(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065088
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】仕事候補提供システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240507BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184556
(22)【出願日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2022173046
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507292438
【氏名又は名称】株式会社アビリティアソシエーション
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】朝里 勇人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】 働き手の個人のスケジュールや都合に合わせて空き時間に働き手に仕事先と仕事時間の候補を提供し、働き手に働き先等を容易に選択させることができる仕事候補提出システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 仕事候補提供サーバ1が、働き手のユーザ端末4から設定されたスケジュールに従って空き時間を検出し、当該空き時間における働き手の位置情報を基にユーザ端末4に募集されている仕事の中で、働き手が働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を提供し、働き手がユーザ端末4で候補の中から仕事先を選択すると、仕事先に当該選択を応募として通知し、仕事先が当該応募に採用を決定すると、ユーザ端末4に仕事確定として仕事先と仕事時間を通知する仕事候補提出システム及びプログラムである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
働き手のユーザのユーザ端末に仕事先と仕事時間を提供する仕事候補提供サーバを有する仕事候補提供システムであって、
前記仕事候補提供サーバは、前記ユーザ端末におけるスケジュールアプリから空き時間を検出し、前記空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出して前記ユーザ端末に提供し、前記ユーザ端末で特定の仕事先と仕事時間が選択されると、前記選択された特定の仕事先の雇用側端末に応募として前記仕事先と仕事時間を通知し、前記雇用側端末で前記応募の採用を決定すると、当該採用を前記ユーザ端末に通知することを特徴とする仕事候補提供システム。
【請求項2】
仕事候補提供サーバは、ユーザ端末から登録されたユーザの仕事希望情報を参照して仕事先と仕事時間の候補を抽出することを特徴とする請求項1記載の仕事候補提供システム。
【請求項3】
仕事候補提供サーバは、空き時間のユーザの位置を当該空き時間の前後のスケジュールにおけるユーザの位置から推定すること特徴とする請求項1又は2記載の仕事候補提供システム。
【請求項4】
仕事候補提供サーバは、ユーザが採用となった仕事についてユーザ端末に実際の仕事時間を問い合わせ、変更なしの応答又は変更ありの場合の変更内容の応答を受信して、勤怠管理に用いることを特徴とする請求項1又は2記載の仕事候補提供システム。
【請求項5】
仕事候補提供サーバは、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出して雇用側端末に提供し、前記雇用側端末から働いて欲しいとの要望事項を受け付け、ユーザ端末に前記要望事項を直ちに採用可能となるものとして通知することを特徴とする請求項1又は2記載の仕事候補提供システム。
【請求項6】
働き手のユーザのユーザ端末に仕事先と仕事時間を提供する仕事候補提供サーバで動作するコンピュータプログラムであって、
前記仕事候補提供サーバを、前記ユーザ端末におけるスケジュールアプリから空き時間を検出し、前記空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出して前記ユーザ端末に提供し、前記ユーザ端末で特定の仕事先と仕事時間が選択されると、前記選択された特定の仕事先の雇用側端末に応募として前記仕事先と仕事時間を通知し、前記雇用側端末で前記応募の採用を決定すると、当該採用を前記ユーザ端末に通知するよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
