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特開2024-65118データ提供装置、データ管理システム、データ提供システム、データ提供プログラム、データ分析プログラム、記録媒体、データ提供方法、及びデータ管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065118
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】データ提供装置、データ管理システム、データ提供システム、データ提供プログラム、データ分析プログラム、記録媒体、データ提供方法、及びデータ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240508BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20240508BHJP
   G06F 16/28 20190101ALI20240508BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
G06Q30/02
G06F16/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004599
(22)【出願日】2021-01-15
(71)【出願人】
【識別番号】720008911
【氏名又は名称】IPDefine株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光弘
【テーマコード(参考)】
5B175
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB04
5L030BB08
5L049BB08
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】処理部やメモリの無駄な使用を抑制し、産業財産権の有効性に関する情報を迅速に提供するためのデータ提供装置・システム・プログラム・方法、データ管理システム・方法、データ分析プログラムを提供すること。
【解決手段】データ提供装置は、複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、各産業財産権それぞれの有効性に係る有効性データを管理するデータベースから、外部の要求に対応する有効性データを抽出して提供する提供処理部を備えている。有効性データは、産業財産権の有効性の指標となる格付けスコアを含んでいる。データ管理システムは、複数の産業財産権それぞれの有効性を推定するデータ分析装置と、データ提供装置と、を有している。データ提供システムは、例えば、データ提供装置と、1又は複数の情報端末と、により構成される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性に係る有効性データを管理するデータベースから、外部の要求に対応する前記有効性データを抽出して提供する提供処理部を備え、
前記有効性データは、産業財産権の有効性の指標となる格付けスコアを含む、データ提供装置。
【請求項2】
前記格付けスコアは、産業財産権のうちの特許権の有効性の指標となるものであり、
前記有効性データは、
特許権の有効性に関連する技術情報を含む、請求項1に記載のデータ提供装置。
【請求項3】
前記提供処理部は、
複数の前記技術情報を含む前記有効性データについて、該有効性データに係る特許権との関連度合いが高い順に前記データベース内の各技術情報を並べ替えるものである、請求項2に記載のデータ提供装置。
【請求項4】
前記有効性データは、
特許権をESGの観点から評価した指標値であるESGスコアを含む、請求項2又は3に記載のデータ提供装置。
【請求項5】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において発明者が指定された場合、該発明者の評価指数の情報を提供するものである、請求項2~4の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項6】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において1又は複数の産業財産権が指定された場合、該産業財産権に対応する前記有効性データを提供するものである、請求項1~5の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項7】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において、複数の産業財産権と共に前記格付けスコアに基づく並べ方が指定された場合、各産業財産権それぞれに対応する前記有効性データを前記並べ方により整理して提供するものである、請求項1~6の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項8】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において権利者及び期間が指定された場合、該権利者の該期間内の産業財産権に対応する前記有効性データを提供するものである、請求項1~7の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項9】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において、権利者及び期間と共に前記格付けスコアに基づく並べ方が指定され、かつ該期間内に複数の産業財産権が含まれる場合、該権利者の該期間内の各産業財産権それぞれに対応する前記有効性データを前記並べ方により整理して提供するものである、請求項1~8の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項10】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において、権利者及び期間と共に前記格付けスコアのうちの少なくとも1つが選定された場合、該権利者の該期間内の、選定された前記格付けスコアが付与された産業財産権に対応する前記有効性データを提供するものである、請求項1~9の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項11】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において権利者が指定された場合、該権利者の第1期間における産業財産権を前記第1期間よりも短い第2期間ごとに整理した第1元データを提供し、
前記情報端末において前記第2期間が指定された場合、該権利者の前記第2期間における産業財産権を前記第2期間よりも短い第3期間ごとに整理した第2元データを提供し、
前記情報端末において前記第3期間が指定された場合、前記第3期間における産業財産権に対応する前記有効性データを提供するものである、請求項1~10の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項12】
前記有効性データは、
権利維持に対するコストパフォーマンスの高さを示す年金コスト情報を含む、請求項1~11の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項13】
前記提供処理部は、
前記有効性データを提供した産業財産権について、その提供数が予め設定された制限数未満であるか否かを判定する判定処理手段と、
前記判定処理手段において前記提供数が前記制限数以上であると判定された場合、該判定に係る産業財産権に対応する前記有効性データの提供が不可である旨の情報を送信する情報処理手段と、を有する、請求項1~12の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項14】
前記提供処理部は、
ネットワークを介して通信可能な情報端末において産業財産権が指定された場合、該産業財産権に対応する前記有効性データの提供数が予め設定された制限数未満であるか否かを判定する判定処理手段と、
前記判定処理手段において前記提供数が前記制限数以上であると判定された場合、該判定に係る産業財産権に対応する前記有効性データの提供が不可である旨の情報を前記情報端末へ送信する情報処理手段と、を有する、請求項1~12の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項15】
前記情報処理手段は、
前記有効性データの転売の申し込みがあった場合に、該有効性データの販売先に係る前記情報端末へ転売打診情報を送信する機能を有する、請求項13又は14に記載のデータ提供装置。
【請求項16】
前記提供処理部は、
前記有効性データの転売依頼に応じて登録ユーザの中から1又は複数の転売先を選定する選定処理手段を有し、
前記情報処理手段は、
前記有効性データの販売先に係る前記情報端末から該有効性データの転売依頼があった場合、前記選定処理手段において選定された1又は複数の転売先に対応する前記情報端末へ購入を打診する旨の販促情報を送信する機能を有する、請求項13~15の何れか一項に記載のデータ提供装置。
【請求項17】
複数の産業財産権に関連する情報を用いて複数の産業財産権それぞれの有効性を推定するデータ分析装置と、
請求項1~16の何れか一項に記載のデータ提供装置と、を有し、
前記データ分析装置は、
外部から収集した複数の産業財産権に関連する情報のそれぞれに含まれるコアデータに対し、共通言語に統一化する翻訳処理を施して翻訳データを生成する翻訳処理手段と、
前記翻訳データに基づく学習用データを用いた機械学習により、前記有効性データを求めるための推定モデルを生成する学習処理手段と、を有する、データ管理システム。
【請求項18】
前記翻訳データに解析処理を施して前記学習用データを生成する前処理手段を有する、請求項17に記載のデータ管理システム。
【請求項19】
前記前処理手段は、
前記翻訳データに解析処理を施して分析用データを生成する機能を有し、
前記前処理手段において生成された前記分析用データを前記推定モデルの入力として前記有効性データを求める推定処理手段を有する、請求項18に記載のデータ管理システム。
【請求項20】
請求項1~16の何れか一項に記載のデータ提供装置と、
前記データ提供装置と通信可能な情報端末と、を有し、
前記提供処理部は、
前記有効性データを含む画面の情報を前記情報端末に提供するものであり、
前記情報端末は、
前記データ提供装置から提供された前記画面の情報を表示する表示部を有する、データ提供システム。
【請求項21】
請求項17~19の何れか一項に記載のデータ管理システムと、
前記データ提供装置と通信可能な情報端末と、を有し、
前記提供処理部は、
前記有効性データを含む画面の情報を前記情報端末に提供するものであり、
前記情報端末は、
前記データ提供装置から提供された前記画面の情報を表示する表示部を有する、データ提供システム。
【請求項22】
データ提供装置に搭載されたコンピュータを、
複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを管理するデータベースから、外部の要求に対応する前記有効性データを抽出して提供する情報処理手段、として機能させるためのデータ提供プログラム。
【請求項23】
請求項22に記載のデータ提供プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項24】
データ分析装置に搭載されたコンピュータを、
外部から収集した複数の産業財産権に関連する情報のそれぞれに含まれるコアデータに対し、共通言語に統一化する翻訳処理を施して翻訳データを生成する翻訳処理手段、
及び、前記翻訳データに基づく学習用データを用いた機械学習により、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを求めるための推定モデルを生成する学習処理手段、として機能させるためのデータ分析プログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のデータ分析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項26】
ネットワークを介して情報端末から1又は複数の産業財産権の指定を受け付け、
複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを管理するデータベースから、指定に係る産業財産権に対応する前記有効性データを抽出し、
抽出した前記有効性データを前記情報端末に提供する、データ提供方法。
【請求項27】
外部から収集した複数の産業財産権に関連する情報のそれぞれに含まれるコアデータに対し、共通言語に統一化する翻訳処理を施して翻訳データを生成し、
生成した前記翻訳データに基づく学習用データを用いての機械学習により、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを求めるための推定モデルを生成する、データ管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業財産権の有効性に関する情報を提供するためのデータ提供装置、データ管理システム、データ提供システム、データ提供プログラム、データ分析プログラム、記録媒体、データ提供方法、及びデータ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許は、審査等において、人の手により先行技術が調査され、特許性が評価されたものである。したがって、特許性の調査には漏れがあることも少なくなく、特許は、有効性が不明確な状態で設定登録されているのが実情である。意匠権や商標権等の他の産業財産権も、人の手によって調査されるため、特許と同様、有効性の不明確さがつきまとう。
【0003】
