(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065060
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240507BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183326
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2022173689
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022210500
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】307021210
【氏名又は名称】HRソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】武井 繁
(72)【発明者】
【氏名】大藪 貴之
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA10
5L049AA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のアプリケーションを利用する労働者の総労働時間を正確に把握する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、全体管理サーバは、労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得部31と、労働時間取得部31が取得した労働時間を、識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出部32と、総労働時間算出部32が算出した総労働時間を出力する総労働時間出力部33と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段と、
前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段と、
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間を出力する総労働時間出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
労働者を特定する個別識別番号ごとに、単位期間ごとの個別労働時間を取得する個別労働時間取得手段と、
前記個別識別番号を共通識別番号に変換する識別番号変換手段と、
前記個別労働時間取得手段が取得した個別労働時間を、前記共通識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段と、
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間を出力する総労働時間出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項3】
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間に基づいて、給与支払期間及び所定期間の少なくとも一方の期間内に得た給与収入を算出する給与収入算出手段と、
給与支払方法の選択を受け付ける給与支払条件受付手段と、
前記給与支払条件受付手段が、給与支払方法としてデジタルマネーの選択を受け付けた場合、前記給与収入算出手段が算出した前記給与収入をデジタルマネーで支払うための給与支払データを作成する給与支払データ作成手段と、
を備えた請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間に基づいて、給与支払期間及び所定期間の少なくとも一方の期間内に得た給与収入を算出する給与収入算出手段と、
税務手続に用いられる税務情報を取得する税務情報取得手段と、
前記給与収入算出手段が算出した給与収入、及び前記税務情報取得手段が取得した税務情報に基づいて、税務手続に用いられる税務手続データを作成する税務手続データ作成手段と、
を備えた請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記識別番号は、マイナンバーである請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記共通識別番号は、マイナンバーである請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
労働者に対する上限労働時間を記憶する上限労働時間記憶手段と、
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間、及び前記上限労働時間記憶手段に記憶された上限労働時間に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段と、
を備えた請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
労働者に関して、税制度における控除の適否、及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報を取得する労働者情報取得手段と、
少なくとも税制度及び社会保障制度に関する規則情報を記憶する規則情報記憶手段と、
前記労働者情報取得手段が取得した労働者情報、及び前記規則情報記憶手段に記憶された規則情報に基づいて、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出する世帯収入変化算出手段と、
前記世帯収入変化算出手段が算出した世帯収入の変化を出力する世帯収入変化出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項9】
年間労働予定時間の設定を受け付ける年間労働予定時間設定手段を備えた請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記年間労働予定時間設定手段が受け付けた年間労働予定時間に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段をさらに有する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段と、
前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段と、
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間に基づいて、給与支払期間及び所定期間の少なくとも一方の期間内に得た給与収入を算出する給与収入算出手段と、
労働者に関して、税制度における控除の適否、及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報を取得する労働者情報取得手段と、
少なくとも税制度及び社会保障制度に関する規則情報を記憶する規則情報記憶手段と、
前記労働者情報取得手段が取得した労働者情報、及び前記規則情報記憶手段に記憶された規則情報に基づいて、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出する世帯収入変化算出手段と、
前記世帯収入変化算出手段が算出した世帯収入の変化を、前記給与収入算出手段が算出した給与収入と共に出力する世帯収入変化出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項12】
労働者となる在留外国人の在留カードから、在留カード記録情報を取得する在留カード記録情報取得手段と、
前記在留カード記録情報と、少なくとも日本において行うことができる活動及び資格外活動が認められる時間を含む就労情報と、を対応させて記憶する就労情報記憶手段と、
前記在留カード記録情報取得手段が取得した在留カード記録情報に基づいて、当該在留カード記録情報に対応した就労情報を前記就労情報記憶手段から導出する就労情報導出手段と、
前記就労情報導出手段が導出した就労情報に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項13】
前記在留カード記録情報取得手段が取得した在留カード記録情報を記憶する在留カード記録情報記憶手段と、
前記在留カード記録情報記憶手段に記憶された在留カード記録情報のうち、在留期間に関する情報に基づいて、労働者に使用される労働者端末、及び雇用主に使用される雇用主端末の少なくとも一方に対して、在留期間の更新時期を通知する通知手段と、
を備えた請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
労働者を特定する識別番号ごとに、単位時間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段と、
