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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065279
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】コンテンツ投資・拡散管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240508BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240508BHJP
   G06Q 50/00 20240101ALI20240508BHJP
   G06Q 30/0201 20230101ALI20240508BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
G06Q50/00 300
G06Q30/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174051
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】594103286
【氏名又は名称】株式会社フェイス
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】小幡 剛士
(72)【発明者】
【氏名】古磯 未紗
(72)【発明者】
【氏名】森▲埼▼ 樹生
(72)【発明者】
【氏名】紀井 佑輝
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB06
5L030BB07
5L030BB26
5L049BB06
5L049BB07
5L049BB26
5L049CC19
5L050CC19
(57)【要約】
【課題】 コンテンツに対する投資、拡散を適切に管理し評価することのできるシステムを提供する。
【解決手段】 応援者は、自らの情報発信ページにおいて、応援したい楽曲についての各配信プラットフォームへのリンクをまとめたまとめページへのリンクを掲載する。リスナーである受領者は、受領者端末装置RTから情報発信サーバ装置IDSにアクセスし、応援者の情報発信ページを閲覧する。受領者が、この情報発信ページにて応援者が応援する楽曲に興味を持って、まとめページへのリンクをクリックすると、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSの拡散計数手段6は、まとめページを受領者端末装置RTに送信する。この際、拡散計数手段6は、当該応援者が設置したまとめページへのリンクがクリックを獲得したことを計数する。リンクにはいずれの応援者によって設置されたものであるかの識別符号が付されているので、拡散計数手段6は、応援者ごとにクリック獲得数を計数することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
応援者端末装置からの要求に応じて、同一のコンテンツに対する配信のための複数の配信プラットフォームにおける配信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページに対するリンクを、当該応援者識別符号が付された状態にて送信するリンク送信手段と、
複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数する拡散計数手段と、
前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツの配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配額を算出する拡散分配手段と、
を備えたコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項2】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記拡散計数手段は、前記応援者の情報発信ページからリンクされたまとめページのいずれかの配信プラットフォームのリンクが、受領者端末装置によってクリックされたことも、当該応援者のクリック獲得数として計数し、
前記拡散分配手段は、当該配信プラットフォームへのリンクのクリック獲得数も加味して、前記分配額を算出することを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項3】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記まとめページにおける配信プラットフォームへのリンクは、所定の配信プラットフォームのうち当該コンテンツ1再生あたりのアーチスト側収益が最も大きいものが最初に配置されていることを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項4】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記まとめページにおける配信プラットフォームへのリンクは、当該コンテンツについてコンテンツ拡散管理サーバ装置の運営者の推薦する配信プラットフォームが最初に配置されていることを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項5】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記まとめページには、前記まとめページへのリンクが設けられていない、応援者の前記コンテンツを用いたコンテンツ付き情報発信ページに対するリンクも含まれており、
前記クリック獲得数の計数には、前記コンテンツを用いた応援者のコンテンツ付き情報配信ページに対するクリックも含まれることを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項6】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記分配を受ける地位は、前記情報発信ページの管理権限とは切り離して、前記情報発信ページを作成した応援者から第三者に譲渡可能であることを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項7】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記応援者ごとのクリック獲得数は、所定期間ごとに集計されてランク付けされ、所定の上位ランクに入ったことを証明する証明データを当該応援者端末に送信することを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項8】
請求項1のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得する設定取得手段と、
コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付ける投資受付手段と、
申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定する分配率決定手段と、
をさらに備え、
前記応援者が前記投資人でもある場合には、前記拡散分配手段による分配額と、前記分配率決定手段による分配額の合計額よりも大きな額を合計分配額として、前記応援者に与えることを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項9】
アーチストのコンテンツを応援する複数の応援者の各情報発信ページに、同一のコンテンツに対する配信のための複数の配信プラットフォームにおける配信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページへのリンクを、当該応援者を識別できるように設けておき、
コンピュータが、複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、リスナー端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数し、
コンピュータが、前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツの配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配を算出すること、
を特徴とするコンピュータによるコンテンツ拡散管理方法。
【請求項10】
応援者端末装置からの要求に応じて、コンテンツを利用した複数の利用応援者の各情報発信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページに対するリンクを、当該応援者端末装置を使用する応援者の応援者識別符号が付された状態にて送信するリンク送信手段と、
複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数する拡散計数手段と、
前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツのストリーミング配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配額を算出する拡散分配手段と、
を備えたコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項11】
請求項10のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記拡散計数手段は、前記応援者の情報発信ページからリンクされたまとめページのコンテンツを利用した利用応援者の情報発信ページへのリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、当該利用応援者のクリック獲得数として計数し、
前記拡散分配手段は、当該利用応援者のクリック獲得数も加味して、前記分配額を算出することを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項12】
請求項10のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記拡散計数手段は、前記応援者がコンテンツを利用した情報発信ページを投稿したことに応じて、当該応援者の投稿数として計数し、
