(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065263
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/06 20060101AFI20240508BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240508BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G09B5/06
G06Q50/20
B42D1/00 B
B42D1/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174019
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】515287055
【氏名又は名称】株式会社Avirity Information
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(72)【発明者】
【氏名】奥野 友美
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BA03
2C028BB04
2C028BB06
2C028BC01
2C028BC05
2C028BD01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】 学習支援の経過で得られた音声を用いて音声付き絵本の音声データを選定する情報処理装置、及びプログラム提供する。
【解決手段】 所定の頁を開いた際に音声を出力する音声付き絵本における音声データを選定する情報処理装置1が、学習用コンテンツを利用者に提示する学習用コンテンツ提示手段11と、学習用コンテンツの提示における所定のタイミングで利用者に所定の質問を提示し、該提示した質問に対する利用者の回答を音声入力する質問手段12と、頁及び質問に基づいて、音声付き絵本において出力する音声を回答から選定する音声選定手段13を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の頁を開いた際に音声を出力する音声付き絵本における音声データを選定する情報処理装置であって、
学習用コンテンツを利用者に提示する学習用コンテンツ提示手段と、
前記学習用コンテンツの提示における所定のタイミングで前記利用者に所定の質問を提示し、該提示した質問に対する前記利用者の回答を音声入力する質問手段と、
前記頁及び前記質問に基づいて、前記音声付き絵本において前記出力する前記音声を前記回答から選定する音声選定手段と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記質問手段は、前記質問に対する回答に基づいて追加の質問を提示し、該提示した前記追加の質問に対する前記回答を音声入力し、
前記音声選定手段は、前記及び前記質問に加えて、前記追加の質問に基づいて前記音声を選定する
ことを特徴とする、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習用コンテンツが絵本である
ことを特徴とする、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータを請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、及びプログラムに関し、具体的には、学習支援の経過で得られた音声を用いて音声付き絵本の音声データを選定する情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いて絵本の読み聞かせ等の学習を支援する情報システムとして、例えば特許文献1の学習支援装置が知られている。
【0003】
特許文献1 の学習支援装置は、複数の問題を含む宿題を表示する表示手段と、利用者の操作に基づいて宿題の解答の入力を行う入力手段を備え、宿題の全ての問題に正解するか、または所定の時間以上解答の入力がなかった場合に宿題を終了したと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
教育コストが上昇する傾向にある昨今において学習を情報システムにより支援する従来技術のような情報システムは有用性が高く、例えば年齢層の低い児童を対象に絵本の読み聞かせ等による学習を情報システムにより支援することが求められている。
【0006】
一方で、児童の親等保護者が児童の成長を写真や動画で記録することが広く行われている。昨今では、単に写真や動画を一覧できるのみではなく、ストーリーと共に児童の成長を確かめることができるコンテンツの提供が求められている。
【0007】