前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段と、
労働者となる在留外国人の在留カードから、在留カード記録情報を取得する在留カード記録情報取得手段と、
前記在留カード記録情報と、少なくとも日本において行うことができる活動及び資格外活動が認められる時間を含む就労情報と、を対応させて記憶する就労情報記憶手段と、
前記在留カード記録情報取得手段が取得した在留カード記録情報に基づいて、当該在留カード記録情報に対応した就労情報を前記就労情報記憶手段から導出する就労情報導出手段と、
前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間、前記就労情報導出手段が導出した就労情報に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項15】
労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得ステップと、
前記労働時間取得ステップが取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出ステップと、
前記総労働時間算出ステップが算出した総労働時間を出力する総労働時間出力ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得ステップと、
前記労働時間取得ステップが取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出ステップと、
前記総労働時間算出ステップが算出した総労働時間を出力する総労働時間出力ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パートやアルバイトとして勤務する労働者は、アルバイト紹介アプリケーションを利用して仕事を探すことがある(例えば、特許文献1参照)。このような労働者は、所得税に対する配偶者控除や社会保険料における扶養との兼ね合いから、労働時間を抑えて収入を調整することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、労働者が、複数のアルバイト紹介アプリケーションを併用した場合、雇用主は総労働時間を正確に把握することが難しく、結果として、労務管理、税務処理及び社会保障手続を適切に行うことが難しかった。
【0005】
また、税制度及び社会保障制度は複雑であり、頻繁に改正される。このため、労働者は、正確な情報を熟知することが難しく、最適な働き方を簡易に把握することができなかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数のアプリケーションを利用する労働者の総労働時間を正確に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段と、前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段と、前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間を出力する総労働時間出力手段と、を備えた情報処理装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る情報処理装置によれば、複数のアプリケーションを利用する労働者の総労働時間を正確に把握することができる。本発明に係る情報処理装置によれば、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出できるため、最適な働き方を簡易に把握することができる。本発明に係る情報処理装置によれば、労働者が自身の総労働時間に基づいて税務手続を簡易に行うことができる。また、本発明に係る情報処理装置によれば、労働者の最適な働き方に応じたシフトスケジュールを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置を含む情報処理システムが有する機能と、外部のツールとの関係図である。
【
図2】情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図3】各サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】全体管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】個別管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】働き方管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】在留外国人管理サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図8】個別労働時間から総労働時間を算出し、総労働時間、年間労働予定時間及び上限労働時間に基づいて労働者のシフトスケジュールを作成するまでの流れを説明するブロック図である。
【
図9】個別労働時間から総労働時間を算出するまでの流れを説明するフロー図である。
【
図10】総労働時間、年間労働予定時間及び上限労働時間に基づいて労働者のシフトスケジュールを作成するまでの流れを説明するフロー図である。
【
図11】給与収入をデジタルマネーで支払うまでの流れを説明するブロック図である。
【
図12】給与収入をデジタルマネーで支払うまでの流れを説明するフロー図である。
【
図13】労働者の収入の変化に応じた世帯収入の変化を出力するまでの流れを説明するブロック図である。
【
図14】労働者の収入の変化に応じた世帯収入の変化を出力するまでの流れを説明するフロー図である。
【
図15】税務手続データを作成するまでの流れを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1のツール関係図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、パートやアルバイトとして勤務する労働者が複数のアルバイト紹介アプリケーションを併用して仕事を探す場合に、複数のアルバイト紹介アプリケーションに跨る労働時間を集約することで、労務管理、税務処理、給与の支払い、及び社会保障手続を支援する。この情報処理システム1は、世帯の状況に応じた最適な働き方を労働者に対して可視化し、また、在留外国人の在留資格を読み取り、労働者のシフトを適切に管理する。
<システム構成>
図2は、情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0012】
図2に示すように、情報処理システム1は、全体管理サーバ3と、1以上の個別管理サーバ4と、1以上の働き方管理サーバ5と、1以上の在留外国人管理サーバ6と、1以上の労働者端末7と、1以上の在留外国人端末8と、1以上の金融機関サーバ9と、1以上の雇用主端末10と、がインターネット2等の所定の通信ネットワークを介して相互に接続されることで構成される。全体管理サーバ3は、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5及び在留外国人管理サーバ6の各動作と協働して各種処理を実行する。また、全体管理サーバ3は、複数の労働者端末7、複数の在留外国人端末8、複数の金融機関サーバ9、複数の雇用主端末10の各動作と協働して各種処理を実行する。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Vertual Private Network)等である。なお、特に断らない限り「1以上の」を省略し、単に「個別管理サーバ4」、「働き方管理サーバ5」、「在留外国人管理サーバ6」、「労働者端末7」、「在留外国人端末8」、「金融機関サーバ9」及び「雇用主端末10」と記載する。
【0013】
<用語の説明>
本明細書に使用される用語は、特に記載しない限り、以下の意味を有している。
「単位期間」とは、個別管理サーバ4が労働者の労働時間を累積して全体管理サーバ3に出力する単位の期間であり、例えば、1日や1週間である。
「給与支払期間」とは、全体管理サーバ3が労働者に支払う給与を算出するために労働時間を累積する期間であり、例えば、1日や1週間である。給与支払期間は雇用主が許可する期間の中から労働者が任意に設定できるが、単位期間より短く設定することはできない。
「所定期間」とは、当該期間に労働者へ支払われた給与を累積する任意の期間であり、例えば2022年や2023年1月1日から現在までのように労働者が指定することができる。
「共通識別番号」とは、労働者が勤務する企業に影響されない労働者固有の識別番号であり、例えば、マイナンバーや携帯番号の11桁及び生年月日の8桁で構成される19桁の番号等が挙げられる。
「個別識別番号」とは、労働者が勤務する企業が付与する識別番号であり、勤務する企業に影響されない労働者固有の識別番号が付与される場合もあれば、企業ごとに異なる個別識別番号が付与される場合もある。
