(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065063
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具、インキカートリッジ
(51)【国際特許分類】
C09D 11/17 20140101AFI20240507BHJP
B43K 5/00 20060101ALI20240507BHJP
B43K 7/00 20060101ALI20240507BHJP
B43K 8/02 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
C09D11/17
B43K5/00 110
B43K7/00
B43K8/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183641
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2022173315
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】大野 いつ香
【テーマコード(参考)】
2C350
4J039
【Fターム(参考)】
2C350GA01
2C350GA03
2C350GA04
4J039BA04
4J039BA21
4J039BC09
4J039BC12
4J039BC19
4J039BC35
4J039BC36
4J039BC56
4J039BC57
4J039BE01
4J039BE12
4J039BE16
4J039BE22
4J039BE30
4J039BE33
4J039CA07
4J039EA29
4J039EA48
4J039GA26
4J039GA27
(57)【要約】
【課題】 経時安定性が高く、初期から長期に亘って筆跡かすれ等の不具合が発生することなく、紙面に高濃度の筆跡が形成できる筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具、インキカートリッジを提供する。
【解決手段】 自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料と、水とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、自己分散型顔料の含有量に対して樹脂分散型顔料の含有量が、1.5~12倍量で添加される筆記具用水性インキ組成物。前記筆記具用水性インキ組成物を内蔵した筆記具、インキカートリッジ。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料と、水とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、自己分散型顔料の含有量に対して樹脂分散型顔料の含有量が、1.5~12倍量で添加される筆記具用水性インキ組成物。
【請求項2】
分散剤としてノニオン系分散剤又はアニオン系分散剤を含む請求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項3】
潤滑剤としてリン酸エステル系界面活性剤を含む請求項1又は2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項4】
消泡剤を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項5】
消泡剤として、シリコーン系、疎水性シリカ系、ポリエーテル系、アセチレングリコール系、アクリル系重合物系、オイル系、金属石鹸系、アマイドワックス系の消泡剤から選ばれる一種以上を含む請求項4に記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項6】
回転粘度計による50rpmの粘度が1~5mPa・s(20℃)の範囲にある請求項1乃至5のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項7】
前記請求項1乃至6のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵した筆記具。
【請求項8】
前記請求項1乃至6のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵したインキカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筆記具用水性インキ組成物に関する。更には、高濃度の筆跡が得られる筆記具用水性インキ組成物とそれを用いた筆記具とインキカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水性ボールペン等の筆記具においては耐水性に優れることから、顔料インキが広く適用されており、特に、自己分散型顔料はインキが筆跡として紙面に形成された際、高い発色性を呈して高濃度の筆跡が形成できることから、近年需要が高まっている。
