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特開2024-65073パッド及びスラスト装置アセンブリ、ブレーキキャリパ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065073
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】パッド及びスラスト装置アセンブリ、ブレーキキャリパ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/095 20060101AFI20240507BHJP
   F16D 65/092 20060101ALI20240507BHJP
   F16D 65/097 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
F16D65/095 C
F16D65/092 D
F16D65/097 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183907
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】102022000022167
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ダレッシオ,ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】メコッチ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】テルッツィ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】クリッパ,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA66
3J058AA69
3J058AA73
3J058AA77
3J058AA84
3J058AA87
3J058BA64
3J058CA47
3J058CA49
3J058CA62
3J058CC35
3J058DD06
3J058DD07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブレーキパッドとスラスト装置との間のスムーズな組立てと信頼性の高い接続を可能にする。
【解決手段】スラスト装置は、ブレーキパッドに可逆的に接続可能で、ブレーキパッドは摩擦材料を支持し、スラスト装置を受けるように構成された支持プレート及びピンを含む。ピンは、プレートから片持ち状態で突出するブレーキパッドに固定され、スラスト装置は、スラスト装置キャビティを区画するスラスト装置本体を含む。スラスト装置は保持装置を含む。保持装置は固定部を含みスラスト装置内面に拘束される。保持装置は、第1保持アームと第2保持アームを含む。ピンは互いに反対方向に先細りとなる第1テーパ部と第2テーパ部の結合挿入部含み、ピンをスラスト装置キャビティに挿入する間、第1テーパ部で第1保持アームと第2保持アームの間にピンを楔止めし、組み合わせ状態で第1保持アームと第2保持アームを第2テーパ部に弾性的に当てる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキキャリパ(100)用のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)であって、
少なくとも1つのブレーキパッド(2)と少なくとも1つのスラスト装置(13)とを含み、
前記少なくとも1つのスラスト装置(13)が、前記ブレーキパッド(2)に可逆的に接続可能で、
前記少なくとも1つのスラスト装置(13)が、ブレーキディスク(102)のブレーキ面(103)に対して静止している前記ブレーキパッド(2)をスラスト方向(X-X)に沿ってバイアスして車両にブレーキ作用を加えるように構成されており、
前記少なくとも1つのスラスト装置(13)が半径方向(Z-Z)を画定し、
前記半径方向(Z-Z)が前記スラスト方向(X-X)に入射及び/または垂直であり
前記ブレーキパッド(2)は
前記ブレーキ面(103)に突き当たり、前記ブレーキ作用を加えるように構成された摩擦材(4)と、
前記摩擦材(4)を支持し、前記少なくとも1つのスラスト装置(13)のスラストを受けるように適合された支持プレート(3)であって、前記支持プレート(3)が、前記摩擦材に対向してそれを支持するように構成された支持面(42)と、その上に静止している前記少なくとも1つのスラスト装置(13)を受けるように構成されたスラスト面(36)とを備える、支持プレート(3)と、
ピン根部(10)と自由ピン端部(6)との間でピン延在軸(A)に沿って延びる少なくとも1つのピン(5)であって、前記ピン(5)が前記スラスト面(36)の側で前記支持プレート(3)から片持ち状で突出することによって前記ブレーキパッド(2)にしっかりと固定されているピン(5)とを有し、
前記少なくとも1つのスラスト装置(13)が、前記スラスト方向(X-X)と平行または一致するスラスト装置軸線(C)を中心として延びるスラスト装置内面(15)と共に、前記ブレーキパッド(2)に対向する少なくとも1つのキャビティ開口部(44)を有するスラスト装置キャビティ(14)とを内部に区画するスラスト装置本体(43)を有し、
前記ブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)が、少なくとも1つの保持装置(20)を備え、前記保持装置(20)が、前記保持装置(20)を前記スラスト装置内面(15)に拘束するように構成された少なくとも1つの固定部(23)を有し、
(15)であって、前記保持装置(20)は前記スラスト装置キャビティ(14)内に収容され、
前記保持装置(20)は、前記スラスト装置キャビティ(14)内に収容され、前記スラスト装置内面(15)に拘束され、
前記少なくとも1つのパッド(2)及び前記少なくとも1つのスラスト装置(13)の組み立てられた状態において、前記スラスト装置(13)を前記ブレーキパッド(2)に対して付勢することにで、前記スラスト方向(X-X)またはそれに平行な方向に沿って前記ピン(5)に軸方向拘束力(Fx)を加えることによって、少なくとも前記空洞(14)内に前記ピン(5)を保持し、
前記少なくとも1つの保持装置(20)は、前記ブレーキパッド(2)の滑りを防止するように、前記半径方向(Z-Z)またはそれに平行な方向に沿って前記ピン(5)に半径方向拘束力(Fz)を加えることによって、前記ピン(5)を前記スラスト装置キャビティ(14)内に保持し
前記保持装置(20)が、前記少なくとも1つの固定部(23)から前記スラスト装置キャビティ(14)内に延びる少なくとも第1保持アーム(21)と少なくとも第2保持アーム(22)とを有し、
前記少なくとも第1保持アーム(21)及び前記少なくとも第2保持アーム(22)が、前記スラスト装置軸線(C)から離れる方向及び前記スラスト装置軸線(C)に向かう方向の静止状態に対して弾性的に移動可能であり、
前記ピン(5)が結合挿入部(45)を備え、
前記結合挿入部(45)が、第1テーパ部(7)と第2テーパ部(9)とを有し、
前記第1テーパ部(7)が前記自由ピン端部(6)を有し、
前記第1テーパ部(7)が前記第2テーパ部に対して反対方向にテーパ状であり、
前記ピン(5)が前記スラスト方向(X-X)に沿って前記スラスト装置(14)の前記スラスト装置キャビティ内に挿入される間に、前記少なくとも第1保持アーム(21)と前記少なくとも第2保持アーム(22)との間に前記ピン(5)を前記第1テーパ部(7)で挟み込み、
