IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カルティブの特許一覧 ▶ GMOあおぞらネット銀行株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社シフトセブンコンサルティングの特許一覧 ▶ 株式会社サイバーレコードの特許一覧

特開2024-653管理システム、出金管理方法、プログラム
<>
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図1
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図2
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図3
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図4
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図5
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図6
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図7
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図8
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図9
  • 特開-管理システム、出金管理方法、プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000653
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】管理システム、出金管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/02 20120101AFI20231226BHJP
【FI】
G06Q20/02
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099466
(22)【出願日】2022-06-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】516094124
【氏名又は名称】株式会社カルティブ
(71)【出願人】
【識別番号】317003914
【氏名又は名称】GMOあおぞらネット銀行株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515334061
【氏名又は名称】株式会社シフトセブンコンサルティング
(71)【出願人】
【識別番号】522385658
【氏名又は名称】株式会社サイバーレコード
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 清
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA05
(57)【要約】
【課題】商品またはサービスの提供者の負担を軽減することができる技術を提供する。
【解決手段】商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送金する指示を、金融機関に送信する管理システムは、受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する送信手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送金する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が第1の口座から前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記送信手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を、前記設定日時に前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記設定日時は、提供者ごとに、当該提供者によって定められた日時である、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
第1の提供者には、前記設定日時として第1の日時が設定されており、
前記送信手段は、前記第1の提供者について前記第1の日時までに複数回の前記商品の引き渡しまたは複数回の前記サービスの提供が完了している場合には、前記複数回の前記商品の引き渡しまたは前記複数回の前記サービスの提供に対応する提供対価の合計額の金銭が前記第1の日時に前記第1の提供者に送金されるように、前記合計額の金銭を前記第1の提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする管理システム。
【請求項6】
前記第1の口座は、前記商品または前記サービスの提供の依頼を依頼者から受けた事業者の口座であって、
前記管理システムは、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定されると、少なくとも前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払うように前記依頼者に請求する請求手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記送信手段は、前記依頼者が前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払う前であっても、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合には、前記商品または前記サービスの前記提供対価を前記第1の口座から前記提供者に送金する指示を、前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記判定手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供の完了時に前記提供者から送信される情報に応じて、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
配送業者によって前記商品が前記提供者から前記受益者に配送されることにより、前記商品が提供されており、
前記判定手段は、前記配送業者を識別する情報および前記商品の配送を識別する情報に基づき前記配送業者の端末に問い合わせを行うことによって、前記商品の引き渡しが完了したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
前記判定手段は、前記商品が前記受益者に届いたと判定した場合に、前記商品の引き渡しが完了したと判定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
前記受益者は、ふるさと納税の寄付に対する返礼としての前記商品または前記サービスの提供を受ける者であり、
前記提供者は、前記ふるさと納税の寄付に対する前記返礼としての前記商品または前記サービスを提供する者である、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項12】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送金する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が第1の口座から前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする出金管理方法。
