(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065319
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20240508BHJP
F04B 39/06 20060101ALI20240508BHJP
H03H 7/09 20060101ALN20240508BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
F04B39/06 H
H03H7/09 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174125
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 駿
(72)【発明者】
【氏名】白石 和洋
(72)【発明者】
【氏名】永田 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】川島 隆
(72)【発明者】
【氏名】深作 博史
(72)【発明者】
【氏名】安保 俊輔
【テーマコード(参考)】
3H003
5H770
5J024
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AC03
3H003BE04
3H003CF01
3H003CF04
5H770AA21
5H770BA05
5H770DA03
5H770DA41
5H770PA24
5H770PA28
5H770QA25
5H770QA28
5H770QA31
5J024CA06
5J024DA01
5J024DA26
5J024EA01
5J024EA09
(57)【要約】
【課題】導電体の放熱性の向上を図ること。
【解決手段】第2金属板62は、第2金属板本体部62aと、一対の延在部62bと、を有している。第2金属板本体部62aは、第1金属板61に対して、一対の巻線51を間に挟んで配置されている。一対の延在部62bは、第2金属板本体部62aからハウジング14に向けて延在している。第1金属板61と第2金属板62とのうち、少なくとも、第2金属板62はハウジング14に熱的に接続されている。第1金属板61は、第2金属板62に熱的に接続されている。誘導電流の電流経路における電気抵抗値及び熱抵抗値のうち少なくとも一方は、第2金属板62の方が第1金属板61よりも小さいため、第2金属板本体部62aから各延在部62bを介してハウジング14に至る熱伝達経路が確保され易くなっている。したがって、第2金属板62から生じる熱がハウジング14へ効率良く放熱される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動するモータと、
金属製のハウジングに収容され、前記モータを駆動するインバータ装置と、を備え、
前記インバータ装置は、
直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路の入力側に設けられるとともに前記インバータ回路に入力される直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させるノイズ低減部と、
前記インバータ回路と前記ノイズ低減部とが実装される回路基板と、を備え、
前記ノイズ低減部は、
コモンモードチョークコイルと、
前記コモンモードチョークコイルと共にローパスフィルタを構成する平滑コンデンサと、を備え、
前記コモンモードチョークコイルは、
環状のコアと、
前記コアに巻回された一対の巻線と、
前記一対の巻線の両方を覆う環状の導電体と、を備え、
前記導電体は、前記環状を形成する第1金属板と第2金属板とに分割され、
前記第1金属板と前記第2金属板とには、前記コアからの漏れ磁束の変化を抗うように誘導電流が前記環状における周方向に流れる電動圧縮機であって、
前記回路基板は、前記ハウジングに対して、前記コモンモードチョークコイルを間に挟んで配置され、
前記第2金属板は、
前記第1金属板に対して、前記一対の巻線を間に挟んで配置される本体部と、
前記本体部から前記ハウジングに向けて延在する一対の延在部と、を有し、
前記第1金属板と前記第2金属板とのうち、少なくとも、前記第2金属板は前記ハウジングに熱的に接続され、
前記第1金属板は、前記第2金属板に熱的に接続され、
前記誘導電流の電流経路における電気抵抗値及び熱抵抗値のうちの少なくとも一方は、前記第2金属板の方が前記第1金属板よりも小さいことを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
前記ハウジングは、一対の凹部を有し、
前記各延在部の先端部は、前記各凹部にそれぞれ挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記第1金属板は、前記ハウジングに向けて起立する一対の起立部を有し、