前記拡散分配手段は、当該利用応援者の投稿数も加味して、前記分配額を算出することを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項13】
請求項10のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
前記拡散計数手段は、前記応援者が投稿したコンテンツを利用した情報発信ページの再生数、いいね数またはシェア数に応じて、当該応援者の寄与数として計数し、
前記拡散分配手段は、当該利用応援者の寄与数も加味して、前記分配額を算出することを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項14】
請求項10のコンテンツ拡散管理サーバ装置において、
コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得する設定取得手段と、
コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付ける投資受付手段と、
申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定する分配率決定手段と、
をさらに備え、
前記応援者が前記投資人でもある場合には、前記拡散分配手段による分配額と、前記分配率決定手段による分配額の合計額よりも大きな額を合計分配額として、前記応援者に与えることを特徴とするコンテンツ拡散管理サーバ装置。
【請求項15】
アーチストのコンテンツを応援する複数の応援者の各情報発信ページに、コンテンツを利用した複数の利用応援者の各情報発信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページへのリンクを、当該応援者を識別できるように設けておき、
コンピュータが、複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数し、
コンピュータが、前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツのストリーミング配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配額を算出すること、
を特徴とするコンピュータによるコンテンツ拡散管理方法。
【請求項16】
コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得する設定取得手段と、
コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付ける投資受付手段と、
申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定する分配率決定手段と、
を備えたコンテンツ投資管理サーバ装置。
【請求項17】
請求項16のコンテンツ投資管理サーバ装置において、
前記分配を受ける地位は、前記投資人から第三者に譲渡可能であることを特徴とするコンテンツ投資管理サーバ装置。
【請求項18】
請求項16のコンテンツ投資管理サーバ装置において、
前記投資を行った投資人であることを証明する証明データを当該投資人の端末装置に送信することを特徴とするコンテンツ投資管理サーバ装置。
【請求項19】
コンピュータが、コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得し、
コンピュータが、コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付け、
コンピュータが、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定すること
を特徴とするコンピュータによるコンテンツ投資管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音楽などのコンテンツへの投資や拡散に対する収益配分を適切に管理できるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アーチストによって作成された音楽などのコンテンツにつき、リリース前やリリース後に、これを応援するシステムが提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、リリース前の楽曲について応援するファンからの支援金を募って、当該楽曲をリリースした後の収益の一部を配当総額として、出資比率に基づいて配当総額を分配して、各ファンに支払うことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、応援者がプロジェクトを外部に紹介するリンクを設け、当該リンクのクリック数に応じて報酬額を決定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6820627
【特許文献2】特開2022-101666
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来技術には次のような問題点があった。
【0007】
第一に、特許文献1のようなコンテンツに対する投資においては、所定額の支援金が集まった場合には適切に機能するが、集まった支援金があまりにも少額であった場合、配当総額と出資額とのバランスがとれない場合が生じる。すなわち、アーチストにとっては得られる支援金が少ない割には、配当総額が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
第二に、特許文献2のようなシステムをコンテンツの拡散に用いた場合、応援者の用意したページにおけるコンテンツ再生のクリック数に応じて報酬額を決定することになる。この場合、報酬額はクリック数に応じて決定されるので、コンテンツ再生による利益との関係が明確でなく、適切な報酬とならない可能性がある。また、コンテンツ配信は、同一のコンテンツについて複数のプラットフォーム等においてなされる場合があり、このような場合には、いずれの応援者のページによってコンテンツ再生がなされたのかを判断することは難しかった。
【0009】
この発明は、上記のような問題点のいずれかを解決して、コンテンツに対する投資、拡散を適切に管理することのできるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の独立して適用可能な側面を以下に列挙する。
【0011】
(1)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、応援者端末装置からの要求に応じて、同一のコンテンツに対する配信のための複数の配信プラットフォームにおける配信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページに対するリンクを、当該応援者識別符号が付された状態にて送信するリンク送信手段と、複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数する拡散計数手段と、前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツの配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配額を算出する拡散分配手段とを備えている。
【0012】
したがって、複数のプラットフォームにおいて配信される楽曲についても適切に各応援者の貢献度を計数して収益を分配することができる。
【0013】
(2)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、拡散計数手段が、前記応援者の情報発信ページからリンクされたまとめページのいずれかの配信プラットフォームのリンクが、受領者端末装置によってクリックされたことも、当該応援者のクリック獲得数として計数し、前記拡散分配手段は、当該配信プラットフォームへのリンクのクリック獲得数も加味して、前記分配額を算出することを特徴としている。
【0014】
したがって、より正確に貢献度を測ることができる。
【0015】
(3)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、まとめページにおける配信プラットフォームへのリンクは、所定の配信プラットフォームのうち当該コンテンツ1再生あたりのアーチスト側収益が最も大きいものが最初に配置されていることを特徴としている。
【0016】
したがって、応援者にとってもアーチストによっても収益性の高いプラットフォームがクリックされる確率を高くすることができる。
【0017】
(4)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、まとめページにおける配信プラットフォームへのリンクは、当該コンテンツについてコンテンツ拡散管理サーバ装置の運営者の推薦する配信プラットフォームが最初に配置されていることを特徴としている。
【0018】
したがって、運営者にとって好ましいプラットフォームがクリックされる確率を高くすることができる。
【0019】
(5)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、まとめページには、前記まとめページへのリンクが設けられていない、応援者の前記コンテンツを用いたコンテンツ付き情報発信ページに対するリンクも含まれており、クリック獲得数の計数には、前記コンテンツを用いた応援者のコンテンツ付き情報配信ページに対するクリックも含まれることを特徴としている。
【0020】
したがって、配信プラットフォームだけでなく、コンテンツ付き情報発信ページの紹介についても、その貢献度を判定することができる。
【0021】
(6)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、分配を受ける地位は、前記情報発信ページの管理権限とは切り離して、前記情報発信ページを作成した応援者から第三者に譲渡可能であることを特徴としている。
【0022】
したがって、分配を受ける地位を取引可能にしてその価値を高めることができる。
【0023】
(7)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、応援者ごとのクリック獲得数は、所定期間ごとに集計されてランク付けされ、所定の上位ランクに入ったことを証明する証明データを当該応援者端末に送信することを特徴としている。
【0024】
したがって、応援者の応援モチベーションを上げることができる。
【0025】