本発明は前述の課題に鑑み、学習支援の経過で得られた音声を用いて音声付き絵本の音声データを選定する情報処理装置、及びプログラムの提供をすることを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決することを課題としてなされた本発明に係る情報処理装置は、所定の頁を開いた際に音声を出力する音声付き絵本における音声データを選定する情報処理装置であって、学習用コンテンツを利用者に提示する学習用コンテンツ提示手段と、前記学習用コンテンツの提示における所定のタイミングで前記利用者に所定の質問を提示し、該提示した質問に対する前記利用者の回答を音声入力する質問手段と、前記頁及び前記質問に基づいて、前記音声付き絵本において前記出力する前記音声を前記回答から選定する音声選定手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る情報処理装置は、前記質問手段が、前記質問に対する回答に基づいて追加の質問を提示し、該提示した前記追加の質問に対する前記回答を音声入力し、前記音声選定手段は、前記頁及び前記質問に加えて、前記追加の質問に基づいて前記音声を選定するようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、前記学習用コンテンツが絵本であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、学習用コンテンツ提示手段による学習用コンテンツの提示における所定のタイミングで、質問手段により利用者に質問を提示するとともに、利用者の回答を音声入力する。当該音声入力した回答を音声選定手段により音声データとして選定するので、学習支援の経過で得られた音声を用いて音声付き絵本の音声データを選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る実施形態の一例における情報処理装置の構成を示した図である。
【
図2】同実施形態の一例における、データベースの主要な論理構成を示すエンティティ図である。
【
図3】同実施形態の一例における、学習用コンテンツ提示処理の流れを示すフロー図である。
【
図4】同実施形態の一例における、音声データ抽出処理の流れを示すフロー図である
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る情報処理装置の構成を示す図である。
図1で示すように、本実施形態の一例に係る情報処理装置1は、学習用コンテンツ提示手段11と、質問手段12と、音声選定手段13と、データベース14を備えている。
【0014】
なお、本実施形態の一例における情報処理装置1は周知のコンピュータを用いて構成されている。コンピュータのHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)その他のストレージ装置に予め記録されたプログラムをメモリにロードして、CPU(中央演算装置)が実行することにより、コンピュータを情報処理装置1として機能させる。情報処理装置1に用いるコンピュータは、例えばタブレットコンピュータの様な携帯端末でも良いし、或いは据置型のパーソナルコンピュータであっても良い。
【0015】
学習用コンテンツ提示手段11は、情報処理装置1の利用者に学習用コンテンツを提示する。本実施形態の一例における学習用コンテンツの提示は、具体的には、児童その他の利用者に対する絵本の読み聞かせであり、学習用コンテンツ提示手段14が、学習用コンテンツである絵本を頁単位で利用者に提示する。後述するデータベース14には、学習用コンテンツである絵本を構成する文章、映像、音声その他の情報が頁毎に記録されており、学習用コンテンツ提示手段11は、提示する絵本毎に、上記情報を頁単位でデータベース14から取得し、ディスプレイ等の表示装置やスピーカ等の音声出力装置その他の出力装置(図示しない)に出力することにより、利用者に学習用コンテンツを提示する。
【0016】
質問手段12は、前述の学習用コンテンツの提示における所定のタイミングで利用者に所定の質問を提示し、当該提示した質問に対する利用者の回答を音声入力する。本実施形態の一例では、データベース14に質問に関する情報が前述の頁と紐づけて記録されており、所定の頁を提示した後に、当該頁に紐づく質問がデータベース14に記録されている場合に当該質問を取得して利用者に提示する。本実施形態の一例における質問は質問文及び当該質問文を読み上げる音声によって利用者に提示され、質問文がディスプレイ等の表示装置に出力されるとともに、音声をスピーカ等の音声出力値に出力される。
【0017】
本実施形態の一例では、前述の質問に対する回答は利用者の音声をマイクロフォン等の音声入力装置(図示しない)に入力することで行われる。本実施形態の一例では、入力された回答に基づいて追加の質問が提示される。
【0018】
音声選定手段13は、音声付き絵本の頁の内容と、前述の質問手段12により提示した質問及び追加の質問に基づいて、音声付き絵本が出力する音声を前述の回答から選定する。
【0019】
