(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065256
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240508BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20240508BHJP
F21V 21/26 20060101ALI20240508BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240508BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240508BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240508BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20240508BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V21/30 300
F21V21/26
F21Y115:10 500
F21Y115:30
F21Y115:15
F21Y115:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174006
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 暁紀
(57)【要約】
【課題】大型化することなくアームの回転角度の範囲を拡げる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、被取付部に取り付けられるアームと、アームに対し回転自在に取り付けられる板状のベースプレートと、ベースプレートの光源取付面に取り付けられ、光を照射する光源部と、を備え、アームは、被取付部に取り付けられ、第1方向に延びるアーム主部と、アーム主部の両端に設けられ、ベースプレート側に延びるアーム側部と、を有し、ベースプレートは、一面が光源取付面であるベースプレート主部と、ベースプレート主部の両端部からアーム側に延び、第1方向に垂直な第2方向に延びる溝が形成され、溝に沿ってアーム主部がスライド自在に取り付けられるベースプレート側部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に取り付けられるアームと、
前記アームに対し回転自在に取り付けられる板状のベースプレートと、
前記ベースプレートの光源取付面に取り付けられ、光を照射する光源部と、を備え、
前記アームは、
前記被取付部に取り付けられ、第1方向に延びるアーム主部と、
前記アーム主部の両端に設けられ、前記ベースプレート側に延びるアーム側部と、を有し、
前記ベースプレートは、
一面が前記光源取付面であるベースプレート主部と、
前記ベースプレート主部の両端部から前記アーム側に延び、前記第1方向に垂直な第2方向に延びる溝が形成され、前記溝に沿って前記アーム主部がスライド自在に取り付けられるベースプレート側部と、を有する
照明器具。
【請求項2】
前記ベースプレート主部の他面である器具取付面に設けられた器具部品を更に備え、
前記アームは、
前記アーム側部が前記ベースプレート側部に取り付けられた位置を中心として回転自在であり、
前記溝の一端側を中心として回転する場合、前記アーム主部が前記器具部品に干渉し、
前記溝の他端側を中心として回転する場合、前記アーム主部が前記器具部品に非干渉となる
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記溝は、
前記第2方向に延びる水平溝と、
前記水平溝の端部に形成され、前記第2方向と交差する第3方向に延びる垂直溝と、
からなる
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記垂直溝は、
前記アーム側に延びている
請求項3記載の照明器具。
【請求項5】
一対の前記アーム側部は、
対向する一対の前記ベースプレート側部の間に配置されている
請求項1又は2記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光を照射する光源部を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光を照射する光源部を備える照明器具が知られている。特許文献1には、天井等の被取付部に取り付けられたアームが、連結部を介して、一方の面に光源部が取り付けられたベース部に取り付けられた照明装置が開示されている。特許文献2には、ベース主部、ベース側部、アーム及び器具部品を備えている照明器具が開示されている。ベース主部は光源部が取り付けられるものであり、ベース側部はベース主部から上方に立設されたものである。アームは、天井等の被取付部に取り付けられるアーム主部と、アーム主部の両端部から延びてベース側部に回転自在に取り付けられベース主部と対向するアーム側部とを有している。器具部品は、アームとベース主部との間に設けられた点灯装置等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-197232号公報
【特許文献2】特開2020-161387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2も、アーム側部が連結部又はベース側部に取り付けられた位置を回転軸として回転した場合に、アーム主部が器具部品に当たるおそれがある。このため、アームの回転角度が制限されるおそれがある。