【請求項13】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする出金管理方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の出金管理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、出金管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上での売買が普及したことによって、商品の注文者から商品の提供者への代金の支払いが、クレジットカードや銀行振り込みで行われることが多くなった。
【0003】
特許文献1には、商品の代金を受け取る購入代行業者を選定して、購入者が購入代行業者口座に代金を支払った後に、購入者に商品が届いた時点で、購入代行業者口座から販売業者口座に商品の代金を振り込むシステムが開示されている。これにより、購入者の手元に商品が届くまでは、販売業者口座に代金が支払われないため、販売業者から購入者に商品が届かないという可能性を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-36409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、購入者が商品やサービスを注文する先(引受者)と、商品やサービスを提供する者(提供者)とが異なる場合がある。例えば、複数の提供者に対する個々の注文を引受者が一括で引き受ける商取引システム(いわゆるECサイトを用いたシステム)では、購入者は、様々な商品やサービスを1つのサイト内で自由に購入することができる。そして、購入者は、引受者の一箇所のみに代金の支払いをすればよい。このため、購入者にとって利便性が高いものとなっている。このような場合には、購入者が引受者に代金を支払い、その後、提供者が引受人に提供対価を請求した後に、引受人が提供者に提供対価を支払うことが行われる。
【0006】
しかしながら、このように多くの者が商品やサービスの提供に関与する場合には、金銭の流れが複雑化して、商品やサービスの提供完了後から提供者に提供対価が支払われるまでに長い期間が経過してしまう。例えば、特許文献1の技術では、販売業者である引受者の口座には商品の提供後すぐに代金が支払われる。しかし、例えば、販売業者から発注を受けて、販売業者の代わりに商品やサービスを提供した者(提供者)が存在する場合には、提供者がその代行対価(提供対価)を受領するタイミングが遅くなる可能性がある。このため、提供者が、長い期間、提供に係る費用を負担し続ける事態が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、商品またはサービスの提供者の負担を軽減することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用する。
【0009】
すなわち、本発明の一側面に係る管理システムは、商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送金する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定
された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が第1の口座から前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する送信手段と、を有することを特徴とする管理システムである。
【0010】
このような構成によれば、商品またはサービスを提供者が受益者(例えば、注文者)に提供し終わった後に、現在の時刻が設定時間に達すると、提供者の口座に提供対価が振り込まれる。このため、提供者は、設定時間に達すると、すぐに提供対価を取得することができるので、提供者において提供に要する費用を負担する期間が減る。なお、受益者とは、商品の引き渡しまたはサービスの提供を受ける者であり、例えば、商品の注文者(購入者)である。
【0011】
上記のシステムにおいて、前記送信手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を、前記設定日時に前記金融機関に送信してもよい。これによれば、通常、金融機関は、送金の指示を受け付けると、即座にその指示に従った送金を行うため、例えば、送金の予約が可能でない金融機関を用いる場合であっても、設定日時に提供対価が提供者に送金できる。
【0012】
上記の管理システムにおいて、前記設定日時は、提供者ごとに、当該提供者によって定められた日時であってもよい。これによれば、提供者ごとに任意に設定日時を定めることができるので、提供者は提供対価を取得する時刻を正確に把握することができる。このため、提供者は、提供に要する費用の管理を容易に行うことができる。
【0013】
上記の管理システムにおいて、第1の提供者には、前記設定日時として第1の日時が設定されており、前記送信手段は、前記第1の提供者について前記第1の日時までに複数回の前記商品の引き渡しまたは複数回の前記サービスの提供が完了している場合には、前記複数回の前記商品の引き渡しまたは前記複数回の前記サービスの提供に対応する提供対価の合計額の金銭が前記第1の日時に前記第1の提供者に送金されるように、前記合計額の金銭を前記第1の提供者に送金する指示を前記金融機関に送信してもよい。これによれば、提供者は、複数の提供の提供対価を一括で管理できる。このため、提供者における提供対価の管理負担が減る。
【0014】
また、本発明の一側面に係る管理システムは、商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信手段と、を有することを特徴とする管理システムである。
【0015】
このような構成によれば、提供者は、商品の引き渡しまたはサービスの提供が完了すると、すぐに、提供対価を取得することができる。特定の金額以上の残高が維持されるように調整されている第1の口座から提供者に提供対価が送金されるため、提供者に提供対価が送金されないという可能性が低減する。ここでは、例えば、第1の口座が与信に基づき残高が定められている場合には、与信枠を調整するための口座に提供対価分の金銭が振り込まれることにより、第1の口座の残高が維持される。このため、提供者は、提供対価をほぼ確実に取得できるため、提供対価の管理が容易になる。
【0016】
上記の管理システムにおいて前記第1の口座は、前記商品または前記サービスの提供の依頼を依頼者から受けた事業者の口座であって、前記管理システムは、前記商品の引き渡
しまたは前記サービスの提供が完了したと判定されると、少なくとも前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払うように前記依頼者に請求する請求手段をさらに有していてもよい。依頼者とは、例えば、自治体である。事業者とは、例えば、中間事業者である。
【0017】
上記の管理システムにおいて、前記送信手段は、前記依頼者が前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払う前であっても、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合には、前記商品または前記サービスの前記提供対価を前記第1の口座から前記提供者に送金する指示を、前記金融機関に送信してもよい。これによれば、依頼者が事業者に提供対価の額の金銭を支払うことが遅くなっていた場合であっても、提供者はすぐに提供対価を取得することができる。
【0018】
上記の管理システムにおいて、前記判定手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供の完了時に前記提供者から送信される情報に応じて、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定してもよい。