こうした中、産業財産権の権利所有者(権利者)は、他社への提訴前や自己の権利の存続要否の判断時等において、権利の客観的な有効性について知りたいと考える。一方、第三者は、実施又は使用に際して、障害となり得る権利の存否と共に、該権利の有効性が知りたいと考える。加えて、第三者は、他人から警告書が届いた場合等において、無効資料調査の必要が生じる。
【0004】
ところで、権利の有効性は、弁理士による鑑定等を通じて知ることができる。ただし、鑑定等は、人の手によって行われ、検索式の構築及び先行文献の吟味などに手間と時間がかかり、コストがかさむ。そこで、従来から、権利の有効性を自動的に導出するシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の特許有効性評価装置は、指定された特許と公知技術とを照合し、該特許における要素と合致する要素を有する公知技術を抽出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-332330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の特許有効性評価装置は、ユーザによる特許の指定を受けたときに、指定された特許の有効性を評価するための処理を開始するようになっている。よって、CPU等の処理部やメモリなどのリソースを逐一活用する必要が生じ、産業財産権の有効性に関する情報をユーザへ提供するまでに多くの時間がかかる。そのため、処理部やメモリの無駄な使用を抑制し、産業財産権の有効性に関する情報を迅速に提供するシステムが望まれている。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、処理部やメモリの無駄な使用を抑制し、産業財産権の有効性に関する情報を迅速に提供するためのデータ提供装置、データ管理システム、データ提供システム、データ提供プログラム、データ分析プログラム、記録媒体、データ提供方法、及びデータ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るデータ提供装置は、複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性に係る有効性データを管理するデータベースから、外部の要求に対応する有効性データを抽出して提供する提供処理部を備え、有効性データは、産業財産権の有効性の指標となる格付けスコアを含むものである。
【0009】
本発明の一態様に係るデータ管理システムは、複数の産業財産権に関連する情報を用いて複数の産業財産権それぞれの有効性を推定するデータ分析装置と、上記のデータ提供装置と、を有し、データ分析装置は、外部から収集した複数の産業財産権に関連する情報のそれぞれに含まれるコアデータに対し、共通言語に統一化する翻訳処理を施して翻訳データを生成する翻訳処理手段と、翻訳データに基づく学習用データを用いた機械学習により、有効性データを求めるための推定モデルを生成する学習処理手段と、を有するものである。
【0010】
本発明の一態様に係るデータ提供システムは、上記のデータ提供装置と、データ提供装置と通信可能な情報端末と、を有し、提供処理部は、有効性データを含む画面の情報を情報端末に提供するものであり、情報端末は、データ提供装置から提供された画面の情報を表示する表示部を有するものである。
【0011】
本発明の一態様に係るデータ提供システムは、上記のデータ管理システムと、データ提供装置と通信可能な情報端末と、を有し、提供処理部は、有効性データを含む画面の情報を情報端末に提供するものであり、情報端末は、データ提供装置から提供された画面の情報を表示する表示部を有するものである。
【0012】
本発明の一態様に係るデータ提供プログラムは、データ提供装置に搭載されたコンピュータを、複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを管理するデータベースから、外部の要求に対応する有効性データを抽出して提供する情報処理手段、として機能させるためのものである。
本発明の一態様に係る記録媒体は、上記のデータ提供プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0013】
本発明の一態様に係るデータ分析プログラムは、データ分析装置に搭載されたコンピュータを、外部から収集した複数の産業財産権に関連する情報のそれぞれに含まれるコアデータに対し、共通言語に統一化する翻訳処理を施して翻訳データを生成する翻訳処理手段、及び、翻訳データに基づく学習用データを用いた機械学習により、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを求めるための推定モデルを生成する学習処理手段、として機能させるためのものである。
本発明の一態様に係る記録媒体は、上記のデータ分析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0014】
本発明の一態様に係るデータ提供方法は、ネットワークを介して情報端末から1又は複数の産業財産権の指定を受け付け、複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを管理するデータベースから、指定に係る産業財産権に対応する有効性データを抽出し、抽出した有効性データを情報端末に提供するようになっている。
【0015】
本発明の一態様に係るデータ管理方法は、外部から収集した複数の産業財産権に関連する情報のそれぞれに含まれるコアデータに対し、共通言語に統一化する翻訳処理を施して翻訳データを生成し、生成した翻訳データに基づく学習用データを用いての機械学習により、複数の産業財産権それぞれの有効性の指標となる格付けスコアを含む有効性データを求めるための推定モデルを生成するようになっている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外部の要求に対応する有効性データを予め構築されたデータベースから抽出することから、要求を受けた際には、権利の有効性を評価するための処理を行う必要がない。そのため、処理部やメモリの無駄な使用を抑制し、産業財産権の有効性に関する情報を迅速に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1に係るデータ提供システム及びその周辺構成を例示したブロック図である。
図2図1のデータ管理システムの機能的な構成を例示したブロック図である。
図3図1の情報端末の機能的な構成を例示したブロック図である。
図4図1の情報端末に表示される初期画面を概略的に例示した説明図である。
図5図1の情報端末に表示されるユーザ画面を概略的に例示した説明図である。
図6図1の情報端末に表示される基本画面を概略的に例示した説明図である。
図7図1の情報端末に表示される詳細画面を概略的に例示した説明図である。
図8図1の情報端末に表示される購入画面を概略的に例示した説明図である。
図9図1の情報端末に表示される一覧画面を概略的に例示した説明図である。
図10図1の情報端末に表示される基本画面の他の例を概略的に示す説明図である。
図11図1の情報端末に表示される権利者画面を概略的に例示した説明図である。
図12図1の情報端末に表示される権利画面を概略的に例示した説明図である。
図13図1の情報端末に表示される権利者画面の他の例を概略的に示す説明図である。
図14図1の情報端末に表示されるユーザ画面の他の例を概略的に示す説明図である。
図15図1の情報端末に表示されるESG全般画面を概略的に例示した説明図である。
図16図1の情報端末に表示されるESG個別画面を概略的に例示した説明図である。
図17図1の情報端末に表示される発明者画面を概略的に例示した説明図である。
図18図1のデータ提供システムによるデータ提供方法のうち、ユーザが産業財産権に関する商品を購入する際の動作を例示したシーケンスチャートである。
図19図1のデータ提供システムによるデータ提供方法のうち、ユーザが購入済みの商品を閲覧する際の動作を例示したシーケンスチャートである。
図20】本発明の実施の形態1の変形例に係るデータ提供装置等に格納されるコストカットテーブルを例示した説明図である。
図21】本発明の実施の形態2に係るデータ提供システムにおけるデータ管理装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
図22】本発明の実施の形態2に係るデータ提供方法のうち、ユーザが産業財産権に関する商品を購入する際の動作を例示したフローチャートである。
図23】本発明の実施の形態2に係るデータ提供方法のうち、購入不可の状態の商品の転売依頼に対して、該商品の販売先の情報端末へオファーを出して転売を仲介する際の動作を例示したシーケンスチャートである。
図24】本発明の実施の形態2に係るデータ提供方法のうち、商品の販売先の情報端末からの要求に応じてデータ提供装置が該商品の転売を中継する際の動作を例示したシーケンスチャートである。
図25】本発明の実施の形態2に係るデータ提供システムにおいて、情報端末に表示される詳細画面を概略的に例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
図1を参照して、本実施の形態1におけるデータ提供システム及びその周辺環境に係る構成例について説明する。図1に示すように、データ提供システム100は、データ管理システム10と、1又は複数の情報端末40と、により構成されている。データ管理システム10は、情報提供サーバ群500から複数の産業財産権に関連する情報を収集し、複数の産業財産権それぞれの有効性等を求めるための演算処理を行うことで、種々の有意な情報を求めて管理するものである。
【0019】
ここで、産業財産権とは、知的財産権のうちの、特許権、実用新案権、意匠権、及び商標権のことである。産業財産権には、権利内容、権利者、発明者又は考案者などの他、出願経過に関する情報や、審査等の内容を示す情報などが紐づけられている。審査等の内容を示す情報には、例えば、サーチ会社の検索報告書や、審査官等による検索処理や審査等を示す情報が含まれる。つまり、産業財産権に関連する情報は、産業財産権に紐づけられた上記のような情報のことである。以降では、産業財産権に関連する情報のことを「権利関連情報」ともいい、産業財産権のことを単に「権利」ともいう。
【0020】
データ管理システム10は、データ分析装置20と、データ提供装置30と、を有している。データ分析装置20と、データ提供装置30と、情報端末40と、情報提供サーバ群500と、決済サーバ600とは、インターネットなどのネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0021】
情報提供サーバ群500は、例えばAPI(Application Programming Interface)を通じて権利関連情報を提供する世界各国のサーバ等のことである。情報提供サーバ群500を構成する各サーバでは、1つの権利に対し、1つのデータセットである権利関連情報が紐づけられている。決済サーバ600は、クレジットカードや電子マネーの決済代行会社等が運用するサーバであり、ネットワークNには通常、複数の決済サーバ600が接続されている。データ提供装置30は、情報端末40にて指定された決済方法に対応する決済サーバ600と通信することにより、該情報端末40のユーザの決済処理を実行する。
【0022】
データ分析装置20は、情報提供サーバ群500から収集した複数の権利関連情報をもとに、各権利それぞれの有効性を解析し、解析の結果と、解析結果導出の根拠となった情報などを、解析に係る権利に紐付けて格納するものである。データ分析装置20は、クラウドコンピューティングに基づくクラウドサーバ、もしくは物理サーバ、又はこれらを組み合わせたシステムなどにより構成される。
【0023】
データ提供装置30は、複数の権利関連情報をもとに構築され、各権利それぞれの有効性に係る有効性データを管理するデータベースから、外部の要求に対応する有効性データ等の情報を抽出して提供するものである。本実施の形態1において、情報の「提供」とは、提供用データベース部35内のデータベースにおける一部又は全部の情報へのアクセス権限を与えることである。
【0024】
データ提供装置30は、アクセスを要求してきた情報端末40に対して公開情報を提供すると共に、所定の料金の支払いを行ったユーザの情報端末40に対しては、一部又は全部の非公開情報をさらに提供するようになっている。ここで、公開情報とは、料金の支払い如何にかかわらず、ユーザに対して一般公開している情報である。非公開情報とは、会社単位、期間単位、もしくは権利単位等での購入処理を行ったユーザ、又はグレードアップ等の公開制限を解除する手続きを行ったユーザに対して提供する情報のことである。データ提供装置30は、クラウドコンピューティングに基づくクラウドサーバ、もしくは物理サーバ、又はこれらを組み合わせたシステムなどにより構成される。
【0025】
データ提供システム100は、ユーザが購入した情報を情報端末40にダウンロードさせる構成を採ってもよい。その際、データ提供装置30は、ハッシュ関数を用いてタイムスタンプを付与するようにするとよい。また、データ提供システム100においてユーザが購入した情報は、MICROSOFT EXCEL(登録商標)のXLSファイル、CSV(Comma-Separated Values)ファイル、テキストファイルなどのデータファイルで提供してもよく、紙媒体にプリントアウトして提供してもよい。
【0026】
情報端末40は、ユーザの要求に応じてデータ提供装置30と通信し、有効性データ等の情報を取得してユーザに提供するものである。情報端末40は、ユーザの操作に応じて、データ提供装置30が提供するWebサイトへのアクセスやログインなどを行うと共に、Webサイト内の種々の情報を表示し、権利に紐付けられた情報の取引等に関する処理を行う。
【0027】
