(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065308
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】車両用空調装置
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B60H1/00 102H
B60H1/00 102J
B60H1/00 102P
B60H1/00 102Q
B60H1/00 103L
B60H1/00 103P
B60H1/00 102K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174105
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智久
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA02
3L211DA07
3L211DA10
3L211DA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】暖風が流通する際の圧力損失を低減してデフロスタ開口に対する送風量を増大する。
【解決手段】空調ケース12の内部には、通路36を上下に仕切る仕切板18と、蒸発器14の下流上側に配置される上層通路56と、蒸発器14の下流下側に設けられる下層通路58とを備える。上層通路56が、加熱器16の下流に形成される第1暖風通路66を有し、第1暖風通路66には、第1暖風通路66とデフロスタ開口とを連通させる第3バイパス通路80の上流側開口に向かい合い、空調ケース12に回動可能に支持され、第1暖風通路66を流れる空気の流通状態を調整するヒート調整ドア26を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流通する通路と、車両の車室内における乗員の顔近傍へ前記空気を送風するベント開口と、前記車室内における前記乗員の足元近傍へ前記空気を送風するヒート開口と、前記車室内のフロントウィンドウ近傍へ前記空気を送風するデフロスタ開口とを有した空調ケースと、
前記空調ケースの前記通路に配置され前記通路を流れる前記空気を冷却する蒸発器と、
前記空調ケースにおいて前記蒸発器の下流に配置され前記蒸発器を通過した前記空気を加熱する加熱器と、
前記空調ケースの内部に配置され、前記蒸発器の下流から前記加熱器の下流まで延在して前記通路を上下に仕切る仕切板と、
前記仕切板によって分割された前記通路の一方であり前記蒸発器の下流上側に配置される上層通路と、
前記仕切板によって分割された前記通路の他方であり前記蒸発器の下流下側に設けられる下層通路と、
前記上層通路に設けられ前記蒸発器を通過した前記空気が前記加熱器の上側を迂回するように流通する第1バイパス通路と、
前記下層通路に設けられ前記蒸発器を通過した前記空気が前記加熱器の下側を迂回するように流通する第2バイパス通路と、
前記蒸発器と前記加熱器との間において前記上層通路に移動可能に設けられ、前記上層通路から前記加熱器へ流通する空気と前記第1バイパス通路へ流通する前記空気との割合を調整する第1エアミックスドアと、
前記蒸発器と前記加熱器との間において前記下層通路に移動可能に設けられ、前記下層通路から前記加熱器へ流通する空気と前記第2バイパス通路へ流通する前記空気との割合を調整する第2エアミックスドアと、
前記上層通路において前記加熱器の下流に形成される第1暖風通路と、
前記下層通路において前記加熱器の下流に形成される第2暖風通路と、
前記第1暖風通路に隣接して配置され、前記第1暖風通路と前記デフロスタ開口とを連通させ、前記加熱器で加熱された前記空気を前記デフロスタ開口へ流通させる第3バイパス通路と、
前記第1暖風通路に設けられ且つ前記第3バイパス通路の上流側開口に向かい合い、前記空調ケースに回動可能に支持され、前記第1暖風通路を流れる前記空気の流通状態を調整するヒート調整ドアと、
を備える、車両用空調装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用空調装置において、
前記ヒート調整ドアは、前記空調ケースの壁部に回動可能に支持されるシャフト部と、
前記シャフト部の外周から径方向外方に向けて延出する板状の第1遮蔽部と、
前記シャフト部の外周から径方向外方に向けて延出し、且つ、前記第1遮蔽部とは異なる方向に向けて延出する板状の第2遮蔽部と、
前記シャフト部の軸方向において前記第2遮蔽部の中央部に形成され、前記第2遮蔽部の一部が切り欠かれた切欠部と、
を備える、車両用空調装置。
【請求項3】
請求項2記載の車両用空調装置において、
前記シャフト部の径方向において、前記第1遮蔽部の長さは前記第2遮蔽部の長さよりも長い、車両用空調装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
前記ベント開口には、前記ベント開口を開閉するベントドアが配置され、
前記車両用空調装置は、前記ベントドアを駆動するための駆動部と、
前記駆動部の駆動力が伝達され、前記駆動力を前記ベントドアに伝達して駆動させるリンク機構と、
を備え、
前記リンク機構は、前記ベントドアに対して前記駆動力を伝達して前記ベントドアを回動させるベントレバーと、
前記ヒート調整ドアに対して前記駆動力を伝達して回動させるヒートレバーと、
前記ベントレバーと前記ヒートレバーとを接続して連動させる連動ロッドと、
を備える、車両用空調装置。
【請求項5】
請求項2又は3記載の車両用空調装置において、
前記第1暖風通路を開放した前記ヒート調整ドアの全開時において、前記第1遮蔽部の径方向先端が前記第3バイパス通路の前記上流側開口の後端に隣接する、車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、温度調整のなされた空気を車室内へと送風して車室内の温度調整を行う車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の車両用空調装置は、内外気二層式の空調装置であり、車両用空調装置は、ケーシングの内部にケーシング内の通路を上下に分割する複数の仕切り板を備える。ヒータコアの下流の暖風通路には、2つの仕切り板(第1及び第2仕切り板)を有する。第1仕切り板は、空気の流れ方向に沿って延在する板状である。
【0003】