前記スラスト装置(13)から前記ブレーキパッド(2)の分解に対抗して、前記スラスト装置(13)を前記支持プレート(3)に対して付勢して当接させることによって、前記ピン(5)に向かって前記半径方向(Z-Z)に前記半径方向拘束力(Fz)を加え、かつ軸方向(A-A)に前記軸方向拘束力(Fx)を加えて、前記組み立てられた状態において、前記少なくとも第1保持アーム(21)及び前記少なくとも第2保持アーム(22)を前記第2テーパ部(9)に対して弾性的に付勢する、ブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記結合挿入部(45)は、前記ピン延在軸(A)に沿って前記自由ピン端部(6)から前記ピン根部(10)に向かって、前記第1テーパ部(7)と前記第2テーパ部(9)とを順に備えており、
前記第1テーパ部(7)及び前記第2テーパ部(9)は、前記スラスト装置(13)が前記支持プレート(3)に対して突き当たって前記スラスト装置(13)を前記ブレーキパッド(2)に接続するまで、少なくとも部分的に前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)に対して摺動して前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)の間に挿入されるように構成されており、
前記第1テーパ部(7)は、前記自由ピン端部(6)から前記第2テーパ部(9)に向かって前記ピン延在軸(A)に沿って進み、前記ピン延在軸(A)から離れるにつれて断面が広がり、前記挿入中に前記ピン(5)を前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)との間に挟み込みむようになっており、
前記第2テーパ部(9)が、前記第1テーパ部(7)から前記ピン根部(10)に向かって前記ピン延在軸(A)に沿って進み、前記ピン延在軸(A)に向かって断面が狭くなっており、前記組み立てられた状態において、前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)とが
前記半径方向拘束力(Fz)を前記ピン延在軸(A)に向けて加えるとともに前記軸方向拘束力(Fx)を前記スラスト方向(A-A)に加える一方、前記スラスト装置(13)が前記支持プレート(3)に対して当接した状態を維持しながら、前記ブレーキパッド(2)のスラスト装置(13)からの離脱を阻止する、請求項1に記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)が、前記静止状態と少なくとも1つの干渉構成との間で、前記半径方向(Z-Z)または前記ピン延在軸(A)に直交及び/または入射するそれに平行な方向に沿って、前記ピン延在軸(A)に向かって又前記ピン延在軸(A)から離れる方向に弾性的に移動可能で、
前記静止状態において、前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)は静止距離(P1)だけ離間しており、
前記少なくとも1つの干渉構成では、前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)は、前記ピン(5)の前記結合挿入部(45)に接触して、クランプ距離(P2)だけ離間しており、
前記クランプ距離(P2)は前記静止距離(P1)よりも大きく、
前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)が、前記静止状態に向かって常に弾性的に付勢されている、請求項1に記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ピン(5)の前記結合挿入部(45)は、結合挿入部直径(D1)を有し、
前記自由ピン端部(6)における前記結合挿入部直径(D1)は、前記静止距離(P1)よりも小さく、前記挿入中、前記自由ピン端部(6)を前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)との間にくさびで固定し、
前記結合挿入部直径(D1)が、少なくとも部分的に、前記第1テーパ部(7)に沿って又前記第2テーパ部(9)に沿って、前記静止距離(P1)よりも大きく、
前記クランプ距離(P2)は、前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)が、前記挿入中に前記ピン(5)を前記組み立てられた状態において弾性的にクランプすることによって前記ピン(5)に接触しているときに、前記第1テーパ部(7)に沿って又前記第2テーパ部(9)に沿って、前記結合挿入部直径(D1)に等しい、請求項3に記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記第1テーパ部(7)が、前記第1テーパ部(7)の少なくとも1つのセグメントにおいて、前記ピン延在軸(A)に対して第2テーパ角(K)を有し、
前記第2テーパ部(9)が、前記ピン延在軸(A)に対して第3テーパ角(H)を有し、
前記第3テーパ角(H)が、前記第2テーパ角(K)よりも大きく、
前記スラスト装置(13)を前記ブレーキパッド(2)に連結するために、前記組み立てられた状態で前記スラスト装置(13)が前記支持プレート(3)に弾性的に当接するまでの挿入の際に、前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)との間に前記ピン(5)を摺動して挿入するために克服すべき挿入荷重が、前記保持装置(20)によって固定された前記ピン(5)を抜き取って前記ブレーキパッド(2)を前記スラスト装置(13)から分離するために克服すべき抜き取り荷重よりも小さく、及び/又は
前記ピン(5)が、前記第1テーパ部(7)と前記第2テーパ部(9)との間にプラトー部(37)を備えており、
前記プラトー部(37)は、平坦であり、前記スラスト方向(X-X)及び/又は前記ピン延在軸(A)に対して平行であり、及び/又は
前記ピン(5)の前記結合挿入部(45)は、前記軸方向(A-A)に関して軸対称に延在しており、または、
前記ピン(5)の前記結合挿入部(45)は、前記スラスト方向(X-X)及び/又は前記ピン延在軸(A)に平行な対称平面を有し、
前記ピン(5)の前記結合及び摺動部(45)は、前記対称平面に関して鏡面対称で延在し、
前記第1テーパ部(7)と前記第2テーパ部(9)とが、それぞれの少なくとも部分的に円錐状の表面によって区切られている、請求項1-4のいずれかに記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第1テーパ部(7)は、前記自由ピン端部(6)から前記ピン根部(10)に向かって順に、第1テーパ部(8)と第2テーパ部(11)とを有し、
前記第1テーパ部(8)は、前記ピン延在軸(A)に対して第1テーパ角(J)を有し、
前記第2テーパ部(11)は、前記ピン延在軸(A)に対して前記第2テーパ角(K)を有し、
前記第1テーパ角(J)は前記第2テーパ角(K)よりも大きく、及び/または、
前記第3テーパ角(H)は、前記第2テーパ角(K)と前記第1テーパ角(J)との間にある、請求項5に記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記保持装置(20)がワイヤばねであり、及び/又は
前記固定部(23)が、第1端部と第2端部との間で前記軸方向(A-A)を中心とする円周方向に沿って延びており、
前記第1保持アーム(21)が前記第1端部から延びており、前記第2保持アーム(22)が前記第2端部から延びており、及び/または
前記保持装置(20)が、前記スラスト方向(X-X)を横断する平面内で曲げられて、前記半径方向(Z-Z)またはそれに平行な方向に沿って前記スラスト装置内面(15)に対して弾性的に干渉するように構成された前記固定部(23)を有する開ループを形成しており、及び/または
前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)は、前記ピン(5)の結合挿入部(45)を収容してクランプするように曲げられており、及び/または、
