(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065085
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】磁気成形化合物(MMC)モジュールのための絶縁体
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H01L25/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023184404
(22)【出願日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】18/050,458
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アントン ウィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】井上 英俊
(72)【発明者】
【氏名】大竹 健二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】集積回路(IC)において、ICダイとモジュールの他の構成要素又は金属コンタクトとの間の望ましくない漏れ電流の影響を防ぐモジュール及びスイッチングコンバータデバイスを提供する。
【解決手段】モジュール100は、集積回路(IC)ダイ116と、コンタクトパッド106A、106B、106Cを有するリードフレーム102と、ICダイ116とコンタクトパッド106A、106B、106Cとの間に結合されるはんだ要素114と、はんだ要素114間の絶縁層122と、ICダイ116とリードフレーム102との間の磁気成形化合物(MMC)充填材120と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールであって、
集積回路(IC)ダイと、
コンタクトパッドを有するリードフレームと、
前記ICダイと前記コンタクトパッドとの間に結合されるはんだ要素と、
前記はんだ要素間の絶縁層と、
前記ICダイと前記リードフレームとの間の磁気成形化合物(MMC)充填材と、
を含む、モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュールであって、前記ICダイと前記リードフレームとの間の前記MMC充填材の厚みが、前記絶縁層の厚みによって制限される、モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のモジュールであって、前記絶縁層の前記厚みが、前記ICダイと前記リードフレームとの間の目標間隙に基づく、モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載のモジュールであって、前記目標間隙が、前記ICダイと前記リードフレームとの間のMMC充填材粒子寸法を閾値粒子寸法より小さく制限するように選択される、モジュール。
【請求項5】
請求項1に記載のモジュールであって、前記絶縁層がはんだレジストを含む、モジュール。
【請求項6】
請求項1に記載のモジュールであって、前記絶縁層が、前記コンタクトパッドを部分的に露出させる、モジュール。
【請求項7】
請求項1に記載のモジュールであって、前記絶縁層が、前記コンタクトパッドの輪郭に基づくレイアウトを有する、モジュール。
【請求項8】
請求項1に記載のモジュールであって、
第1の端部及び第2の端部を有するコイルをさらに含み、前記第1の端部が、前記はんだ要素の第1のはんだ要素と前記コンタクトパッドのそれぞれのコンタクトパッドとに結合され、前記第2の端部が、前記はんだ要素の第2のはんだ要素と前記コンタクトパッドのそれぞれのコンタクトパッドとに結合され、前記コイルのコアが前記MMC充填材を含む、モジュール。
【請求項9】
請求項1に記載のモジュールであって、前記ICダイが、スイッチングコンバータ構成要素を含む、モジュール。
【請求項10】
スイッチングコンバータデバイスであって、
スイッチングコンバータ構成要素を含む集積回路(IC)ダイと、
コンタクトパッドを有するリードフレームと、
前記ICダイと前記コンタクトパッドとの間に結合されるはんだ要素と、
前記はんだ要素間の絶縁層と、
コア及び第1及び第2の端部を有するコイルであって、前記第1の端部が、前記はんだ要素の第1のはんだ要素と前記コンタクトパッドのそれぞれのコンタクトパッドとに結合され、前記第2の端部が、前記はんだ要素の第2のはんだ要素と前記コンタクトパッドのそれぞれのコンタクトパッドとに結合される、前記コイルと、