【0019】
上記の管理システムにおいて、配送業者によって前記商品が前記提供者から前記受益者に配送されることにより、前記商品が提供されており、前記判定手段は、前記配送業者を識別する情報および前記商品の配送を識別する情報に基づき前記配送業者の端末に問い合わせを行うことによって、前記商品の引き渡しが完了したか否かを判定してもよい。これによれば、管理システムは、商品の引き渡しの完了時に商品の提供の完了の旨を送信する機能を配送業者の端末が有しない場合であっても、商品の引き渡しの完了を判定できる。
【0020】
上記の管理システムにおいて、前記判定手段は、前記商品が前記受益者に届いたと判定した場合に、前記商品の引き渡しが完了したと判定してもよい。
【0021】
上記の管理システムにおいて、前記受益者は、ふるさと納税の寄付に対する返礼としての前記商品または前記サービスの提供を受ける者であり、前記提供者は、前記ふるさと納税の寄付に対する前記返礼としての前記商品または前記サービスを提供する者であってもよい。
【0022】
なお、本発明は、上述した機能および処理の少なくとも一部を含む電子機器、情報処理装置、出金管理システム、出金処理システム、支援システム、出金管理方法、出金処理方法、管理方法、情報処理方法、支援方法と捉えることができる。また、本発明は、管理システムの各手段(出金管理方法の各ステップ)をコンピュータに実行させるプログラム、または、当該プログラムを非一時的に記憶した記憶媒体などとして捉えることもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、商品またはサービスの提供者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、実施形態1の概要を説明する図である。
図2図2は、実施形態1に係るシステム1の構成図である。
図3図3は、実施形態1に係る管理システム10の構成図である。
図4図4A図4Eは、実施形態1に係る各種の情報を説明する図である。
図5図5Aは実施形態1に係る自治体登録の処理のフローチャートであり、図5Bは実施形態1に係る提供者登録の処理のフローチャートである。
図6図6は、実施形態1に係る出金管理の処理のフローチャートである。
図7図7は、比較例と比較した場合の実施形態1の効果を説明する図である。
図8図8は、変形例1の概要を説明する図である。
図9図9は、変形例1に係る出金管理の処理のフローチャートである。
図10図10は、変形例2の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は説明する実施形態に限定されない。また、実施形態で説明される構成要素の全てが本発明に必須とは限らない。
【0026】
<実施形態1>
まず、実施形態1では、商品の提供サービスの管理をする管理システム10について説明する。管理システム10は、注文者が商品を注文した場合に、提供者による商品の提供(商品の引き渡し)が完了した後に、予め設定された日時(設定日時)に提供対価が提供者に送金されるように、送金の指示を金融機関に指示する。
【0027】
以下では、ふるさと納税に関して、寄付者(注文者)が自治体に寄付を行うことによって、返礼として返礼品(商品)を注文する場合を例にとって説明する。このため、管理システム10は、寄付者への返礼品の提供サービス(中間事業者が行う提供サービス)を管理する。ここで、図1を参照して、実施形態1に係る寄付者、自治体、中間事業者、および提供者(返礼品を提供する者)などにおける、やり取りの流れの概要を説明する。
【0028】
まず、(1)寄付者は、自治体に寄付を行う(つまり、寄付額の納金と返礼品の注文を行う)。(2)自治体は、寄付者からの寄付に対応する返礼品の提供を中間事業者に発注する。(3)中間事業者は、自治体からの発注に応じて、提供者に返礼品の提供を発注する。(4)提供者は、返礼品を寄付者に配送するように、配送業者に対して返礼品を出荷する。
【0029】
(5)提供者は、配送業業者の情報と出荷日時の情報とを含む出荷情報を、中間事業者に送信する。(6)配送業者は、返礼品を寄付者まで届ける。(7)中間事業者は、返礼品が寄付者まで届いた(返礼品の提供の完了)か否かを判定する。例えば、中間事業者は、配送事業者から、返礼品の提供の完了を示す着荷完了情報を取得したか否かに応じて、返礼品の提供の完了を判定する。(8)中間事業者は、設定日時に達すると、銀行に対して、中間事業者の口座から提供者の口座に提供対価を振り込む(出金する)ように指示する。
【0030】
(9)銀行は、振り込みの指示を受領すると、中間事業者の口座(または、銀行と中間事業者との間の契約に基づく銀行の口座)から提供者の口座に提供対価を振り込む。(10)中間事業者は、自治体に対して、返礼品の提供業務の代金(業務対価)を請求する。(11)自治体は、中間事業者の口座に代金を振り込む。
【0031】
なお、図1では、1の寄付者のみ、および1の提供者のみを図示しているが、実際には、複数の寄付者および複数の提供者が存在する。このため、寄付者ごと、および、提供者ごとに、上記の(1)~(9)のやり取りが実行される。以下においても、1の寄付者および1の提供者についての処理を説明するが、実際には、寄付者ごと、および、提供者ごとに処理が実行されるものとする。なお、例えば、(9)の提供対価の請求処理や(10)の代金の請求処理などについては、複数の提供者について一括で処理されてもよい。
【0032】
図2を参照して、図1に示すようなやり取りを実現するシステム1について説明する。つまり、寄付者に返礼品を届け、提供者に提供対価を早急に支払うシステム1について説明する。システム1は、管理システム10、寄付者端末11、自治体端末12、中間事業者端末13、配送業者端末14、提供者端末15、金融システム16を有する。
【0033】
管理システム10は、中間事業者が行う返礼品の提供サービスの管理をする。管理システム10は、自治体端末12および中間事業者端末13によりアクセス可能なシステムである。管理システム10は、例えば、クラウド上のサーバである。管理システム10は、提供者管理システム101、寄付管理システム102、出金管理システム103を有する。
【0034】
提供者管理システム101は、提供者情報(提供者名、提供者の概要、提供者の口座番号、および出金の設定日時などの情報)を提供者端末15から取得する(図4B参照)。
【0035】
寄付管理システム102は、寄付情報(自治体名、寄付金額、および返礼品名などの情報)を自治体端末12から取得する(図4C参照)。また、寄付管理システム102は、配送業者が返礼品を寄付者に届けた(返礼品の提供が完了した)か否かを判定する。
【0036】
出金管理システム103は、配送業者が返礼品を寄付者に届けた後に、提供者ごとに定められた設定日時に達すると、金融システム16に出金指示を送信する。
【0037】
寄付者端末11は、寄付者が利用する端末(例えば、PC、スマートフォンまたはサーバ)である。寄付者は、寄付者端末11を用いて、自治体に対して寄付(つまり、寄付額の納金および返礼品の注文)を行うことができる。
【0038】
自治体端末12は、自治体が利用する端末(例えば、PC、スマートフォンまたはサーバ)である。自治体端末12は、寄付者端末11からの寄付の情報に応じて、中間業者(管理システム10)に対して返礼品の提供を発注する。
【0039】
中間事業者端末13は、中間事業者が利用する端末(例えば、PC、スマートフォンまたはサーバ)である。中間事業者は、中間事業者端末13を用いて、管理システム10の設定などを管理する。
【0040】
配送業者端末14は、配送業者が利用する端末(例えば、PC、スマートフォンまたはサーバ)である。配送業者は、配送業者端末14を用いて、提供者端末15から返礼品に関する情報(寄付者名、返礼品名、および返礼品の配送先)を取得する。また、配送業者は、配送業者端末14を用いて、返礼品が寄付者に届いたことを示す着荷完了情報を管理システム10に送信してもよい。