前記各起立部は、前記各凹部にそれぞれ挿入され、前記ハウジングと熱的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記導電体は、前記各延在部の前記先端部と前記各起立部とを金属接合する複数の接合部を備え、
前記接合部は、前記各凹部の内側にそれぞれ配置され、前記ハウジングと熱的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機は、圧縮部と、モータと、インバータ装置と、を備えている。圧縮部は、流体を圧縮する。モータは、圧縮部を駆動する。インバータ装置は、金属製のハウジングに収容されている。インバータ装置は、モータを駆動する。
【0003】
インバータ装置は、インバータ回路と、ノイズ低減部と、回路基板と、を備えている。インバータ回路は、直流電力を交流電力に変換する。ノイズ低減部は、インバータ回路の入力側に設けられている。ノイズ低減部は、インバータ回路に入力される直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させる。回路基板には、インバータ回路とノイズ低減部とが実装されている。ノイズ低減部は、コモンモードチョークコイルと、平滑コンデンサと、を備えている。平滑コンデンサは、コモンモードチョークコイルと共にローパスフィルタを構成する。
【0004】
コモンモードチョークコイルは、環状のコアと、一対の巻線と、環状の導電体と、を備えている。一対の巻線は、コアに巻回されている。導電体は、一対の巻線の両方を覆っている。
【0005】
例えば特許文献1では、導電体が、環状を形成する第1金属板と第2金属板とに分割されている。第1金属板と第2金属板とには、コアからの漏れ磁束の変化を抗うように誘導電流が環状における周方向に流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成では、第1金属板は、本体部と、本体部の両端部から屈曲形成された一対の立設部と、を有する。第2金属板は、本体部と、本体部の両端部から屈曲形成された一対の立設部と、を有する。第1金属板の一対の立設部の間に第2金属板の一対の立設部が設けられ、互いに溶接されている。
【0008】
しかしながら、第1金属板の電気抵抗値は第2金属板の電気抵抗値よりも大きい。したがって、例えば、溶接された部分を流れる誘導電流によって生じた熱や、第2金属板を流れる誘導電流によって生じた熱によって、第2金属板に熱が篭り易い。よって、第2金属板の熱をハウジングに放熱させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動するモータと、金属製のハウジングに収容され、前記モータを駆動するインバータ装置と、を備え、前記インバータ装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の入力側に設けられるとともに前記インバータ回路に入力される直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させるノイズ低減部と、前記インバータ回路と前記ノイズ低減部とが実装される回路基板と、を備え、前記ノイズ低減部は、コモンモードチョークコイルと、前記コモンモードチョークコイルと共にローパスフィルタを構成する平滑コンデンサと、を備え、前記コモンモードチョークコイルは、環状のコアと、前記コアに巻回された一対の巻線と、前記一対の巻線の両方を覆う環状の導電体と、を備え、前記導電体は、前記環状を形成する第1金属板と第2金属板とに分割され、前記第1金属板と前記第2金属板とには、前記コアからの漏れ磁束の変化を抗うように誘導電流が前記環状における周方向に流れる電動圧縮機であって、前記回路基板は、前記ハウジングに対して、前記コモンモードチョークコイルを間に挟んで配置され、前記第2金属板は、前記第1金属板に対して、前記一対の巻線を間に挟んで配置される本体部と、前記本体部から前記ハウジングに向けて延在する一対の延在部と、を有し、前記第1金属板と前記第2金属板とのうち、少なくとも、前記第2金属板は前記ハウジングに熱的に接続され、前記第1金属板は、前記第2金属板に熱的に接続され、前記誘導電流の電流経路における電気抵抗値及び熱抵抗値のうちの少なくとも一方は、前記第2金属板の方が前記第1金属板よりも小さい。
【0010】
これによれば、第2金属板の熱をハウジングに放熱することができる。このとき、誘導電流の電流経路における電気抵抗値及び熱抵抗値のうちの少なくとも一方は、第2金属板の方が第1金属板よりも小さい。このため、第2金属板の本体部から各延在部を介してハウジングに至る熱伝達経路が確保され易くなっている。したがって、第2金属板から生じる熱をハウジングへ効率良く放熱することができる。その結果、導電体の放熱性の向上を図ることができる。
【0011】