(8)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得する設定取得手段と、コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付ける投資受付手段と、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定する分配率決定手段とをさらに備え、前記応援者が前記投資人でもある場合には、前記拡散分配手段による分配額と、前記分配率決定手段による分配額の合計額よりも大きな額を合計分配額として、前記応援者に与えることを特徴としている。
【0026】
したがって、投資人が応援者でもある場合には、より多くの分配額を与えることができる。
【0027】
(9)この発明に係るコンテンツ拡散管理方法は、アーチストのコンテンツを応援する複数の応援者の各情報発信ページに、同一のコンテンツに対する配信のための複数の配信プラットフォームにおける配信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページへのリンクを、当該応援者を識別できるように設けておき、コンピュータが、複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、リスナー端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数し、コンピュータが、前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツの配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配を算出することを特徴としている。
【0028】
したがって、複数のプラットフォームにおいて配信される楽曲についても適切に各応援者の貢献度を計数して収益を分配することができる。
【0029】
(10)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、応援者端末装置からの要求に応じて、コンテンツを利用した複数の利用応援者の各情報発信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページに対するリンクを、当該応援者端末装置を使用する応援者の応援者識別符号が付された状態にて送信するリンク送信手段と、複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数する拡散計数手段と、前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツのストリーミング配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配額を算出する拡散分配手段とを備えている。
【0030】
したがって、コンテンツを利用した情報発信ページの紹介についても、その紹介者である応援者に分配を行うことができる。
【0031】
(11)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、拡散計数手段が、前記応援者の情報発信ページからリンクされたまとめページのコンテンツを利用した利用応援者の情報発信ページへのリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、当該利用応援者のクリック獲得数として計数し、拡散分配手段が、当該利用応援者のクリック獲得数も加味して、前記分配額を算出することを特徴としている。
【0032】
したがって、コンテンツを利用した情報発信ページの作成者にも分配を行うことができる。
【0033】
(12)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、拡散計数手段が、前記応援者がコンテンツを利用した情報発信ページを投稿したことに応じて、当該応援者の投稿数として計数し、拡散分配手段は、当該利用応援者の投稿数も加味して、前記分配額を算出することを特徴としている。
【0034】
したがって、コンテンツを利用した情報発信ページを投稿したことにも分配を行うことができる。
【0035】
(13)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、拡散計数手段が、前記応援者が投稿したコンテンツを利用した情報発信ページの再生数、いいね数またはシェア数に応じて、当該応援者の寄与数として計数し、拡散分配手段は、当該利用応援者の寄与数も加味して、前記分配額を算出することを特徴としている。
【0036】
したがって、コンテンツを利用した情報発信ページの投稿者に対し、その情報発信ページの再生数、いいね数やシェア数も考慮して、分配を行うことができる。
【0037】
(14)この発明に係るコンテンツ拡散管理サーバ装置は、コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得する設定取得手段と、コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付ける投資受付手段と、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定する分配率決定手段とをさらに備え、前記応援者が前記投資人でもある場合には、前記拡散分配手段による分配額と、前記分配率決定手段による分配額の合計額よりも大きな額を合計分配額として、前記応援者に与えることを特徴としている。
【0038】
したがって、投資人が応援者でもある場合には、より多くの分配額を与えることができる。
【0039】
(15)この発明に係るコンテンツ拡散管理方法は、アーチストのコンテンツを応援する複数の応援者の各情報発信ページに、コンテンツを利用した複数の利用応援者の各情報発信ページに対する複数のリンクを選択可能に表示するまとめページへのリンクを、当該応援者を識別できるように設けておき、コンピュータが、複数の応援者の各情報発信ページに設けられた前記まとめページリンクが、受領者端末装置によってクリックされると、前記まとめページを当該受領者端末装置に送信するとともに、各応援者の情報発信ページの前記まとめページリンクのクリック獲得数を応援者ごとに計数し、コンピュータが、前記計数された応援者ごとのクリック獲得数に応じて、前記コンテンツのストリーミング配信によるアーチスト側収益の応援者ごとの分配額を算出することを特徴としている。
【0040】
したがって、コンテンツを利用した情報発信ページの紹介についても、その紹介者である応援者に分配を行うことができる。
【0041】
(16)この発明に係るコンテンツ投資管理サーバ装置は、コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得する設定取得手段と、コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付ける投資受付手段と、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定する分配率決定手段とを備えている。
【0042】
したがって、投資総額と投資最低目標額との比率に応じて、適切に各投資人への分配率を決定することができる。
【0043】
(17)この発明に係るコンテンツ投資管理サーバ装置は、分配を受ける地位が、投資人から第三者に譲渡可能であることを特徴としている。
【0044】
したがって、分配を受ける地位を取引可能にしてその価値を高めることができる。
【0045】
(18)この発明に係るコンテンツ投資管理サーバ装置は、投資を行った投資人であることを証明する証明データを当該投資人の端末装置に送信することを特徴としている。
【0046】
したがって、楽曲への投資のモチベーションを上げることができる。
【0047】
(19)この発明に係るコンテンツ投資管理方法は、コンピュータが、コンテンツの配信前に、アーチストが定めた当該コンテンツに対する投資最低目標額および総分配率を取得し、コンピュータが、コンテンツの配信前に、期限を付けて当該コンテンツに対する複数の投資人から投資を受け付け、コンピュータが、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とし、前記実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、アーチスト側収益額の各投資人に対する実分配率を決定することを特徴としている。
【0048】
したがって、コンテンツを利用した情報発信ページの紹介についても、その紹介者である応援者に分配を行うことができる。
【0049】
「装置」とは、1台のコンピュータによって構成されるものだけでなく、ネットワークなどを介して接続された複数のコンピュータによって構成されるものも含む概念である。したがって、本発明の手段(あるいは手段の一部でもよい)が複数のコンピュータに分散されている場合、これら複数のコンピュータが装置に該当する。
【0050】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム、オペレーティングシステムと協働してその機能を発揮するプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】この発明の一実施形態によるコンテンツ拡散管理システムの機能構成図である。
図2】コンテンツ拡散管理システムのシステム構成である。
図3】コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSのハードウエア構成である。
図4】応援者端末装置STのハードウエア構成である。
図5】楽曲応援のための処理を示すフォローチャートである。
図6】応援可能楽曲一覧の画面を示す図である。
図7】クリック獲得数の計数処理を示すフォローチャートである。
図8】まとめページへのリンクを付した情報発信ページの例である。
図9】まとめページの例である。
図10】収益の分配処理を示すフローチャートである。
図11】楽曲ごと、プラットフォームごとのアーチスト側収益を示すテーブルである。
図12】集計された各応援者のポイント数を示すテーブルである。
図13】応援者の合計獲得ポイントと応援者全体に対する総配分割合との関係を示す図である。
図14】第2の実施形態によるコンテンツ拡散管理システムの機能構成図である。
図15】コンテンツ拡散管理システムのシステム構成図である。
図16】応援者による楽曲応援のための処理を示すフローチャートである。
図17】まとめページへのリンクを付けた情報発信ページの例である。
