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特開2024-6517型締装置および射出成形機、ならびに型締方法
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  • 特開-型締装置および射出成形機、ならびに型締方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006517
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】型締装置および射出成形機、ならびに型締方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240110BHJP
   B29C 45/66 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107501
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】三谷 聡麻
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM33
4F202AP01
4F202AR01
4F202CA11
4F202CL01
4F202CL22
4F202CL39
4F202CL44
4F206AM33
4F206AP027
4F206AR01
4F206JA07
4F206JL02
4F206JM04
4F206JN33
4F206JP12
4F206JQ83
4F206JT05
4F206JT33
4F206JT38
(57)【要約】
【課題】過剰な型締力による劣化を防止する型締装置を提供する。
【解決手段】2個の型盤(13、14)と、型盤(13、14)同士を接続するボールねじ機構(18)と、ボールねじ機構(18)を駆動するサーボモータ(22)と、制御装置(5)と、を備えた型締装置(2)を対象とする。ボールねじ機構(18)には該ボールねじ機構(18)に作用する軸力を検出する軸力検出手段(24)を設ける。制御装置(5)は、射出時に軸力検出手段(24)により軸力の増加を検出したら、サーボモータ(22)を駆動してボールねじ機構(18)の軸力を増加させる軸力増加制御を実施するように構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の型盤と、
前記型盤同士を接続するボールねじ機構と、
前記ボールねじ機構に設けられて前記ボールねじ機構を駆動するサーボモータと、
制御装置と、を備え、
前記ボールねじ機構には該ボールねじ機構に作用する軸力を検出する軸力検出手段が設けられ、
前記制御装置は、射出時に前記軸力検出手段から検出される軸力を監視して軸力の増加である軸力増加を検出したら、前記サーボモータを駆動して前記ボールねじ機構の軸力を増加させる軸力増加制御を実施するようになっている、型締装置。
【請求項2】
前記型盤同士を接続している前記ボールねじ機構は複数本設けられ、前記ボールねじ機構のそれぞれに複数個の前記サーボモータが設けられ、前記軸力検出手段は複数本の前記ボールねじ機構のそれぞれに設けられ、前記軸力増加制御は複数本の前記ボールねじ機構毎に独立して実施され、射出時に前記軸力増加が検出された前記ボールねじ機構に対し、対応する前記サーボモータを駆動するようになっている、請求項1に記載の型締装置。
【請求項3】
前記軸力増加制御において駆動する前記サーボモータの回転量は、前記軸力検出手段によって検出される軸力の増加量と、前記2個の型盤同士の距離である前記ボールねじ機構のボールねじの有効長と、係数とを乗じた量とする、請求項1または2に記載の型締装置。
【請求項4】
前記制御装置には複数本の前記ボールねじ機構に発生する軸力の合計である型締力設定値が設定され、前記型締力設定値は、射出時の射出圧力と、前記型締装置に設けられている金型内のキャビティの投影面積である受圧面積と、の積より小さい値が設定されるようになっている、請求項1または2に記載の型締装置。
【請求項5】
前記軸力増加の検出は、軸力が前記制御装置に設定されている閾値を超えて増加したか否かで判定する、請求項1または2に記載の型締装置。
【請求項6】
金型を型締めする型締装置と、
射出材料を射出する射出装置と、
制御装置と、から構成され、
前記型締装置は、2個の型盤と、
前記型盤同士を接続するボールねじ機構と、
前記ボールねじ機構に設けられて前記ボールねじ機構を駆動するサーボモータと、
制御装置と、を備え、
前記ボールねじ機構には該ボールねじ機構に作用する軸力を検出する軸力検出手段が設けられ、
前記制御装置は、射出時に前記軸力検出手段から検出される軸力を監視して軸力の増加である軸力増加を検出したら、前記サーボモータを駆動して前記ボールねじ機構の軸力を増加させる軸力増加制御を実施するようになっている、射出成形機。
【請求項7】