データベース14は、前述のコンピュータを情報処理装置1として機能させるに際して必要な情報を記録するデータベースである。本実施形態の一例におけるデータベース14は、情報処理装置1に構築されたRDBMS(Relational Database Management System)であり、学習用コンテンツに関する学習コンテンツ情報、質問に関する質問情報、音声付き絵本に関する音声付き絵本情報の他、利用者の年齢や学習状況その他に関する利用者情報と、利用者の質問に対する回答に関する回答情報がデータベース14に記録される。なお、本実施形態の一例ではデータベース14としてRDBMSを用いているが、データベース14の具体的な構成は任意に選択してよく、例えば、情報処理装置1のストレージ装置の一部をデータベース14として用いるようにしてもよい。
【0020】
なお、情報処理装置1の具体的なハードウェア構成は任意に選択してよく、本実施形態の一例のように1台のコンピュータを用いて構成しても良いし、2台以上のコンピュータを用いて構成しても良い。2台以上のコンピュータを用いる場合に、情報処理装置1の機能をどの様に分担させるかについても任意に選択して良く、例えば、利用者が用いるクライアント端末と、インターネットその他のネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置を用いて情報処理装置1を構成するようにしても良い。
【0021】
本実施形態の一例における情報処理装置1の構成は以上である。次いで、本実施形態の一例における情報処理装置1が扱う情報の論理的な構成について説明する。
図2は、本実施形態の一例におけるデータベース14の主要な論理構成をIE記法により示すエンティティ図である。
図2で示すように、本実施形態の一例におけるデータベース14には、主要な論理構成として、学習用コンテンツエンティティE100と、学習用コンテンツ頁エンティティE110と、学習度合いエンティティE120と、年齢層エンティティE130と、利用者エンティティE200と、学習履歴エンティティE210と、回答円エンティティE220と、質問エンティティE300と、音声付き絵本エンティティE400と、音声付き絵本頁エンティティE410と、質問・音声エンティティE500と、利用者・絵本エンティティE600と、利用者・絵本頁エンティティE610を備えている。
【0022】
学習用コンテンツエンティティE100は、学習用コンテンツである絵本の書誌情報その他のメタデータを表すエンティティである。学習用コンテンツエンティティE100は、学習用コンテンツを学習用コンテンツID E101と、学習度合いID E102と、タイトルE103と、著者E104と、頁数E105を主要な属性として備えている。学習用コンテンツID E101は学習用コンテンツを一意に識別する属性であり、学習度合いID E102は後述する学習度合いエンティティE120の学習度合いID E121を参照する属性である。学習用コンテンツエンティティE100と学習度合いエンティティE120は0~N対1の関係で紐づけられており、一の学習用コンテンツに対して必ず一の学習度合いが設定される一方、いずれの学習用コンテンツとも紐づかない学習度合いが存在し得る構成となっている。
【0023】
前述のとおり、本実施形態の一例では、学習用コンテンツである絵本を頁単位で利用者に提示する。当該頁の内容を表すエンティティが学習用コンテンツ頁エンティティE110であり、主要な属性として、学習用コンテンツ頁ID E111と、学習用コンテンツID E112と、表示順E113と、頁映像E114と、頁文章E115と、頁音声E116を備えている。学習用コンテンツ頁ID E111は学習用コンテンツ頁を一意に識別する属性であり、学習用コンテンツID E112は前述の学習用コンテンツエンティティE100の学習用コンテンツID E101を参照する属性である。学習用コンテンツエンティティE100と学習用コンテンツ頁エンティティE110は1対1~Nの関係で紐づけられ、一の学習用コンテンツは1以上の頁を含むように構成されている。なお、本実施形態において、学習用コンテンツの頁として利用者に提示される内容は学習用コンテンツ頁エンティティE110の属性として頁映像E114、頁文章E115、及び頁音声E116から構成されているが、各頁の各々において提示する内容は任意に選択してよい。例えば、一の頁では文章のみ提示し、他の頁では映像を表示するように構成してよい。また、映像は動画であっても良いし、静止画であってもよい。
【0024】
学習度合いエンティティE120は、利用者の学習度合いを表すエンティティであると共に、学習用コンテンツである絵本の選定基準を表すエンティティである。学習度合いエンティティE120は主要な属性として、学習度合いID E121と、学習度合い名E122と、下位学習度合いID E123と、上位学習度合いID E124を備えている。学習度合いID E121は学習度合いを一意に識別する属性であり、下位学習度合いID E123及び上位学習度合いID E124は下位又は上位となる学習度合いエンティティE120の学習度合いID E121を参照する属性である。学習度合いエンティティE120は、下位学習度合いID E123及び上位学習度合ID E124により、下位又は上位となる学習エンティティE120のそれぞれと1対0~1の関係で紐づけられている。
【0025】