上記電動圧縮機において、前記ハウジングは、一対の凹部を有し、前記各延在部の先端部は、前記各凹部にそれぞれ挿入されているとよい。
これによれば、各延在部とハウジングとの間の熱伝達経路を増加させることができる。したがって、第2金属板から生じる熱をハウジングへさらに効率良く放熱することができる。
【0012】
上記電動圧縮機において、前記第1金属板は、前記ハウジングに向けて起立する一対の起立部を有し、前記各起立部は、前記各凹部にそれぞれ挿入され、前記ハウジングと熱的に接続されているとよい。
【0013】
これによれば、第1金属板から生じた熱が、各起立部を介してハウジングに伝達され易くなる。したがって、第1金属板から生じる熱をハウジングへ効率良く放熱することができる。その結果、導電体の放熱性の向上をさらに図ることができる。
【0014】
上記電動圧縮機において、前記導電体は、前記各延在部の前記先端部と前記各起立部とを金属接合する複数の接合部を備え、前記接合部は、前記各凹部の内側にそれぞれ配置され、前記ハウジングと熱的に接続されているとよい。
【0015】
これによれば、各接合部から生じた熱が、ハウジングに伝達され易くなる。したがって、各接合部から生じた熱をハウジングへ効率良く放熱することができる。その結果、導電体の放熱性の向上をさらに図ることができる。また、第2金属板からハウジングへの放熱が、各接合部によって妨げられることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、導電体の放熱性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態における電動圧縮機の側断面図である。
【
図2】電動圧縮機の電気的構成を示す回路図である。
【
図3】コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、電動圧縮機を具体化した一実施形態を
図1~
図4にしたがって説明する。本実施形態の電動圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
<車両空調装置10>
図1に示すように、車両空調装置10は、電動圧縮機11と、外部冷媒回路12と、を備えている。外部冷媒回路12は、電動圧縮機11に対して流体としての冷媒を供給する。外部冷媒回路12は、例えば、熱交換器及び膨張弁等を有している。車両空調装置10は、電動圧縮機11によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路12によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車内の冷暖房を行う。
【0019】
車両空調装置10は、空調ECU13を備えている。空調ECU13は、車両空調装置10の全体を制御する。空調ECU13は、車内温度やカーエアコンの設定温度等を把握可能に構成されている。そして、空調ECU13は、車内温度やカーエアコンの設定温度等のパラメータに基づいて、電動圧縮機11に対してON/OFF指令等といった各種指令を送信する。
【0020】
<電動圧縮機11の基本構成>
電動圧縮機11は、ハウジング14を備えている。ハウジング14は、例えば、アルミニウム等の伝熱性を有する金属材料で形成されている。したがって、ハウジング14は、金属製である。ハウジング14は、車両のボディに接地されている。
【0021】
ハウジング14は、吸入ハウジング15と、吐出ハウジング16と、を有している。吸入ハウジング15及び吐出ハウジング16は、互いに組み付けられている。吸入ハウジング15は、板状の端壁15aと、筒状の周壁15bと、を有している。周壁15bは、端壁15aの外周部から筒状に延びている。吐出ハウジング16は、吸入ハウジング15の開口を塞いだ状態で、吸入ハウジング15に組み付けられている。これにより、ハウジング14内には、内部空間が形成されている。
【0022】
ハウジング14は、吸入口14aを有している。吸入口14aには、外部冷媒回路12から冷媒が吸入される。したがって、ハウジング14には、冷媒が吸入される。吸入口14aは、吸入ハウジング15の周壁15bに形成されている。吸入口14aは、吸入ハウジング15の周壁15bのうち、吐出ハウジング16よりも端壁15aに近い部位に形成されている。ハウジング14は、吐出口14bを有している。吐出口14bは、冷媒を外部冷媒回路12へ吐出する。吐出口14bは、吐出ハウジング16に形成されている。
【0023】
電動圧縮機11は、回転軸17と、圧縮部18と、モータ19と、を備えている。回転軸17、圧縮部18、及びモータ19は、ハウジング14内に収容されている。回転軸17は、ハウジング14に対して回転可能な状態で支持されている。回転軸17は、回転軸17の軸方向が周壁15bの軸方向と一致した状態で、ハウジング14内に配置されている。
【0024】