次に、図2を参照して、データ管理システムの機能的な構成例について説明する。図2に示すように、データ分析装置20は、通信部21と、分析処理部22と、記憶部23と、収集用データベース部24と、出力用データベース部25と、を有している。通信部21は、分析処理部22がネットワークNに接続された機器等との間で有線又は無線による通信を行うためのインタフェースである。
【0028】
記憶部23は、データ分析プログラムP1などの分析処理部22の動作プログラムの他、有効性データなどの生成、更新、及び管理に関連する種々のデータを記憶する。また、記憶部23には、学習用データを用いた機械学習により生成される推定モデルM1が格納される。記憶部23は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のPROM(Programmable ROM)、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)等により構成することができる。
【0029】
収集用データベース部24は、分析処理部22により収集された権利関連情報を格納する記憶装置である。収集用データベース部24は、RAM及びROM、フラッシュメモリ等のPROM、SSD、又はHDD等により構成される。出力用データベース部25は、権利ごとに有効性データ等の情報が整理されたデータベースを格納する記憶装置である。出力用データベース部25は、RAM及びROM、フラッシュメモリ等のPROM、SSD、又はHDD等により構成される。
【0030】
分析処理部22は、外部から収集するデータセットである権利関連情報を用いて推定モデルM1を生成するものである。ここで、権利関連情報は、推定モデルM1を生成する際に必要となるコアデータと、補助的あるいは付随的なデータである補助データと、を含んでいる。産業財産権が特許権の場合、コアデータには、請求項の情報、拒絶理由通知書、サーチ会社の検索報告書などが含まれる。分析処理部22は、コアデータと推定モデルM1とを用いて有効性データ等の情報を生成し、権利ごとに有効性データ等の情報を整理することにより出力用データベース部25にデータベースを構築するものである。分析処理部22は、学習フェーズにおいて、権利関連情報に含まれるコアデータを学習対象データとして用い、推定フェーズにおいて、権利関連情報に含まれるコアデータを分析対象データとして用いる。
【0031】
より具体的に、分析処理部22は、収集処理手段22aと、翻訳処理手段22bと、前処理手段22cと、学習処理手段22dと、推定処理手段22eと、構築処理手段22fと、を有している。収集処理手段22aは、API等を通じて権利関連情報を定期的に収集するものである。収集処理手段22aは、世界中の特許文献、意匠公報、商標公報、非特許文献、各種の技術論文・技報、技術標準、企業・研究機関・大学等のWebサイト、Web上の記事・カタログ、ブログ、SNS(social networking service)等のデータから権利関連情報を収集する。収集処理手段22aは、収集した権利関連情報に対し、情報の区切りの整理やファイル形式の整備などを施して正規化する機能を有している。
【0032】
翻訳処理手段22bは、学習対象データ又は分析対象データを予め設定された共通言語に統一化するものである。以降では、学習対象データと分析対象データとを区別せずに用いる場合、これらを「対象データ」と総称する。すなわち、翻訳処理手段22bは、権利関連情報ごとに対象データを抽出し、抽出した対象データが共通言語以外の言語で構成されていれば、該対象データを共通言語に翻訳して翻訳データを生成する。翻訳処理手段22bは、対象データが共通言語を含んでいても、対象データの一部に共通言語以外の言語が含まれていれば、その対象データに翻訳処理を施して翻訳データを生成する。一方、翻訳処理手段22bは、権利関連情報から抽出した対象データの全体が共通言語で構成されていれば、該対象データに対して何ら処理を施さない。
【0033】
以降では、翻訳処理手段22bが学習対象データを共通言語に翻訳した情報を学習翻訳データとし、翻訳処理手段22bが分析対象データを共通言語に翻訳した情報を分析翻訳データとし、これらを「翻訳データ」と総称する。本実施の形態1では、共通言語として英語を採用しているが、他の言語を共通言語として採用することもできる。
【0034】
前処理手段22cは、学習翻訳データに解析処理を施すことにより、推定モデルM1の訓練に用いる学習用データを生成する。前処理手段22cは、分析翻訳データに解析処理を施すことにより、権利の格付けなどを推定するために推定モデルM1の入力とする分析用データを生成する。
【0035】
より具体的に、前処理手段22cは、翻訳データに対し、形態素解析などの自然言語処理を施すテキスト解析機能を有している。形態素解析とは、自然言語で書かれた翻訳データを、言語上の最小単位である形態素に分割し(分かち書きし)、各形態素のそれぞれの品詞や変化などを判別することである。すなわち、前処理手段22cは、翻訳データから分割した各形態素のそれぞれに、動詞、名詞、形容詞などの品詞の情報を付して分散表現に変換することにより学習用データ及び分析用データを生成し、生成した学習用データ及び分析用データを記憶部23に記憶させる。前処理手段22cは、各形態素のそれぞれに変換処理を施す際、機械学習の鍵となるキー情報を抽出するようにしてもよく、さらに、抽出したキー情報に対して重み付けなどの処理を行ってもよい。
【0036】
特に産業財産権が特許権の場合、前処理手段22cが、請求項に係る翻訳データを分節して学習用データ及び分析用データを生成し、学習処理手段22dが、学習用データを用いて推定モデルM1を生成し更新するようにしてもよい。これにより、推定モデルM1は、分節した各文言と一致する又は近似する文言を含む技術情報を精度よく抽出する学習済みモデルとなる。学習処理手段22dは、請求項に係る翻訳データから分節により小分けされた文言と、推定処理手段22eによって抽出された技術情報とを組み合わせた情報を教師データとして用いることにより、推定モデルM1の生成・更新処理を行ってもよい。
【0037】
また、前処理手段22cは、文言を組み合わせたフレーズのパターンを生成し、生成したフレーズパターンごとに技術情報を紐づけるようにしてもよい。そして、学習処理手段22dは、フレーズパターンと技術情報とを組み合わせた情報を教師データとして用いることにより推定モデルM1の生成・更新処理を行ってもよい。これにより、推定モデルM1は、技術情報に関連するフレーズパターンの抽出、あるいはフレーズパターンに関連する技術情報の抽出などの処理を精度よく行う学習済みモデルとなる。
【0038】
前処理手段22cは、翻訳データの中から不要データを削除するような比較的簡易な解析処理により学習用データ又は分析用データを生成してもよい。不要データとは、例えば数値、改行、又は記号などの、推定モデルM1の訓練及び該モデルを用いた演算にとって重要度の低い文字などのことである。
【0039】
ところで、産業財産権が意匠権又は商標権の場合は、コアデータに画像データが含まれることが多くなる。そのため、前処理手段22cは、コアデータに含まれる画像データに解析処理を施して学習用データ又は分析用データを生成する画像解析機能を有するようにしてもよい。この場合、前処理手段22cは、例えば、画像データとしての意匠の図面の情報、商標のロゴの情報、及び商標の文字の情報などに画像解析処理を施す。もっとも、特許権及び実用新案権の場合でも、図面の類否を権利の有効性の判断材料として用いることができる。すなわち、前処理手段22cは、テキスト解析機能と画像解析機能との双方を有していてもよく、テキスト解析機能及び画像解析機能のうちの何れか一方を有していてもよい。
【0040】
学習処理手段22dは、学習用データに基づく機械学習により推定モデルM1を生成する。推定モデルM1は、権利の有効性に関する有効性データを出力するための学習済モデルである。本実施の形態1における有効性データは、権利の有効性の指標となる格付けを示す格付けスコアと、格付けスコアの生成の根拠とされた情報と、を含んでいる。格付けスコアは、権利の有効性を数値化もしくは符号化したものであり、権利の有効性の指標となる情報である。
【0041】
有効性データは、権利維持に対するコストパフォーマンスの高さを示す年金コスト情報を含むようにしてもよい。産業財産権が特許権であれば、有効性データは、特許権の有効性に関連する技術情報を含む。以降では、特許権の有効性に関連する技術情報のことを、単に「技術情報」ともいう。技術情報は、格付けスコアの導出の根拠となった技術情報、及び特許権の無効化資料を含む。産業財産権が特許権又は意匠権の場合、有効性データは、特許権、実用新案権、又は意匠権をESGの観点から評価した指標値であるESGスコアを含むようにしてもよい。
【0042】
産業財産権が商標権であれば、有効性データは、商標権に係る商標との類似度が予め設定された閾値以上の先行商標の情報である先行商標データを含む。先行商標には、先行登録商標の他、先行出願商標も含まれる。産業財産権が意匠権であれば、有効性データは、意匠権に係る意匠との類似度が予め設定された閾値以上の公知意匠の情報である公知意匠データを含む。
【0043】
ここで、学習処理手段22dによる推定モデルM1の更新処理について簡潔に説明する。すなわち、収集処理手段22aは、情報提供サーバ群500から逐次又は所定のタイミングで世界各国の権利関連情報を収集し、収集した権利関連情報を記憶部23に記憶させる。翻訳処理手段22bは、逐次又は所定のタイミングで、記憶部23に追加された権利関連情報のコアデータに翻訳処理を施して翻訳データを生成し、生成した翻訳データを記憶部23に記憶させる。前処理手段22cは、翻訳データに対し、逐次又は所定のタイミングで上記の解析処理を施して分析用データを生成し、生成した学習用データを記憶部23に記憶させる。そして、学習処理手段22dは、設定されたタイミングで、記憶部23に新たに蓄積された分析用データを用いて推定モデルM1のパラメータなどを適宜チューニングし、推定モデルM1の更新処理を実行する。学習処理手段22dは、上記各手段と連携して、1日ごとなどの任意の期間ごとに、推定モデルM1の更新処理を実行するとよい。
【0044】
本実施の形態1において、学習処理手段22dは、DNN(Deep Neural Network)を用いた教師あり学習により推定モデルM1を生成するようになっている。学習処理手段22dは、教師なし学習又は半教師あり学習により推定モデルM1を生成するものであってもよい。学習処理手段22dは、GBDT (Gradient Boosting Decision Tree)を用いた機械学習により推定モデルM1を生成してもよい。学習処理手段22dは、キャラクタレベルCNNを用いた機械学習により推定モデルM1を生成してもよい。加えて、学習処理手段22dは、線形回帰、ロジスティック回帰、又は決定木などの回帰の手法により推定モデルM1を生成するものであってよい。さらに、学習処理手段22dは、ランダムフォレスト又はサポートベクターマシンなどの分類の手法により推定モデルM1を生成するものであってよい。もっとも、学習処理手段22dは、上述した複数の機械学習を組み合わせた手法により推定モデルM1を生成してもよい。
【0045】
推定処理手段22eは、分析用データを推定モデルM1の入力として、該分析用データに対応する有効性データ等の情報を求めるものである。そして、推定処理手段22eは、推定モデルM1によって求めた有効性データ等の情報を出力用データベース部25に逐次格納するようになっている。その際、推定処理手段22Eは、求めた有効性データ等の情報を、推定モデルM1の入力とした分析用データの元データである権利関連情報に紐付けて記憶部23又は出力用データベース部25に記憶させる。
【0046】
また、推定処理手段22eは、有効性データ以外の情報として、後述する全期間、第1期間、第2期間、第3期間、ユーザによる指定期間などの各期間に応じた、格付けスコア、ESGスコア、年金コスト情報などを求めることができる。推定処理手段22eが求める情報など、出力用データベース部25及び提供用データベース部35に格納される情報の一部又は全部は、ユーザへの販売対象又は提供対象となる。そのため、以降では、有効性データなどの出力用データベース部25及び提供用データベース部35に格納される情報のうち、ユーザへの販売又は提供の対象となる情報を、産業財産権に関する商品、もしくは単に「商品」ともいう。商品の価格は、例えば、1つの権利に関する情報の単価に対し、権利の数を乗じたものとなる。もっとも、法域ごとに単価を変更してもよく、格付けスコア等に応じて単価を変更してもよい。
【0047】
構築処理手段22fは、記憶部23及び収集用データベース部24に記憶されている情報をもとに、出力用データベース部25内のデータベースを構築するものである。記憶部23に記憶されている情報には、収集処理手段22a、翻訳処理手段22b、前処理手段22c、学習処理手段22d、及び推定処理手段22eが格納した情報も含まれる。
【0048】
本実施の形態1において、出力用データベース部25内のデータベースは、アカウントテーブル、権利者テーブル(会社テーブルなど)、人物テーブル(発明者テーブルなど)、権利テーブル(特許テーブル、意匠テーブル、商標テーブルなど)、統計テーブル、及び金融テーブルを含んで構成されている。
【0049】
アカウントテーブルは、ユーザごとの、メールアドレス、ID、パスワード、購入履歴、アクティビティログ、個人情報などを含む。個人情報は、国籍、法人名、住所、氏名、連絡先、電話番号などを含む。権利者テーブルは、権利者ごとの、基本情報、関連人物情報、履歴情報、格付けスコア・ESGスコアなどのスコア情報、統計情報などを含む。関連人物情報は、権利者、発明者、代理人などの情報を含む。履歴情報は、出願日、各種手続の申請日、登録日、係争の日時などの情報を含む。統計情報は、時系列に沿って整理されたスコア情報の履歴などを含む。
【0050】