前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)は、前記第2保持アームの一部が前記第1保持アームの延在方向と平行な方向に対して横断するように曲げられており、及び/または、
前記第2保持アーム(22)がフック状に曲げられており、及び/または、
前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)とが、少なくとも部分的に重なるように曲げられている、請求項1-6のいずれかに記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記スラスト装置(13)が環状のスラスト装置口(16)を備えており、
前記環状のスラスト装置口(16)が前記スラスト面(36)に当接するように構成されており、
前記環状のスラスト装置口(16)が前記スラスト装置(13)のキャビティ開口部(44)を画定し、
前記スラスト装置(13)と前記ブレーキパッド(2)とが組立状態にあるとき、前記保持装置(20)は、前記ピン(5)に向かって前記半径方向(Z-Z)に前記半径方向拘束力(Fz)を加えると共に、前記スラスト方向(X-X)に前記軸方向拘束力(Fx)を加え、前記環状スラスト装置口部(16)を前記スラスト面(36)に対して略平行に保ち、前記ブレーキパッド(2)の前記スラスト装置(13)からの分解に対抗し、前記支持プレート(3)を前記スラスト面(36)に対して平行に保つ、請求項1-7のいずれかに記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記スラスト装置内面(15)が、前記固定部(23)を収容するための環状スラスト装置座部(18)を形成するように構成された溝を画定し、
前記環状スラスト装置座部(18)が、前記スラスト方向(X-X)に平行な方向に沿って、前記スラスト装置内面(15)に拘束することによって前記固定部(23)の挿入を可能にするために、互いに間隔を隔てた2つの円形冠壁によって区切られ、及び/または、
前記スラスト装置キャビティ(14)は、
前記保持装置(20)の挿入を可能にするように適合された第1キャビティ部(17)と、
前記保持装置(20)を収容するように適合された環状のスラスト装置座部(18)と、
前記スラスト装置(13)と前記ブレーキパッド(2)とが、前記環状スラスト装置口部(16)が前記支持プレート(3)に対して当接する組立状態にあるときに、前記第1テーパ部(7)と前記プラトー部(37)とを収容するように構成された第2キャビティ部(19)とを備えており、及び/または
前記スラスト装置(13)がスラスト装置直径(D2)を有し、
前記スラスト装置直径(D2)が34mm未満であり、好ましくは前記スラスト装置直径(D2)が28mmと34mmとの間である、請求項1-8のいずれかに記載のブレーキパッドとスラスト装置のアセンブリ(1)。
【請求項10】
ブレーキディスク(102)を跨ぐように構成されたキャリパボディ(101)と、
請求項1-9のいずれかに記載の少なくとも1つのブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)と、
各スラスト装置(13)は
ここで、各スラスト装置(13)と各ブレーキパッド(2)とは
組み立てられた状態であり
各スラスト装置(13)が、ブレーキパッド(2)内に形成されたそれぞれのスラスト装置シート(104)内に収容されており
各スラスト装置(13)は、キャリパボディ(101)に形成された各スラスト装置シート(104)に収容されている、ブレーキキャリパ(100)。
【請求項11】
請求項1-10のいずれか1項に記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ(1)を提供するステップであって、前記固定部(23)を有する前記保持装置(20)が前記スラスト装置内面(15)に拘束され、前記第1保持アーム(21)及び前記第2保持アーム(22)が前記スラスト装置キャビティ(14)内にあり、
前記スラスト装置(13)を前記ブレーキパッド(2)に組み付けるための前記方法が、
前記ピン(5)を前記スラスト装置キャビティ(14)に挿入することで、前記スラスト装置(13)を、前記キャビティ開口部(44)の側から前記ピン(5)へ、又は前記ピン(5)から前記キャビティ開口部(44)の側へと、前記スラスト方向(X-X)に沿って接近させ、
第1挿入ステップにおいて、前記第1テーパ部(7)で前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)の間に前記ピン(5)を楔止めし、
第2挿入ステップにおいて、前記ピン(5)に向かう半径方向(Z-Z)の半径方向拘束力(Fz)と、前記スラスト装置(13)が前記支持プレート(3)に突き当たる状態を維持する軸方向(A-A)の軸方向拘束力(Fx)とを加えることにより、前記スラスト装置(13)が前記支持プレート(3)に当たり、また、前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)が前記第2テーパ部(9)に結合した状態で弾性的に当たるまで、前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)の間に前記第2テーパ部(9)をスライドすることにより、
前記スラスト装置(13)を、前記スラスト方向(X-X)に沿って前記ブレーキパッド(2)の方へ、又はその逆の方向に押して、前記スラスト装置(13)を前記支持プレート(3)に当たった状態に保持することを含む、スラスト装置をブレーキパッドに可逆的に連結する方法。
【請求項12】
前記スラスト装置(13)を前記ブレーキパッド(2)から分離するために、前記方法は、
第1抜き取りステップにおいて、前記第2テーパ部(9)が前記軸方向拘束力(Fx)に打ち勝っている状態で、前記ピン(5)を前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)との間に楔止めし、
第2抜き取りステップにおいて、前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)とが前記静止形状になるまで、前記第1保持アーム(21)と前記第2保持アーム(22)との間で前記第1テーパ部(7)をスライドすることにより、
前記スラスト装置(13)を、前記スラスト方向(X-X)に沿って、又はその逆の方向に、前記ブレーキパッド(2)から引き離すステップを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
【0002】
本発明は、ブレーキキャリパ用のパッド及びスラスト装置アセンブリ、及びブレーキキャリパに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
【0004】
互いに可逆的に連結可能な少なくとも1つのブレーキパッドと少なくとも1つのスラスト装置とを含むブレーキキャリパ用のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリが知られている。このような公知のブレーキパッドとスラスト装置のアセンブリでは、ブレーキパッドとそれぞれのスラスト装置との間に保持機構が設けられており、この保持機構によってスラスト装置がブレーキパッドに係合された状態に保持される。通常、ブレーキパッドは、摩擦材を支持する支持プレートからなる。スラスト装置は、摩擦材に対向するプレートの背面にスラスト作用を加えるように適合されている。スラスト装置は、ブレーキパッドに向かって開口したスラスト装置キャビティを内部に区画する側壁を有するスラスト装置本体から構成される。使用状態においてスラスト装置とブレーキパッドとが組み付けられている状態では、スラスト装置とブレーキパッドとの間の接続により、スラスト装置がキャリパボディに形成されたその座部に引っ込むと同時に、ブレーキパッドをブレーキディスクのブレーキ面から遠ざけることにより、ブレーキパッドを後退させることができる。
