(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006521
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】屋外用加熱調理装置
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47J37/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107507
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】片倉 麗
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AB04
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA16
4B040EB01
(57)【要約】
【目的】 本発明は、食材を加熱料理ができる新たな屋外用加熱調理装置を得る。
【構成】 屋外用加熱調理装置D1は、耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第1耐熱シート200と、耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第2耐熱シート400と、第1耐熱シート200を中空支持する第1支持部100と、第1支持部100に支持されており且つ第1耐熱シート200の上側で第1耐熱シート200に対して間隔をあけて第2耐熱シート400を中空支持する第2支持部300とを備えている。第1耐熱シート200が、食材が載置可能な調理シートであり、第2耐熱シート400が、固形燃料が載置可能な火床シートである。
【選択図】
図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第1耐熱シートと、
耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第2耐熱シートと、
前記第1耐熱シートを中空支持する第1支持部と、
前記第1支持部又は前記第1耐熱シートに支持されており且つ前記第1耐熱シートの上側で前記第1耐熱シートに対して間隔をあけて前記第2耐熱シートを中空支持する第2支持部とを備えており、
前記第1耐熱シートが、食材が載置可能な調理シートであり、前記第2耐熱シートが、固形燃料が載置可能な火床シートである屋外用加熱調理装置。
【請求項2】
耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第1耐熱シートと、
耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第2耐熱シートと、
第1支持部と、
第2支持部とを備えており、
前記第2支持部は、前記第2耐熱シートを中空支持しており、
前記第1支持部は、前記第2支持部又は前記第2耐熱シートに吊り支持されており且つ前記第2耐熱シートの下側で前記第2耐熱シートに対して間隔をあけて前記第1耐熱シートを吊り下げ支持しており、
前記第1耐熱シートが、食材が載置可能な調理シートであり、前記第2耐熱シートが、固形燃料が載置可能な火床シートである屋外用加熱調理装置。
【請求項3】
耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第1耐熱シートと、
耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第2耐熱シートと、
前記第1耐熱シートを中空支持する第1支持部と、
前記第1耐熱シートの上側で前記第1耐熱シートに対して間隔をあけて前記第2耐熱シートを中空支持する第2支持部とを備えており、
前記第1耐熱シートが、食材が載置可能な調理シートであり、前記第2耐熱シートが、固形燃料が載置可能な火床シートである屋外用加熱調理装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
前記第1耐熱シートは、前記第1支持部に支持された複数の角部、複数の辺部又は外周縁部を有しており且つ前記第1耐熱シートの中央部が可撓可能になっており、
前記第2耐熱シートは、前記第2支持部に支持された複数の角部、複数の辺部又は外周縁部を有しており且つ前記第2耐熱シートの中央部が可撓可能になっている屋外用加熱調理装置。
【請求項5】
請求項1~3の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
一対の第1耐熱板を更に備えており、
前記一対の第1耐熱板は、前記第2支持部又は前記第2耐熱シートに支持されており且つ前記第2耐熱シート上で間隔をあけて対向配置されている屋外用加熱調理装置。
【請求項6】
請求項5記載の屋外用加熱調理装置において、
前記一対の第1耐熱板は、平面視略U字状である屋外用加熱調理装置。
【請求項7】
請求項5記載の屋外用加熱調理装置において、
一対の懸架部を更に備えており、
前記一対の懸架部は、前記一対の第1耐熱板に懸架されている屋外用加熱調理装置。
【請求項8】
請求項7記載の屋外用加熱調理装置において、
前記一対の懸架部は、上下逆の略U字状であり且つ第1端と第2端とを有しており、
前記一対の懸架部の前記第1端が、前記一対の第1耐熱板の一方に固定されており、
前記一対の懸架部の前記第2端が、前記一対の第1耐熱板の他方に固定されている屋外用加熱調理装置。
【請求項9】
請求項1~3の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
前記第2支持部は、一対の第2耐熱板を有しており、
前記一対の第2耐熱板は、少なくとも部分的に前記第1耐熱シートと前記第2耐熱シートとの間に配置されている屋外用加熱調理装置。
【請求項10】
請求項1~3の何れかに記載の屋外用加熱調理装置において、
前記第1耐熱シートは、前記繊維を用いてメッシュ状に形成されており、
前記第2耐熱シートは、前記繊維を用いてメッシュ状に形成されている屋外用加熱調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外用加熱調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の屋外用加熱調理装置が記載されている。この屋外用加熱調理装置は、炭等の固形燃料を収容する容器本体(火床)と、容器本体を支持する支持脚と、容器本体の下側で支持脚に支持される予熱棚とを備えている。容器本体内で燃焼する固形燃料の輻射熱によって、予熱棚に載置された食材が予熱されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、容器本体は、金属筐体であるので、容器本体内で燃焼する固形燃料の輻射熱によって、予熱棚に載置された食材を暖めることができても、加熱調理することはできない。
【0005】
本発明は、食材を加熱料理ができる新たな屋外用加熱調理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の屋外用加熱調理装置は、耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第1耐熱シートと、耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有する第2耐熱シートと、第1支持部と、第2支持部とを備えている。
