(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065029
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】魚計数システム及び魚計数方法
(51)【国際特許分類】
A01K 61/90 20170101AFI20240507BHJP
G06M 7/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A01K61/90
G06M7/00 301Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179911
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2022172527
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520479629
【氏名又は名称】株式会社CAST
(71)【出願人】
【識別番号】521474579
【氏名又は名称】株式会社ミリオンプロジェクト
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄也
(72)【発明者】
【氏名】中妻 啓
(72)【発明者】
【氏名】小林 牧子
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104GA01
(57)【要約】
【課題】 作業者が投入した魚を数えることに適した魚計数システム等を提供する。
【解決手段】 魚計数システム1は、作業者が投入した魚を数える計数装置3を備える。計数装置3は、魚投入部5と、板受け部7と、感圧センサ11と、包絡線検波回路15と、魚計数機17を備える。魚投入部5は、作業者が投入した魚を板受け部7に誘導して落下させる。板受け部7は、落下した魚を受ける。感圧センサ11は、板受け部7が魚を受けたときの落下衝撃を電気信号として観察する。包絡線検波回路15は、落下衝撃の電気信号の包絡線を取り出して包絡線信号を生成する。魚計数機17は、前記包絡線信号が閾値を超えたことを検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚投入部に投入された魚を数える魚計数システムであって、
計数装置と、情報処理装置を備え、
前記計数装置は、魚投入部と、板受け部と、感圧センサと、包絡線検波回路と、魚計数機を備え、
前記情報処理装置は、計数処理部と、計数表示部を備え、
前記板受け部は、前記魚投入部に投入されて落下する魚を受け、
前記感圧センサは、前記板受け部が魚を受けたときの落下衝撃を電気信号として観察し、
前記包絡線検波回路は、落下衝撃の電気信号の包絡線を取り出して包絡線信号を生成し、
前記魚計数機は、前記包絡線信号が閾値を超えたことを検出し、
前記計数処理部は、前記魚計数機が閾値超えを検出した回数を管理し、
前記計数表示部は、前記計数処理部が管理する回数を表示する、魚計数システム。
【請求項2】
前記計数処理部は、前記包絡線信号が前回に閾値を超えた時点から、閾値を超えていない状態になって新たに閾値を超えた時点までの時間間隔が基準間隔よりも短い回数を管理する請求項1記載の魚計数システム。
【請求項3】
前記板受け部は、前記魚投入部に取り付けられ、
前記感圧センサは、前記板受け部に取り付けられる、請求項1記載の魚計数システム。
【請求項4】
前記感圧センサは、前記魚投入部に取り付けられ、
前記板受け部は、前記感圧センサに取り付けられる、請求項1記載の魚計数システム。
【請求項5】
投入された魚は、作業者が措置をしたものであり、又は、分養作業が行われるものである、請求項1記載の魚計数システム。
【請求項6】
魚投入部に投入された魚を数える魚計数システムにおける魚計数方法であって、
前記魚計数システムは、計数装置と、情報処理装置を備え、
前記計数装置は、魚投入部と、板受け部と、感圧センサと、包絡線検波回路と、魚計数機を備え、
前記情報処理装置は、計数処理部と、計数表示部を備え、
前記板受け部が、前記魚投入部に投入されて落下する魚を受けるステップと、
前記感圧センサが、前記板受け部が魚を受けたときの落下衝撃を電気信号として観察するステップと、
前記包絡線検波回路が、落下衝撃の電気信号の包絡線を取り出して包絡線信号を生成するステップと、
前記魚計数機が、前記包絡線信号が閾値を超えたことを検出するステップと、
前記計数処理部が、前記魚計数機が閾値超えを検出した回数を管理するステップと、
前記計数表示部が、前記計数処理部が管理する回数を表示するステップを含む魚計数方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚計数システム及び魚計数方法に関し、特に、投入された魚を数える魚計数システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、魚を含む流体を経時的に複数枚撮影して、領域を越えて移動する魚を計測することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