人物テーブルは、発明者等の人物ごとの、基本情報、履歴情報、スコア情報、統計情報などを含む。権利テーブルは、全ての権利についての、基本情報、履歴情報、スコア情報、統計情報、翻訳データ、関連情報などを含む。権利テーブルは、特許権を管理する特許テーブル、実用新案権を管理する実案テーブル、意匠権を管理する意匠テーブル、及び商標権を管理する商標テーブルのうちの少なくとも1つを含んでいる。特許テーブルの関連情報は、類似技術の情報や無効化資料などを含む。
【0051】
統計テーブルは、権利者ごとの権利の取得数・格付けスコア・ESGスコアなどのランキング情報や、権利ごとの格付けスコア・ESGスコアなどのランキング情報を含んでいる。また、統計テーブルは、権利ごとの将来的な見通しに関するIP(intellectual property)ランドスケープ情報を含む。IPランドスケープ情報は、権利維持に対するコストパフォーマンスの高さを示す年金コスト情報を含む。金融テーブルは、決済に関連する情報を含む。
【0052】
分析処理部22は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるデータ提供プログラムP2とにより構成することができる。すなわち、データ提供プログラムP2は、コンピュータとしての分析処理部22及び記憶部23を、収集処理手段22a、翻訳処理手段22b、前処理手段22c、学習処理手段22d、推定処理手段22e、及び構築処理手段22fとして機能させるためのプログラムである。
【0053】
データ提供装置30は、通信部31と、提供処理部32と、記憶部33と、提供用データベース部35と、を有している。通信部31は、提供処理部32がネットワークNに接続された機器等との間で有線又は無線による通信を行うためのインタフェースである。記憶部33は、データ提供プログラムP2などの提供処理部32の動作プログラムの他、有効性データなどの提供に関連する種々のデータを記憶する。記憶部23は、RAM及びROM、フラッシュメモリ等のPROM、SSD、又はHDD等により構成することができる。
【0054】
提供処理部32は、情報端末40からの要求に応じて、提供用データベース部35内の情報を該情報端末40に提供するものである。提供処理部32は、複数の権利関連情報をもとに構築され、各権利それぞれの有効性に係る有効性データを含むデータベースから、外部の要求に対応する有効性データを抽出して提供する情報処理手段32aを備えている。
【0055】
情報処理手段32aは、出力用データベース部25と提供用データベース部35との間の同期処理を実行する。本実施の形態1において、提供用データベース部35内のデータベースは、出力用データベース部25内のデータベースと同様、アカウントテーブル、権利者テーブル、人物テーブル、権利テーブル、統計テーブル、及び金融テーブルを含んで構成されている。また、情報処理手段32aは、提供用データベース部35内のデータベースを最適化する機能を有している。
【0056】
情報処理手段32aは、情報端末40において1又は複数の権利が指定された場合、該権利に対応する有効性データを情報端末40に提供するものである。情報処理手段32aは、情報端末40において、複数の産業財産権と共に格付けスコアに基づく並べ方が指定された場合、各産業財産権それぞれに対応する有効性データを、指定された並べ方により整理して提供するものである。
【0057】
情報処理手段32aは、情報端末40において権利者及び期間が指定された場合、該権利者の該期間内の権利に対応する有効性データを情報端末40に提供するものである。情報処理手段32aは、情報端末40において、権利者及び期間と共に格付けスコアに基づく並べ方が指定され、かつ該期間内に複数の産業財産権が含まれる場合、該権利者の該期間内の各産業財産権それぞれに対応する有効性データを、指定された並べ方により整理して提供するものである。
【0058】
情報処理手段32aは、情報端末40において、権利者及び期間と共に格付けスコアのうちの少なくとも1つが指定された場合、該権利者の該期間内の、指定された格付けスコアが付与された産業財産権に対応する有効性データを提供するものである。情報処理手段32aは、情報端末40において、権利者と共に格付けスコアのうちの少なくとも1つが指定された場合、該権利者の、指定された格付けスコアが付与された1又は複数の産業財産権の情報を選択可能に提供してもよい。
【0059】
情報処理手段32aは、情報端末40において権利者が指定された場合、該権利者の第1期間における権利を第1期間よりも短い第2期間ごとに整理した第1元データを情報端末40に提供するようにしてもよい。また、情報処理手段32aは、情報端末40において第2期間が指定された場合、該権利者の第2期間における権利を第2期間よりも短い第3期間ごとに整理した第2元データを情報端末40に提供するようにしてもよい。そして、情報処理手段32aは、情報端末40において第3期間が指定された場合、第3期間における権利に対応する有効性データを情報端末40に提供するようにしてもよい。
【0060】
第1元データは、第2期間全体での格付けスコアを含むようにするとよい。第1元データは、第2期間全体でのESGスコア及び年金コスト情報のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。第2元データは、第3期間全体での格付けスコアを含むようにするとよい。第2元データは、第3期間全体でのESGスコア及び年金コスト情報のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0061】
情報処理手段32aは、情報端末40において発明者が指定された場合、該発明者の評価指数の情報を情報端末40に提供するものである。情報処理手段32aは、複数の技術情報を含む有効性データについて、該有効性データに係る特許権との関連度合いが高い順にデータベース内の各技術情報を並べ替える機能を有している。情報処理手段32aは、複数の先行商標データを含む有効性データについて、該有効性データに係る商標との類似度が高い順にデータベース内の各先行商標データを並べ替える機能を有している。情報処理手段32aは、複数の公知意匠データを含む有効性データについて、該有効性データに係る意匠との類似度が高い順にデータベース内の各公知意匠データを並べ替える機能を有している。
【0062】
提供処理部32は、CPU又はGPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるデータ提供プログラムP2とにより構成することができる。すなわち、データ提供プログラムP2は、コンピュータとしての提供処理部32及び記憶部33を、情報処理手段32aとして機能させるためのプログラムである。
【0063】
提供用データベース部35は、権利ごとに有効性データ等の情報が整理されたデータベースを格納する記憶装置である。本実施の形態1において、提供用データベース35部内のデータベースは、出力用データベース部25内のデータベースに対し、最適化等の所定の処理が施されたものである。なお、提供用データベース35部には、出力用データベース部25と同じデータベースが格納されてもよい。提供用データベース部35は、RAM及びROM、フラッシュメモリ等のPROM、SSD、又はHDD等により構成される。
【0064】
次に、図3を参照して、情報端末40の機能的な構成例について説明する。図3に示すように、情報端末40は、端末通信部41と、端末処理部42と、端末記憶部43と、端末入力部46と、端末表示部47と、を有している。端末通信部41は、端末処理部42がネットワークNに接続された機器等との間で有線又は無線による通信を行うためのインタフェースである。端末記憶部43には、端末処理部42の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。端末記憶部43は、RAM及びROM、フラッシュメモリ等のPROM、SSD、又はHDD等により構成される。
【0065】
端末処理部42は、端末入力部46を介してデータの表示もしくは切替の要求を受けたとき、又はデータ提供装置30からの情報提供があったとき、端末表示部47に文字や画像等を表示させ、又は端末表示部47の表示情報の一部又は全部を切り替える。端末処理部42は、CPU又はGPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させる動作プログラムとにより構成することができる。
【0066】
端末入力部46は、例えば、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスと、を含んで構成される。端末入力部46は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に応じた操作信号を端末処理部42へ送信する。端末表示部47は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、端末処理部42からの指示により種々の情報を表示する。なお、情報端末40は、端末入力部46及び端末表示部47の代わりに、文字又は画像等を表示する表示パネルと、該表示パネルに積層されてタッチ操作を検出する検出手段と、を含むタッチパネルを有していてもよい。もっとも、情報端末40は、タッチパネルと、マウス又はキーボード等とを併せ持つものであってもよい。情報端末40は、音又は音声を報知する報知部、発光素子を含んで構成された発光部などを有していてもよい。
【0067】
[商品の購入]
次に、図4図10を参照して、ユーザによる商品の購入に関連する構成及び表示画面について説明する。各図で共通する構成については同一の符号を用い、重複する説明は省略する。ユーザが情報端末40を介してデータ提供装置30のWebサイトにアクセスすると、情報端末40の端末表示部47には、例えば図4のような初期画面G1が表示される。
【0068】
図4に例示する初期画面G1は、ログインボタンLと、登録ボタンXと、検索部Aと、ランキング指示部Bと、を有している。登録ボタンXは、ユーザの操作に応じてユーザ情報を登録するための登録画面(図示せず)を表示させる仮想ボタンである。ログインボタンLは、ユーザの操作に応じてログイン画面(図示せず)を表示させるための仮想ボタンである。すなわち、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、登録画面及びログイン画面を端末表示部47に表示させ、ユーザ登録及びログインに関する操作を受け付ける機能を有している。
【0069】
検索部Aは、入力欄A1と、検索ボタンA2と、を有している。入力欄A1は、キーボード等を介して文字等を入力する欄である。入力欄A1には、会社名などの組織名や個人名などが入力される。検索ボタンA2は、入力欄A1に入力された情報についての検索をデータ提供装置30に要求するための仮想ボタンである。なお、図4では、入力対象を示す文字として「会社名」が表示された検索部47aを例示しているが、これに限定されず、検索部47aには、「会社名」の代わりに「権利者」などが表示されてもよい。
【0070】
ランキング指示部Bは、ユーザの操作に応じて画面を遷移させたり、サブウインドウを表示させたりするための1又は複数の仮想ボタンにより構成される。図4では、ランキング指示部Bが、権利者の格付けスコアのランキングを示す格付け画面(図示せず)を表示させるための格付けボタンB1と、権利者のESGスコア(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))のランキング等を示すESG画面(後述する図15等)を表示させるためのESGボタンB2と、を含む例を示している。すなわち、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、格付け画面及びESG画面を端末表示部47に表示させる機能を有している。
【0071】
ユーザがログイン画面を介してログイン処理を完了すると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、例えば図5のようなユーザ画面G2を端末表示部47に表示させる。ユーザ画面G2は、初期画面G1と同様、検索部Aと、ランキング指示部Bと、を有している。また、ユーザ画面G2は、ユーザ名表示部Uと、ログアウトボタンYと、を有している。ユーザ名表示部Uには、ログインしたユーザを示す情報が表示される。ログアウトボタンYは、ユーザがログアウトするための仮想ボタンである。
【0072】
ユーザ画面G2は、購入済みの商品を呼び出すための呼出部Z1を有している。図5では、ドロップダウン式又はコンボボックス式のUI(User Interface)である呼出部Z1を例示している。すなわち、図5の呼出部Z1は、ユーザにより選択された商品又は入力された商品が表示される表示欄Zaと、権利者又は権利のリストを表示させるための展開ボタンZbと、権利者又は権利のリストを示すリスト部Zcと、を有している。呼出部Z1は、リスト部Zcにマウスカーソルなどを当てると権利のリストが選択可能に表示される態様としてもよい。もっとも、呼出部Z1の態様は、図5の例に限定されない。例えば、呼出部Z1は、リスト部Zcに購入済みの商品の一覧が表示される態様としてもよい。また、呼出部Z1は、権利者の選択と権利の選択とを順次行える機能を持たせてもよい。さらに、呼出部Z1は、ドロップダウン式等ではなく、権利者、商品、又は権利などが単純に一覧表示される態様としてもよい。
【0073】
図5に例示するユーザ画面G2は、ダッシュボード部Cを有している。ダッシュボード部Cは、グラフや表などのように、種々のデータを可視化した情報を含んで構成される。端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、ダッシュボード部Cに、ログインしたユーザの嗜好に合った情報を表示するとよい。加えて、図5に例示するユーザ画面G2は、ユーザの個人情報、検索履歴、及び購入履歴等をもとに生成された情報が表示されるお知らせ欄J1を有している。
【0074】