第2仕切り板は、第1仕切り板の上方に離間して配置され、上下に離間した一組の板部を備える。一方の板部と他方の板部とが上下方向に離間し、下流側の端部が互いに接続されて一体で形成される。暖風通路において、第1及び第2仕切り板の上方には、車両の外部から取り込まれた外気が流通し、第1及び第2仕切り板の下方には、車室内から取り込まれた内気が流通する。第1及び第2仕切り板の下流側には、モードドアが回動可能に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような内外気二層式の車両用空調装置は、一般的に、仕切り板を備えていない単層式の空調装置と比較し、モードドアの配置やモードドアの停止位置に制約が多い。特許文献1の車両用空調装置は、暖風通路において第1及び第2仕切り板が配置され、しかも、第2仕切り板の構造が複雑である。そのため、暖風通路を暖風が流れるとき、第1及び第2仕切り板を迂回するように暖風が上方へ向けて流れる。そのため、暖風が流れる際に圧力損失が生じて十分な送風量で暖風を車室内へと送風できない。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、空気が流通する通路と、車両の車室内における乗員の顔近傍へ前記空気を送風するベント開口と、前記車室内における前記乗員の足元近傍へ前記空気を送風するヒート開口と、前記車室内のフロントウィンドウ近傍へ前記空気を送風するデフロスタ開口とを有した空調ケースと、前記空調ケースの前記通路に配置され前記通路を流れる前記空気を冷却する蒸発器と、前記空調ケースにおいて前記蒸発器の下流に配置され前記蒸発器を通過した前記空気を加熱する加熱器と、前記空調ケースの内部に配置され、前記蒸発器の下流から前記加熱器の下流まで延在して前記通路を上下に仕切る仕切板と、前記仕切板によって分割された前記通路の一方であり前記蒸発器の下流上側に配置される上層通路と、前記仕切板によって分割された前記通路の他方であり前記蒸発器の下流下側に設けられる下層通路と、前記上層通路に設けられ前記蒸発器を通過した前記空気が前記加熱器の上側を迂回するように流通する第1バイパス通路と、前記下層通路に設けられ前記蒸発器を通過した前記空気が前記加熱器の下側を迂回するように流通する第2バイパス通路と、前記蒸発器と前記加熱器との間において前記上層通路に移動可能に設けられ、前記上層通路から前記加熱器へ流通する空気と前記第1バイパス通路へ流通する前記空気との割合を調整する第1エアミックスドアと、前記蒸発器と前記加熱器との間において前記下層通路に移動可能に設けられ、前記下層通路から前記加熱器へ流通する空気と前記第2バイパス通路へ流通する前記空気との割合を調整する第2エアミックスドアと、前記上層通路において前記加熱器の下流に形成される第1暖風通路と、前記下層通路において前記加熱器の下流に形成される第2暖風通路と、前記第1暖風通路に隣接して配置され、前記第1暖風通路と前記デフロスタ開口とを連通させ、前記加熱器で加熱された前記空気を前記デフロスタ開口へ流通させる第3バイパス通路と、前記第1暖風通路に設けられ且つ前記第3バイパス通路の上流側開口に向かい合い、前記空調ケースに回動可能に支持され、前記第1暖風通路を流れる前記空気の流通状態を調整するヒート調整ドアと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空調ケースの第1暖風通路に、第1暖風通路を流れる空気の流通状態を調整可能なヒート調整ドアを備え、ヒート調整ドアを、第3バイパス通路の上流側開口に向かい合わせ、空調ケースに回動可能に支持している。これにより、複雑な仕切り部によって暖風通路を二層で構成した車両用空調装置と比較し、ヒート調整ドアを開くことで、第3バイパス通路と共にデフロスタ開口と連通する暖風通路を構成することができる。従って、第1暖風通路とデフロスタ開口との間の流路構造を簡素化でき、しかも、第1暖風通路からデフロスタ開口までの経路を短縮できるため、暖風が流通する際の圧力損失を低減してデフロスタ開口に対する送風量を増大できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置のベントモードでの運転状態を示す全体断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の車両用空調装置を後方から見た全体正面図である。
【
図3】
図3は、
図1の車両用空調装置におけるヒート調整ドア近傍の拡大断面図である。
【
図5】
図5は、ヒート調整ドアの外観斜視図である。
【
図6】
図6は、駆動機構近傍を示す空調ケースの外観側面図である。
【
図7】
図7は、
図1の車両用空調装置がヒートモードで運転される場合を示す全体断面図である。
【
図8】
図8は、
図7の車両用空調装置におけるヒート調整ドア近傍の拡大断面図である。
【
図9】
図9は、
図1の車両用空調装置がヒートデフモードで運転される場合を示す全体断面図である。
【
図10】
図10は、
図1の車両用空調装置がバイレベルモードで運転される場合を示す全体断面図である。
【
図12】
図12は、
図1の車両用空調装置がデフロスタモードで運転される場合を示す全体断面図である。
【
図13】
図13Aは、ヒートモードにおけるヒート開口及びデフロスタ開口の送風温度と、第1及び第2エアミックスドアの開度との関係を示す特性曲線図であり、
図13Bは、バイレベルモードにおけるベント開口及びヒート開口の送風温度と、第1及び第2エアミックスドアの開度との関係を示す特性曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用空調装置10は、空調ケース12と、蒸発器14と、加熱器16と、仕切板18と、第1及び第2エアミックスドア20、22と、ガイド部材24と、ヒート調整ドア26と、駆動機構28(
図6参照)とを備える。車両用空調装置10は、図示しない車両に搭載された際、車両の前後方向に沿って配置される。
図1における左方向が、車両の前方となり、右方向が、車両の後方となる。
【0011】
図2に示すように、空調ケース12は、樹脂材料から形成され分割可能な第1及び第2分割体30、32、中間分割体34から構成される。第1分割体30と第2分割体32は略同一形状で形成された半割体である。第1及び第2分割体30、32、中間分割体34は、空調ケース12の前後方向と直交する幅方向に互いに接続される。第1分割体30の開口端部と第2分割体32の開口端部との間に中間分割体34が挟持される。すなわち、中間分割体34を挟んで第1分割体30及び第2分割体32が幅方向に接続されることで空調ケース12が構成される。
【0012】
図1に示すように、空調ケース12の内部には、図示しない送風機から送出された空気が流通可能な通路36を有する。通路36は、空調ケース12の前方側が上流となり、空調ケース12の後方側が下流となる。
【0013】
空調ケース12は、ベント開口38と、デフロスタ開口40と、ヒート開口42とを備える。ベント開口38は、空調ケース12の上部において後方側に配置される。
【0014】
ベント開口38は、車室内における乗員の顔近傍に送風を行う。ベント開口38は、上方に向けて開口し図示しないダクトを介して空調ケース12の通路36と車室内とを連通する。
図2に示すように、ベント開口38は、中央開口部38aと、一対のサイド開口部38bとを有する。中央開口部38aは、ベント開口38の幅方向中央に配置される。サイド開口部38bは、中央開口部38aに対して幅方向外側にそれぞれ配置される。すなわち、一対のサイド開口部38bの間に中央開口部38aが配置される。中央開口部38aは、車室内における車幅方向中央に送風可能な開口であり、サイド開口部38bは、車室内における車幅方向外方付近に送風可能な開口である。
【0015】