【0005】
例えば、文献DE19906804には、特定のカップリングリングによってプレートの背面に拘束されたワイヤスプリングによって可逆的に連結可能なブレーキパッドとスラスト装置とが開示されており、ワイヤスプリングは、スラスト装置の外側側壁に形成された環状溝に拘束作用を加えることによってスラスト装置を保持している。このアセンブリは、スラスト装置とブレーキパッドとの間の可逆的な接続を可能にするが、適切なシートへのワイヤスプリングの接続、及びスラスト装置とワイヤスプリングとの間の接続は、直感的でなく、アセンブリ中に非常に時間がかかり、スラスト装置とブレーキパッドとの接続及び切り離しに特別な工具を必要とする。
【0006】
他の解決策は、文献DE4240872、DE19858743、US2020232528及びDE19652933から公知であり、ブレーキパッドは、ピストンキャビティに干渉によって挿入されるようにプレートの背面に曲げられ拘束されたタブで構成されたバンドばねによって、スラスト装置に可逆的に接続可能である。
【0007】
これらの解決策は、スラスト装置とブレーキパッドとの間の可逆的な接続を可能にするにもかかわらず、組立中に、バンドスプリングの曲げられたタブが偶発的な衝撃や応力を受ける可能性があり、ブレーキパッドとピストンとの間の接続のシール性と信頼性を損なう塑性変形を引き起こす可能性がある。さらに、このようなバンドスプリングの解決策は、小さなピストンやスラスト装置に使用するのに適応していないため、汎用性が低い。
【0008】
スラスト装置とブレーキパッドとが可逆的に接続可能であるさらに他の解決策は、文献EP1957821から知られており、そこでは、パッドの背面から片持ち式に突出し、V字形の中央湾曲部を有するワイヤスプリングと係合するように適合されたピンがあり、ワイヤスプリングはピストンキャビティ内に収容され、V字形の中央湾曲部は、ピンがV字形の中央湾曲部に係合したときにピストンをパッドに対して偏らせるように、パッドプレートから離れるように曲げられている。
【0009】
この解決策は、ブレーキパッドとピストンとの間の可逆的な接続を可能にするものの、ピンをその半径方向内側の中央屈曲部に正しく挿入してピンと係合させ、次いでブレーキパッドを半径方向にV字形屈曲部に向かって持ち上げてV字形屈曲部の弾性作用によってブレーキパッドをピストンに対して締め付けることができるようにするために、組立時にV字形またはU字形の中央屈曲部の向きに多大な注意を払う必要があり、組立が複雑で時間がかかる。
【0010】
したがって、当業界では、ブレーキパッドとスラスト装置との間の可逆的な接続を可能にするブレーキパッドとスラスト装置とのアセンブリを製造することが必要であり、このアセンブリは、簡単で、効果的で、直感的であり、組立に必要な時間を短縮し、経時的に高い接続信頼性を維持し、ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の残留摩擦トルクを回避しながら、ブレーキパッドとピストンとの一体的な後退を可能にする。
【発明の概要】
【0011】
発明の概要
【0012】
本発明の目的は、ブレーキパッドとスラスト装置との間のスムーズな組立てと信頼性の高い接続を可能にするブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ、及びブレーキキャリパを提供することである。
【0013】
この目的及び他の目的及び利点は、請求項1に記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ、請求項10に記載のブレーキキャリパ、並びに請求項11に記載のブレーキパッド及びスラスト装置を可逆的に接続する方法によって達成される。
【0014】
いくつかの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0015】
提案された解決手段により、スラスト装置のキャビティ内のスプリングの向きに関係なく、スラスト装置とブレーキパッドとの間の軸方向の接続を可能にすることができる。
【0016】
さらに、提案された解決手段により、スラスト装置とブレーキパッドとの間の軸方向の接続を可能にすることができ、ブレーキパッドとスラスト装置とを接続する弾性要素の組立中の偶発的な衝撃を防止することができる。
【0017】
さらに、パッドとスラスト装置のアセンブリの形状により、スラスト方向に沿って移動するセルフセンタリング結合によって、ブレーキパッドとスラスト装置のアセンブリを容易にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面の簡単な説明
【0019】
パッド及びスラスト装置アセンブリ、及びブレーキキャリパの更なる特徴及び利点は、添付の図を参照して非限定的に示される、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【0020】
図1図1は、本発明によるブレーキキャリパの軸線図である。」
【0021】
図2図2は、本発明によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの軸線図であり、少なくとも1つのブレーキパッド及び各スラスト装置は、組み立てられた状態にある。
【0022】
図3図3は、図2のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの軸線図であり、一対のブレーキパッド、各スラスト装置、各ピン、及び各保持要素を分解図で見ることができる。
【0023】
図4図4は、本発明によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの組立状態の部分的な断面軸線図である。アセンブリは、ブレーキパッド及びスラスト装置からなる。ここで、部分的に断面されたスラスト装置によって、ブレーキパッド支持プレートの背面から突出するピン、スラスト装置のキャビティに面するスラスト装置の内面によって形成された環状溝内に拘束された、好ましくはワイヤばねの保持装置が見られる。ばねは、ピンのための結合座を形成する互いに半径方向に間隔をおいて配置された第1保持アームと第2保持アームを有する。第1保持アームと第2保持アームは、ピンをクランプするための静止状態に常にバイアスされる半径方向に弾性的に可動である。ピンは、支持プレートに対して遠位にある第1テーパ部によって、第1保持アームと第2保持アームとの間へのピンの挿入を容易にし、支持プレートに対して近位にある第2テーパ部によって、ブレーキパッドとスラスト装置との間のデカップリングを容易にしないような形状である。保持装置は、スラスト方向に沿ってスラスト装置をブレーキパッドに対して弾性的に付勢する第2テーパ部と、組み立てられた状態において干渉状態にある。保持装置がピンを半径方向にクランプすることにより、ブレーキパッドの回転が防止される。
【0024】
図5図5は、図2のブレーキパッドとスラスト装置のアセンブリの部分的な断面側面図であり、ブレーキパッド、ピン、及びスラスト装置が、好ましくは互いに一致するスラスト装置の軸とピンの延長軸とを通る平面に関して断面されており、ピンを第2テーパ部にクランプするスラスト装置の溝に収容された、好ましくはフラッシュ状のばねを示す。
【0025】
図6図6は、本発明の実施形態によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの保持装置の軸方向図であり、スラスト装置のキャビティに収容され、スラスト装置の内面に拘束されるように適合されるとともに、径方向に対向する側面からピンを径方向にクランプし、ピンを軸方向に保持するためのピンの結合座を得るように構成される。
【0026】
図7図7は、スラスト方向X-Xに直交する断面に沿って撮影された、保持装置、スラスト装置、及びピンの正面図である。
【0027】