前記コア内の、前記ICダイとリードフレームとの間の、磁気成形化合物(MMC)充填材と、
を含む、スイッチングコンバータデバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のスイッチングコンバータデバイスであって、前記ICダイと前記リードフレームとの間の前記MMC充填材の厚みが、前記絶縁層の厚みによって制限される、スイッチングコンバータデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のスイッチングコンバータデバイスであって、前記絶縁層の厚みが、前記ICダイと前記リードフレームとの間の目標間隙に基づく、スイッチングコンバータデバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のスイッチングコンバータデバイスであって、前記目標間隙が、前記ICダイと前記リードフレームとの間のMMC充填材粒子寸法を閾値粒子寸法より小さく制限するように選択される、スイッチングコンバータデバイス。
【請求項14】
請求項10に記載のスイッチングコンバータデバイスであって、前記絶縁層が、はんだレジストを含む、スイッチングコンバータデバイス。
【請求項15】
モジュールを製造する方法であって、前記方法が、
集積回路(IC)ダイを得ることと、
コンタクトパッドを有するリードフレームを得ることと、
コアと第1及び第2の端部とを有するコイルを得ること、
前記コンタクトパッドを部分的に覆うように絶縁層を付加することと、
前記コンタクトパッドの露出された部分にはんだ要素を付加することと、
前記コア内、前記ICダイとリードフレームとの間に、磁気成形化合物(MMC)充填材を付加することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記ICダイと前記リードフレームとの間の目標間隙に基づいて前記絶縁層の厚みを選択することをさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、MMC充填材粒子寸法を閾値粒子寸法より小さく制限するように、前記ICダイと前記リードフレームとの間の前記目標間隙を選択することをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、前記絶縁層を付加することが、
前記コンタクトパッドの上にはんだレジストを付加することと、
前記コンタクトパッドを部分的に露出させるようにはんだレジストをエッチングすることと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、前記ICダイの前記リードフレームに面することになる側にポリイミド(PI)層を付加することをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記MMC充填材を付加する前に、前記はんだ要素をリフローするために前記モジュールを加熱することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの集積回路(IC)は、外部構成要素と共に用いるように設計されている。例えば、ICは、IC回路要素を外部IC又は受動構成要素(例えば、抵抗器、コンデンサ、及び/又はインダクタ)に結合するためのコンタクトパッドを含み得る。インダクタのエネルギー蓄積を向上させるために、磁気コアが用いられ得る。従来のアプローチでは、ICダイ及び外部インダクタを有するモジュールが、外部インダクタの磁気コアを形成するために磁気成形化合物(magnetic-molding compound:MMC)充填材を用いる。しかしながら、MMC充填材の金属粒子によっては、ICダイとモジュールの他の構成要素又は金属コンタクトとの間に望ましくない漏れ電流をもたらされ得る。
【発明の概要】
【0002】
例示の実施例において、モジュールが、集積回路(IC)ダイと、コンタクトパッドを有するリードフレームと、ICダイとコンタクトパッドとの間に結合されるはんだ要素と、はんだ要素間の絶縁層と、ICダイとリードフレームとの間の磁気成形化合物(MMC)充填材とを含む。
【0003】