ベント開口38には、ベントドア44が回動可能に配置される。ベントドア44は、ベント開口38よりも内側(通路36側)に配置される。ベントドア44は、ドア軸44aと、ドア軸44aの外周面から径方向外方に膨出した遮蔽板44bとを備えたバタフライ構造である。ドア軸44aが空調ケース12の壁部48a、48b(
図2参照)に支持されることで、ベントドア44が回動可能に支持される。ベントドア44が回動することで、ベント開口38の中央開口部38aの開口状態を切り替える。ベントドア44が回動して遮蔽板44bがベント開口38を覆うことでベント開口38が閉塞される。一対のサイド開口部38bは、ベントドア44の回動動作にかかわらず、常に開放されている。
【0016】
デフロスタ開口40は、空調ケース12の上部においてベント開口38の前方に配置される。デフロスタ開口40は、車室内のフロントウィンドウ近傍に送風を行う。デフロスタ開口40は、上方に向けて開口し図示しないダクトを介して車室内と連通する。ベント開口38及びデフロスタ開口40は、第1及び第2分割体30、32、中間分割体34に跨るように幅方向に沿ってそれぞれ形成される(
図2参照)。
【0017】
デフロスタ開口40には、デフロスタドア46が回動可能に配置される。デフロスタドア46は、デフロスタ開口40よりも内側(通路36側)に配置される。デフロスタドア46は、ドア軸46aと、ドア軸46aの外周面から径方向外方に延在するドア板46bとを有した片持ち構造である。デフロスタドア46が、空調ケース12の壁部48a、48b(
図2参照)に支持されることで回動可能に支持される。デフロスタドア46が回動することで、デフロスタ開口40の開口状態を切り替える。デフロスタドア46が回動してドア板46bがデフロスタ開口40を覆うことでデフロスタ開口40が閉塞される。
【0018】
図2に示すように、空調ケース12の幅方向外側には、一対の壁部48a、48bを有する。壁部48a、48bは、鉛直方向及び前後方向に延在する。一対の壁部48a、48bは、第1及び第2分割体30、32の側壁である。
図3に示すように、空調ケース12の後方壁12a近傍の各壁部には、ヒート開口42を備える。各ヒート開口42は、幅方向に向けて壁部48a、48bに開口する。各ヒート開口42は、車室内における乗員の足元近傍に送風を行う。ヒート開口42は、空調ケース12の内部と連通すると共に図示しないダクトを介して車室内と連通する。
【0019】
ヒート開口42の前方には、ヒートドア50が回動可能に配置される。ヒートドア50は、ベントドア44と同様のバタフライ構造である。ヒートドア50のドア軸50aが、空調ケース12の壁部48a、48bに支持されることでヒートドア50が回動可能に支持される。ヒートドア50が回動することで、ヒート開口42と通路36との連通状態を切り替える。ヒートドア50が回動してドア板50bがヒート開口42の上流を遮断する。
【0020】
図1に示すように、蒸発器14は、空調ケース12の通路36に配置される。蒸発器14は、通路36を流れる空気が通過可能な第1熱交換部52を有した熱交換器である。第1熱交換部52の内部には、例えば、冷媒が循環する。蒸発器14は、通路36を流れる空気の流通方向と直交するように上下方向に沿って配置される。蒸発器14は、空調ケース12に対して固定される。第1熱交換部52を空気が通過することで、空気と冷媒との間で熱交換がなされ空気が冷却されて冷風として下流に供給される。
【0021】
加熱器16は、空調ケース12の通路36において蒸発器14の下流に配置される。加熱器16と蒸発器14とが空調ケース12の前後方向に離間して略平行に配置される。加熱器16は、通路36を流れる空気が通過可能な第2熱交換部54を有した熱交換器である。第2熱交換部54の内部には、例えば、加熱された温水が循環する。加熱器16は、通路36を流れる空気の流通方向と直交するように上下方向に沿って配置される。加熱器16の上端及び下端が、一組のホルダ17によって保持され空調ケース12に固定される。第2熱交換部54を空気が通過することで、空気と温水との間で熱交換がなされ空気が加熱されて暖風として加熱器16の下流に供給される。
【0022】
図3に示すように、仕切板18は、空調ケース12の内部において上下方向略中央に配置される。仕切板18は、空調ケース12内の通路36を上下に分割する。通路36は、仕切板18の上方に配置される上層通路56と、仕切板18の下方に配置される下層通路58とに分割される。すなわち、仕切板18によって、蒸発器14の下流側が上下二層に分割された二層式の車両用空調装置10を構成する。上層通路56には、車両の外部から取り込まれた空気が流通可能である。上層通路56は、ベント開口38及びデフロスタ開口40と連通する。下層通路58は、車室内の空気が流通可能である。下層通路58は、ヒート開口42と連通する。
【0023】
仕切板18は、上下方向に薄い板状であり、空気の流通方向に沿って上流から下流に向けて延在する。仕切板18は、空調ケース12の一対の壁部48a、48bを互いに繋ぐ。仕切板18は、蒸発器14と加熱器16との間に配置される第1仕切部60と、加熱器16の下流に配置される第2仕切部62とを有する。
【0024】
第1仕切部60は、空調ケース12の前後方向に沿って略水平に配置される。第1仕切部60は、蒸発器14の下流端と加熱器16の上流端との間に配置される。第1仕切部60は、蒸発器14の第1熱交換部52及び加熱器16の第2熱交換部54の高さ方向中央部に向かい合う。
【0025】
第2仕切部62は、加熱器16の下流端から空調ケース12の後方壁12a近傍まで延在する。第2仕切部62は、加熱器16の下流端に向かい合う上流端部621と、上流端部621の下流側に配置され空調ケース12の後方壁12aに向かい合う下流端部622と、上流端部621と下流端部622との間に配置される頂部623とを有する。
【0026】
頂部623は、上流端部621及び下流端部622に対して上方に配置される。上流端部621と頂部623とがなだらかな傾斜壁624で接続される。傾斜壁624は、上流端部621から頂部623に向けて上方へと傾斜する。すなわち、第2仕切部62は、頂部623を頂点として上方に向けて膨出した凸状である。
【0027】
上層通路56は、蒸発器14の下流上側に配置される。すなわち、上層通路56は、仕切板18の上方に配置される。上層通路56は、第1バイパス通路64と、第1暖風通路66とを有する。第1バイパス通路64は、蒸発器14の下流に配置され加熱器16の上方を迂回する。第1バイパス通路64には、蒸発器14を通過して冷却された空気(冷風)が流通する。第1暖風通路66は、加熱器16の下流に形成され加熱器16を通過して加熱された空気(暖風)が流通する。第1暖風通路66は、空調ケース12の後方壁12aに向けて延在する。
【0028】
