リン酸リチウムであってよい。電気化学的に活性な材料は、以下、活物質とも呼ばれる。活物質の割合は、電極懸濁液、特に負極懸濁液及び/又は正極懸濁液の種類に応じて選択することができる。例示的な負極懸濁液は、30質量%~70質量%の範囲の活物質の割合を有する。例示的な正極懸濁液は、50質量%~90質量%の範囲の活物質を含む。
【0020】
適切な結合剤(バインダー)は、例えば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸(PPA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及び/又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0021】
配合成分は、例えば、適切な混合機で、及び/又は連続的に、特に少なくとも1つの押出機を用いて混合することができる。
【0022】
少なくとも1つの光学測定は、透過配置及び/又は反射配置で行うことができる。好ましくは、少なくとも1つの光学測定は反射配置で行われる。特に、電極懸濁液の反射率が検出される。例えば、少なくとも1つの光学測定を実施するための測定装置は、分光計、特に分光光度計を備えることができる。測定装置、特に測定装置のセンサは、好ましくは標準化された照明によって、分析対象の周波数範囲の光を電極懸濁液中に放出できることが好ましく、そこから発生する二次放射、特に透過光及び/又は反射光、例えば反射放射を検出することができる。
【0023】
少なくとも1つの光学測定は、電極懸濁液のスペクトルを検出する。スペクトルは、1つ又は複数の周波数又は周波数帯域を含み得る。スペクトルは、好ましくは連続スペクトルである。スペクトルは、少なくとも紫外、可視及び/又は赤外、特に近赤外の周波数範囲の部分領域にわたって検出される。少なくとも可視光の部分領域を検出することが好ましく、特に可視光の全周波数範囲をカバーすることが好ましい。可視光は、特に約380nmから約780nmの波長範囲に相当する。検出されるスペクトルは、追加的又は代替的に、赤外範囲、特に近赤外範囲、特に780nmから3000nmまでの波長範囲、及び/又は紫外(UV)範囲、特に100nmから380nmまでの波長範囲に及ぶことがある。
【0024】
少なくとも1つの光学測定は、特に、検出された特定のスペクトル及び/又はそこから確認された少なくとも1つのパラメータを参照して評価される。例えば、少なくとも1つの光学測定をそれぞれの場合に個別に評価することが可能である。例えば、対応するスペクトル及び/又はそこから確認されたパラメータを互いに比較することによって、複数の光学測定を一括して評価することも可能である。例えば、異なる時間及び/又は位置で測定された2つのスペクトル、及び/又はそこから確認されたパラメータを互いに比較することが可能である。特に、時間経過に伴うスペクトル及び/又は少なくとも1つのパラメータの進行を確認することが可能である。これにより、特に電極懸濁液の変化、特にその組成の変化を早期に認識することができる。経時的な比較はまた、例えば開始プロセス及び/又はプロセスの終了時における、プロセスに固有の変動を認識することを可能にする。少なくとも1つの光学測定は、特に、それぞれのスペクトル及び/又はそれぞれの少なくとも1つのパラメータを、目標スペクトル及び/又は少なくとも1つの対応する目標パラメータと比較することによって、それぞれの場合に個別に評価することもできる。
【0025】
好ましくは、検出されたスペクトルの特性及び/又は少なくとも1つのパラメータの特性を、個々の配合成分及び/又はプロセスパラメータに割り当てることが可能である。例えば、スペクトル内の1つ以上のピークを特定の配合成分に割り当てることが可能である。ピークの高さ及び/又はピークの下の面積の変化は、それぞれの成分に関する変化、例えば電極懸濁液中の配合成分の割合の増加又は減少に割り当てることができる。さらに、又は代替的に、スペクトルの下の総面積を確認することも可能である。このようにして、光学測定に使用される周波数範囲において、検出された光、特に反射及び/又は透過された光の総強度を確認することが特に可能である。これにより、例えば、材料の光学密度、ひいては固体粒子、特にスス及び/又はグラファイト粒子の密度及び/又はサイズの結論を得ることができる。
【0026】
より好ましくは、評価はスペクトルから確認される少なくとも1つのパラメータを用いて行われる。色価(colour values)を用いた評価が特に適していることが分かっている。少なくとも1つの光学測定を用いて、電極懸濁液の色を決定することが特に可能である。例えば、少なくとも1つの光学測定によって、可視周波数範囲にわたるスペクトルを検出し、特に色価を決定するためにそれを評価することが可能である。本発明者らは、色を用いて電極懸濁液の目標特性を確認することが確実に可能であることを認識した。色の相違、特に個々の色座標の相違は、好ましくは個々の配合成分及び/又はプロセスパラメータに割り当てることができる。色価を用いた評価は、特に直感的で効率的である。
【0027】
少なくとも1つの光学測定の評価を用いて、電極懸濁液の製造における目標パラメータの遵守、特に電極懸濁液の品質を効率的かつ簡単に検証することができる。この評価により、他の予備試験とは独立した品質管理が可能になる。このようにして、特に1つ以上の品質基準によって電極懸濁液を評価することが可能である。評価を用いて電極懸濁液を異なる品質レベルに分類できることが好ましい。特に、電極懸濁液が目標品質を満たしているかどうかを確認することが可能である。品質が目標品質より低い又は高いことが判明した場合、電極懸濁液を簡単かつ効率的に排出することができる。少なくとも1つの光学測定を用いて、製造エラーを初期段階で検出することができる。これにより、棄却率が全体的に減少する。生産プロセスは、時間的、材料的、及び/又はエネルギー的に効率的である。
【0028】
請求項2に記載のプロセスにより、少なくとも1つの光学測定の特に直感的で信頼性の高い評価が可能になる。色空間は、カラーモデルで表現できるすべての色の総体である。基礎となるカラーモデルに応じて、色空間は特定の次元性、一般的には3次元又は4次元を有する。色軌跡は、特定の色が割り当てられる色空間内の点である。色軌跡は、色空間の次元に対応する色座標によって定義される。したがって、色軌跡とそれに対応する色座標は、少なくとも1つの光学測定で検出されたスペクトルから、特に、光学的光の全周波数範囲にわたって検出されたスペクトルから確認できるパラメータである。少なくとも1つの光学測定に基づいて、例えば、適切な色空間における少なくとも1つの色座標を、特に色軌跡の色座標を決定するための色評価が可能である。少なくとも1つの光学測定は、好ましくは色測定であってもよい。少なくとも1つの色座標、特に色軌跡は、特に、例えば分光光度計を用いた分光光度法によって決定することができる。
【0029】
本発明に従って、少なくとも1つの色座標、特に色軌跡の低次元表現において、色スペクトルにおける有意な情報を表現することが可能であることが認識された。少なくとも1つの色座標、特に色軌跡を用いた評価により、電極懸濁液の特性、特にその配合成分及び/又は混合比及び/又は分散品質に関して意味のある結論を導き出すことができる。例えば、異なる配合物、特に異なる配合成分及び/又は混合比は、少なくとも1つの色座標を用いて、電極懸濁液の色に対するそれぞれの影響によって区別することができる。特に、本発明者らは、個々の配合成分及び/又はプロセスパラメータが、異なる色座標に対して異なる影響を及ぼし、そのため、評価結果をそれぞれの配合成分及び/又はプロセスパラメータに割り当てることができることを認識している。これにより、簡単で直感的かつ効率的な評価が可能となる。評価は、例えば、色軌跡を目標色軌跡と比較することにより、視覚的に行うことができる。
【0030】