【0005】
照明器具が天井に取り付けられる場合、取付方向は上下方向に沿っている。この場合、照射方向は下側であるため、照射方向と取付方向とが一致している。従って、アームの回転角度が制限されても、所望の角度が達成される可能性が高い。一方、照明器具が壁に取り付けられる場合、取付方向は水平方向に沿っている。この場合、照射方向は下側であるため、照射方向と取付方向とが90°ずれている。従って、アームを大きく回転する必要があるため、アーム主部が器具部品に当たる。このため、回転角度が制限されると、照明器具が所望の方向に光を出射することができない。
【0006】
これらを解消することを目的として、アーム側部の長さを長くして、アーム主部と器具部品とが当たらないようにすることが考えられる。しかし、この場合、照明器具が大型化且つ重量化してしまう。また、別にオプションとして取付部材を用いて照明器具を被取付部に取り付けることが考えられる。しかし、この場合も、照明器具が大型化、重量化且つ複雑化してしまう。更に、アームをベース側部から取り外して、所望の角度に変えた状態で再度アームをベース側部に取り付けることが考えられる。しかし、この場合、施工性が悪い。
【0007】
また、照明器具が包装箱に収容される場合、アーム主部が器具部品に当たって回転角度が制限されると、その状態のまま収容する必要がある分、包装箱の上下方向の長さが長くなり、容積が大きくなる。
【0008】
これを解消することを目的として、アーム側部の長さを長くして、アーム主部と器具部品とが当たらないようにすることが考えられる。しかし、この場合、照明器具及び包装箱が大型化且つ重量化してしまう。また、アームをベース側部から取り外して、アーム及びベース側部を別々に包装箱に収容することが考えられる。しかし、この場合、施工性が悪く、包装箱も大型化してしまう。
【0009】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、大型化することなくアームの回転角度の範囲を拡げる照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る照明器具は、被取付部に取り付けられるアームと、アームに対し回転自在に取り付けられる板状のベースプレートと、ベースプレートの光源取付面に取り付けられ、光を照射する光源部と、を備え、アームは、被取付部に取り付けられ、第1方向に延びるアーム主部と、アーム主部の両端に設けられ、ベースプレート側に延びるアーム側部と、を有し、ベースプレートは、一面が光源取付面であるベースプレート主部と、ベースプレート主部の両端部からアーム側に延び、第1方向に垂直な第2方向に延びる溝が形成され、溝に沿ってアーム主部がスライド自在に取り付けられるベースプレート側部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、アーム主部が、ベースプレート側部に形成された第2方向に延びる溝に沿ってスライドする。このため、アーム主部が回転したときに、アーム主部が照明器具の各部品に当たらない位置に移動することができる。このように、大型化することなくアームの回転角度の範囲が拡がる照明器具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具を下方からみた斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具を上方からみた斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具を5方向からみた図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具を示す側面図である。
【
図6】実施の形態1に係る照明器具において、アームを回転したときの図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具において、アームを回転したときを下方からみた斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明器具において、アームを回転したときを上方からみた斜視図である。
【
図9】実施の形態1の変形例に係るベースプレート側部を示す側面図である。
【
図10】実施の形態2に係る照明器具を下方からみた斜視図である。
【
図11】実施の形態2に係る照明器具を上方からみた斜視図である。
【
図12】実施の形態2に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図13】実施の形態2に係る照明器具を5方向からみた図である。
【
図14】実施の形態2に係る照明器具において、アームを回転したときの図である。
【
図15】実施の形態2に係る照明器具において、アームを回転したときを下方からみた斜視図である。
【
図16】実施の形態2に係る照明器具において、アームを回転したときを上方からみた斜視図である。
【
図17】実施の形態3に係る照明器具を下方からみた斜視図である。
【
図18】実施の形態4に係る照明器具を下方からみた斜視図である。
【
図19】実施の形態4に係る照明器具を上方からみた斜視図である。
【
図20】実施の形態4に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図21】実施の形態4に係る照明器具を5方向からみた図である。
【
図22】実施の形態4に係る照明器具において、アームを回転したときの図である。
【