【0007】
第1支持部は、第1耐熱シートを中空支持する構成とすることが可能である。第2支持部は、第1支持部又は第1耐熱シートに支持されており且つ第1耐熱シートの上側で第1耐熱シートに対して間隔をあけて第2耐熱シートを中空支持する構成とすることが可能である。
【0008】
又は、第2支持部は、第2耐熱シートを中空支持する構成とすることが可能である。第1支持部は、第2支持部又は第2耐熱シートに吊り支持されており且つ第2耐熱シートの下側で第2耐熱シートに対して間隔をあけて第1耐熱シートを吊り下げ支持する構成とすることが可能である。
【0009】
又は、第1支持部が第1耐熱シートを中空支持する構成とすることが可能である。第2支持部が、第1耐熱シートの上側で第1耐熱シートに対して間隔をあけて第2耐熱シートを中空支持する構成とすることが可能である。
【0010】
第1耐熱シートが、食材が載置可能な調理シートとすることが可能である。第2耐熱シートが、固形燃料が載置可能な火床シートとすることが可能である。
【発明の効果】
【0011】
第1耐熱シート及び第2耐熱シートの双方が、耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有するシートで構成されているので、第2耐熱シート上に固形燃料を載置して燃焼させる一方、燃焼する固形燃料の放射熱により第2耐熱シートの下側で第1耐熱シート上の食材を加熱料理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本発明の実施例1に係る屋外用加熱調理装置の正面図である。
【
図1B】実施例1の屋外用加熱調理装置の平面図である。
【
図1C】実施例1の屋外用加熱調理装置の底面図である。
【
図1D】実施例1の屋外用加熱調理装置の側面図である。
【
図1E】実施例1の屋外用加熱調理装置の斜視図である。
【
図2A】実施例1の屋外用加熱調理装置の分解正面図である。
【
図2B】実施例1の屋外用加熱調理装置の分解側面図である。
【
図3A】実施例1の屋外用加熱調理装置に五徳を取り付けた状態を示す側面図である。
【
図3B】実施例1の屋外用加熱調理装置の五徳を取り付けた状態を示す平面図である。
【
図4】実施例1の屋外用加熱調理装置の第1設計変更例を示す正面図である。
【
図5】実施例1の屋外用加熱調理装置の第2設計変更例を示す正面図である。
【
図6A】実施例1の屋外用加熱調理装置の第3設計変更例を示す正面図である。
【
図6B】第3設計変更例の屋外用加熱調理装置を示す側面図である。
【
図7】本発明の実施例2に係る屋外用加熱調理装置の正面図である。
【
図8】本発明の実施例3に係る屋外用加熱調理装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例1、2、3及びその設計変更例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変更例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0014】
以下、本発明の実施例1及びその設計変更例を含む複数の実施例に係る屋外用加熱調理装置D1(以下、単に「調理装置D1」とも称する。)について、
図1A~
図6Bを参照しつつ説明する。
図1A~
図3Bには、実施例1の屋外用加熱調理装置D1が示されている。
図4には、実施例1の屋外用加熱調理装置D1の第1設計変更例が示されている。
図5には、実施例1の屋外用加熱調理装置D1の第2設計変更例が示されている。
図6A~
図6Bには、実施例1の屋外用加熱調理装置D1の第3設計変更例が示されている。
図1A、
図1D、
図1E及び
図4~
図6Bには、Z-Z’方向が示されている。Z-Z’方向は、上下方向に相当しており且つZ方向(上方向)及びZ’方向(下方向)を含む。
図1A~
図1C、
図1E及び
図4~
図6Aには、Z-Z’方向に略直交するX-X’方向が示されている。X-X’方向は、X方向及びX’方向を含む。
図1B~
図1E及び
図6Bには、Z-Z’方向及びX-X’方向に略直交するY-Y’方向が示されている。Y-Y’方向は、Y方向及びY’方向を含む。
【0015】
調理装置D1は、第1耐熱シート200を備えている。第1耐熱シート200は、食材が載置可能な調理シートである。第1耐熱シート200は、シート本体210を有している。シート本体210は、可撓性を有する多角形状又は円形状のシートであって、耐熱性を有する繊維(例えば、ステンレスや特殊耐熱鋼等で構成された金属繊維又はカーボンナノチューブ等で構成された炭素繊維)で構成されている。例えば、シート本体210は、前記繊維でメッシュ状に形成されていてもよい。シート本体210全体がメッシュ状であってもよいし、一部分(例えば、中央部)がメッシュ状である一方、他の部分(例えば、外周部)がメッシュ状ではない構成としてもよい。
図1C及び
図1Eでは、図示の便宜上、シート本体210は部分的にメッシュ状として図示している。繊維の線径は、0.1mm~2.0mmとすることが可能であるが、これに限定されるものではない。メッシュの編み目の大きさは、例えば、0.1mm×0.1mm~約1mm×約1mmとすることが可能であり、約0.5mm×約0.5mmとしてもよいが、これに限定されるものではない。シート本体210は、前記繊維で不織布のように形成されていてもよい。なお、メッシュ状のシート本体210は、その厚み方向において通気可能である。
【0016】
シート本体210が多角形状である場合、シート本体210は複数の辺部を有している。シート本体210の複数の辺部のうちの少なくとも二つ(例えば、X方向側の辺部及びX’方向側の辺部及び/又はY方向側の辺部及びY’方向側の辺部)が、折り返されたり、別体の耐熱シート又は補強部材が張り合わされたりすることによって、補強されていてもよいが、これに限定されるものではない。シート本体210は複数の角部を有する。複数の辺部のうち隣り合う辺部が突き合わされた部分がシート本体210の角部をなしている。なお、
図1~
図6Bでは、シート本体210は、四角形状であり、四つの辺部及び四つの角部を有しており、四つの辺部全てが、折り返されて補強されている。
【0017】
シート本体210が円形状である場合、シート本体210は外周縁部を有している。シート本体210の外周縁部が、部分的又は全体的に折り返されたり、別体の耐熱シート又は補強部材が張り合わされたりすることによって、補強されていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0018】
第1耐熱シート200は、複数の取付部220を更に有している。複数の取付部220は、例えば、以下の(1)~(4)の何れかの構成を有している。
【0019】
(1)複数の取付部220は、貫通孔である。シート本体210が多角形状である場合、複数の取付部220の貫通孔は、シート本体210の複数の角部にそれぞれ設けられている(
図1A~
図1E、
図4及び
図6A~
図6B参照)。シート本体210が円形状である場合、複数の取付部220の貫通孔は、シート本体210の外周縁部に設けられており且つ外周縁部の周方向に間隔をあけて配置されている(図示なし)。又は、複数の取付部220は、貫通孔を有するリベットである。シート本体210が多角形状である場合、複数の取付部220のリベットは、シート本体210の複数の角部に固定されている。シート本体210が円形状である場合、シート本体210の外周縁部に固定されており且つ外周縁部の周方向に間隔をあけて配置されている。