色軌跡を用いた評価は、特に、対応する色座標、特にこれらの色座標のうちの単一の色座標を用いた評価とすることができる。例えば、評価は、少なくとも1つの色座標を目標色座標と比較すること、及び/又は色軌跡を目標色軌跡と比較することによって行うことができる。
【0031】
特定のカラーモデルの選択、ひいては色空間の選択は、評価にとって重要ではない。原理的には、すべての適切な色空間、例えばRGB、CMY、CMYK、HSV、HSL、HSB、HSI及び/又はLab色空間を使用することが可能である。CIELAB色空間とも呼ばれるL*a*b*色空間が、特に適していることが分かっている。CIELAB色空間はEN ISO 11664-4で標準化されている。CIELAB色空間は、各色がデカルト座標L*、a*、b*を持つ色軌跡によって定義される3次元色空間である。a*b*座標平面は補色理論に基づいており、緑と赤がa*軸上で互いに対向し、青と黄がb*軸上で対向する。L*座標は明るさを表す。
【0032】
色測定の評価について、以下に例を挙げて説明する。例えば、複数の測定を連続して実施、及び/又は異なる位置で実施することが可能である。特に1つ又は複数の色座標の経時的な変化は、非定常状態のプロセスを示しており、例えば混合装置の始動、計量変動、計量不良、原料供給時におけるブリッジ形成、追加の脱気操作、及び/又は速度の変化に起因する。少なくとも1つの色座標の時間及び/又は空間において一定の値は、例えば始動終了後及び/又は電極懸濁液への配合成分の均質な取込み後の定常状態のプロセスを示す。少なくとも1つの色座標における変動、特に空間における変動により、分散品質に関する結論が得られる。
【0033】
色測定の評価に対する個々の配合成分の影響を、CIELAB色空間の例を用いて以下に説明する。b*色座標は特に、電極懸濁液中のバインダー成分の種類、量及び/又は配合に関する結論を可能にする。例えば、b*色座標の変化は、例えば計量変動によるバインダー含有量の変化を示すことができる。a*色座標は特に、電極懸濁液中の活物質、特にシリコンの種類、量及び/又は含有量に関する結論を可能にする。例えば、a*色座標の変化は、例えば計量変動による活物質の割合の変化、特にシリコン含有量の変化を示すことができる。L*色座標は特に、導電性添加剤、特に煤及び/又はグラファイトの割合及び/又は粒径に関する結論を導き出すために使用することができる。例えば、L*値の減少は、導電性添加剤の割合の増加を示す。導電性添加剤の割合が同じ場合、L*値の変化は粒子径の変化、特により小さい粒子径への変化を示すことができる。
【0034】
上記の例は、少なくとも1つの色座標を用いた少なくとも1つの光学測定の評価オプションと、そこから導き出される結論を説明することを意図している。上記の例は限定的に理解されるべきではない。対応する評価は、異なる色空間の少なくとも1つの色座標を使用して行うこともできる。特に、それぞれの色座標と配合成分及び/又はプロセスパラメータとの相関関係は、他の色空間についても定義することができる。例えば、測定の較正の場合、配合及び/又はプロセスの既知の変化に応じて、少なくとも1つの色座標の変化を決定することが可能である。
【0035】
請求項3に記載のプロセスは、特に正確かつ効率的である。色の相違(変動)により、簡単かつ正確な方法で、電極懸濁液の特性の定量化を検証することができる。色の相違は、特に各色座標について確認することができる。色軌跡全体の色の相違を決定することも可能である。例えば、色差、例えばΔE色差を決定することが可能である。ΔE色差は、例えばDIN EN ISO 11664-6に従って標準化されている。色の相違を用いて、目標色座標からの相違、特に目標色軌跡からの相違を定量化することが可能である。これにより、目標特性、特に目標品質からの各特性の相違を定量化することができる。
【0036】
色の相違、特に色座標ごとの色の相違に対して、1つ又は複数の境界を定義することが優先的に可能である。色の相違を少なくとも1つの境界値と比較することで、電極懸濁液の分類が可能になる。例えば、異なる品質レベル間の区別を可能にする境界値を定義することが可能である。境界値を下回れば、目標品質を満たしているとみなされる。色の相違が境界値を超えると、電極懸濁液は低品質と評価され、排出され得る。
【0037】
異なる品質レベルを区別するために、優先的に複数の境界(リミット)を定義することが可能である。例えば、2つの境界、特に色座標ごとに2つの境界を定義することが可能である。第1境界は、第1品質レベル(品質Q1)と第2品質レベル(品質Q2)とを区別することができる。第2境界は、第2品質レベルから第3品質レベル(品質Q3)を境界づけることができる。品質Q1の電極懸濁液はさらに直接処理することができるが、品質Q2の電極懸濁液は、再処理工程に送ることができ、そこでさらなる処理工程によって品質が改善される。品質Q3の電極懸濁液は、不合格品とみなされ、排出される。排出された電極懸濁液は、プロセスから完全に除去することができ、及び/又は、特に希釈された形態で、出発材料としてプロセスに供給することができる。
【0038】
目標値及び/又は境界値は、好ましくは、配合及び/又はプロセスに応じた方法で定めることができる。例えば、目標値及び/又は境界値は、それぞれの配合及び/又はそれぞれのプロセスについての利用可能なデータ及び/又は較正測定値によって決定することができる。特に、目標値及び/又は境界値を決定するために、以前の製造バッチからのデータ及び/又は較正測定からのデータを用いて統計値を導出することができる。例えば、平均は、目標値及び/又は分布の広がり(例えば3シグマ又は6シグマ)として使用でき、許容範囲、特に境界値として使用することができる。例えば、特に品質Q1とQ2の間の第1境界値は3シグマで選択することができ、特に品質Q2とQ3の間の第2境界値は6シグマで選択することができる。
【0039】
請求項4に記載のプロセスは、特に効率的かつ経済的である。電極懸濁液の連続生産は、標準的なバッチ法の欠点、特にバッチ量が少ないこと、個々のバッチ間の品質変動の増大、及び複数のバッチラインの場合に必要とされる大量のスペースを克服する。少なくとも1つの光学測定は、特に、測定が電極懸濁液に対して直接行われ、分岐されたサンプル及び/又は処理されたサンプルに対して行われないので、電極懸濁液の連続生産に特に適している。さらに、少なくとも1つの光学測定及びその評価は、製造プロセスに応じて容易に拡張可能である。これにより、連続製造プロセスの信頼性の高い、特に本質的に連続的な検証が可能になる。
【0040】
電極懸濁液の連続生産は、特に少なくとも1台の押出機で可能である。原理的には、電極懸濁液の連続生産のために任意の押出機を使用することが可能である。押出機の種類、構成及び/又は運転方法は、特に、製造される電極懸濁液に応じて選択することができる。例えば、共回転、異方向(逆回転)、緊密な噛み合い、非緊密な噛み合い及び/又は円錐の押出機を使用することが可能である。押出機は、1本、2本又はそれ以上のシャフトを有することができる。押出機は、好ましくは多軸押出機として設計され、特に共回転二軸押出機として設計される。連続生産は、好ましくは、共回転、緊密な噛み合い二軸押出機又は二軸スクリュー押出機を用いて行うことができる。共混練機を使用することも可能である。少なくとも1つの押出機は、モジュール構造であってもよく、押出機のプロセス部分に沿った複数の点で固体又は液体の形態で個々の配合成分を添加することを可能にする。少なくとも1つの押出機は、空気及び/又は低分子成分の脱ガス、特に大気及び/又は真空支援脱ガスを可能にすることができる。少なくとも1つの押出機における製造プロセスは、電極懸濁液の酸化を防止するため、及び/又はATEXの要求を満たすために、プロセスガス、特に不活性ガスで覆ってもよい。
【0041】
押出機は、例えば、10mm~250mm、特に12mm~133mmの範囲のスクリュー直径SDを有することができる。押出機のスクリュー長さSLとスクリュー直径SDとの比(L/D比とも呼ばれる)は、例えば、25~70の範囲、特に40~52の範囲であってよい。