前記型盤同士を接続している前記ボールねじ機構は複数本設けられ、前記ボールねじ機構のそれぞれに複数個の前記サーボモータが設けられ、前記軸力検出手段は複数本の前記ボールねじ機構のそれぞれに設けられ、前記軸力増加制御は複数本の前記ボールねじ機構毎に独立して実施され、射出時に前記軸力増加が検出された前記ボールねじ機構に対し、対応する前記サーボモータを駆動するようになっている、請求項6に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記軸力増加制御において駆動する前記サーボモータの回転量は、前記軸力検出手段によって検出される軸力の増加量と、前記2個の型盤同士の距離である前記ボールねじ機構のボールねじの有効長と、係数とを乗じた量とする、請求項6または7に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記制御装置には複数本の前記ボールねじ機構に発生する軸力の合計である型締力設定値が設定され、前記型締力設定値は、射出時の射出圧力と、前記型締装置に設けられている金型内のキャビティの投影面積である受圧面積と、の積より小さい値が設定されるようになっている、請求項6または7に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記軸力増加の検出は、軸力が前記制御装置に設定されている閾値を超えて増加したか否かで判定する、請求項6または7に記載の射出成形機。
【請求項11】
2個の型盤と、
前記型盤同士を接続するボールねじ機構と、
前記ボールねじ機構に設けられて前記ボールねじ機構を駆動するサーボモータと、を備えた型締装置において実施する型締方法であって、
前記ボールねじ機構に該ボールねじ機構に作用する軸力を検出する軸力検出手段を設け、
前記型締方法は、前記型締装置に設けられている金型を型締めして型締力を発生させる初期型締ステップと、
射出時に前記軸力検出手段からの軸力の変化を監視する軸力監視ステップと、
前記軸力監視ステップにおいて軸力の増加である軸力増加を検出したら前記サーボモータを駆動して前記ボールねじ機構の軸力を増加させる軸力増加ステップと、を備えている型締方法。
【請求項12】
前記型締装置において、前記型盤同士を接続する前記ボールねじ機構は複数本が設けられ、前記ボールねじ機構のそれぞれに複数個の前記サーボモータが設けられ、前記軸力検出手段は複数本の前記ボールねじ機構のそれぞれに設けられており、
前記軸力監視ステップは複数本の前記ボールねじ機構毎に実施され、前記軸力増加ステップは射出時に軸力の増加が検出された前記ボールねじ機構に対し、対応する前記サーボモータを駆動するようにする、請求項11に記載の型締方法。
【請求項13】
前記軸力監視ステップにおいて、前記軸力増加の検出は軸力が所定の閾値を超えて増加したか否かで判定する、請求項11または12に記載の型締方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個の型盤とこれら型盤を連結するボールねじ機構とを備えた型締装置、および射出成形機、並びに型締装置における型締方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形機もしくはプレス機には、金型を型締めする型締装置が設けられている。型締装置には色々な種類があるが、特許文献1には型盤が2個からなる型締装置が記載されている。つまり型締装置は固定盤と可動盤とを備えている。そして固定盤と可動盤は、4本のタイバーによって連結されている。4本のタイバーのそれぞれにはねじ部が形成され、可動盤にはこれらのねじ部と噛み合うハーフナットが設けられている。したがって、開閉機構により可動盤をスライドして、固定盤と可動盤に設けられている金型を型閉じする。ハーフナットを駆動するとタイバーとハーフナットが噛み合う。つまり可動盤がタイバーに対して固定される。ところで固定盤内には油圧型締機構が設けられタイバーに接続されている。油圧型締機構に圧油を供給すると、固定盤に対してタイバーがわずかにスライドされ、これによって型締力が発生する。つまり型締めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-289860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
型締装置において金型を型締めし、そして射出材料を金型に射出すると成形品が得られるが、型締力が十分でないと射出圧力によって金型が開いて成形不良が発生してしまう。したがって、十分な型締力を発生させるようして射出圧力によって金型が開くことを防止するようにしている。しかしながら型締力が過剰に大きいと型締装置を劣化させるという問題がある。
【0005】
本開示において、過剰な型締力による劣化を防止する型締装置を提供する。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、2個の型盤と、型盤同士を接続するボールねじ機構と、ボールねじ機構に設けられてボールねじ機構を駆動するサーボモータと、制御装置と、を備えた型締装置を対象とする。ボールねじ機構には該ボールねじ機構に作用する軸力を検出する軸力検出手段を設ける。制御装置は、射出時に軸力検出手段により軸力の増加を検出したら、サーボモータを駆動してボールねじ機構の軸力を増加させる軸力増加制御を実施するように構成する。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、必要十分な型締力を発生させて型締装置の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の第1の形態に係る射出成形機を示す正面図である。
図2】本実施の第1の形態に係る型締装置を示す斜視図である。
図3A】射出成形中の本実施の第1の形態に係る射出成形機の一部を示す正面図である。
図3B】射出成形中の本実施の第1の形態に係る射出成形機の一部を示す正面図である。