図4のような初期画面G1又は図5のようなユーザ画面G2において、入力欄A1に権利者名が入力され、検索ボタンA2が押下されると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、例えば図6のような基本画面G3を端末表示部47に表示させる。基本画面G3は、権利者の第1期間における権利の登録件数を、第1期間よりも短い第2期間ごとに整理した第1データK1を含んで構成される。第1データK1は、端末処理部42が第1元データをもとに表示させる情報である。
【0075】
図6に例示する第1データK1は、横軸に西暦をとり、縦軸に登録件数をとった棒グラフを有している。図6では、第1期間として、権利者が最初に権利を取得した年から現在までの期間(全期間)が採用された例を示している。もっとも、第1期間は、全期間に限らず、予め設定された任意の期間であってよい。同様に、図6では、第2期間が1年の例を示しているが、これに限らず、第2期間は、予め設定された任意の期間であってよい。
【0076】
本実施の形態1の第1データK1は、第2期間ごとの格付けスコアを示す第1格付け部D1を有している。端末処理部42は、第1期間における最後の第2期間が終了していない場合、図6に破線で示すように、該第2期間の最終的な登録件数の推測値を示してもよい。端末処理部42は、端末入力部46を介して、1又は複数の第2期間の選択及び指定を受け付けるようになっている。図6では、第2期間として2012年が選択された例を示している。もっとも、第2期間の指定の方法、及び指定された第2期間の表示態様は、図6の例に限らず、適宜変更することができる。また、図6の基本画面G3は、1又は複数の第2期間の指定を受け付けるための指定ボタンE1を有している。
【0077】
図6のような基本画面G3において、1又は複数の第2期間が選択され、指定ボタンE1の押下により指定されると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、例えば図7のような詳細画面G4を端末表示部47に表示させる。詳細画面G4は、権利者の第2期間における権利の登録件数を、第2期間よりも短い第3期間ごとに整理した第2データK2を含んで構成される。第2データK2は、端末処理部42が第2元データをもとに表示させる情報である。
【0078】
図7に例示する第2データK2は、横軸に月をとり、縦軸に登録件数をとった棒グラフを有している。図7では、第2期間を図6に対応づけて1年とし、第3期間が1ヵ月である例を示している。もっとも、第3期間は、1ヶ月に限らず、予め設定された任意の期間であってよい。
【0079】
本実施の形態1の第2データK2は、第3期間ごとの格付けスコアを示す第2格付け部D2を有している。端末処理部42は、端末入力部46を介して、1又は複数の第2期間の選択及び指定を受け付けるようになっている。図7では、第2期間として6月が指定された例を示している。もっとも、第3期間の指定の方法、及び指定された第3期間の表示態様は、図7の例に限らず、適宜変更することができる。また、図7の詳細画面G4は、1又は複数の第3期間の指定を受け付けるための確認ボタンE2を有している。
【0080】
図7のような詳細画面G4において、例えばグラフ上で選択された1又は複数の第3期間が、確認ボタンE2の押下により指定されると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、例えば図8のような購入画面Gxを端末表示部47に表示させる。購入画面Gxは、購入する情報の内容を示す内容欄Pと、購入金額を示す金額欄Qと、を有している。また、購入画面Gxは、決済を行うための購入ボタンE3を有している。購入画面Gxは、1又は複数の決済方法を示す決済方法部Hを有していてもよい。
【0081】
端末処理部42は、詳細画面G4において1又は複数の第3期間が選択され、確認ボタンE2が押下されたとき、データ提供装置30との連携により、図9のような一覧画面G5を表示させてもよい。図9に例示する一覧画面G5は、ユーザにより選択された期間を示す期間表示部Tを有している。また、一覧画面G5は、選択ボックスS1と権利番号欄S2との組み合わせを含んで構成された一覧表示部K3を有している。一覧表示部K3は、ユーザが選択ボックスS1にカーソルを合わせてマウスのクリック等を行うことにより、権利番号欄S2に記載の権利の選択又は解除を行うためのものである。図9では、一覧表示部K3が、権利に関する補足情報を表示する備考欄S3を含む例を示している。端末処理部42は、一覧表示部K3に表示させる権利の数が設定数よりも多い場合、一覧表示部K3をスクロール形式等で表示させてもよい。
【0082】
上記の説明では、詳細画面G4から一覧画面G5に移行する例を示したが、これに限定されない。例えば、端末処理部42は、基本画面G3から一覧画面G5に移行させるようにしてもよい。また、ユーザ画面G2は、図10のように、期間を指定するための期間指定欄K4を有していてもよい。この場合、端末処理部42は、入力欄A1に権利者名が入力され、期間指定欄K4に期間の情報が入力され、検索ボタンA2が押下されると、データ提供装置30との連携により、一覧画面G5を端末表示部47に表示させてもよい。また、端末処理部42は、指定された期間の長さに応じてグラフ等を調整した基本画面G3又は詳細画面G4を端末表示部47に表示させてもよい。
【0083】
[定期購入機能・逐次購入機能]
上記においては、ユーザが商品を都度購入する例を示したが、これに限定されない。データ提供装置30は、定期購入機能及び逐次購入機能のうちの少なくとも一方を有していてもよい。定期購入機能とは、定期購入の申し込みを行ったユーザに対し、1週間、10日間、1ヶ月、半年、1年など、任意の期間ごとに商品を提供する機能である。逐次購入機能とは、逐次購入の申し込みを行ったユーザに対し、産業財産権が登録され、該産業財産権に対応する有効性データ等がデータベースに格納されたタイミングで、申し込みに係る商品を提供する機能である。
【0084】
[購入済み商品の閲覧]
次に、図5及び図11図14を参照して、ユーザによる購入済み商品の閲覧に関連する構成及び表示画面について説明する。上述した各図と同等の構成については同一の符号を用いて説明は省略する。ユーザが図5のようなユーザ画面G2の呼出部Z1を介して「権利者」を指定すると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、例えば図11のような権利者画面G6を端末表示部47に表示させる。
【0085】
図11に例示する権利者画面G6は、総合評価部Loと、個別評価部L1と、ソート指示部L2と、を有している。総合評価部Loは、権利者による全ての権利の総合評価が表示される箇所である。図11では、総合評価部Lo及び個別評価部L1に、権利者の格付けスコアと、ESGスコアと、年金コスト情報とが表示される例を示している。なお、図11等では、年金コスト情報のことを年金コスパと表現している。ソート指示部L2は、個別評価部L1の各項目のそれぞれに対応づけられた仮想ボタンを有している。すなわち、ソート指示部L2は、格付けスコアが高い順に個別評価部L1を並び替えるための格付け優先キーLaと、ESGスコアが高い順に個別評価部L1を並び替えるためのESG優先キーLbと、年金コスト情報が高い順に個別評価部L1を並び替えるための年金優先キーLcと、を有している。図11では、格付けスコアが高い順に個別評価部L1がソートされた例を示している。
【0086】
図11のような権利者画面G6において、例えばリンクの貼られた権利番号がクリックされる等により「権利」が指定されると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、図12のような権利画面G7を端末表示部47に表示させる。また、端末処理部42は、ユーザが図5のようなユーザ画面G2の呼出部Z1を介して「権利」を指定した場合、図11のような権利者画面G6を経由せずに、図12のような権利画面G7を端末表示部47に表示させる。
【0087】
図12に例示する権利画面G7は、公報ボタンL3と、一覧部L4と、資料部L5と、経過情報部L6と、発明者情報部L7と、を有している。公報ボタンL3は、権利の内容を示す公報を表示させるための仮想ボタンである。一覧部L4は、個別評価部L1と同様に権利のスコアを示す部分である。資料部L5は、格付けスコアの算出に関連する文献の情報を示す部分である。経過情報部L6は、権利の取得及び維持等に関する経過情報を示す部分である。発明者情報部L7は、特許権に係る発明の発明者の情報を示す部分である。
【0088】
端末処理部42は、ユーザが図5のようなユーザ画面G2の呼出部Z1を介して「権利者」を指定した場合、データ提供装置30との連携により、例えば図13のような権利者画面G6を端末表示部47に表示させてもよい。図13の権利者画面G6は、公報部Q1と、詳細一覧部Q2と、選択部Q3と、を有している。公報部Q1は、権利の内容を示す公報を表示させるための仮想ボタンとして機能すると共に、マウスカーソルを合わせることにより、詳細一覧部Q2を表示させるものである。選択部Q3は、詳細一覧部Q2に優先表示させるスコアを選択させるためのものである。図13では、ドロップダウン式のUIである選択部Q3を例示している。すなわち、選択部Q3は、ユーザにより選択されたスコアが表示される表示欄Qaと、詳細一覧部Q2への表示対象となるスコアのリストを表示させるための展開ボタンQbと、スコアのリストを示すリスト部Qcと、を有している。詳細一覧部Q2は、選択部Q3で選択されたスコアを表示させるスコア部Qxと、関連文献の一覧を示す文献リスト部Qyと、本権利と関連文献との関連度合いを示す関連度表示部Qzと、を有している。
【0089】
端末処理部42は、ユーザがログイン画面を介してログイン処理を完了した際、データ提供装置30との連携により、例えば図14のようなユーザ画面G2を端末表示部47に表示させてもよい。図14に例示するユーザ画面G2は、入力欄A1、検索ボタンA2、スコア指定部Z2、順序指定部Z3、及び件数部Zoにより構成された絞り込み部Azを有している。スコア指定部Z2は、格付けスコア、ESGスコア、及び年金コスト情報などのうちの1つを選定するためのものであり、表示欄Zdと、展開ボタンZeと、リスト部Zfと、を有している。展開ボタンZeは、リスト部Zfを表示させるための仮想ボタンであり、リスト部Zfには、展開ボタンZeへの操作に連動して、ユーザに選定させるための情報が表示される。表示欄Zdには、リスト部Zfの中から選定された文字等が表示される。
【0090】
順序指定部Z3は、スコア指定部Z2において選定された情報について、上位のものから並べるか、下位のものから並べるかを指定させるためのものであり、表示欄Zkと、展開ボタンZmと、リスト部Znと、を有している。展開ボタンZmは、リスト部Znを表示させるための仮想ボタンであり、リスト部Znには、展開ボタンZmへの操作に連動して、ユーザに選定させるための情報が表示される。表示欄Zkには、リスト部Znの中から選定された文字等が表示される。件数部Zoは、件数に対応する数値を入力する欄である。
【0091】
ここで、スコア指定部Z2において格付けスコアが選定され、順序指定部Z3において「上位」又は「下位」が指定される操作は、格付けスコアに基づく並べ方が指定される操作に相当する。例えば、入力欄A1において「Z社」が指定され、スコア指定部Z2において「格付けスコア」が選定され、順序指定部Z3において「上位」が指定され、件数部Zoに「15」が入力されて、検索ボタンA2が押下されたとする。すると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、X社の産業財産権の情報を、格付けスコアの上位から順番に15件一覧表示させる。
【0092】
絞り込み部Azは、件数部Zoに代えて、もしくは件数部Zoと共に、期間の指定を受け付ける期間指定欄(図示せず)を有していてもい。この期間指定欄は、図10の期間指定欄K4と同様の態様であってよい。もっとも、絞り込み部Azは、順序指定部Z3及び件数部Zoのうちの少なくとも一方を有しない構成としてもよい。
【0093】
また、絞り込み部Azは、順序指定部Z3の代わりに、格付けスコアのうちの少なくとも1つを選定するためのスコア選定部(図示せず)を有していてもよい。例えば、入力欄A1において「権利者」が指定され、スコア選定部において格付けスコアのうちの少なくとも1つが選定されたとする。この場合、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、指定された権利者の、選定された格付けスコアが付与された1又は複数の産業財産権の情報を端末表示部47に選択可能な態様で表示させるとよい。例えば、格付けスコアが、上位から順に「AAA」「AA」「A」「BB」「B」「CC」「C」という7段階で設定されているとする。かかる設定において、ユーザは、上記の7段階の格付けスコアのうちの少なくとも1つを選定することができる。ユーザが少なくとも1つの格付けスコアを選定すると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、選定された1又は複数の格付けスコアが付与された1又は複数の産業財産権の情報を選択可能に端末表示部47に表示させる。
【0094】
[ESG表示]
次に、図15及び図16を参照して、ユーザによるESGに関する情報の確認に関連する構成及び表示画面について説明する。上述した各図と同等の構成については同一の符号を用いて説明は省略する。例えば、ユーザにより図4の初期画面G1又は図5もしくは図10のユーザ画面のESGボタンB2が押下されると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、図15のようなESG全般画面G8を端末表示部47に表示させてもよい。
【0095】