図18】クリック獲得数の計数を示すフローチャートである。
図19】楽曲付き情報発信ページへのリンクを掲載したまとめページの例である。
図20】第3の実施形態によるコンテンツ投資管理サーバ装置の機能構成図である。
図21】コンテンツ投資管理システムのシステム構成図である。
図22】コンテンツ投資管理サーバ装置CISのハードウエア構成である。
図23】投資人端末装置ITのハードウエア構成である。
図24】楽曲への投資処理を示すフローチャートである。
図25】投資募集ページの例である。
図26】実分配率算出処理を示すフローチャートである。
図27】各投資人の投資額と比率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
1.第1の実施形態
1.1機能ブロック図
図1に、この発明の一実施形態によるコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSを用いたコンテンツ拡散管理システムの機能構成を示す。この実施形態では、コンテンツとして音楽を適用した場合について説明する。
【0053】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、各配信プラットフォームの配信サーバ装置BSからストリーミング配信されている楽曲について、楽曲ごとに各配信サーバ装置BSへのリンクをまとめた、まとめページを用意している。当該楽曲もしくはアーチストを応援したい応援者は、応援者端末装置STからコンテンツ拡散管理サーバ装置2にアクセスし、当該楽曲のまとめページへのリンクを要求する。コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、この要求に応じて、当該応援者の識別符号を付したまとめページへのリンクを送信する。
【0054】
まとめページへのリンクを応援者端末装置STによって取得した応援者は、自らの情報発信ページにこのリンクを使って、楽曲の紹介などを行う。リスナーである受領者は、受領者端末装置RTから情報発信サーバ装置IDSにアクセスし、応援者の情報発信ページを閲覧する。
【0055】
受領者が、この情報発信ページにて応援者が応援する楽曲に興味を持って、まとめページへのリンクをクリックすると、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSの拡散計数手段6は、まとめページを受領者端末装置RTに送信する。この際、拡散計数手段6は、当該応援者が設置したまとめページへのリンクがクリックを獲得したことを計数する。リンクにはいずれの応援者によって設置されたものであるかの識別符号が付されているので、拡散計数手段6は、応援者ごとにクリック獲得数を計数することができる。
【0056】
受領者端末装置RTによってまとめページを受信した受領者は、まとめページを閲覧する。受領者が、まとめページのいずれかのプラットフォームの配信ページのリンクをクリックすると、配信サーバ装置SSから受領者端末装置RTに対して当該楽曲のストリーミングが開始される。
【0057】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSの拡散分配手段8は、拡散計数手段6から応援者ごとのクリック獲得数を取得し、これに基づいて、楽曲配信によって得られるアーチスト側収益の一部を、当該クリック獲得数に基づいて各応援者に分配する分配額を算出する。このようにして算出された分配額は、各応援者端末装置STに送信される。
【0058】
以上のようにして、アーチスト側収益の一部をクリック獲得数に応じて分配するようにしているので、分配額が不適切な額となることを防止することができる。また、複数のプラットフォームによって楽曲が配信されている場合であっても、応援者による楽曲拡散に対する貢献度を正確に判定して、収益を分配することができる。
【0059】
1.2システム構成およびハードウエア構成
図2に、コンテンツ拡散管理システムのシステム構成を示す。コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、インターネットに接続されている。
【0060】
また、応援者が情報発信を行うための情報発信サーバ装置IDS1~IDSn、当該情報発信サーバ装置IDS1~IDSnとのやり取りを行うための応援者端末装置ST1~STpが、インターネットに接続されている。
【0061】
また、楽曲をストリーミング配信するための各プラットフォームによる配信サーバ装置SS1~SSm、情報発信サーバ装置IDS1~IDSn、配信サーバ装置SS1~SSmから情報や楽曲を取得する受領者端末装置RT1~RTqが、インターネットに接続されている。
【0062】
図3に、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSおよび情報発信サーバ装置IDSのハードウエア構成を示す。両者は同様の構成であるため、以下、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSについて説明し、情報発信サーバ装置IDSについては括弧内に符号を示すのみとした。
【0063】
CPU10(30)には、メモリ12(32)、SSD14(34)、DVD-ROMドライブ16(36)、通信回路18(38)が接続されている。通信回路18(38)は、インターネットに接続するための回路である。
【0064】
SSD14(34)には、オペレーティングシステム20(40)、サーバプログラム22(42)が記録されている。サーバプログラム22(42)は、オペレーティングシステム20(40)と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM24(44)に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ16(36)を介してSSD14(34)にインストールしたものである。
【0065】
なお、情報発信サーバ装置は、配信プラットフォームごとに設けられており複数個存在する(IDS1~IDSn)が、基本構成はいずれも同じである。以下、情報発信サーバ装置IDS1~IDSnのいずれかを示すときには、情報発信サーバ装置IDSと表記する。
【0066】
図4に、応援者端末装置STおよび受領者端末装置RTのハードウエア構成を示す。両者は同様の構成であるため、以下、応援者端末装置STについて説明を行い、受領者端末装置RTについては括弧内に符号を示すのみとした。
【0067】
CPU50(70)には、メモリ52(72)、ディスプレイ54(74)、キーボード/マウス56(76)、SSD58(78)、DVD-ROMドライブ60(80)、通信回路62(82)が接続されている。通信回路62(82)は、インターネットに接続するための回路である。
【0068】
SSD58(78)には、オペレーティングシステム64(84)、ブラウザプログラム66(86)が記録されている。ブラウザプログラム66(86)は、オペレーティングシステム64(84)と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM68(88)に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ60(80)を介してSSD58(78)にインストールしたものである。
【0069】
なお、応援者端末装置ST、受領者端末装置RTは、それぞれ複数個存在するが、基本構成はいずれも同じである。以下、応援者端末装置ST1~STpのいずれかを示すときには、応援者端末装置STと表記し、受領者端末装置RT1~RTqのいずれかを示すときには、受領者端末装置RTと表記する。
【0070】
1.3楽曲の応援から配分までの処理
(1)楽曲応援のための処理
応援者が応援したいアーチストの楽曲を決定し、当該楽曲のストリーミング配信へのまとめリンクを、自らの情報発信ページに貼り付けてアップロードするまでの処理を、図5に示す。
【0071】
応援者は、応援者端末装置STから、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSにアクセスし、ログインするためのユーザID、パスワードをキーボード56から入力する。これを受けて、応援者端末装置STのCPU50(以下、応援者端末装置STと省略することがある)は、応援者のユーザID、パスワードをコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに送信する(ステップS1)。
【0072】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSのCPU10(以下、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSと省略することがある)は、ユーザID、パスワードが予め登録されている組み合わせと合致すれば、ログインを承認する(ステップS11)。合致しなければ、処理を中止する。
【0073】
続いて、応援者の操作により、応援者端末装置STは、応援可能なアーチストの楽曲一覧を要求する(ステップS2))。コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、これを受けて、応援可能な楽曲の一覧を送信する(ステップS12)。応援者端末装置STは、これを受けて、応援可能な楽曲の一覧を、ディスプレイ54に表示する(ステップS4)。
【0074】
図6に、表示された応援可能な楽曲の一覧を示す。応援者は、マウス56を操作し、応援したい楽曲をクリックして選択する(ステップS3)。選択を受けて、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、当該楽曲について、各配信プラットフォームにおける配信ページへのリンクをまとめたまとめページへのリンクを返信する(ステップS13)。この際、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、当該応援者に対して発行したリンクであることがわかるようにしてリンクを送信する。たとえば、まとめページへのリンクに、当該応援者を識別するための応援者識別符号をパラメータとして付すことでこれを実現する。あるいは、応援者ごとにまとめページを作成することでこれを実現する。
【0075】
応援者端末装置STは、このまとめページへのリンクを受信し記録する(ステップS4)。応援者は、受信した、まとめページへのリンクを、自らの情報発信ページ(ブログなど)に貼り付け、情報発信サーバ装置IDSにアップロードする(ステップS5)。