自己分散型顔料を用いた場合、筆跡濃度が高くなるものの、一般的な顔料に比べて筆記感の悪化や筆跡かすれが生じ易くなることから、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル系樹脂のエマルションと表面張力調整剤を併用して解消する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、筆跡かすれ(描線の欠損)を抑制するために、自己分散型顔料とともに、酸化セルロースを併用する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5690087号公報
【特許文献2】特開2017-48274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、自己分散型顔料として自己分散型カーボンブラックを適用した際に、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル系樹脂のエマルションの添加により、筆跡の耐水性と耐擦過性を向上させるとともに、表面張力調整剤の添加により、ペン先からのインキ流出を滑らかにし、更に筆跡のかすれを低減するという技術である。
しかしながら、自己分散型カーボンブラックの分散安定性に乏しいため、長期保管された商品においては筆跡に色ムラが生じたり、ボールペンに適用した際には筆記不良を生じる虞がある。
特許文献2の発明は、酸化セルロースを用いた筆記具インキの課題である経時の粘度分布の不均一性(粘度の上下差)を抑制し、経時的な粘度分布安定性に優れた水性インキを得るために、自己分散型顔料を用いるという技術であり、自己分散型顔料に対して樹脂分散型顔料を質量比で1/2以下(50質量%以下)、好ましくは1/4以下(25質量%以下)で併用することができる旨の記載がされている。これは酸化セルロースを用いることで高粘度化されたインキにおいて、顔料の安定性を維持するために、前述の比率(自己分散型顔料の1/2以下、好ましくは1/4以下)で樹脂分散型顔料を併用するものであり、酸化セルロースの配合量や繊維径によっては、長期的な顔料安定性が確保できなくなり、経時による沈降や凝集を生じる虞がある。
【0005】
本発明は着色剤として自己分散型顔料を用いた際に生じる問題を解消するものであって、即ち、経時安定性が高く、初期から長期に亘って筆跡かすれ等の不具合が発生することなく、紙面に高濃度の筆跡が形成できる筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具及びインキカートリッジを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料と、水とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、自己分散型顔料の含有量に対して樹脂分散型顔料の含有量が、1.5~12倍量で添加される筆記具用水性インキ組成物を要件とする。
更に、分散剤としてノニオン系分散剤又はアニオン系分散剤を含むこと、潤滑剤としてリン酸エステル系界面活性剤を含むこと、回転粘度計による50rpmの粘度が1~5mPa・s(20℃)の範囲にあることを要件とする。
更に、消泡剤を含むこと、消泡剤として、シリコーン系、疎水性シリカ系、ポリエーテル系、アセチレングリコール系、アクリル系重合物系、オイル系、金属石鹸系、アマイドワックス系の消泡剤から選ばれる一種以上を含むことを要件とする。
更には、前記いずれかの筆記具用水性インキ組成物を内蔵した筆記具と、前記いずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵したインキカートリッジを要件とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、自己分散型顔料による高濃度の筆跡が得られるとともに、高いインキ安定性能を長期に亘って維持することができるため、筆跡かすれ等の不具合を生じることなく良好な筆記が長期的に可能な筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具となる。
更に、筆記具用水性インキ組成物をインキカートリッジに収容した場合には、インキカートリッジ交換時のインキ追従性に優れ、インキ消費後のインキカートリッジ交換による長期的な連続使用に対しても安定したインキ吐出性が維持できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のインキ構成では、濃度の高い筆跡が得られる自己分散型顔料を用いた場合に、インキ粘度に左右されることなく、長期に亘って安定性を維持できるインキを検討した結果、自己分散型顔料の含有量に対して、含有量が1.5~12倍量となるように樹脂分散型顔料を添加することで、高いインキ分散安定性能が得られることを見出したものである。特に、樹脂分散型顔料を分散する分散剤として、ノニオン系分散剤やアニオン系分散剤を用いた場合には、より高い性能が得られることを見出したものである。
【0009】
着色剤として用いられる顔料は、自己分散型顔料と樹脂分散型顔料が併用される。
本発明において、「自己分散型顔料」とは、分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解することが可能な顔料をいい、「樹脂分散型顔料」とは、分散剤によって分散可能とした顔料をいう。