図8図8は、本発明によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの第1保持アームと第2保持アームとの間のピンの挿入順序を断面側面図で示し、この図では、ピンの第1テーパ部のテーパ面上の2つのばねアームの摺動拡大が、ピンの最大部に達するまで見られ、この場合、半径方向のクランプ力が最大であり、軸方向の挿入力が最小である。
図9図9は、本発明によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの第1保持アームと第2保持アームとの間のピンの挿入順序を断面側面図で示し、この図では、ピンの第1テーパ部のテーパ面上の2つのばねアームの摺動拡大が、ピンの最大部に達するまで見られ、この場合、半径方向のクランプ力が最大であり、軸方向の挿入力が最小である。
【0028】
図10図10は、断面側面図において、スラスト装置と係合したブレーキパッドの公称作動状態及び/またはスラスト装置によって結合されたブレーキパッドの分離状態を示しており、この状態において、ピンは、本発明によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの第1保持アームと第2保持アームとの間に見ることができ、ばねは、2つのばねアームによって形成された結合座からのピンの引き抜きに対抗する軸方向の力を加える。
【0029】
図11図11は、ブレーキパッドピンの詳細を示す側面図であり、ピン結合部の形状を見ることができる。
【0030】
図12図12は、本発明の実施形態によるブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリの保持装置の軸方向図であり、スラスト装置のキャビティに収容され、スラスト装置の内面に拘束されるように適合されている。この保持装置は、ピンと接触し、及び/または少なくとも2つの直交する方向Y-Y、Z-Zに沿ったピンの動きを制御するように適合された少なくとも1つの肘曲げアームを備える。
【0031】
図13図13は、本発明によるスラスト装置及びピンの図12の保持装置を、スラスト方向X-Xに直交する断面平面に沿って断面した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
好ましい実施形態の説明
【0033】
一般的な一実施形態によれば、ブレーキキャリパ100用のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリが参照数字1で示されている。
【0034】
ブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ1は、少なくとも1つのブレーキパッド2と、少なくとも1つのスラスト装置13とを備える。各スラスト装置13は、ブレーキパッド2に可逆的に連結可能である。各スラスト装置13は、ブレーキパッド2をスラスト方向X-Xに沿ってブレーキディスク102のブレーキ面103に静止させ、車両にブレーキ作用を加えるように適合されている。各スラスト装置13は、半径方向Z-Zを規定する。半径方向Z-Zは、スラスト方向X-Xに入射及び/または垂直である。
【0035】
ブレーキパッド2は、ブレーキ面103に突き当たり、ブレーキ作用を加えるように適合された摩擦材料4からなる。
【0036】
ブレーキパッド2は、摩擦材4を支持し、スラスト装置13からのスラストを受けるように適合された支持プレート3を備える。支持プレート3は、摩擦材に対向してこれを支持するように適合された支持面42と、その上に載置されたスラスト装置13を受けるように適合されたスラスト面36とを備える。
【0037】
ブレーキパッド2は、ピン根部10と自由ピン端6との間でピン延在軸Aに沿って延びる少なくとも1つのピン5からなる。少なくとも1つのピン5は、スラスト面36の側でプレート3から片持ち梁状に突出するブレーキパッド2にしっかりと固定されている。
【0038】
少なくとも1つのスラスト装置13はスラスト装置本体43からなる。スラスト装置本体43は、スラスト装置軸線Cを中心として延在するスラスト装置内面15と共に、実質的にブレーキパッド2に面する少なくとも1つの空洞開口44を有するスラスト装置空洞14を内部に区画する。スラスト装置軸線Cは、スラスト方向X-Xに平行であるか、またはスラスト方向X-Xに一致している。
【0039】
ブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ1は、少なくとも1つの保持装置20を備える。保持装置20は、保持要素20をスラスト装置内面15に拘束するように適合された少なくとも1つの固定部23を備える。保持装置20は、スラスト装置キャビティ14内に収容され、スラスト装置内面15に拘束される。
【0040】
少なくとも1つのブレーキパッド2と少なくとも1つのスラスト装置13との組み立てられた状態において、少なくとも1つの保持装置20は、スラスト装置13をブレーキパッド2に対して付勢することによって、スラスト方向X-Xまたはそれに平行な方向に沿ってピン5に軸力Fxを加えることによって、少なくともスラスト装置キャビティ14内にピン5を保持する。
【0041】
有利には、少なくとも1つの保持装置20は、半径方向Z-Zまたはそれに平行な方向に沿ってピン5に向かって半径方向の力Fzを加えることによって、ピン5をスラスト装置キャビティ14内に保持する。
【0042】
有利には、保持装置20は、少なくとも1つの固定部23からスラスト装置キャビティ14内に延びる少なくとも第1保持アーム21と少なくとも第2保持アーム22とを備える。少なくとも第1保持アーム21及び少なくとも第2保持アーム22は、スラスト装置軸線Cから離れる方向及びスラスト装置軸線Cに向かう方向に静止状態に対して弾性的に移動可能である。
【0043】
有利には、ピン5は、結合挿入部45を備える。結合挿入部45は、第1テーパ部7及び第2テーパ部9からなる。
【0044】
第1テーパ部7は、自由ピン端部6を構成し、第2テーパ部9とは反対方向にテーパ状であり、
スラスト方向X-Xに沿ってピン5をスラスト装置キャビティ14内に挿入する際に、第1テーパ部7と共に、第1保持アーム21と第2保持アーム22との間にピン5を楔状に挟み込むようになっており、また、ピン5に向かって半径方向Z-Zに半径方向拘束力Fzを加え、スラスト装置13を支持プレート3に対して付勢して軸方向A-Aに軸方向拘束力Fxを加えることにより、組立て構成において、第1保持アーム21と第2保持アーム22とを第2テーパ部9に対して干渉させて弾性的に当接し、スラスト装置13からのブレーキパッド2の分解に対抗する。
【0045】
一実施形態によれば、ブレーキパッド2は、スラスト面36の側にスラスト面を画定し、ピン延在軸Aは、スラスト面に直交する。
【0046】
一実施形態によれば、組み立てられた状態において、スラスト装置13は、少なくとも1つの保持装置20によって、スラスト方向X-Xに直交する前側のスラスト装置部、例えば環状のスラスト装置口部16をスラスト平面に平行に保ちつつ、ブレーキパッド2に対して付勢するように弾性的にバイアスされ、スラスト平面に対して付勢する。従って、ブレーキパッドは、前スラスト装置部のスラスト面に対して平行であると共に、ディスクのブレーキ面に対しても平行であり、スラスト装置とブレーキパッドとの間のアバットメント接触を維持することによって、ブレーキディスクの回転軸に対するブレーキパッドの回転が防止される。一実施形態によれば、組み立てられた状態において、ブレーキパッド2は、通常の使用状態において常にスラスト装置と接触しており、アバットメント接触を失うことなく、ブレーキパッドがスラスト装置の後方への動きに追従することを可能にする。
【0047】
一実施形態によれば、保持装置20は、ブレーキパッド2と少なくとも1つのスラスト装置13とが組み立てられた状態にあるとき、スラスト装置キャビティ14から出ないようにスラスト装置内面15に拘束され、例えば、保持装置20をスラスト装置キャビティ内に幾何学的に保持する特別な座部に配置することによって、保持装置20がスラスト装置キャビティ14から出るのを防止する。