下層通路58は、蒸発器14の下流下側に配置される。すなわち、下層通路58は、仕切板18の下方に配置される。下層通路58は、第2バイパス通路68と、第2暖風通路70とを有する。第2バイパス通路68は、蒸発器14に下流に配置され加熱器16の下方を迂回する。第2バイパス通路68には、蒸発器14を通過して冷却された空気(冷風)が流通する。第2暖風通路70は、第2仕切部62によって第1暖風通路66と分離され、加熱器16の下流に形成され加熱器16を通過して加熱された空気(暖風)が流通する。第2暖風通路70は、空調ケース12の後方壁12aに向けて延在する。
【0029】
第1及び第2エアミックスドア20、22は、蒸発器14と加熱器16との間に配置される。第1及び第2エアミックスドア20、22は、空調ケース12の前後方向に薄い板状に形成される。
【0030】
第1エアミックスドア20は、第1仕切部60の上方に配置され図示しないガイドレールに沿って上下方向に移動可能に配置される。第1エアミックスドア20は、上層通路56に配置される。第1エアミックスドア20は、上層通路56から加熱器16に向けて流通する空気と、第1バイパス通路64へ流通する空気との割合を調整可能である。
【0031】
第1エアミックスドア20は、蒸発器14に向かい合う壁面にラックギア20aを有する。ラックギア20aは、第1エアミックスドア20の上下方向に沿って形成される。ラックギア20aには、空調ケース12の壁部48a、48bに回転可能に支持された第1ドアシャフト72のピニオンギア72aが噛合される。駆動部92が駆動して第1ドアシャフト72が回転すると、ピニオンギア72aとラックギア20aとの噛合によって、上層通路56において第1エアミックスドア20がガイドレールに沿って上下方向に移動する。
【0032】
第2エアミックスドア22は、第1仕切部60の下方に配置され図示しないガイドレールに沿って上下方向に移動可能に配置される。第2エアミックスドア22は、下層通路58に配置される。第2エアミックスドア22は、下層通路58から加熱器16へ向けて流通する空気と、第2バイパス通路68へ流通する空気との割合を調整可能である。第1エアミックスドア20と第2エアミックスドア22とが、空調ケース12の上下方向に直線状に配置される。
【0033】
第2エアミックスドア22は、蒸発器14に向かい合う壁面にラックギア22aを有する。ラックギア22aは、第2エアミックスドア22の上下方向に沿って形成される。ラックギア22aには、空調ケース12の壁部48a、48bに回転可能に支持された第2ドアシャフト74のピニオンギア74aが噛合される。駆動部92が駆動して第2ドアシャフト74が回転すると、ピニオンギア74aとラックギア22aとの噛合によって、下層通路58において第2エアミックスドア22がガイドレールに沿って上下方向に移動する。
【0034】
図1に示すように、ガイド部材24は、樹脂材料から形成された筒体である。ガイド部材24は、中間分割体34に収容され、中間分割体34と共に第1分割体30と第2分割体32との間に挟持される(
図4参照)。ガイド部材24は、第1暖風通路66の上方に配置されベント開口38に向かい合う。ガイド部材24は、第1暖風通路66からデフロスタ開口40へ向かう空気の流れをガイドする。
【0035】
ガイド部材24は、一組の第1ガイド壁76と、一組の第2ガイド壁78とを有する。一組の第1ガイド壁76は、互いに離間して略平行に配置される。一組の第2ガイド壁78は、第1ガイド壁76と略直交すると共に、互いに離間して略平行に配置される。一方の第2ガイド壁78が、第1ガイド壁76の幅方向一端同士を接続し、他方の第2ガイド壁78が、第1ガイド壁76の幅方向他端同士を接続する。ガイド部材24の一端は、一組の第1ガイド壁76の一端、一組の第2ガイド壁78の一端によって囲まれた上流側端部781を有する。ガイド部材24の他端は、一組の第1ガイド壁76の他端、一組の第2ガイド壁78の他端によって囲まれた下流側端部783を有する。上流側端部781及び下流側端部783は、略同一形状で矩形状である。
【0036】
空調ケース12の内部において、ガイド部材24の上流側端部781が後方となり、下流側端部783が前方に配置され、下流側端部783に対して上流側端部781が下方となるようにガイド部材24が傾斜して配置される。このとき、第1ガイド壁76がベント開口38に向かい合い、且つ、加熱器16の上端に向かい合う。
【0037】
上流側端部781は、斜め下方に向けて開口し、ヒート調整ドア26及び第2仕切部62の頂部623に向かい合う。下流側端部783は、斜め上方に向けて開口しデフロスタ開口40に向かい合う。ガイド部材24の内部には、第1暖風通路66とデフロスタ開口40とを連通する第3バイパス通路80を有する。第3バイパス通路80は、ガイド部材24の上流側端部781から下流側端部783まで延在する。第3バイパス通路80の上流側開口801が、第1暖風通路66の上方に配置されて第1暖風通路66と連通する。第3バイパス通路80の下流側開口802が、デフロスタ開口40の下方に離間して配置されてデフロスタ開口40と連通する。すなわち、第3バイパス通路80は、加熱器16で加熱された空気(暖風)を、ベント開口38へ流通させることなく第1暖風通路66からデフロスタ開口40へとバイパスして送風可能である。
【0038】
図3に示すように、ヒート調整ドア26は、空調ケース12の後方壁12aと加熱器16との間に配置される。ヒート調整ドア26は、第1暖風通路66においてガイド部材24の上流側端部781(第3バイパス通路80の上流側開口801)に向かい合い、空調ケース12の壁部48a、48bに回動可能に設けられる。ヒート調整ドア26は、第1暖風通路66を流れる空気の流通状態(流通量及び流通方向)を調整可能である。
【0039】
図5に示すように、ヒート調整ドア26は、空調ケース12の壁部48a、48b(
図4参照)に軸支されるシャフト部82と、シャフト部82の外周から延出する第1及び第2遮蔽部84、86と、第2遮蔽部86に設けられる切欠部88とを備える。
【0040】
シャフト部82は、空調ケース12の幅方向に沿って延在し、シャフト部82の幅方向両端がそれぞれ空調ケース12の壁部48a、48bに回転可能に支持される。
【0041】
第1遮蔽部84は、板状に形成されシャフト部82の外周から径方向外方に向けて延出する。第1遮蔽部84は、シャフト部82の軸方向に沿って延在する。第1遮蔽部84は、ガイド部材24に向かい合うように配置される(
図3参照)。第1遮蔽部84は、シャフト部82の外周に接続される第1ドア本体84aと、第1ドア本体84aの径方向先端に配置される第1シール部90aとを有する。 第1シール部90aは、ゴム等の弾性材料から形成される。第1シール部90aは、第1ドア本体84aの径方向先端から径方向外方へ突出したリップ状である。
【0042】
第2遮蔽部86は、板状に形成されシャフト部82の外周から径方向外方に向けて延出し、且つ、第1遮蔽部84とは異なる方向に延出する。第2遮蔽部86は、シャフト部82の軸方向に沿って延在する。例えば、第1遮蔽部84と第2遮蔽部86とが、シャフト部82を挟んで互いに離間する方向に延出する。第2遮蔽部86は、第1遮蔽部84に対して下方に配置され第2仕切部62に向かい合う。
【0043】