別の例示の実施例において、スイッチングコンバータデバイスが、スイッチングコンバータ構成要素を含むICダイと、コンタクトパッドを有するリードフレームと、ICダイとコンタクトパッドとの間に結合されるはんだ要素と、はんだ要素間の絶縁層とを含む。スイッチングコンバータデバイスはまた、コアと、第1及び第2の端部とを有するコイルを含む。第1の端部は、はんだ要素の第1のはんだ要素と、コンタクトパッドのそれぞれのコンタクトパッドとに結合される。第2の端部は、はんだ要素の第2のはんだ要素と、コンタクトパッドのそれぞれのコンタクトパッドとに結合される。スイッチングコンバータデバイスはまた、コア内、及びICダイとリードフレームとの間に、磁気成形化合物(MMC)充填材を含む。
【0004】
さらに別の例示の実施例において、モジュールを製造する方法が、ICダイを得ることと、コンタクトパッドを有するリードフレームを得ることと、コア及び第1及び第2の端部を有するコイルを得ることと、コンタクトパッドを部分的に覆うように絶縁層を付加することと、コンタクトパッドの露出部にはんだ要素を付加することと、コア内、及びICダイとリードフレームとの間に、磁気成形化合物(MMC)充填材を付加することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】例示の実施例に従ったモジュールを示す斜視図である。
【0006】
【
図2A】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2B】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2C】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2D】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2E】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2F】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2G】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【
図2H】例示の実施例に従った、
図1のモジュールのアセンブリを示す断面図である。
【0007】
【
図3A】異なる例示の実施例に従った絶縁層レイアウトの選択肢の上面図である。
【
図3B】異なる例示の実施例に従った絶縁層レイアウトの選択肢の上面図である。
【0008】
【
図4】例示の実施例に従った
図1のモジュールの層を示す断面図である。
【0009】
【
図5A】従来の手法に従った、絶縁層を有さないモジュールについてのMMC抵抗率を示す図である。
【0010】
【
図5B】例示の実施例に従った、絶縁層を有するモジュールについてのMMC抵抗率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面において、同一の参照番号又は他の参照符号は、(機能及び/又は構造が)同一又は類似の特徴を示すために用いられる。
【0012】
図1は、例示の実施例に従ったモジュール100を示す斜視図である。
図1の例において、モジュール100は、導電性チャネル104を有するリードフレーム102と、コンタクトパッド106A及び106Bとコンタクトパッド106Cのセットとを含むコンタクトパッドとを含む。幾つかの例示の実施例において、リードフレーム102は、配路可能なリードフレーム(RLF)であり、コンタクトパッド106A及び106B並びにコンタクトパッド106Cのセットに対する導電性チャネル104は、リードフレーム102の製造の間に配路可能である。
図1の例において、コンタクトパッド106Aは、コイル108の第1の端部110に結合する。コンタクトパッド106Bは、コイル108の第2の端部112に結合する。コンタクトパッド106Cのセットは、モジュール100とともに含まれるICダイ116のそれぞれのコンタクト(図示せず)に結合する。
【0013】
図1の例において、モジュール100はまた、はんだ要素114A及び114Bと、はんだ要素114Cのセットとを含む。具体的には、はんだ要素114Aは、コンタクトパッド106Aとコイル108の第1の端部110との間に結合される。はんだ要素114Bは、コンタクトパッド106Bとコイル108の第2の端部112との間に結合される。はんだ要素114Cのセットは、コンタクトパッド106CのセットとICダイ116のそれぞれのコンタクトとの間に結合される。必要に応じて、はんだ要素114A及び114B並びにはんだ要素114Cのセットは、コンタクトパッド106A及び106Bとコイル108との間の導電性接続を延長するために、及び/又は、コンタクトパッド106CのセットとICダイ116との間の導電性接続を延長するために、導電性リード(例えば、図中の導電性リード214)を用いて補充され得る。