【0020】
(2)複数の取付部220は、フック又はリングである(図示なし)。シート本体210が多角形状である場合、複数の取付部220のフック又はリングは、シート本体210の複数の角部の孔にそれぞれ取り付けられている。シート本体210が円形状である場合、複数の取付部220のフック又はリングは、シート本体210の外周縁部の複数の孔にそれぞれ取り付けられており且つ外周縁部の周方向に間隔をあけて配置されている。
【0021】
(3)複数の取付部220は、スリーブである(
図5参照)。複数の取付部220のスリーブは、少なくともシート本体210の複数の辺部のうちの少なくとも二つ(例えば、X方向側の辺部及びX’方向側の辺部及び/又はY方向側の辺部及びY’方向側の辺部)に設けられている。シート本体210が円形状である場合、複数の取付部220のスリーブは、シート本体210の外周縁部の少なくとも二つの部分(例えば、X方向側の部分及びX’方向側の部分及び/又はY方向側の部分及びY’方向側の部分)に設けられている。複数の取付部220のスリーブは、シート本体210の少なくとも二つの辺部又は少なくとも二つの部分を筒状に折り返して構成されていてもよいし、シート本体210の少なくとも二つの辺部又は少なくとも二つの部分に固定された筒体であってもよい。
【0022】
(4)複数の取付部220は、固定具と、一又は複数のフック又はリングをそれぞれ有する(図示なし)。シート本体210が多角形状である場合、複数の取付部220の固定具は、少なくともシート本体210の複数の辺部のうちの少なくとも二つ(例えば、X方向側の辺部及びX’方向側の辺部及び/又はY方向側の辺部及びY’方向側の辺部)に固定されている。シート本体210が円形状である場合、複数の取付部220の固定具は、少なくともシート本体210の外周縁部の少なくとも二つの部分(例えば、X方向側の部分及びX’方向側の部分及び/又はY方向側の部分及びY’方向側の部分)に固定されている。複数の取付部220の一又は複数のフック又はリングは、対応する固定具に突設されている。
【0023】
調理装置D1は、第1支持部100と、第2支持部300とを更に備えている。第1支持部100は、第1耐熱シート200を可撓可能に(第1耐熱シート200が緊張していない状態で)中空支持している。第2支持部300は第1支持部100に支持されている。第1支持部100及び第2支持部300は、例えば、以下の(a)~(f)の何れかの構成を有し、以下の(a)~(f)の何れかのとおりに、第1支持部100が第1耐熱シート200を可撓可能に中空支持すると共に、第2支持部300を支持する。
【0024】
(a)第1支持部100は、交差脚110と、四つのL字状のパイプ、棒又は板であるL字部120とを有する(
図1A~
図3B、
図5及び
図6A~
図6B参照)。交差脚110は、X字状に交差したパイプ、棒又は板である第1部111及び第2部112を有している。第1部111及び第2部112は、その交点で回動自在に接続されている。第1部111及び第2部112は、第1端と、その反対側の第2端とをそれぞれ有する。四つのL字部120は、Z方向側の第1端121と、その反対側の第2端122とをそれぞれ有する。第1、第2部111、112の第1端及び第2端と四つのL字部120の第2端122との何れか一方に係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、四つのL字部120の第2端122が、第1部111の第1端、第1部111の第2端、第2部112の第1端及び第2部112の第2端にそれぞれ接続されている。
【0025】
第2支持部300は、Z-Z’方向に延びたパイプ、棒又は板である四つの支持部材310を有している(
図1A~
図3B、
図5及び
図6A~
図6B参照)。四つの支持部材310は、Z’方向側の第1端311と、Z方向側の第2端312とをそれぞれ有する。四つの支持部材310の第1端311と四つのL字部120の第1端121との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。
【0026】
一方の部材の係合凸部が第1耐熱シート200の上記(1)の構成を有する複数の取付部220の貫通孔に挿入され且つ他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、四つの支持部材310の第1端311が、四つのL字部120の第1端121にそれぞれ接続されている。第1耐熱シート200の上記(1)の構成を有する複数の取付部220の貫通孔の周縁部が四つのL字部120の第1端121に支持されることにより、第1耐熱シート200の複数の角部又は外周縁部が第1支持部100に中空支持されており且つ第1耐熱シート200の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。また、一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、第2支持部300の四つの支持部材310が第1支持部100の四つのL字部120に支持されている。
【0027】
(b)第1支持部100は、U字状又はH字状のパイプ、棒又は板である一対の脚部130を有する(
図4参照)。一対の脚部130は、Z方向側の第1端131及び第2端132をそれぞれ有する。第2支持部300は、Z-Z’方向に延びた四つの支持部材310を有している。四つの支持部材310は、Z’方向側の第1端311と、Z方向側の第2端312とを有する。四つの支持部材310の第1端311と一対の脚部130の第1端131及び第2端132との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。
【0028】
一方の部材の係合凸部が第1耐熱シート200の上記(1)の構成を有する複数の取付部220の貫通孔に挿入され且つ他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、四つの支持部材310の第1端311が、一対の脚部130の第1端131及び第2端132にそれぞれ接続されている。第1耐熱シート200の上記(1)の構成を有する複数の取付部220の貫通孔の周縁部が一対の脚部130の第1端131及び第2端132に支持されることにより、第1耐熱シート200の複数の角部又は外周縁部が第1支持部100に中空支持されており且つ第1耐熱シート200の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。また、一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、第2支持部300の四つの支持部材310が第1支持部100の一対の脚部130の第1端131及び第2端132に支持されている。
【0029】