図15のESG全般画面G8は、権利者単位で週ごとにESG関連特許の数を積算してグラフ化した比較データR1と、ESG関連特許の数についてのランキングを示すランキング部R2と、を有している。比較データR1は、例えば特許公報の発行日を基準として整理される。ESG全般画面G8では、例えばランキング部R2の各欄が、権利者の選定を受け付ける仮想ボタンとして機能する。ユーザによりランキング部R2の1つの欄がクリック等されると、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、図16のようなESG個別画面G9を端末表示部47に表示させてもよい。
【0096】
図16に例示するESG個別画面G9は、ESGスコアの算出に関連する複数の指標についての個別評価を示す詳細分析欄R3を有している。図16では、ESGスコアの算出に関連する複数の指標として、Environment、Social、Governance、キーワードスコア、新規性スコア、特許件数、及び総合スコアを例示しているが、これに限定されない。ESGスコアの算出に関連する複数の指標は、適宜取捨選択することができる。
【0097】
[発明者情報]
次に、図17を参照して、ユーザによる発明者の情報の確認に関連する構成及び表示画面について説明する。上述した各図と同等の構成については同一の符号を用いて説明は省略する。ユーザにより発明者の情報が要求された場合、端末処理部42は、データ提供装置30との連携により、図17のような発明者画面G10を端末表示部47に表示させてもよい。例えば、端末処理部42は、図5のようなユーザ画面G2に、発明者名の入力と発明者の情報の要求を行うための発明者検索欄を表示させてもよい。また、図12の発明者情報部L7に記載された発明者名にリンクを貼っておき、ユーザが発明者名をクリックしたとき、該発明者に対応する発明者画面G10を、端末処理部42が端末表示部47に表示させてもよい。
【0098】
図17に例示する発明者画面G10は、発明者が関わった特許権の情報が一覧表示される一覧表示部V1と、発明者の総合評価が示される評価部V2と、発明者の過去の経歴などを示す固有情報部J2と、を有している。図17の一覧表示部V1は、特許権ごとに、関係情報、格付けスコア、年金コスト情報、及びESGスコアが表示されるようになっている。関係情報とは、筆頭発明者であるか否かなど、権利に対する寄与度を示す情報などが表示される。評価部V2には、有効性の高い特許の比率、特許出願の件数、特許権の登録件数、発明者の出願が拒絶理由通知等で引用された数(被引用数)などの情報が表示される。評価部V2には、一覧表示部V1の各項目についての発明者の総合評価が示されてもよい。
【0099】
次に、図18のシーケンスチャートを参照して、本実施の形態1のデータ提供方法のうち、ユーザが産業財産権に関する商品を購入する際の動作例について説明する。ここでは、ユーザが初期画面G1等を経てデータ提供装置30のシステムにログインしていることを前提とする。
【0100】
情報端末40において、端末処理部42は、端末入力部46を介してデータ提供装置30が提供するWebサイトへのアクセスの指示を受け付けると(ステップS101)、該Webサイトへのアクセス要求をデータ提供装置30へ送信する(ステップS102)。データ提供装置30において提供処理部32は、ユーザ画面の情報を情報端末40に提供し(ステップS103)、端末処理部42は、例えば図5のようなユーザ画面G2を端末表示部47に表示させる(ステップS104)。
【0101】
端末処理部42は、ユーザ画面G2を通じて権利者の指定を受け付けると(ステップS105)、指定された権利者の情報をデータ提供装置30へ送信する(ステップS106)。提供処理部32は、権利者情報に対応する基本画面の情報を情報端末40に提供する(ステップS107)。そして、端末処理部42は、例えば図6のよう基本画面G3を端末表示部47に表示させる(ステップS108)。
【0102】
端末処理部42は、基本画面G3を通じて第2期間の指定を受け付けると(ステップS109)、指定された1又は複数の第2期間を示す指定情報をデータ提供装置30へ送信する(ステップS110)。提供処理部32は、指定情報に対応する詳細画面の情報を情報端末40に提供する(ステップS111)。そして、端末処理部42は、例えば図7のよう詳細画面G4を端末表示部47に表示させる。提供処理部32は、複数の第2期間を示す指定情報が送信された場合、各第2期間に対応する詳細画面G4を切替可能に表示させてもよく、指定に係る全ての第2期間に対応する画像データを詳細画面G4に含めてもよい(ステップS112)。
【0103】
端末処理部42は、詳細画面G4を通じて第3期間の指定を受け付けると(ステップS113)、指定された1又は複数の第3期間を示す最終指定情報をデータ提供装置30へ送信する(ステップS114)。提供処理部32は、最終指定情報を反映した購入画面の情報を情報端末40に提供する(ステップS115)。そして、端末処理部42は、例えば図8のような購入画面Gxを端末表示部47に表示させる(ステップS116)。
【0104】
端末処理部42は、ユーザの購入ボタンE3の押下等により購入の指示を受け付けると(ステップS117)、データ提供装置30へ購入要求を送信する(ステップS118)。すると、提供処理部32は、決済サーバ600に決済を依頼する(ステップS119)。決済サーバ600は、購入する商品の内容及び支払金額を含む確認情報を情報端末40に送信する(ステップS120)。端末処理部42は、確認情報に基づく確認画面(図示せず)を端末表示部47に表示させる(ステップS121)。
【0105】
端末処理部42は、確認画面を通じて支払の指示を受け付けると(ステップS122)、決済サーバ600に支払いを依頼する(ステップS123)。決済サーバ600は、決済処理を実行し、決済の完了を示す決済通知をデータ提供装置30へ送信する(ステップS124)。そして、データ提供装置30は、ユーザの購入に係る商品を情報端末40に提供する(ステップS125)。すなわち、上記一連の各工程により、ユーザは、購入した商品に係る情報へのアクセス権限を取得したため、情報端末40を介していつでも該商品に係る情報を閲覧することができる。
【0106】
次に、図19のシーケンスチャートを参照して、本実施の形態1のデータ提供方法のうち、ユーザが購入済みの商品を閲覧する際の動作例について説明する。ここでは、ユーザが初期画面G1等を経てデータ提供装置30のシステムにログインしていることを前提とする。図18と同様の工程には同じステップ番号を用いて説明は省略する。
【0107】
データ提供装置30及び情報端末40は、図18の例と同様にステップS101~S104の処理を実行する。次いで、ユーザが、例えば図5の呼出部Zを介して購入済み商品の呼び出しを指示すると(ステップS201)、端末処理部42は、指示に係る商品の呼出要求をデータ提供装置30へ送信する(ステップS202)。
【0108】
ここでは、便宜上、ステップS201においてユーザが権利者を指定したケースを想定する。この場合、提供処理部32は、指定に係る権利者についての権利者画面の情報を情報端末40へ送信する(ステップS203)。すると、端末処理部42は、例えば図11又は図13のよう権利者画面G6を端末表示部47に表示させる(ステップS204)。
【0109】
端末処理部42は、権利者画面G6を通じて権利の指定を受け付けると(ステップS205)、指定された権利を示す権利情報をデータ提供装置30へ送信する(ステップS206)。提供処理部32は、権利情報に対応する権利画面の情報を情報端末40に提供する(ステップS207)。これにより、端末処理部42は、例えば図12のよう権利画面G7を端末表示部47に表示させる(ステップS208)。
【0110】
以上のように、本実施の形態1のデータ提供装置30は、外部の要求に対応する有効性データを予め構築されたデータベースから抽出するようになっている。よって、データ提供装置30は、データの要求を受けた際に、権利の有効性を評価するための処理を行う必要がないため、処理部やメモリの無駄な使用を抑制し、産業財産権の有効性に関する情報を迅速に提供することができる。また、有効性データは、権利の有効性の指標となる格付けスコアを含んでいる。すなわち、提供用データベース部35内のデータベースには、推定処理手段22eによって求められた格付けスコアを含む有効性データが格納されている。そのため、ユーザは、例えば図11図13のような画面上において、各権利に紐付けられた格付けスコアを視認することにより、自己のニーズに合致した権利を迅速かつ的確に選定することができる。
【0111】
ところで、産業財産権の有効性を適切に評価するためには、高度な専門性が必要となる。この点、データ提供システム100は、データ提供装置30と情報端末40とを有している。そして、提供処理部32は、有効性データを含む画面の情報を情報端末40に提供するものであり、情報端末40は、データ提供装置30から提供された画面の情報を表示する端末表示部47を有している。よって、情報端末40を使用するユーザは、専門性を要することなく、産業財産権に関する有用な情報を得ることができる。
【0112】
推定処理手段22eは、権利者ごとに、全期間、第1期間、第2期間、第3期間などの期間単位での格付けスコアを求めるようにしてもよい。そして、構築処理手段22fが、各期間に対応する格付けスコアをデータベースに反映させるとよい。これにより、情報処理手段32aは、各期間に対応する格付けスコアを情報端末40に提供することができる。よって、ユーザは、例えば図6図7図11図13のような画面上において、各期間に対応する格付けスコアを確認することができるため、権利者の選択や期間の選択を迅速かつ的確に行うことができる。
【0113】
産業財産権が特許権の場合、有効性データは、特許権の有効性に関連する技術情報を含むようにするとよい。この場合、提供用データベース部35内のデータベースには、格付けスコアに1又は複数の技術情報が紐づけられた有効性データが格納される。このようにすれば、情報端末40は、例えば図12又は図13のような画面上において、特許権に関連する技術情報を格付けスコアに紐付けて示すことができる。よって、ユーザは、格付けスコアの根拠となった文献などを速やかに確認することができる。
【0114】
ところで、近年は、ESGの観点を経営に活かし、企業の安定的かつ長期的な成長を図ろうとする取り組みが世界中に広まっている。そして、知財戦略にも、ESGの観点が採り入れられている。この点、有効性データは、特許権をESGの観点から評価した指標値であるESGスコアを含めて構成することができる。よって、ユーザは、例えば図11図17のような画面上において、権利ごとのESGスコアを確認することができるため、ESGに力を入れている企業等を一見して把握することができ、商品の選択に活かすことができる。推定処理手段22eは、権利者ごとに、全期間、第1期間、第2期間、第3期間などの期間単位でのESGスコアを求めるようにしてもよい。そして、構築処理手段22fが、各期間に対応するESGスコアをデータベースに反映させるとよい。これにより、情報処理手段32aは、各期間に対応するESGスコアを情報端末40に提供することができる。よって、ユーザは、例えば図11図13図17のような画面上において、各期間に対応するESGスコアを確認し、権利者の選択等に活かすことができる。
【0115】
有効性データは、権利維持に対するコストパフォーマンスの高さを示す年金コスト情報を含んでいてもよい。このようにすれば、例えば図11図13のような画面上において、産業財産権の年金コスト情報をユーザに視認させることができるため、ユーザは、該権利を維持すべきか否かを容易に判断することができる。推定処理手段22eは、権利者ごとに、全期間、第1期間、第2期間、第3期間などの期間単位での年金コスト情報を求めるようにしてもよい。そして、構築処理手段22fが、各期間に対応する年金コスト情報をデータベースに反映させるとよい。これにより、情報処理手段32aは、各期間に対応する年金コスト情報を情報端末40に提供することができる。よって、ユーザは、例えば図11図13のような画面上において、各期間に対応する年金コスト情報を確認し、権利者の評価や選択等に活かすことができる。
【0116】
有効性データは、商標権に係る商標との類似度が閾値以上の先行商標の情報である先行商標データを含んでいてもよい。このようにすれば、特許権の場合と同様、例えば図12又は図13のような画面上において、商標権に関連する先行商標データを格付けスコアに紐付けて示すことができる。よって、ユーザは、格付けスコアの根拠となった先行商標データを速やかに確認することができ、商標権の無効性などを検討することができる。
【0117】
有効性データは、意匠権に係る意匠との類似度が閾値以上の公知意匠の情報である公知意匠データを含んでいてもよい。このようにすれば、特許権の場合と同様、例えば図12又は図13のような画面上において、意匠権に関連する公知意匠データを格付けスコアに紐付けて示すことができる。よって、ユーザは、格付けスコアの根拠となった公知意匠データを速やかに確認することができ、意匠権の有効性などを検討することができる。
【0118】
提供処理部32は、複数の技術情報を含む有効性データについて、該有効性データに係る特許権との関連度合いが高い順にデータベース内の各技術情報を並べ替える機能を有している。関連度合いは、特許権に係る請求項の文言と技術情報の文言とがどの程度一致又は近似しているかを示す指標値である。提供処理部32は、複数の先行商標データを含む有効性データについて、該有効性データに係る商標との類似度が高い順にデータベース内の各先行商標データを並べ替える機能を有している。提供処理部32は、複数の公知意匠データを含む有効性データについて、該有効性データに係る意匠との類似度が高い順にデータベース内の各公知意匠データを並べ替える機能を有している。このようにすれば、情報端末40は、データのソート処理を別途行うことなく、図11図13のような画面上にソートされたデータを表示させることができ、ユーザの確認作業の効率化を図ることができる。
【0119】