第2遮蔽部86は、シャフト部82の外周に接続される第2ドア本体86aと、第2ドア本体86aの径方向先端に配置される第2シール部90bとを有する。第2シール部90bは、ゴム等の弾性材料から形成される。第2シール部90bは、第2ドア本体86aの径方向先端から径方向外方へ突出したリップ状である。
【0044】
切欠部88は、シャフト部82の軸方向において第2遮蔽部86の中央部に形成される(
図4参照)。切欠部88は、第2遮蔽部86の一部を切り欠くことで形成される。切欠部88は、シャフト部82の軸方向に沿って長尺な長方形状である。切欠部88は、第2遮蔽部86の径方向先端からシャフト部82の外周まで第2遮蔽部86を切り欠いて形成される。換言すれば、シャフト部82の軸方向において、切欠部88を中心として第2遮蔽部86が両側に対となるように部分的に配置される。シャフト部82の径方向において、第1遮蔽部84の径方向長さL1が、第2遮蔽部86の径方向長さL2より長い(
図5中、L1>L2)。
【0045】
図3に示すように、ヒート調整ドア26が回動して第1暖風通路66の連通を遮断した全閉位置では、シャフト部82を中心として第1遮蔽部84が斜め前方、第2遮蔽部86が斜め後方に配置される。このとき、第1遮蔽部84の第1シール部90a(径方向先端)がホルダ17に当接し、第2遮蔽部86の第2シール部90b(径方向先端)が第2仕切部62の傾斜壁624に当接することで、第1暖風通路66の途中において第1暖風通路66の連通を遮断する。
【0046】
図7に示すヒート調整ドア26が回動して第1暖風通路66を開放した全開位置では、シャフト部82を中心として第1遮蔽部84が斜め後方、第2遮蔽部86が斜め前方に配置される。このとき、第1遮蔽部84の第1シール部90aがガイド部材24の上流側端部781(上流側開口801)に近接し、第2遮蔽部86の第2シール部90bが第2仕切部62の上方で第1暖風通路66中に配置される。
【0047】
図6に示すように、駆動機構28は、ベントドア44を含む各ドアを駆動可能である。駆動機構28は、空調ケース12の壁部48bの外側に配置される。駆動機構28は、電力供給によって駆動する駆動部92と、駆動部92の駆動力を各ドアに対して伝達可能なリンク機構94とを備える。
【0048】
駆動部92は、例えば、サーボモータ等のアクチュエータである。駆動部92は、空調ケース12の壁部48bにおいてベント開口38及びデフロスタ開口40の下方に配置されて固定される。駆動部92の中央には、図示しない駆動シャフトを有する。駆動部92に対して電力が供給されると、駆動シャフトが回転駆動する。
【0049】
リンク機構94は、駆動部92の駆動シャフトに連結されたリンクプレート98と、ベントドア44のドア軸44aに連結されるベントレバー100と、ヒート調整ドア26のシャフト部82に連結されるヒートレバー102と、ベントレバー100とヒートレバー102とを連動させる連動ロッド104とを備える。
【0050】
リンクプレート98は円板状に形成され、リンクプレート98の中心に駆動シャフト(図示せず)が連結される。リンクプレート98は、空調ケース12の壁部48bに対して離間して平行に配置される。リンクプレート98には、壁部48bに向かう合う側面にリンク溝(図示せず)を有する。駆動部92が駆動することで、駆動シャフトと共にリンクプレート98が回転する。
【0051】
図6に示すように、ベントレバー100は、空調ケース12の壁部48bとリンクプレート98との間に配置される。ベントレバー100は、一端部に形成される第1アーム部100aと、他端部に形成される第2アーム部100bとを有する。ベントレバー100は、第1アーム部100aと第2アーム部100bとの中間部が、空調ケース12の壁部48bに回転可能に支持されると共に、ベントドア44のドア軸44aに連結される。第1アーム部100aの端部には、リンクプレート98側に向けて突出してリンク溝に係合されるレバーピン106を有する。
【0052】
駆動部92が駆動してリンクプレート98が回転すると、図示しないリンク溝に係合されたレバーピン106を介してベントレバー100の第1アーム部100aを支点として回動する。これにより、ベントレバー100の中間部に支持されたベントドア44が空調ケース12内で回動する。
【0053】
ヒートレバー102は、ベントレバー100に対して下方に配置される。ヒートレバー102は、一端部に形成される第3アーム部102aと、他端部に形成される第4アーム部102bとを有する。ヒートレバー102は、第3アーム部102aと第4アーム部102bとの間となる中間部が、空調ケース12の壁部48bに回転可能に支持されると共に、ヒート調整ドア26のシャフト部82に連結される。
【0054】
連動ロッド104は、直線状に形成される。連動ロッド104の一端部が、ベントレバー100の第2アーム部100bに対して回動可能に支持される。これにより、ベントレバー100と連動ロッド104との支持部位を支点として、ベントレバー100と連動ロッド104とが互いに回動可能に連結される。連動ロッド104の他端部は、一端部よりも下方に配置されヒートレバー102の第3アーム部102aに対して回動可能に支持される。これにより、ヒートレバー102と連動ロッド104との支持部位を支点として、ヒートレバー102と連動ロッド104とが互いに回動可能に連結される。
【0055】
駆動部92が駆動してリンクプレート98が回転し、ベントレバー100を介してベントドア44が回動するとき、ベントレバー100に連結された連動ロッド104がベントレバー100に対して回動する。連動ロッド104の回動に伴って、ヒートレバー102が連動ロッド104によって押圧又は引張され、ヒートレバー102が一端部を支点として回動する。ヒートレバー102と共にヒート調整ドア26が回動する。すなわち、駆動部92が駆動してベントドア44が回動する際、ベントドア44の回動動作に連動してヒート調整ドア26が回動動作可能である。
【0056】
次に、車両用空調装置10の動作について説明する。先ず、車両の車室内における乗員の顔近傍へ冷却された空気(以下、冷風という)を送風するベントモードで運転する場合について
図1及び
図3を参照しながら説明する。ベントモードでは、第1及び第2エアミックスドア20、22が互いに接近する方向に移動し、第1及び第2エアミックスドア20、22によって加熱器16の上流が塞がれ、第1及び第2バイパス通路64、68が開放されている。全開位置に回動したベントドア44によってベント開口38が開放され、全閉位置にあるヒートドア50及びデフロスタドア46によって、ヒート開口42及びデフロスタ開口40がそれぞれ塞がれている。
【0057】
図示しない乗員の空調操作に基づいて、図示しない送風機が駆動して空調ケース12の蒸発器14の上流に空気が導入される。下流に向けて空気が流れた後、蒸発器14の第1熱交換部52を通過することで冷媒と熱交換がなされて冷却された冷風となる。冷風は、蒸発器14の下流へと流れ、仕切板18の第1仕切部60によって上層通路56及び下層通路58の2方向に分離する。第1及び第2エアミックスドア20、22によって、冷風が、加熱器16へ流通することが阻止される。
【0058】