「総労働時間」とは、労働者が複数の企業で勤務した労働時間を、任意の期間にわたり共通識別番号に基づいて累積加算することにより算出された労働時間である。任意の期間としては、給与支払期間や現在総労働時間を設定することができる。
「現在総労働時間」とは、1月1日から現在(現在総労働時間を算出する日)までの総労働時間である。
「予測年間労働時間」とは、現在総労働時間に基づいて予測される年間労働時間である。例えば、5月31日までの総労働時間を算出した場合には、総労働時間に12/5を乗算し、予測年間労働時間を算出することができる。あるいは前年度の総労働時間と比較して予測年間労働時間を算出してもよい。
「年間労働予定時間」とは、労働者が一年間に労働する予定の時間であり、労働者が設定する。
「上限労働時間」とは、労働者に対する上限労働時間であり、労働者が設定する他に、在留外国人における資格外活動の上限労働時間等のように法規によって決められている場合がある。
「世帯収入」とは、労働者と住居・生計を共にする集まりの合計収入である。
「労働者情報」とは、税制度における控除の適否及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる情報である。税制度における控除の適否を判断するためには、少なくとも、労働者の配偶者として主たる収入を得ている者の職業及び年収、扶養親族の有無、並びに労働者の交通費を含まない年収及び労働時間である。社会保障制度における扶養の適否を判断するためは、少なくとも、労働者の交通費を含む年収及び1週あたりの労働時間、並びに労働者が勤務する企業の従業員数である。
【0014】
(全体管理サーバ3)
全体管理サーバ3は、1以上の企業で勤務する労働者の総労働時間を管理するサーバであり、運営業者又はその委託者によって管理される。この全体管理サーバ3は、インターネット2に接続されており、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5、在留外国人管理サーバ6、労働者端末7、金融機関サーバ9、及び雇用主端末10との間で通信を行う。これにより、全体管理サーバ3は、個別管理サーバ4へのデータの出力、働き方管理サーバ5へのデータの出力、在留外国人管理サーバ6へのデータの出力、労働者端末7へのデータの出力、金融機関サーバ9へのデータの出力、雇用主端末10へのデータの出力、個別管理サーバ4が出力したデータの受信、働き方管理サーバ5が出力したデータの受信、在留外国人管理サーバ6が出力したデータの受信、労働者端末7が出力したデータの受信、金融機関サーバ9が出力したデータの受信、及び雇用主端末10が出力したデータの受信が可能となる。
個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5、在留外国人管理サーバ6及び金融機関サーバ9は、全体管理サーバ3を管理する運営業者又はその委託者が管理してもよいし、異なる者が管理してもよい。
【0015】
(個別管理サーバ4)
個別管理サーバ4は、労働者が勤務する企業ごとの労働時間を管理するサーバである。この個別管理サーバ4は、インターネット2に接続されており、全体管理サーバ3及び労働者端末7等との間で通信を行う。これにより、個別管理サーバ4は、全体管理サーバ3へのデータの出力、労働者端末7へのデータの出力、全体管理サーバ3が出力したデータの受信、及び労働者端末7が出力したデータの受信等が可能となる。
【0016】
(働き方管理サーバ5)
働き方管理サーバ5は、世帯収入の変化に基づいて年間労働予定時間を設定するサーバである。この働き方管理サーバ5は、インターネット2に接続されており、全体管理サーバ3、労働者端末7、及び雇用主端末10等との間で通信を行う。これにより、働き方管理サーバ5は、全体管理サーバ3へのデータの出力、労働者端末7へのデータの出力、雇用主端末10へのデータの出力、全体管理サーバ3が出力したデータの受信、労働者端末7が出力したデータの受信、及び雇用主端末10が出力したデータの受信等が可能となる。
【0017】
(在留外国人管理サーバ6)
在留外国人管理サーバ6は、在留外国人の就労情報を特定するサーバである。日本では、中長期在留する在留外国人に対して在留資格及び在留期間が指定されているが、在留資格に応じて資格外活動も可能である。就労情報とは、少なくとも在留資格、在留期間及び在留期間の満了日、就労制限の有無、資格外活動の許可を受けていること(資格外活動の上限労働時間を含む)に関する情報を含む。この在留外国人管理サーバ6は、インターネット2に接続されており、全体管理サーバ3、在留外国人端末8、及び雇用主端末10等との間で通信を行う。これにより、在留外国人管理サーバ6は、全体管理サーバ3へのデータの出力、在留外国人端末8へのデータの出力、雇用主端末10へのデータの出力、全体管理サーバ3が出力したデータの受信、在留外国人端末8が出力したデータの受信、及び雇用主端末10が出力したデータの受信等が可能となる。
【0018】
(労働者端末7)
労働者端末7は、パートやアルバイトとして勤務する労働者に使用される端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。この労働者端末7は、インターネット2に接続されており、全体管理サーバ3、個別管理サーバ4及び働き方管理サーバ5等との間で通信を行う。これにより、労働者端末7は、全体管理サーバ3へのデータの出力、個別管理サーバ4へのデータの出力、働き方管理サーバ5へのデータの出力、全体管理サーバ3が出力したデータの受信、個別管理サーバ4が出力したデータの受信、及び働き方管理サーバ5が出力したデータの受信等が可能となる。
【0019】
(在留外国人端末8)
在留外国人端末8は、在留外国人に使用される端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。この在留外国人端末8は、インターネット2に接続されており、在留外国人管理サーバ6等との間で通信を行う。これにより、在留外国人端末8は、在留外国人管理サーバ6へのデータの出力、及び在留外国人管理サーバ6が出力したデータの受信等が可能となる。
【0020】
(金融機関サーバ9)
金融機関サーバ9は、労働者に対する賃金の支払い処理を行うサーバである。この金融機関サーバ9は、インターネット2に接続されており、全体管理サーバ3等との間で通信を行う。これにより、金融機関サーバ9は、全体管理サーバ3へのデータの出力、及び全体管理サーバ3が出力したデータの受信等が可能となる。
【0021】
(雇用主端末10)
雇用主端末10は、労働者(在留外国人を含む)を雇用する雇用主に使用される端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。この雇用主端末10は、インターネット2に接続されており、全体管理サーバ3、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5、及び在留外国人管理サーバ6等との間で通信を行う。これにより、雇用主端末10は、全体管理サーバ3へのデータの出力、個別管理サーバ4へのデータの出力、働き方管理サーバ5へのデータの出力、在留外国人管理サーバ6へのデータの出力、全体管理サーバ3が出力したデータの受信、個別管理サーバ4が出力したデータの受信、働き方管理サーバ5が出力したデータの受信、及び在留外国人管理サーバ6が出力したデータの受信等が可能となる。
【0022】
<ハードウェア構成>
(全体管理サーバ3、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5、在留外国人管理サーバ6及び金融機関サーバ9)
次に、
図3を用いて、全体管理サーバ3、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5、在留外国人管理サーバ6及び金融機関サーバ9の各サーバのハードウェア構成について説明する。
図3は、全体管理サーバ3、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5及び在留外国人管理サーバ6の各サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図3に示すように、全体管理サーバ3、個別管理サーバ4、働き方管理サーバ5、在留外国人管理サーバ6及び金融機関サーバ9の各サーバは、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0024】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0025】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス、カードリーダ等で構成され、各種情報を入力する。
【0026】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネット2を介して他の装置との間で通信を行う。