圧縮部18は、吸入ハウジング15内に収容されている。圧縮部18は、例えば、吸入ハウジング15内に固定された図示しない固定スクロールと、固定スクロールに対向配置される図示しない旋回スクロールとから構成されるスクロール式である。圧縮部18は、吸入ハウジング15内において、吸入口14aよりも吐出口14bに近い位置に配置されている。圧縮部18は、回転軸17に連結されている。圧縮部18は、回転軸17の回転によって駆動して冷媒を圧縮する。
【0025】
モータ19は、吸入ハウジング15内に収容されている。モータ19は、吸入ハウジング15内における圧縮部18と端壁15aとの間に配置されている。モータ19は、ロータ20と、ステータ21と、を有している。ステータ21は、円筒形状のステータコア22と、u相コイル23u、v相コイル23v及びw相コイル23wと、を有している。
【0026】
u相コイル23u、v相コイル23v及びw相コイル23wは、それぞれステータコア22に巻きつけられている。u相コイル23u、v相コイル23v及びw相コイル23wは、例えば、Y結線されている。なお、u相コイル23u、v相コイル23v及びw相コイル23wの結線態様は、Y結線に限られず、任意である。u相コイル23u、v相コイル23v及びw相コイル23wの結線態様は、例えば、デルタ結線でもよい。
【0027】
ロータ20は、円筒形状である。ロータ20は、回転軸17に固定されている。これにより、回転軸17は、ロータ20と一体回転可能に構成されている。ステータ21は、吸入ハウジング15の周壁15bに固定されている。ロータ20及びステータ21は、回転軸17の径方向に対向している。
【0028】
ロータ20は、u相コイル23u、v相コイル23v及びw相コイル23wが所定のパターンで通電されることにより回転する。そして、ロータ20の回転に伴い、回転軸17が回転する。これにより、圧縮部18が駆動する。したがって、モータ19は、圧縮部18を駆動する。そして、外部冷媒回路12を流れる冷媒が、吸入口14aからハウジング14内に吸入される。圧縮部18は、ハウジング14内に吸入された冷媒を圧縮する。圧縮された冷媒は、吐出口14bから外部冷媒回路12へと吐出される。
【0029】
電動圧縮機11は、インバータ装置30を備えている。インバータ装置30は、モータ19を駆動する。ハウジング14は、インバータカバー31を有している。インバータカバー31は、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成されている。インバータカバー31は、吸入ハウジング15の端壁15aにボルト32を介して取り付けられている。吸入ハウジング15の端壁15a及びインバータカバー31は、インバータ収容室S1を形成している。インバータ装置30は、インバータ収容室S1内に収容されている。したがって、インバータ装置30は、金属製のハウジング14に収容されている。
【0030】
電動圧縮機11は、コネクタ27を備えている。コネクタ27は、車両に搭載された蓄電装置28に電気的に接続されている。コネクタ27は、インバータカバー31に設けられている。コネクタ27は、インバータカバー31から突出している。蓄電装置28は、車両に搭載された機器に電力を供給する電源である。蓄電装置28は、直流電源である。蓄電装置28は、例えば、二次電池やキャパシタである。
【0031】
インバータ装置30は、回路基板34を有している。回路基板34は、インバータ収容室S1に収容されている。回路基板34は、端壁15aに対して回転軸17の軸方向に所定の間隔を隔てて対向配置されている。回路基板34は、回路基板34の厚み方向が回転軸17の軸方向に一致した状態でインバータ収容室S1に収容されている。
【0032】
インバータ装置30は、インバータ回路35と、ノイズ低減部36と、を備えている。インバータ回路35は、直流電力を交流電力に変換する。ノイズ低減部36は、インバータ回路35の入力側に設けられている。ノイズ低減部36は、インバータ回路35に入力される前の直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させる。インバータ回路35とノイズ低減部36とは、回路基板34に実装されている。したがって、ハウジング14は、インバータ回路35及びノイズ低減部36を収容する。
【0033】
<インバータ回路35>
図2に示すように、インバータ回路35は、2本の接続ラインEL1,EL2を備えている。インバータ回路35は、u相コイル23uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2を備えている。インバータ回路35は、v相コイル23vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2を備えている。インバータ回路35は、w相コイル23wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2を備えている。各スイッチング素子Qu1~Qw2は、例えば、IGBT等のパワースイッチング素子である。なお、各スイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2には、それぞれ還流ダイオードDu1,Du2,Dv1,Dv2,Dw1,Dw2が接続されている。