(c)第1支持部100は、上記した交差脚110及び四つのL字部120、又は、上記した一対の脚部130を有している。四つのL字部120の第1端121又は一対の脚部130の第1端131及び第2端132には、上記(2)の構成を有する複数の取付部220のフック或いはリング又は上記(4)複数の取付部220の固定具に設けられた一のフック或いはリングを引っ掛けるための係止部が設けられている(図示なし)。上記(2)の構成を有する複数の取付部220のフック或いはリング又は上記(4)複数の取付部220の固定具に設けられた一のフック或いはリングが、四つのL字部120の第1端121の係止部又は一対の脚部130の第1端131及び第2端132の係止部に引っ掛けられることによって、第1耐熱シート200の複数の角部又は外周縁部が第1支持部100に中空支持されており且つ第1耐熱シート200の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
【0030】
第1支持部100が交差脚110及び四つのL字部120を有する場合、第2支持部300は、上記(a)のとおりの構成である。第1支持部100が一対の脚部130を有する場合、第2支持部300は、上記(b)のとおりの構成である。
【0031】
(d)第1支持部100は、上記した交差脚110及び四つのL字部120、又は、上記した一対の脚部130に加えて、少なくとも一対の懸架部材140を有している(
図5参照)。少なくとも一対の懸架部材140は、耐熱性を有するロープ、棒又は板である。少なくとも一対の懸架部材140は、一方の懸架部材140及び他方の懸架部材140を含む。一方の懸架部材140は、四つのL字部120のうちの隣り合う二つのL字部120の第1端121間又は一対の脚部130のうちの一方の脚部130の第1端131及び第2端132間に懸架されており且つ上記(3)の構成を有する複数の取付部220のスリーブのうちシート本体210の少なくとも二つの辺部の一方の辺部に設けられたスリーブ又は上記(4)複数の取付部220のシート本体210の少なくとも二つの部分のうちの一方の部分に固定された固定具に設けられた複数のフック或いはリングに挿通されている。他方の懸架部材140は、四つのL字部120のうちの隣り合う別の二つのL字部120の第1端121間又は他方の脚部130の第1端131及び第2端132間に懸架されており且つ上記(3)の構成を有する複数の取付部220のスリーブのうちシート本体210の少なくとも二つの辺部の他方の辺部に設けられたスリーブ又は上記(4)複数の取付部220のシート本体210の少なくとも二つの部分のうちの他方の部分に固定された固定具に設けられた複数のフック或いはリングに挿通されている。このようにして第1耐熱シート200の複数の角部又は外周縁部が第1支持部100に中空支持されており且つ第1耐熱シート200の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
【0032】
第1支持部100が交差脚110及び四つのL字部120を有する場合、第2支持部300は、上記(a)のとおりの構成である。第1支持部100が一対の脚部130を有する場合、第2支持部300は、上記(b)のとおりの構成である。
【0033】
(e)第1支持部100は、上記した四つのL字部120の第1端121に設けられており且つ当該第1端121の係合凸部又は係合孔に対して同心円状に配置されたリング状の留め具を更に有する、又は、上記した一対の脚部130の第1端131と第2端132に設けられており且つ当該第1端131と第2端132の係合凸部又は係合孔に対して同心円状に配置されたリング状の留め具を更に有する(図示なし)。第1耐熱シート200の上記(1)の構成を有する複数の取付部220の貫通孔の周縁部が、四つのL字部120の第1端121に設けられた留め具又は一対の脚部130の第1端131と第2端132に設けられた留め具にZ’方向側から支持されることにより、第1耐熱シート200の複数の角部又は外周縁部が第1支持部100に中空支持されており且つ第1耐熱シート200の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
【0034】
第1支持部100が交差脚110及び四つのL字部120を有する場合、第2支持部300は、上記(a)のとおりの構成である。第1支持部100が一対の脚部130を有する場合、第2支持部300は、上記(b)のとおりの構成である。
【0035】
(f)第1支持部100は、上記した四つのL字部120のうち二つのL字部120の第1端121を連結する図示しない第1連結部と、別の二つのL字部120の第1端121を連結する図示しない第2連結部とを更に有する、又は、上記した一対の脚部130のうちの一方の脚部130の第1端131と第2端132とを連結する第1連結部と、他方の脚部130の第1端131と第2端132とを連結する第2連結部とを更に有する(図示なし)。第1、第2連結部が、第1耐熱シート200の二つの辺部又は外周縁部を中空支持しており且つ第1耐熱シート200の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
【0036】
第1支持部100が交差脚110及び四つのL字部120を有する場合、第2支持部300は、上記(a)のとおりの構成である。第1支持部100が一対の脚部130を有する場合、第2支持部300は、上記(b)のとおりの構成である。
【0037】
調理装置D1は、第2耐熱シート400を更に備えている。第2耐熱シート400は、炭や薪等の固形燃料を載置可能な火床シートである。第2耐熱シート400は、シート本体410を有している。シート本体410は、シート本体210と同様の構成とすることが可能である。シート本体410も、シート本体210と同様に、前記繊維でメッシュ状に形成されていてもよい。シート本体410全体がメッシュ状であってもよいし、一部分(例えば、中央部)がメッシュ状である一方、他の部分(例えば、外周部)がメッシュ状ではない構成としてもよい。
図1B及び
図1Eでは、図示の便宜上、シート本体410は部分的にメッシュ状として図示している。なお、メッシュ状のシート本体410は、その厚み方向において通気可能である。
【0038】
シート本体410が多角形状である場合、シート本体410は複数の辺部を有している。シート本体410の複数の辺部のうち少なくとも二つ(例えば、X方向側の辺部及びX’方向側の辺部又はY方向側の辺部及びY’方向側の辺部)が、折り返されたり、別体の耐熱シート又は補強部材が張り合わされたりすることによって、補強されていてもよいが、これに限定されるものではない。なお、
図1~
図6Bでは、シート本体410は、四角形状であり、四つの辺部を有しており、四つの辺部全てが、折り返されて補強されている。
【0039】
シート本体410が円形状である場合、シート本体410は外周縁部を有している。シート本体410の外周縁部が、部分的又は全体的に折り返されたり、別体の耐熱シートが張り合わされたりすることによって、補強されていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
第2耐熱シート400は、複数の取付部420を更に有している。複数の取付部420は、例えば、第1耐熱シート200の取付部220の上記(1)~(4)の何れかの構成と同様の構成を有している。
【0041】
第2耐熱シート400は、第1耐熱シート200の上側(Z方向側)でZ-Z’方向において第1耐熱シート200に対して間隔をあけて第2支持部300可撓可能に(第2耐熱シート400が緊張していない状態で)中空支持されている。
【0042】
調理装置D1は、平面視略U字状の一対の第1耐熱板500を更に備えていてもよい。一対の第1耐熱板500は、第2支持部300に支持されてており且つ第2耐熱シート400上で対向配置される。一対の第1耐熱板500は、第1板510と、一対の第2板520と、一対の第3部530とを有している。