【0027】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等によりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データを、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0028】
(労働者端末7、在留外国人端末8及び雇用主端末10)
労働者端末7、在留外国人端末8及び雇用主端末10は、上述の
図3に示すハードウェア構成と同様の構成を有するコンピュータである。すなわち、労働者端末7、在留外国人端末8及び雇用主端末10は、
図3のCPU11、ROM12、RAM13、バス14、入出力インターフェース15、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20、及びリムーバブルメディア21の各々に対応するCPU、ROM、RAM、バス、入出力インターフェース、出力部、入力部、記憶部、通信部、ドライブ、及びリムーバブルメディアの各々を有する。
【0029】
<機能構成>
(全体管理サーバ3)
次に、
図4を用いて、全体管理サーバ3の機能的構成について説明する。
図4は、全体管理サーバ3の機能的構成を示すブロック図である。なお、全体管理サーバ3についての説明及び図示に際し、CPU11をCPU11bと表示し、記憶部18を記憶部18bと表示することで、他のサーバにおけるCPU11及び記憶部18との区別をする。
【0030】
図4に示すように、全体管理サーバ3のCPU11bは、労働時間取得部31、総労働時間算出部32、総労働時間出力部33、給与収入算出部34、給与支払条件受付部35、給与支払データ作成部36、税務情報取得部37、税務手続データ作成部38、及びシフト管理部39として機能する。
【0031】
全体管理サーバ3の記憶部18bの一領域には、労働時間DB41(労働時間記憶部)、上限労働時間DB42(上限労働時間記憶部)、年間労働予定時間DB43、共通識別番号DB44、給与支払情報DB45、及び税務情報DB46が設けられている。
【0032】
労働時間取得部31は、個別管理サーバ4から、労働者を特定する共通識別番号ごとに、単位期間(例えば、1日や1週間)ごとの労働時間を取得する。この労働時間取得部31は、個別管理サーバ4から、労働者を特定する共通識別番号ごとに取得した単位期間ごとの労働時間を、共通識別番号に紐付けて労働時間DB41に出力し記憶させる。
【0033】
総労働時間算出部32は、労働時間取得部31が取得し労働時間DB41に記憶された労働時間を、共通識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する。この総労働時間算出部32は、算出した総労働時間を、共通識別番号に紐付けた態様で、全体管理サーバ3の総労働時間出力部33、給与収入算出部34、及びシフト管理部39に出力する。総労働時間算出部32は、総労働時間の用途によって労働時間を累積加算する期間を変更することができる。例えば、総労働時間算出部32は、給与支払期間にわたって累積加算した総労働時間を給与収入算出部34に出力できる。また、総労働時間算出部32は、1月1日から現在までの総労働時間を累積加算した現在総労働時間に基づいて、予測される年間労働時間(予測年間労働時間)を算出することができる。算出された予測年間労働時間は、全体管理サーバ3のシフト管理部39及び働き方管理サーバ5の予測年間給与収入算出部75に出力する。
【0034】
総労働時間出力部33は、総労働時間算出部32が算出し当該総労働時間算出部32によって出力された総労働時間を、共通識別番号に紐付けた態様で、通信部19を介して、働き方管理サーバ5、労働者端末7及び雇用主端末10に対して出力する。
【0035】
給与収入算出部34は、総労働時間算出部32が算出し当該総労働時間算出部32によって出力された総労働時間、及び労働者端末7によって設定され出力された給与支払期間又は所定期間に基づいて、給与支払期間又は所定期間内に得た給与収入を算出する。この給与収入算出部34は、算出した給与収入を、共通識別番号に紐付けた態様で、給与支払データ作成部36、税務手続データ作成部38、及び働き方管理サーバ5の世帯収入変化出力部73(
図6参照)に出力する。
【0036】
給与支払条件受付部35は、労働者端末7から、共通識別番号に紐付けられた態様で、給与支払期間及び給与支払方法の選択を受け付ける。この給与支払条件受付部35は、労働者端末7から受け付けた給与支払期間及び給与支払方法を、共通識別番号に紐付けた態様で、給与支払情報DB45に出力し記憶させる。
【0037】
給与支払データ作成部36は、給与支払条件受付部35が受け付けた給与期間及び給与支払方法に基づいて給与支払データを作成する。例えば、労働者の銀行口座に送金するための給与支払データ又は労働者がアカウントを有するデジタルマネーを提供する資金移動業者の銀行口座に送金するための給与支払データを作成する。この給与支払データ作成部36は、作成した給与支払データを、通信部19を介して金融機関サーバ9に出力する。
【0038】
税務情報取得部37は、通信部19を介して、税務手続(例えば、電子交付・申請サービスを利用した確定申告手続、各種税金の納付手続、年末調整手続等)に用いられる税務情報を取得する。この税務情報取得部37は、取得した税務情報を税務手続データ作成部38に出力する。
【0039】
税務手続データ作成部38は、給与収入算出部34が算出し当該給与収入算出部34によって出力された給与収入、及び税務情報取得部37が取得し当該税務情報取得部37によって出力された税務情報に基づいて、税務手続に用いられる税務手続データを作成する。税務手続データ作成部38によって作成された税務手続データは、外部サーバに出力されて税務手続に用いられる。
【0040】
シフト管理部39は、総労働時間算出部32が算出し当該総労働時間算出部32によって出力された総労働時間、年間労働予定時間DB43に記憶され当該年間労働予定時間DB43から取得した年間労働予定時間、及び上限労働時間DB42に記憶され当該上限労働時間DB42から取得した上限労働時間に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成する。上限労働時間DB42に記憶された上限労働時間には、在留外国人管理サーバ6の就労情報導出部92(
図7参照)が導出し当該就労情報導出部92(
図7参照)によって出力された資格外活動の上限労働時間が含まれる。
【0041】
労働時間DB41は、労働時間取得部31によって入力された単位期間ごとの労働時間を、労働者を特定する共通識別番号ごとに記憶する。単位期間ごとの労働時間は、共通識別番号に紐付けられた態様で、総労働時間算出部32に利用される。
【0042】
上限労働時間DB42は、労働者端末7によって設定され入力された労働者に対する上限労働時間、及び在留外国人管理サーバ6が出力した資格外活動の上限労働時間を記憶する。労働者に対する上限労働時間は、シフト管理部39に利用される。
【0043】
年間労働予定時間DB43は、働き方管理サーバ5の年間労働予定時間設定部74(
図6参照)が受け付け、当該年間労働予定時間設定部74(
図6参照)によって出力された年間労働予定時間を記憶する。
【0044】
共通識別番号DB44は、労働者ごとに共通識別番号を記憶する。共通識別番号は、労働者が勤務する企業に影響されない労働者固有の識別番号であり、例えば、マイナンバーや携帯番号の11桁及び生年月日の8桁で構成される19桁の番号等が挙げられる。
【0045】
給与支払情報DB45は、共通識別番号に対応付けて給与支払期間及び給与支払方法を記憶する。給与支払期間及び給与支払方法は、労働者端末7によって設定され、給与支払条件受付部35が受け付ける。給与支払条件受付部35は、受け付けた給与支払期間及び給与支払方法を共通識別番号に対応付けて、給与支払情報DB45に記憶させる。
【0046】
税務情報DB46は、税務手続を申請するための申請フォーマットを記憶する。税務手続データ作成部38は、労働者端末7によって選択された税務手続に対応した申請フォーマットを税務情報DB46から取得する。
【0047】
(個別管理サーバ4)
次に、
図5を用いて、個別管理サーバ4の機能的構成について説明する。
図5は、個別管理サーバ4の機能的構成の一例を示すブロック図である。なお、個別管理サーバ4についての説明及び図示に際し、CPU11をCPU11aと表示し、記憶部18を記憶部18aと表示することで、他のサーバにおけるCPU11及び記憶部18との区別をする。
【0048】
図5に示すように、個別管理サーバ4のCPU11aは、個別労働時間取得部51、及び第1識別番号変換部52として機能する。
【0049】
個別管理サーバ4の記憶部18aの一領域には、個別労働時間DB61(個別労働時間記憶部)及び第1個別識別番号DB62が設けられている。
【0050】