自己分散型顔料としては、顔料に物理的処理又は化学的処理を施すことで、顔料の表面に親水基を結合(グラフト)させた顔料が挙げられ、親水基としては、例えば、-COOM、-SO3M、-SO2M、-CO-、-OM、-SO2NH2、-RSO2M、-PO3HM、-PO3M2、-SO2NHCOR、-NH3、及び-NR3から選択される一以上の親水基が好適である。尚、これらの式中のMは互いに独立して、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表す。また、これらの式中のRは互いに独立して、炭素原子数1~12のアルキル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
物理的処理としては、例えば、真空プラズマ処理等が挙げられ、化学的処理としては、例えば、水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p-アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法や、スルホラン等のスルホン化溶剤中で、酸化硫黄やスルファミン酸のようなスルホン化剤により顔料表面をスルホン化し、その後水系に転相させる方法等が挙げられる。
【0010】
自己分散型顔料としては、例えば、自己分散型カーボンブラック、自己分散型有機顔料等を挙げることができる。
市販品では、オリエント化学工業株式会社製のマイクロジェットシリーズ、東海カーボン株式会社製のAqua-Blackシリーズ、冨士色素株式会社製のFuji-JETBlackシリーズ、キャボット社製のCAB-O-JETシリーズ等が挙げられる。
樹脂分散型顔料としては、例えば、カーボンブラック、一般的な有機顔料、酸化チタン等の無機顔料を挙げることができる。
自己分散型顔料は単一種を用いても良く、複数種を併用しても良い。
【0011】
自己分散型顔料の含有量に対して樹脂分散型顔料の含有量が、1.5~12倍量で添加される。樹脂分散型顔料の含有量を上記範囲とすることで、自己分散型顔料に対して樹脂分散型顔料が有効に作用して水性インキ中での分散性を保持することで、長期的なインキ安定性が得られる。
含有量が1.5倍量未満では、筆記距離が長くなるに伴って、ボール受座の摩耗による筆感の悪化や筆跡のカスレが生じる虞や、長期保管後に色ムラが生じる等の安定性に十分な効果が得られ難くなる虞があり、12倍量を超えると顔料全体の含有量が大きくならないように自己分散型顔料の含有量を減らす必要が生じ、発色性に乏しい筆跡となる虞があるため、前述の範囲が好適である。
【0012】
インキ中への顔料の含有量(自己分散型顔料と樹脂分散型顔料の合計)は、筆記具用水性インキ組成物全量に対して、3~15質量%、好ましくは5~12質量%の範囲とすることが望ましい。
含有量を上記の範囲とすることで、鮮明な筆跡を形成しつつ、安定性に優れたインキ組成物を得ることができる。
【0013】
その他、必要により、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料や特殊顔料を添加することも可能であり、染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
また、特殊顔料としては、蛍光顔料、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉等を例示できる。
【0014】
分散剤としては、ノニオン系、アニオン系又はカチオン系の分散剤が挙げられるが、そのいずれであってもよい。これらのうち、ノニオン系とアニオン系の分散剤が、本発明の構成においては分散安定性に特に優れる傾向があるため、より好ましい。
具体的に、アニオン系分散剤としては、ポリアクリル酸及びその誘導体、アクリル酸共重合体や芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物やβ-ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等が挙げられる。ノニオン系分散剤としては、アルキルエーテルのエチレンオキサイド付加物やグリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。分散剤を用いる場合、含有量は顔料の総質量を基準として、10~80質量%であることが好ましく、15~60質量%であることがより好ましい。
【0015】
本発明によるインキ組成物は、水を含んでなる。
水としては特に制限されるものではなく、例えば、水道水、イオン交換水、限外ろ過水、及び蒸留水等を例示できる。
インキ組成物の総質量に対する水の含有率は、特に限定されるものではないが、好ましくは35~95質量%、より好ましくは40~90質量%の範囲である。
【0016】
本発明のインキ組成物には、上記した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を配合させることができる。
【0017】
例えば、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
尚、水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2~60質量%、好ましくは5~35質量%の範囲で用いられる。
【0018】
更に、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することもできる。