年齢層エンティティE130は、利用者の年齢層を表すエンティティである。年齢層エンティティE130は主要な属性として、年齢層ID E131と、基準学習度合いID E132と、年齢下限E133と、年齢上限E134を備えている。年齢層ID E131は年齢層を一意に識別する属性であり、基準学習度合いID E132は年齢層エンティティE130の年齢層IDを参照する属性である。年齢層エンティティE130と学習度合いエンティティE120は0~N対1の関係で紐づけられている。
【0026】
利用者エンティティE200は、利用者を表すエンティティである。利用者エンティティE200は、主要な属性として、利用者ID E201と、氏名E202と、年齢E203と、性別E204と、学習度合いID E205を備えている。利用者ID E201は利用者を一意に識別する属性であり、学習度合いID E205は学習度合いエンティティE120の学習度合いID E121を参照する属性である。利用者エンティティE200と学習度合いエンティティE120は0~N対1の関係で紐づけられ、利用者の現在の学習度合いが設定されるように構成されている。なお、利用者の学習度合いは後述するように、学習用コンテンツの提示毎に更新されるが、初回利用時には前述の年齢層エンティティE130を参照して、利用者の年齢に基づく基準学習度合いを初期値として設定する。
【0027】
学習履歴エンティティE210は、利用者の学習履歴を表すエンティティである。学習履歴エンティティE210は、主要な属性として、学習履歴ID E211と、利用者ID E212と、学習用コンテンツID E213と、学習開始日時E214と、学習終了日時E215と、閲覧頁E216を備えている。学習履歴ID E211は学習履歴を一意に識別する属性であり、利用者ID E212及び学習用コンテンツID E213は、それぞれ、利用者エンティティE200の利用者ID E201及び学習用コンテンツエンティティE100の学習用コンテンツID E101を参照する属性である。学習履歴エンティティE210と利用者エンティティE200及び学習用コンテンツエンティティE100のそれぞれは0~N対1の関係で紐づけられており、学習履歴エンティティE210と学習用コンテンツ頁エンティティE110は0~N対0~1の関係で紐づけられている。
【0028】
回答エンティティE220は、質問に対する利用者の回答を表すエンティティである。回答エンティティは、主要な属性として、回答ID E221と、学習履歴ID E222と、質問ID E223と、回答内容E224を備えている。回答IDは回答を一意に識別する属性であり、学習履歴ID E222は学習履歴エンティティE210の学習履歴ID E211を参照する属性であり、質問ID E223は後述する質問エンティティE300の質問ID E301を参照する属性である。回答エンティティE220と学習履歴エンティティE210及び質問エンティティE300はそれぞれ0~N対1の関係で紐づけられている。
【0029】
質問エンティティE300は、利用者に提示する質問を表すエンティティである。質問エンティティは、主要な属性として、質問ID E301と、頁ID E302と、質問種別E303と、前質問ID E304と、提示条件E305と、質問文E306と、質問映像E307と、質問音声E308を備えている。質問ID E301は質問エンティティE300を一意に識別する属性である。頁ID E302は学習用コンテンツ頁エンティティE110の学習用コンテンツ頁ID E111を参照する属性であり、学習用コンテンツ頁エンティティE110と質問エンティティE300は1対0~Nの関係で紐づけられている。
【0030】
質問種別E303は、質問エンティティE300の種別を示す属性であり、本実施形態の一例では、質問と、回答の音声認識に失敗した場合等に再度の回答を促す質問を示す再質問と、追加の質問の何れかを示す情報が質問種別E303として設定される。本実施形態の一例では、質問に対する回答が所定の提示条件を満たす場合に追加の質問を提示する構成となっており、当該追加の質問を表す質問エンティティE300は、当該質問及び提示条件が前質問ID E304及び提示条件E305に設定される。また、本実施形態の一例では、所定の頁を提示した場合に利用者に質問を提示しているが、これに加えて、利用者の回答が得られた場合等に対する反応を示すようにしてもよい。この場合に、例えば質問エンティティE300を、質問その他の頁に紐づく追加的な学習行程を表すエンティティとして構成し、質問種別E303によって当該学習行程の種類が質問、反応、その他の行程等のいずれであるかを示すようにしてもよい。
【0031】
絵本エンティティE400は、音声付き絵本の書誌情報その他のメタデータを表すエンティティである。絵本エンティティE400は、主要な属性として、絵本ID E401と、タイトルE402と、頁数E403を主要な属性として備えている。絵本ID E401は絵本を一意に識別する属性である。
【0032】