個別労働時間取得部51は、勤怠アプリケーションがインストールされた複数の労働者端末7の各々から、労働者を特定する個別識別番号ごとに、単位期間(例えば、1日や1週間)ごとの個別労働時間を取得する。個別識別番号は、例えば労働者が勤務する企業が付与する識別番号であり、勤務する企業に影響されない労働者固有の識別番号が付与される場合もあれば、企業ごとに異なる個別識別番号が付与される場合もある。この個別労働時間取得部51は、複数の労働者端末7の各々から、労働者を特定する個別識別番号ごとに取得した単位期間ごとの個別労働時間を、個別労働時間DB61に出力し記憶させる。
【0051】
第1識別番号変換部52は、第1個別識別番号DB62に記憶された個別識別番号と共通識別番号との紐付けに基づいて、個別労働時間DB61に記憶された個別労働時間の個別識別番号を共通識別番号に変換する。第1識別番号変換部52は、変換された共通識別番号ごとに、単位期間ごとの個別労働時間を、通信部19を介して、全体管理サーバ3の労働時間取得部31(
図4参照)に出力する。
【0052】
個別労働時間DB61は、個別労働時間取得部51によって入力された単位期間ごとの個別労働時間を、労働者を特定する個別識別番号ごとに記憶する。
【0053】
第1個別識別番号DB62は、個別識別番号と共通識別番号とを紐付けて記憶する。
【0054】
(働き方管理サーバ5)
次に、
図6を用いて、働き方管理サーバ5の機能的構成について説明する。
図6は、働き方管理サーバ5の機能的構成を示すブロック図である。なお、働き方管理サーバ5についての説明及び図示に際し、CPU11をCPU11cと表示し、記憶部18を記憶部18cと表示することで、他のサーバにおけるCPU11及び記憶部18との区別をする。
【0055】
図6に示すように、働き方管理サーバ5のCPU11cは、労働者情報取得部71、世帯収入変化算出部72、世帯収入変化出力部73、年間労働予定時間設定部74、予測年間給与収入算出部75、及び控除・扶養条件適否判定部76として機能する。
【0056】
働き方管理サーバ5の記憶部18cの一領域には、規則情報DB(規則情報記憶部)81が設けられている。
【0057】
労働者情報取得部71は、労働者端末7から、労働者に関して、税制度における控除の適否、及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報を取得する。この労働者情報取得部71は、労働者端末7から取得した労働者情報を、世帯収入変化算出部72に出力する。
【0058】
税制度における控除の適否を判断するために用いられる労働者情報とは、少なくとも、労働者の配偶者として主たる収入を得ている者の職業及び年収、扶養親族の有無、並びに労働者の交通費を含まない年収である。
【0059】
社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報とは、少なくとも、労働者の交通費を含む年収及び1週あたりの労働時間、並びに労働者が勤務する企業の従業員数に関する情報である。
【0060】
世帯収入変化算出部72は、労働者情報取得部71が取得し当該労働者情報取得部71によって出力された労働者情報、及び規則情報DB81に記憶され当該規則情報DB81から取得した規則情報に基づいて、労働者の予測年間給与収入を変化させた場合における世帯収入の変化を算出する。この世帯収入変化算出部72は、算出した労働者の予測年間給与収入の変化に伴う世帯収入の変化を、世帯収入変化出力部73に出力する。
【0061】
世帯収入変化出力部73は、世帯収入変化算出部72が算出し当該世帯収入変化算出部72によって出力された、労働者の年収の変化に伴う世帯収入の変化データを出力する。この世帯収入変化出力部73は、労働者の年収の変化に伴う世帯収入の変化データと共に、予測年間給与収入算出部75が算出した、労働者の予測される予測年間給与収入を労働者端末7に出力する。
【0062】
年間労働予定時間設定部74は、労働者端末7から、年間労働予定時間の設定を受け付ける。この年間労働予定時間設定部74は、労働者端末7から受け付けた年間労働予定時間を、全体管理サーバ3の年間労働予定時間DB43(
図4参照)に出力する。
【0063】
予測年間給与収入算出部75は、全体管理サーバ3の総労働時間算出部32から、労働者の予測される年間労働時間(予測年間労働時間)を取得し、労働者の予測年間給与収入を算出する。算出した予測年間給与収入は、控除・扶養条件適否判定部76及び世帯収入変化出力部73に出力される。
【0064】
控除・扶養条件適否判定部76は、予測年間給与収入算出部75が算出した予測年間給与収入を取得し、規則情報DB81に記憶された規則に基づいて、税制度における控除及び社会保障制度における扶養の適用条件に該当するか否かを判定する。
【0065】
規則情報DB81は、通信部19を介して取得した、少なくとも税制度及び社会保障制度に関する規則情報を記憶する。規則情報は、世帯収入変化算出部72に利用される。
【0066】
さらに働き方管理サーバ5は、労働者端末7から、社会保険労務士やファイナンシャルプランナー等の専門家に対する相談依頼を受け付けることができる。また、働き方管理サーバ5は、会員登録した労働者に使用される労働者端末7に対して、税制度又は社会保障制度が改正された場合にその改正内容を通知することができる。さらに、働き方管理サーバ5は、全体管理サーバ3から取得した予測年間労働時間や現在総労働時間と、労働者端末7から取得した年間労働予定時間と、を比較し、その比較結果を労働者端末7に対してプッシュ通知することができる。
【0067】
(在留外国人管理サーバ6)
次に、
図7を用いて、在留外国人管理サーバ6の機能的構成について説明する。
図7は、在留外国人管理サーバ6の機能的構成を示すブロック図である。なお、在留外国人管理サーバ6についての説明及び図示に際し、CPU11をCPU11dと表示し、記憶部18を記憶部18dと表示することで、他のサーバにおけるCPU11及び記憶部18との区別をする。
【0068】
図7に示すように、在留外国人管理サーバ6のCPU11dは、在留カード記録情報取得部91、就労情報導出部92、第2識別番号変換部93、及び通知部94として機能する。
【0069】
在留外国人管理サーバ6の記憶部18dの一領域には、就労情報DB101(就労情報記憶部)、在留カード記録情報DB102(在留カード記録情報記憶部)、及び第2個別識別番号DB103が設けられている。
【0070】
在留カード記録情報取得部91は、カードリーダのアプリケーションがインストールされた在留外国人端末8を介して、労働者となる在留外国人の在留カードから在留カード記録情報を取得する。在留カードには、少なくとも在留資格、在留期間、在留期間の満了日、就労制限の有無、及び資格外活動の許可を受けていること(資格外活動の上限労働時間等の制限条件を含む)が記録されている。また、在留カード記録情報取得部91は、個別識別番号を在留外国人端末8より取得する。この在留カード記録情報取得部91は、在留カードから取得した在留カード記録情報を、個別識別番号に紐づけて在留カード記録情報DB102に出力する。
【0071】
就労情報導出部92は、在留カード記録情報取得部91が取得し在留カード記録情報DB102に記憶された在留カード記録情報に基づいて、当該在留カード記録情報に対応した就労情報を就労情報DB101から取得する。この就労情報導出部92は、就労情報DB101から取得した就労情報のうち、少なくとも資格外活動の上限労働時間を、在留カード記録情報に紐づけられた個別識別番号を、第2識別番号変換部93によって変換した共通識別番号と共に、全体管理サーバ3の上限労働時間DB42(
図4参照)に出力する。
【0072】
第2識別番号変換部93は、第2個別識別番号DB103に記憶された個別識別番号と共通識別番号との紐付けに基づいて、在留カード記録情報DB102に記憶された在留カード記録情報の個別識別番号を共通識別番号に変換する。第2識別番号変換部93は、就労情報導出部92が、在留カード記録情報に基いて取得した就労情報のうち、少なくとも資格外活動の上限労働時間を、全体管理サーバ3の上限労働時間DB42に出力する前に、個別識別番号を共通識別番号に変換する。
【0073】
通知部94は、在留カード記録情報取得部91が取得し在留カード記録情報DB102に記憶された在留カード記録情報のうち、在留期間に関する情報に基づいて、労働者端末7及び雇用主端末10の少なくとも一方に対して、在留期間の更新時期を通知する。これにより、労働者は、適切な時期に在留期間の更新許可を申請でき、雇用主は、労働者に対して在留期間の更新許可を申請するように指示することができる。
【0074】
就労情報DB101は、在留カード記録情報と、少なくとも日本において行うことができる活動及び資格外活動が認められる時間を含む就労情報と、を対応させて記憶する。就労情報DB101に記憶された情報は、就労情報導出部92に利用される。
【0075】
在留カード記録情報DB102は、在留カード記録情報取得部91が取得した在留カード記録情報を個別識別番号に紐づけて記憶する。在留カード記録情報DB102に記憶された情報は、就労情報導出部92に利用される。
【0076】