図4】本実施の形態に係る型締方法を示すフローチャートである。
図5】本実施の第2の形態に係る射出成形機を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0011】
[第1の実施の形態]
<本実施の第1の形態に係る射出成形機>
本実施の第1の形態に係る射出成形機1は、図1に示されているように、ベッドBに設けられている型締装置2と、射出装置4と、これらを制御する制御装置5と、から構成されている。
【0012】
<射出装置>
射出装置4は加熱シリンダ6と、この加熱シリンダ6に入れられているスクリュ7と、スクリュ7を駆動するスクリュ駆動装置8とから構成されている。加熱シリンダ6にはホッパ10が設けられ、そして先端に射出ノズル11が設けられている。ホッパ10から射出材料が投入され、そしてスクリュ7を回転して射出材料を溶融するとスクリュ7の先端に計量される。スクリュ7を軸方向に駆動すると射出材料が射出されるようになっている。
【0013】
<型締装置>
本実施の第1の形態に係る型締装置2は、いわゆる2プラテンの型締装置からなる。すなわち型締装置2は、図2に示されているように、2個の型盤13、14つまり固定盤13と可動盤14とを備えている。固定盤13はベッドB上に固定されており、可動盤14はベッドB上に設けられたリニアガイド15、15に載せられている。すなわち可動盤14は固定盤13に接近・離間する方向にスライド自在になっている。固定盤13には図1に示されているように、固定側金型16が、そして可動盤14には可動側金型17がそれぞれ取り付けられている。
【0014】
本実施の第1の形態に係る型締装置2は、2個の型盤13、14、つまり固定盤13と可動盤14とが4本のボールねじ機構18、18、…によって連結されている。それぞれのボールねじ機構18、18、…は、ボールねじ19、19、…と、ボールねじ19、19、…に取り付けられているボールナット20、20、…とを備えている。
【0015】
図2には示されていないが、可動盤14には貫通孔が開けられており、この貫通孔にボールナット20、20、…が固着されている。つまりボールねじ19、19、…は、一方の端部側がボールナット20、20、…を介して可動盤14に接続されている。ボールねじ19、19、…の他方の端部は、固定盤13を貫通し、固定盤13に対して回転可能に支持されている。固定盤13にはサーボモータ22、22、…が設けられ、ボールねじ19、19、…と接続されている。したがって、サーボモータ22、22、…を駆動するとボールねじ19、19、…が回転し、可動盤14がスライドすることになる。すなわち金型16、17(図1参照)が型開閉される。
【0016】
<軸力検出手段>
本実施の第1の形態に係る型締装置2には、ボールねじ機構18、18、…のそれぞれにボールねじ機構18、18、…に作用する軸力を検出する軸力検出手段が設けられている。具体的には、ロードセル24、24、…が可動盤14とボールナット20、20、…の間に設けられている。型締時にはボールねじ機構18、18、…に軸力が作用する。軸力検出手段は、型締力を検出する手段であるということもできる。
【0017】
サーボモータ22、22、…と、ロードセル24、24、…は制御装置5(図1参照)に接続されている。後で説明する本実施の形態に係る型締方法では、射出工程において制御装置5がロードセル24、24、…つまり軸力検出手段で軸力の変化を監視して、サーボモータ22、22、…を駆動するようになっている。
【0018】
<射出工程における型締装置の挙動>
射出材料を射出する射出工程を実施するときの型締装置2おける挙動を図3A図3Bによって説明する。図3Aに示されているように、金型16、17にはそれぞれのパーティングラインに凹部26、27が形成されており、型締めされるとキャビティ28が構成される。型締めした状態で、射出装置4から射出材料を射出するとキャビティ28に樹脂30が充填される。キャビティ28内に射出される樹脂30の圧力、つまり射出圧力によって、金型16、17には開く方向の力が作用する。この力は、キャビティ28の投影面積である受圧面積と射出圧力の積で与えられる。型締装置2において型締力が十分に大きいとき、射出工程において金型16、17は開かない。そうするとボールねじ19、19、…は射出工程において伸びが生じることはない。つまりロードセル24、24、…によって検出される軸力は変化しない。
【0019】
これに対して型締力が比較的小さいとき、図3Bに示されているように、金型16、17は樹脂30による射出圧力によってわずかに開く。そうするとボールねじ19、19、…がわずかに伸張する。この伸張によってロードセル24、24、…において軸力の増加が検出されることになる。
【0020】
<本実施の形態に係る型締方法>
本実施の形態に係る型締方法を説明する。制御装置5(図1参照)は、図4に示されているようにステップS01により初期型締を実施する。すなわち型締装置2(図1図2参照)においてサーボモータ22、22、…を駆動してボールねじ19、19、…を回転する。そうすると金型16、17が接触し、所定の型締力が発生する。本実施の形態において、この初期型締において発生させる型締力は、キャビティ28(図3A参照)の投影面積である受圧面積と、射出工程における射出圧力との積よりも、若干小さくなるようにする。
【0021】