これにより、上層通路56の第1バイパス通路64に沿って冷風が加熱器16の上方を迂回するように流れ、下層通路58の第2バイパス通路68に沿って冷風が加熱器16の下方を迂回するように流れた後、空調ケース12の後部で冷風が上方へと流れてベントドア44によって開放されたベント開口38から冷風が車室内における乗員の顔近傍へと送風される。全開位置にあるベントドア44によって開放されたベント開口38から冷風が車室内における乗員の顔近傍へと送風される。このとき、ヒート調整ドア26は、ベントドア44の回動動作に連動して回動して全閉位置となり、第1シール部90aがホルダ17に当接し、第2シール部90bが、第2仕切部62に当接している。そのため、ヒート調整ドア26の切欠部88のみを通じて第1暖風通路66が連通している。
【0059】
例えば、ベントモードの最大冷房運転時から、運転者の操作によって送風温度を上昇させるとき、第1及び第2エアミックスドア20、22が互いに離間する方向に移動し、第1エアミックスドア20と第1仕切部60との間、第2エアミックスドア22と第1仕切部60との間を通じて、冷風が加熱器16へと流れて加熱される。このとき、ヒート調整ドア26は全閉位置にあるが、加熱器16で加熱された暖風は、第1暖風通路66において切欠部88を通じて下流へと流れる。これにより、第1及び第2バイパス通路64、68を流れる冷風と暖風とが合流して所望の温度に調整され、ベント開口38より車室内へと送風される。
【0060】
次に、乗員の足元近傍へ暖風を送風するヒートモードで運転する場合について説明する。ヒートモードで運転する場合について
図7及び
図8を参照しながら説明する。
図7に示すヒートモードでは、第1エアミックスドア20と第2エアミックスドア22とが上下方向に互いに離間した位置となり、ベントドア44が全閉位置となりベント開口38が塞がれている。ヒートドア50が全開位置にありヒート開口42が開放されている。デフロスタドア46は、全開位置と全閉位置との中間位置で開いている(以下、これを半開位置という)。ベントドア44が全閉位置に移動する回動動作に伴って、ヒート調整ドア26は全開位置となり、第1遮蔽部84の径方向先端(第1シール部90a)が、ガイド部材24における上流側端部781の後端782に隣接し、第2遮蔽部86の径方向先端(第2シール部90b)が、第2仕切部62の傾斜壁624から離間した状態にある。すなわち、ヒート調整ドア26によって第1暖風通路66が開放された状態にある。
【0061】
蒸発器14を通過した冷風は、上層通路56及び下層通路58に沿って加熱器16へと流通し、加熱器16の第2熱交換部54を通過することで加熱されて暖風となる。第1暖風通路66を流れる暖風(以下、第1暖風という)は、ヒート調整ドア26の第1及び第2遮蔽部84、86によってガイド部材24の上流側端部781(上流側開口801)に向けて上方へと導かれ、ガイド部材24の第3バイパス通路80に沿って上方前方に向けて斜めに流れる。
【0062】
すなわち、第1暖風の流れが、第2仕切部62の傾斜壁624、第1及び第2遮蔽部84、86及び第3バイパス通路80によって、後方から前方に向けて緩やかに折り返すように偏向される。換言すれば、斜め前方に向けて傾斜した第1及び第2遮蔽部84、86によって、斜め上方に向けて第1暖風が案内される。ヒート調整ドア26の第1暖風は、第3バイパス通路80からデフロスタ開口40に向けて流通し、半開状態にあるデフロスタ開口40から車室内へと送風される。
【0063】
第2暖風通路70を流れる暖風(以下、第2暖風という)は、第2仕切部62に沿って下流へと流れた後、全開位置にあるヒートドア50によってヒート開口42へと導かれる。第2暖風は、ヒートドア50によって開放されたヒート開口42から車室内における乗員の足元近傍へと送風される。
【0064】
また、第1及び第2エアミックスドア20、22とが互いに最も離間して全開となった最大暖房運転時において、加熱器16を通過した第1暖風が第1暖風通路66を通じて、デフロスタ開口40及びベント開口38のサイド開口部38bの両方へ流れる。このとき、複雑な仕切り部によって暖風通路を二層で構成した車両用空調装置と比較し、ヒート調整ドア26を設けることで第1暖風通路66を第1暖風が流通するときの流通抵抗が低減され圧力損失が減少する。これにより、ヒートモードにおける暖風の送風量を増加させることが可能となる。
【0065】
図9に示す乗員の足元近傍及びフロントウィンドウ近傍に対して暖風を同時に送風するヒートデフモードで運転する場合、デフロスタドア46の開度が、ヒートモードにおけるデフロスタドア46の開度より大きく、第1及び第2エアミックスドア20、22、ベントドア44、ヒートドア50及びヒート調整ドア26の開閉状態及び開度は、ヒートモードと同様である。ヒートデフモードでは、ヒートモードと比較し、第1暖風通路66を流れる第1暖風がより大流量でデフロスタ開口40から車室内のフロントウィンドウ近傍へ送風される。
【0066】
図13Aは、ヒートモードにおけるヒート開口42の送風温度及びデフロスタ開口40の送風温度と第1及び第2エアミックスドア20、22の開度との関係を示す特性曲線図である。なお、実線が、ヒート調整ドア26を備えた本実施例の車両用空調装置10を示す特性曲線であり、二点鎖線は、ヒート調整ドア26を備えていない比較例に係る車両用空調装置を示す特性曲線である。
図13A中の太線が、ヒート開口42の送風温度を示し、
図13A中の細線が、デフロスタ開口40の送風温度を示す。なお、本実施例におけるヒート開口42の送風温度をTH、デフロスタ開口40の送風温度をTDとし、比較例におけるヒート開口の送風温度をth、デフロスタ開口の送風温度をtdとする。
【0067】
図13Aの特性曲線図では、比較例のヒート開口42の送風温度th及びデフロスタ開口40の送風温度tdとの温度差Δtに対し、本実施例のヒート開口42の送風温度THとデフロスタ開口40の送風温度TDとの温度差ΔTが小さいことが諒解される(Δt>ΔT)。
【0068】
すなわち、ヒートモード及びヒートデフモードでは、ヒート調整ドア26の開度を大きくして全開位置とすることで、第1暖風通路66を流れる第1暖風の流量を増大させ、デフロスタ開口40への第1暖風の流量を増加させることで、ヒート開口42の送風温度THとデフロスタ開口40の送風温度TDとの温度差ΔTを抑制でき、車室内における乗員の快適性を高めることができる。
【0069】
次に、車室内における乗員の顔近傍へ冷風を送風し、乗員の足元近傍へ加熱された空気(以下、暖風という)を送風するバイレベルモードで運転する場合について
図10及び
図11を参照しながら説明する。バイレベルモードでは、第1エアミックスドア20と第2エアミックスドア22とが上下方向に所定距離離間した中間位置となり、ベントドア44が全開位置と全閉位置との半開位置で開いている。デフロスタドア46は、デフロスタ開口40を塞いだ全閉位置となり、ヒートドア50は、ヒート開口42を開放した全開位置となる。
【0070】