図23】実施の形態4に係る照明器具において、アームを回転したときを上方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示に係る照明器具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。なお、照明器具の幅方向を第1方向と呼称し、照明器具の奥行方向を第2方向と呼称し、照明器具の高さ方向を第3方向と呼称する。即ち、第2方向は、第3方向及び第1方向に垂直に交差する方向であり、第3方向は、第1方向及び第2方向に垂直に交差する方向であり、第1方向は、第2方向及び第3方向に垂直に交差する方向である。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1を下方からみた斜視図であり、
図2は、実施の形態1に係る照明器具1を上方からみた斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具1を示す分解斜視図であり、
図4は、実施の形態1に係る照明器具1を5方向からみた図である。
図4(a)は照明器具1の底面図、
図4(b)、
図4(c)及び
図4(d)は照明器具1の側面図、
図4(e)は照明器具1の上面図である。
図1~
図4に示すように、照明器具1は、例えば天井等の被取付部(図示せず)に取り付けられるものであり、アーム10と、ベースプレート20と、器具部品30と、光源部40と、透光カバー50とを備えている。照明器具1は、例えば体育館又は倉庫等といった高さが高い天井に取り付けられる。なお、照明器具1は、壁等に取り付けられてもよい。
【0015】
(アーム10)
アーム10は、被取付部に取り付けられるものであり、アーム主部11と、アーム側部12とを有している。アーム主部11は、被取付部に取り付けられ、第1方向に延びる板状の部材である。アーム側部12は、アーム主部11の両端に設けられ、ベースプレート20側、即ち、下側に延びる一対の板状の部材である。アーム側部12の先端には、アーム10の外側から挿入されるアーム固定ボルト70(
図3参照)が螺合される溶接ナット13(
図2参照)が設けられている。なお、溶接ナット13は、カシメ加工がなされたものでもよい。ナットを別体にしようとすると、内側のナットを工具で固定しながら外側にアーム固定ボルト70を付けることになり、施工性が低下するため、溶接ナット13は、アーム側部12に固定されていることが好ましい。
【0016】
(ベースプレート20)
ベースプレート20は、アーム10に対し回転自在に取り付けられる板状の部材であり、ベースプレート主部21と、ベースプレート側部22とを有している。ベースプレート主部21は、正方形状の板状の部材である。ベースプレート20の下側の一面が光源部40が取り付けられる光源取付面21bとなっており、ベースプレート20の上側の他面が器具部品30が取り付けられる器具取付面21cとなっている。ベースプレート主部21は、例えば金属製であり、光源部40から発生する熱を放散するものである。なお、ベースプレート主部21の第2方向における両端部には、下方に曲げ加工されたフランジ21aが延びている。
【0017】
ベースプレート側部22は、ベースプレート主部21の第1方向における両端部からアーム10側、即ち上側に延びる一対の板状の部材である。ベースプレート側部22は、ベースプレート主部21と一体化されて曲げ加工されたものである。ベースプレート側部22には、第2方向に延びる溝60が形成されている(
図9(i)参照)。溝60は、第2方向に延びる水平溝61と、水平溝61の両端部に形成され、第3方向のうちアーム10側である上側に延びる垂直溝62とからなる。ここで、一対のアーム側部12は、対向する一対のベースプレート側部22の間に配置されている。一対のアーム側部12が一対のベースプレート側部22の間に配置された状態で、アーム固定ボルト70が溝60に挿入される。そして、溝60に挿入されたアーム固定ボルト70は、アーム側部12に設けられた溶接ナット13に螺合される。これにより、
図1及び
図2に示すように、アーム側部12がベースプレート側部22に固定される。なお、ベースプレート側部22は、ベースプレート主部21とは別部品の金具であってもよい。
【0018】
図5は、実施の形態1に係る照明器具1を示す側面図である。アーム固定ボルト70と溶接ナット13との螺合が緩められると、
図5に示すように、アーム10は、ベースプレート側部22におけるアーム固定ボルト70の位置を中心として回転自在である。
【0019】
(器具部品30)
器具部品30は、ベースプレート主部21の器具取付面21cに取り付けられるものであり、電源ケース31と、電源ユニット32と、電源端子台33と、端子台カバー34とを有している。なお、器具部品30は、ほかに、放熱フィン、制御ユニット又は通信ユニット等を有していてもよい。電源ケース31は、電源端子台33が露出する部分及び下側全面とに開口が形成された箱型形状のケースである。電源ケース31は、電源ユニット32及び電源端子台33に、水又は埃等が侵入することを抑制するものである。電源ケース31の内部には、電源ユニット32及び電源端子台33が収納される。電源ケース31は例えばアルミ押出材で構成されている。電源ケース31が熱伝導率の高い材料で構成されることにより、電源ユニット32から発生する熱を外部へ放散することが可能である。電源ケース31は、ベースプレート主部21における器具取付面21cに取り付けられている。
【0020】