第2個別識別番号DB103は、個別識別番号と共通識別番号とを紐付けて記憶する。
【0077】
<処理内容>
(単位期間の個別労働時間の出力)
図8及び
図9を用いて、個別管理サーバ4において、単位期間の個別労働時間を出力するまでの流れについて説明する。
【0078】
個別管理サーバ4の個別労働時間取得部51は、労働者端末7より、個別識別番号及び単位期間の個別労働時間を取得する(S11)。
個別労働時間取得部51は、取得した個別識別番号及び単位期間の個別労働時間を紐づけて個別労働時間DB61に記憶させる(S12)。
第1識別番号変換部52は、個別識別番号を共通識別番号に変換し(S13)、共通識別番号及び単位期間の個別労働時間を全体管理サーバ3に出力する(S14)。
【0079】
(単位期間の総労働時間の出力)
同じ
図8及び
図9を用いて、全体管理サーバ3において、単位期間の総労働時間を出力するまでの流れについて説明する。
【0080】
全体管理サーバ3の労働時間取得部31は、個別管理サーバ4が出力した、共通識別番号及び単位期間の個別労働時間を取得する(S15)。
労働時間取得部31は、取得した共通識別番号及び単位期間の個別労働時間を労働時間DB41に記憶させる(S16)。この労働時間DB41は、共通識別番号で特定される労働者が複数の企業で働いた単位期間の個別労働時間を記憶する。
総労働時間算出部32は、労働時間DB41に記憶された個別労働時間を共通識別番号ごとに加算し、共通識別番号で特定される労働者の総労働時間を出力する(S17)。
総労働時間算出部32は、総労働時間の用途によって労働時間を累積加算する期間を変更することができる。
【0081】
(労働者のシフトスケジュール作成)
次に、
図10を用いて、全体管理サーバ3における、予測年間総労働時間、年間労働予定時間及び上限労働時間に基づいて労働者のシフトスケジュールを作成するまでの流れについて説明する。
【0082】
全体管理サーバ3の総労働時間算出部32は、労働時間DB41に記憶された共通識別番号に紐づけられた単位期間の個別労働時間に基づいて、共通識別番号で特定される労働者の総労働時間を取得し(S21)、予測される年間の総労働時間(予測年間総労働時間)を算出してシフト管理部39に出力する(S22)。
次にシフト管理部39は、共通識別番号に基づいて、年間労働予定時間DB43に記憶された年間労働予定時間を取得する(S23)。
シフト管理部39は、予測年間総労働時間と年間労働予定時間とを比較し(S24)、予測年間労働時間が年間労働予定時間より少ない場合(S24でYes)には、現在までの総労働時間に基づくシフトスケジュールを調整する(S25)。
予測年間労働時間が年間労働予定時間以上の場合(S24でNo)には、雇用主に対して年間労働予定時間に達していることを通知する(S29)。
【0083】
シフト管理部39は、調整後のシフトスケジュールに基づいた総労働時間(新たに追加される労働時間を、S19(
図9)で算出した現在までの総労働時間に加算したもの)を、年間労働予定時間と比較する(S26)。
調整後のシフトスケジュールに基いた総労働時間が、年間労働予定時間より少ない場合(S26でYes)には、調整後のシフトスケジュールに基いた一週間あたりの総労働時間を上限労働時間と比較する(S27)。
調整後のシフトスケジュールに基いた一週間あたりの総労働時間が上限労働時間より少ない場合(S27でYes)には、シフトスケジュールを確定する(S28)。
調整後のシフトスケジュールに基いた総労働時間が、年間労働予定時間を超える場合(S26でNo)、及び調整後のシフトスケジュールに基いた一週間あたりの総労働時間が上限労働時間を超える場合(S27でNo)には、シフトスケジュールを再調整する。
【0084】
(給与収入の支払い)
次に、
図11及び
図12を用いて、給与収入をデジタルマネーで支払うまでの流れについて説明する。なお、
図8乃至
図10と同じ流れについての説明は省略する。
【0085】
全体管理サーバ3の給与支払条件受付部35は、労働者端末7から、共通識別番号に紐付けられた態様で、給与支払期間及び給与支払方法の選択を受け付ける。給与支払条件受付部35は、受け付けた給与支払期間及び給与支払方法を、共通識別番号に紐付けた態様で、給与支払情報DB45に出力し記憶させる。
【0086】
給与収入算出部34は、給与支払情報DB45に記憶された情報に基づいて、給与支払期間及び給与支払方法が設定されているかを確認し(S31)、給与支払期間及び給与支払方法の双方が設定されている場合(S31でYes)には、給与支払期間に達しているかを判定する(S32)。
給与支払期間に達している場合(S32でYes)には、全体管理サーバ3の総労働時間算出部32は、労働時間取得部31が取得し労働時間DB41に記憶された、共通識別番号に紐づけられた単位期間の個別労働時間のうち、給与支払期間内であり、かつ給与支払処理が実行されていない個別労働時間を、共通識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出し、算出した総労働時間を、共通識別番号に紐付けた態様で、全体管理サーバ3の給与収入算出部34に出力する(S33)。
【0087】
給与収入算出部34は総労働時間に基づいた給与を算出する(S34)。
給与支払データ作成部36は、給与収入算出部34が算出した給与を、設定された給与支払方法に基づいて支払うための1以上の給与支払データを作成する(S35)。
給与支払期間及び給与支払方法のいずれか一つが設定されていない場合(S31でNo)には、労働者端末7に対して、設定を求める情報を出力する。給与支払期間に達していない場合(S32でNo)には、給与支払期間に達するまで待機する。
【0088】
給与支払データ作成部36は、作成した1以上の給与支払データを、給与支払方法に基づいて支払うための給与支払処理を実行する(S36)。労働者の銀行口座に振込む場合には、労働者の氏名、銀行口座及び給与支払金額を指定する給与支払データを、通信部19を介して金融機関サーバ9に出力する。また、デジタルマネーとして資金移動業者の口座に送金する場合には、労働者の氏名、労働者の資金移動業者におけるアカウント及び給与支払金額を指定する給与支払データを、通信部19を介して金融機関サーバ9に出力する。
【0089】
(控除・扶養の適用条件の判定及び世帯収入変化の算出)
次に、
図13及び14を用いて、労働者が税制度における控除及び社会保障制度における扶養に該当するのか否かを判定し、かつ労働者の収入の変化に応じた世帯収入の変化を算出するまでの流れについて説明する。なお、
図8乃至
図10と同じ流れについての説明は省略する。
【0090】
全体管理サーバ3の総労働時間算出部32は、労働時間DB41に記憶された労働時間に基づいて、1月1日から現在までの総労働時間を算出し(S41)、予測年間労働時間を算出する(S42)。
総労働時間算出部32は、算出した予測年間労働時間を働き方管理サーバ5の予測年間給与収入算出部75に出力する。予測年間給与収入算出部75は、予測年間労働時間に時給を乗算することにより、予測年間給与収入を算出する(S43)。
働き方管理サーバ5の労働者情報取得部71は、労働者端末7から、労働者に関して、税制度における控除の適否、及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報を取得する(S44)。
【0091】
働き方管理サーバ5の控除・扶養条件適否判定部76は、規則情報DB81に記憶された税制度及び社会保障制度に関する規則を参照し、労働者の予測年間給与収入が税制度の控除及び社会保障制度の扶養の適用条件に該当するか否かを判定する(S45)。
税制度においては労働者の年収によって配偶者控除の対象外となり、配偶者の実質的な給与収入が減少する。社会保障においても、労働者の年収によって配偶者の扶養対象外となり、自ら社会保障費用を負担する必要があるために実質的な給与収入が減少する。そのため、労働者は、税制度における控除及び社会保障における扶養の対象となるように労働時間を調整する。
【0092】
控除・扶養条件適否判定部76は、労働者が控除及び扶養の適用条件に該当する場合(S45でYes)には、適用条件に非該当となるまでの労働可能時間を算出する(S46)。
控除・扶養条件適否判定部76は、控除及び扶養の適用条件に該当するか否かの結果及び労働可能時間を、労働者端末7及び雇用主端末10の少なくとも一方に出力してもよい。
控除・扶養条件適否判定部76は、労働者が控除及び扶養の適用条件に該当しない場合(S45でNo)には、異なる控除及び扶養の適用条件を取得し(S47)、労働者が税制度の控除条件及び社会保障制度の扶養条件を満たしているか否かを改めて判定する(S45)。
【0093】
働き方管理サーバ5の世帯収入変化算出部72は、労働者情報取得部71によって出力された労働者情報、及び働き方管理サーバ5の規則情報DB81から取得した規則情報に基づいて、労働者の予測年間給与収入の変化に応じた世帯収入の変化を表すデータを算出し(S48)、働き方管理サーバ5の世帯収入変化出力部73に出力する。