【0034】
各u相スイッチング素子Qu1,Qu2は、直列接続されている。各u相スイッチング素子Qu1,Qu2の間は、u相コイル23uに接続されている。そして、各u相スイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体は、両接続ラインEL1,EL2に電気的に接続されている。
【0035】
各v相スイッチング素子Qv1,Qv2は、直列接続されている。各v相スイッチング素子Qv1,Qv2の間は、v相コイル23vに接続されている。そして、各v相スイッチング素子Qv1,Qv2の直列接続体は、両接続ラインEL1,EL2に電気的に接続されている。
【0036】
各w相スイッチング素子Qw1,Qw2は、直列接続されている。各w相スイッチング素子Qw1,Qw2の間は、w相コイル23wに接続されている。そして、各w相スイッチング素子Qw1,Qw2の直列接続体は、両接続ラインEL1,EL2に電気的に接続されている。
【0037】
インバータ装置30は、制御部37を備えている。制御部37は、各スイッチング素子Qu1~Qw2のスイッチング動作を制御する。制御部37は、例えば、1つ以上の専用のハードウェア回路、及び/又は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)によって実現することができる。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、例えば、各種処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ即ちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0038】
制御部37は、コネクタ27を介して空調ECU13と電気的に接続されている。制御部37は、空調ECU13からの指令に基づいて、各スイッチング素子Qu1~Qw2を周期的にON/OFFさせる。詳細には、制御部37は、空調ECU13からの指令に基づいて、各スイッチング素子Qu1~Qw2をパルス幅変調制御(PWM制御)する。より具体的には、制御部37は、キャリア信号(搬送波信号)と指令電圧値信号(比較対象信号)とを用いて、制御信号を生成する。そして、制御部37は、生成された制御信号を用いて各スイッチング素子Qu1~Qw2のON/OFF制御を行うことにより直流電力を交流電力に変換する。
【0039】
<ノイズ低減部36>
ノイズ低減部36は、コモンモードチョークコイル38と、平滑コンデンサ39と、を備えている。平滑コンデンサ39は、コモンモードチョークコイル38と共にローパスフィルタ40を構成する。ローパスフィルタ40は、接続ラインEL1,EL2上に設けられている。ローパスフィルタ40は、回路的にはコネクタ27とインバータ回路35との間に設けられている。コモンモードチョークコイル38は、両接続ラインEL1,EL2上に設けられている。
【0040】
平滑コンデンサ39は、コモンモードチョークコイル38に対して、インバータ回路35側に設けられている。平滑コンデンサ39は、インバータ回路35に対して並列接続されたXコンデンサである。平滑コンデンサ39は、両接続ラインEL1,EL2に電気的に接続されている。そして、コモンモードチョークコイル38と平滑コンデンサ39とによって、LC共振回路が構成されている。したがって、本実施形態のローパスフィルタ40は、コモンモードチョークコイル38を含むLC共振回路である。
【0041】
ノイズ低減部36は、Yコンデンサ41を2つ備えている。2つのYコンデンサ41は、直列接続されている。2つのYコンデンサ41の間は、ハウジング14を介して車両のボディに接地されている。2つのYコンデンサ41は、コモンモードチョークコイル38に対してインバータ回路35側に設けられている。2つのYコンデンサ41は、コモンモードチョークコイル38に対して並列接続されている。2つのYコンデンサ41は、平滑コンデンサ39に対して並列接続されている。2つのYコンデンサ41は、コモンモードチョークコイル38と平滑コンデンサ39との間に位置している。
【0042】