仕事候補提供サーバを、ユーザ端末から登録されたユーザの仕事希望情報を参照して仕事先と仕事時間の候補を抽出するよう機能させることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
仕事候補提供サーバを、空き時間のユーザの位置を当該空き時間の前後のスケジュールにおけるユーザの位置から推定するよう機能させること特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【請求項9】
仕事候補提供サーバを、ユーザが採用となった仕事についてユーザ端末に実際の仕事時間を問い合わせ、変更なしの応答又は変更ありの場合の変更内容の応答を受信して、勤怠管理に用いるよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【請求項10】
仕事候補提供サーバを、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出して雇用側端末に提供し、前記雇用側端末から働いて欲しいとの要望事項を受け付け、ユーザ端末に前記要望事項を直ちに採用可能となるものとして通知するよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルバイト等の仕事候補を提供するシステムに係り、特に、働き手の個人のスケジュールや都合に合わせて適正な働き先及び仕事時間の候補を通知して働き易くできる仕事候補提供システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、働き手の仕事の希望条件と雇用側の雇用条件とをマッチングするシステム又はアプリ等はある。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、特開2022-010331号公報「スタッフ調整システム及びそのプログラム」(特許文献1)、特許第6506367号公報「シフト管理装置及びシフト管理方法」(特許文献2)、特許第6983424号公報「スタッフシフト調整システム及びそのプログラム」(特許文献3)、特許第7109116号公報「プログラム、情報処理装置及び方法」(特許文献4)がある。
【0004】
特許文献1には、蓄積されたスタッフ募集条件と勤務希望条件とを学習し、店舗側にスタッフ募集をレコメンドし、スタッフ側には勤務希望をレコメンドするスタッフ調整システムが示されている。
【0005】
特許文献2には、シフト表のバーを管理者が操作すると、従業員にチャット機能で連絡し、従業員からの承認を受け付けると、シフト表を確定させ、従業員に再度連絡するシフト管理装置が示されている。
【0006】
特許文献3には、店舗側の募集に対してスタッフ側の応募があると、店舗側はシフト表を仮調整し、スタッフ側の確認応答があるとシフト表を確定させるスタッフ調整システムが示されている。
【0007】
特許文献4には、登録者DBから就業可能な候補者を抽出して事業者に通知し、事業者が不足枠に対して人員を選定すると人員に通知し、回答を受け付けるプログラムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-010331号公報
【特許文献2】特許第6506367号公報
【特許文献3】特許第6983424号公報
【特許文献4】特許第7109116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のシステムでは、働き手は、募集されている雇用側の雇用条件を参照し、自分の仕事の希望条件を勘案して働き先を選択して、応募しなければならず、希望の働き先を探して決めるのが容易ではないという問題点があった。
【0010】
尚、特許文献1~4には、働き手の個人のスケジュール等に合わせて空き時間に働き手に仕事先と仕事時間の候補を提供し、働き手に働き先等を容易に選択させる構成についての記載がない。
【0011】