提供処理部32は、情報端末40において1又は複数の権利が指定された場合、該権利に対応する有効性データを提供する。よって、ユーザは、産業財産権に関する商品を1点単位で選択して購入することができ、必要十分なデータを取得することができる。提供処理部32は、情報端末40において権利者及び期間が指定された場合、該権利者の該期間内の権利に対応する有効性データを提供する。よって、ユーザは、細かな選択を行うことなく、ニーズに合った期間単位で商品を迅速に購入することができる。
【0120】
提供処理部32は、情報端末40において発明者が指定された場合に、該発明者の評価指数の情報を提供してもよい。このようにすれば、ユーザは、例えば図17のような画面上において、発明者のランクや貢献度などを確認することができ、ヘッドハンティングなどに活用することができる。また、提供処理部32は、情報端末40において発明者が指定された場合に、該発明者の固有情報を提供してもよい。このようにすれば、ユーザは、例えば図17のような画面上において固有情報部J2を確認することにより、発明者の経歴や共同発明者などを知ることができ、人材発掘などに活かすことができる。
【0121】
提供処理部32は、情報端末40において1又は複数の権利が指定された場合、該権利に対応する有効性データを提供する。よって、ユーザは、産業財産権に関する商品を1点単位で選択して購入することができ、必要十分なデータを取得することができる。提供処理部32は、情報端末40において権利者及び期間が指定された場合、該権利者の該期間内の権利に対応する有効性データを提供する。よって、ユーザは、細かな選択を行うことなく、ニーズに合った期間単位で商品を迅速に購入することができる。
【0122】
提供処理部32は、情報端末40において権利者が指定された場合、該権利者の第1期間における権利を第2期間ごとに整理した第1元データを提供してもよい。第1元データは、情報端末40側で第1データK1として表示される。また、提供処理部32は、情報端末40において第2期間が指定された場合、該権利者の第2期間における権利を第3期間ごとに整理した第2元データを提供してもよい。第2元データは、情報端末40側で第2データK2として表示される。さらに、提供処理部32は、情報端末40において第3期間が指定された場合、第3期間における権利に対応する有効性データを提供するとよい。このようにすれば、ユーザは、直感的で簡易な操作により選択期間を狭めつつ、ニーズに合った期間を選定することができるため、ユーザビリティーの向上を図ることができる。例えば、図6又は図7のように、情報端末40が各期間に対応づけて格付けスコアなどを表示するように構成すれば、ユーザの期間選択の利便性の向上を図ることができる。
【0123】
提供処理部32は、情報端末40において発明者が指定された場合に、該発明者の評価指数の情報を提供してもよい。このようにすれば、ユーザは、例えば図17のような画面上において、発明者のランクや貢献度などを確認することができ、ヘッドハンティングなどに活用することができる。また、提供処理部32は、情報端末40において発明者が指定された場合に、該発明者の固有情報を提供してもよい。このようにすれば、ユーザは、例えば図17のような画面上において固有情報部J2を確認することで、発明者の経歴や共同発明者などを知ることができ、人材発掘などに活かすことができる。
【0124】
データ管理システム10において、データ分析装置20は、権利関連情報に含まれるコアデータに対し翻訳処理を施して翻訳データを生成する翻訳処理手段22bと、翻訳データに基づく学習用データを用いた機械学習により推定モデルM1を生成する学習処理手段22dと、を有している。そのため、言語の違いによる推定精度の低下を防ぐと共に、言語の統一化により、機械学習用のデータ量を実質的に増やすことができる。そのため、格付けスコアなどの精度向上を図ると共に、有効性データなどの商品の信頼性を高めることができる。すなわち、データ管理システム10によれば、世界中の特許等の権利について、どのような関連資料が存在するかを精度よく示すことができる。
【0125】
また、データ分析装置20は、翻訳データに解析処理を施して学習用データを生成する前処理手段22cを有している。よって、コアデータの特徴を精度よく分析することができる。加えて、前処理手段22cは、翻訳データに解析処理を施して分析用データを生成する。そして、データ分析装置20は、前処理手段22cにおいて生成された分析用データを推定モデルM1の入力として有効性データなどを求める推定処理手段22eを有している。よって、推定モデルM1により、精度のよい推定結果などを得ることができる。
【0126】
<変形例>
図20を参照して、本変形例のデータ提供システム100の構成及び動作について説明する。本変形例の提供処理部32における情報処理手段32aは、権利者ごとのコストカット想定額を求める想定額演算機能を有している。コストカット想定額とは、格付けスコアに基づく算出額であり、現存する権利の一部又は全部を放棄した場合に削減できる年金コストの推定額である。
【0127】
図20は、格付けスコアと重み係数とを対応づけたコストカットテーブルの例である。コストカットテーブルは、格付けスコアが上位から下位になるにつれて、重み係数が徐々に大きくなるよう構成されている。コストカットテーブルは、記憶部33等に記憶されるテーブル情報であり、格付けスコア及び重み係数は適宜変更することができる。記憶部33には、例えば法域ごとに異なるコストカットテーブルが記憶される。図20では、格付けスコアが、上位から順に「AAA」「AA」「A」「BBB」「BB」「B」「CCC」「CC」「C」という9段階で設定された例を示している。図20の重み係数は、あくまで例示である。すなわち、重み係数は、任意に設定し、調整することができる。
【0128】
情報処理手段32aは、1つの権利の残存期間に応じた年金額の総和に、該権利に付与された格付けスコアに対応する重み係数を乗じた額を、権利者の全ての権利について合算することにより、コストカット想定額を求める。情報処理手段32aは、権利に付与された格付けスコアをコストカットテーブルに照らすことにより、該格付けスコアに対応する重み係数を求める。情報処理手段32aは、求めたコストカット想定額と共に、そのコストカット想定額を削減するための情報を、提供用データベース部35内のデータベースに格納する。コストカット想定額を削減するための情報とは、放棄すべき権利の情報などである。
【0129】
ここで、コストカット想定額と、そのコストカット想定額を削減するための情報とを合わせたものを、コストカット情報という。ユーザが情報端末40を介してある権利者のコストカット情報を要求した場合、情報処理手段32aは、提供用データベース部35内のデータベースから、要求に係るコストカット情報を読み出してユーザに提供する。もっとも、情報処理手段32aは、コストカット情報を記憶部23に記憶させてもよい。
【0130】
また、情報処理手段32aは、所定の下位の1又は複数の格付けスコアをもとにコストカット想定額を求めてもよい。すなわち、情報処理手段32aは、ある権利者の権利のうち、例えば「C」又は「CC」もしくは「C」が付与された権利の残存期間に応じた年金額の総和を権利数分合算することでコストカット想定額を求めてもよい。情報処理手段32aは、権利の出願からの経過時間の情報を用いて、コストカット想定額の演算処理を行ってもよい。すなわち、情報処理手段32aは、例えば、出願から10年以上が経過した権利など、出願から所定期間が経過した権利につき、上記の各手法によりコストカット想定額を求めてもよい。
【0131】
情報処理手段32aは、ユーザによる指示に応じて、上記の各手法によりコストカット想定額を求めるようにしてもよい。すなわち、情報処理手段32aは、ユーザが情報端末40を介して、権利者と、格付けスコアのうちの少なくとも1つとを指定した場合に、上記の各手法によりコストカット想定額を求めてもよい。また、情報処理手段32aは、ユーザが情報端末40を介して、権利者と、格付けスコアのうちの少なくとも1つと、出願からの経過時間とを指定した場合に、上記の各手法によりコストカット想定額を求めてもよい。
【0132】
以上のように、本変形例の情報処理手段32aは、上記各手法のうちの少なくとも1つによってコストカット想定額を求め、情報端末40を介してコストカット情報をユーザに提供するようになっている。よって、ユーザは、何ら専門的な計算を行うことなく、コスト削減の方法及び削減額を迅速に知ることができるため、経済的で有用な知財管理を行うことができる。ところで、想定額演算機能は、例えば、分析処理部22の構築処理手段22fに持たせてもよい。この場合、構築処理手段22fは、求めたコストカット情報を、出力用データベース部25内のデータベースに格納するとよい。これにより、情報処理手段32aは、提供用データベース部35内のデータベースにコストカット情報を格納することができ、ユーザに対し、適宜コストカット情報を提供することができる。
【0133】
実施の形態2.
図21図25を参照して、本実施の形態2におけるデータ提供システム及びその周辺環境に係る構成例などにつき、特に前述した実施の形態1と異なる点について説明する。本実施の形態2のデータ提供システムは、商品の販売数に制限が設けられている点に特徴がある。前述した実施の形態1のデータ提供システムと同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略する。
【0134】
図21に示すように、データ提供装置130は、通信部31と、提供処理部132と、記憶部33と、提供用データベース部35と、を有している。記憶部33は、データ提供プログラムP20などの提供処理部132の動作プログラムの他、有効性データなどの提供に関連する種々のデータを記憶する。なお、データ提供プログラムP20は、データ提供装置130に搭載されたコンピュータを、後述する情報処理手段132a、判定処理手段132b、及び選定処理手段132cとして機能させるためのものである。
【0135】
提供処理部132は、情報処理手段132aと、判定処理手段132bと、選定処理手段132cと、を有している。判定処理手段132bは、提供済みの有効性データに係る権利について、その提供数が予め設定された制限数未満であるか否かを判定するものである。なお、制限数は、1以上の自然数に設定され、記憶部33等に記憶されている。有効性データは売買の対象商品にもなるため、以降では、提供数のことを「販売数」ともいう。選定処理手段132cは、有効性データの転売依頼に応じて登録ユーザの中から1又は複数の転売先を選定するものである。
【0136】
情報処理手段132aは、複数の産業財産権に関連する情報をもとに構築され、複数の産業財産権それぞれの有効性に係る有効性データを含むデータベースから、外部の要求に対応する有効性データを抽出して提供するものである。情報処理手段132aは、判定処理手段132bにおいて販売数が制限数以上であると判定された場合、該判定に係る産業財産権に対応する有効性データの提供が不可である旨の提供不可情報を情報端末40へ送信するものである。情報処理手段132aは、記憶部33において販売数の増減処理を実行することにより、販売数を管理する機能を有している。
【0137】
また、情報処理手段132aは、有効性データの転売の申し込みがあった場合に、該有効性データの販売先に係る情報端末40へ転売打診情報を送信する機能を有している。さらに、情報処理手段132aは、有効性データの販売先に係る情報端末40から該有効性データの転売依頼があった場合、選定処理手段132cにおいて選定された1又は複数の転売先に対応する情報端末40へ購入を打診する旨の販促情報を送信する機能を有している。情報処理手段132aの他の構成については、前述した実施の形態1の情報処理手段32aと同様である。
【0138】
次に、図22のフローチャートを参照して、本実施の形態2のデータ提供方法のうち、ユーザが商品の購入処理を行う際の動作例について説明する。ここでは、データ提供装置30の動作を中心に説明し、ユーザが初期画面G1等を経てデータ提供装置30のシステムにログインしていることを前提とする。
【0139】
判定処理手段132bは、情報端末40から商品の購入要求を受け付けると(ステップS301)、該商品の販売数が制限数未満であるか否かを判定する(ステップS302)。提供処理部32は、販売数が制限数以上であれば(ステップS302/No)、情報端末40に購入不可通知を送信する。これにより、情報端末40は、指定した商品の購入ができない旨の情報を、端末表示部47又は報知部を介してユーザに知らせる(ステップS303)。一方、提供処理部32は、該商品の販売数が制限数未満であれば(ステップS302/Yes)、情報端末40に購入可能通知を送信する(ステップS304)。
【0140】
提供処理部32は、許容時間が経過するまでの間、情報端末40からの購入依頼を待ち(ステップS305/No、ステップS306/No)、情報端末40から購入依頼が送信されると(ステップS305/Yes)、決済サーバ600に決済依頼を送信する(ステップS307)。一方、提供処理部32は、許容時間が経過するまでの間に情報端末40から購入依頼が送信されなかった場合(ステップS305/No、ステップS306/Yes)、情報端末40にエラー信号を送信する。これにより、情報端末40は、端末表示部47又は報知部を介してユーザにタイムアウトを知らせる(ステップS308)。
【0141】
提供処理部32は、待機時間が経過するまでの間、決済サーバ600からの決済通知を待ち(ステップS309/No、ステップS310/No)、決済サーバ600から決済通知が送信されると(ステップS309/Yes)、購入に係る商品を情報端末40に提供する(ステップS311)。そして、提供処理部32は、該商品の販売数をインクリメントする(ステップS312)。
【0142】
一方、提供処理部32は、待機時間が経過するまでの間に決済サーバ600から決済通知が送信されなかった場合(ステップS309/No、ステップS310/Yes)、情報端末40にエラー信号を送信する。これにより、情報端末40は、端末表示部47又は報知部を介してユーザにタイムアウトを知らせる(ステップS313)。