世帯収入変化出力部73は、働き方管理サーバ5の世帯収入変化算出部72によって出力された労働者の予測年間給与収入の変化に応じた世帯収入の変化を表すデータを、予測年間給与収入算出部75がS43で算出した予測年間給与収入と共に出力する(S49)。
働き方管理サーバ5の世帯収入変化出力部73が出力したデータは、労働者端末7に出力される。その後、働き方管理サーバ5の年間労働予定時間設定部74は、労働者端末7から、年間労働予定時間の設定を受け付ける。働き方管理サーバ5の年間労働予定時間設定部74は、労働者端末7から受け付けた年間労働予定時間を、全体管理サーバ3に出力し、全体管理サーバ3の年間労働予定時間DB43に記憶させる。
【0094】
(税務手続データの作成)
次に、
図15を用いて、労働者の税務手続データを作成するまでの流れについて説明する。
【0095】
全体管理サーバ3の税務情報取得部37は、通信部19を介して労働者端末7より、労働者が選択した税務手続(例えば、電子交付・申請サービスを利用した確定申告手続、各種税金の納付手続、年末調整手続等)を示す選択情報を、労働者の共通識別番号に紐付けて取得する(S51)。
【0096】
税務情報取得部37は、取得した選択情報に対応する申請フォーマットを税務情報DB46から取得する(S52)。
さらに税務情報取得部37は、通信部19を介して外部サーバより、共通識別番号によって特定される労働者の税務手続に必要な電子証明書を取得し、必要な税務情報を抽出する(S53)。例えば、年末調整手続として保険料控除を申告する場合には、保険料の支払金額を証明する書類が必要であるため、当該保険料の支払金額を証明する電子証明書を取得する。税務情報取得部37は、取得した電子証明書から必要な税務情報を抽出し、労働者の共通識別番号と紐付けて税務情報DB46に記憶する。
【0097】
税務手続データ作成部38は、税務情報取得部37が抽出し税務情報DB46に記憶した税務情報を申請フォーマットの該当箇所に入力し、申請データを作成する(S54)。
税務手続データ作成部38は、作成された申請データ及び電子証明書を、当該申請を受け付ける外部サーバ等に出力する(S55)。
【0098】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、複数のアプリケーションを利用する労働者の総労働時間を正確に把握できる。また、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出できるため、最適な働き方を簡易に把握できる。
【0099】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、複数のアプリケーションを利用する労働者の総労働時間を正確に把握することができ、労働者が設定する給与支払期間ごとに、1以上の企業から支給される給与をまとめて得ることができる。そして、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出できるため、最適な働き方を簡易に把握することができ、この最適な働き方に応じたシフトスケジュールを作成することができる。また、労働者が自身の総労働時間に基づいて税務手続を簡易に行うことができる。
【0100】
<他の実施形態>
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0101】
上述の実施形態によれば、全体管理サーバ3と、1以上の個別管理サーバ4と、1以上の働き方管理サーバ5と、1以上の在留外国人管理サーバ6と、1以上の金融機関サーバ9と、は別個のサーバとしたが、複数のサーバの機能を一つのサーバが担うこともできる。
【0102】
上述の実施形態によれば、全体管理サーバ3がシフト管理部39の機能を有するものとしたが、個別管理サーバ4がシフト管理部39の機能を有してもよい。その場合は、労働者のシフトスケジュールを調整するにあたり、全体管理サーバ3にアクセスし、総労働時間及び上限労働時間との比較を行う。
【0103】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0104】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0105】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、あるいは接続可能なコンピュータに搭載、あるいはアクセス可能なものであってもよい。
【0106】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0107】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図4の全体管理サーバ3)は、労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段(例えば、
図4の労働時間取得部31)と、前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段(例えば、
図4の総労働時間算出部32)と、前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間を出力する総労働時間出力手段(例えば、
図4の総労働時間出力部33)と、を備える。
これにより、単位期間ごとの労働時間から複数のアプリケーションを利用する労働者の総労働時間を正確に把握することができる。
【0108】
また、(2)労働者を特定する個別識別番号ごとに、単位期間ごとの個別労働時間を取得する個別労働時間取得手段(例えば、
図5の個別労働時間取得部51)と、前記個別識別番号を共通識別番号に変換する識別番号変換手段(例えば、
図5の第1識別番号変換部52)と、前記個別労働時間取得手段が取得した個別労働時間を、前記共通識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段(例えば、
図4の総労働時間算出部32)と、前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間を出力する総労働時間出力手段(例えば、
図4の総労働時間出力部33)と、を備える。
これにより、複数のアプリケーションを利用する労働者が単位期間ごとの個別労働時間から総労働時間を正確に把握することができる。
【0109】
また、(3)前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間に基づいて、給与支払期間及び所定期間のうち少なくとも一方の期間内に得た給与収入を算出する給与収入算出手段(例えば、
図4の給与収入算出部34)と、給与支払方法の選択を受け付ける給与支払条件受付手段(例えば、
図4の給与支払条件受付部35)と、前記給与支払条件受付手段が、給与支払方法としてデジタルマネーの選択を受け付けた場合、前記給与収入算出手段が算出した前記給与収入をデジタルマネーで支払うための給与支払データを作成する給与支払データ作成手段(例えば、
図4の給与支払データ作成部36)と、を備える。
これにより、給与支払期間内に得た給与収入をデジタルマネーで支払ことが可能となる。
【0110】
また、(4)前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間に基づいて、給与支払期間及び所定期間のうち少なくとも一方の期間内に得た給与収入を算出する給与収入算出手段(例えば、
図4の給与収入算出部34)と、税務手続に用いられる税務情報を取得する税務情報取得手段(例えば、
図4の税務情報取得部37)と、前記給与収入算出手段が算出した給与収入、及び前記税務情報取得手段が取得した税務情報に基づいて、税務手続に用いられる税務手続データを作成する税務手続データ作成手段(例えば、
図4の税務手続データ作成部38)と、を備える。
これにより、所定期間内に得た給与収入及び税務情報から、税務手続用の税務手続データを作成することができる。
【0111】
また、(5)前記識別番号は、マイナンバーである。
これにより、マイナンバーを識別番号として用いることができる。
【0112】
また、(6)前記共通識別番号は、マイナンバーである。
これにより、マイナンバーを共通識別番号として用いることができる。
【0113】
また、(7)労働者に対する上限労働時間を記憶する上限労働時間記憶手段(例えば、
図4の上限労働時間DB42)と、前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間、及び前記上限労働時間記憶手段に記憶された上限労働時間に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段(例えば、
図4のシフト管理部39)と、を備える。
これにより、労働者によって異なる上限労働時間を把握して、その労働者に適したシフトスケジュールを作成することができる。
【0114】