本発明は上記実状に鑑みて為されたものであり、働き手の個人のスケジュールや都合に合わせて空き時間に働き手に仕事先と仕事時間の候補を提供し、働き手に働き先等を容易に選択させることができる仕事候補提供システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、働き手のユーザのユーザ端末に仕事先と仕事時間を提供する仕事候補提供サーバを有する仕事候補提供システムであって、仕事候補提供サーバが、ユーザ端末におけるスケジュールアプリから空き時間を検出し、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出してユーザ端末に提供し、ユーザ端末で特定の仕事先と仕事時間が選択されると、選択された特定の仕事先の雇用側端末に応募として仕事先と仕事時間を通知し、雇用側端末で応募の採用を決定すると、当該採用をユーザ端末に通知することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記仕事候補提供システムにおいて、仕事候補提供サーバが、ユーザ端末から登録されたユーザの仕事希望情報を参照して仕事先と仕事時間の候補を抽出することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記仕事候補提供システムにおいて、仕事候補提供サーバが、空き時間のユーザの位置を当該空き時間の前後のスケジュールにおけるユーザの位置から推定すること特徴とする。
【0015】
本発明は、上記仕事候補提供システムにおいて、仕事候補提供サーバが、ユーザが採用となった仕事についてユーザ端末に実際の仕事時間を問い合わせ、変更なしの応答又は変更ありの場合の変更内容の応答を受信して、勤怠管理に用いることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記仕事候補提供システムにおいて、仕事候補提供サーバが、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出して雇用側端末に提供し、雇用側端末から働いて欲しいとの要望事項を受け付け、ユーザ端末に要望事項を直ちに採用可能となるものとして通知することを特徴とする。
【0017】
本発明は、働き手のユーザのユーザ端末に仕事先と仕事時間を提供する仕事候補提供サーバで動作するコンピュータプログラムであって、仕事候補提供サーバを、ユーザ端末におけるスケジュールアプリから空き時間を検出し、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出してユーザ端末に提供し、ユーザ端末で特定の仕事先と仕事時間が選択されると、選択された特定の仕事先の雇用側端末に応募として仕事先と仕事時間を通知し、雇用側端末で応募の採用を決定すると、当該採用をユーザ端末に通知するよう機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記プログラムにおいて、仕事候補提供サーバを、ユーザ端末から登録されたユーザの仕事希望情報を参照して仕事先と仕事時間の候補を抽出するよう機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記プログラムにおいて、仕事候補提供サーバを、空き時間のユーザの位置を当該空き時間の前後のスケジュールにおけるユーザの位置から推定するよう機能させること特徴とする。
【0020】
本発明は、上記プログラムにおいて、仕事候補提供サーバを、ユーザが採用となった仕事についてユーザ端末に実際の仕事時間を問い合わせ、変更なしの応答又は変更ありの場合の変更内容の応答を受信して、勤怠管理に用いるよう機能させることを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記プログラムにおいて、仕事候補提供サーバを、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出して雇用側端末に提供し、雇用側端末から働いて欲しいとの要望事項を受け付け、ユーザ端末に要望事項を直ちに採用可能となるものとして通知するよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、仕事候補提供サーバが、ユーザ端末におけるスケジュールアプリから空き時間を検出し、空き時間におけるユーザの位置情報を基に募集されている仕事の中で、ユーザが働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を抽出してユーザ端末に提供し、ユーザ端末で特定の仕事先と仕事時間が選択されると、選択された特定の仕事先の雇用側端末に応募として仕事先と仕事時間を通知し、雇用側端末で応募の採用を決定すると、当該採用をユーザ端末に通知する仕事候補提供システム及びプログラムとしているので、働き手はスケジュールや都合に合わせた空き時間での働き先を容易に取得でき、隙間時間での働きを促進できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】仕事候補提供サーバの処理のフロー図である。