水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、デキストリン等が挙げられる。水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1~30質量%の範囲で用いられる。
尚、通常頻繁に添加されるポリビニルアルコールは、添加によりインキが高粘度化してしまうため、本願発明のインキには添加されない。本発明の構成においては、インキ粘度を高めることなく、顔料の分散安定性を保持できるものであるため、特に低粘度インキへの適用において有用である。
【0019】
また、界面活性剤を配合させることができ、インキ組成物の表面張力を適切な範囲に調整することができる。
界面活性剤には、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等があるが、何れも好適に用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレン結合を構造中に有する界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を例示でき、これらの界面活性剤は、インキ組成物の成分や用途などに応じて適切に選択される。特に、本発明の構成において、リン酸エステル系界面活性剤が親和性が高く、潤滑剤としての効果も発現するため、好適に用いられる。
界面活性剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~5質量%の範囲である。
【0020】
更に、pH調整剤を配合することができ、インキ組成物のpHを適切な範囲に調整することができる。pH調整剤としては、各種の酸性物質や塩基性物質を用いることができる。
酸性物質としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等を例示できる。
塩基性物質としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム等を例示でき、また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類を適用することもできる。
pH調整剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.5~2質量%の範囲である。
尚、通常酸性物質として添加されているホウ酸の他、ホウ酸塩、ジグリセリルボレート等のホウ酸化合物を添加した場合、分散剤としてノニオン系又はアニオン系の分散剤を用いた際に顔料の凝集を生じたり、リン酸エステル系界面活性剤を潤滑剤として用いた際に潤滑機能が発揮されない等の不具合を生じるため、本願発明のインキには添加されない。
【0021】
その他、必要に応じて、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、サポニン等の防錆剤、
石炭酸、1、2-ベンズチアゾリン3-オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、
尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤や比重調整剤等を使用してもよい。
更に、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α-トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α-グルコシルルチン、α-リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。
また、N-ビニル-2-ピロリドンのオリゴマー、N-ビニル-2-ピペリドンのオリゴマー、N-ビニル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
更に、潤滑剤を添加することができ、例えば、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、β-アラニン型界面活性剤、N-アシルアミノ酸、N-アシルメチルタウリン、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α-リポ酸、N-アシル-L-グルタミン酸とL-リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。特に、本発明の構成においては前述の通り、リン酸エステル系界面活性剤が親和性が高いため、好適に用いられる。
更に、所望の粘度を逸脱しない範囲でキサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム等の剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
【0022】
本発明のインキ組成物は顔料分散剤に起因してインキが揺動することで泡立ち易いため、特にインキカートリッジに収容して使用する場合には、消泡剤を用いることが好適である。
消泡剤としては、シリコーン系、疎水性シリカ系、ポリエーテル系、アセチレングリコール系、アクリル系重合物系、オイル系、金属石鹸系、アマイドワックス系等の消泡剤が挙げられ、一種以上を選択して用いることができる。