【0042】
請求項5に記載のプロセスは、特に効率的かつ経済的である。特に、品質基準、特に目標品質の達成に応じて懸濁液の流れを変更することが可能である。例えば、必要に応じて、品質要求を満たさない電極懸濁液を排出できるように、二方向スイッチを作動させることが可能である。品質要求を満たす電極懸濁液は、特に、多方向スイッチを経由して、さらなる処理ステーション及び/又はバッファサイロに直接送ることができる。三方向スイッチ又は多方向スイッチを作動させることも可能である。特に、懸濁液の流れは、それぞれの品質レベルに応じて変更することができる。
【0043】
請求項6によるプロセスは、特に経済的であり、低い棄却率を可能にする。インライン測定は、製造プロセスの過程で直接実施することができる。不都合なサンプリング及び/又はサンプル処理が回避される。これにより、短い反応時間が可能になる。測定は、好ましくは混合装置の領域、例えばミキサー内で行われる。電極懸濁液は、好ましくは混合操作中に検証することができる。連続プロセスでは、少なくとも1つの光学測定は、特に押出機出口の領域で行うことができる。光学測定は、押出機出口の上流及び/又は下流、特に、配合成分が既に混合されて電極懸濁液が得られる押出機出口の十分に近くで実施することができる。例えば、少なくとも1つの光学測定は、作動させる多方向スイッチの上流で行うことができる。この場合、目標特性、特に目標品質からの相違が測定されると、スイッチへの懸濁液の流動時間を考慮することなく、多方向スイッチを作動させることができる。このようにして、目標特性からの相違、例えば品質の変動に迅速かつ効率的に対応することができる。
【0044】
請求項7に記載のプロセスは、製造される電極懸濁液の特に正確かつ信頼性の高い検証を可能にする。異なる位置での複数の光学測定は、連続製造プロセスに特に有利である。これは、有利には、搬送ゾーンに沿って目標特性を追跡することを可能にする。例えば、パイプライン及び/又はバッファサイロ内の、懸濁液の流れにおける分離プロセスを検出することが可能である。連続生産プロセスにおける異なる位置での複数の光学測定は、さらに、生産プラントを通って搬送される懸濁液の流れを経時的に監視できるという利点を有する。例えば、押出機の領域、特にプロセスセクション及び/又は押出機出口の領域における光学測定は、パイプラインの領域及び/又はバッファサイロの上流及び/又は下流において可能である。このようにして、特にパイプライン内及び/又はバッファサイロ内で、混合後の分離プロセスを追跡することが可能である。電極懸濁液又は懸濁液流の異なる深さで複数の測定を行うこともできる。例えば、懸濁液流中の異なる深さまで浸漬されたセンサを有する複数の測定装置を、例えば押出機の出口の領域、バッファサイロの領域及び/又はパイプラインの領域に設けることができる。
【0045】
混合装置内の異なる位置で測定することも可能である。例えば、プロセスセクション及び/又は押出機出力に沿った分散品質を追跡するために、押出機内の異なる位置で測定することが可能である。異なる位置での測定はバッチ方式にも有利である。例えば、混合装置内の異なる位置での測定が可能である。異なる位置での測定値を比較することにより、異なる点での分散品質を確認及び/又は比較することが可能である。例えば、電極懸濁液の均一性を検証することが可能である。このようにして、特に、バッチ式プロセスにおける混合操作の結果を決定することができる。
【0046】
請求項8に記載のプロセスは、特に正確で信頼性が高い。連続して実施される複数の光学測定は、個々に評価してもよいし、まとめて評価してもよい。例えば、連続して実施された複数の光学測定を互いに比較することが可能である。特に、連続して測定されたスペクトル及び/又はそれぞれ確認されたパラメータ、特に少なくとも1つの色座標を互いに比較することができる。このようにして、経時的な影響、特に分離プロセス及び/又は生産プラントの始動又は停止を確認することができる。また、連続して実施された各光学測定を個別に評価することも可能である。例えば、それぞれ確認されたスペクトル及び/又はそこから確認されたパラメータ、特に少なくとも1つの色座標を、対応する目標パラメータ、特に目標色座標と比較することができる。このようにして、目標特性、特に目標品質への適合を異なる時点で確認することができる。さらに、検証された特性の経時変化を確認し、文書化することができる。
【0047】
光学測定を繰り返し行うことで、特に反応時間が短いという利点がある。光学測定は、好ましくは定期的に繰り返され、好ましく本質的に連続的に実施される。このようにして、目標特性、特に目標品質からの相違に迅速かつ効率的に対応することが可能となる。これは、連続生産プロセスにとって特に有利であると分かっている。本質的に連続的な測定は、特に棄却率を低減することを可能にする。
【0048】
繰り返される光学測定、特に光学測定の本質的に連続的な実行は、特に生産プロセスの少なくとも1つの時間間隔で行うことができる。例えば、繰り返し測定は、プラント、特に混合装置、例えば押出機の始動中に行うことができる。このようにして、始動プロセスを監視し、始動時間を正確に決定することができる。特に、電極懸濁液が少なくとも1つのそれぞれの目標特性を満足する分岐点を決定することが可能である。プロセス期間全体にわたって繰り返される測定、特に本質的に連続測定が好ましい。電極懸濁液の特性、特に品質の経時変化を検出し、追跡することができる。このようにして、特に補充制限及び/又は計量制御の組合せにおける、計量不良、計量変化、バッチ変動、及び/又は他のプロセスパラメータ、例えば処理量、プロセス温度及び/又は速度の変動を検出することが可能である。
【0049】
特にバッチ式プロセスでは、光学測定の繰り返し実行、特に本質的に連続的な光学測定を、個々のプロセスステップの検証に有利に使用することが可能である。例えば、パラメータの変化、特に色座標の変化は、それぞれのプロセスステップ、例えば2つ以上の配合成分の混合が、まだ不完全であることを示すことができる。経時的に一定のパラメータ、特に色座標は、各プロセスステップの終了を示すことができる。
【0050】
請求項9に記載のプロセスは、特に効率的かつ経済的である。閉ループ制御は、特に低い棄却率で安定したプロセスをもたらすことができる。目標特性、特に目標品質からの認識された差異は、特に効果的かつ効率的に打ち消すことができる。反応時間は短い。
【0051】
配合成分の供給の閉ループ制御は、特に、配合成分の計量の閉ループ制御を含んでもよい。例えば、異なる配合成分の計量添加は、評価に基づいて変更することができる。加えて又は代替的に、更なるプロセスパラメータ、特に混合時間及び/又は攪拌システムの速度が、閉ループ制御によって制御されてもよい。連続プロセスの場合、閉ループ制御によって押出機のプロセスパラメータ、例えば速度、温度、特にハウジング及び/又は懸濁液の温度、及び/又は押出機の処理量を制御することが特に可能である。
【0052】
閉ループ制御は、好ましくは自動的に、特に完全に自動的に行われる。例えば、機械学習法、特にニューラルネットワークを使用して、少なくとも1つの光学測定の評価に応じて、対応する閉ループ制御手段を実行することが可能である。好ましくは、閉ループ制御は、少なくとも1つの色座標、特に色軌跡の評価に応じて行われる。少なくとも1つの色座標の評価には、特にスペクトルの評価よりも、次元が低いという利点がある。色空間が使用される場合のパラメータ空間が小さくなるため、特に機械学習に基づく自動閉ループ制御メカニズムを効率的かつ的を絞った使用することができる。色空間の色座標及び/又はさらなるプロセスパラメータに基づくAIアルゴリズムのトレーニングが効率的に可能である。例えば、配合成分、その混合比、及び/又は混合操作、特に押出機のプロセスパラメータを変化させながら、少なくとも1つのパラメータ、特に少なくとも1つの色座標を測定することによって学習データを生成することが可能である。