【
図4】働き先、仕事時間の候補表示例を示す説明図である。
【
図5】働き先、仕事時間の候補・要望表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施に係る仕事候補提供システム(本システム)は、仕事候補提供サーバが、働き手のユーザ端末から設定されたスケジュールに従って空き時間を検出し、当該空き時間における働き手の位置情報を基に募集されている仕事の中で、働き手が働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補をユーザ端末に提供し、働き手が候補の中から仕事先を選択すると、仕事先に当該選択を応募として通知し、仕事先が当該応募について採用を決定すると、ユーザ端末に仕事確定として仕事先と仕事時間を通知するものであり、働き手はスケジュールや都合に合わせ、空き時間での働き先を容易に取得でき、隙間時間での働きを促進できるものである。
【0025】
[本システム:
図1]
本システムの構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの構成概略図である。
本システムは、
図1に示すように、仕事候補提供サーバ1と、仕事募集情報記憶部21と、ユーザ登録情報記憶部22と、仕事確定情報記憶部23と、ネットワーク3と、ユーザ端末4と、雇用側端末5と、を備えている。
【0026】
働き手のユーザ端末4と雇用主の雇用側端末5とは、本来、複数ネットワーク3に接続するものであるが、
図1では説明を簡単にするために、1台のユーザ端末4と1台の雇用側端末5を表示している。
【0027】
[本システムの各部]
次に、本システムの各部について具体的に説明する。
[仕事候補提供サーバ1]
仕事候補提供サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13と、を備えており、記憶部12に記憶された処理プログラムを制御部11で実行することで本発明の特徴的な処理を実現している。
インタフェース部13は、ネットワーク3に接続すると共に、各記憶部21~23に接続するものである。
制御部11における具体的な処理について後述する。
【0028】
[ネットワーク3]
ネットワーク3は、ユーザ端末4、雇用側端末5と、仕事候補提供サーバ1とが接続するもので、インターネットを想定している。
【0029】
[ユーザ端末4]
ユーザ端末4は、働き手(ユーザ)が使用する情報処理装置で、スマートフォン、タブレット、ノートPC等が想定される。
ユーザ端末4には、仕事候補提供サーバ1に連動するアプリ(本アプリ)がインストールされており、その本アプリにより、ユーザ登録情報を仕事候補提供サーバ1にエントリーし、更に、ユーザ端末4内のスケジュール(カレンダー)アプリと連動し、ユーザのスケジュール情報を本アプリが仕事候補提供サーバ1に提供するようになっている。
【0030】
[雇用側端末5]
雇用側端末5は、雇用主が使用する情報処理装置で、スマートフォン、タブレット、ノートPC等が想定される。
雇用側端末5は、働き手を募集する募集情報を仕事候補提供サーバ1に登録し、仕事候補提供サーバ1から応募情報を受信し、その応募に対して採用又は不採用を決定して採用結果を仕事候補提供サーバ1に送信する。
【0031】
[仕事募集情報記憶部21]
仕事募集情報記憶部21は、雇用主からアルバイト、パート等の仕事の募集情報を記憶する。募集情報は、雇用主、働く場所(店舗)、仕事内容、時給、労働日、労働時間等となる。
【0032】
[ユーザ登録情報記憶部22]
ユーザ登録情報記憶部22は、隙間時間で働きたい働き手(ユーザ)の情報を登録して記憶する。ユーザ登録情報は、ユーザの氏名、住所、年齢、経験職種と経験年数、希望職種、希望仕事の場所と時間、希望時給等の労働条件の情報である。
また、ユーザ登録情報に、ユーザの自宅、通学先、通勤先、習い事の場所、ジム等の場所を登録しておくと、スケジュールの予定事項とユーザの位置が関連付けられるので、仕事候補がより適正に提供されるようになる。上記の場所は、最寄り駅、バス停の情報であっても構わない。
【0033】
[仕事確定情報記憶部23]
仕事確定情報記憶部23は、本システムによりユーザの応募に対して雇用側が採用を決定して仕事が確定した関連情報を記憶する。関連情報は、雇用主と働き手、仕事の場所と日時、労働条件等の情報である。
【0034】
[処理概要:
図2]