【0041】
提供者端末15は、提供者が利用する端末(例えば、PC、スマートフォンまたはサーバ)である。提供者は、提供者端末15を用いて、管理システム10から発注情報(寄付者名、返礼品名、および返礼品の配送先などの情報)を取得すると、発注情報に示す寄付者の元に返礼品が届くように、配送業者に返礼品を出荷する。このとき、提供者は、提供者端末15を用いて、返礼品に関する情報(寄付者名、返礼品名、および返礼品の配送先)を配送業者端末14に送信する。
【0042】
金融システム16は、銀行(金融機関)が利用するシステムである。金融システム16は、銀行における中間事業者の2つの口座(第1口座161および第2口座162)の入出金を管理する。なお、金融システム16は、銀行の営業時間では、出金指示を受領するタイミングと同時のタイミングで、出金指示に従った出金処理(振り込み処理)を行う。
【0043】
第1口座161は、提供者の口座に対して、返礼品の提供対価を振り込む(出金する)ための口座である。例えば、第1口座161からは、返礼品を提供する提供者(提供者が複数存在する場合には、当該複数の提供者)以外に出金されない。第1口座161は、例えば、中間事業者とともに、銀行と契約した自治体(管理システム10に登録された自治
体)の与信に基づいて、与信枠(残高)が設定されている。また、第1口座161は、一定の額以上の残高が維持されるように調整されている。第1口座161では、提供者の口座に提供対価の振り込みが行われた後に、例えば、第2口座162から提供対価の額の金銭が第1口座161に振り込まれることにより、残高が調整されている。なお、第1口座161では、第1口座161の与信枠を調整するための第3口座に対して第2口座162から提供対価の額の金銭が振り込まれることにより、残高が調整されていてもよい。ここで、一定の額は、提供者の口座への提供対価の振り込みの滞りが発生しないような額であればよく、例えば、第1口座161からの前年の12月の総出金額であり得る。これは、年間で、12月は、ふるさと納税における寄付が集中する月であり、最も第1口座161からの総出金額が多い月であるためである。つまり、12月の総出金額よりも多くの金額が、1か月に第1口座161から出金されることが想定し難いためである。なお、特定の果物が特産の自治体に対応する第1口座161では、一定の額は、前年のその果物の旬の時期の1か月の総出金額であってもよい。これは、特定の果物の旬の時期に、自治体における寄付が集中するためである。
【0044】
第2口座162は、自治体が中間事業者に対して、業務委託料金、返礼品の提供対価、および金融システム16の使用料金を振り込む際に振込先となる口座である。第2口座162は、このように様々な用途に用いられるため、第1口座161とは異なり、必ずしも、残高が一定の額に維持されるように調整されない。
【0045】
なお、中間事業者は、本実施形態1に係る管理システム10の処理を実現するために、必ずしも、第1口座161および第2口座162を用意しなくてもよい。例えば、第1口座161が存在せずに、第2口座162から提供者の口座に提供対価の振り込みが行われてもよい。
【0046】
(管理システムの詳細な構成)
図3を参照して、管理システム10の詳細な構成について説明する。管理システム10は、提供者管理システム101、寄付管理システム102、出金管理システム103に加えて、データ登録部104を有する。データ登録部104には、管理システム10における各システムがデータ(情報)を参照(共有)できるように、様々なデータが登録される。
【0047】
提供者管理システム101は、受付部111、発注部112、出荷情報取得部113、請求部114を有する。
【0048】
受付部111は、自治体端末12から、中間事業者が行う返礼品の提供サービス(管理システム10を用いた返礼品の提供サービス)の利用の申し込みを受け付ける。
【0049】
また、受付部111は、提供者端末15から、返礼品の提供サービスにおける返礼品の登録の申し込みとして、返礼品情報を受け付ける。ここで、返礼品情報は、例えば、図4Aに示すように、返礼品名、提供者名、提供対価、返礼品の概要、および返礼品の写真などの情報を含む。
【0050】
さらに、受付部111は、提供者端末15から、設定日時に提供対価を振り込むサービスの利用の申し込みとして、提供者情報を受け付ける。提供者情報は、例えば、図4Bに示すように、提供者名、提供者の概要、提供者の口座番号(提供対価の振込先)、および出金の設定日時(提供対価の振込日時)などの情報を含む。このため、提供者は、提供対価を受け取る日時を任意に設定日時として定めることができる。例えば、提供者は、毎月20日の特定の時刻、毎週の金曜日の特定の時刻、または毎日の特定の時刻などを、設定日時として定めることができる。また、設定日時は、例えば、6月10日における10:
00~17:00などの幅のある日時であってもよい。この場合には、この幅のある時刻のうちの任意のタイミングで、提供対価の振り込みおよび、提供対価の振り込み指示が行われればよい。
【0051】
発注部112は、提供者に返礼品の提供を発注するために、発注情報(寄付者名、返礼品名、および返礼品の配送先などの情報)を提供者端末15に送信する。
【0052】
出荷情報取得部113は、提供者が返礼品を配送業者に出荷した後に、提供者端末15から出荷情報を取得する。出荷情報は、例えば、図4Dに示すように、寄付を管理するための管理番号、出荷日時、配送業者名(もしくは配送業者を識別するための識別番号)、および配送識別番号(配送を識別するための番号)の情報などを含む。
【0053】
請求部114は、返礼品が寄付者に届く(返礼品が寄付者に届いたことを判定する)と、自治体に対して、返礼品の提供に係る提供対価の額の金銭や委託費用などを中間事業者に支払うように請求する。具体的には、請求部114は、返礼品の提供に係る提供対価の額の金銭や委託費用などを第2口座162に振り込むように請求する。これによって、中間事業者が有する金銭額(第2口座162の残高)が大きく減らないように制御できる。例えば、月末や特定の日に、請求部114は、それまでに要した提供対価の額の金銭や委託費用の金銭をまとめて請求する。
【0054】
寄付管理システム102は、寄付情報取得部121、完了判定部122を有する。
【0055】
寄付情報取得部121は、寄付者からの寄付に関する情報である寄付情報を自治体端末12から取得する。寄付情報は、例えば、図4Cに示すように、寄付を管理するための管理番号、寄付された自治体を示す自治体名、寄付金額、寄付に対応する返礼品名、寄付者名、返礼品の配送先、および返礼品の提供状態(着荷状態)などの情報を含む。寄付情報は、返礼品を提供する提供者名を含んでいてもよい。なお、寄付情報取得部121が自治体端末12から寄付情報を取得した時点では、提供情報は、返礼品が未提供(未着荷)であることを示す。
【0056】
完了判定部122は、寄付者に返礼品が届いた(商品の提供が完了した)か否かを判定する、例えば、完了判定部122は、配送業者端末14から着荷完了情報を取得したか否かに応じて、商品の提供が完了したか否かを判定する。着荷完了情報は、例えば、図4Eに示すように、配送業者名、配送識別番号、および着荷日時の情報を含む。
【0057】
出金管理システム103は、指示送信部132を有する。指示送信部132は、中間事業者の口座(第1口座161)から提供者の口座に提供対価を出金する(振り込む)指示を、金融システム16に送信する。
【0058】
なお、管理システム10は、CPU(プロセッサ;制御装置)またはメモリ、ストレージを備えるコンピュータにより構成することができる。この場合には、図3に示す構成は、ストレージに格納されたプログラムをメモリにロードし、CPUが当該プログラムを実行することによって実現されるものである。あるいは、管理システム10における構成の全部または一部を、ASICやFPGAなどで構成してもよい。あるいは、構成の全部または一部を、クラウドコンピューティングや分散コンピューティングにより実現してもよい。