電源ユニット32は、光源部40に電源を供給する回路である。電源ユニット32は、電源ケース31の内部に収納されており、アーム10に対し直交して設けられている。電源ユニット32は、外部電源(図示せず)から供給された交流電力を変換して、変換した直流電力を光源部40に供給する。電源端子台33は、電源ユニット32に取り付けられ、電源ユニット32と共に電源ケース31の内部に収納されている。電源端子台33は、外部電源に接続される電源ケーブル(図示せず)の端子等が接続されるものである。端子台カバー34は、電源ケース31における電源端子台33が露出する部分を覆うように取り付けられるL字状の部材である。端子台カバー34が電源ケース31に取り付けられることにより、端子台カバー34が電源端子台33を覆う。
【0021】
(光源部40)
光源部40は、複数の発光素子(図示せず)と、複数の発光素子が放射状に並べられた基板41を有している。発光素子は、例えば波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配して、パッケージ化された面実装型の疑似白色LED素子である。なお、発光素子は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等が用いられてもよい。基板41は、略四角形状をなしており、四隅がR状に面取りされている。基板41は、ベースプレート主部21における光源取付面21bに取り付けられている。
【0022】
(透光カバー50)
透光カバー50は、光源部40から照射される光を透過させるものであり、略四角形状をなしており、四隅がR状に面取りされている。透光カバー50には、例えば光を拡散する機能又は光を収集する処理が施されている。透光カバー50は、ネジ等によってベースプレート主部21及び光源部40に取り付けられている。
【0023】
次に、アーム10の回転について、詳細に説明する。前述の如く、
図5に示すように、アーム10は、ベースプレート側部22におけるアーム固定ボルト70の位置を中心として回転自在である。この場合、溝60の一端側、例えば電源端子台33側を中心として回転する場合、アーム主部11が器具部品30のうち電源ケース31に干渉する。なお、この場合、アーム固定ボルト70は、溝60の一端側の垂直溝62に挿入されている。これにより、アーム固定ボルト70の螺合が緩められても、ベースプレート側部22がアーム10に引っ掛かった状態で保持される。また、アーム固定ボルト70が垂直溝62に引っ掛かっていることによって、意図せず、アーム固定ボルト70が水平溝61に沿って移動することを規制することができる。ここで、溝60の一端側は、ベースプレート側部22の第2方向における中心に位置している。
【0024】
図6は、実施の形態1に係る照明器具1において、アーム10を回転したときの図である。
図6(a)及び
図6(b)は、照明器具1の側面図であり、
図6(c)は、照明器具1の上面図である。
図6(a)に示すように、アーム固定ボルト70が水平溝61に沿ってスライドすることによって、アーム主部11が水平溝61に沿ってスライドする。このように、ベースプレート側部22には、溝60に沿ってアーム主部11がスライド自在に取り付けられている。溝60の他端側、例えば電源端子台33側とは反対側を中心として回転する場合、アーム主部11が器具部品30に非干渉となる。即ち、アーム10が回転しても、アーム主部11が器具部品30に干渉せずに、回転し続けることができる。これにより、
図6(a)、
図6(b)及び
図6(c)に示すように、アーム10が90°回転して折り畳まれ、ベースプレート20から突出する。この状態で、照明器具1は、例えば包装箱等に収容される。なお、溝60の他端側が、ベースプレート側部22の第2方向における中心に位置していてもよい。
【0025】
図7は、実施の形態1に係る照明器具1において、アーム10を回転したときを下方からみた斜視図であり、
図8は、実施の形態1に係る照明器具1において、アーム10を回転したときを上方からみた斜視図である。上記のように、アーム10が90°回転して折り畳まれると、
図7及び
図8に示すように、第3方向の長さが短くなるため、コンパクトにして収納することができる。また、照明器具1が壁に取り付けられる場合、取付方向は水平方向に沿っている。この場合、照射方向は下側であるため、照射方向と取付方向とが90°ずれている。本実施の形態1は、アーム10が90°回転すると、照射方向と取付方向とを一致させることができる。従って、照明器具1は、所望の方向に光を出射することができる。
【0026】
本実施の形態1によれば、アーム主部11が、ベースプレート側部22に形成された第2方向に延びる溝60に沿ってスライドする。このため、アーム主部11が回転したときに、アーム主部11が照明器具1の各部品に当たらない位置に移動することができる。このように、大型化することなくアーム10の回転角度の範囲が拡がる照明器具1を実現することができる。また、アーム10の回転角度が広がることによって、アーム10がベースプレート主部21に沿った方向まで回転することができる。このため、照明器具1が包装箱等に収容される場合、包装箱の容積が小さくて済む。
【0027】
また、本実施の形態1において、一対のアーム側部12は、対向する一対のベースプレート側部22の間に配置されている。そして、ベースプレート側部22に溝60が形成されていることによって、ベースプレート側部22がアーム側部12の摺動面となっている。従来、ベースプレート側部22の内側にカシメ又は溶接によってナットが固定され、アーム側部12がベースプレート側部22に配置されてボルトによって固定される技術が知られている。この場合、ナットがベースプレート側部22に設けられているため、ベースプレート側部22に溝60を形成して、アーム10をベースプレート側部22上でスライドさせることができない。これを解消するために、アーム10側に溝60を形成してアーム10をスライドさせることが考えられる。しかし、アーム10に溝60が形成されることによって、アーム10の幅方向の長さが長くなって、照明器具1が大型化及び重量化するおそれがある。