【0014】
図1の例において、リードフレーム102とICダイ116との間に間隙113があり、間隙113は、磁気成形化合物(MMC)充填材120で充填されている。MMC充填材120はコイル108のコアも充填する。これに制約されないが、MMC充填材120は、モジュール100のベースを形成するリードフレーム102を除いて、モジュール100の全ての他の構成要素の周りに三次元の筐体(例えば、矩形又は立方体プリズム)を形成する。幾つかの例示の実施例において、間隙113の厚みは、ICダイ116とリードフレーム102との間のMMC充填材粒子寸法を閾値粒子寸法より小さく制限する目標間隙に基づいて選択される。幾つかの例示の実施例において、ICダイ116とリードフレーム102との間の目標間隙は、コンタクトパッド106Cのセットのエリア内のリードフレーム102に絶縁層122を付加することによって達成される。付加的又は代替的に、間隙113が目標間隙よりも小さくなるように、ICダイ116に絶縁層を付加することができる。いずれの場合も、絶縁層122の厚みが、ICダイ116とリードフレーム102との間のMMC充填材120の厚みを制限する。
【0015】
これに制約されないが、例示の閾値粒子寸法は25μmである。そのような場合、ICダイ116とリードフレーム102との間の目標間隙は25μmになる。この例では、リードフレーム102のコンタクトパッド106CのセットとICダイ116との間の間隙113が40μmである場合、絶縁層122の15μmの厚みが目標間隙を達成する。モジュール100では、MMC充填材120は、コイル108のエネルギー蓄積容量を改善する。間隙113を制御し、そのためリードフレーム102とICダイ116との間のMMC充填材120の厚みを制御することを用いて、コンタクトパッド106Cのセットを絶縁することによって、従来のアプローチと比較して漏れ電流が低減される。
【0016】
例示のシナリオにおいて、MMC充填材粒子が、ICダイ116の接地(GND)とリードフレーム102の入力電圧(VIN)コンタクトパッド(例えば、コンタクトパッド106Cのセット)との間の漏れ電流を増加させ得る。経時的な漏れ電流は、モジュール(例えば、モジュール100)の初期不良などの欠陥を引き起こす可能性がある。幾つかの例示の実施例において、ICダイ116及び/又はリードフレーム102のコンタクトパッド(例えば、コンタクトパッド106Cのセット)の絶縁を増大させることによって漏れ電流が抑制される。(ICダイ116とリードフレーム102との間の)間隙低減、又はその他のMMC充填材粒子寸法制御の選択肢も、漏れ電流を抑制するのに役立ち得る。
【0017】
図2A~
図2Hは、例示の実施例に従った
図1のモジュール100のアッセンブリを示す、断面
図202、204、206、208、210、212、216、及び218である。
図2Aの断面
図202において、リードフレーム102が準備される。幾つかの例示の実施例において、リードフレーム102の準備は、
図1における導電性チャネル104などの導電性チャネルを付加すること及び/又は配路することを含む。図示のように、リードフレーム102は、コンタクトパッド106A及び106Bと、コンタクトパッド106Cのセットとを含む。リードフレーム102の準備の間、コンタクトパッド106A及び106B、並びにコンタクトパッド106Cのセットの位置が選択され、及び/又は、コンタクトパッド106A及び106B、並びにコンタクトパッド106Cのセットが、それぞれの導電チャネルに接続される。
【0018】
図2Bの断面
図204において、絶縁層122がリードフレーム102に適用される。幾つかの例示の実施例において、絶縁層122は、コンタクトパッド106A及び106Bを覆うことなく、初期的にコンタクトパッド106Cのセットを覆うように適用される。別の選択肢として、絶縁層122は、初期的に、コンタクトパッド106A及び106B並びにコンタクトパッド106Cのセットを覆ってもよい。絶縁層122の厚みは、リードフレーム102(絶縁層122を備える)とICダイ116との間の目標絶縁及び/又は目標間隙を達成するように選択される。
【0019】
図2Cの断面
図206において、絶縁層122が改変され、その結果、改変された絶縁層122