【0059】
(自治体登録の処理)
図5Aのフローチャートを参照して、返礼品の提供サービスを利用する自治体を登録するための自治体登録の処理を説明する。図5Aのフローチャートの処理は、自治体ごとに
実行される。
【0060】
ステップS1001では、受付部111は、返礼品の提供サービスの利用の申し込みを、自治体端末12から受け付けたか否かを判定する。返礼品の提供サービスの利用の申し込みを受け付けたと判定された場合には、ステップS1002に進む。返礼品の提供サービスの利用の申し込みを受け付けていないと判定された場合には、ステップS1001の処理が繰り返される。
【0061】
ステップS1002では、受付部111は、返礼品の提供サービスの申し込みを受けた自治体を、返礼品の提供サービスの利用者としてデータ登録部104に登録する。データ登録部104に登録された自治体は、返礼品の提供サービスを利用すること(返礼品の提供を中間事業者に発注すること)が可能になる。
【0062】
(提供者登録の処理)
図5Bのフローチャートを参照して、返礼品を提供する提供者を登録するための提供者登録の処理を説明する。図5Bのフローチャートの処理は、提供者ごとに実行される。
【0063】
ステップS2001では、受付部111は、返礼品登録の申し込みとして、返礼品情報(図4A参照)を提供者端末15から取得したか否かを判定する。返礼品情報が取得されたと判定された場合には、ステップS2002に進む。返礼品情報が取得されていないと判定された場合には、ステップS2001の処理が繰り返される。
【0064】
ステップS2002では、受付部111は、返礼品情報(返礼品)をデータ登録部104に登録する。これによって、登録済みの自治体は、自治体端末12を用いて、データ登録部104に登録された返礼品情報が示す返礼品の提供を発注することが可能になる。また、寄付者は、寄付を行うことによって、データ登録部104に登録された返礼品情報が示す返礼品を自身に届けるように、自治体に要求することが可能になる。
【0065】
ステップS2003では、受付部111は、返礼品が寄付者に届いた後における設定日時に、当該返礼品の提供対価を提供者の口座に振り込むサービス(早期振込サービス)を利用する申し込みを、提供者端末15から受け付けたか否かを判定する。ここで、受付部111は、提供者情報を提供者端末15から取得した場合に、早期振込サービスを利用する申し込み(早期振込サービスの申し込み)を受け付けたと判定する。早期振込サービスの申し込みを受け付けたと判定された場合には、ステップS2004に進む。早期振込サービスの申し込みを受け付けていないと判定された場合には、本フローチャートの処理が終了する。なお、早期振込サービスの申し込みをしていない提供者については、中間事業者と自治体との間で取り決められた日時(例えば、月末など)に、提供対価が提供者の口座に振り込まれるようにされる。具体的には、返礼品の提供の完了後に、この日時に達すると、指示送信部132が、第1口座161から提供代金を提供者の口座に振り込む指示を、金融システム16に送信する。なお、中間事業者と自治体との間で取り決められた日時の代わりに、自治体が取り決めた日時であってもよい。
【0066】
ステップS2004では、受付部111は、提供者情報をデータ登録部104に登録する。これによって、データ登録部104に登録された提供者情報が示す提供者は、早期振込サービスを利用可能になる。
【0067】
なお、図5Aのフローチャートによれば、自治体端末12からの情報に基づき、自治体がデータ登録部104に登録されるが、例えば、中間事業者端末13に入力された情報に基づき、自治体がデータ登録部104に登録されてもよい。同様に、例えば、中間事業者端末13に入力された情報(返礼品情報および事業者情報)に基づき、これらの情報がデ
ータ登録部104に登録されてもよい。
【0068】
(出金管理の処理)
図6のフローチャートを参照して、早期振込サービスとして、返礼品の提供対価を提供者の口座に払い込むための出金管理の処理を説明する。なお、本フローチャートにおける「自治体」とは、ステップS1002においてデータ登録部104に登録された自治体であるとする。また、本フローチャートにおける「提供者」とは、ステップS2002においてデータ登録部104に登録された返礼品情報が示す提供者であり、かつ、ステップS2004においてデータ登録部104に登録された提供者情報が示す提供者であるとする。
【0069】
ステップS3001では、寄付情報取得部121は、自治体端末12から寄付情報を取得したか否かを判定する。寄付情報が取得されたと判定された場合には、ステップS3002に進む。寄付情報が取得されていないと判定された場合には、ステップS3001の処理が繰り返される。
【0070】
ステップS3002では、寄付情報取得部121は、返礼品の提供を自治体(依頼者)から依頼されたものと判定して、データ登録部104に寄付情報を登録する。
【0071】
ステップS3003では、発注部112は、寄付情報が示す返礼品名と、返礼品情報が示す返礼品名とを比較することにより、寄付情報に対応する返礼品を提供可能な提供者を見つける。そして、発注部112は、その提供者の提供者端末15に発注情報(寄付者名、返礼品名、および返礼品の配送先などの情報)を送信する。このことにより、発注部112は、提供者に返礼品の提供を発注する。なお、ふるさと納税では、返礼品とその返礼品を提供する提供者が1対1で対応しており、寄付者にも返礼品名とともに提供者名が提示されているのが通常である。このため、ふるさと納税では考慮する必要性が低いが、例えば、寄付情報に対応する返礼品を提供可能な提供者が複数存在し、寄付者が提供者を選択しないような場合には、発注部112は、その複数の提供者の中からランダムで、1つの提供者を選んでもよい。
【0072】
ステップS3004では、出荷情報取得部113は、提供者端末15から出荷情報を取得したか否かを判定する。出荷情報が取得されたと判定された場合には、ステップS3005に進む。出荷情報が取得されていないと判定された場合には、ステップS3004の処理が繰り返される。
【0073】
ステップS3005では、完了判定部122は、寄付者に返礼品が届いた(引き渡された)か否かの状態である提供状態を確認する。完了判定部122は、例えば、出荷情報が示す情報(配送業者名および配送識別番号)に基づき、配送業者端末14に対して返礼品の提供状態(着荷状態)を問い合わせる。または、完了判定部122は、配送業者端末14から着荷完了情報を取得したか否かを確認(判定)する。
【0074】
ステップS3006では、完了判定部122は、寄付者に返礼品が届いた(着荷が完了した)か否かを判定する。寄付者に返礼品が届いたと判定された場合には、ステップS3007に進む。寄付者に返礼品が届いていないと判定された場合には、ステップS3005に進む。
【0075】
ステップS3007では、完了判定部122は、データ登録部104に登録された寄付情報における提供状態を「提供済み」に変更する。
【0076】
ステップS3008では、提供者情報が示す設定日時に現在の日時が達したか否かを判
定する。設定日時に現在の日時が達したと判定された場合には、ステップS3009に進む。設定日時に現在の日時が達していないと判定された場合には、ステップS3008の処理が繰り返される。
【0077】
ここで、設定日時は、例えば、月末の特定の時刻、または、毎週の金曜日の特定の時刻などである。
【0078】
ステップS3009では、指示送信部132は、第1口座161から提供者の口座に提供対価を振り込む(出金する)指示を、設定日時に金融システム16に送信する。このとき、第1口座161は、例えば、残高として50億円の金銭を含んでいる。なお、金融システム16は、指示を受領すると直ぐに(設定日時に)、第1口座161から提供者の口座に提供対価を振り込む(出金する)。