消泡剤を用いることで、インキ揺動時の泡立ちを抑えるとともに、表面張力が高い水性インキであっても細径で樹脂製のカートリッジ容器におけるインキ流動性を確保できるようになるため、インキカートリッジ交換後のペン先へのインキ供給が安定化され、長期に亘って均一な筆跡が形成できる。これはインキカートリッジ交換に伴う長期的な連続使用に対しても継続的なインキ吐出安定性が維持される。
【0023】
前記消泡剤はインキ組成物全量中0.001~3重量%、好ましくは0.01~0.5重量%の範囲で添加される。
0.001重量%未満では所期の効果を得ることは困難であり、又、3重量%を越えて添加しても前記効果の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
【0024】
前述の構成からなる水性インキ組成物は、筆記具に内蔵した際に吐出可能な粘度範囲で適用されるものであるが、特に本発明のインキ構成においては、顔料の分散安定性に不利とされる低粘度インキにおいて高い効果を発現する。
具体的には、インキ粘度に起因する分散安定性が得られ難い、BL型回転粘度計による50rpm時の粘度が1~5mPa・s(20℃)の範囲のインキが例示できる。
本発明のインキ組成物では、1~5mPa・sという極めて低粘度なインキであっても、自己分散型顔料を長期に亘って安定保持できるため、より有効なものとなる。
【0025】
更に、前述の構成からなる水性インキ組成物では、自己分散型顔料と樹脂分散型顔料の不安定化指数TSIが0.02~0.2となるように調整されることが好ましい。
不安定化指数TSI(TURBISCAN Index)とは、下記式で求められる値であり、インキ中の顔料の不安定さを示す指標となる。
〔式中、hはスキャン時を示し、Hは測定時間を示し、iはスキャン回数を示し、scani(h)はスキャン時におけるマルチ散乱光強度を示す。〕
液中分散安定評価装置「TURBISCAN」により、光源を一定時間間隔でサンプル管の上下方向にスキャンすることにより、サンプルからの透過光及び後方散乱光を検出する(経時による分散状態の変化の度合いを数値化する)ことで得られる。
不安定化指数TSIは0.2を超えると顔料の沈降が生じ易くなるため、特に0.02~0.2の範囲での適用が望ましい。
【0026】
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、万年筆型金属チップ、ボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペン、更には万年筆等の筆記具に充填される。更に、筆記具に直接充填される他、筆記具本体に着脱可能なインキカートリッジのインキ貯蔵部に充填される。尚、前記筆記具は、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式であってもよい。
【0027】
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先(砲弾型、チゼル型、筆ペン型等)や万年筆型金属チップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
また、ペン先を1本備えるものの他、太さや形状の異なるペン先を軸筒の両端に備えた両頭式形態であってもよい。尚、前記両頭式形態においては、一端をボールペンとしたものであってもよい。
【0028】
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造のボールペン等が挙げられる。尚、前記液栓とともに固体栓を併用することもできる。
【0029】
ボールペンチップは、例えば、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したもの、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したもの等を適用でき、特に押圧変形によるチップは、ボール後端との接触面積が比較的小であり、低筆記圧でのスムーズな筆記感を与えることができる。
ボールペンチップに抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.1~2.0mm、好ましくは0.2~1.2mm、より好ましくは0.28~1.0mmのボールが有効である。
尚、ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもでき、不使用時のインキ漏れを抑制できる。
弾発部材は、金属細線のスプリング、スプリングの一端にストレート部(ロッド部)を備えたもの、線状プラスチック加工体等を例示でき、5~40gの弾発力により、押圧可能に構成して適用される。
【0030】
水性インキ組成物を収容する軸筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
軸筒にはチップを直接連結する他、接続部材を介して軸筒とチップを連結してもよい。更にカートリッジ型として交換可能な構成とすることもできる。
軸筒内に収容されるインキ組成物は、インキ組成物が低粘度である場合は軸筒前部にインキ保留部材を装着し、軸筒内に直接インキ組成物を収容する方法と、多孔質体或いは繊維加工体にインキ組成物を含浸させて収容する方法が挙げられる。
【0031】