*が得られる。図示のように、改変された絶縁層122
*は、コンタクトパッド106Cのセットを少なくとも部分的に露出させる一方で、コンタクトパッド106Cのセットの残りの部分を絶縁する。幾つかの例示の実施例において、改変された絶縁層122
*は、絶縁層122に対する、エッチングプロセス又は別の目標とされる材料除去プロセスの適用に基づく。
【0020】
図2Dの断面
図208において、はんだ要素114A及び114B並びにはんだ要素114Cのセットが適用される。具体的には、はんだ要素114Aは、コンタクトパッド106Aの露出された部分に適用される。はんだ要素114Bは、コンタクトパッド106Bの露出された部分に適用される。はんだ要素114Cのセットは、コンタクトパッド106Cのセットの露出された部分に適用される。
【0021】
図2Eの断面
図210において、ICダイ116及びコイル108が配置される。また、導電性リード214(例えば、導電性ポスト)のセットが、はんだ要素114CのセットとICダイ116との間に配置される。コイル108を配置した後、コイル108の第1の端部110が、はんだ要素114A及びコンタクトパッド106Aと整合され、コイル108の第2の端部112が、はんだ要素114B及びコンタクトパッド106Bと整合される。また、はんだ要素114Cのセット、並びにICダイ116のコンタクトは、導電性リード214と整合されることになる。断面
図210は、改変された絶縁層122
*が用いられることに起因する、初期の間隙211から間隙113までの間隙厚みの低減も示す。
【0022】
図2Fの断面
図212において、モジュール構成要素を加熱することによってはんだリフローが実施される。はんだリフロープロセスの結果、コンタクトパッド106Aは、はんだ要素114Aによってコイル108の第1の端部110に結合され、コンタクトパッド106Bは、はんだ要素114Bによってコイル108の第2の端部112に結合され、コンタクトパッド106Cのセットは、はんだ要素114Cのセット及び導電性リード214のセットによってICダイ116に結合され、及び/又はモジュールの他のはんだ接続が完了する。
【0023】
図2Gの断面
図216において、MMC充填材120が適用される。MMC充填材120は、例えば、モールド(図示せず)を用いて、モジュール100のベースを形成するリードフレーム102を除く、モジュール100の他のすべての構成要素の周りに三次元の筐体(例えば、矩形又は立方体プリズム)を形成することによって適用される。例えば、MMC充填材120は、用いられるモールドに基づいて、初期的に流動するか、又は所定の形状に硬化する前に液体状態であり得る。MMC充填材の適用が完了した後、ICダイ116は、間隙113によってリードフレーム102から分離され、その厚み(及び間隙113内のMMC充填材120の関連する厚み)は、改変された絶縁層122
*の厚みによって部分的に決定される。
【0024】
図2Hの断面
図218において、ダイシング動作がダイサー220によって実施されて、プリント回路基板(PCB)又は他のリードフレームアセンブリからモジュール100を分離する。幾つかの例示の実施例において、ダイシング動作が実施される前に、多くのそのようなモジュールが共に組み立てられ得る。ダイシング動作の後、モジュール100が完成する。必要に応じて、モジュール100はその後、顧客に提供されるか、又は他の方式で関連回路要素に結合されて所望の機能(例えば、スイッチングコンバータ動作)を提供する。
【0025】
図3A及び
図3Bは、様々な例示の実施例に従った、絶縁層レイアウトの選択肢の上面
図300及び310である。上面
図300及び310において、コンタクトパッド106A及び106B、並びにコンタクトパッド106Cのセットが示されている。図示のように、第1の絶縁層122A及び第2の絶縁層122Bのレイアウトは様々であり得る。より具体的には、
図3Aの第1の絶縁層122Aは、コンタクトパッド106Cのセットを含む矩形レイアウト(例えば、幾何学的形状)を有し、
図3Bの第2の絶縁層122Bは、コンタクトパッド106Cのセットを含む不定形のレイアウト(例えば、非幾何学的形状)を有する。第1の絶縁層122Aのレイアウトの選択肢は、例えば、コストを低減するために、リードフレームへの絶縁層の適用を簡略化するように選択され得る。第2の絶縁層122Bのレイアウトの選択肢は、例えば、MMCモジュールのシナリオへの絶縁層の適用をカスタマイズするために(例えば、絶縁層とMMC充填材との間の層間剥離を低減するために)選択され得る。