【0028】
(変形例)
図9は、実施の形態1の変形例に係るベースプレート側部22を示す側面図である。ベースプレート側部22に形成される溝60の形状は、
図9(i)に示す実施の形態1の形状に限定されず、各形状に変更することができる。溝60の形状が変更されることによって、アーム10の回転中心がずれる。アーム10の回転方向をずらす方向は、水平方向に限らず、上下方向でも良いし、斜め方向でもよい。また、溝60の形状は、直線に限らず、曲線でもよい。
図9(i)に示すように、本実施の形態1は、〇印部において、アーム10固定時の位置決めが容易であり、アーム10の高さ調整が可能である。
【0029】
図9(a)において、溝60aは、垂直溝62が形成されておらず、水平溝61のみとなっている。この場合も、実施の形態1と同様に、アーム10のスライドは容易である。
図9(b)において、溝60bは、水平溝61の他端側のみに垂直溝62が形成されている。この場合、
図9(b)の〇印部において、アーム10固定時の位置決めが容易であり、アーム10のスライドも容易である。
図9(c)において、溝60cは、V字状をなしている。この場合、
図9(c)の〇印部において、アーム10固定時の位置決めが容易であり、アーム10のスライドも容易である。
【0030】
図9(d)の溝60dは、実施の形態1である
図9(i)の溝60と上下方向が逆となっている。このように、垂直溝62が水平溝61に対し下側に延びていてもよい。この場合、アーム10をスライドさせるときに、アーム10をベースプレート20に対して、垂直溝62に沿って上側に移動させてから、水平溝61をスライドさせて、器具部品30から離す。例えば、電源ユニット32等の器具部品30の形状によっては、アーム10を溝60に沿って移動させるときに、アーム主部11と器具部品30とが干渉することが考えられる。この場合、垂直溝62によってアーム10が器具部品30から離れる方向に移動することによって、アーム10と器具部品30とが干渉することを抑制することができる。
図9(e)の溝60eは、
図9(b)の溝60bに対し点対称となっている。
図9(f)の溝60fは、
図9(c)の溝60cと上下方向が逆となっている。
図9(a)、
図9(b)及び
図9(c)は、
図9(d)、
図9(e)及び
図9(f)よりも、アーム10の位置決め性がより良い。
【0031】
図9(g)の溝60g及び
図9(h)の溝60hは、水平溝61が斜め方向に延びているものである。この場合も、アーム10のスライドが容易である。
【0032】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る照明器具100を下方からみた斜視図であり、
図11は、実施の形態2に係る照明器具100を上方からみた斜視図である。
図12は、実施の形態2に係る照明器具100を示す分解斜視図である。
図13は、実施の形態2に係る照明器具100を5方向からみた図である。
図13(a)は照明器具100の底面図、
図13(b)、
図13(c)及び
図13(d)は照明器具100の側面図、
図13(e)は照明器具100の上面図である。本実施の形態2は、ベースプレート20にヒートシンク180が設けられている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0033】
図10~
図13に示すように、ヒートシンク180は、ベースプレート主部21における器具取付面21cに設けられている。ヒートシンク180は、ベースプレート主部21から立設する複数の板状のフィン181から構成されており、電源ケース31を避けるように、ベースプレート主部21に設けられている。本実施の形態2は、フィン181が電源ケース31に並んで配置されている場合について例示しているが、フィン181が電源ケース31の上側に配置されてもよい。フィン181が電源ケース31に並んで配置されている場合、フィン181が電源ケース31の上側に配置されるよりも、フィン181の高さの分だけ器具部品30全体の高さが低くなる。このため、アーム10の長さが短くても、アーム10が器具部品30に干渉せずに回転することができる。
【0034】
図14は、実施の形態2に係る照明器具100において、アーム10を回転したときの図である。
図14(a)及び
図14(b)は、照明器具100の側面図であり、
図14(c)は、照明器具100の上面図である。本実施の形態2においても、アーム固定ボルト70が水平溝61に沿ってスライドすることによって、アーム主部11が水平溝61に沿ってスライドする。この場合、アーム10が回転しても、アーム主部11が器具部品30に干渉せずに、回転し続けることができる。これにより、
図14(a)、
図14(b)及び
図14(c)に示すように、アーム10が90°回転して折り畳まれ、ベースプレート20から突出する。この状態で、照明器具100は、例えば包装箱等に収容される。
【0035】
図15は、実施の形態2に係る照明器具100において、アーム10を回転したときを下方からみた斜視図であり、
図16は、実施の形態2に係る照明器具100において、アーム10を回転したときを上方からみた斜視図である。上記のように、アーム10が90°回転して折り畳まれると、
図15及び
図16に示すように、第3方向の長さが短くなるため、コンパクトにして収納することができる。このように、ヒートシンク180が設けられた照明器具100においても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0036】
実施の形態3.