【0043】
第2耐熱シート400のシート本体410が多角形状である場合、一対の第1耐熱板500の第1板510は、耐熱性を有する金属等の素材で構成された長方形又は正方形の板であって、Y-Y’方向に延びている(
図1B、
図1D、
図1E、
図2A及び
図3A参照)。シート本体210が円形状である場合、一対の第1耐熱板500の第1板510は、耐熱性を有する金属等の素材で構成された円弧状の板であって、Y-Y’方向に延びており且つ互いに離反する方向に凸となるように湾曲している。
【0044】
一対の第1耐熱板500の一対の第2板520は、一対の第1耐熱板500の第1板510のY-Y’方向の両端部からX-X’方向に延びている。一対の第1耐熱板500の一対の第3部530は、Y-Y’方向に延びたパイプ、棒又は板であって、一対の第1耐熱板500の第1板510のY-Y’方向の両端部に固定されている。一対の第1耐熱板500の一対の第3部530は、Z’方向側の第1端531と、Z方向側の第2端532とを有する。
【0045】
第2支持部300及び一対の第1耐熱板500は、例えば、以下の(g)~(k)の何れかの構成を更に有する。
【0046】
(g)一対の第1耐熱板500の一対の第3部530の第1端531と第2支持部300の四つの支持部材310の第2端312との何れか一方の部材には、係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている(
図1A~
図6B参照)。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。
【0047】
一方の部材の係合凸部が第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔に挿入され且つ他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一対の第1耐熱板500の一対の第3部530の第1端531が第2支持部300の四つの支持部材310の第2端312にそれぞれ接続されている。第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔の周縁部が第2支持部300の四つの支持部材310の第2端312に支持されることにより、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。また、一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一対の第1耐熱板500が第2支持部300の四つの支持部材310に支持され且つ第2耐熱シート400上でY-Y’方向に間隔をあけて対向配置されている。
【0048】
(h)第2支持部300の四つの支持部材310の第2端312には、第2耐熱シート400の上記(2)の構成を有する複数の取付部420のフック或いはリング又は第2耐熱シート400の上記(4)複数の取付部420の固定具に設けられた一のフック或いはリングを引っ掛けるための係止部が設けられている(図示なし)。第2耐熱シート400の上記(2)の構成を有する複数の取付部420のフック或いはリング又は第2耐熱シート400の上記(4)複数の取付部420の固定具に設けられた一のフック或いはリングが、第2支持部300の四つの支持部材310の第2端312の係止部に引っ掛けられることによって、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。なお、一対の第1耐熱板500は、上記(g)のとおりの構成である。
【0049】
(i)第2支持部300は、上記した四つの支持部材310に加えて、少なくとも一対の懸架部材を有している(図示なし)。少なくとも一対の懸架部材は、耐熱性を有するロープ、棒又は板である。少なくとも一対の懸架部材は、一方の懸架部材及び他方の懸架部材を含む。一方の懸架部材は、四つの支持部材310のうちの隣り合う二つの支持部材310の第2端312間に懸架されており且つ第2耐熱シート400の上記(3)の構成を有する複数の取付部420のスリーブのうちシート本体410の少なくとも二つの辺部の一方の辺部に設けられたスリーブ又は第2耐熱シート400の上記(4)複数の取付部420のシート本体410の少なくとも二つの部分のうちの一方の部分に固定された固定具に設けられた複数のフック或いはリングに挿通されている。他方の懸架部材は、四つの支持部材310のうちの別の隣り合う二つの支持部材310の第2端312間に懸架されており且つ第2耐熱シート400の上記(3)の構成を有する複数の取付部420のスリーブのうちシート本体410の少なくとも二つの辺部の他方の辺部に設けられたスリーブ又は第2耐熱シート400の上記(4)複数の取付部420のシート本体410の少なくとも二つの部分のうちの他方の部分に固定された固定具に設けられた複数のフック或いはリングに挿通されている。このようにして第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。なお、一対の第1耐熱板500は、上記(g)のとおりの構成である。
【0050】
(j)第2支持部300は、上記した四つの支持部材310の第2端312に設けられており且つ当該第2端312の係合凸部又は係合孔に対して同心円状に配置されたリング状の留め具を更に有する(図示なし)。第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔の周縁部が、四つの支持部材310の第2端312に設けられた留め具にZ’方向側から支持されることにより、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。なお、一対の第1耐熱板500は、上記(g)のとおりの構成である。
【0051】
(k)第2支持部300は、上記した四つの支持部材310のうちの二つの支持部材310の第2端312を連結する図示しない第1連結部と、残り二つの支持部材310の第2端312を連結する図示しない第2連結部とを更に有する(図示なし)。第1、第2連結部が、第2耐熱シート400の複数の辺部又は外周縁部を中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。なお、一対の第1耐熱板500は、上記(g)のとおりの構成である。
【0052】
なお、一対の第2板520は省略可能である。また、一対の第1耐熱板500自体を省略することも可能である。
【0053】
第2支持部300は、一対の第2耐熱板320を更に有していてもよい(
図6A及び
図6B参照)。シート本体210が多角形状である場合、一対の第2耐熱板320は、耐熱性を有する金属等の素材で構成された長方形又は正方形の第1板(
図6A及び
図6B参照)を有する。この第1板は、例えば、X-X’方向又はY-Y’方向に延びている。シート本体210が円形状である場合、一対の第2耐熱板320は、耐熱性を有する金属等の素材で構成された円弧状の第1板を有する。この第1板は、例えば、X-X’方向又はY-Y’方向に延びており且つ互いに離反する方向に凸となるように湾曲している。一対の第2耐熱板320のうちの一方の第2耐熱板320の第1板のX-X’方向又はY-Y’方向の両端部に、四つの支持部材310のうちの二つが固定されており、他方の第2耐熱板320の第1板のX-X’方向又はY-Y’方向の両端部に、残り二つの支持部材310が固定されている。一対の第2耐熱板320は、第1耐熱シート200上又は第1耐熱シート200の上側でY-Y’方向又はX-X’方向に間隔をあけて対向配置されている。一対の第2耐熱板320は、第1板のX-X’方向又はY-Y’方向の両端部からY-Y’方向又はX-X’方向に延びた図示しない一対の第2板を更に有していてもよい。