絵本エンティティ頁E410は、音声付き絵本の頁を表すエンティティである。絵本頁エンティティE410は、絵本頁ID E411と、絵本ID E412と、表示順E413と、頁映像E414と、頁文章E415を備えている。絵本頁ID E411は絵本の頁を一意に識別する属性であり、絵本ID E412は絵本エンティティE400の絵本ID E401を参照する属性である。絵本頁エンティティE410と絵本エンティティE400は1~N対1の関係で紐づけられ、一の絵本は1以上の頁を含むように構成されている。なお、本実施形態において、音声付き絵本における各頁の内容は絵本頁エンティティE410の属性として頁映像E414、頁文章E415から構成されているが、各頁の各々において提示する内容は任意に選択してよい。例えば、一の頁では文章のみ提示し、他の頁では映像を表示するように構成してよい。また、映像は動画であっても良いし、静止画であってもよい。
【0033】
本実施形態の一例における音声付き絵本は、所定の頁を開いた際に音声を出力するよう構成されている。当該所定の頁と、音声を選定する質問を紐づけるエンティティが絵本頁・質問エンティティE500である。絵本頁・質問エンティティE500は、主要な属性として、絵本頁エンティティE410の絵本頁ID E411を参照する絵本頁ID E501と、質問エンティティE300の質問ID E301を参照する質問ID E301を備えており、絵本頁エンティティE410と質問エンティティE300を0~N対0~Nの関係で紐づける。
【0034】
本実施形態の一例における情報処理装置1は、前述の通り、音声付き絵本が出力する音声データを利用者の回答から選定する。選定した音声データは、データベース14に利用者・絵本エンティティE600及び絵本頁・音声エンティティE610として記録される。利用者・絵本エンティティE600は、音声データを選定した音声付き絵本を利用者と紐づけて表すエンティティであり、主要な属性として、利用者・絵本ID E601と、利用者ID E602と、絵本ID E603と、作成日時E604を備えている。利用者・絵本IDは、利用者・絵本エンティティE600を一意に識別する属性であり、利用者ID E602及び絵本ID E603はそれぞれ利用者エンティティE200の利用者ID E201、絵本エンティティE500の絵本ID E501を参照する属性である。利用者・絵本エンティティE600により、利用者エンティティE200と絵本エンティティE500は0~N対0~Nの関係で紐づけられる。
【0035】
絵本頁・音声エンティティE610は、音声付き絵本における音声、すなわち、情報処理装置1により選定された音声データを表すエンティティである。絵本頁・音声エンティティE610は、主要な属性として、利用者・絵本エンティティE600の利用者・絵本ID E601を参照する利用者・絵本ID E611と、絵本頁エンティティE410の絵本頁ID E411を参照する絵本頁ID E612と、回答エンティティE220の回答IDを参照する音声ID E613を備えている。絵本頁・音声エンティティE610と利用者・絵本エンティティE600は1~N対1の関係で紐づけられており、また、絵本頁・音声エンティティE610により、絵本頁エンティティ410と回答エンティティE220が0~N対0~Nの関係で紐づけられている。
【0036】
以上が、本実施形態の一例におけるデータベース14の主要な論理構成である。なお、情報処理装置1が扱う情報をどの様に構成するかは、情報処理装置1の構成や性能、処理速度その他の要求に応じて任意に選択してよい。また、前述のように、データベース14を具体的にどのように構成するかは任意であり、例えば、学習用コンテンツ頁エンティティE110や絵本頁エンティティE410に相当する情報を情報処理装置1のデータストアに表形式のファイルとして直接記録するようにしてもよいし、或いは、頁の内容である映像や音声を、所定のフォーマットのファイルとして情報処理装置1のデータストアに記録するようにしてもよい。
【0037】
次いで、本実施形態の一例における、学習用コンテンツの提示処理の流れについて説明する。
図3は、本実施形態の一例における、学習用コンテンツの提示処理の流れを示すフロー図である。
【0038】
本実施形態の一例における学習用コンテンツの提示処理において、情報処理装置1は、先ず、利用者に提示する学習用コンテンツを選択する(ステップS101)。
【0039】
前述の通り、本実施形態の一例におけるデータベース14では、利用者エンティティE200と学習度合いエンティティE120、及び、学習度合いエンティティE120と学習用コンテンツE100が紐づけられている。学習用コンテンツ提示手段11は、利用者を表す利用者エンティティE200と紐づく学習度合いエンティティE120から、当該学習度合いエンティティE120に紐づく学習用コンテンツの一を選定する。利用者の学習度合いに紐づく学習用コンテンツが2以上ある場合にいずれの学習用コンテンツを選定する方法は任意に選択してよく、例えば、乱数を用いて選定してもよいし、或いは、学習履歴が記録されていない学習用コンテンツを優先的に選定するようにしてもよい。
【0040】