【0048】
一実施形態によれば、第1保持アーム21と第2保持アーム22とは、ピン5の連結座へのスラスト方向X-Xに沿った挿入の間に第1保持アーム21と第2保持アーム22との間でピン5と干渉するように、その間にピン5のための係合座を形成して互いに対向する。
【0049】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、少なくとも1つの固定部23から、スラスト方向X-Xに平行な方向に対して横方向及び/又は入射するそれぞれの保持アーム延在方向に沿ってスラスト装置キャビティ14内に延在する。
【0050】
一実施形態によれば、各保持アーム延在方向は、スラスト方向X-Xに平行な方向に対して横断及び/又は入射し、半径方向Z-Zに平行な方向に対して横断及び/又は入射する。一実施形態によれば、スラスト装置13は、スラスト方向X-X及び半径方向Z-Zの両方に垂直な接線方向Y-Yを画定する。一実施形態によれば、各保持アーム伸長方向は、接線方向Y-Yに平行である。
【0051】
一実施形態によれば、第1テーパ部7は、スラスト方向X-Xに沿って、ピン5をスラスト装置キャビティ14内に挿入する間に、第1保持アーム21と第2保持アーム22との間を摺動して互いから離れるように挿入されるように適合されている。
【0052】
一実施形態によれば、第2テーパ部9は、ピン5をスラスト装置キャビティ14内に挿入する間に、スラスト装置13をブレーキパッドに突き当てるようにバイアスすることによって、第2テーパ部9に対してカップリング構成で突き当たるまで、互いに接近する第1保持アーム21と第2保持アーム22との間に摺動可能に挿入されるように適合される。
【0053】
一実施形態によれば、結合挿入部45は、自由ピン端部6からピン根部10に向かってピン延在軸線Aに沿って進み、第1テーパ部7と第2テーパ部9とを順に備える。
【0054】
一実施形態によれば、第1テーパ部7及び第2テーパ部9は、スラスト装置13が組み立てられた状態においてスラスト装置13をブレーキパッド2に連結する支持プレート3に突き当たるまで、少なくとも部分的に第1保持アーム21及び第2保持アーム22に対して摺動しながら第1保持アーム21と第2保持アーム22との間に挿入されるように適合されている。
【0055】
一実施形態によれば、第1テーパ部7は、自由ピン端部6から第2テーパ部9に向かってピン延在軸線Aに沿って進み、ピン延在軸線Aから離れる断面において広がり、挿入中にピン5を前1保持アーム21と第2保持アーム22との間に挟み込む。
【0056】
一実施形態によれば、第2テーパ部9は、第1テーパ部7からピン根部10に向かってピン延在軸線Aに沿って進み、組立てられた構成において、第1保持アーム21及び第2保持アーム22が、支持プレート3に対してスラスト装置13を付勢したまま、ピン延在軸線Aに向かって半径方向拘束力Fzを加え、スラスト方向X-Xに軸方向拘束力Fxを加えるように、ピン延在軸Aに向かって断面が狭くなり、スラスト装置13からのブレーキパッド2の分解に対抗する。
【0057】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、ピン延在軸Aに向かって及びピン延在軸Aから離れる方向に、例えば、半径方向Z-Z又はピン延在軸Aに直交及び/又は入射するこれと平行な方向に沿って、静止状態と少なくとも1つの干渉配置との間で弾性的に移動可能である。
【0058】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、静止距離P1だけ離間している。
【0059】
一実施形態によれば、少なくとも1つの干渉構成において、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、クランプ距離P2だけ離間し、ピン5の結合挿入部45と接触する。
【0060】
一実施形態によれば、クランプ距離P2は、静止距離P1よりも大きい。
【0061】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、静止状態に向かって常に弾性的にバイアスされる。
【0062】
一実施形態によれば、ピン5の結合部及び挿入部45は、ピン延在軸Aに沿って、結合部及び挿入部の直径D1を有し、結合部及び挿入部の直径D1は、ピン延在軸Aに沿って変化する。本明細書において、直径とは、それぞれの伸長軸線に対するピン及び/又はスラスト装置の最大寸法を意味する。
【0063】
一実施形態によれば、自由ピン端n6で測定される結合挿入部の直径D1は、挿入の間に自由ピン端6を第1保持アーム21と第2保持アーム22との間に楔止めするように、静止距離P1よりも小さい。
【0064】
一実施形態によれば、第1テーパ部7に沿って測定され、第2テーパ部9に沿って測定される、少なくともいくつかの位置における連結部及び挿入部の直径D1は、静止距離P1よりも大きい。
【0065】
一実施形態によれば、クランプ距離P2は、第1保持アーム21及び第2保持アーム22が、挿入中及び組み立てられた状態において、ピン5を弾性的にクランプするピン5と接触する位置において、第1テーパ部7に沿って、及び第2テーパ部9に沿って、結合部及び挿入部の直径D1に等しい。
【0066】
一実施形態によれば、第1テーパ部7は、その少なくとも1つのセグメントにおいて、ピン延在軸Aに対して第2テーパ角Kを有する。
【0067】
一実施形態によれば、第2テーパ部9は、ピン延在軸Aに対して第3テーパ角Hを有する。
【0068】
一実施形態によれば、第2テーパ角Kは、駆動荷重又は挿入荷重、すなわち、ピンをスラスト装置及び/又は保持装置に連結するために克服しなければならない荷重を規定する。一実施形態によれば、第3テーパ角Hは、保持装置20によってスラスト装置がパッドに押し付けられる荷重と、スラスト装置及び/または保持装置からのピンの抜き取り荷重とを規定する。一実施形態によれば、第3テーパ角Hは、組立て構成においてスラスト装置13が支持プレート3に対して弾性的に突き当たるまでスラスト装置13をブレーキパッド2に接続するために、挿入中に少なくとも第1保持アーム21と第2保持アーム22との間を摺動するピン5を挿入するための挿入荷重または駆動荷重が、ブレーキパッド2をスラスト装置から分離するために保持装置20によってクランプされたピン5の最大引抜き荷重よりも小さくなるように、第2テーパ角Kよりも大きい。
【0069】
一実施形態によれば、ピン5は、第1テーパ部7と第2テーパ部9との間にプラトー部37を備える。一実施形態によれば、台地部37は、ピンの最大直径を有する結合挿入部45の部である。
【0070】
一実施形態によれば、台地部37は、平坦であり、スラスト方向X-X及び/又はピン延在軸Aに平行である。
【0071】
一実施形態によれば、ピン5の結合挿入部45は、軸方向A-Aに関して軸対称に延びる。
【0072】
一実施形態によれば、ピン5の結合挿入部45は、スラスト方向X-X及び/又はピン延在軸Aに平行な対称面を有する。
【0073】
一実施形態によれば、ピン5の結合及び摺動部45は、対称面に対して鏡面対称で延びる。
【0074】
一実施形態によれば、第1テーパ部7及び第2テーパ部9は、それぞれの、少なくとも部分的に円錐状の表面によって区画される。
【0075】
一実施形態によれば、第1テーパ部7及び第2テーパ部9は、溝又は段差部を含むことを避けて、継ぎ目のないテーパ状である。
【0076】
一実施形態によれば、第1テーパ部7は、自由ピン端部6からピン根部10に向かって順に、第1テーパ部8と第2テーパ部11とからなる。
【0077】
一実施形態によれば、第1テーパ部8は、ピン延在軸Aに対して第1テーパ角Jを有する。
【0078】
一実施形態によれば、第2テーパ部11は、ピン延在軸Aに対して第2テーパ角Kを有する。
【0079】