養殖魚は、伝染病疾病の発生予防と生産性向上のため、ワクチンを投与する必要がある。養殖魚のワクチン投与には、浸漬法、経口法、及び、注射法の3つの方式がある。
【0005】
注射法が最も効果がある反面、養殖魚に1尾ずつ手作業にて注射投与をするため多大な労力を必要とする。多い場合、1日で数万尾の魚に対するワクチンの投与が必要となる。
【0006】
投与作業では投与した魚の数を管理する必要がある。現状では、投与数の計数は、同時に作業する複数人が20尾投与完了ごとに計数管理者に大声を出して口頭で報告している。数万尾単位で行う必要があるため、このような計数作業では正確な計数の管理ができていない状況にある。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、流体中の魚をカウントすることはできるが、投入された魚をカウントすることはできない。
【0008】
よって、本願発明は、投入された魚を数えることに適した魚計数システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の第1の側面は、魚投入部に投入された魚を数える魚計数システムであって、計数装置と、情報処理装置を備え、前記計数装置は、魚投入部と、板受け部と、感圧センサと、包絡線検波回路と、魚計数機を備え、前記情報処理装置は、計数処理部と、計数表示部を備え、前記板受け部は、前記魚投入部に投入されて落下する魚を受け、前記感圧センサは、前記板受け部が魚を受けたときの落下衝撃を電気信号として観察し、前記包絡線検波回路は、落下衝撃の電気信号の包絡線を取り出して包絡線信号を生成し、前記魚計数機は、前記包絡線信号が閾値を超えたことを検出し、前記計数処理部は、前記魚計数機が閾値超えを検出した回数を管理し、前記計数表示部は、前記計数処理部が管理する回数を表示する。
【0010】
本願発明の第2の側面は、第1の側面の魚計数システムであって、前記計数処理部は、前記包絡線信号が前回に閾値を超えた時点から、閾値を超えていない状態になって新たに閾値を超えた時点までの時間間隔が基準間隔よりも短い回数を管理する。
【0011】
本願発明の第3の側面は、第1又は第2の側面の魚計数システムであって、前記板受け部は、前記魚投入部に取り付けられ、前記感圧センサは、前記板受け部に取り付けられる。
【0012】
本願発明の第4の側面は、第1又は第2の側面の魚計数システムであって、前記感圧センサは、前記魚投入部に取り付けられ、前記板受け部は、前記感圧センサに取り付けられる。
【0013】
本願発明の第5の側面は、第1から第4のいずれかの側面の魚計数システムであって、投入された魚は、作業者が措置をしたものであり、又は、分養作業が行われるものである。
【0014】
本願発明の第6の側面は、魚投入部に投入された魚を数える魚計数システムにおける魚計数方法であって、前記魚計数システムは、計数装置と、情報処理装置を備え、前記計数装置は、魚投入部と、板受け部と、感圧センサと、包絡線検波回路と、魚計数機を備え、前記情報処理装置は、計数処理部と、計数表示部を備え、前記板受け部が、前記魚投入部に投入されて落下する魚を受けるステップと、前記感圧センサが、前記板受け部が魚を受けたときの落下衝撃を電気信号として観察するステップと、前記包絡線検波回路が、落下衝撃の電気信号の包絡線を取り出して包絡線信号を生成するステップと、前記魚計数機が、前記包絡線信号が閾値を超えたことを検出するステップと、前記計数処理部が、前記魚計数機が閾値超えを検出した回数を管理するステップと、前記計数表示部が、前記計数処理部が管理する回数を表示するステップを含む。
【0015】
本願発明の第7の側面は、第6の側面の魚計数方法であって、前記計数処理部は、前記包絡線信号が前回に閾値を超えた時点から、閾値を超えていない状態になって新たに閾値を超えた時点までの時間間隔が基準間隔よりも短い回数を管理する。
【0016】
本願発明の第8の側面は、第6又は第7の側面の魚計数方法であって、前記板受け部は、前記魚投入部に取り付けられ、前記感圧センサは、前記板受け部に取り付けられる。
【0017】
本願発明の第9の側面は、第6又は第7の側面の魚計数方法であって、前記感圧センサは、前記魚投入部に取り付けられ、前記板受け部は、前記感圧センサに取り付けられる。
【0018】
本願発明の第10の側面は、第6から第9のいずれかの側面の魚計数システムであって、投入された魚は、作業者が措置をしたものであり、又は、分養作業が行われるものである。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の各側面によれば、作業者が投入した魚を板受け部が受け、感圧センサが、板受け部が受けた魚の落下衝撃を電気信号として観察することにより、その包絡線を取り出すというシンプルな処理により得られる包絡線信号によって魚の投入数をカウントすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本願発明の実施の形態に係る魚計数システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】魚投入部31、板受け部33、魚搬出部41及び感圧センサ35の具体的な構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1の計数装置3