本システムにおける処理の概要について
図2を参照しながら説明する。
図2は、本システムの処理概要を示す説明図である。尚、
図2では、ユーザ端末4及び雇用側端末5の動作を中心に説明し、仕事候補提供サーバ1の処理は
図3で説明する。
本システムでは、
図2に示すように、ユーザ端末4からユーザ登録情報が仕事候補提供サーバ1に送信され、仕事候補提供サーバ1のユーザ登録情報記憶に22に記憶(エントリー)される(S1)。
【0035】
また、雇用側端末5からアルバイト等の募集情報が仕事候補提供サーバ1に送信され、仕事募集情報記憶部21に記憶(エントリー)される(S2)。
そして、ユーザ端末4からスケジュールデータが仕事候補提供サーバ1に送信され(S3)、仕事候補提供サーバ1でユーザのスケジュールの空き時間を抽出し、雇用側からの募集情報とのマッチングを行い、ユーザ端末4に働き先、仕事時間の候補を送信し、ユーザ端末4では働き先等を受信して表示する(S4)。
【0036】
ユーザ端末4からのアルバイト希望の応募情報を仕事候補提供サーバ1が受信する(S5)と、仕事候補提供サーバ1は、雇用側端末5に応募情報を送信する(S6)。
そして、雇用側端末5から応募情報に対する採用/不採用の通知を仕事候補提供サーバ1が受信する(S7)と、ユーザ端末4にその通知を送信する(S8)。
以上が、本システムでの処理の概要である。
【0037】
[処理内容:
図3]
仕事候補提供サーバ1の制御部11における処理について
図3を参照しながら具体的に説明する。
図3は、仕事候補提供サーバの処理のフロー図である。
制御部11は、ユーザ端末4からユーザ登録情報を受け付け、ユーザ登録情報記憶部21に記憶する(S11)。
【0038】
ユーザ端末4にインストールされたアプリ(本システムに連動するアプリ)がユーザ端末4で動作するカレンダー(スケジュール)アプリで管理されているスケジュールデータを仕事候補提供サーバ1に送信し、仕事候補提供サーバ1はスケジュールデータを受信する(S12)。
【0039】
仕事候補提供サーバ1の制御部11は、ユーザ端末4から受信したスケジュールデータからユーザの空き時間(例えば、2時間以上)を検出し(S13)、その空き時間に前後の予定イベントにおけるユーザの位置から募集されている仕事の内で、ユーザの希望する条件に合っていて行く(通う)ことが可能な仕事の場所と時間を検索する(S14)。
【0040】
具体的な処理は、制御部11は、ユーザ登録情報記憶部22からユーザが希望する労働条件等を読み取り、当該労働条件を満足する募集内容を仕事募集情報記憶部21から検索して抽出する。
【0041】
そして、労働条件を満足する募集内容の中で、ユーザの空き時間で働くことが可能か否かを判定し、可能である場合に、ユーザのスケジュールの空き時間の前後のユーザの予定位置から行くことが可能か否かを判定し、可能である場合に、その募集内容における働き先、仕事時間を候補として抽出する(S15)。
【0042】
具体的には、空き時間の前の時間帯におけるユーザの予定事項でユーザの位置情報が特定できる場合、例えば、空き時間の前の予定事項が渋谷区の大学での講義である場合に、当該大学の位置を基準に特定の範囲内の仕事の場所を検索し、移動時間を算出して、講義終了時刻に移動時間を加算して仕事が開始できる仕事先と仕事時間の候補を抽出する。
【0043】
また、空き時間の後の時間帯におけるユーザの予定事項でユーザの位置情報が特定できる場合、例えば、空き時間の後の予定事項が帰宅である場合に、自宅の位置を基準に特定の範囲内の仕事の場所を検索し、仕事先と仕事時間の候補を抽出する。
尚、空き時間の前の予定事項におけるユーザの位置情報が特定できる場合には、空き時間の前のユーザの位置から自宅近くの仕事先までの移動時間を算出して、前の予定事項の終了時刻に移動時間を加算して仕事が開始できる仕事時間を提供する。
【0044】
無論、ユーザ登録情報記憶部21にユーザが希望する場所と仕事時間が登録されていれば、それにマッチする働き先、仕事時間も候補として抽出する。
制御部11は、以上のように、抽出された仕事先と仕事時間の候補をユーザ端末4に送信する(S16)。
【0045】
ユーザ端末4は、仕事候補提供サーバ1から受信した仕事先と仕事時間の候補を表示し、希望する働き先があれば、その働き先を選択し、仕事候補提供サーバ1に送信する。
尚、ユーザ端末4では、候補の働き先の仕事時間について調整を依頼することができる。例えば、候補の仕事時間が20時から22時である場合に、20時から21時を指定して希望の仕事時間を仕事候補提供サーバ1に送信できるようにしている。
【0046】