図17は、実施の形態3に係る照明器具200を下方からみた斜視図である。本実施の形態3は、透光カバー250の形状が実施の形態1と相違する。また、本実施の形態3は、ベースプレート20及び電源ケース31の第2方向の長さが、実施の形態1と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0037】
図17に示すように、透光カバー250は、下方に突出するように略ドーム状をなしている。また、ベースプレート20及び電源ケース31の第2方向の長さが、第1方向の長さよりも長い。即ち、照明器具200は、第2方向に沿って長尺状をなしている。
【0038】
ここで、溝60について説明する。溝60の第2方向の長さは、ベースプレート20の第2方向の長さが長くなることに伴って、長くなる。このため、アーム固定ボルト70が水平溝61に沿ってスライドする距離も長くなる。従って、アーム主部11が水平溝61に沿ってスライドする距離も長くなる。これにより、電源ケース31が長尺状であっても、アーム10が電源ケース31に干渉せずに、回転し続けることができる。そして、アーム10が90°回転して折り畳まれ、ベースプレート20から突出する。この状態で、照明器具200は、例えば包装箱等に収容される。
【0039】
このように、ベースプレート20の長さが長くなっても、溝60の長さを追随して長くすることによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0040】
実施の形態4.
図18は、実施の形態4に係る照明器具300を下方からみた斜視図であり、
図19は、実施の形態4に係る照明器具300を上方からみた斜視図である。
図20は、実施の形態4に係る照明器具300を示す分解斜視図であり、
図21は、実施の形態4に係る照明器具300を5方向からみた図である。
図21(a)は照明器具300の底面図、
図21(b)、
図21(c)及び
図21(d)は照明器具300の側面図、
図21(e)は照明器具300の上面図である。本実施の形態4は、ベースプレート320において、ベースプレート主部321とベースプレート側部322とが別体である点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態4では、実施の形態1及び3と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1及び3との相違点を中心に説明する。
【0041】
図18~
図21に示すように、ベースプレート主部321は、第1方向に延びる板状の部材である。ベースプレート側部322は、ベースプレート主部321の器具取付面21cに設けられる板状の部材である取付金具323に設けられている。ベースプレート側部322は、取付金具323の第1方向における両端部からアーム10側、即ち上側に延びる一対の板状の部材である。この場合、器具部品30は、ベースプレート主部321ではなく、取付金具323に取り付けられる。取付金具323は、熱伝導性が高い金属材料とすることによって、光源部40から発生する熱を放散する効果が高まる。
【0042】
本実施の形態4では、2つの光源部40と2つの透光カバー250とを備えている。2つの光源部40は、それぞれ並べられてベースプレート主部321の光源取付面21bに取り付けられる。2つの透光カバー250は、それぞれ2つの光源部40を覆うように、ベースプレート主部321に取り付けられている。
【0043】
図22は、実施の形態4に係る照明器具300において、アーム10を回転したときの図である。
図22(a)及び
図22(b)は、照明器具300の側面図であり、
図22(c)は、照明器具300の上面図である。本実施の形態4においても、アーム固定ボルト70が水平溝61に沿ってスライドすることによって、アーム主部11が水平溝61に沿ってスライドする。この場合、アーム10が回転しても、アーム主部11が器具部品30に干渉せずに、回転し続けることができる。これにより、
図22(a)、
図22(b)及び
図22(c)に示すように、アーム10が90°回転して折り畳まれ、ベースプレート20から突出する。この状態で、照明器具300は、例えば包装箱等に収容される。
【0044】
図23は、実施の形態4に係る照明器具300において、アーム10を回転したときを上方からみた斜視図である。上記のように、アーム10が90°回転して折り畳まれると、