【0026】
図4は、例示の実施例に従った、
図1のモジュール100の層を示す断面図である。図示のように、モジュール100の層は、導電性チャネル104のうちの幾つか、コンタクトパッド106Cのセットのコンタクトパッドのうちの幾つか、導電性チャネル104とコンタクトパッド106Cのセットのそれぞれのコンタクトパッドとの間の導電性材料406などの、リードフレーム102の層を含む。導電性チャネル104、導電性材料406、及びコンタクトパッドのセット106Cは、銅(Cu)又は銅合金から作製されるが、これらに制約されない。幾つかの例示の実施例において、リードフレーム102の残りの層又は一部が、味の素ビルドアップフィルム(登録商標)(ABF)402を含む。
【0027】
図4の例では、リードフレーム102は、コンタクトパッド106Cのセットの部分的に露出された部分の上に、改変された絶縁層122
*を含む。幾つかの例示の実施例において、改変された絶縁層122
*は、はんだレジスト層である。はんだ要素114Cのセットは、コンタクトパッド106Cのセットの露出された部分に結合される。
図4のモジュール100の他の層は、ICダイ116を含み、ICダイ116は、回路要素層(図示せず)、及び付加的な絶縁のためのポリイミド(PI)層404を含み得る。ICダイ116とはんだ要素114Cとの間に導電性リード214がある。幾つかの例示の実施例において、導電性リード214は銅ポストである。
【0028】
図4の例では、MMC充填材が、MMC充填材粒子120Aの第1のセットと、MMC充填材粒子120Bの第2のセットとを用いて表される。図示されるように、MMC充填材粒子の第2のセット120BのMMC充填材粒子は、MMC充填材粒子の第1のセット120AのMMC充填材粒子よりも小さい。改変された絶縁層122
*に起因して、リードフレーム102とICダイ116との間の間隙113は、MMC充填材粒子120Bの第2のセットのみが間隙113を充填するように制限される(MMC充填材粒子120Aの第1のセットは、その間隙に適合するには大きすぎる)。改変された絶縁層122
*の厚みを調整することにより、間隙113を調整することができる。改変された絶縁層122
*はまた、コンタクトパッド106Cの露出を制限する。改変された絶縁層122
*、PI層404、及び/又はリードフレーム102とICダイ116との間の間隙113内の第2のセットのMMC充填材粒子120Bによって、従来のアプローチと比較して漏れ電流が低減される。
【0029】
図5Aは、従来の手法に従った、絶縁層(例えば、
図1及び
図2の絶縁層122、又は
図2及び
図4の改変された絶縁層122
*)のないモジュールのための漏れ電流経路502を示す
図500である。
図5Aの
図500に示されるように、漏れ電流経路502は、MMC充填材粒子120Aの第1のセットのうちの幾つかを用いて、第1の導電性リード214Aと第2の導電性リード214Bとの間を流れ、そのため、(
図5Bの漏れ電流経路512と比較して)より短い漏れ電流経路となる。これは、少なくとも部分的に、初期の間隙211が、MMC充填剤粒子120Aの第1のセットの寸法よりも大きいことに起因する。
図5Aの例では、第1の導電性リード214Aは、入力電圧(VIN)を搬送し、第2の導電性リード214Bは、出力電圧(VOUT)(例えば、スイッチングコンバータに関連する)を搬送する。
【0030】
図5Bは、例示の実施例に従った、絶縁層を有するモジュール(例えば、
図1、
図2、及び
図4のモジュール100)の漏れ電流経路512を示す
図510である。
図5Bの
図510に示されるように、漏れ電流経路512は、MMC充填材粒子120Bの第2のセットの一部を用いて、第1の導電性リード214Aと第2の導電性リード214Bとの間を流れ、そのため、(
図5Aの漏れ電流経路502と比較して)より長い漏れ電流経路となる。
図5Bの例では、改変された絶縁層122
*とPI層404の追加とが絶縁を提供し、間隙113内のMMC充填材粒子の寸法を、MMC充填材粒子の第2のセット120Bの間に制限する(間隙113においてMMC充填材粒子の第2のセット120Aは回避される)。
図5Bの例のように、絶縁層を追加し及び/又はMMC粒子寸法を制限することによって、漏れ電流が低減される。
【0031】