【0079】
ステップS3010では、指示送信部132は、第2口座162から第1口座161に提供対価分の金銭を振り込む(出金する)指示を、金融システム16に送信する。これによれば、第1口座161には、提供対価分の金銭がすぐに振り込まれるため、常に一定の金銭(特定の金額以上の金銭)が維持される。このため、第1口座161から、提供者の口座に提供対価が振り込まれないという可能性を低減させることができる。なお、指示送信部132は、第1口座161の与信枠を調整するための口座に対して第2口座162から提供対価の額の金銭を振り込む指示を、金融システム16に送信してもよい。つまり、指示送信部132は、第1口座161の残高が特定の金額以上に維持されるように調整する指示ができれば、任意の指示を送信してもよい。
【0080】
また、第2口座162から第1口座161に提供対価分の金銭を振り込むことができない場合があっても、第1口座161では、それまでに一定の金銭が維持されるように残高が調整されている。このため、第1口座161から提供者の口座に提供対価が振り込まれないことは生じにくい。つまり、第2口座162の残高が0である場合にも、提供者は提供対価を受け取ることができる(提供者は、優先的に弁済されるといえる)。
【0081】
なお、ステップS3009とステップS3010の処理の順序は逆であってもよいし、ステップS3009とステップS3010の処理は同時に行われてもよい。なお、ステップS3009およびステップS3010の処理は、自治体(依頼人)が返礼品の提供に係る提供対価の額の金銭や委託費用などを中間事業者に支払う前に実行されてもよいし、その後に実行されてもよい。
【0082】
実施形態1によれば、図7に示すように、返礼品の着荷後に設定日時に達すると出金が行われる。実施形態1のように出金が行われれば、着荷後に提供者から請求があり、その後に出金が行われる場合(図7に示す比較例1の場合)よりも、早期に出金を行うことが可能になる。つまり、返礼品の提供に係る費用を提供者が負担する期間を減らすことができる(返礼品の提供に係る負担を低減できる)。
【0083】
また、実施形態1のように出金が行われれば、提供者に対する返礼品の提供の注文時(または出荷時)に出金が行われる場合(図7に示す比較例2の場合)よりも、中間事業者にとってリスクの少ない出金が可能になる。具体的には、比較例2の場合には、出金後に、提供者が返礼品を寄付者に届けないという可能性がある。一方で、実施形態1によれば、返礼品の着荷が済んでから出金が行われるため、返礼品が寄付者に届かない可能性はない。
【0084】
さらに、実施形態1では、設定日時は提供者ごとに設定される日時である。これによれば、提供者は、どのタイミングで提供対価を受け取れるのかを正確に把握できる。そして
、例えば、提供者が設定日時(例えば、毎月20日の17時など)までに複数の返礼品それぞれを対応する寄付者に届けていた(引き渡されていた)場合には、設定日時に、一括で複数の返礼品の提供対価(複数回の提供の提供対価の合計額)が提供者の口座に振り込まれる。このため、ばらばらに提供対価が振り込まれる場合よりも、提供者は提供対価を管理しやすくなる。つまり、返礼品の提供に要する提供者の業務の費用を低減することもできる。
【0085】
また、設定日時は、提供者ごとではなく、1回の返礼品の提供ごとに定められていてもよい。このような場合には、設定日時として、例えば、寄付情報における提供状態が「提供済み」に変更された時点(つまり、返礼品が寄付者に届いた時点)から所定時間後(例えば、30分後または1時間後)の日時が設定されてもよい。このように設定されれば、寄付者が返礼品の提供費用を負担する期間をさらに少なくすることができる。また、設定日時は、必ずしも設定されている必要はなく、指示送信部132は、商品が寄付者に届いたと判定した時点で、ステップS3009およびステップS3010の処理を実行してもよい。
【0086】
また、実施形態1では、管理システム10は、提供対価を提供者の口座に振り込む指示を、設定日時に銀行(金融機関)に送信し、それに伴い、設定日時に銀行が提供者の口座に提供対価を振り込む。しかし、例えば、管理システム10は、提供者の口座に提供対価が設定日時に振り込まれるように、設定日時より前において銀行に振り込みの指示(振り込み予約の指示)を送信しておいてもよい。つまり、設定日時に提供代金の振り込みが可能であれば、振り込みの指示のタイミングと、実際の振り込みのタイミングが一致しなくてもよい。
【0087】
なお、返礼品は寄付者に引き渡されるものとして記載したが、返礼品は寄付者以外の第三者(受益者)に引き渡されてもよい(提供されてもよい)。例えば、寄付者は、返礼品が寄付者の親族に届くように、寄付(返礼品の注文)を行ってもよい。また、提供者は、配送業者を兼ねていてもよい。
【0088】
さらに、提供対価は、提供者の口座に振り込まれることに限らない。例えば、提供者が利用する電子マネーのポイントとして提供対価が第1口座161から提供者に送金されてもよい。
【0089】
<変形例1>
実施形態1では、ふるさと納税(寄付)の返礼として返礼品(商品)を提供する例について説明したが、寄付の返礼としてサービス(役務)を提供する場合であっても、管理システム10は適用可能である。サービスの提供とは、例えば、タクシーやバスでの送り迎え、地域の施設(美術館や博物館)の入場、庭やお墓の清掃、または、特定の学問についての講義などを提供することである。
【0090】
この場合には、図8に示すように、提供者が寄付者にサービスを直接提供するため、図1とは異なり配送業者が存在しない。このため、(2)自治体から中間事業者に、返礼としてサービスの提供が発注されると、(3)中間事業者は提供者にサービスの提供を発注して、その後、(4)提供者から寄付者にサービスが提供される。そして、(5)サービスの提供が完了した旨(提供完了情報)を、提供者が中間事業者に送ると、(6)中間事業者は、銀行に対してサービスの提供対価を提供者の口座に振り込むように指示する。
【0091】
図9のフローチャートを参照して、変形例1に係る出金管理の処理について説明する。以下では、ステップS4001,S4002のみについて説明する。なお、その他のステップS3001,S3002,S3007~S3010の処理は、図6における同名の処
理における「返礼品」を「サービス」に読み替えた処理と同様である。また、本変形例では、寄付情報は、「返礼品名」の代わりに「サービス名」を含み、かつ、「配送先」の代わりに「サービスの提供場所」を含む。
【0092】
ステップS4001では、発注部112は、提供者端末15に発注情報(寄付者名、サービス名、およびサービスの提供場所などの情報)を送信することにより、提供者にサービスの提供を発注する。
【0093】
ステップS4002では、完了判定部122は、発注情報が示すサービスの提供場所における当該サービスの提供が完了したか否かを判定する。具体的には、完了判定部122は、提供者端末15からサービスの提供が完了した旨を示す情報を提供の完了時に取得したか否かによって、サービスの提供が完了したか否かを判定する。サービスの提供が完了したと判定された場合には、ステップS3007に進む。サービスの提供が完了していないと判定された場合には、ステップS4002の処理が繰り返される。
【0094】
変形例1によれば、特定の場所においてサービスが寄付者に提供される場合であっても、提供者が提供を完了した後に、設定日時において提供代金が提供者の口座に払い込まれる。このため、提供者は、所望する日時に提供代金を取得することができるので、提供者の負担を軽減される。
【0095】
<変形例2>
実施形態1および変形例1では、ふるさと納税の返礼(返礼品またはサービス)の提供についての例を説明したが、EC(Electronic Commerce)サイトを用いて商品やサービスを提供する場合であっても、管理システム10は適用可能である。