【0053】
請求項10に記載のプロセスは、特に正確かつ効率的である。評価結果の保存は、電極懸濁液の特性、特に品質の追跡及び監視を可能にする。特に、その後のあらゆる問題の追跡も可能である。評価結果は、好ましくは継続的に保存される。
【0054】
好ましくは、さらなるプロセスパラメータも保存される。例えば、供給された配合成分の種類及び/又は投与量を保存することが可能である。さらに、特に押出機における、混合操作からのプロセスパラメータを保存することが可能である。このようにして、プロセスパラメータの変化を使用して、変化した測定結果、特に少なくとも1つの色座標に関する結論を導き出すことができる。測定結果の変化は、プロセスパラメータの変化に応じて、特に滞留時間及び/又は搬送時間を考慮して評価することができる。そこから得られた知見は、生産プロセスのさらなる最適化のために、特に生産プロセスの閉ループ制御のさらなる最適化のために使用することができる。特に、生産プロセスの閉ループ制御は、以前に保存された評価結果及び/又はプロセスパラメータ、特にそれとの比較に基づいて可能である。保存された評価結果及び/又は更なるプロセスパラメータは、特に、生産プロセスの閉ループ制御のための機械学習法を訓練するための訓練データとして使用してもよい。
【0055】
本発明のさらなる目的は、電極懸濁液を製造する装置を改良することである。
【0056】
この目的は、請求項11に規定された特徴を有する装置によって達成される。この装置は、複数の配合成分を混合して電極懸濁液を得るための混合装置と、電極懸濁液に対して少なくとも1つの光学測定を実行するための少なくとも1つの測定装置と、少なくとも1つの光学測定を評価するための評価ユニットとを有する。少なくとも1つの測定装置は、紫外線、可視光線及び/又は赤外線、特に近赤外線の周波数領域の少なくとも部分領域にわたる電極懸濁液の連続スペクトルを検出するように設計されている。その装置、特に評価ユニットは、上記プロセスを実行するように特に設計されている。その装置は、プロセスに関連して記載された利点を有する。その装置及びその構成要素は、プロセスに関連して上記した個々の又は複数の有利な特徴を有することができる。
【0057】
少なくとも1つの測定装置は、特に分光計、好ましくは分光光度計を有する。これにより、スペクトルから少なくとも1つの色座標、特に色軌跡を確認することができる。評価ユニットは、少なくとも1つの色座標、特に色軌跡に基づいて評価を行うように特に設計されている。
【0058】
少なくとも1つの測定装置は、例えば測定プローブの形態のセンサを有してもよい。測定装置は、好ましくは、電極懸濁液がその周囲を、特に測定装置のセンサの周囲を少なくとも部分的に流れるように配置される。電極懸濁液のスペクトルは、好ましくは直接、特に歪みのない方法で検出される。これにより、特に正確な測定、特に色測定が可能になる。
【0059】
本装置は、少なくとも1つの配合成分を計量添加するための少なくとも1つの計量装置を含むことができる。本装置は、好ましくは、異なる配合成分のための2つ以上の計量装置を有する。計量装置は、特に、重量式及び/又は容量式計量装置であってもよい。
【0060】
請求項12に記載の装置は、電極懸濁液の特に経済的な製造を可能にする。混合装置は、特に押出機であってもよいし、押出機を備えてもよい。押出機は、電極懸濁液の連続生産に特に適している。特に、電極懸濁液は、例えば適切なパイプラインを介して、電極懸濁液をさらに処理するために押出機からさらなる処理ステーションに直接搬送することができる。押出機と下流の処理ステーションとの間に1つ以上のバッファサイロを配置することも可能である。電極懸濁液は、バッファサイロ内で中間貯蔵及び/又は処理されてもよい。
【0061】
押出機は、特に多軸押出機であり、好ましくは共回転多軸押出機である。多軸押出機は、特に二軸押出機又は二軸スクリュー押出機として設計されている。
【0062】
請求項13に記載の多方向スイッチは、電極懸濁液の特に経済的な製造を可能にする。特に、棄却率が低減する。例えば、多方向スイッチを用いて、目標特性、特に目標品質からの差異が検出された電極懸濁液のみを排出することが可能である。
【0063】
請求項14に記載の装置は特に経済的である。特に、測定はインラインで行うことができる。サンプリング及び/又は試料処理が不要である。少なくとも1つの測定装置を用いて、混合操作の間及び/又は後に、分散品質、特に電極懸濁液の均質性を確認することも特に可能である。
【0064】
請求項15に記載の装置は、電極懸濁液の特に正確な検証を可能にする。異なる位置に配置された測定装置により、例えばパイプライン又はバッファサイロ内の混合プロセスなどの局所的な影響を検出することができる。複数の測定装置を混合装置内、特にバッチ式プロセスで操作される混合装置内の異なる位置に配置することも可能である。これにより、懸濁液特性、特に分散品質の均一性を確認することが可能になる。
【0065】
請求項16に記載の装置は、特に効率的かつ経済的である。制御ユニットを用いて、電極懸濁液の目標特性の認識された不一致に対して短い反応時間で反応することが可能である。
【0066】
制御ユニットは、特に、評価ユニットと共に一部品設計を有してもよく、及び/又は評価ユニットを備えてもよい。制御ユニットはまた、特に様々な制御モジュールを備える、多部品設計を有してもよい。例えば、制御ユニットは、押出機を作動させるための押出機制御装置を有してもよい。
【0067】
本装置は、好ましくは、少なくとも1つの光学測定及び/又はさらなるプロセスパラメータの評価に応じて生産プロセスを制御するための閉ループ制御ユニットを有する。閉ループ制御ユニットは、例えば、測定結果及び/又は更なるプロセスパラメータに基づいて、プラント、特に混合装置の閉ループ制御のための制御コマンドを与えることができる。閉ループ制御ユニットは、好ましくは、以前に保存された測定結果及び/又はプロセスデータを閉ループ制御プロセスに組み込むこともできる。閉ループ制御ユニットは、例えば、制御ユニット、特に押出機制御装置に統合することができる。閉ループ制御ユニットが、プラント、特に混合装置を作動させるための制御ユニットに制御コマンドを転送することも可能である。
【0068】
請求項17に記載の装置は特に有利である。特に、分光光度計を含む測定装置は、電極懸濁液の色の決定に適している。このようにして、少なくとも1つの色座標、特に色軌跡に基づく評価が、より簡単な方法で可能になる。
【0069】
本発明のさらなる特徴、利点及び詳細は、以下の実施例及び添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】電極懸濁液上で少なくとも1つの光学測定を行うための測定装置を有する、電極懸濁液を製造するための装置の概略図である。
【
図2】少なくとも1つの光学測定によって決定された、電極懸濁液の異なる配合について、少なくとも1つの光学測定によって確認された例示的な色座標の時間経過を示す図である。
【
図3】プロセスの開始と終了の間における、少なくとも1つの光学測定によって確認された電極懸濁液の例示的な色座標の時間経過を示す図である。
【
図4】生産プロセス中に少なくとも1つの光学測定によって確認された例示的な色座標の時間経過を示す図である。
【
図5】異なる押出機速度についての少なくとも1つの光学測定によって確認された例示的な色座標をプロットした図である。
【
図6】異なる粒子サイズについての少なくとも1つの光学測定によって確認された例示的な色座標をプロットした図である。
【
図7】電極懸濁液を製造するための装置のさらなる実施例の概略図である。
【
図8】電極懸濁液を製造するための装置のさらなる実施例の概略図である。
【
図9】電極懸濁液を製造するための装置のさらなる実施例の概略図である。
【
図10】配合成分の添加中にバッチ方式で電極懸濁液を製造するための装置のさらなる実施例の概略図である。