【0054】
調理装置D1は、一対の第1耐熱板500に懸架された一対の懸架部600を更に備えていてもよい。一対の懸架部600は、例えば、側面視略上下逆のU字状のパイプ、棒又は板であって、Z’方向側の第1端611と、Z’方向側の第2端612とを有する。一対の懸架部600は、一方の懸架部600と、他方の懸架部600とを含む。一対の第1耐熱板500は、一方の第1耐熱板500と、他方の第1耐熱板500とを含む。
【0055】
一方の懸架部600の第1端611と一方の第1耐熱板500の一方の第3部530の第2端532との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一方の懸架部600の第1端611が一方の第1耐熱板500の一方の第3部530の第2端532に接続されている。
【0056】
一方の懸架部600の第2端612と他方の第1耐熱板500の一方の第3部530の第2端532との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一方の懸架部600の第1端611が他方の第1耐熱板500の一方の第3部530の第2端532に接続されている。
【0057】
他方の懸架部600の第1端611と一方の第1耐熱板500の他方の第3部530の第2端532との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、他方の懸架部600の第1端611が一方の第1耐熱板500の他方の第3部530の第2端532に接続されている。
【0058】
他方の懸架部600の第2端612と他方の第1耐熱板500の他方の第3部530の第2端532との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、他方の懸架部600の第1端611が他方の第1耐熱板500の他方の第3部530の第2端532に接続されている。
【0059】
このようにして一方の懸架部600が一方の第1耐熱板500と他方の第1耐熱板500とに懸架され且つ固定されており、他方の懸架部600が一方の第1耐熱板500と他方の第1耐熱板500とに懸架され且つ固定されている。
【0060】
一対の懸架部600は、一対の第1耐熱板500に懸架された直線状のパイプ、棒又は板であって、一方側の端部が一対の第1耐熱板500の一方に固定され、他方側の端部が一対の第1耐熱板500の他方に固定される構成としてもよい。なお、一対の懸架部600は省略可能である。
【0061】
一対の懸架部600上(
図3A参照)又は一対の第1耐熱板500(
図3B参照)には、一又は複数のバーBを懸架することが可能である。一又は複数のバーBには、Z’方向に開口した一対の第1凹部B1及び/又は一対の第2凹部B2が設けられている。一対の第2凹部B2に一対の懸架部600が挿入されるようになっている。一対の第1凹部B1に一対の第1耐熱板500の第1板510が挿入されるようになっている。一又は複数のバーB上に鍋等の調理用具を載置したり、一又は複数のバーBに食材を吊り下げたりし且つ第2耐熱シート400上で固形燃料を燃焼させることによって、調理を行うことができる。
【0062】
一対の第1耐熱板500が設けられていない一方で、上記した側面視略上下逆のU字状の一対の懸架部600が設けられている場合、一対の懸架部600のうちの一方の懸架部600の第1端611、第2端612が、第2支持部300の四つの支持部材310のうちの隣り合う二つの支持部材310の第2端312に継手接続され、隣り合う二つの支持部材310に掛け渡されており、且つ、上記した側面視略上下逆のU字状の他方の懸架部600の第1端611、第2端612が、第2支持部300の別の隣り合う二つの支持部材310の第2端312に継手接続され、別の隣り合う二つの支持部材310に掛け渡された構成とすることが可能である。
【0063】
一対の第1耐熱板500及び一対の懸架部600の双方が設けられていない場合、第2支持部300は、上記した四つの支持部材310の第2端312にそれぞれ固定される四つの固定部材を更に備えているとよい(図示しない)。四つの支持部材310の第2端312が、上記したように第2耐熱シート400を可撓可能に中空支持している場合、四つの支持部材310の第2端312と四つの固定部材との何れか一方に係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に刺し込まれることによって、四つの支持部材310の第2端312が、第2耐熱シート400を可撓可能に中空支持する。
【0064】
以上のような調理装置D1は、以下の(1)~(4)技術的特徴及び効果を奏する。
【0065】
(1)技術的特徴及び効果
第1支持部100が第1耐熱シート200を中空支持している。第2支持部300が第1支持部100に支持され且つ第2耐熱シート400を第1耐熱シート200の上側(Z方向側)で第1耐熱シート200に対してZ-Z’方向に間隔をあけて中空支持している。第1耐熱シート200及び第2耐熱シート400の双方が、耐熱性を有する繊維で構成された可撓性を有するシートで構成されているので、第2耐熱シート400上に固形燃料を載置して燃焼させる一方、燃焼する固形燃料の放射熱によって第2耐熱シート400の下側(Z’方向側)で第1耐熱シート200上の食材を加熱料理することができる。しかも、第1支持部100が第1耐熱シート200を可撓可能に中空支持しており且つ第2支持部300が第2耐熱シート400を可撓可能に中空支持しているので、第2耐熱シート400上に固形燃料を載置することによって、第2耐熱シート400の中央部が下側(Z’方向側)に撓むと共に、第1耐熱シート200上に食材を載置することによって、第1耐熱シート200の中央部が下側(Z’方向側)に撓む。このため、第2耐熱シート400上に固形燃料を載置し且つ第1耐熱シート200上に食材を載置したときに、第2耐熱シート400と第1耐熱シート200との間のZ-Z’方向の距離の変動を抑制することができ、その結果として、第2耐熱シート400上の固形燃料を燃焼させ、その放射熱で第1耐熱シート200上の食材を好適に加熱料理することができる。また、第2耐熱シート400がメッシュ状である場合、燃焼する固形燃料の放射熱が第1耐熱シート200上の食材に伝わり易くなり、第2耐熱シート400を空気が通ることによって燃焼する固形燃料に対する吸気が行いやすくなる上に、第2耐熱シート400のメッシュの編み目の大きさが、0.1mm×0.1mm~約1mm×約1mmであると、固形燃料を燃焼させたとしても、煤や灰が落下し難くなる。第1耐熱シート200がメッシュ状である場合、第1耐熱シート200を空気が通るため、第2耐熱シート400下の第1耐熱シート200が第2耐熱シート400上の固形燃料に対する空気の供給を妨げ難くなる。
【0066】
(2)技術的特徴及び効果
