(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065252
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】すだれ型の薄膜太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
H02S 30/10 20140101AFI20240508BHJP
H02S 30/20 20140101ALI20240508BHJP
H01G 9/20 20060101ALN20240508BHJP
【FI】
H02S30/10
H02S30/20
H01G9/20 113A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174000
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】722004654
【氏名又は名称】高森 郁哉
(72)【発明者】
【氏名】高森 郁哉
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151AA05
5F151AA11
5F151BA15
5F151JA01
5F151JA09
5F151JA28
5F151JA30
5F251AA05
5F251AA11
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5F251JA01
5F251JA09
5F251JA28
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(57)【要約】
【課題】日照条件が良い一方で多用途でもある集合住宅などのベランダに太陽光発電装置を設置する場合、常設すると不便になってしまう。そのため、軽量で持ち運びがしやすく設置と取り外しを容易に行える装置を提供することが課題である。
【解決手段】発電を行う本体部1に軽量かつ柔軟な薄膜太陽電池を採用し、設置器具を用いるための上縁部2と下縁部3を組み合わせて、設置と取り外しを容易に行えるすだれ型にすることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電を行う本体部1に薄膜太陽電池を採用し、設置器具を用いるための上縁部2と下縁部3を組み合わせることを特徴とする太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅のベランダでの設置と取り外しが容易なすだれ型の薄膜太陽光発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅向けの太陽光発電装置は、戸建て住宅の場合も集合住宅の場合も、屋根上面に頑丈に固定して、数年から十数年もの長期間にわたり据え付けたままにしておくことを想定した製品が大部分であった。
したがって、太陽光発電装置を設置するために屋根を使用することが難しい集合住宅の区分所有者と賃借人、および戸建て住宅の賃借人にとって、日照条件の良いベランダは設置場所として有力な候補となり得る。ただし、住宅のベランダは、洗濯物を干す、布団を干す、不用品を一時的に置いておくなど、多用途のスペースであるため、常設型の発電装置を設置すると、他の目的で使いにくくなり不便が生じてしまう。
【0003】
そうした事情から、ベランダ設置を主眼とした太陽光発電装置の市販品はほとんどなく、携行用や、大規模停電など非常時の使用を想定した、50cm四方程度の比較的小型の結晶系シリコンで構成されるパネルがベランダでの発電に流用される事例が散見される程度であり、それらはパネル面積が小さいことから必然的に発電能力も限られたものとなる。
一方、屋根等に設置される通常の結晶系シリコンパネルは1枚のサイズが1.5m×1m程度で、これの設置と取り外しをベランダにおいて頻繁に行うことは手間であり、硬い材質であることから風にあおられるなどして窓ガラスを傷つけたり割ったりしてしまう危険もある。
【0004】
他方、近年に技術改良と実用化が進んでいるペロブスカイト太陽電池やアモルファス(非晶質)シリコン太陽電池などの薄膜太陽電池には、柔軟かつ軽量という特徴がある。こうした薄膜太陽電池の形状を工夫して提供することで、従来の小型結晶系シリコンパネルよりも発電能力が高く、かつベランダでの設置と取り外しが容易な発電装置となり得る。
【0005】
形状を工夫する際、着目したのが日本の伝統的な住宅設備の「すだれ」である。すだれは、窓の外側の軒下などから容易に吊り下げることができ、主に遮光と遮熱の効果をもたらす。軽量で柔軟な素材で作られており、使用しない時の取り外しも容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
集合住宅や戸建て賃貸住宅のベランダは、日照条件が良いことから太陽光発電装置の設置場所として有力な候補だが、従来の結晶系シリコンパネルを使った発電装置の導入を考える場合、通常のサイズでは設置と取り外しを頻繁に行うのが困難である上ガラス破損などの危険もあり、小型のものでは発電能力に限りがある。
ベランダでの太陽光発電を普及させる上で、軽量かつ柔軟で、設置と取り外しも容易な発電装置が市場に出回っていないことが課題となっている。
本発明は、そうした課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、発電を行う本体部に近年技術改良と実用化が進んでいるペロブスカイト太陽電池やアモルファス(非晶質)シリコン太陽電池などの薄膜太陽電池を採用し、設置器具を用いるための丸穴を伴う上縁部と下縁部を組み合わせることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
軽量かつ柔軟な薄膜太陽電池と、シンプルな構造の上縁部および下縁部を組み合わせた本発明に、数種の設置器具を付属品または別売品として提供することで、使用者は設置と取り外しを容易に行えるようになる。
【0010】
設置器具には、カラビナと呼ばれる環状の金具、ストッパー付きのS字型フック、長さを調節できる自在ロープなどが想定される。これらを適切に組み合わせることで、物干し竿から吊り下げる、物干し竿とベランダ手摺との間に斜めに張る、本発明を2個用意して縦方向に連結するなど、設置したい場所の状況に応じた柔軟な設置が可能になる。
【0011】
本発明の工夫は、すだれの形状と着脱の容易さを手本にしたものだが、全体の大部分を占める薄膜太陽電池が太陽光のエネルギーを電気に変換することから、遮光と遮熱の点でもすだれと同等以上の効果をもたらすことができる。従って、特に気温の高い夏場などは、本発明を使用することで発電を行って世帯で消費する電気の一部を賄えるのと同時に、設置場所に面した部屋の室温上昇が抑制されるので、経済面と環境配慮の観点で二重にエコな暮らしを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
1は発電を行う本体部であり、ペロブスカイト太陽電池やアモルファス(非晶質)シリコン太陽電池などの薄膜太陽電池を用いる。2は上縁部であり、設置器具を用いるための丸穴2つを伴う。3は下縁部であり、設置器具を用いるための丸穴2つを伴う。4は発電した直流電気を出力するコネクターであり、電気ケーブルを経由して、パワーコンディショナー、または蓄電池、またはパワーコンディショナーの機能を内蔵するハイブリッド蓄電池に電気を送り出すことを想定している。
【符号の説明】
【0014】
1 薄膜太陽電池で発電を行う本体部
2 上縁部
3 下縁部
4 コネクター