前記インキ保留部材として、多数の薄い円盤体が互いに僅かな間隙(櫛溝状間隔)を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなる、所謂ペン芯を用いた筆記具においては、その材質として、多数の円盤体を櫛溝状とした構造に射出成形できる合成樹脂であれば汎用のポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体等いずれを用いることもできるが、特に成形性が高く、ペン芯性能が得られやすい点からアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体が好適である。
【0032】
更に、前記ペン芯後方に配設され、水性インキ組成物を収容するインキ貯蔵部は、筆記具本体に着脱可能な構造としてインキカートリッジ形態とすることもできる。この場合、先に収容するインキを使い切った後に新たなインキカートリッジと取り替えて使用されるため、新たにインキ貯蔵部内のインキをペン先に流動させる必要が生じる。そのため、本願構成の水性インキの適用がより有用なものとなる。
前記インキカートリッジとしては、筆記具本体に接続することで筆記具を構成する軸筒を兼ねたものや、筆記具本体に接続した後に軸筒(後軸)を被覆して保護するものが適用できる。尚、後者においては、インキカートリッジ単体での適用の他、使用前の筆記具において、筆記具本体とインキカートリッジが接続されているものや、ユーザーが筆記具使用時に軸筒内のインキカートリッジを接続して使用を開始するように非接続状態で軸筒内に収容したもののいずれであってよい。
【0033】
更に、軸筒として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
尚、軸筒は、ボールペン用レフィルの形態として、レフィルを外軸内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、軸筒内に直接インキを充填してもよい。
【0034】
軸筒を用いたボールペンは、キャップ式、出没式のいずれの形態であっても適用できる。出没式ボールペンとしては、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で外軸内に収納されており、出没機構の作動によって外軸開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
ノック式は、外軸後端部や外軸側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成、或いは、外軸に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
回転式は、外軸に回転部(後軸等)を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成、或いは、外軸に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
尚、出没式ボールペンは、外軸内に一本のボールペンレフィルを収容したもの以外に、複数のボールペンレフィルを収容してなる複合タイプの出没式ボールペンであってもよい。また、ボールペンレフィルを構成するインキ収容管は樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
【0035】
ボールペンレフィルに収容したインキの後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
尚、前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することもできる。
【実施例0036】
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に実施例及び比較例の筆記具用水性インキの組成と測定値を示す。尚、表中の組成の数値は質量部を示す。また、実施例及び比較例1,2,4のインキの粘度は20℃でBL型回転粘度計〔東機産業株式会社製〕を用いて50rpmで測定し、比較例3のインキの粘度は回転数を30rpmとして測定した。
不安定化指数(TSI)は、各インキ組成物をガラス瓶に高さが40mm以上となるように充填し、部位に依らずにサンプル全体の値を採用するように、液中分散安定評価装置「TURBISCAN」〔Formulaction社製〕を用いて下記測定条件で測定した。〔測定器具:専用ガラス瓶(内径25mm×高さ55mm)、測定温度:40℃、測定時間:168時間、スキャン頻度:5分間隔〕
【0037】
【0038】
【0039】
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)表面処理によってカルボキシ基が表面に結合したカーボンブラックが分散されてなる自己分散型顔料分散体、20質量%水分散体、分散剤非含有、商品名:Aqua-Black162、東海カーボン株式会社製
(2)表面処理によってカルボキシフェニル基が表面に結合したカーボンブラックが分散されてなる自己分散型顔料分散体、15質量%水分散体、分散剤非含有、商品名:CAB-O-JET 300、キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ社製
(3)水65質量%中に、カーボンブラック18質量%とアニオン系分散剤(ディスパロンAQ-360、有効成分30%、楠本化成株式会社製)17質量%を添加し、ディスパーにて均一分散させてなる樹脂分散型顔料分散体