【0096】
この場合には、図10に示すように、実施形態1における「寄付者」を「注文者」と読み替え、「寄付」を「注文」と読み替える。そして、「自治体」を「ECサイト運営者」または「ECサイト」と読み替え、「返礼品」を「商品」と読み替える。これにより、ECサイトを用いて注文者が商品を注文した場合において、提供者が商品を注文者に届けた後に、設定日時に達すると、提供者の口座に提供対価が振り込まれるようにすることができる。
【0097】
また、変形例1における「寄付者」を「注文者」と読み替え、「寄付」を「注文」と読み替えて、「自治体」を「ECサイト運営者」または「ECサイト」と読み替えてもよい。
【0098】
なお、変形例2では、ECサイト運営者と中間事業者とは、同一の者であってもよい。この場合には、図10における(2)商品の提供の発注、(10)代金の請求および(11)代金の振り込みが行われなくてもよい。
【0099】
変形例2によれば、ECサイトを用いて、注文者がサービスまたは商品を注文する場合であっても、提供者が提供を完了した後に、設定日時において提供代金が提供者の口座に払い込まれる。このため、提供者は、所望する日時に提供代金を取得することができるので、提供者の負担を軽減される。
【0100】
以上に説明した本発明の各実施形態および各変形例に記載された構成や処理は、互いに任意に組み合わせて利用できる。
【符号の説明】
【0101】
10:管理システム、16:金融システム、
101:提供者管理システム、102:寄付管理システム、103:出金管理システム、161:第1口座、162:第2口座、
111:受付部、112:発注部、113:出荷情報取得部、114:請求部、
121:寄付情報取得部、122:完了判定部、
132:指示送信部、104:データ登録部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送金する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が第1の口座から前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する送信手段と、
を有し、
前記設定日時は、提供者ごとに、当該提供者によって定められた日時であり、
第1の提供者には、前記設定日時として第1の日時が設定されており、
前記送信手段は、前記第1の提供者について前記第1の日時までに複数回の前記商品の引き渡しまたは複数回の前記サービスの提供が完了している場合には、前記複数回の前記商品の引き渡しまたは前記複数回の前記サービスの提供に対応する提供対価の合計額の金銭が前記第1の日時に前記第1の提供者に送金されるように、前記合計額の金銭を前記第1の提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記送信手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を、前記設定日時に前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前
記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように第2の口座から前記第1の口座に前記提供対価分の金銭を振り込む指示とを、前記金融機関に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする管理システム。
【請求項4】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信手段と、
を有し、
前記特定の金額とは、前年における前記第1の口座からの総出金額が最も多い月の総出金額である、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項5】
前記特定の金額とは、前年における12月の前記第1の口座からの総出金額である、
ことを特徴とする請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信手段と、
を有し、
前記第1の口座は、自治体の与信に基づいて与信枠が設定された口座である、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項7】
前記第1の口座は、前記商品または前記サービスの提供の依頼を依頼者から受けた事業者の口座であって、
前記管理システムは、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定されると、少なくとも前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払うように前記依頼者に請求する請求手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記送信手段は、前記依頼者が前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払う前であっても、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合には、前記商品または前記サービスの前記提供対価を前記第1の口座から前記提供者に送金する指示を、前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記判定手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供の完了時に前記提供者から送信される情報に応じて、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
配送業者によって前記商品が前記提供者から前記受益者に配送されることにより、前記商品が提供されており、
前記判定手段は、前記配送業者を識別する情報および前記商品の配送を識別する情報に基づき前記配送業者の端末に問い合わせを行うことによって、前記商品の引き渡しが完了したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
前記判定手段は、前記商品が前記受益者に届いたと判定した場合に、前記商品の引き渡しが完了したと判定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項12】
前記受益者は、ふるさと納税の寄付に対する返礼としての前記商品または前記サービスの提供を受ける者であり、
前記提供者は、前記ふるさと納税の寄付に対する前記返礼としての前記商品または前記サービスを提供する者である、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項13】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送金する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が第1の口座から前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する送信ステップと、
を有し
前記設定日時は、提供者ごとに、当該提供者によって定められた日時であり、
第1の提供者には、前記設定日時として第1の日時が設定されており、
前記送信ステップでは、前記第1の提供者について前記第1の日時までに複数回の前記商品の引き渡しまたは複数回の前記サービスの提供が完了している場合には、前記複数回の前記商品の引き渡しまたは前記複数回の前記サービスの提供に対応する提供対価の合計額の金銭が前記第1の日時に前記第1の提供者に送金されるように、前記合計額の金銭を前記第1の提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする出金管理方法。