【0076】
ブログなどを管理する情報発信サーバ装置IDSは、応援者の情報発信ページを公開する(ステップS21)。これにより、他の多くのユーザが、応援者の情報発信ページにアクセスできるようになる。
【0077】
なお、上記では、一人の応援者について説明したが、上記と同様にして多くの応援者がそれぞれの応援者端末装置STを用いて、自分の情報発信ページにて応援を行う。
【0078】
(2)クリック獲得数の計数
図7に、応援者がリンクを付けてアップロードした情報発信ページが、ユーザ(受領者)によって閲覧され、まとめページへのリンクがクリックされた場合のクリック数(ポイント数)の計数処理を示す。
【0079】
受領者は、受領者端末装置RTから情報発信サーバ装置CSSにアクセスし、応援者の情報発信ページを要求する(ステップS31)。なお、この要求は、URLを入力して行っても良いし、他の情報発信ページからのリンク等によってなされてもよい。
【0080】
情報発信サーバ装置CSSは、これを受けて、応援者の情報発信ページを送信する(ステップS22)。受領者端末装置RTのCPU70(以下、受領者端末装置RTと省略することがある)は、応援者の情報発信ページを受信して、ディスプレイ74に表示する(ステップS32)。
【0081】
表示された情報発信ページ(ブログ)の例を、図8に示す。画面下に、まとめページへのリンク100が表示されている。このまとめページへのリンクは、図5のステップS4において応援者が取得したものであり、クリックした場合に応援者の識別符号が判別できるようになっている。
【0082】
受領者端末装置RTは、受領者によってこのリンク100がクリックされたかどうかを判断する(ステップS33)。クリックされた場合、その旨が、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSS、情報発信サーバ装置IDSに送信される(ステップS34)。これを受けて、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、まとめページを受領者端末装置RTに送信する(ステップS14)。
【0083】
このとき、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、リンクがクリックされたことに応じて、当該リンクに対応付けられた応援者に対し、1ポイントを付与しこれを記録する(ステップS15)。このポイントは、応援者が楽曲の拡散に貢献した証として与えるものである。
【0084】
受領者端末装置RTは、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSからのまとめページを受けて表示する(ステップS35)。図9に、表示された、まとめページの例を示す。アーチスト名および楽曲名102とともに、この楽曲を配信している各プラットフォームの配信ページへのリンク110、112、114・・・が表示されている。
【0085】
受領者が、このまとめページにおいて、いずれかのプラットフォームへのリンク110、112、114・・・を選択すると、受領者端末装置RTは、クリックがなされた旨をコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに送信する(ステップS37)。これにより、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、配信ページへのリンクがクリックされたことを認識し(ステップS16)、応援者に対し、10ポイントを付与しこれを記録する(ステップS17)。
【0086】
クリックされたプラットフォームの配信サーバ装置(図示せず)は、受領者端末装置RTに対して、当該楽曲のストリーミング送信を開始する。これを受けて、受領者端末装置RTは、スピーカ(図示せず)から楽曲の再生を行う(ステップS38)。
【0087】
なお、上記では、まとめページへのリンクがクリックされると1ポイント、プラットフォームの配信ページへのリンクがクリックされると10ポイントを付与するようにしている。プラットフォームの配信ページへのリンクのクリックは、実際に楽曲のストリーミングが開始される行為だから、多くのポイントを付与するようにしている。
【0088】
なお、プラットフォームの配信ページへのリンクは、楽曲のストリーミングが開始されるように設定することが好ましい。しかし、配信ページへのリンクをクリックしたときに、ストリーミング開始ボタンが含まれた配信ページを送信するようにしてもよい。この場合には、受領者端末装置RTにおいて、当該開始ボタンが押されて、ストリーミングが開始することになる。
【0089】
後者の場合において、開始ボタンのクリックをコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSにて認識可能であれば、この時点でポイントを与えるようにしてもよい。また、開始ボタンのクリックをコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSにて認識できないようであれば、配信ページを送信した時点でポイントを与えるようにすればよい。
【0090】
なお、上記では、一人の受領者について説明したが、多くの受領者によってリンクがクリックされて楽曲が再生されることになる。
【0091】
また、一人の応援者が、複数の情報発信ページにおいて、まとめページへのリンクを掲載することができる。
【0092】
(3)収益の分配
図10に、アーチスト側収益の一部を、応援者に分配する処理のフローチャートを示す。この分配処理は、所定の期間ごと(たとえば1月ごと)に実行され、所定の期間を処理対象期間とする。
【0093】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、処理対象期間における、各プラットフォームの配信サーバ装置から、各楽曲配信に対するアーチストに支払う収益額(アーチスト側収益額)を取得し記録する(ステップS51)。各プラットフォームは、それぞれの算出方法に基づいて、楽曲配信によって得た利益のうちの一部を、アーチスト側に支払うようにしている。多くのプラットフォームは、アーチスト側に支払う額を、予め定めた楽曲1再生あたりの金額に再生回数を乗じた額としている。
【0094】
図11に、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに記録された、楽曲ごと、プラットフォームごとのアーチスト側収益を示す。
【0095】
前述のように、同一の楽曲が複数のプラットフォームから配信されているので、同一の楽曲について複数の異なるプラットフォームの配信サーバ装置からアーチスト側収益額を取得することになる。
【0096】
したがって、対象となる全ての配信サーバ装置からアーチスト側収益額を受信すると、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、対象とする楽曲について各配信サーバ装置から得たアーチスト側収益額を合計する(ステップS53)。ここでは、アーチスト側収益額の合計が、2450円であったものとして以下説明を行う。
【0097】
さらに、当該楽曲を応援する応援者が処理対象期間中に得た合計ポイントを、応援者ごとに取得する(ステップS54)。取得した合計ポイントの例を、図12に示す。この例では、楽曲(MADKIDのBOUNDARY)について、12名の応援者がいて、それぞれの合計ポイントが示されている。
【0098】
続いて、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、所定ポイント(この実施形態では500ポイント)を超えている応援者を選択して対象応援者とする(ステップS55)。図12の場合であれば、「此道」「金近」「土田」「芝崎」「金田」「将門」が対象応援者として選択される。
【0099】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、対象応援者全員のポイントの合計に基づいて、楽曲のアーチスト側収益額のうちのいくらの割合を、応援者に配分するかを決定する。この実施形態では、図13に示すように、対象応援者全員のポイントの合計に応じて、応援者全体への配分割合を変えるようにしている。ポイント合計が500ポイント以上であり1000ポイント未満であれば、アーチスト側収益額の1%を対象応援者全体への配分とする。ポイント合計が1000ポイント以上であり1500ポイント未満であれば、アーチスト側収益額の2%を対象応援者全体への配分とする。以後、ポイント合計が増加するごとに1%ずつ増加していく。ただし、ポイント合計が5000ポイントを超えても、配分割合は10%から増加しないようにしている。
【0100】
図12の場合であれば、対象応援者「此道」「金近」「土田」「芝崎」「金田」「将門」のポイントの合計は、7620ポイントであるから10%の配分となる。たとえば、当該楽曲についての各プラットフォームからのアーチスト側収益額の合計2450円の10%である245円が、対象応援者全体への配分額となる。
【0101】
次に、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、対象応援者のポイント上位10名を分配対象となる分配応援者とする(ステップS57)。ここでは、対象応援者が6名だけであるから、全員が分配応援者となる。
【0102】
コンテンツ管理サーバ装置CSSは、分配応援者のポイントの合計に対する各分配応援者のポイントの比率によって、各分配応援者への配分額を算出し記録する(ステップS58)。たとえば、応援者「此道」は、3720ポイント/7620ポイント=49%の比率にて配分を受ける。すなわち、245円×0.49=120円の配分を得ることになる。他の配分応援者についても同様にして分配額を得る。
【0103】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、このようにして算出した各分配応援者の分配額を、メールなどによって各分配応援者の応援者端末装置STに送信する(ステップS59)。また、電子マネーや使用可能なポイントなどを各分配応援者端末装置STに送信して、あるいは銀行振り込みなどによって分配が行われる。これにより、各分配応援者は、分配をうけることができる。
【0104】
なお、上記の処理は、対象となるすべての楽曲について実行される(ステップS52、S60)。
【0105】
1.4その他変形例