iを実際に作成した試作品を示す第1図である。
【
図4】
図1の計数装置3
iを実際に作成した試作品を示す第2図である。
【
図5】
図3及び
図4の試作品において観察された魚の落下衝撃の電気信号と、包絡線信号を示す図である。
【
図6】
図1の魚投入部5
i、板受け部7
i及び感圧センサ11
iの具体的な構成の他の一例を示す図である。
【
図7】
図6の魚投入部61、板受け部65及び感圧センサ63を実際に作成した試作品を示す第1図である。
【
図8】
図6の魚投入部61、板受け部65及び感圧センサ63を実際に作成した試作品を示す第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0022】
図1は、本願発明の実施の形態に係る魚計数システム1の構成の一例を示すブロック図である。魚計数システム1は、N台(Nは2以上の自然数)の計数装置3
1,…,3
Nと、情報処理装置21を備える。
【0023】
計数装置3i(iは、N以下の自然数)は、魚投入部5iと、板受け部7iと、魚搬出部9iと、感圧センサ11iと、増幅回路13iと、包絡線検波回路15iと、魚計数機17iと、通信子機19iを備える。
【0024】
N台の計数装置31,…,3Nは、それぞれ、N人の作業者に対応する。作業者は、例えば魚に対してワクチンを注射投与するなどの措置を行う。作業者は、注射措置を行った魚を、自身に対応する計数装置3iの魚投入部5iに投入する。
【0025】
魚投入部5iは、投入された魚を板受け部7iに誘導して落下させる。板受け部7iは、落下した魚を受ける。魚搬出部9iは、板受け部7iが受けた魚を例えば養殖場などに搬出する。
【0026】
感圧センサ11iは、板受け部7iに取り付けられた圧電センサである。圧電センサは、例えば、圧電セラミック粉と圧電ゾルゲル溶液を混合攪拌したものを利用して作成されたものである。感圧センサ11iは、板受け部7iが魚を受けたときの衝撃を電気信号として観察する。
【0027】
増幅回路13i、包絡線検波回路15i、魚計数機17i及び通信子機19iは、感圧モジュール部を構成する。感圧モジュール部は、一つの装置で実現してもよく、複数の装置で実現してもよい。増幅回路13iは、感圧センサ11iが検出した電気信号を増幅する。包絡線検波回路15iは、増幅回路13iにより増幅された電気信号の包絡線を取り出して包絡線信号を生成する。魚計数機17iは、包絡線信号が閾値を超えたことを検出する。
【0028】
通信子機19iは、魚計数機17iが閾値超えを検出したことを通信親機23に送信する。通信子機19iと通信親機23は、有線通信でも無線通信でもよい。通信子機19iが送信するタイミングは、例えば、新たに包絡線信号が閾値を超えたことを検出したタイミングごとであってもよく、例えば20回に到達した場合のように設定回数に到達したタイミングでもよい。また、閾値超えを検出したことに加えて、又は、代えて、閾値超えを検出した回数を送信するものであってもよい。
【0029】
板受け部7iにおける落下衝撃は、ばねダンパ系のインパルス応答である。単純に、閾値を設定して落下衝撃の電気信号がこの閾値を超えた場合に魚の投入を検知しようとしても、1回の落下衝撃に対し、閾値を複数回超える可能性があり、誤検知の要因となる。圧電センサとして、例えば、圧電セラミック粉と圧電ゾルゲル溶液を混合攪拌したものを利用することにより、圧電センサ自体は振動することなく落下衝撃を観察することができる。そのため、圧電センサにより観察される落下衝撃の電気信号は、周期的な振動が時間と共に減少する減衰振動となる。そのため、魚計数機17iは、包絡線検波回路15iにより生成された包絡線信号を検知フラグとして、包絡線信号が閾値を超えたことを検出することによって魚の投入を検出することができる。そのため、魚計数機17iが閾値超えを検出した回数によって、魚の投入数をカウントすることができる。そのため、感圧モジュール部は、極めて単純な構成とすることができる。
【0030】
情報処理装置21は、例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。情報処理装置21は、通信親機23と、計数処理部25と、制御部27と、計数表示部29を備える。
【0031】
通信親機23は、各計数装置3iから閾値超えを示す情報を受信する。
【0032】
計数処理部25は、各計数装置3iから受信した情報を処理し、各計数装置3iに投入された魚の数をカウントする。例えば、計数処理部25は、各計数装置3iから閾値超えを検出したことを受信したならば、受信回数をカウントすることによって各計数装置3iにおける魚の投入数をカウントすることができる。例えば、計数処理部25は、各計数装置3iから閾値超えの回数を示す情報を受信したならば、回数を示す情報によって、各計数装置3iにおける魚の投入数を管理することができる。また、N台の計数装置31,…,3Nにおいてカウントされた合計投入数を管理することができる。