図23に示すように、第3方向の長さが短くなるため、コンパクトにして収納することができる。このように、ベースプレート主部321とベースプレート側部322とが別体である照明器具300においても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0045】
光源部40を構成するLEDモジュールの出力の差によって、LEDモジュールのサイズが変わったり、複数のLEDモジュールを連結したりする場合がある。この場合、ベースプレート主部321とベースプレート側部322とが一体的に設けられていると、各々のLEDモジュールのサイズに合わせたベースプレート主部321及びベースプレート側部322を有するベースプレート20が必要となる。これにより、照明器具300が大型化するおそれがあり、且つ、それぞれのLEDモジュールのサイズに適合する器具部品30を用意する必要もある。これに対し、本実施の形態4は、ベースプレート主部321とベースプレート側部322が設けられた取付金具323とが、別体である。このため、ベースプレート主部321の大きさを変えるのみで、種々のサイズのLEDモジュールを用いることができる。また、取付金具323の大きさを変えずに、様々なサイズのLEDモジュールを使用することができるため、取付金具323の共有化を図ることができる。
【0046】
また、ベースプレート主部321とベースプレート側部322とが別体である場合、ベースプレート側部322がベースプレート主部321の端部に配置される必要がなくなる。このため、LEDモジュールのサイズが大きくなっても、アーム10の幅を拡げる必要がない。このため、アーム10が大型化することが抑制され、また、アーム10の共有化を図ることができる。
【0047】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0048】
[付記1]
被取付部に取り付けられるアームと、
前記アームに対し回転自在に取り付けられる板状のベースプレートと、
前記ベースプレートの光源取付面に取り付けられ、光を照射する光源部と、を備え、
前記アームは、
前記被取付部に取り付けられ、第1方向に延びるアーム主部と、
前記アーム主部の両端に設けられ、前記ベースプレート側に延びるアーム側部と、を有し、
前記ベースプレートは、
一面が前記光源取付面であるベースプレート主部と、
前記ベースプレート主部の両端部から前記アーム側に延び、前記第1方向に垂直な第2方向に延びる溝が形成され、前記溝に沿って前記アーム主部がスライド自在に取り付けられるベースプレート側部と、を有する
照明器具。
[付記2]
前記ベースプレート主部の他面である器具取付面に設けられた器具部品を更に備え、
前記アームは、
前記アーム側部が前記ベースプレート側部に取り付けられた位置を中心として回転自在であり、
前記溝の一端側を中心として回転する場合、前記アーム主部が前記器具部品に干渉し、
前記溝の他端側を中心として回転する場合、前記アーム主部が前記器具部品に非干渉となる
付記1記載の照明器具。
[付記3]
前記溝は、
前記第2方向に延びる水平溝と、
前記水平溝の端部に形成され、前記第2方向と交差する第3方向に延びる垂直溝と、
からなる
付記1又は2記載の照明器具。
[付記4]
前記垂直溝は、
前記アーム側に延びている
付記3記載の照明器具。
[付記5]
一対の前記アーム側部は、
対向する一対の前記ベースプレート側部の間に配置されている
付記1~4のいずれか1つに記載の照明器具。
【符号の説明】
【0049】
1 照明器具、10 アーム、11 アーム主部、12 アーム側部、13 溶接ナット、20 ベースプレート、21 ベースプレート主部、21a フランジ、21b 光源取付面、21c 器具取付面、22 ベースプレート側部、30 器具部品、31 電源ケース、32 電源ユニット、33 電源端子台、34 端子台カバー、40 光源部、41 基板、50 透光カバー、60 溝、60a 溝、60b 溝、60c 溝、60d 溝、60e 溝、60f 溝、60g 溝、60h 溝、61 水平溝、62 垂直溝、70 アーム固定ボルト、100 照明器具、180 ヒートシンク、181 フィン、200 照明器具、250 透光カバー、300 照明器具、320 ベースプレート、321 ベースプレート主部、322 ベースプレート側部、323 取付金具。