蒸発器14を通過した冷風は、上層通路56及び下層通路58に沿ってそれぞれ流れる。上層通路56を流れる冷風(以下、第1冷風という)は、その一部が第1バイパス通路64を通じてベント開口38へと流通する。第1冷風の残りは、第1エアミックスドア20と第1仕切部60との間を通じて加熱器16へ流通し、加熱器16で加熱された後に第1暖風として第1暖風通路66へ流通する。このとき、ヒート調整ドア26は、半開位置にある。
【0071】
第1暖風通路66において第1暖風は、ヒート調整ドア26の第1遮蔽部84の径方向先端とホルダ17との間の隙間、第2遮蔽部86の径方向先端と第2仕切部62(傾斜壁624)との間の隙間を通じて、ヒート調整ドア26の下流へと流れる。このとき、第1暖風の流量は、ヒート調整ドア26が全開状態の場合の流量と比較して少ない。第1暖風は上方へと流れ、第1バイパス通路64を流れた第1冷風と合流して混合された後、ベント開口38から車室内へ送風される。
【0072】
下層通路58を流れる冷風(以下、第2冷風という)は、その一部が第2バイパス通路68を通じて第1冷風と共にベント開口38から車室内の乗員の顔近傍へ送風される。第2冷風の残りは、第2エアミックスドア22と第1仕切部60との間を通じて加熱器16へ流通し、加熱器16で加熱されて第2暖風として第2暖風通路70へ流通する。第2暖風は、第2暖風通路70を通じてヒートドア50によって開放されたヒート開口42から車室内の乗員の足元近傍へ送風される。
【0073】
図13Bは、バイレベルモードにおけるベント開口38の送風温度及びヒート開口42の送風温度と第1及び第2エアミックスドア20、22の開度との関係を示す特性曲線図である。なお、実線が、ヒート調整ドア26を備えた本実施例の車両用空調装置10を示す特性曲線であり、二点鎖線は、ヒート調整ドア26を備えていない比較例に係る車両用空調装置を示す特性曲線である。
図13B中の太線が、ベント開口38の送風温度を示し、
図13B中の細線が、ヒート開口42の送風温度を示す。なお、本実施例におけるベント開口38の送風温度をTV、ヒート開口42の送風温度をTHとし、比較例におけるベント開口38の送風温度をtv、ヒート開口42の送風温度をthとする。
【0074】
図13Bの特性曲線図では、比較例のベント開口38の送風温度tv及びヒート開口42の送風温度thの温度差に対し、本実施例のベント開口38の送風温度TV及びヒート開口42の送風温度THの温度差が小さいことが諒解される。
【0075】
すなわち、バイレベルモードでは、ヒート調整ドア26の開度を全開状態から小さくした半開位置とすることで、ヒート調整ドア26を備えていない比較例に係る車両用空調装置と比較し、第1暖風通路66の第1暖風の流量を減少させ、ベント開口38からの送風温度TVと、ヒート開口42から送風される第2暖風の送風温度THとの温度差ΔTを小さくすることができる。ヒート調整ドア26の開度を大きくし、第1暖風通路66を流れる第1暖風の流量を増大させ、デフロスタ開口40への第1暖風の流量を増加させることで、ヒート開口42の送風温度THとデフロスタ開口40の送風温度TDとの温度差を最適化し、車室内における乗員の快適性を高めることができる。
【0076】
次に、車室内におけるフロントウィンドウ近傍へ送風を行うデフロスタモードで運転する場合について
図12を参照しながら説明する。
図12に示すデフロスタモードでは、第1エアミックスドア20と第2エアミックスドア22とが上下方向に互いに離間した位置となり、ベントドア44及びヒートドア50が全閉位置となりベント開口38及びヒート開口42がそれぞれ塞がれている。デフロスタドア46が全開位置にありデフロスタ開口40が開放されている。
【0077】
蒸発器14を通過した冷風は、上層通路56及び下層通路58に沿って加熱器16へと流通し、加熱器16の第2熱交換部54を通過することで加熱されて暖風となる。ヒート調整ドア26は全開位置にある。
【0078】
第1暖風通路66を流れる暖風(以下、第1暖風という)は、ヒート調整ドア26の第1遮蔽部84によってガイド部材24の上流側端部781(上流側開口801)に導かれる。ガイド部材24の第3バイパス通路80に沿って上方前方に向けて斜めに流れる。第1暖風は、第3バイパス通路80を通じてデフロスタ開口40に向けて流通し、開放されたデフロスタ開口40から車室内へと送風される。
【0079】
第2暖風通路70を流れる暖風(以下、第2暖風という)は、第2仕切部62に沿って下流へと流れた後、全閉位置にあるヒートドア50によって上方へと導かれ、空調ケース12内を斜め前方へ流れた後、開放されたデフロスタ開口40から第1暖風と共に車室内におけるフロントウィンドウ近傍へと送風される。このとき、複雑な仕切り部によって暖風通路を二層で構成した車両用空調装置と比較し、第1暖風通路66からヒート調整ドア26によって第3バイパス通路80へと第1暖風が流通するときの流通抵抗が低減され圧力損失が減少する。これにより、デフロスタモードにおける暖風の送風量を増加させることが可能となる。
【0080】
以上のように、本発明の実施形態では、空調ケース12の第1暖風通路66に、第1暖風通路66を流れる空気の流通状態を調整可能なヒート調整ドア26を備え、ヒート調整ドア26を、第3バイパス通路80の上流側開口801に向かい合わせ、空調ケース12に回動可能に支持することで、複雑な仕切り部によって暖風通路を二層で構成した車両用空調装置と比較し、ヒート調整ドア26を開くことで第3バイパス通路80と共にデフロスタ開口40と連通する暖風通路を構成することができる。これにより、第1暖風通路66とデフロスタ開口40との間の流路構造を簡素化でき、しかも、第1暖風通路66からデフロスタ開口40までの経路を短縮できるため、暖風が流通する際の圧力損失を低減してデフロスタ開口40に対する送風量を増大できる。
【0081】
ベント開口38、ヒート開口42、デフロスタ開口40に対して送風を行う各送風モードに応じて、ヒート調整ドア26の回動位置を変更することで、第1暖風通路66を流れる暖風を所望の開口に対して所望の送風量で送風することができる。例えば、ベント開口38から冷却された空気を送風し、ヒート開口42から加熱された空気を送風するバイレベルモードでは、ヒート調整ドア26の開度を小さくすることで第1暖風通路66の空気(暖風)の流量を減少させ、ベント開口38からの送風温度とヒート開口42からの送風温度との温度差を最適化させることができる。
【0082】
加熱器16で加熱された空気をヒート開口42から送風するヒートモード、ヒート開口42及びデフロスタ開口40から同時に暖風を送風するヒートデフモードでは、ヒート調整ドア26の開度を大きくすることで、第1暖風通路66の空気(暖風)の流量を増大させ、ヒート開口42又はデフロスタ開口40への暖風の流量を増加させることが可能である。
【0083】
ヒート調整ドア26は、空調ケース12の壁部48a、48bに対して回動可能に支持されるシャフト部82と、シャフト部82の外周から径方向外方に向けて延出する板状の第1遮蔽部84と、シャフト部82の外周から径方向外方に向けて延出し、且つ、前記第1遮蔽部84とは異なる方向に向けて延出する板状の第2遮蔽部86とを備えているため、第1及び第2エアミックスドア20、22とが互いに離間して全開となった最大暖房運転時において、加熱器16を通過した暖風を上層通路56の第1暖風通路66を通じて、デフロスタ開口40とベント開口38の両方へ流すことができる。