学習用コンテンツの選択が完了すると、次いで、情報処理装置1は、利用者の学習履歴を生成する(ステップS102)。ステップS102では、利用者エンティティE200及び選択した学習用コンテンツエンティティE100のそれぞれを参照する情報と、ステップS102を実行した日時を学習開始日時として含む学習履歴エンティティE210を生成して、データベース14に記録する。
【0041】
次いで、情報処理装置1は、学習用コンテンツ提示手段11による頁の提示を行う(ステップS103)。前述の通り、本実施形態の一例では、一の学習用コンテンツエンティティE100に対して1以上の学習用コンテンツ頁エンティティE110が紐づけられている。ステップS103では、前述のステップS101が選択した学習用コンテンツから、未だ利用者に提示していない頁であって、最も表示順の早い頁を表す学習用コンテンツ頁エンティティE110を取得し、当該エンティティE110として記録された映像、文章、音声その他の情報を表示装置、音声出力装置その他の出力装置に出力することにより提示する。
【0042】
ステップS103による学習用コンテンツ頁の提示が行われると、次いで、情報処理装置1は、質問手段12による質問の提示を行う(ステップS104)。本実施形態の一例では、学習用コンテンツ頁エンティティE110と質問エンティティE300が紐づけられている。ステップS104では、前述のステップS103により提示した学習用コンテンツ頁に質問が紐づけられている場合に、当該質問を表す質問エンティティE110を取得して、質問エンティティE300として記録されている映像、音声その他の情報を出力装置に出力することで質問を利用者に提示する。
【0043】
前述のとおり、本実施形態の一例における質問エンティティE110は、属性として質問種別E303を備えている。ステップS104では、提示する質問の種類に応じて取得する質問エンティティE110を絞り込んで取得する。例えば、通常の質問であれば、質問種別E303に「質問」が設定されている質問エンティティE110を取得する一方、後述する追加の質問を提示する際には、質問種別E303に「追加の質問」が設定されている質問エンティティE110を取得する。
【0044】
次いで、質問手段12は、情報処理装置1が備えるマイクロフォンその他の音声入力装置から、前述のステップS102で提示した質問に対する利用者の回答を音声により入力する(ステップS105)。入力した音声を含む情報は回答エンティティE200としてデータベース14に記録される。
【0045】
本実施形態の一例における質問エンティティE300は、属性として、前質問ID E306と提示条件E307を備えている。前質問ID E306及び提示条件E307に値が設定された質問エンティティE300は、前質問ID E306が参照する質問エンティティE300に対する回答に基づいて提示される追加の質問である。ステップS105で入力された回答である音声を音声認識した上で、提示条件E307として設定される内容と同主旨の回答であると判定されると、質問手段12は提示条件E307を満たしたものとして、当該追加の質問についてステップS104及びステップS105を実行する。なお、本実施形態の一例では、音声の音声認識に失敗した場合は同一の質問を提示する。
【0046】
質問手段12による質問の提示及び回答の入力が完了した場合、又は、提示する質問が存在しなかった場合、情報処理装置1は、ステップS102で生成した学習履歴を更新する(ステップS106)。本実施形態の一例では、学習履歴を表す学習履歴エンティティE210が属性として閲覧頁ID E215を備えている。ステップS106では、前述のステップS102で作成した学習履歴エンティティE210の属性である閲覧頁ID E215に、ステップS103で提示した学習用コンテンツ頁エンティティE110の学習用コンテンツ頁ID E111を記録する。
【0047】
本実施形態の一例では、前述の通り、学習用コンテンツを頁単位で利用者に提示する。一の頁についてステップS103~S106の処理を終えると、情報処理装置1の学習用コンテンツ提示手段11は、ステップS101で選択した学習用コンテンツの頁であって、未だ利用者に提示していない頁が存在する場合には、ステップS103~S106の処理を頁毎に繰り返し実行する。全ての頁についてステップS103~S106の処理が完了した場合には、所定の終了処理を行って(ステップS107)、学習コンテンツの提示処理を終了する。所定の終了処理として、本実施形態の一例では、学習履歴の更新と、利用者の学習度合いの再設定を行うが、終了処理としてどの様な処理を行うかは任意に選択してよい。
【0048】
以上が、本実施形態の一例における学習用コンテンツの提示処理の流れである。次いで、本実施形態の一例における、音声データ抽出の処理の流れについて説明する。
図4は、本実施形態の一例における音声データ抽出処理の流れを示すフロー図である。
【0049】
本実施形態の一例における音声データ抽出処理は、先ず、音声データを抽出する対象となる音声付き絵本を選択する(ステップS201)。選択の方法は任意であり、例えば、情報処理装置1が利用者の年齢や性別その他の属性から選択するようにしてもよいし、利用者に任意の音声付き絵本を選択させるようにしてもよい。