【
図11】配合成分を混合中の
図9による装置を示す図である。
【
図12】配合成分を十分に混合して電極懸濁液を生成した後の
図9による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、電極懸濁液を製造するための装置1の第1実施例を示している。装置1は、押出機2の形態の混合装置を有する。押出機2は、多軸押出機又は二軸押出機として設計されている。押出機2は、共回転、すなわち同じ回転方向に回転駆動される2つの押出スクリュー3を有する。押出機2は、例えば、共回転で、緊密に噛み合う二軸押出機である。
図1に示す押出スクリュー3の構成は、単なる例示である。適切な電極懸濁液を製造するために、当業者は適切な押出機の構成及び押出機スクリュー構成を選択することができる。押出スクリュー3は、押出機駆動装置4によって駆動される。押出機駆動装置4は、特に、モータ、カップリング及びトランスミッションを有する。押出機駆動装置4は、押出機制御装置5を介して作動可能である。押出機制御装置5は、開ループ制御及び/又は閉ループ制御の下で、押出機のプロセスパラメータ、特に速度、処理量、及び/又は温度、特にハウジング温度を制御する。
【0072】
装置1は、配合成分A,B,C,Dを計量添加するための計量装置6を有する。計量装置6は、押出スクリュー3に沿って配置されている。異なる配合成分A,B,C,Dが異なるポイントで押出機2に導入される。配合成分A,B,C,Dは、電極懸濁液の個々の成分、例えば溶媒、活物質、導電性添加剤、及び/又は結合剤(バインダー)に対応することができる。また、
図1に示すもののうち、少なくとも個々の配合成分A,B,C,Dは、これらのうちの個々の成分又は複数の成分の混合物であってもよい。計量装置6は、例えば、重量計量装置及び/又は体積計量装置であってもよい。様々な配合成分A,B,C,Dに対して、特にそれぞれの配合成分A,B,C,Dの物質の状態(固体、液体、気体)に応じて、異なる計量装置6を提供することも可能である。
【0073】
配合成分A,B,C,Dは、計量装置6を用いて供給され、押出機2を用いて混合され、電極懸濁液が得られる。配合成分A,B,C,D及び得られた電極懸濁液は、押出スクリュー3の回転により、搬送方向7に搬送される。搬送方向7の端部には、エンドプレート10及び押出機出口8が配置されている。電極懸濁液は押出機出口8を通って搬送される。
【0074】
押出機2は脱気ユニット9を備えている。脱気ユニット9は、例えば、大気脱気用又は真空脱気用に設計されている。脱気ユニット9により、電極懸濁液の空気及び/又は低分子量成分を脱気することができる。
【0075】
押出機出口8に配置された多方向弁11は、電極懸濁液の懸濁流を分流させるために使用することができる。
図1に示す実施例では、多方向弁11は三方弁である。電極懸濁液は、電極懸濁液の品質に応じて、多方向弁11から異なる出口に向けることができる。これを
図1の矢印Q1又はQ2によって概略的に示されている。品質が目標品質を下回る場合、電極懸濁液は排出され、例えば、特に収集容器に流される。目標品質を達成した場合、電極懸濁液は、例えばバッファサイロ内に、及び/又は電極懸濁液のさらなる処理のためにさらなる処理ステーションに直接導出することができる。
【0076】
電極懸濁液の品質を検証するために、装置1は測定装置12を有する。測定装置12はセンサ13を有する。センサ13は、測定プローブとして構成され、押出機出口8の領域に配置される。センサ13は、電極懸濁液が少なくともその端部の周囲を流れるように、押出機出口8の領域に配置される。センサ13は、電極懸濁液に光を入射し、電極懸濁液から発せられる反射放射を受け取るように機能する。
【0077】
センサ13は、測定装置の測定ユニット14と信号接続されている。測定ユニット14は、分光光度計を有する。分光光度計を用いて、電極懸濁液のスペクトルが、検出された反射放射から検出される。検出されるスペクトルは、紫外光、可視光及び赤外光、特に近赤外光の少なくとも部分(サブ)領域、特に可視光の全周波数領域をカバーする。分光光度計は、検出されたスペクトルを使用して、電極懸濁液の色を決定する。この目的のために、分光光度計は、適切な色空間において、対応する色軌跡と関連する色座標を決定する。色空間の選択は重要ではない。CIELAB色空間が特に適していることが分かっている。これは色座標L*、a*、b*を有する。色座標は測定データMである。他の実施例では、測定データは、追加的又は代替的に、検出されたスペクトル及び/又はそこから得られる他のパラメータも含むことができる。測定データMから、特に色座標から、個々のプロセスパラメータ及び/又は配合成分及び/又はそれらの混合比及び/又は分散品質に関する結論を引き出すことが可能である。
【0078】
測定装置12は、電極懸濁液の連続的な検証のために設計されている。これにより、電極懸濁液が目標特性、特に目標品質から逸脱している可能性を早期に認識することができる。
【0079】
測定装置12によって確認された測定データMは、評価ユニット15に送信される。図示の実施例では、評価ユニット15は押出機制御装置5に組み込まれている。他の実施例では、測定装置自体が、例えば評価ユニットとして機能する。その場合、別個の評価ユニットは必要ない。また、様々な評価ステップを異なる装置で実施することも可能である。
【0080】
押出機2に沿った計量装置6の位置が異なるため、計量された配合成分A、B、C、Dのそれぞれは、測定装置12のセンサ13を通過するまでのプロセスにおいて異なる滞留時間を有する。これらはまず、それぞれの配合成分A、B、C、Dを押出機に導入するための計量時間ti(i=A、B、C、D)である。さらに、押出機内でのそれぞれの搬送時間Ti(i=A、B、C、D)がある。計量時間Tiと搬送時間Tiを
図1に概略的に示す。配合成分A、B、C、Dの合計滞留時間は、合計でti+Tiになる。配合成分A、B、C、Dのいずれかの計量添加の変化及び/又は計量添加の失敗は、それぞれの滞留時間ti+Tiの後に、測定装置12を用いて検出することができる。
【0081】
測定装置12を利用して、電極懸濁液は、押出機出口の領域で検証される。他の実施例では、他の位置、例えばエンドプレートの領域で検証することもできる。複数の測定装置12及び/又は複数のセンサ13を異なる位置で使用することも可能である。
【0082】
測定データMの評価を利用して、電極懸濁液の品質を判断することができる。特に、電極懸濁液の品質は定量化可能である。例えば、電極懸濁液は、測定データの評価、特に目標品質が満たされているか(規格内品)、満たされていないか(規格外品)に応じて、異なる品質クラスに分類することができる。
【0083】
制御データVは押出機制御装置5から多方向弁11の弁制御装置16に送信される。他の実施例では、バルブ制御装置を押出機制御装置に統合することもできる。例えば、押出機制御装置5は多方向弁11を直接作動させることができる。評価、特に確認された品質レベルに応じて、多方向弁11は懸濁液の自動偏向のために作動される。その結果、品質が目標品質を下回る場合、不必要な不合格を避けるために電極懸濁液を排出することができる。
【0084】
測定データM、評価結果、及び/又は他のプロセスパラメータは、プロセスデータPとしてデータ記憶媒体17に送信され、そこに保存される。その結果、プロセスデータP、特に品質の変化は、追跡可能であり、監視可能である。保存されたプロセスデータPを使用して、品質問題を追跡することができる。保存は、光学測定の実行と同様に、本質的に連続的であり得る。十分な追跡を保証するために、例えば、1秒に1回、1分に1回、1時間に1回、1日に1回など、自由に調整可能な固定時間間隔で、及び/又は変化時に保存を行うことも可能である。保存間隔は、異なるデータセットに対して予め設定することができる。保存は、追加的に又は代替的に、例えば生産上の問題が認識された場合に、手動でトリガーすることもできる。可能な保存間隔は、例えば1秒から1日の間、特に1秒、30秒、1分、5分、1時間及び/又は1日の間である。