【0033】
制御部27は、魚計数システム1の全体の動作を制御する。例えば、各計数装置3iの接続状況の確認、計数装置3iの接続台数の設定、作業完了後に各計数データの保存、などの処理を行う。
【0034】
計数表示部29は、計数処理部25により処理された、各計数装置3iに投入された魚の数、N台の計数装置31,…,3Nにおける合計投入数などを表示する。
【0035】
通常、作業者が魚に対してワクチンを投与することなどの措置には、個人差があるものの1秒程度の時間がかかる。そうすると、通常、1秒以上の間隔で魚を投入している作業者の計数装置3iにおいて、例えば、包絡線信号が前回に閾値を超えた時点から閾値を超えていない状態になり、新たに閾値を超えた時点までの時間間隔が0.3秒程度であったならば、作業者は、注射措置をして魚を投入した後、新たな魚を手にしたところ注射措置に失敗して魚を落としてしまった可能性がある。そのため、包絡線信号が前回に閾値を超えた時点から閾値を超えていない状態になり、新たに閾値を超えた時点までの時間間隔によって、作業者による措置についての精度を評価することができる。
【0036】
例えば、通信子機19iが閾値超えの検出ごとに閾値超えの情報を送信するのであれば、情報処理装置21が図示を省略する基準間隔設定部を備え、計数処理部25は、計数装置3iから受信したカウント数を管理することに加えて、計数装置3iに応じて設定された基準間隔よりも短い時間間隔で閾値超えを受信した回数を管理し、計数表示部29において表示するようにしてもよい。
【0037】
例えば、通信子機19iが閾値超えの回数をカウントして送信するのであれば、計数装置3iが図示を省略する基準間隔設定部を備え、魚計数機17iは、さらに、計数装置3iに応じて設定された基準間隔よりも短い時間間隔で閾値超えを受信した回数をカウントする。通信子機19iは、閾値超えの回数及び短時間での閾値超えの回数を送信する。計数処理部25は、包絡線信号が前回に閾値を超えた時点から閾値を超えていない状態になり、新たに閾値を超えた時点までの時間間隔が基準間隔よりも短い回数を管理する。回数は、計数表示部29において表示するようにしてもよい。
【0038】
ここで、基準間隔は、例えば、1秒程度で管理者によって設定された設定値を用いてもよく、また、この設定値を、過去の実績において長時間(例えば5秒以上)の間隔を除いた平均値などを用いて修正した値などを利用してもよい。長時間の間隔を除くのは、このような長時間の間隔においては、ワクチンの準備などが行われている可能性があり、注射措置以外の時間を除いて修正するためである。
【0039】
図2は、魚投入部31、板受け部33、魚搬出部41及び感圧センサ35の具体的な構成の一例を示す図である。
図2の魚投入部31、板受け部33、魚搬出部41及び感圧センサ35は、それぞれ、
図1の魚投入部5
i、板受け部7
i、魚搬出部9
i及び感圧センサ11
iの一例である。
【0040】
魚投入部31は、長方形の筒状であり、長い方の一つの辺の下部に板受け部33が固定されている。板受け部33は、固定された辺の下部から、向かい合う辺の下方に傾斜して固定されている。
【0041】
魚投入部31の内壁は、短い辺は垂直な形状である。板受け部33が固定されている辺は、垂直な形状である。向かい合う辺は、下において、固定されている辺の方に傾斜している。これにより、魚投入部31の内側に投入された魚は、板受け部33に誘導され、落下する。板受け部33は、落下した魚を受ける。感圧センサ35は、板受け部33に取り付けられており、落下した魚の落下衝撃の電気信号を得る。魚は、板受け部33の先端側から魚搬出部41に落下する。魚搬出部41は、板受け部33が受けた魚を搬出する。
【0042】
図3及び
図4は、
図1の計数装置3
iを実際に作成した試作品を示す。
図3(a)、(b)及び
図4(a)は、魚投入部、板受け部、魚搬出部及び感圧センサの部分を示す。
図4(b)は、無線子機51、包絡線検波回路53及び増幅回路55を備える感圧モジュール部を示す。
【0043】
図5は、
図3及び
図4の試作品において観察された魚の落下衝撃の電気信号と、包絡線信号を示す。
図5(a)は、増幅後で包絡線検波前の信号を示すラインL
1と、包絡線検波後の信号を示すラインL
2を示す図である。
図5(b)は、
図5(a)の2つのラインを重ね合わせた図で、増幅後で包絡線検波前の信号を示すラインL
3と、包絡線検波後の信号を示すラインL
4と、閾値を示すラインL
5を示す図である。
図5(b)において、増幅後で包絡線検波前の信号を示すラインL
3は、落下衝撃を示す。ラインL
3は、閾値を示すラインL
5を複数回超えている。他方、包絡線検波後の信号を示すラインL
4は、1回の落下衝撃に対して閾値を示すラインL
5を1回超えている。これは、圧電センサが振動することなく落下衝撃を観察するために、包絡線信号によって落下衝撃を検知することができていることを示す。