また、(8)本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図2の情報処理システム1)は、労働者に関して、税制度における控除の適否、及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報を取得する労働者情報取得手段(例えば、
図6の労働者情報取得部71)と、少なくとも税制度及び社会保障制度に関する規則情報を記憶する規則情報記憶手段(例えば、
図6の規則情報DB81)と、前記労働者情報取得手段が取得した労働者情報、及び前記規則情報記憶手段に記憶された規則情報に基づいて、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出する世帯収入変化算出手段(例えば、
図6の世帯収入変化算出部72)と、前記世帯収入変化算出手段が算出した世帯収入の変化を出力する世帯収入変化出力手段(例えば、
図6の世帯収入変化出力部73)と、を備える。
これにより、税制度及び社会保障制度を考慮して、労働者の世帯収入を最適化することができる。
【0115】
また、(9)年間労働予定時間の設定を受け付ける年間労働予定時間設定手段(例えば、
図6の年間労働予定時間設定部74)を備える。
これにより、税制度及び社会保障制度を考慮して、労働者の年間労働予定時間を最適化することができる。
【0116】
また、(10)前記年間労働予定時間設定手段が受け付けた年間労働予定時間に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段(例えば、
図4のシフト管理部39)を備える。
これにより、税制度及び社会保障制度を考慮して、労働者のシフトスケジュールを最適化することができる。
【0117】
また、(11)本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図2の情報処理システム1)は、労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段(例えば、
図4の労働時間取得部31)と、前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段(例えば、
図4の総労働時間算出部32)と、前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間に基づいて、給与支払期間及び所定期間内に得た給与収入を算出する給与収入算出手段(例えば、
図4の給与収入算出部34)と、労働者に関して、税制度における控除の適否、及び社会保障制度における扶養の適否を判断するために用いられる労働者情報を取得する労働者情報取得手段(例えば、
図6の労働者情報取得部71)と、少なくとも税制度及び社会保障制度に関する規則情報を記憶する規則情報記憶手段(例えば、
図6の規則情報DB81)と、前記労働者情報取得手段が取得した労働者情報、及び前記規則情報記憶手段に記憶された規則情報に基づいて、労働者の収入に応じて世帯収入の変化を算出する世帯収入変化算出手段(例えば、
図6の世帯収入変化算出部72)と、前記世帯収入変化算出手段が算出した世帯収入の変化を、前記給与収入算出手段が算出した給与収入と共に出力する世帯収入変化出力手段(例えば、
図6の世帯収入変化出力部73)と、を備える。
これにより、複数のアプリケーションを利用する労働者が単位期間ごとの労働時間から総労働時間を正確に把握すると共に、税制度及び社会保障制度を考慮して、労働者の世帯収入を最適化することができる。
【0118】
また、(12)本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図2の情報処理システム1)は、労働者となる在留外国人の在留カードから、在留カード記録情報を取得する在留カード記録情報取得手段(例えば、
図7の在留カード記録情報取得部91)と、前記在留カード記録情報と、少なくとも日本において行うことができる活動及び資格外活動が認められる時間を含む就労情報と、を対応させて記憶する就労情報記憶手段(例えば、
図7の就労情報DB101)と、前記在留カード記録情報取得手段が取得した在留カード記録情報に基づいて、当該在留カード記録情報に対応した就労情報を前記就労情報記憶手段から取得する就労情報導出手段(例えば、
図7の就労情報導出部92)と、前記就労情報導出手段が導出した就労情報に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段(例えば、
図4のシフト管理部39)と、を備える。
これにより、在留外国人が就労する場合の労働者のシフトスケジュールを適切に作成することができる。
【0119】
また、(13)前記在留カード記録情報取得手段が取得した在留カード記録情報を記憶する在留カード記録情報記憶手段(例えば、
図7の在留カード記録情報DB102)と、前記在留カード記録情報記憶手段に記憶された在留カード記録情報のうち、在留期間に関する情報に基づいて、労働者に使用される労働者端末(例えば、
図7の労働者端末7)、及び雇用主に使用される雇用主端末(例えば、
図7の雇用主端末10)の少なくとも一方に対して、在留期間の更新時期を通知する通知手段(例えば、
図7の通知部94)と、を備える。
これにより、在留外国人の在留期間を把握して、在留期間の期限切れを防止することができる。
【0120】
また、(14)本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図2の情報処理システム1)は、労働者を特定する識別番号ごとに、単位時間ごとの労働時間を取得する労働時間取得手段(例えば、
図4の労働時間取得部31)と、前記労働時間取得手段が取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出手段(例えば、
図4の総労働時間算出部32)と、労働者となる在留外国人の在留カードから、在留カード記録情報を取得する在留カード記録情報取得手段(例えば、
図7の在留カード記録情報取得部91)と、前記在留カード記録情報と、少なくとも日本において行うことができる活動及び資格外活動が認められる時間を含む就労情報と、を対応させて記憶する就労情報記憶手段(例えば、
図7の就労情報DB101)と、前記在留カード記録情報取得手段が取得した在留カード記録情報に基づいて、当該在留カード記録情報に対応した就労情報を前記就労情報記憶手段から導出する就労情報導出手段(例えば、
図7の就労情報導出部92)と、前記総労働時間算出手段が算出した総労働時間、前記就労情報導出手段が導出した就労情報に基づいて、労働者のシフトスケジュールを作成するシフト管理手段(例えば、
図4のシフト管理部39)と、を備える。
これにより、複数のアプリケーションを利用する労働者が単位期間ごとの労働時間から総労働時間を正確に把握すると共に、在留外国人が就労する場合の労働者のシフトスケジュールを適切に作成することができる。
【0121】
また、(15)本発明が適用される情報処理方法は、労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得ステップと、前記労働時間取得ステップが取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出ステップと、前記総労働時間算出ステップが算出した総労働時間を出力する総労働時間出力ステップと、を含む。
【0122】
また、(16)本発明が適用されるプログラムは、労働者を特定する識別番号ごとに、単位期間ごとの労働時間を取得する労働時間取得ステップと、前記労働時間取得ステップが取得した労働時間を、前記識別番号に基づいて累積加算することにより総労働時間を算出する総労働時間算出ステップと、前記総労働時間算出ステップが算出した総労働時間を出力する総労働時間出力ステップと、をコンピュータによって実行させる。
【符号の説明】
【0123】
1:情報処理システム、2:インターネット、3:全体管理サーバ、4:個別管理サーバ、5:働き方管理サーバ、6:在留外国人管理サーバ、7:労働者端末、8:在留外国人端末、9:金融機関サーバ、10:雇用主端末、31:労働時間取得部、32:総労働時間算出部、33:総労働時間出力部、34:給与収入算出部、35:給与支払条件受付部、36:給与支払データ作成部、37:税務情報取得部、38:税務手続データ作成部、39:シフト管理部、41:労働時間DB(労働時間記憶部)、42:上限労働時間DB(上限労働時間記憶部)、43:年間労働予定時間DB、44:共通識別番号DB、45:給与支払情報DB、51:個別労働時間取得部、52:第1識別番号変換部、61:個別労働時間DB(個別労働時間記憶部)、62:第1個別識別番号DB、71:労働者情報取得部、72:世帯収入変化算出部、73:世帯収入変化出力部、74:年間労働予定時間設定部、81:規則情報DB(規則情報記憶部)、91:在留カード記録情報取得部、92:就労情報導出部、93:第2識別番号変換部、94:通知部、101:就労情報DB(就労情報記憶部)、102:在留カード記録情報DB(在留カード記録情報記憶部)、103:第2個別識別番号DB