本記載において、「結合する」という用語は、本記載と一貫する機能的関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を包含し得る。例えば、デバイスAが、或る行為を行うためにデバイスBを制御する信号を生成する場合、(a)第1の例において、デバイスAは直接接続によってデバイスBに結合され、又は(b)第2の例において、介在構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を変更しない場合に、デバイスAは介在構成要素Cを介してデバイスBに結合されて、デバイスBが、デバイスAによって生成された制御信号を介してデバイスAによって制御されるようにする。
【0032】
また、本記載において、「~に基づく」という記載は、「~に少なくとも部分的に基づく」を意味する。したがって、XがYに基づく場合、Xは、Yと任意の数の他の要因の関数であり得る。
【0033】
或るタスク又は機能を行う「ように構成される」デバイスは、その機能を行うように製造業者によって製造時に構成され(例えば、プログラム及び/又は配線接続され)、及び/又は、その機能及び/又は他の付加的な又は代替の機能を行うように製造後にユーザによって構成可能(又は再構成可能)であり得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングを介してもよく、ハードウェア構成要素の構築及び/又はレイアウト、及びデバイスの相互接続、又はそれらの組み合わせを介してもよい。
【0034】
本明細書で用いる場合、用語「端子」、「ノード」、「相互接続」、「ピン」、及び「リード」は、交換可能に用いられる。特に反対の記載がない限り、これらの用語は概して、デバイス要素、回路要素、集積回路、デバイス、又はその他の電子機器、若しくは半導体構成要素の間の相互接続、又はそれらの終端を意味するために用いられる。
【0035】
特定の構成要素を含むものとして本明細書に記載される回路又はデバイスが代わりに、それらの構成要素に結合されて、記載される回路要素又はデバイスを形成するように適合されてもよい。例えば、1つ又は複数の半導体要素(トランジスタなど)、1つ又は複数の受動要素(抵抗器、コンデンサ、及び/又はインダクタなど)、及び/又は1つ又は複数の源(電圧及び/又は電流源など)を含むものとして説明される構造が代わりに、単一の物理デバイス(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)内の半導体要素のみを含み得、製造時又は製造時の後に、例えばエンドユーザー及び/又は第三者によって、説明される構造を形成するために、受動要素及び/又は源の少なくとも幾つかに結合されるように適合され得る。
【0036】
本明細書で説明する回路は、構成要素交換前に利用可能な機能と少なくとも部分的に同様の機能を提供するように、付加的な又は異なる構成要素を含むように再構成可能である。抵抗器として示される構成要素が、別途記載がない限り、概して、示される抵抗器によって表されるインピーダンスの量を提供するために、直列及び/又は並列に結合される任意の1つ又は複数の要素を表す。例えば、単一の構成要素として本明細書に示され記載される抵抗器又はコンデンサが代わりに、それぞれ、同じノード間で並列に結合される複数の抵抗器又はコンデンサであってもよい。例えば、単一の構成要素として本明細書に示され説明される抵抗器又はコンデンサが代わりに、それぞれ、単一の抵抗器又はコンデンサと同じ2つのノード間に直列に結合される、複数の抵抗器又はコンデンサであってもよい。
【0037】
記載される例の特定の要素が集積回路に含まれ、他の要素が集積回路の外部にあるが、他の例示の実施例において、付加的な又はより少ない特徴が集積回路に組み込まれ得る。また、集積回路の外部にあるものとして図示された特徴の一部又は全部が集積回路に含まれてもよく、及び/又は、集積回路の内部にあるものとして図示されたいくつかの特徴が、集積回路の外部に組み込まれてもよい。本明細書で用いる場合、「集積回路」という語は、(i)半導体基板内/上に組み込まれる、(ii)単一の半導体パッケージ内に組み込まれる、(iii)同じモジュール内に組み込まれる、及び/又は(iv)同じ印刷回路基板内/上に組み込まれる、1つ又は複数の回路を意味する。
【0038】
本明細書において、別途記載がない限り、或るパラメータに先行する「約」、「およそ」、又は「実質的に」は、そのパラメータの+/-10%内であることを意味する。
【0039】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。
【外国語明細書】