一対の第1耐熱板500が設けられている場合、一対の第1耐熱板500が第2支持部300の四つの支持部材310に支持され且つ第2耐熱シート400上でY-Y’方向に間隔をあけて対向配置されている。このため、第2耐熱シート400上の一対の第1耐熱板500の間に固形燃料を載置することによって、一対の第1耐熱板500が、第2耐熱シート400上で燃焼する固形燃料に対して風よけとして機能する。一対の第1耐熱板500が平面視略U字状である場合、一対の第1耐熱板500の固形燃料に対する風よけとして機能が向上する。
【0067】
(3)技術的特徴及び効果
一対の第1耐熱板500及び一対の懸架部600が設けられている場合、一対の懸架部600が一対の第1耐熱板500に懸架されて固定されていることによって、調理装置D1の強度が向上する。
【0068】
(4)技術的特徴及び効果
一対の第2耐熱板320が設けられている場合、一対の第2耐熱板320は、第1耐熱シート200上でY-Y’方向又はX-X’方向に間隔をあけて対向配置されている。一対の第2耐熱板320によって、第2耐熱シート400上で燃焼する固形燃料の輻射熱がY-Y’方向又はX-X’方向に逃げ難くなるので、第1耐熱シート200上の食材に対する調理効率を向上させることができる。
調理装置D2は、第2支持部300’が第1支持部100’に支持されていない点及び第1支持部100’が第2支持部300’又は第2耐熱シート400に吊り支持されており且つ第2耐熱シート400の下側(Z’方向側)で第2耐熱シート400に対してZ-Z’方向に間隔をあけて第1耐熱シート200を可撓可能に吊り下げ支持している点で相違する以外、調理装置D1と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、調理装置D2の説明のうち、調理装置D1の説明と重複するものについては省略する。
第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’と一対の第1耐熱板500の一対の第3部530の第1端531との何れか一方の部材には、係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。
一方の部材の係合凸部が第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔に挿入され且つ他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一対の第1耐熱板500の一対の第3部530の第1端531が第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’にそれぞれ接続されている。第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔の周縁部が第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’に支持されることにより、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。また、一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一対の第1耐熱板500が第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’に支持され且つ第2耐熱シート400上でY-Y’方向に間隔をあけて対向配置されている。
(m)第2支持部300’は、調理装置D1の上記(b)の構成を有する第1支持部100と同様の構成を有している。すなわち、第2支持部300’は、U字状又はH字状のパイプ、棒又は板である図示しない一対の脚部を有する。
第2支持部300’の一対の脚部のZ方向側の第1端及び第2端と一対の第1耐熱板500の一対の第3部530の第1端531との何れか一方の部材に係合凸部が設けられ、他方の部材に係合孔が設けられている。係合凸部の外径は、一方の部材の外径よりも若干小さい。係合孔の径は、係合凸部の外径と略同じである。
一方の部材の係合凸部が第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔に挿入され且つ他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一対の第1耐熱板500の一対の第3部530の第1端531が第2支持部300’の一対の脚部の第1端及び第2端にそれぞれ接続されている。第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔の周縁部が第2支持部300’の一対の脚部の第1端及び第2端に支持されることにより、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。また、一方の部材の係合凸部が他方の部材の係合孔に差し込まれる(継手接続される)ことによって、一対の第1耐熱板500が第2支持部300’の一対の脚部の第1端及び第2端に支持され且つ第2耐熱シート400上でY-Y’方向に間隔をあけて対向配置されている。
(n)第2支持部300’は、調理装置D1の上記(c)の構成を有する第1支持部100と同様の構成を有している。すなわち、第2支持部300’は、上記した交差脚310’及び四つのL字部320’、又は、上記した一対の脚部を有している。四つのL字部320’の第1端321’又は一対の脚部の第1端及び第2端には、上記(2)の構成を有する複数の取付部420のフック或いはリング又は上記(4)複数の取付部420の固定具に設けられた一のフック或いはリングを引っ掛けるための係止部が設けられている(図示なし)。上記(2)の構成を有する複数の取付部420のフック或いはリング又は上記(4)複数の取付部420の固定具に設けられた一のフック或いはリングが、四つのL字部320’の第1端321’の係止部又は一対の脚部の第1端及び第2端の係止部に引っ掛けられることによって、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300’に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
第2支持部300’が、上記した交差脚310’及び四つのL字部320’を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(l)のとおりの構成である。第2支持部300’が一対の脚部を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(m)のとおりの構成である。
(o)第2支持部300’は、上記した交差脚310’及び四つのL字部320’、又は、上記した一対の脚部に加えて、少なくとも一対の懸架部材を有している(図示なし)。少なくとも一対の懸架部材は、耐熱性を有するロープ、棒又は板である。少なくとも一対の懸架部材は、一方の懸架部材及び他方の懸架部材を含む。一方の懸架部材は、四つのL字部320’のうちの隣り合う二つのL字部320’の第1端321’間又は一対の脚部のうちの一方の脚部の第1端及び第2端間に懸架されており且つ上記(3)の構成を有する複数の取付部420のスリーブのうちシート本体410の少なくとも二つの辺部の一方の辺部に設けられたスリーブ又は上記(4)複数の取付部420のシート本体410の少なくとも二つの部分のうちの一方の部分に固定された固定具に設けられた複数のフック或いはリングに挿通されている。他方の懸架部材は、四つのL字部320’のうちの隣り合う別の二つのL字部320’の第1端321’間又は他方の脚部の第1端及び第2端間に懸架されており且つ上記(3)の構成を有する複数の取付部420のスリーブのうちシート本体410の少なくとも二つの辺部の他方の辺部に設けられたスリーブ又は上記(4)複数の取付部420のシート本体410の少なくとも二つの部分のうちの他方の部分に固定された固定具に設けられた複数のフック或いはリングに挿通されている。このようにして第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300’に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