【0050】
ステップS201により音声付き絵本が選択されると、次いで、情報処理装置1は、利用者と、選択した音声付き絵本を紐づける利用者・絵本エンティティE600を作成する(ステップS202)。
【0051】
次いで、情報処理装置1の音声選定手段13による、音声選択処理が実行される(ステップS203~S205)。音声選定処理は、選択した音声付き絵本を表す絵本エンティティE400に紐づく絵本頁エンティティE410の各々に対して実行され、当該絵本頁エンティティE410を順次、データベース14から取得する(ステップS203)。
【0052】
前述のとおり、本実施形態の一例におけるデータベース14では、絵本頁エンティティE410と質問エンティティE300が絵本頁・質問エンティティE500によって0~N対0~Nの関係で紐づけられている。ステップS203で取得した絵本頁エンティティE300に紐づく質問エンティティE500が存在する場合、当該質問エンティティE500及び利用者エンティティE200に紐づく回答エンティティE220を取得する(ステップS204)。
【0053】
本実施形態の一例では、音声付き絵本の頁における音声データを、当該頁と、学習用コンテンツ提示において利用者に提示した質問と、追加の質問に基づいて選定する。具体的には、データベース14において、上記頁を表す絵本頁エンティティE410は、絵本頁・質問エンティティE500を介して質問エンティティE300と紐づけられている。また、質問エンティティE300は、属性である前質問IDを介して追加の質問を表す質問エンティティE300と紐づけられている。前述のように、追加の質問は、一の質問についての回答が所定の条件を満たす場合に提示される質問である。本実施形態の一例における回答は音声であり、当該音声を音声認識した上で、所定の条件として設定される内容と同主旨であると判定された場合に追加の質問が提示される構成となっている。ステップS204では、一の質問エンティティE300に次いで、追加の質問を表す質問エンティティE300に利用者が回答している記録が存在している場合に、一の質問エンティティE300に対する回答、すなわち回答エンティティE220の回答内容E224が、追加の質問を表す質問エンティティE300の提示条件E205と同趣旨の内容を示す有意な音声であるものとして、当該音声を上記頁で出力する音声データとして選定する。
【0054】
ステップS204により音声が選定されると、当該音声を含む回答エンティティE300の回答ID E301と、絵本頁エンティティE410の絵本頁ID E411を参照する絵本頁・音声エンティティE610を生成し、データベース14に記録する(ステップS205)。
【0055】
一の絵本頁エンティティE410についてのステップS203~S205の処理が完了すると、次の絵本頁エンティティE410についてステップS203~S205の処理を順次実行する。一の絵本エンティティE400に紐づくすべての絵本頁エンティティE410についてS203~S205の処理が実行されると、音声データ抽出の処理は終了する。
【0056】
抽出した音声データは、音声付き絵本の所定の頁を開いた際に出力する音声データとして使用される。抽出した音声データを含む音声付き絵本は、絵本エンティティE400、絵本頁エンティティE410、絵本頁・音声エンティティE610、及び回答エンティティE220によって表される情報により構成することができるが、当該情報をどのような媒体の絵本とするかは任意に選択してよい。例えば、上記情報から、音声を記録した媒体を含む紙の絵本として、当該絵本の所定の頁が開かれた際に抽出した音声データが再生されるようにしてもよいし、あるいは、上記情報を周知のコンピュータで閲覧する電子媒体の絵本としてもよい。電子媒体の絵本とする場合には、当該絵本を、学習用コンテンツとして用いるように構成してもよい。
【0057】
本実施形態の一例の説明は以上であるが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、本実施形態の一例では、音声付き絵本の内容を絵本エンティティE400及び絵本頁エンティティE410としてデータベース14に記録するが、選定した音声データを用いて紙媒体の絵本を作成する場合には、絵本に関する文章、映像その他の内容を表す情報を情報処理装置1が管理しない構成としてもよい。
【0058】
また、本実施形態の一例では、学習用コンテンツ頁と質問の紐づき、および、音声付き絵本頁と質問の紐づきをRDBMSの参照により構成しているが、各情報間の紐づきを構成する方法は周知の方法を用いてよく、例えば、質問に所定のフォーマットのタグ情報を設定しておき、学習用コンテンツ頁や音声付き絵本頁は当該タグ情報により質問と紐づくように構成してもよい。
【0059】
その他の具体的な構成も本実施の携帯に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 学習支援装置
11 学習用コンテンツ提示手段
12 質問手段
13 音声選定手段
14 データベース