【0085】
データ記憶媒体17は、例えば、サーバの一部であってもよい。データ記憶媒体17としてクラウドを使用することも可能である。データ記憶媒体は、特に、ERPシステム(ERP(企業資源計画):Enterprise Resource Planning)、MESシステム(MES(製造実行システム):Manufacturing Execution System)及び/又はSCADAシステム(SCADA(監視制御システム):Supervisory Control and Data Acquisition)の一部であってもよい。
【0086】
プロセスデータPは、さらに、閉ループ制御ユニット18に送られる。さらに、又は代替的に、閉ループ制御ユニット18は、データ記憶媒体17に記憶された履歴プロセスデータHを受信することもできる。閉ループ制御ユニット18は、プロセスデータP及び/又は履歴プロセスデータHに基づいて、閉ループ制御パラメータRを決定する。プロセスデータP及び/又は履歴プロセスデータHに応じて、押出機2及び/又は計量装置6の対応する作動のために、閉ループ制御コマンドRが押出機制御装置5に送信される。閉ループ制御ユニット18は、確認されたプロセスパラメータP、特にそこに含まれる測定データMの評価結果、及び/又は測定データM自体の評価結果に基づいて、配合成分A、B、C、Dの供給、及び/又は押出機における混合操作の閉ループ制御を可能にする。
【0087】
閉ループ制御ユニット18は、
図1に概略的に示される実施例では、押出機制御装置5の外部に示されている。例えば、閉ループ制御ユニット18は、サーバ及び/又はクラウドシステムの一部であってもよい。図示されていない他の実施例では、閉ループ制御ユニットは、押出機制御装置及び/又は評価ユニットの一部であってもよい。
【0088】
閉ループ制御ユニット18は、プロセスパラメータP及び/又は履歴プロセスパラメータHに基づいて閉ループ制御コマンドRを決定するために、好ましくは機械学習、特にニューラルネットワークに基づく閉ループ制御アルゴリズムを特に実行することができる。このような場合、履歴プロセスパラメータHを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングできる。これにより、閉ループ制御ユニット18を利用して、実装された閉ループ制御システムをさらに最適化することが可能になる。
【0089】
図示されていない他の実施例では、プロセスデータP、特に測定データMに基づく生産プロセスの閉ループ制御は無い。例えば、目標品質からの差異が検出された場合、これを、例えば測定装置12の制御パネル、押出機制御装置5の制御パネル、及び/又は制御室の制御パネル上で、システムの使用者に表示することができる。検出された相違に応じて、対応する対策を講じることが可能である。
【0090】
以下、光学測定とその評価について詳細に説明する。測定データMの評価については、例えば、事前に把握した測定データMと比較することができる。このようにして、測定によって決定可能な懸濁特性の時間的変動を簡単な方法で確認することができる。変動は、例えば、装置1の押出機2の始動時に起こり得るような不安定なプロセスから生じる可能性がある。追加的に又は代替的に、測定データMを、定義された対応する目標パラメータ、特に目標色軌跡及び/又は目標色座標と比較することが可能である。特に、対応する目標パラメータ、特に目標色座標から分散、特に色分散を決定することが可能である。確認された分散を用いて、決定される電極懸濁液の特性が定量化可能である。特に、電極懸濁液の品質は定量化可能である。例えば、電極懸濁液は、測定データの評価、特に目標品質が満たされているか(規格内品)、満たされていないか(規格外品)に応じて、異なる品質クラスに分類することができる。
【0091】
確認された色座標を参照した評価は、
図2から
図5を参照して例として説明される。本発明者らは、色軌跡、特に色座標を参照することにより、それぞれの配合成分、その混合比、分散品質、更なるプロセスパラメータ及び/又はその変化について信頼できる結論を導き出すことが可能であることを認識した。特に、異なる配合は、異なる色座、特に異なる色座標に対して顕著であることが見出されている。したがって、色座標を参照して、異なる配合、特にそれぞれの配合成分の異なる割合を認識すること、特に決定することが可能である。
【0092】
色座標に対する配合の影響を、例として
図2に示す。
図2では、電極懸濁液の異なる配合物E1、E2、E3の色座標L*、a*、b*が時間tに対してプロットされている。より分かり易くするために、色座標L*、a*、b*は、それぞれ正規化された形式でy軸上にプロットされている。
図2から明らかなように、異なる配合物E1、E2、E3の色座標は異なっている。異なる配合物E1、E2、E3は、少なくとも1つの光学測定によって相互に区別可能である。
【0093】
図2に示す例では、個々の配合物E1、E2、E3の色座標L*、a*、b*は、時間tにわたって変化していない。これは、プロセス変動のない安定した生産プロセスを示している。
【0094】
測定データMの変化、特に色座標の変化は、配合の変化、プロセスの変化及び/又は不安定なプロセスを示す。例えば、色座標の変化、特にその変化は、異なるプロセスステップ又はプロセス間隔を区別するために使用することができる。例えば、プロセスの開始、安定したプロセス、及びプロセスの終了を区別することが可能である。安定したプロセスは、例として
図2に示されている。
【0095】
図3は、スタートアップと呼ばれるプロセス開始時とプロセス終了時の時間tに対する色座標L*を示している。時刻t
0にて、装置1、特に押出機2のスイッチが入れられる。t
1にて、計量装置のスイッチが入り、配合成分A、B、C、Dが計量される。一定の時間遅れで、時間tに伴う色座標L*の変化が始まる。色座標L*は開始値L*
0から変化し、所望の配合に対応する目標値L*
1に近づく。時間t
2にて、目標値L*
1に到達する。その後のプラトーは、プロセスが安定して稼動していることを示し、したがってプロセスの立ち上げが完了したことを示している。
【0096】
t3にて、計量装置6のスイッチが切られる。これによりプロセスの終了が開始される。t4にて、押出機2が空になるまで、色座標L*は目標値L*1から変化する。時刻t5にて、機械は停止される。
【0097】
図4では、それぞれ正規化された形式の色座標L*、a*、b*が、時間tに対してプロットされている。
図4は、生産プロセスにおける様々な可能性のあるプロセス変化又はプロセス変動と、それが色座標に及ぼす影響を示している。
図4から、測定データの変化を利用して、個々のプロセス変化及び/又は対応する生産上の欠陥に関する結論を導き出すことができることが明らかである。
【0098】
図4の時刻t0にて、安定したプロセスが実行されており、色座標L*、a*、b*の目標値が監視されている。
【0099】
符号20において、色座標b*が一時的に減少する。これによって示されるブルーシフトは、結合剤含有量の減少により発生する。色座標b*の著しい低下は、対応する計量装置6の一時的な故障によって説明することができる。故障が改善され、及び/又は結合剤含有量が増加した後、色座標b*は目標色座標まで再び増加する。
【0100】
符号21において、色座標L*の一時的な増加が示されている。色座標L*の増加は、スループットの変化に起因する。例えば、色座標L*の一時的な増加は、すべての計量添加、特にその添加点に依存しない添加の増加に起因する。その結果、配合の相違が一時的に生じる。
【0101】
符号22において、色座標L*の一時的な下降(スランプ)が示されている。色座標L*の減少は、導電性粒子、特に煤(すす)及び/又はグラファイトプレートレット(黒鉛小板)の濃度増加(例えば、この配合成分の過剰摂取)に起因する。
