(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006516
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】小割用工具および小割方法
(51)【国際特許分類】
E21C 27/12 20060101AFI20240110BHJP
B25D 17/02 20060101ALI20240110BHJP
E02F 3/40 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
E21C27/12
B25D17/02
E02F3/40 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107498
(22)【出願日】2022-07-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】399048869
【氏名又は名称】株式会社神島組
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】神島 昭男
(72)【発明者】
【氏名】神島 充子
【テーマコード(参考)】
2D012
2D058
2D065
【Fターム(参考)】
2D012DA01
2D012DB01
2D058AA12
2D058BA13
2D058BB21
2D058CA03
2D058CB03
2D065AA03
2D065DA17
(57)【要約】
【課題】大割破砕物を効率的に小割することができる小割用工具の長寿命化および小割作業の低ラニングコスト化を図る。
【解決手段】この発明では、中央破砕部材の第1先端部が、台座の中央貫通孔に対して上方から圧入されて台座の下面から下方に突設されて破砕部として機能する。周辺破砕部材の第2後端部が圧入取付部位に圧入されることで第2先端部が台座の下面から下方に突設されて破砕部として機能する。中央破砕部材は、中央貫通孔への第1先端部の圧入によって発生する中央貫通孔と第1先端部との焼付きによって台座に固着され、周辺破砕部材は、圧入取付部位への第2後端部の圧入によって発生する圧入取付部位と第2後端部との焼付きによって台座に固着される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大割破砕物を小割する小割用工具であって、
前記大割破砕物を上方から覆いながら近接可能に設けられる台座と、
上下方向に延設された軸体構造を有し、前記台座の中央に貫通して設けられた中央貫通孔に対して上方から圧入されることで前記台座の下面から下方に突設されて破砕部として機能する第1先端部と、外部から打撃力を受ける第1後端部と、前記第1後端部で受けた打撃力を前記台座および前記第1先端部に伝達する中央部と、を有する中央破砕部材と、
前記中央貫通孔の周辺において前記台座に貫通して設けられる周辺貫通孔または前記台座の下面から上方に窪んだ凹部で構成される、圧入取付部位に圧入される第2後端部と、前記第2後端部が前記圧入取付部位に圧入されることで前記台座の下面から下方に突設されて破砕部として機能する第2先端部と、を有する周辺破砕部材と、を備え、
前記中央破砕部材は、前記中央貫通孔への前記第1先端部の圧入によって発生する前記中央貫通孔と前記第1先端部との焼付きによって前記台座に固着され、
前記周辺破砕部材は、前記圧入取付部位への前記第2後端部の圧入によって発生する前記圧入取付部位と前記第2後端部との焼付きによって前記台座に固着される、
ことを特徴とする小割用工具。
【請求項2】
請求項1に記載の小割用工具であって、
前記第1先端部は、下方に進むのに伴って外径が小さくなる先細り形状を有し、
前記中央貫通孔は、前記第1先端部の先細り形状に対応して、下方に進むのに伴って内径が小さくなるように仕上げられ、
前記第2後端部は、上方に進むのに伴って外径が小さくなる先細り形状を有し、
前記圧入取付部位は、前記第2後端部の先細り形状に対応して、上方に進むのに伴って内径が小さくなるように仕上げられている、小割用工具。
【請求項3】
請求項2に記載の小割用工具であって、
前記第1先端部の先細り形状に対応して、下方に進むのに伴って内径が小さくなるように仕上げられた補助貫通孔を有し、前記台座の上面に設けられる補助部材をさらに備え、
前記中央破砕部材は、前記補助貫通孔への前記第1先端部の圧入によって発生する前記補助貫通孔と前記第1先端部との焼付きによって前記補助部材を介して前記台座にさらに固着される、小割用工具。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の小割用工具を用いて大割破砕物を小割する小割方法であって、
前記大割破砕物の上方に前記小割用工具を配置する工程と、