制御装置5は、図4に示されているようにステップS02により射出工程を開始する。すなわち射出装置4(図1参照)においてスクリュ7を軸方向に駆動する。制御装置5はステップS03を実行してそれぞれのロードセル24、24、…により検出される軸力の監視を開始する。制御装置5には、軸力の監視に必要な閾値があらかじめ設定されている。これにより以後、軸力の変化を監視する。
【0022】
ステップS04において軸力が閾値を超えて増加したと判断したら(YES)、ステップS05を実行する。つまり軸力増加ステップを実行する。具体的には軸力の増加である軸力増加が検出されたボールねじ機構18、18、…に対して、該当するサーボモータ22、22、…を駆動する。つまりボールねじ機構18、18、…を締め付ける。これによって金型16、17(図3A図3B参照)が開くのを防止する。このとき駆動するサーボモータ22、22、…の好ましい駆動量について、後で詳しく説明する。ステップS05を実施したらステップS04に戻る。すなわち、軸力増加が発生するか否かを再び監視する。
【0023】
ステップS04において、軸力が閾値を超えて増加していないと判断したら(NO)、制御装置5(図1参照)はステップS06に処理を移行する。ステップS06において射出工程が完了したか否かをチェックする。射出工程が完了していなければ(NO)、ステップS04に戻る。射出工程が完了していれば(YES)、処理を終了する。
【0024】
<ステップS05におけるサーボモータの好ましい駆動量>
ステップS05においてサーボモータ22、22、…を駆動するとき、図3Bに示されているように、射出時にボールねじ19、19、…において発生した伸びの量と同じ長さだけボールねじ機構18、18、…を締め付けるようにすることが好ましい。金型16、17が開かないようにするために必要な最小の駆動になるからである。ボールねじ19、19、…において射出時に発生する伸びの量ΔLは、軸力の増加量ΔFと、ボールねじ19、19、…の有効長L(図3A図3B参照)と、ボールねじ19、19、…の断面積Sと、ボールねじ19、19、…のヤング率Eとから次のように計算できる。
ΔL = ΔF・L/(S・E) (1式)
【0025】
つまりサーボモータ22、22、…は、この伸びの量ΔLだけボールねじ機構18、18、…を締め付けるように駆動すればよい。1式において1/(S・E)は一定値であるので、サーボモータ22、22、…の駆動量は、軸力の増加量ΔFとボールねじ19、19、…の有効長Lと、係数とを乗じた量とすることができる。
【0026】
[第2の実施の形態]
<本実施の第2の形態に係る射出成形機>
本実施の第2の形態に係る射出成形機1Aは、図5に示されているように、ベッドBに設けられている型締装置2Aと、射出装置4と、を備えている。図5には示されていないが、この第2の実施の形態に係る射出成形機1Aも図1に示されている第1の実施の形態と同様に制御装置5を備えている。第2の実施の形態に係る射出成形機1Aの射出装置4は、図1によって説明した第1の実施の形態に係る射出成形機1の射出装置4と同様に構成されているので説明を省略する。
【0027】
<型締装置>
第2の実施の形態に係る型締装置2Aにおいて、固定盤13と可動盤14は3本のガイドバー35、35、…によってスライド自在に接続され、そして1本のボールねじ機構18によって連結されている。1本のボールねじ機構18はボールねじ19とボールナット20とからなり、サーボモータ22が設けられている。そして第1の実施の形態と同様にロードセル24がボールナット20と可動盤14の間に設けられている。つまり第2の実施の形態に係る型締装置2Aは、型開閉および型締めするためのボールねじ機構18は1本だけであり、軸力検出手段は1個のロードセル24だけになっている。
【0028】
第2の実施の形態に係る型締装置2Aにおいて射出工程を実施する場合、第1の実施の形態と同様に、ロードセル24において軸力が増加するか否かを監視する。そして軸力が増加したら第1の実施の形態と同様に、サーボモータ22を駆動して軸力を増加させるようにする。
【0029】
<変形例>
本実施の形態は色々な変形が可能である。例えば、本実施の形態に係る型締方法を変形することができる。本実施の形態に係る型締方法では、ステップS01(図4参照)として初期型締を実施して、型締力を発生させるように説明した。しかしながらこのステップS01において、単に金型16、17(図1参照)を型閉じだけして型締力が実質的に発生しないようにしてもよい。初期型締において型締力が実質的にゼロの場合、ステップS02によって射出工程を開始したら、その直後にロードセル24によって軸力の増加が検出されることになる。この軸力の増加を検出したら、速やかにステップS04の軸力増加のステップを実施することになるので、金型16、17は開くことなく射出することができる。
【0030】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 射出成形機 2 型締装置
4 射出装置 5 制御部
6 加熱シリンダ 7 スクリュ
8 スクリュ駆動装置 10 ホッパ
11 射出ノズル 13 固定盤
14 可動盤 15 リニアガイド
16 固定側金型 17 可動側金型
18 ボールねじ機構 19 ボールねじ
20 ボールナット 22 サーボモータ
24 ロードセル 26 凹部
27 凹部 28 キャビティ
30 樹脂
B ベッド
C 中心

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5