【0102】
符号23において、色座標L*のわずかな減少が示されている。これは速度の一時的な変化、特に速度の増加に起因する。
【0103】
符号24において、すべての色座標にわずかな変化が見られる。これは配合の変更を示すもので、例えば異なる配合成分が使用されたり、及び/又はその混合比が変更されたりするためである。短い移行段階の後、それぞれの色座標に一定の値が確立され、配合の変更が成功したことを示している。
【0104】
図5では、正規化された形式の色座標L*が、押出機速度nの関数としてプロットされている。押出機の速度nが高くなると、色座標L*の値が減少する。この知識を利用することで、例えば
図4の符号23に示すような色座標L*の変化を、プロセスパラメータの特定の変化、ここでは押出機速度nの変化に正確に帰属させることができる。
【0105】
図6は、導電性粒子の平均粒径Sが色座標L*、a*、b*に及ぼす影響を示しており、平均粒径Sと色座標L*、a*、b*は、それぞれy軸上に正規化した形式でプロットされている。色座標L*、a*、b*は、様々な配合物E1~E4について示されており、配合物E1~E4における差異は、充填剤の平均粒径Sに関してのみである。「充填剤(フィラー)」という用語は、固体の形態で供給される配合成分を指す。平均粒径Sが減少すると、色座標、特に色座標L*に変化がある。このことは、少なくとも1つの色座標L*、a*、b*が平均粒径Sと相関していることを示している。したがって、平均粒径Sの変化は、少なくとも1つの色座標L*、a*、b*の評価からも把握できる。
【0106】
上記の説明から明らかなように、測定データ、特に少なくとも1つの色座標の評価により、電極懸濁液の特性の信頼できる検証が可能になる。特に、個々の配合成分、その混合比、及び/又はプロセスパラメータに関する結論が可能である。より好ましくは、評価は、さらなるプロセスパラメータのモニタリングと併せて、測定データ、特に色座標を参照して可能である。このようにして、電極懸濁液の特性の変化の異なる原因を明確に区別することができる。
【0107】
上記の評価例は、CIELAB色空間の色座標を使用する例として解明したものである。他の色空間についても、対応する相関関係を確認することができる。この目的のために、例えば、プロセスパラメータを変化させながら電極懸濁液を分析することができる。得られたデータは、対応する関係を確認するために使用でき、これらの関係は将来の測定値を評価するために使用できる。
【0108】
電極懸濁液の配合は、測定データの評価に基づいて検証及び監視することができる。特に、目標品質からの配合の相違を認識することが可能である。このようにして、電極懸濁液の異なる品質レベルを簡単な方法で区別することができる。特に、特定の目標品質を持たない電極懸濁液を排出することが可能である。
【0109】
光学測定とその評価を用いて、電極懸濁液の変化をプロセスの変動と関連付けることができる。これらの知見に基づいて、適切な対策、例えばプロセスパラメータの変更及び/又は計量添加を確認し、開始することが可能である。これはオペレータが手動で行うことができる。加えて、又は代替的に、例えば
図1で閉ループ制御ユニット18を参照して説明したように、自動閉ループ制御が可能である。
【0110】
閉ループ制御システム、特に自動閉ループ制御システムの場合に可能な手順を以下に説明する。電極懸濁液の目標特性からの相違が検出された場合、特に以下の1つ以上の措置をとることが可能である:
【0111】
-装置の制御ユニット、特に押出機制御装置及び/又は周辺装置の制御装置が障害を示しているかどうかのチェックが行われる。障害が発生した場合、その障害が改善される前にプロセスパラメータの閉ループ制御が行われるべきでない。例えば、障害のあるコンポーネントを機械オペレータに表示することができ、機械オペレータは障害を修復しようとする。このチェックは、さらなる閉ループ制御ステップが実施される前に行われることが望ましい。
【0112】
-単一の計量添加、特に単一の計量装置6に割り当てられる変動が検出された場合、これは閉ループ制御によって修正することができる。閉ループ制御による補正は、特に上記で定義された範囲内で行うことができる。
【0113】
-プロセス中の複数の計量添加に渡って添加される配合成分の相違が認められる場合、個々の計量添加間で、特に個々の計量装置間で添加量の分割比を変化することも可能である。このようにして、添加総量を変えることなく、それぞれの計量添加量の閉ループ制御補正が可能となる。
【0114】
-どの計量添加にも割り当てられない変動が検出された場合、閉ループ制御によって速度を修正することができる。例えば、速度の増加は、より多くの機械的エネルギーをプロセスに導入することになり、それによって懸濁液の均質性を調整することができる。押出機の速度を上げると、懸濁液の品質及び/又は均質性を特に向上させることができる。しかし、押出機速度の上昇には、電極懸濁液へのエネルギー投入量の増加という欠点もあり、それ故、閉ループ制御の目的は、エネルギー投入量と懸濁液の品質、特に均質性とのバランスである。
【0115】
-変動を任意の計量添加に割り当てることができない場合、追加的又は代替的に総処理量を変化させることも可能である。総処理量を変更すると、懸濁液への機械的エネルギーの導入が変化する。このようにして、懸濁液の品質、特に均質性に影響を与えることができる。
【0116】
-検出された変動がどの計量添加にも割り当てられない場合、溶媒と充填剤の含有量の比率を変化させることができ、特に予め定義された範囲内で変化させることができる。
【0117】
-検出された変動がどの計量添加にも割り当てられない場合、プロセス温度、例えばハウジング温度及び/又は懸濁液温度を変化させることも可能である。温度の調整は、特に、例えば換気及び/又は加熱システムの故障、及び/又は不確定な気候条件下での原材料の貯蔵の場合に起こり得るような、著しく変動する生産条件に対処することができる。プロセス温度の変化は、熱エネルギー入力を変化させ、及び/又は、懸濁液粘度の変化のために、少なくとも間接的に機械エネルギー入力を変化させる。
【0118】
-1つ又は複数のプロセスパラメータの閉ループ制御補正の場合、好ましくは、押出機出口における懸濁液温度及び/又は懸濁液圧力が、規定の許容範囲内に維持されることが保証されるべきである。必要に応じて、適切な閉ループ制御手段を講じて、それに応じて懸濁液特性を確保することが可能である。例えば、総処理量が変化した場合、押出機速度及び/又はハウジング温度を調整することが同時に可能である。例えば、このようにして、速度対スループット比が事前に定義された許容範囲内に維持されるようにできる。
【0119】
-上記のうち個々の閉ループ制御ステップが、電極懸濁液を再びオンスペック(仕様通り)にするには不十分である場合、様々な閉ループ制御ステップを個別に、及び/又は組み合わせて実施することが可能である。さらなる閉ループ制御ステップの場合、先の閉ループ制御手段を少なくとも一時的に逆転させることができる。
【0120】
-検出された変動が、上記の閉ループ制御手段の1つ以上によって改善されない場合、例えば、オペレータがプラント部品を手動で検査することも可能である。このようにして、例えば大気ガス抜きラインの詰まり、ハウジング及び/又はスクリュー要素の摩耗、及び/又は漏れなど、装置の制御装置を介して検出されないエラーの原因を見つけることができる。
【0121】
図7は、電極懸濁液を製造するための装置100のさらなる実施例の概略図である。
図1の実施例に関連して既に説明した構成要素には同じ参照番号を付し、再度詳細に説明しない。
【0122】
図7の装置100は、押出機2及びその制御装置の構成に関して、
図1に示す装置1に対応する。より明瞭にするために、開ループ制御装置、閉ループ制御装置、信号線などは再度示していない。
【0123】
電極懸濁液30の可能なさらなる処理は、