前記中央破砕部材の前記第1後端部に対して下方に向けた外力を付与することで、互いに異なる位置で複数の前記破砕部の先端部により前記大割破砕物を打撃して破砕する工程と、を備えることを特徴とする小割方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕した際に生じる比較的大きな破片(以下「大割破砕物」という)を小割するための小割用工具および当該工具を用いた小割方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば岩盤破砕を伴う現場では、発破や本願発明者が開発した楔式岩盤破砕機によって岩盤を破砕するが、破砕粒度はある程度の分布を持ち、大割破砕物はそのままでは大き過ぎ、搬出作業に支障を来す。このため、岩盤破砕後に、大割破砕物を更に小さく破砕する、いわゆる小割作業が行われることがある。この小割作業を効率的に行うために、特許文献1に記載の小割用工具および小割方法が提案されている。
【0003】
この小割用工具は、先細り形状の破砕部を台座の下面から突設させたものである。そして、大割破砕物の上方から台座を大割破砕物に近接することで、台座の近接方向と直交する仮想面内において、複数の破砕部の先端部が互いに異なる位置で大割破砕物を打撃することで、小割作業が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記小割用工具では、小割作業中に破砕部に対して多大な荷重と振動が加わる。そのため、特許文献1に記載されているように、破砕部を溶接によって台座に連結した構造を有する小割用工具により比較的低硬度の大割破砕物を小割するケースについては特段の問題は発生しないが、大割破砕物の硬度が上昇するのに伴い、溶接個所の破損により破砕部が台座から外れる可能性が高くなり、小割用工具の寿命を縮めるという問題がある。また、小割用工具の短寿命化は小割作業のラニングコストの増大を招く。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、大割破砕物を効率的に小割することができる小割用工具の長寿命化および小割作業の低ラニングコスト化を図ることができる、小割用工具および当該工具を用いた小割方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様は、大割破砕物を小割する小割用工具であって、大割破砕物を上方から覆いながら近接可能に設けられる台座と、上下方向に延設された軸体構造を有し、台座の中央に貫通して設けられた中央貫通孔に対して上方から圧入されることで台座の下面から下方に突設されて破砕部として機能する第1先端部と、外部から打撃力を受ける第1後端部と、第1後端部で受けた打撃力を台座および第1先端部に伝達する中央部と、を有する中央破砕部材と、中央貫通孔の周辺において台座に貫通して設けられる周辺貫通孔または台座の下面から上方に窪んだ凹部で構成される、圧入取付部位に圧入される第2後端部と、第2後端部が圧入取付部位に圧入されることで台座の下面から下方に突設されて破砕部として機能する第2先端部と、を有する周辺破砕部材と、を備え、中央破砕部材は、中央貫通孔への第1先端部の圧入によって発生する中央貫通孔と第1先端部との焼付きによって台座に固着され、周辺破砕部材は、圧入取付部位への第2後端部の圧入によって発生する圧入取付部位と第2後端部との焼付きによって台座に固着される、ことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の第2態様は、小割用工具を用いて大割破砕物を小割する小割方法であって、大割破砕物の上方に小割用工具を配置する工程と、中央破砕部材の第1後端部に対して下方に向けた外力を付与することで、互いに異なる位置で複数の破砕部の先端部により大割破砕物を打撃して破砕する工程と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、小割用工具の寿命を伸ばすとともに、小割作業の低ラニングコスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る小割用工具および当該工具を用いた小割方法の第1実施形態を示す図である。
【
図3】本発明に係る小割用工具の第2実施形態を示す図である。
【
図4】本発明に係る小割用工具の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明に係る小割用工具および当該工具を用いた小割方法の第1実施形態を示す図である。また、
図2は小割用工具を示す図であり、同図(a)が小割用工具を下方から見た図であり、同図(b)が同図(a)のB-B線矢視断面図であり、同図(c)が同図(a)のC-C線矢視断面図である。なお、これらの図面および後で説明する図面においては、理解容易の目的で、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
【0012】
この小割用工具1は、
図1に示すように、岩盤破砕を伴う現場において使用されるバックホウ等の建設車両100に取り付けられ、岩盤を破砕した際に発生する大割破砕物200を更に小さく破砕するための工具である。より詳しくは、建設車両100のアーム101にブラケット102を介して油圧ブレーカー103が取り付けられている。この油圧ブレーカー103はブレーカー本体(図示省略)を備えている。また、このブレーカー本体は、中央部にシリンダーを有している。そして、不図示の油圧供給源から切換弁を介してシリンダーへ圧油を供給することにより、シリンダー内に摺嵌されるピストンが軸方向に前後進可能になっている。
【0013】
ブレーカー本体の先端部(
図1の下方側端部)に、小割用工具1が装着される。この小割用工具1は、