仕事候補提供サーバ1は、ユーザ端末4から受信した働き希望の働き先と仕事時間の情報についてユーザ登録情報記憶部21に記憶された働き手のユーザ登録情報を付加して応募情報として雇用側端末5に送信する(S17)。
尚、仕事候補提供サーバ1は、ユーザ端末4からの働き希望の働き先等の情報を受信した際に、タッチの差で当該働き先が別のユーザに決まってしまった場合には、雇用側端末5に送信することなく、既に決まってしまったことをユーザ端末4に返送する。
【0047】
雇用側端末5は、仕事候補提供サーバ1から受信した応募情報を参考に採用又は不採用を判定し、採用結果を仕事候補提供サーバ1に送信する。
仕事候補提供サーバ1は、雇用側端末5から採用結果を受信し、応募したユーザ端末4に採用結果を通知する(S18)。
ユーザ端末4は、仕事候補提供サーバ1から採用結果を受信し、表示する。採用結果が、採用である場合に、ユーザのスケジュール(カレンダー)アプリの予定に取り込み、反映させる。
【0048】
[働き先、仕事時間の候補表示例:
図4]
ここで、ユーザ端末4に表示される働き先、仕事時間の候補の例について
図4を参照しながら説明する。
図4は、働き先、仕事時間の候補表示例を示す説明図である。
ユーザ端末4の表示画面は、
図4に示すように、特定日時の空き時間で働くことが可能な働き先と仕事時間が複数表示され、その中からユーザが働きたいと希望する働き先等を選択できるようになっている。
【0049】
図4では、働き先、仕事時間の候補を表示してユーザ端末4で選択させるようにしているが、ユーザが選択する前に候補の働き先の労働条件を確認できるようにしてもよい。つまり、候補の選択前に、働き先の具体的場所、仕事内容、時給等を確認できるようにすると、ユーザにとって利便性が向上する。働き先の場所については、地図を表示し、最寄り駅からの経路を表示するようにしてもよい。
【0050】
更に、
図4において、候補毎に応募期限を表示するようにしてもよい。これは、雇用側として特定の期日(応募期限)まで応募がない場合には、職場内での調整等を行う必要があるためで、応募期限が経過した候補は削除される。
そして、ユーザ端末4で働き先と仕事時間を選択すると、応募情報として仕事候補提供サーバ1に送信され、仕事候補提供サーバ1は、その応募情報を該当する雇用側端末5に送信する。
【0051】
[応用例1]
次に、本システムの応用例について説明する。
本システムの仕事候補提供サーバ1は、ユーザの仕事状況を管理しているので、税務上、ユーザが確定申告を行う必要がある場合に、必要なデータをユーザに提供するものである。本業の仕事とは別に副業で隙間時間のアルバイトを行う場合は、確定申告が必要になる。
【0052】
具体的には、仕事候補提供サーバ1は、ユーザ端末4から確定申告に必要なデータの提供要求があると、当該ユーザのIDで仕事確定情報記憶部23を参照し、当該ユーザが1年間で行った仕事内容を抽出し、仕事時間と時給から所得金額と源泉徴収額を演算して、ユーザ端末4に通知する。
【0053】
雇用側端末5は、アルバイト料の支払い明細を仕事候補提供サーバ1に提供して、仕事確定情報記憶部23に確定仕事と関連付けて記憶させるようにすれば、ユーザは確定申告を更に容易にすることができる。
更に、仕事候補提供サーバ1は、税理士の会計事務所の会計システムと連携させるようにすれば、当該会計システムによってユーザの確定申告を行わせることも可能となる。
【0054】
また、仕事候補提供サーバ1は、本システムでマッチングした仕事について、雇用側端末5にユーザへの給与等の会計処理に関するデータを提供し、雇用主の作業を軽減させることができる。
【0055】
[応用例2]
仕事候補提供サーバ1は、ユーザが応募して採用された仕事について、当該仕事が終了すると、ユーザ端末4に対して仕事が予定通り行われたか否かのアンケート(問い合わせ)を行い、予定の仕事時間と予定の時給であったかの確認を行う。
仕事候補提供サーバ1は、ユーザの仕事が予定通りであれば、予定通りの返信を受信し、変更があったなら変更内容の返信を受信する。
【0056】
これにより、仕事候補提供サーバ1は、ユーザの勤怠管理を行うことができ、ユーザ端末4に月単位、年単位の勤務状況と所得の情報を提供できるものであり、ユーザの確定申告に対して正確な情報を提供できる。
【0057】
[応用例3:
図5]
また、仕事候補提供サーバ1は、空き時間について働き先等の候補をユーザ端末4に提供しているが、空き時間に働く可能性があることをユーザ端末4より先に雇用側端末5に送信し、雇用側端末5からユーザ登録情報を参照して当該空き時間に働いて欲しいとの要望を受け付け、ユーザ端末4に当該要望が直ちに採用可能である旨を通知する。