【0143】
次いで、図23のシーケンスチャートを参照して、本実施の形態2のデータ提供方法のうち、ユーザが商品の転売の申し込みを行う場合の動作例について説明する。図23において、情報端末40Aは、転売対象の商品を購入したユーザの使用する情報端末40であり、情報端末40Bは、転売対象の商品を購入していないユーザの使用する情報端末40であるものとする。ここでは、各情報端末40のユーザが、初期画面G1等を経てデータ提供装置30のシステムにログインしていることを前提とする。
【0144】
情報端末40Bの端末処理部42は、ユーザによる転売の申し込みを受け付けると(ステップS401)、転売申込情報をデータ提供装置30へ送信する(ステップS402)。選定処理手段132cは、転売申込情報をもとに、1又は複数の打診先を選定する(ステップS403)。そして、選定処理手段132cは、選定した打診先である情報端末40Aへ転売打診情報を送信する(ステップS404)。
【0145】
情報端末40Aの端末処理部42は、転売打診のアラートを端末表示部47に表示させ、又は報知部に報知させる(ステップS405)。端末処理部42は、ユーザの操作に応じて、転売の打診についての詳細な情報を端末表示部47に表示させる(ステップS406)。端末処理部42は、ユーザによる転売打診を受諾する指示を受け付けると(ステップS407)、受諾情報をデータ提供装置30へ送信する(ステップS408)。
【0146】
情報処理手段132aは、受諾情報を受信すると、転売確認情報を情報端末40Bへ送信する(ステップS409)。情報端末40Bの端末処理部42は、ユーザによる購入の指示を受け付けると(ステップS410)、データ提供装置30に購入依頼を送信する(ステップS411)。情報処理手段132aは、図18のステップS119~S124と同様に決済処理を実行する(ステップS412)。そして、データ提供装置30は、ユーザの購入に係る商品を情報端末40へ提供する(ステップS413)。
【0147】
続いて、図24のシーケンスチャートを参照して、本実施の形態2のデータ提供方法のうち、ユーザが商品の転売の依頼を行う場合の動作例について説明する。図24の情報端末40A及び情報端末40Bの想定は、図23の場合と同様である。そして、各情報端末40のユーザが、初期画面G1等を経てデータ提供装置30のシステムにログインしていることを前提とする。
【0148】
情報端末40Aの端末処理部42は、ユーザによる転売依頼の指示を受け付けると(ステップS501)、データ提供装置30に転売依頼情報を送信する(ステップS502)。選定処理手段132cは、転売依頼情報に応じて、登録ユーザの中から1又は複数の転売先を選定する(ステップS503)。情報処理手段132aは、選定処理手段132cにおいて選定された1又は複数の転売先に対応する情報端末40Bへ販促情報を送信する(ステップS504)。
【0149】
情報端末40Bの端末処理部42は、販促のためのアラートを端末表示部47に表示させ、又は報知部に報知させる(ステップS505)。端末処理部42は、ユーザの操作に応じて、転売依頼についての詳細な情報を端末表示部47に表示させる(ステップS506)。端末処理部42は、ユーザによる購入の指示を受け付けると(ステップS507)、購入希望信号をデータ提供装置30へ送信し(ステップS508)、情報処理手段132aは、転売可能通知を情報端末40Aへ送信する(ステップS509)。
【0150】
情報端末40Aの端末処理部42は、ユーザによる転売の指示を受け付けると(ステップS510)、転売実施依頼をデータ提供装置30へ送信し(ステップS511)、選定処理手段132cは、転売確認情報を情報端末40Bへ送信する(ステップS512)。情報端末40Bの端末処理部42は、ユーザによる購入の指示を受け付けると(ステップS513)、データ提供装置30に購入依頼を送信する(ステップS514)。情報処理手段132aは、図18のステップS119~S124と同様に決済処理を実行する(ステップS515)。そして、データ提供装置30は、ユーザの購入に係る商品を情報端末40へ提供する(ステップS516)。他の動作については、実施の形態1の場合と同様である。
【0151】
ところで、図22では、判定処理手段132bが、情報端末40からの商品の購入要求を受け付けたときに販売数が制限数未満であるか否かを判定する例を示したが、これに限定されない。商品の販売数は、該商品が購入されたタイミングで情報処理手段132aによりインクリメントされる。その際、判定処理手段132bは、該商品の販売数が制限数未満であるか否かを判定するとよい。そして、情報処理手段132aは、判定処理手段132bにおいて販売数が制限数以上であると判定された場合、該判定に係る権利に対応する商品の提供が不可である旨の提供不可情報を情報端末40に提供するとよい。あるいは、情報処理手段132aは、商品の購入に係る画面(ユーザ画面G2、基本画面G3、詳細画面G4、一覧画面G5など)の情報に、特定の商品の販売が不可である旨の情報を含めてもよい。
【0152】
このようにすれば、情報端末40の端末処理部42は、例えば図25のように、一部の商品の提供が不可である旨の情報を端末表示部47において示すことができる。なお、図25では、商品の購入が不可である旨の情報として、棒グラフの態様を変える手法を例示したが(図25の7月~9月参照)、これに限定されず、商品の購入が不可である旨は、文字又はアイコン等によって示してもよい。そして、端末処理部42は、端末表示部47の表示画面上に、商品の購入が不可である旨の情報と共に、例えば商品の転売を申し込むためのオファーボタンWを表示させてもよい。
【0153】
以上のように、本実施の形態2のデータ提供装置130は、外部の要求に対応する有効性データを予め構築されたデータベースから抽出するようになっている。よって、データ提供装置130は、データの要求を受けた際に、権利の有効性を評価するための処理を行う必要がないため、処理部やメモリの無駄な使用を抑制し、産業財産権の有効性に関する情報を迅速に提供することができる。
【0154】
また、提供処理部132は、有効性データを提供した権利について、その提供数(販売数)が制限数未満であるか否かを判定する判定処理手段132bを有している。そして、情報処理手段132aは、判定処理手段132bにおいて提供数が制限数以上であると判定された場合に情報端末40へ提供不可情報を送信する。よって、情報端末40は、端末表示部47(図25参照)又は報知部などにより、特定の商品の購入ができないことを未然にユーザへ伝えることができる。
【0155】
判定処理手段132bは、情報端末40において権利が指定された場合、該権利に対応する有効性データの提供数が制限数未満であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、情報処理手段132aは、判定処理手段132bにおいて提供数が制限数以上であると判定された場合、該判定に係る権利に対応する有効性データの提供が不可である旨の提供不可情報を情報端末40へ送信するとよい。このようにしても、情報端末40は、端末表示部47又は報知部などにより、指定に係る商品の購入ができないことをユーザに伝えることができる。
【0156】
ところで、有効性データなどの産業財産権に関する商品は、時間の経過に伴い、既に使用目的を果たした等の理由で、購入したユーザにとって必要性が低くなっている場合もある。この点、情報処理手段132aは、有効性データの転売の申し込みがあった場合に、該有効性データの販売先に係る情報端末40へ転売打診情報を送信する機能を有している。したがって、商品を持て余しているユーザなどに対し、転売を働きかけることにより、情報資源の有効活用を図ることができる。ここで、選定処理手段132cは、商品の販売先が複数存在する場合、全ての販売先を転売打診情報の送信先として選んでもよく、商品の所有期間や行動履歴などをもとに転売打診情報の送信先を選定してもよい。
【0157】
また、選定処理手段132cは、有効性データの転売依頼に応じて登録ユーザの中から1又は複数の転売先を選定する機能を有している。そして、情報処理手段132aは、有効性データの販売先に係る情報端末40から該有効性データの転売依頼があった場合、選定処理手段132cにおいて選定された1又は複数の転売先に対応する情報端末40へ購入を打診する旨の販促情報を送信する。よって、転売元のユーザと転売先のユーザの双方のニーズに応えることができ、情報資源の有効活用を図ることができる。本実施の形態2では、有効性データの転売処理を中心に説明したが、これに限らず、データ提供装置130は、産業財産権に関する他の商品の転売処理も、上記同様に行うとこができる。他の効果及び代替構成等については、実施の形態1と同様である。また、上述した変形例の各構成は、本実施の形態2のデータ提供システム100にも適用することができる。
【0158】
上述した各実施の形態は、データ提供装置、データ管理システム、データ提供システム、データ提供プログラム、データ分析プログラム、データ提供プログラム又はデータ分析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、データ提供方法、及びデータ管理方法における具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、図2では、データ提供システム100が、データ分析装置20と、データ提供装置30と、1又は複数の情報端末40とにより構成された例を示したが、これに限定されない。データ提供システム100は、データ提供装置30と、1又は複数の情報端末40とにより構成し、データ分析装置20を含めなくてもよい。また、図2では、データ管理システム10が2つのサーバにより構成された例を示したが、これに限定されない。データ管理システム10は、データ分析装置20の構成及び機能とデータ提供装置30の構成及び機能とを併せ持つ1つのサーバにより構成してもよい。この場合、データ管理システム10は、出力用データベース部25及び提供用データベース部35のうちの何れかを設けずに構成してもよい。
【0159】
さらに、分析処理部22は、翻訳処理手段22bを設けずに構成してもよい。ただし、翻訳処理手段22bにより、コアデータの言語の統一を図った上で、学習フェーズ及び推定フェーズを実行した方が、高精度で多様性のあるデータ管理システム10を構築するすることができる。また、分析処理部22は、前処理手段22cを設けずに構成してもよい。ただし、前処理手段22cを設けた方が、機械学習の精度を高めることができ、信頼性の高い商品を提供することができる。上記各実施の形態では、格付けスコアが7段階又は9段階に設定された例を示したが、これに限らず、格付けスコアは、任意の数の段階設定を採ることができる。
【0160】
上記では、端末表示部47の表示画面につき、図4図17図25を例示して説明したが、各表示画面の態様は、上記各図の態様に限定されず、表示画面の各パーツは適宜取捨選択することができる。加えて、各表示画面は、手入力する入力欄の代わりに、ドロップダウン式のUIを採用してもよく、ドロップダウン式のUIの代わりに、ドラムロール式のUI等を採用してもよい。また、データ提供システム100は、課金したユーザと課金していないユーザとの間に、提供する情報量の差を設けるように構成してもよい。なお、何れの情報を課金対象とするかは、任意に設定し、変更することができる。
【符号の説明】
【0161】
10 データ管理システム、20 データ分析装置、21 通信部、22 分析処理部、22E 推定処理手段、22a 収集処理手段、22b 翻訳処理手段、22c 前処理手段、22d 学習処理手段、22e 推定処理手段、22f 構築処理手段、23 記憶部、24 収集用データベース部、25 出力用データベース部、30、130 データ提供装置、31 通信部、32、132 提供処理部、32a、132a 情報処理手段、33 記憶部、35 提供用データベース部、40、40A、40B 情報端末、41 端末通信部、42 端末処理部、43 端末記憶部、46 端末入力部、47 端末表示部、47a 検索部、100 データ提供システム、132b 判定処理手段、132c 選定処理手段、500 情報提供サーバ群、600 決済サーバ、A 検索部、A1 入力欄、A2 検索ボタン、B ランキング指示部、B1 格付けボタン、B2 ESGボタン、C ダッシュボード部、D1 第1格付け部、D2 第2格付け部、E1 指定ボタン、E2 確認ボタン、E3 購入ボタン、G1 初期画面、G2 ユーザ画面、G3 基本画面、G4 詳細画面、G5 一覧画面、G6 権利者画面、G7 権利画面、G8 ESG全般画面、G9 ESG個別画面、G10 発明者画面、Gx 購入画面、H 決済方法部、J1 お知らせ欄、J2 固有情報部、K1 第1データ、K2 第2データ、K3 一覧表示部、K4 期間指定欄、L ログインボタン、L1 個別評価部、L2 ソート指示部、L3 公報ボタン、L4 一覧部、L5 資料部、L6 経過情報部、L7 発明者情報部、La 格付け優先キー、Lb ESG優先キー、Lc 年金優先キー、Lo 総合評価部、M1 推定モデル、N ネットワーク、P 内容欄、P1 データ分析プログラム、P2、P20 データ提供プログラム、Q 金額欄、Q1 公報部、Q2 詳細一覧部、Q3 選択部、Qa、Za、Zd、Zk 表示欄、Qb、Zb、Ze、Zm 展開ボタン、Qc、Zc、Zf、Zn リスト部、Qx スコア部、Qy 文献リスト部、Qz 関連度表示部、R1 比較データ、R2 ランキング部、R3 詳細分析欄、S1 選択ボックス、S2 権利番号欄、S3 備考欄、T 期間表示部、U ユーザ名表示部、V1 一覧表示部、V2 評価部、W オファーボタン、X 登録ボタン、Y ログアウトボタン、Z1 呼出部、Z2 スコア指定部、Z3 順序指定部、Zo 件数部。

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