(1)上記実施形態では、配信対象コンテンツとして音楽楽曲を例として説明した。しかし、動画、静止画、本などの文書などを配信対象コンテンツとしてもよい。また、ストリーミング配信の場合について説明したが、ダウンロードする場合においても同様に適用することができる。
【0106】
(2)上記実施形態では、まとめページへのリンクのクリック獲得数および、配信ページのリンクへのクリック獲得数の双方に基づいて配分割合を決定している。しかし、いずれか一方のみに基づいて配分割合を決定するようにしてもよい。
【0107】
(3)上記実施形態では、図9に示すまとめページにおいて、各プラットフォームへのリンクの表示順は任意の順番としていた。しかし、楽曲1回の配信あたりのアーチスト側収益額の大きい順に表示するようにしてもよい。受領者は、表示された上位のリンクをクリックする傾向にあるため、アーチストにとっても応援者にとっても配分額が大きくなるようにまとめページを構築することができる。
【0108】
また、上記表示順は、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSS(もしくは、まとめページ)を運営する管理者が決定するようにしてもよい。これにより、管理者の意向に沿った順にてリンクを表示することができる。
【0109】
(4)上記実施形態では、応援者はクリック獲得数に応じた分配額を得る権利を有している。この権利は、応援者に一身専属としても良いが、他人に譲渡できるようにしてもよい。この場合、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに、利益の配分先を元の応援者から譲受人に変更されたことを登録する。配分額の連絡や実際の配分も、登録された譲受人の住所やメールアドレスに対して行われる。
【0110】
また、この際、真正な権利の保有者である証明書(コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSの管理者発行のもの)を、ブロックチェーンシステムに登録することで、権利者である証明を確実なものにすることができる。
【0111】
(5)上記実施形態において、獲得クリック数の上位(たとえば上位3名)となった場合、コンテンツ拡散仮サーバ装置CSSから上位者証明を発行して応援者端末装置STに送信するようにしてもよい。これにより、応援者のモチベーションが上がることになる。この証明書についても、ブロックチェーンシステムに登録することにより、その信憑性を確実にすることができる。
【0112】
(6)上記実施形態においては、ポイントを獲得した一部の応援者についてのみ配分を行うようにしている。しかし、全てのポイントを獲得した応援者に対して配分を行うようにしてもよい。
【0113】
(7)上記変形例は互いに組み合わせて実施可能であり、上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態および変形例と組み合わせて実施可能である。
【0114】
2.第2の実施形態
2.1機能ブロック図
図14に、第2の実施形態によるコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSを用いたコンテンツ拡散管理システムの機能構成を示す。この実施形態では、コンテンツとして音楽を適用した場合について説明する。
【0115】
第1の実施形態においては、応援者が、まとめページへのリンクを自らの情報発信ページに設けることで楽曲の応援を行っている。第2の実施形態では、利用応援者が、楽曲を利用してSNSなどの情報発信ページを作成することで、楽曲の応援を行うようにしている。さらに、その情報発信ページへのリンクをまとめページに掲載してもらうことによって、楽曲の応援を行うようにしている。また、第2の実施形態においても、まとめページへのリンクを自らの情報発信ページに掲載することで楽曲への応援を行う応援者もいる。
【0116】
応援者は応援者端末装置STにより、応援する楽曲付きの情報発信ページを作成し、会員の投稿を管理する情報発信サーバ装置IDS(たとえば、SNSのサーバ装置)に投稿する。会員の投稿を管理する情報発信サーバ装置IDSは、会員である応援者の同意を得て、投稿情報(投稿者氏名、投稿楽曲名など)を、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに与える。したがって、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、楽曲付きの情報発信ページが投稿されたことを知り、投稿数を計数する。
【0117】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、楽曲を利用した複数の利用応援者の各情報発信ページに対するリンクをまとめた、まとめページを用意している。利用応援者は、楽曲を利用した情報発信ページを作成し、まとめページにそのリンクを掲載することで、楽曲への応援を行うものである。
【0118】
上記利用応援者とは別に、当該楽曲もしくはアーチストを応援したい応援者(利用応援者と同一人であってもよい)は、応援者端末装置STからコンテンツ拡散管理サーバ装置2にアクセスし、当該まとめページへのリンクを要求する。コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、この要求に応じて、当該応援者の識別符号を付したまとめページへのリンクを送信する。
【0119】
まとめページへのリンクを応援者端末装置STによって取得した応援者は、自らの情報発信ページにこのリンクを使って、楽曲の紹介などを行う。リスナーである受領者は、受領者端末装置RTから情報発信サーバ装置IDSにアクセスし、応援者の情報発信ページを閲覧する。
【0120】
受領者が、この情報発信ページにて応援者が応援する楽曲に興味を持って、まとめページへのリンクをクリックすると、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSの拡散計数手段6は、まとめページを受領者端末装置RTに送信する。この際、拡散計数手段6は、当該応援者が設置したまとめページへのリンクがクリックを獲得したことを計数する。リンクにはいずれの応援者によって設置されたものであるかの識別符号が付されているので、拡散計数手段6は、応援者ごとにクリック獲得数を計数することができる。
【0121】
受領者端末装置RTによってまとめページを受信した受領者は、まとめページを閲覧する。受領者が、まとめページのいずれかの利用応援者の情報発信ページへのリンクをクリックすると、情報発信サーバ装置IDSから受領者端末装置RTに対して当該楽曲付きの情報発信ページが送信される。
【0122】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSの拡散分配手段8は、拡散計数手段6から応援者ごとのクリック獲得数や投稿数を取得し、これに基づいて、楽曲配信によって得られるアーチスト側収益の一部を、当該クリック獲得数や投稿数に基づいて各応援者に分配する分配額を算出する。このようにして算出された分配額は、各応援者端末装置STに送信される。
【0123】
以上のようにして、アーチスト側収益の一部をクリック獲得数や投稿数に応じて分配するようにしているので、分配額が不適切な額となることを防止することができる。
【0124】
なお、上記では応援者のみに分配を行うようにしているが、利用応援者についても、楽曲を利用した情報発信ページへのクリック獲得数に応じて分配を行うようにしてもよい。
【0125】
2.2システム構成およびハードウエア構成
図15に、コンテンツ拡散管理システムのシステム構成を示す。コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、インターネットに接続されている。
【0126】
また、利用応援者や応援者が情報発信を行うための情報発信サーバ装置IDS1~IDSn、当該情報発信サーバ装置IDS1~IDSnとのやり取りを行うための応援者端末装置ST1~STpや利用応援者端末装置UST1~USTrが、インターネットに接続されている。なお、情報発信サーバ装置IDS1~IDSnには、会員の投稿を管理するSNSサーバ装置(たとえば、TikTok(商標)など)も含まれる。
【0127】
また、情報発信サーバ装置IDS1~IDSn、配信サーバ装置SS1~SSmから情報や楽曲を取得する受領者端末装置RT1~RTqが、インターネットに接続されている。
【0128】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSS、情報発信サーバ装置IDSのハードウエア構成は、第1の実施形態の図3と同様である。
【0129】
応援者端末装置ST、利用応援者端末装置UST、受領者端末装置RTのハードウエア構成は、第1の実施形態の図4と同様である。
【0130】
2.3楽曲の応援から配分までの処理
(1)楽曲応援のための処理
利用応援者は、応援したいアーチストの楽曲を用いて情報発信ページを作成する。たとえば、当該楽曲がバックグラウンドに流れるように情報発信ページを作成する。この楽曲付き情報発信ページは、利用応援者端末装置USTから情報発信サーバ装置IDSにアップロードされて、公開される。
【0131】
利用応援者は、利用応援者端末装置USTから情報発信サーバ装置IDSにアクセスし、自らの情報発信ページの投稿に関連する投稿関連情報(投稿者ID、投稿者名、使用楽曲名、再生数、いいね数、シェア数など)を、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに開示することを許可する。なお、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに、このような処理を行うためのAPIを用意しておき、これを用いて上記の処理を行うようにしてもよい。
【0132】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、投稿者IDに基づいて前記の投稿関連情報にアクセスし、当該楽曲を用いた情報発信ページが投稿されたことを知って、当該投稿者の投稿数として計数する。すなわち、楽曲を利用した投稿を行ったことが楽曲拡散に役立っていると判断し、その行為を計数する。
【0133】
なお、利用応援者が、情報発信ページにハッシュタグにて楽曲名を記入するようにすれば、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSによる各投稿の検索が容易である。ハッシュタグにて検索された投稿の投稿関連情報に基づいて、楽曲が使用されていることを確認し、投稿者の投稿数を計数することができる。