【0084】
第2遮蔽部86の中央部に第2遮蔽部86の一部を切り欠いた切欠部88を設けることで、ヒート調整ドア26によって第1暖風通路66が塞がれた全閉時において、加熱器16を通過した暖風の一部を、切欠部88を通じて第1暖風通路66の下流へと流すことができる。切欠部88の開口面積を変更することで、ヒート調整ドア26の全閉時における切欠部88を通過する暖風の流通量及び流通方向を、ダクト等の車両の仕様違いに対応させて調整可能である。
【0085】
シャフト部82の径方向において、第1遮蔽部84の長さL1を第2遮蔽部86の長さL2よりも長くすることで、第1暖風通路66内の限られた空間において、ヒート調整ドア26の開度を第1遮蔽部84によって十分に確保しつつ、第1遮蔽部84よりも短い第2遮蔽部86に設けられた切欠部88によって全閉時における暖風の下流側への流通効果も得られる。
【0086】
車両用空調装置10が、ベントドア44を駆動するための駆動部92と、駆動部92の駆動力が伝達され駆動力をベントドア44に伝達して駆動させるリンク機構94とを備え、リンク機構94が、ベントドア44に対して駆動力を伝達してベントドア44を回動させるベントレバー100と、ヒート調整ドア26に対して駆動力を伝達して回動させるヒートレバー102と、ベントレバー100とヒートレバー102とを接続して連動させる連動ロッド104とを備えている。
【0087】
これにより、駆動部92の駆動力によってベントレバー100を介してベントドア44が回動するとき、連動ロッド104で接続されたヒートレバー102が連動することでヒート調整ドア26を回動させて開度の調整を行うことが可能となる。駆動部92が、ベントドア44を回動させるアクチュエータと、ヒート調整ドア26を回動させるアクチュエータとを兼ねているため、ベントドア44を回動させるための専用のアクチュエータを設ける必要がない。従って、ヒート調整ドア26を設けることに伴うアクチュエータの増加を回避することができ、同一のアクチュエータでベントドア44及びヒート調整ドア26を作動可能である。
【0088】
第1暖風通路66を開放したヒート調整ドア26の全開時において、第1遮蔽部84の径方向先端(第1シール部90a)が第3バイパス通路80の上流側開口801の後端782に隣接して第1暖風通路66を開放することで、第1暖風通路66を流れる空気を、ヒート調整ドア26を介して第3バイパス通路80の上流側開口801へと好適に導いて、第3バイパス通路80を通じてデフロスタ開口40へと効果的に流通させることができる。
【0089】
上記の実施形態をまとめると、以下のようになる。
【0090】
上記の実施形態は、空気が流通する通路(36)と、車両の車室内における乗員の顔近傍へ前記空気を送風するベント開口(38)と、前記車室内における前記乗員の足元近傍へ前記空気を送風するヒート開口(42)と、前記車室内のフロントウィンドウ近傍へ前記空気を送風するデフロスタ開口(40)とを有した空調ケース(12)と、
前記空調ケースの前記通路に配置され前記通路を流れる前記空気を冷却する蒸発器(14)と、
前記空調ケースにおいて前記蒸発器の下流に配置され前記蒸発器を通過した前記空気を加熱する加熱器(16)と、
前記空調ケースの内部に配置され、前記蒸発器の下流から前記加熱器の下流まで延在して前記通路を上下に仕切る仕切板(18)と、
前記仕切板によって分割された前記通路の一方であり前記蒸発器の下流上側に配置される上層通路(56)と、
前記仕切板によって分割された前記通路の他方であり前記蒸発器の下流下側に設けられる下層通路(58)と、
前記上層通路に設けられ前記蒸発器を通過した前記空気が前記加熱器の上側を迂回するように流通する第1バイパス通路(64)と、
前記下層通路に設けられ前記蒸発器を通過した前記空気が前記加熱器の下側を迂回するように流通する第2バイパス通路(68)と、
前記蒸発器と前記加熱器との間において前記上層通路に移動可能に設けられ、前記上層通路から前記加熱器へ流通する空気と前記第1バイパス通路へ流通する前記空気との割合を調整する第1エアミックスドア(20)と、
前記蒸発器と前記加熱器との間において前記下層通路に移動可能に設けられ、前記下層通路から前記加熱器へ流通する空気と前記第2バイパス通路へ流通する前記空気との割合を調整する第2エアミックスドア(22)と、
前記上層通路において前記加熱器の下流に形成される第1暖風通路(66)と、
前記下層通路において前記加熱器の下流に形成される第2暖風通路(70)と、
前記第1暖風通路に隣接して配置され、前記第1暖風通路と前記デフロスタ開口とを連通させ、前記加熱器で加熱された前記空気を前記デフロスタ開口へ流通させる第3バイパス通路(80)と、
前記第1暖風通路に設けられ且つ前記第3バイパス通路の上流側開口(801)に向かい合い、前記空調ケースに回動可能に支持され、前記第1暖風通路を流れる前記空気の流通状態を調整するヒート調整ドア(26)と、
を備える。
【0091】
前記ヒート調整ドアは、前記空調ケースの壁部(48a、48b)に回動可能に支持されるシャフト部(82)と、
前記シャフト部の外周から径方向外方に向けて延出する板状の第1遮蔽部(84)と、
前記シャフト部の外周から径方向外方に向けて延出し、且つ、前記第1遮蔽部とは異なる方向に向けて延出する板状の第2遮蔽部(86)と、
前記シャフト部の軸方向において前記第2遮蔽部の中央部に形成され、前記第2遮蔽部の一部が切り欠かれた切欠部(88)と、
を備える。
【0092】
前記シャフト部の径方向において、前記第1遮蔽部の長さは前記第2遮蔽部の長さよりも長い。
【0093】
前記ベント開口には、前記ベント開口を開閉するベントドア(44)が配置され、
前記車両用空調装置は、前記ベントドアを駆動するための駆動部(92)と、
前記駆動部の駆動力が伝達され、前記駆動力を前記ベントドアに伝達して駆動させるリンク機構(94)と、
を備え、
前記リンク機構は、前記ベントドアに対して前記駆動力を伝達して前記ベントドアを回動させるベントレバー(100)と、
前記ヒート調整ドアに対して前記駆動力を伝達して回動させるヒートレバー(102)と、
前記ベントレバーと前記ヒートレバーとを接続して連動させる連動ロッド(104)と、
を備える。
【0094】
前記第1暖風通路を開放した前記ヒート調整ドアの全開時において、前記第1遮蔽部の径方向先端が前記第3バイパス通路の前記上流側開口の後端(782)に隣接する。
【0095】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0096】
10…車両用空調装置 12…空調ケース
14…蒸発器 16…加熱器
18…仕切板 20…第1エアミックスドア
22…第2エアミックスドア 26…ヒート調整ドア
36…通路 38…ベント開口
40…デフロスタ開口 42…ヒート開口
64…第1バイパス通路 66…第1暖風通路
68…第2バイパス通路 70…第2暖風通路
80…第3バイパス通路