(4)水78質量%中に、カーボンブラック15質量%とポリビニルピロリドンからなる分散剤(Sokalan K-30P、有効成分100%、BASFジャパン社製)7質量%を添加し、ディスパーにて均一分散させてなる樹脂分散型顔料分散体
(5)水66質量%中に、カーボンブラック20質量%とスチレンーアクリル系樹脂からなる分散剤(JONCRYL 60J、有効成分34%、BASFジャパン株式会社製)14質量%を添加し、ディスパーにて均一分散させてなる樹脂分散型顔料分散体
(6)第一工業製薬株式会社製、商品名:プライサーフAL
(7)アークサーダジャパン株式会社製、商品名:プロキセルXL-2(S)
(8)MP五協フード&ケミカル株式会社製、商品名:モナートガムGS
(9)第一工業製薬株式会社製、商品名:セロゲン5A
(10)シリコーン系消泡剤、東レダウコーニング株式会社製、商品名:FSアンチフォーム013A
(11)ポリエーテル系消泡剤、サンノプコ株式会社製、商品名:SNデフォーマー180
【0040】
筆記具用インキの調製
前記実施例及び比較例の配合量で各原料を混合し、20℃で30分間撹拌溶解した後、濾過することにより筆記具用水性インキ組成物を得た。
【0041】
ボールペンAの作製
軸筒内部に実施例1乃至6及び比較例1乃至4のインキ組成物をそれぞれ直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介在させてなる、直径0.5mmの超硬合金製ボールを抱持するステンレススチール製切削チップを組み付けた後、キャップを装着することで試料ボールペンAを作製した。
【0042】
マーキングペンの作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に実施例1乃至6及び比較例1乃至4のインキ組成物をそれぞれ含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、ホルダーを介して軸筒先端部にポリエステル繊維の樹脂加工チップ(砲弾型)を接続状態に組み立てた後、キャップを装着することで試料マーキングペンを作製した。
【0043】
インキカートリッジの作製
ポリエチレン樹脂からなる有底筒状の成形体内部をインキ貯蔵部とし、実施例1乃至4及び実施例7乃至10の各インキ組成物0.9gを充填した後、開口部内側に栓体を圧入嵌合させることでインキカートリッジを得た。
【0044】
ボールペンBの作製
直径0.5mmの超硬合金製ボールを抱持するステンレススチール製切削チップをペン先に有するペン芯(ABS樹脂材料を射出成形することで形成)を使用し、インキ貯蔵部が着脱可能となる接続部(槍体)を設けた前軸に対し、インキカートリッジを収容可能な後軸を螺合することで筆記具本体とした(キャップが嵌合されている)。
前記筆記具本体に対して、先に作製したインキカートリッジを接続することで試料用ボールペンBを作製した。
【0045】
前記試料筆記具を用いて以下の試験を行った。
【0046】
インキ安定性試験
各インキ組成物を20mLのガラス瓶に入れて密栓した後、20℃の環境下に60日間放置した。その後、室温にてガラス瓶内のインキの状態を目視により確認した。
【0047】
筆記試験
各試料ボールペンA及び試料マーキングペンを、20℃の環境下に60日間放置した後に、室温にてJIS P3201筆記用紙Aに手書きで1行に12個の螺旋状の丸を3行連続筆記した。その際の筆跡状態を目視により確認した。
【0048】
手書官能試験
各試料ボールペンを、JIS P3201筆記用紙Aに手書きで筆記用紙に手書きで1行に12個の螺旋状の丸を連続筆記した。その際の筆記感について評価した。
【0049】
筆跡濃度
筆記試験により得られた筆跡を目視により確認して評価した。
【0050】
カートリッジ交換試験
前記試料ボールペンBを、室温にてJIS P3201筆記用紙Aに走行試験機(精機工業研究所製)で螺旋状の丸を連続筆記して書き切った後、同じ構成の新しいインキカートリッジに交換し、キャップを外したペン先下向き状態で1時間放置した。その後、前記走行試験機で500m連続筆記した際の筆跡の状態を確認した。
【0051】
インキ吐出性試験
筆記可能であることを確認した各試料ボールペンBを、室温にてJIS P3201筆記用紙Aに前記走行試験機で連続筆記して書き切った後、同じ構成の新しいインキカートリッジに交換し、室温にて市販のレポート用紙に手書きで1行に12個の螺旋状の丸を連続筆記した際の筆跡の状態を確認した。
前記試験の結果を以下の表3及び表4に示す。
【0052】
【0053】
【0054】
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
インキ安定性試験
○:異常なし。
×:インキ中に沈殿が見られる。
筆記試験
○:良好な濃色筆跡を示す。
△:筆跡に若干の線飛びが発生する。
×:筆跡にかすれや線割れが見られる、又は筆記不能である。
手書官能試験
○:非常に滑らかである。
△:実用上問題ないレベルの筆記感である。
×:書き味が重く感じる。
筆跡濃度
○:濃く鮮明な黒色筆跡を示す。
△:実用上問題ない黒色濃度。
×:黒色として薄く感じる。
カートリッジ交換試験
○:ペン先へのインキ供給が安定しており、カスレや線飛びは見られず良好な筆跡が得られた。
×:ペン先へのインキ供給が変則的で筆跡にカスレや線飛びが見られた。
インキ吐出性試験
○:良好な筆跡を示した。
×:筆跡に断続的に連続したカスレや線飛びが生じた。