【0134】
また、利用応援者の楽曲付き情報発信ページを紹介することで、楽曲を応援したい応援者は、図16に示すような処理を行う。
【0135】
応援者は、応援者端末装置STから、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSにアクセスし、ログインするためのユーザID、パスワードをキーボード56から入力する。これを受けて、応援者端末装置STのCPU50(以下、応援者端末装置STと省略することがある)は、応援者のユーザID、パスワードをコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに送信する(ステップS1)。
【0136】
コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSのCPU10は、ユーザID、パスワードが予め登録されている組み合わせと合致すれば、ログインを承認する(ステップS11)。合致しなければ、処理を中止する。
【0137】
続いて、応援者の操作により、応援者端末装置STは、応援可能なアーチストの楽曲一覧を要求する(ステップS2)。コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、これを受けて、応援可能な楽曲の一覧を送信する(ステップS12)。応援者端末装置STは、これを受けて、応援可能な楽曲の一覧を、ディスプレイ54に表示する(ステップS4)。
【0138】
図6に、表示された応援可能な楽曲の一覧を示す。応援者は、マウス56を操作し、応援したい楽曲をクリックして選択する(ステップS3)。選択を受けて、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、当該楽曲について、前記利用応援者による楽曲付き情報発信ページへのリンクをまとめたまとめページへのリンクを返信する(ステップS13)。この際、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、当該応援者に対して発行したリンクであることがわかるようにしてリンクを送信する。たとえば、まとめページへのリンクに、当該応援者を識別するための応援者識別符号をパラメータとして付すことでこれを実現する。あるいは、応援者ごとにまとめページを作成することでこれを実現する。
【0139】
応援者端末装置STは、このまとめページへのリンクを受信し記録する(ステップS4)。応援者は、受信した、まとめページへのリンクを、自らの情報発信ページ(ブログなど)に貼り付け、情報発信サーバ装置IDSにアップロードする(ステップS5)。
【0140】
ブログなどを管理する情報発信サーバ装置IDSは、応援者の情報発信ページを公開する(ステップS21)。これにより、他の多くのユーザが、応援者の情報発信ページにアクセスできるようになる。
【0141】
なお、上記では、一人の応援者について説明したが、上記と同様にして多くの応援者がそれぞれの応援者端末装置STを用いて、自分の情報発信ページにて応援を行う。
【0142】
(2)クリック獲得数の計数
図18に、応援者がリンクを付けてアップロードした情報発信ページが、ユーザ(受領者)によって閲覧され、まとめページへのリンクがクリックされた場合のクリック数(ポイント数)の計数処理を示す。
【0143】
受領者は、受領者端末装置RTから情報発信サーバ装置CSSにアクセスし、応援者の情報発信ページを要求する(ステップS31)。なお、この要求は、URLを入力して行っても良いし、他の情報発信ページからのリンク等によってなされてもよい。
【0144】
情報発信サーバ装置CSSは、これを受けて、応援者の情報発信ページを送信する(ステップS22)。受領者端末装置RTのCPU70は、応援者の情報発信ページを受信して、ディスプレイ74に表示する(ステップS32)。
【0145】
表示された情報発信ページ(ブログ)の例を、図17に示す。画面下に、まとめページへのリンク130が表示されている。このまとめページへのリンクは、図15のステップS4において応援者が取得したものであり、クリックした場合に応援者の識別符号が判別できるようになっている。
【0146】
受領者端末装置RTは、受領者によってこのリンク130がクリックされたかどうかを判断する(ステップS33)。クリックされた場合、その旨が、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSS、情報発信サーバ装置IDSに送信される(ステップS34)。これを受けて、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、まとめページを受領者端末装置RTに送信する(ステップS14)。
【0147】
このとき、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、リンクがクリックされたことに応じて、当該リンクに対応付けられた応援者に対し、1ポイントを付与しこれを記録する(ステップS15)。このポイントは、応援者が楽曲の拡散に貢献した証として与えるものである。
【0148】
受領者端末装置RTは、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSからのまとめページを受けて表示する(ステップS35)。図19に、表示された、まとめページの例を示す。アーチスト名および楽曲名132とともに、この楽曲を利用している利用応援者の情報発信ページへのリンク140、142、144・・・が表示されている。
【0149】
受領者が、このまとめページにおいて、いずれかの楽曲付き情報発信ページへのリンク140、142、144・・・を選択すると、受領者端末装置RTは、クリックがなされた旨をコンテンツ拡散管理サーバ装置CSSに送信する(ステップS37)。これにより、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、配信ページへのリンクがクリックされたことを認識し(ステップS16)、応援者に対し、10ポイントを付与しこれを記録する(ステップS17)。なお、ポイントは、まとめページに対するものだけでなく、前述の楽曲を使用したページの投稿についても付与される。この実施形態では、楽曲を使用したページの投稿については10ポイントを付与するようにしている。
【0150】
クリックされた楽曲付き情報発信ページを管理する情報発信サーバ装置IDSは、受領者端末装置RTに対して、楽曲付き情報発信ページを送信する。これを受けて、受領者端末装置RTは、ディスプレイ54に表示するとともに、スピーカ(図示せず)から楽曲の再生を行う(ステップS38)。
【0151】
なお、上記では、まとめページへのリンクがクリックされると1ポイント、楽曲付き情報発信ページへのリンクがクリックされると10ポイントを付与するようにしている。楽曲付き情報発信ページへのリンクのクリックは、実際に楽曲のストリーミングが開始される行為だから、多くのポイントを付与するようにしている。
【0152】
なお、上記では、一人の受領者について説明したが、多くの受領者によってリンクがクリックされて楽曲が再生されることになる。
【0153】
また、一人の応援者が、複数の情報発信ページにおいて、まとめページへのリンクを掲載することができる。
【0154】
(3)収益の分配
収益の配分については、第1の実施形態と同様の処理を行う。
【0155】
2.4その他変形例
(1)上記実施形態では、応援者に対してポイントが付与されるようにしている。しかし、まとめページにおける楽曲付き情報発信ページへのリンクがクリックされた場合に、当該楽曲付き情報発信ページの利用応援者に対してもポイントを与えるようにしてもよい。この場合、コンテンツ拡散管理サーバ装置CSSは、各リンクに対応付けて、利用応援者の情報(メールアドレスなど)を予め記録しておく。
【0156】
(2)上記実施形態では、楽曲付き情報発信ページへのリンクをまとめページに掲載するようにしている。しかし、楽曲付き情報発信ページへのリンクだけでなく、第1の実施形態にて示したプラットフォームの配信ページへのリンクも掲載するようにしてもよい。
【0157】
(3)上記実施形態では、楽曲を使用したページの投稿に対してポイントを付与するようにしている。しかし、これに代えてあるいは加えて、当該ページのいいね数、再生数、シェア数などに対してポイントを付与するようにしてもよい。たとえば、いいね数が1万回あれば、1ポイントを付与する等である。
【0158】
(4)上記実施形態では、楽曲を使用したページの投稿(や再生数、いいね数など)に対してポイントを付与している。しかし、これにはポイントを付与せず、まとめページへのクリックなどに対してのみポイントを付与するようにしてもよい。あるいは、まとめページへのクリックなどに対してはポイントを付与せず、楽曲を使用したページの投稿(や再生数、いいね数など)に対してもにポイントを付与するようにしてもよい。
【0159】
(5)上記変形例は互いに組み合わせて実施可能であり、上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態および変形例と組み合わせて実施可能である。
【0160】
3.第3の実施形態
3.1機能ブロック図
図20に、第3の実施形態によるコンテンツ投資管理サーバ装置の機能構成を示す。
【0161】
設定取得手段202は、アーチスト端末装置から投資最低目標額および総分配率を取得する。投資最低目標額は、これから配信する楽曲について募りたい投資目標額であり、最低この金額は集めたいとしてアーチストが定めたものである。また、総分配率は、楽曲を配信したことによってその利益がアーチストに還元された場合に、このアーチスト側収益を投資家に分配する割合であり、これもアーチストが定めるものである。
【0162】
投資受付手段204は、投資人端末装置から投資の申込を受け付けるものである。
【0163】
分配率決定手段208は、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していれば、前記総分配率をそのまま実総分配率とし、申込期限到来時の投資の総額が前記投資最低目標額に達していなければ、投資総額と投資最低目標額との比率に基づいて前記総分配率を減じて実総分配率とする。さらに、実総分配率を各投資人の投資額比率に基づいて配分して、各投資人に対する実分配率を決定する。この実分配率は、各投資人に対して、アーチスト側収益額を分配する際に用いられる。
【0164】
以上のように、投資総額と投資最低目標額との関係において実総分配率を変動させるようにしているので、投資総額との関係において各投資人に妥当な額の分配を行うことができる。