第2支持部300’が、上記した交差脚310’及び四つのL字部320’を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(l)のとおりの構成である。第2支持部300’が一対の脚部を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(m)のとおりの構成である。
(p)第2支持部300’は、上記した四つのL字部320’の第1端321’に設けられており且つ当該第1端321’の係合凸部又は係合孔に対して同心円状に配置されたリング状の留め具を更に有する、又は、上記した一対の脚部の第1端と第2端に設けられており且つ当該第1端1と第2端の係合凸部又は係合孔に対して同心円状に配置されたリング状の留め具を更に有する(図示なし)。第2耐熱シート400の上記(1)の構成を有する複数の取付部420の貫通孔の周縁部が、四つのL字部320’の第1端321’に設けられた留め具又は一対の脚部の第1端と第2端に設けられた留め具にZ’方向側から支持されることにより、第2耐熱シート400の複数の角部又は外周縁部が第2支持部300’に中空支持されており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
第2支持部300’が、上記した交差脚310’及び四つのL字部320’を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(l)のとおりの構成である。第2支持部300’が一対の脚部を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(m)のとおりの構成である。
(q)第2支持部300’は、上記した四つのL字部320’のうち二つのL字部320’の第1端321’を連結する図示しない第1連結部と、別の二つのL字部320’の第1端321’を連結する図示しない第2連結部とを更に有する、又は、上記した一対の脚部のうちの一方の脚部の第1端と第2端とを連結する第1連結部と、他方の脚部の第1端と第2端とを連結する第2連結部とを更に有する(図示なし)。第1、第2連結部が、第2耐熱シート400の二つの辺部又は外周縁部をZ’方向側から支持しており且つ第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。
第2支持部300’が、上記した交差脚310’及び四つのL字部320’を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(l)のとおりの構成である。第2支持部300’が一対の脚部を有する場合、一対の第1耐熱板500は、上記(m)のとおりの構成である。
一対の第1耐熱板500が設けられていない一方で、上記した側面視略上下逆のU字状の一対の懸架部600が設けられている場合、一方の懸架部600の第1端611、第2端612が、第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’のうちの隣り合う四つのL字部320’の第1端321’又は第2支持部300’の一方の脚部の第1端、他方の脚部の第1端に継手接続され、隣り合う二つのL字部320’の第1端321’又は一方の脚部の第1端と他方の脚部の第1端に掛け渡されており、且つ、他方の懸架部600の第1端611、第2端612が、第2支持部300’の別の隣り合う四つのL字部320’の第1端321’又は第2支持部300’の一方の脚部の第2端、他方の脚部の第2端に継手接続され、別の隣り合う二つの四つのL字部320’の第1端321’又は一方の脚部の第2端と他方の脚部の第2端に掛け渡された構成とすることが可能である。
一対の第1耐熱板500及び一対の懸架部600の双方が設けられておらず且つ第2支持部300’が上記(l)の構成を有する場合、第2支持部300’は、図示しない四つの固定部材を更に有する。第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’と四つの固定部材との何れか一方に係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に刺し込まれることによって、第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’が、第2耐熱シート400を可撓可能に中空支持する。
一対の第1耐熱板500及び一対の懸架部600の双方が設けられておらず且つ第2支持部300’が上記(m)の構成を有する場合、第2支持部300’は、図示しない四つの固定部材を更に有する。第2支持部300’の一対の脚部の第1端及び第2端と四つの固定部材との何れか一方に係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に刺し込まれることによって、第2支持部300’の一対の脚部の第1端及び第2端が、第2耐熱シート400を可撓可能に中空支持する。但し、この場合、第2支持部300’は、一対の第2耐熱板320を更に有している。一対の第2耐熱板320のうちの一方が、一方の脚部の第1端と他方の脚部の第1端とを連結し、他方が、一方の脚部の第2端と他方の脚部の第2端とを連結している。なお、この構成以外の第2支持部300’が、一対の第2耐熱板320を更に有していてもよい。一対の第2耐熱板320は、少なくとも部分的に第1耐熱シート200の上側でY-Y’方向又はX-X’方向に間隔をあけて対向配置されているとよい。
第1支持部100’は、第2支持部300’又は第2耐熱シート400に吊り支持された耐熱性を有する複数のパイプ、棒、板又はロープを有する。第1支持部100’の複数のパイプ、棒、板又はロープの上端は、第2耐熱シート400の複数の辺部又は外周縁部に固定されててもよいし、第2支持部300’の四つのL字部320’の第1端321’、一対の脚部の第1端及び第2端、係止部、一対の懸架部材又は第1、第2連結部に固定されていてもよい。第1耐熱シート200が多角形状である場合、第1支持部100’の複数のパイプ、棒、板又はロープの下端が、第2耐熱シート400の下側(Z’方向側)で第2耐熱シート400に対してZ-Z’方向に間隔をあけて第1耐熱シート200の複数の角部を吊り下げ支持している。第1耐熱シート200が円形状である場合、第1支持部100’の複数のパイプ、棒、板又はロープの下端が、第2耐熱シート400の下側(Z’方向側)で第2耐熱シート400に対してZ-Z’方向に間隔をあけて第1耐熱シート200の外周縁部を吊り下げ支持しており且つ外周縁部の周方向に沿って間隔をあけて配置されている。何れの場合も、第2耐熱シート400の中央部がZ-Z’方向に可撓可能となっている。