一実施形態によれば、第1テーパJが、第2テーパ角Kよりも大きい。
【0080】
一実施形態によれば、第3テーパ角Hは、第2テーパ角Kと第1テーパ角Jとの間にある。
【0081】
一実施形態によれば、ピン5の結合摺動部45には、第1保持アーム21及び/又は第2保持アーム22がアンダーカットとして係合又は略係合し得る環状溝がない。
【0082】
一実施形態によれば、保持装置20は線ばねである。
【0083】
一実施形態によれば、固定部23は、第1端部と第2端部との間で軸方向A-Aに関する円周方向に沿って延びている。
【0084】
一実施形態によれば、第1保持アーム21は、第1端部から延び、第2保持アーム22は、第2端部から延びる。
【0085】
一実施形態によれば、保持装置20は、スラスト方向X-Xに垂直な平面内で曲げられており、半径方向Z-Z又はそれに平行な方向に沿ってスラスト装置内面15に対して弾性的に干渉するように適合された固定部23を有する開ループを形成している。
【0086】
一実施形態によれば、第1保持アーム21は、固定部23に接続された第1アームの第1セグメント24と、第1アームの第1セグメント24に接続された第2セグメント25の第1アームと、第1アームの第2セグメント25に接続された第3セグメント26の第1アームとを備える。一実施形態によれば、第1アームの第3セグメント26は、自由な第1アーム端を形成する第1アームの第2セグメント25に接続される。
【0087】
一実施形態によれば、第2保持アーム22は、固定部23に接続された第2アームの第1セグメント27と、第2アームの第1セグメント27に接続された第2アームの第2セグメント28と、第2アームの第2セグメント28に接続された第2アームの第3セグメント29とを備える。一実施形態によれば、第2アームの第3セグメント29は、自由な第2アーム端を形成する第2アームの第2セグメント28に接続される。
【0088】
一実施形態によれば、第1アームの第1セグメント24、第1アームの第2セグメント25、及び第1アームの第3セグメント26は、曲線セグメントによって連結された直線セグメントである。
【0089】
一実施形態によれば、第2アームの第1セグメント27、第2アームの第2セグメント28、及び第2アームの第3セグメント29は、曲線セグメントによって一緒に接続された直線セグメントである。
【0090】
一実施形態によれば、第1保持アーム21は、第1アーム根部30によって固定部23に接続される。
【0091】
一実施形態によれば、第1アーム根部30は、第1保持アーム21を固定部23の円周方向に対して内側に配置することによって、固定部23の円周方向に対して曲げられており、好ましくは少なくとも90度の曲げを形成している。一実施形態によれば、第1アーム根部30は、第1保持アーム21が静止状態に対して及び静止状態から弾性的に回転する第1アーム支点を形成する。
【0092】
一実施形態によれば、第2保持アーム22は、第2アーム根部31によって固定部23に連結されている。一実施形態によれば、第2アーム根部31は、第2保持アーム22を固定部23の円周方向に対して内側位置に配置することによって、固定部23の円周方向に対して曲げられており、好ましくは少なくとも90度の曲げを形成している。一実施形態によれば、第2アーム根部31は、第2保持アーム22が静止状態に対して及び静止状態から弾性的に回転する第2アーム支点を形成する。
【0093】
一実施形態によれば、静止状態において、第1アームの第3セグメント26と第2アームの第3セグメント29とは平行である。
【0094】
一実施形態によれば、静止状態及び/または干渉構成において、第1アームの第3セグメント26及び第2アームの第3セグメント29は、スラスト方向(X-X)またはそれに平行な方向に対して軸方向にオフセットしており、ここで、第1アームの第3セグメント26は、第2アームの第3セグメント29の延在方向に対して平行な方向に対して横断及び/または入射しており、その逆も同様である。
【0095】
一実施形態によれば、静止状態において、第1アームの第2セグメント25と第2アームの第2セグメント28とは、互いに向かって収束する。
【0096】
一実施形態によれば、第1アームの第1セグメント24は、第1アームの第1屈曲セグメント32によって第1アームの第2セグメント25に接続される。
【0097】
一実施形態によれば、第1アームの第2セグメント25は、第1アームの第2折り曲げセグメント33によって第1アームの第3セグメント26に接続される。
【0098】
一実施形態によれば、第1アームの第1折り曲げセグメント32は、第1アームの第2折り曲げセグメント33に対して反対側に折り曲げられ、第1保持アーム21がS字状に折り曲げられる。
【0099】
一実施形態によれば、第2アームの第1セグメント27は、第2アームの第1折り曲げセグメント34によって第2アームの第2セグメント28に接続される。
【0100】
一実施形態によれば、第2アームの第2セグメント28は、第2アームの第2折り曲げセグメント35によって第2アームの第3セグメント29に接続される。
【0101】
一実施形態によれば、第2アームの第1折り曲げセグメント34は、第2アームの第2折り曲げセグメント35に対して反対側に折り曲げられ、第2保持アーム22がS字状に折り曲げられる。
【0102】
一実施形態によれば、第2保持アーム22がフック状に曲げられるように、第2アームの第1曲げセグメント34は、第2アームの第2曲げセグメント35に対して同じ側に曲げられる。
【0103】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、第2保持アームの一部が第1保持アームの延在方向と平行な方向に対して横断するように曲げられる。
【0104】
一実施形態によれば、第2保持アーム22は、フック状に曲げられている。
【0105】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、少なくとも部分的に重なるように曲げられている。
【0106】
一実施形態によれば、第1アームの第1曲げセグメント32及び第2アームの第1曲げセグメント34は、ピン5の結合挿入部45を収容してクランプするように曲げられる。
【0107】
一実施形態によれば、第1保持アーム21及び第2保持アーム22は、ピン5の結合部及び挿入部45を収容してクランプするように曲げられている。
【0108】
一実施形態によれば、スラスト装置13は、環状のスラスト装置口部16を備え、環状のスラスト装置口部16は、スラスト面36に突き当たるように構成され、環状のスラスト装置口部16は、スラスト装置キャビティ14の開口44を画定する。
【0109】
一実施形態によれば、スラスト装置13及びブレーキパッド2が組み立てられた状態にあるとき、保持装置20は、ピン5に向かって半径方向Z-Zに半径方向拘束力Fzを加え、スラスト方向X-Xに軸方向拘束力Fxを加えることにより、環状スラスト装置口部16をスラスト面36に対して付勢し、スラスト装置13からのブレーキパッド2の分解に対抗し、支持プレート3を環状スラスト装置口部16に対して平行に保つ。
【0110】
一実施形態によれば、スラスト装置内面15は、スラスト装置キャビティ14内に保持装置20を拘束することによってアンダーカット固定部23を収容する環状スラスト装置座部18を形成するように適合された溝を画定する。
【0111】
一実施形態によれば、環状スラスト装置座部18は、スラスト方向X-Xに平行な方向に沿って、スラスト装置内面15に拘束することによって固定部23の挿入を可能にするために、互いに間隔を隔てた2つの円形冠壁によって区切られている。
【0112】
一実施形態によれば、スラスト装置キャビティ14は、保持装置20の挿入を可能にするように適合された第1キャビティ部17と、保持装置20を収容するように適合された環状のスラスト装置座部18と、スラスト装置13とブレーキパッド2とが、環状のスラスト装置口部16がプレート3に対して当接する組立状態にあるときに、第1テーパ部7とプラトー部37とを収容するように適合された第2キャビティ部19とを備える。