図1および
図2に示すように、略平板状の台座2を有している。台座2の下面23は、地面に置かれた大割破砕物200や積み上げられた大割破砕物200の全体あるいは一部を上方から覆うことが可能な平面サイズを有している。そして、この台座2では、その中央部に中央貫通孔21が設けられるとともに、中央貫通孔21を取り囲むように4個の周辺貫通孔22が本発明の「圧入取付部位」の一例として設けられている。なお、
図1においては、4つの周辺貫通孔22のうち正面側の2個のみが図示され、逆に
図2(c)においては背面側の2個のみが図示されている。
【0014】
中央貫通孔21に対し、中央破砕部材3が装着されている。中央破砕部材3は、上下方向に延びる軸体構造を有しており、中央貫通孔21に圧入自在な第1先端部31と、油圧ブレーカー103に装着されてピストンからの打撃力を受ける第1後端部32と、第1後端部32で受けた打撃力を台座2および第1先端部31に伝達する中央部33と、第1先端部31の先端に取り付けられた超硬芯34と、を有している。本実施形態では、第1先端部31は、下方に進むのに伴って外径が小さくなる先細り形状を有している。一方、中央貫通孔21は、第1先端部31の先細り形状に対応して、下方に進むのに伴って内径が小さくなるように仕上げられている。そして、第1先端部31が、その外側面を中央貫通孔21の内壁面に沿って中央貫通孔21を貫通して下方に圧入される。そして、第1先端部31のうち台座2の下面23から下方に突設された部位が特許文献1に記載の発明と同様に破砕部として機能する。
【0015】
また、本実施形態では、大割破砕物200の打撃に伴う中央破砕部材3の摩耗を考慮し、超硬芯34が、その下端部が第1先端部31から下方に突出するように、第1先端部31に取り付けられている。すなわち、常温において第1先端部31に設けられた凹部311の内径が超硬芯34の外径よりも若干小さくなるように、凹部311が加工されている。この第1先端部31を高温に加熱して凹部311の内径を予め超硬芯34の外径よりも若干広げておく。そして、超硬芯34の上端部が第1先端部31の凹部311に挿入された後、第1先端部31の温度を常温まで低下させる。これによって、第1先端部31に対して超硬芯34が強固に固定される。この超硬芯34は、第1先端部31よりも高い硬度を有している。このため、超硬芯34を設けていない場合に比べ、第1先端部31の耐摩耗性が向上し、工具の長寿命化が可能となる。
【0016】
また、各周辺貫通孔22には、周辺破砕部材4が装着されている。周辺破砕部材4は、周辺貫通孔(圧入取付部位)22に圧入される第2後端部42と、第2後端部42が周辺貫通孔22に圧入されることで台座2の下面23から下方に突設されて破砕部として機能する第2先端部41と、第2先端部41に取り付けられた超硬芯44と、を有している。本実施形態では、
図1に示すように、第2後端部42は、上方に進むのに伴って外径が小さくなる先細り形状を有している。一方、周辺貫通孔22は第2後端部42の先細り形状に対応して、上方に進むのに伴って内径が小さくなるように仕上げられている、そして、第2後端部42が、その外側面を周辺貫通孔22の内壁面に沿って周辺貫通孔22に圧入される。また、中央破砕部材3と同様に、周辺破砕部材4の凹部411に対しても超硬芯44が設けられることで、上記理由により、第2先端部41の耐摩耗性が向上し、工具の長寿命化が可能となる。
【0017】
なお、本実施形態では、第2後端部42の圧入進行が周辺貫通孔22の途中で止まるように構成しているが、もちろん周辺貫通孔22の全部に第2後端部42が圧入される、あるいは第2後端部42の上端が貫通して台座2の下面23から突出するように構成してもよい。ただし、第2先端部41が第1先端部31とほぼ同一高さに位置させるのが望ましく、これによって第2先端部41は、第1先端部31と同様に、特許文献1に記載の発明と同様に、破砕部として機能する。
【0018】
このように本実施形態では、5本の破砕部(=1つの第1先端部31+4つの第2先端部41)が、
図2(a)に示すように、台座2を下方から見た平面視で、マトリックス状に配置されている、つまり台座2の下面23内で二次元的に分散配置されている。したがって、特許文献1と同様に、上記のように構成された小割用工具1を大割破砕物200の上方から下降させると、5本の破砕部のうち複数の破砕部が大割破砕物200に当接し、大割破砕物200の破砕に寄与する。なお、破砕の進行形態については、特許文献1と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0019】
ここで、本実施形態と特許文献1に記載の装置とを外観および機能動作を比較すると、実質的に近似しているが、台座2に固定するための構造および固着力は大きく相違している。すなわち、特許文献1では溶接により破砕部を台座2に固着しているのに対し、本実施形態では圧入する(適宜、振動を追加する)ことで焼付きを発生させて固着している。より詳しくは、中央破砕部材3は、中央貫通孔21への第1先端部31の圧入(+振動)によって発生する中央貫通孔21と第1先端部31との焼付きによって台座2に固着される。また、周辺破砕部材4は、周辺貫通孔22(圧入取付部位)への第2後端部42の圧入(+振動)によって発生する周辺貫通孔22の内壁面と第2後端部42との焼付きによって台座2に固着される。例えば中央貫通孔21に第1先端部31を挿入するとともに周辺貫通孔22に第2後端部42を挿入した小割用工具1を鋼板などの硬質構造体上にセットし、超硬芯34、44を鋼板の上面に当接させた状態でブレーカー103などにより打撃力を中央破砕部材3の第1後端部32に与えることで上記圧入および振動を小割用工具1に加え、これによって、中央貫通孔21と第1先端部31との焼付きおよび周辺貫通孔22の内壁面と第2後端部42との焼付きを発生させてもよい。また、別の方法により、上記焼付きを発生させ、台座2に対して中央破砕部材3および周辺破砕部材4を固着させてもよい。