【0165】
3.2システム構成およびハードウエア構成
図21に、コンテンツ投資管理システムのシステム構成を示す。コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、インターネットに接続されている。
【0166】
また、アーチストや投資人がコンテンツ装置管理サーバ装置CISにアクセスするためのアーチスト端末装置AT、投資人端末装置IT1~ITnが、インテーネットに接続されている。
【0167】
図22に、コンテンツ投資管理サーバ装置CISのハードウエア構成を示す。CPU210には、メモリ212、SSD214、DVD-ROMドライブ216、通信回路218が接続されている。通信回路218は、インターネットに接続するための回路である。
【0168】
SSD214には、オペレーティングシステム220、サーバプログラム222が記録されている。サーバプログラム222は、オペレーティングシステム220と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM224に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ216を介してSSD214にインストールしたものである。
【0169】
図23に、投資人端末装置ITおよびアーチスト端末装置ATのハードウエア構成を示す。両者は同様の構成であるため、以下、投資人端末装置ITについて説明を行い、アーチスト端末装置ATについては括弧内に符号を示すのみとした。
【0170】
CPU250(270)には、メモリ252(272)、ディスプレイ254(274)、キーボード/マウス256(276)、SSD258(278)、DVD-ROMドライブ260(280)、通信回路262(282)が接続されている。通信回路262(282)は、インターネットに接続するための回路である。
【0171】
SSD268(288)には、オペレーティングシステム264(284)、ブラウザプログラム266(286)が記録されている。ブラウザプログラム266(286)は、オペレーティングシステム264(284)と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM268(288)に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ260(280)を介してSSD258(278)にインストールしたものである。
【0172】
3.3楽曲への投資から配分までの処理
(1)楽曲への投資処理
図24に、楽曲への投資処理のフローチャートを示す。投資を希望するアーチストは、アーチスト端末装置ATを操作して、コンテンツ投資管理サーバ装置CISにアクセスし、ユーザID、パスワードを入力する。これにより、アーチスト端末装置ATのCPU270(以下、アーチスト端末装置ATと省略することがある)は、ユーザID、パスワードをコンテンツ投資管理サーバ装置CISに送信する(ステップS51)。
【0173】
コンテンツ投資管理サーバ装置CISのCPU210(以下コンテンツ投資管理サーバ装置CISと省略することがある)は、ユーザID、パスワードが予め登録されている組み合わせと合致すれば、ログインを承認する(ステップS71)。合致しなければ、処理を中止する。
【0174】
続いて、アーチストの操作により、アーチスト端末装置ATは、投資ページ開設の要求をコンテンツ投資管理サーバCISに送信する(ステップS52)。この要求の際には、アーチストの入力した投資対象となる楽曲名、投資最低目標額、投資受付期限、総分配率(アーチスト側収益のうちの何%を投資人全体に配分するか)などが併せて送信される。
【0175】
これを受けて、コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、当該アーチストの楽曲についての投資ページを生成し、これを公開する(ステップS72)。図25に、投資ページの画面例を示す。楽曲名や投資期限やアーチスト側収益の何%が投資家全体に分配されるのか等とともに、投資金額が入力できるように構成されている。
【0176】
楽曲に対して投資を行いたい投資人は、投資人端末装置ITからコンテンツ投資管理サーバ装置CISにログインする(ステップS91、S73)。投資人は、投資人端末装置ITを操作し、投資人端末装置ITからコンテンツ投資管理サーバ装置CISに対し投資ページの要求を行う(ステップS92)。なお、コンテンツ投資管理サーバ装置CISから、投資対象となっている楽曲の投資ページ一覧を送信し、これから投資人端末装置ITにおいて選択するようにしてもよい。
【0177】
コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、当該楽曲への投資ページの要求を受けてこれを送信する(ステップS74)。投資人端末装置ITは、受信した投資ページをディスプレイ254に表示する(ステップS93)。
【0178】
図25の投資画面を見て、投資人は投資人端末装置ITに投資額などを入力して、送信ボタンをクリックする。投資人端末装置ITは、これをコンテンツ投資管理サーバ装置CISに送信する(ステップS94)。コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、受信した投資額などを投資人に対応付けて記録する(ステップS75)。
【0179】
以上のようにして、楽曲に対する投資が行われる。なお、上記では、一人の投資人についての投資について説明したが、多くの投資人からの投資が行われることになる。
【0180】
(2)収益の分配決定処理
以上のようにして投資家による投資を募り、投資期限が到来すると、コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、投資の受付を締め切り、各投資家への利益の分配率を決定する。各投資家に対して、アーチスト側収益額の分配率を決定する処理のフローチャートを図26に示す。
【0181】
コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、投資期限到来までの各投資家による投資金額を合計し、総投資額を算出する(ステップS76)。図27に、ある楽曲についての各投資家による投資額と、算出された総投資額を示す。
【0182】
続いて、コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、この総投資額がアーチストによって設定された投資最低目標額に達しているか否かを判断する(ステップS77)。達していれば、アーチストによって設定された総分配率をそのまま実総分配率として決定する(ステップS78)。ここで、実総分配率とは、楽曲の収益によってアーチスト側に与えられるアーチスト側収益を、投資家全体に配分する実際の割合をいうものである。
【0183】
達していなければ、アーチストによって設定された総分配率をそのまま実分配率とするのではなく、以下のようにして決定する。まず、総投資額と投資最低目標額との比を達成割合として算出する。次に、総配分率に達成割合を乗じて、実総分配率を決定する(ステップS79)。
【0184】
このように、投資総額が投資最低目標額に達していない場合には、アーチストの定めた総分配率を達成割合によって減じて、実総分配率を算出する。たとえば、図27のような場合において、投資最低目標額が192000円であったとすれば、アーチストの定めた総配分率の50%が実総配分率となる。このようにすることで、総投資額が少ない場合に、投資家の投資額に対する配分額があまりにもアンバランスになることを防止している。
【0185】
以上のようにして、実総配分率を算出すると、次に、コンテンツ投資管理サーバ装置CISは、この実総配分率を、各投資人の出資比率によって配分する。図27Bに、各投資人について算出した出資比率を示す。実総配分率が、この出資比率にしたがって配分され、各投資人の実配分率となる。
【0186】
以後、楽曲の配信によって配信プラットフォームからアーチスト側に収益が与えられると、このアーチスト側収益額に各投資人の実配分率を乗じて、各投資人への配分額が決定され配分される。この収益額の分配は、所定期間(たとえば1月)ごとに行うことが好ましい。
【0187】
なお、投資人が収益の分配を得ることのできる期間(たとえば3年など)は予め定めておくことが好ましい。
【0188】
3.4その他変形例
(1)上記実施形態では、アーチストが分配率を決定するようにしている。しかし、コンテンツ投資管理サーバ装置CISの運営者が決定するようにしてもよい。
【0189】
(2)上記実施形態では、投資人は投資額に応じた分配額を得る権利を有している。この権利は、投資人に一身専属としても良いが、他人に譲渡できるようにしてもよい。この場合、コンテンツ投資管理サーバ装置CISに、利益の配分先を投資人から譲受人に変更されたことを登録する。配分額の連絡や実際の配分も、登録された譲受人の住所やメールアドレスに対して行われる。
【0190】
また、この際、真正な権利の保有者である証明書(コンテンツ投資管理サーバ装置CISの管理者発行のもの)を、ブロックチェーンシステムに登録することで、権利者である証明を確実なものにすることができる。
【0191】
(3)上記実施形態において、当該楽曲に投資した投資人であることの証明書を発行して投資人端末装置ITに送信するようにしてもよい。これにより、投資人の投資モチベーションが上がることになる。この証明書についても、ブロックチェーンシステムに登録することにより、その信憑性を確実にすることができる。
【0192】
(4)上記実施形態による投資システムと、第1・2の実施形態による拡散システムとを統合したシステム(管理サーバ装置を共通化しても良いし、投資管理サーバ装置と拡散管理サーバ装置とが連絡を取って一つのシステムとして運用できるようにしてもよい)としてもよい。この場合、投資家でありかつ応援者である場合に、配分率や配分額を増やすようにしてもよい。たとえば、投資家として5%の実配分率をもち、応援者としてある期間に4%の配分率を得ている場合、合計して9%の配分率であるが、これに数%の上乗せをしてもよい。
【0193】
(5)上記変形例は互いに組み合わせて実施可能であり、上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態および変形例と組み合わせて実施可能である。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27