そして、仕事候補提供サーバ1は、ユーザ端末4に働き先等の候補を表示する際に、雇用側からの働いて欲しいとの要望事項(即採用可能の通知)も表示するものである。
【0058】
雇用側の要望が表示された例を
図5に示す。
図5は、働き先、仕事時間の候補・要望表示例を示す説明図である。
ユーザ端末4の表示画面には、
図5に示すように、働き先等の候補の表示と共に、雇用側の働いて欲しいとの要望事項も表示する。この要望事項は、雇用側の強い希望によるものなので、ユーザがその要望事項を選択すると、直ちに採用が確定するものとなっている。
【0059】
ユーザ端末4の表示される働き先等の候補については、ユーザが選択しても採用/不採用がその時点では不明であるが、雇用側の要望事項を選択すると採用が直ちに決まるようになっている。ユーザにとっては、応募して採用/不採用の返事を待つ必要がなく、すぐにでも働きたい場合に有用である。
【0060】
尚、仕事候補提供サーバ1は、雇用側の要望については他のユーザで働き手が決まると、当該要望を削除し、ユーザ端末4に表示されなくする。無論、候補についても別の働き手が決まれば、募集情報から削除され、ユーザ端末4に表示されなくなるものである。
【0061】
[応用例4]
仕事候補提供サーバ1は、働き先の候補等をユーザ端末4に提供し、ユーザ端末4からの応募を受け付け、採用の通知を行っているので、ユーザの働き方の分析できるものである。分析は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を用いて行うようにしてもよい。
【0062】
具体的には、仕事候補提供サーバ1は、特定のユーザが働く曜日、時間帯、場所、仕事内容等のデータを収集して分析し、働く確率の高い曜日、時間帯、場所、仕事内容等のデータを抽出する。抽出されたデータに基づいて、働き先等の候補をユーザ端末4に提供できれば、ユーザは効率的に働き先等を選択できる。
【0063】
また、仕事候補提供サーバ1は、募集に対して応募の状況、採用の状況のデータを管理しているので、応募に至る業種や仕事内容に対する時給の相場観を分析でき、採用にならない雇用先に対して時給の値上げ、職場環境の改善等をフィードバックできる。
【0064】
具体的には、仕事候補提供サーバ1は、応募となった他の働き先の平均的な時給、職場環境の状況のデータを募集情報から取得し、応募とならなかった雇用側端末5に応募される平均的な時給、職場環境の状況のデータを提供して改善を促すものである。
【0065】
更に、仕事候補提供サーバ1は、ユーザ端末4からアンケートを受け付けるものであれば、ユーザからのアンケート内容をAI等で分析し、アンケート結果をレポートとして雇用側端末5に提供するようにしてもよい。
【0066】
本システムでは、仕事候補提供サーバ1からユーザ端末4がユーザの空き時間に仕事の募集が候補として提供されるものであるが、チャット型AIを用いて、仕事候補提供サーバ1と対話しながら応募ができるようにしてもよい。
【0067】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、仕事候補提供サーバ1が、働き手のユーザ端末4から設定されたスケジュールに従って空き時間を検出し、当該空き時間における働き手の位置情報を基にユーザ端末4に募集されている仕事の中で、働き手が働くことが可能な仕事先と仕事時間の候補を提供し、働き手がユーザ端末4で候補の中から仕事先を選択すると、仕事先に当該選択を応募として通知し、仕事先が当該応募に採用を決定すると、ユーザ端末4に仕事確定として仕事先と仕事時間を通知するようにしているので、働き手はスケジュールや都合に合わせ、空き時間での働き先を容易に知ることができ、隙間時間での働きを促進できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、働き手の個人のスケジュールや都合に合わせて空き時間に働き手に仕事先と仕事時間の候補を提供し、働き手に働き先等を容易に選択させることができる仕事候補提出システム及びプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0069】
1…仕事候補提供サーバ、 3…ネットワーク、 4…ユーザ端末、 5…雇用側端末、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部、 21…仕事募集情報記憶部、 22…ユーザ登録情報記憶部、 23…仕事確定情報記憶部