【0020】
このように、本実施形態では、機械構造物を設計する上で回避すべきとされていた「焼付き」を利用することで、中央破砕部材3および周辺破砕部材4の台座2への固着力を特許文献1に記載の発明よりも高めている。したがって、小割用工具1の寿命を伸ばし、小割作業のラニングコスト低下を図ることができる。
【0021】
図3は本発明に係る小割用工具の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、リング状の補助部材5を追加した点であり、その他の基本的構成は同一である。したがって、以下においては、相違点を中心に説明し、同一構成に同一符号を付すことで構成説明を省略する。
【0022】
第2実施形態では、台座2の上面に補助部材5が設けられている。この補助部材5は、周辺貫通孔22と干渉しない程度の外径寸法を有する円柱部材の中心部に中央貫通孔21に繋がる補助貫通孔51を設けたものである。この補助貫通孔51は、第1先端部31の先細り形状に対応して、下方に進むのに伴って内径が小さくなるように仕上げられており、下方側の内径が中央貫通孔21の上方側の内径と一致している。そして、第1先端部31を補助部材5の補助貫通孔51および台座2の中央貫通孔21の順で圧入することで、第1先端部31と、補助部材5および台座2との間で焼付きを発生させている。このため、第1先端部31の固着力を高めることができる。また、第1実施形態と同一の固着力を確保しながら、
図3に示すように、台座2の厚みを抑制することも可能である。
【0023】
このように構成された第2実施形態においても、焼付き現象を利用して固着力を高めているため、小割用工具の長寿命化および小割作業の低ラニングコスト化を図ることができる。
【0024】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、5個の破砕部(=第1先端部31+4つの第2先端部41)を、台座2を下方から見た平面視で、マトリックス状および第1先端部31を中心として対称に二次元的に分散配置しているが、配置態様はこれに限定されるものではなく、ランダムに二次元的に分散配置してもよい。
【0025】
また、上記実施形態では、第2後端部42の圧入先は周辺貫通孔22であるが、これらの代わりに、
図4に示すように、台座2の下面23から上方に窪んだ凹部24を本発明の「圧入取付部位」の一例として台座2に設け、これに周辺破砕部材4の第2後端部42を圧入することで焼付きを発生させ、周辺破砕部材4を台座2に固着するように構成してもよい。
【0026】
また、破砕部の個数は「5」に限定されるものではなく、第1先端部31と、1~3または5以上の第2先端部41とを設けることで、2~4個または6個以上の破砕部を形成してもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、第1先端部31および第2先端部41を円錐形状に仕上げているが、第1先端部31および第2先端部41の形状はこれに限定されるものでなく、下方に向かって先細りした形状が好ましく、特許文献1と同様に、例えば四角錐形状に仕上げてもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、台座2の下面23を略水平面に仕上げているが、下面形状はこれに限定されるものではなく、例えば下方に向けて凹状に湾曲した湾曲面であってもよい。また、これに応じて周辺の第2先端部41が第1先端部31の先端延長先を向くように配置してもよい。
【0029】
さらに、上記実施形態では、岩盤掘削現場で発生した大割破砕物200を破砕対象としているが、その他の現場、例えば道路解体現場や建造物解体現場などで発生する大割破砕物を破砕する際にも、本発明に係る小割用工具を使用することで小割作業を効率的に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明は、岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕した際に生じる大割破砕物を小割するための小割技術全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…小割用工具
2…台座
3…中央破砕部材
4…周辺破砕部材
5…補助部材
21…中央貫通孔
22…周辺貫通孔
23…(台座の)下面
24…凹部
31…(中央破砕部材の)第1先端部
32…(中央破砕部材の)第1後端部
33…中央部
41…(周辺破砕部材の)第2先端部
42…(周辺破砕部材の)第2後端部
51…補助貫通孔
200…大割破砕物