【0113】
一実施形態によれば、軸方向A-Aに沿ったスラスト装置キャビティ14は、ブレーキパッド2の側で開いており、反対側で閉じている。
【0114】
一実施形態によれば、スラスト装置13は、環状のスラスト装置口部16に対して反対側でスラスト装置13を拘束し、スラスト装置キャビティ14を閉鎖するスラスト装置底部38を備える。
【0115】
一実施形態によれば、スラスト装置底部38は、ブレーキパッド2をブレーキディスク102に対して偏らせるための液圧及び/または機械的スラストを受けるように適合されている。
【0116】
一実施形態によれば、スラスト装置13は、軸方向A-Aに関してスラスト装置13を外部及び/又は半径方向に区切る外側側面39を有する。
【0117】
一実施形態によれば、スラスト装置13は、スラスト方向X-Xに平行なスラスト装置延長軸に沿って測定されたスラスト装置直径D2を有し、スラスト装置直径D2は、32mmと28mmとの間である。
【0118】
一実施形態によれば、スラスト装置13は、互いに段状に接続された拡大部40と狭小部41とを備える。
【0119】
一実施形態によれば、拡大部40はスラスト装置底部38を構成し、狭窄部41は環状スラスト装置口部16を構成する。
【0120】
一実施形態によれば、ピン5は、ステンレス鋼または亜鉛メッキ鋼製である。一実施形態によれば、保持装置20は、亜鉛メッキされた炭素鋼又はステンレス鋼で作られている。一実施形態によれば、ピン5は支持プレート3にねじ止めされている。一実施形態によれば、ピン5は支持プレート3に溶接されている。一実施形態によれば、ピン5は支持プレート3に接着される。
【0121】
一実施形態によれば、ピン根部10は、摩擦材4の側に支持プレート3とのアンダーカット部を有する。一実施形態によれば、ピンルート10は、少なくとも部分的に摩擦材4に埋め込まれている。一実施形態によれば、支持プレート3は、各ピン5のための貫通座12を備える。一実施形態によれば、ピンは、それぞれの貫通座12に結合されている。一実施形態によれば、ピンは、それぞれの貫通座12の端部に対する干渉によって支持プレートに連結される。
【0122】
本発明はさらに、ブレーキディスク102を跨ぐように適合されたキャリパボディ101を備えるブレーキキャリパ100に関する。ブレーキディスク2は、スラスト方向X-Xに平行な軸方向A-Aを画定する回転軸A-Aを中心に回転するように適合されている。ブレーキディスク2は、半径方向Z-Zに平行な方向及び接線方向Y-Yに平行な方向に沿って延びるとともに、半径方向Z-Z及び接線方向Y-Yまたはこれらに平行な方向に対して厳密に垂直な円周方向C-Cに沿って延びる第1ブレーキ面103を備える。
【0123】
ブレーキキャリパ100は、上述した実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つのブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ1を備える。
【0124】
少なくとも1つのスラスト装置13及びそれぞれのブレーキパッド2は、組み立てられた状態である。
【0125】
各スラスト装置13は、キャリパボディ101に作られたそれぞれのスラスト装置シート104に収容されている。
【0126】
一実施形態によれば、ブレーキキャリパ100は、キャリパボディ101に収容された2つのブレーキパッド2からなる。一実施形態によれば、各ブレーキパッドは、ブレーキパッド2に強固に連結された3つのそれぞれのピン5からなる。一実施形態によれば、ブレーキキャリパ100は、2対の3つのスラスト装置13からなり、各スラスト装置13は、それぞれの保持装置20によって、それぞれのブレーキパッド2に強固に連結されたそれぞれのピン5に連結されている。
【0127】
本発明はさらに、スラスト装置をブレーキパッドに可逆的に連結する方法に関する。方法は、以下のステップを含む。
【0128】
第1保持アーム21及び第2保持アーム22がスラスト装置キャビティ14内にあるように、固定部23を有する保持装置20がスラスト装置内側表面15に拘束される、上述した実施形態のいずれか1つに記載のブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ1を提供するステップを有し、
スラスト装置13をブレーキパッド2に組み付ける方法は、ピン(5)をスラスト装置キャビティ14内に挿入することによって、スラスト装置13をスラスト方向X-Xに沿ってキャビティ開口部44の側からピン5へ、またはその逆に接近させるステップを含む。
【0129】
スラスト装置13を、スラスト方向X-Xに沿ってブレーキパッド2に向かって、又はその逆に、第1挿入ステップにおいて、第1保持アーム21と第2保持アーム22との間でピン5を第1テーパ部7で楔止めし、第2挿入ステップにおいて、第1保持アーム21と第2保持アーム22との間で第2テーパ部9を、スラスト装置13が支持プレート3に突き当たるまで摺動させることにより、スラスト装置13を押す第1保持アーム21と第2保持アーム22とが、ピン5に向かう半径方向Z-Zの半径方向の拘束力Fzと、スラスト装置13を支持プレート3に対して付勢する軸方向A-Aの軸方向の拘束力Fxとを加えることにより、第2テーパ部9に対して弾性的に付勢された結合構成になるまで、第1保持アーム21と第2保持アーム22とが、第2テーパ部9に対して弾性的に付勢された結合構成になるまで、第1保持アーム21と第2保持アーム22とが、第2テーパ部9に対して弾性的に付勢する。
【0130】
及び/又は、スラスト装置13をブレーキパッド2に分離するための方法は、以下のステップを含む。
【0131】
第1保持アーム21と第2保持アーム22との間のピン5を、第2テーパ部9が拘束力Fxに打ち勝った状態で第1抜き取りステップで楔止めし、第1保持アーム21と第2保持アーム22とが静止状態になるまで、第1テーパ部7を第1保持アーム21と第2保持アーム22との間で第2抜き取りステップでスライドさせることによって、スラスト装置13をブレーキパッド2からスラスト方向X-Xに沿って引き離すか、またはその逆に引き離すステップ。
【0132】
1 ブレーキパッド及びスラスト装置アセンブリ
2 ブレーキパッド
3 支持プレート
4 摩擦材
5 ピン
6 自由ピン端
7 第1テーパ部
8 第1テーパ部
9 第2テーパ部
10 ピンルート
11 第2テーパ部
12 ピンスルーシート
13 スラスト装置またはピストン
14 スラスト装置キャビティ
15 スラスト装置内面
16 環状スラスト装置口部
17 第1キャビティ部
18 環状スラスト装置シート
19 第2キャビティ部
20 保持装置
21 第1保持アーム
22 第2保持アーム
23 固定部
24 第1アームの第1セグメント
25 第1アームの第2セグメント
26 第1アームの第3セグメント
27 第2アームの第1セグメント
28 第2アームの第2セグメント
29 第2アームの第3セグメント
30 第1アーム付け根
31 第2アーム付け根
32 第1アームの第1屈曲部
33 第1アームの第2屈曲部
34 第2アームの第1屈曲部
35 第2アームの第2屈曲部
36 スラスト面
37 プラトー部
38 スラスト装置底部
39 スラスト装置の外側の側面
40 拡大部
41 狭くなった部
42 支持面
43 スラスト装置本体
44 キャビティ開口部
45 連結挿入部
46 第3保持アーム
100 ブレーキキャリパ
101 キャリパボディ
102 ブレーキディスク
103 ブレーキ面
104 スラスト装置またはシリンダーシート
P1 静止距離
P2 クランプ距離
D1 カップリング及び挿入部の直径
D2 スラスト装置の直径
A ピン延在軸
C スラスト装置軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】