図7に示す実施例を用いてさらに説明される。電極懸濁液30は、押出機2の押出機出口8を通って搬送され、センサ13のみが示されている測定装置12を用いて分析される。多方向弁11の作動は、対応する測定データの分析に依存する。電極懸濁液30が目標品質を満たした場合、それは多方向弁11を介して、パイプ導管32を経由する規格内懸濁液31として、さらなる処理に送られる。図示の実施例では、規格内懸濁液31はまずバッファサイロ33に中間貯蔵される。バッファサイロ33では、分離効果を最小限とするため、特に分離効果を回避するために、攪拌装置34によって規格内懸濁液を動かし続ける。
【0124】
電極懸濁液30の品質が目標品質を下回る場合、多方向弁11を用いて規格外懸濁液35として回収容器36に導かれる。規格外電極懸濁液35はプロセスから排出される。規格外電極懸濁液35は、例えば不足する配合成分を計量添加することにより、回収容器36内で処理することができる。分離効果を避けるため、及び/又は、規格外電極懸濁液35をさらに均質化するために、攪拌装置37を用いて攪拌する。規格外電極懸濁液35の処理が不可能な場合、それは不合格材料として排出され、及び/又は出発材料としてプロセスにリサイクルされる。
【0125】
装置100は複数の測定装置12を有し、そのうちのセンサ13、13a、13b、13cのみがそれぞれ示されている。これにより、異なるポイントにおける電極懸濁液の光学測定が可能になる。これにより特に、懸濁液の流れの搬送経路に沿った電極懸濁液の変化を監視することが可能になる。
【0126】
インライン電極懸濁液31を分析するためのセンサ13a、13bは、多方向弁11とさらなる処理ステーション(図示せず)との間の接続部に沿って配置されている。センサ13aは、バッファサイロ33の領域に配置されている。センサ13aは、バッファサイロ33内の規格内電極懸濁液31の光学測定を行う。これにより、特に、規格内電極懸濁液31における分離プロセスの早期認識が可能になる。
【0127】
センサ13bは、バッファサイロ33とさらなる処理ステーションとの間のパイプ接続部に配置される。センサ13bは、さらなる処理ステーションに送られる規格内電極懸濁液31を分析する。これにより、更なる処理操作に供給される電極懸濁液が、それぞれの目標特性、特に目標品質を実際に有することが保証される。
【0128】
センサ13cは回収容器36に割り当てられる。センサ13cを用いて、特に、規格外電極懸濁液35の処理操作を監視することが可能である。特に、処理操作を用いて、電極懸濁液の目標特性、特に目標品質を達成できるかどうかを判断することが可能である。
【0129】
図8は、電極懸濁液30を製造するための装置200のさらなる実施例を示す。先の実施例に関連して既に説明された構成要素には同じ参照数字を付し、再度詳細に説明しない。
【0130】
この装置200は、押出機出口8に接続された多方向弁がないという点のみにおいて、
図7に記載された装置100と異なる。押出機出口8はパイプライン32に直接接続されており、それを介して電極懸濁液30がバッファサイロ33に導入される。装置200には、電極懸濁液の自動排出はない。
【0131】
図9は、電極懸濁液30を製造するための装置300のさらなる実施例を示す。先の実施例の構成要素に対応する構成要素には同じ参照数字を付し、再度詳細に説明しない。
【0132】
装置300は、電極懸濁液30が回収容器36に直接導入される開放押出出口308を有する。回収容器36に導入された電極懸濁液30は、次いで、測定装置(いずれの場合もセンサ13及び13cのみを示す)からの測定データの評価に応じてさらに処理することができる。したがって、装置300は、電極懸濁液30が連続的に押し出されるが、その後さらにバッチ式に処理される準連続的な製造プロセスを示す。
【0133】
図10~
図12を参照して、電極懸濁液430を製造するための装置400のさらなる実施例が示されている。
【0134】
装置400は、電極懸濁液430のバッチ式製造に役立つ。装置400は、バッチミキサーの形態の混合装置402を有する。バッチミキサー402は攪拌システム440を有する。装置400は複数の測定装置を有し、それぞれの場合においてセンサ413a、413b、413cが示されている。なお、簡略化のために、測定装置を用いて検出された測定データを評価するための評価ユニットも示されていない。
【0135】
センサ413a、413b、413cはバッチミキサー402内の異なる位置に取り付けられ、これらはバッチミキサーの混合容積内に突出するようになっている。その結果、バッチミキサー402の混合容積内の異なる位置、特に異なる高さで懸濁液を分析することができる。
【0136】
センサ413a、413b、413cを用いて、配合成分の混合が監視される。
図10~
図12は、混合操作における異なる時点を示している。電極懸濁液の配合成分A、B、C、Dは、バッチミキサー402に導入される。配合成分A,B,C,Dの導入は、
図10のプロセスの開始時のみ模式的に示されている。追加的又は代替的に、配合成分A、B、C、Dを後の時点、例えば、
図11に模式的に示す混合操作中に導入することも可能である。特に、配合成分A、B、C、Dを連続して導入することができる。
【0137】
特に
図10に示すように、配合成分が十分に混合されていない場合、異なる位置に配置されたセンサ413a、413b、413cを有する測定装置は、異なる測定データ、特に異なる色座標を検出する。
【0138】
図11は、攪拌システム440の回転駆動中の混合動作を示す。この場合、配合成分は連続的に混合されて、均質な電極懸濁液が得られる。混合動作中にさらに配合成分A、B、C、Dを導入することも可能である。測定装置のセンサ413a、413b、413cを用いた連続測定により、測定データ、特に色座標に生じる変化を監視することが可能になる。異なるセンサ413a、413b、413cからの測定データの比較によって、電極懸濁液の分散品質、特に均質性を結論づけることが可能である。測定データの変化、特に色座標の変化、及び/又はそれぞれのセンサ413a、413b、413cからの測定データ間の違いが検出される限り、混合動作は不完全である。さらに、配合の変更及び/又はプロセスの変更ごとに、異なる色値を考慮することができる。
【0139】
静的測定データ及び/又はセンサ413a、413b、413cからの対応する測定データの達成時に、
図12に示すように、均質な電極懸濁液430が存在する。したがって、対応する測定データの評価は、混合操作の終了を決定するために使用することができる。さらに、測定データ、特に色座標の評価を介し、特に配合成分及び/又はその混合比に関して、電極懸濁液の目標品質を検証することが可能である。
【0140】
測定データの評価に応じて、攪拌システム440の作動も可能である。例えば、攪拌システム440の速度を調整することが可能である。特に、均質で高品質な電極懸濁液430が確実に生成されるように、攪拌システム440の作動時間を制御することが可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 装置
2 押出機
3 押出スクリュー
4 押出機駆動装置
5 押出機制御装置
6 計量装置
7 搬送方向
8 押出機出口
9 脱気ユニット
10 エンドプレート
11 多方向弁
12 測定装置
13、13a、13b、13c センサ
14 測定ユニット
15 評価ユニット
16 弁制御装置
17 データ記憶媒体
18 閉ループ制御ユニット
30、430 電極懸濁液
31 規格内懸濁液
32 パイプライン
33 バッファサイロ
34 攪拌装置
35 規格外懸濁液
36 回収容器
37 攪拌装置
100、200、300、400 装置
308 開放押出出口
402 バッチミキサー(混合装置)
413a、413b、413c センサ
440 攪拌システム
A、B、C、D 配合成分
E1、E2、E3、E4 配合物
【外国語明細書】