【請求項14】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように第2の口座から前記第1の口座に前記提供対価分の金銭を振り込む指示とを、前記金融機関に送信する送信ステップと、を有することを特徴とする出金管理方法。
【請求項15】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の
口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信ステップと、
を有し、
前記特定の金額とは、前年における前記第1の口座からの総出金額が最も多い月の総出金額である、
ことを特徴とする出金管理方法。
【請求項16】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように前記第1の口座の残高を調整する指示とを、前記金融機関に送信する送信ステップと、
を有し、
前記第1の口座は、自治体の与信に基づいて与信枠が設定された口座である、
ことを特徴とする出金管理方法。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか1項に記載の出金管理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を、金融機関に送信する管理システムであって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように第2の口座から前記第1の口座に前記提供対価分の金銭を振り込む指示とを、前記金融機関に送信する送信手段と、
を有し、
前記第1の口座は、前記商品または前記サービスの提供の依頼を依頼者から受けた事業者の口座であって、かつ、前記提供対価を前記提供者に送金するための口座であり、
前記第2の口座は、前記事業者の口座であって、かつ、前記提供対価を含む金銭を前記依頼者から前記事業者に送金するための口座であり、
前記第1の口座と前記第2の口座とは、同一の金融機関における口座であり、
前記特定の金額とは、前年における前記第1の口座からの総出金額が最も多い月の総出金額である、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記送信手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、予め設定された設定日時に前記商品または前記サービスの前記提供対価が第1
の口座から前記提供者に送金されるように、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を前記金融機関に送信し
前記設定日時は、提供者ごとに、当該提供者によって定められた日時であり、
第1の提供者には、前記設定日時として第1の日時が設定されており、
前記送信手段は、前記第1の提供者について前記第1の日時までに複数回の前記商品の引き渡しまたは複数回の前記サービスの提供が完了している場合には、前記複数回の前記商品の引き渡しまたは前記複数回の前記サービスの提供に対応する提供対価の合計額の金銭が前記第1の日時に前記第1の提供者に送金されるように、前記合計額の金銭を前記第1の提供者に送金する指示を前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、前記提供対価を前記提供者に送金する指示を、前記設定日時に前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項に記載の管理システム。
【請求項4】
前記特定の金額とは、前年における12月の前記第1の口座からの総出金額である、
ことを特徴とする請求項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記第1の口座は、自治体の与信に基づいて与信枠が設定された口座である、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理システムは、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定されると、少なくとも前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払うように前記依頼者に請求する請求手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記送信手段は、前記依頼者が前記提供対価の額の金銭を前記事業者に支払う前であっても、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合には、前記商品または前記サービスの前記提供対価を前記第1の口座から前記提供者に送金する指示を、前記金融機関に送信する、
ことを特徴とする請求項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記判定手段は、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供の完了時に前記提供者から送信される情報に応じて、前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
配送業者によって前記商品が前記提供者から前記受益者に配送されることにより、前記商品が提供されており、
前記判定手段は、前記配送業者を識別する情報および前記商品の配送を識別する情報に基づき前記配送業者の端末に問い合わせを行うことによって、前記商品の引き渡しが完了したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
前記判定手段は、前記商品が前記受益者に届いたと判定した場合に、前記商品の引き渡しが完了したと判定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
前記受益者は、ふるさと納税の寄付に対する返礼としての前記商品または前記サービス
の提供を受ける者であり、
前記提供者は、前記ふるさと納税の寄付に対する前記返礼としての前記商品または前記サービスを提供する者である、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項12】
商品またはサービスを提供した提供者に提供対価を送信する指示を金融機関に送信し、かつ、コンピュータにより実行される出金管理方法であって、
受益者への前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したか否かを判定する判定ステップと、
前記商品の引き渡しまたは前記サービスの提供が完了したと判定された場合に、第1の口座から前記提供者に前記商品または前記サービスの前記提供対価を送金する指示と、前記第1の口座に特定の金額以上の残高が維持されるように第2の口座から前記第1の口座に前記提供対価分の金銭を振り込む指示とを、前記金融機関に送信する送信ステップと、を有し、
前記第1の口座は、前記商品または前記サービスの提供の依頼を依頼者から受けた事業者の口座であって、かつ、前記提供対価を前記提供者に送金するための口座であり、
前記第2の口座は、前記事業者の口座であって、かつ、前記提供対価を含む金銭を前記依頼者から前記事業者に送金するための口座であり、
前記第1の口座と前記第2の口座とは、同一の金融機関における口座であり、
前記特定の金額とは、前年における前記第1の口座からの総出金額が最も多い月の総出金額である、
ことを特徴とする出金管理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の出金管理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。