コモンモードチョークコイル38は、車両側で発生する高周波ノイズが電動圧縮機11のインバータ回路35に伝わるのを抑制する。コモンモードチョークコイル38は、漏れインダクタンスをノーマルインダクタンスとして利用する。これにより、コモンモードチョークコイル38は、ノーマルモードノイズ(ディファレンシャルモードノイズ)を除去するためのローパスフィルタ(LCフィルタ)40におけるL成分として用いられる。すなわち、コモンモードチョークコイル38は、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズ(ディファレンシャルモードノイズ)に対応可能である。したがって、本実施形態の電動圧縮機11では、コモンモード用チョークコイルとノーマルモード(ディファレンシャルモード)用チョークコイルとをそれぞれ用いるのではなく、コモンモードチョークコイル38で両モードノイズに対応している。
【0043】
<コモンモードチョークコイル38>
図3に示すように、コモンモードチョークコイル38は、コア50と、一対の巻線51と、を備えている。コア50は、環状である。コア50は、強磁性体により形成されている。コア50は、例えば、フェライトコアにより形成されている。コア50は、一対の直線部52と、一対の連結部53と、を有している。
【0044】
各直線部52は、例えば、四角柱状である。各直線部52は、互いに平行に延びている。各直線部52は、各直線部52の軸線それぞれが延びる方向が互いに一致した状態で配置されている。各直線部52は、互いに離れつつ対向している。各直線部52には、各巻線51が巻回されている。各巻線51は、コア50に巻回されている。各巻線51は、互いに対向している。
【0045】
各連結部53は、例えば、四角柱状である。一対の連結部53の一方は、各直線部52の第1端部同士を連結している。一対の連結部53の他方は、各直線部52の第2端部同士を連結している。各連結部53には、各巻線51の一部が巻回されている。なお、コア50と各巻線51との間には、コア50と各巻線51との間の絶縁を確保するために、図示しない樹脂部材がそれぞれ設けられている。
【0046】
図4に示すように、コモンモードチョークコイル38は、回路基板34と吸入ハウジング15の端壁15aとの間に配置されている。したがって、回路基板34は、ハウジング14に対して、コモンモードチョークコイル38を間に挟んで配置されている。コモンモードチョークコイル38は、各直線部52の軸線が延びる方向と、回路基板34及び吸入ハウジング15の端壁15aの対向方向と、が直交する状態で配置されている。
【0047】
コモンモードチョークコイル38は、吸入ハウジング15の端壁15aの外面に搭載されている。したがって、吸入ハウジング15の端壁15aの外面は、コモンモードチョークコイル38が搭載される搭載面54である。コモンモードチョークコイル38は、ハウジング14の搭載面54に搭載されている。搭載面54は、一対の凹部55を有している。
【0048】
図3に示すように、各連結部53に巻回された各巻線51は、リード部56としてそれぞれ引き出されている。そして、
図4に示すように、各リード部56は、回路基板34に、例えば、半田付けされている。これにより、コモンモードチョークコイル38が回路基板34に電気的に接続されている。
【0049】
図3及び
図4に示すように、コモンモードチョークコイル38は、導電体60を備えている。導電体60は、一対の巻線51の両方を覆う環状である。なお、導電体60と各巻線51との間には、導電体60と各巻線51との間の絶縁を確保するために、図示しない樹脂部材がそれぞれ設けられている。
【0050】
導電体60は、第1金属板61と、第2金属板62と、を含む。導電体60は、環状を形成する第1金属板61と第2金属板62とに分割されている。第1金属板61は、例えば、銅により形成されている。第2金属板62は、例えば、リン青銅により形成されている。したがって、第2金属板62は、第1金属板61よりも熱伝導率の高い材料により形成されている。
【0051】
第1金属板61の厚みT1は、一定である。第2金属板62の厚みT2は、一定である。第1金属板61の厚みT1は、第2金属板62の厚みT2よりも薄い。したがって、第1金属板61の厚み方向での断面積は、第2金属板62の厚み方向の断面積よりも小さい。
【0052】
第1金属板61は、第1金属板本体部61aと、一対の起立部61bと、を有している。第1金属板本体部61aは、矩形平板状である。各起立部61bは、矩形平板状である。各起立部61bは、第1金属板本体部61aの長手方向の両端縁からそれぞれ起立している。したがって、一対の起立部61bは、第1金属板本体部61aから起立している。各起立部61bは、第1金属板本体部61aから起立する方向が、第1金属板本体部61aの厚み方向に一致した状態で、第1金属板本体部61aの長手方向の両端縁からそれぞれ起立している。一対の起立部61bは、互いに平行に延びている。一対の起立部61bは、第1金属板本体部61aから吸入ハウジング15に向けて延びている。したがって、各起立部61bは、ハウジング14に向けて起立している。第1金属板本体部61aの幅は、各起立部61bの幅と同じである。第1金属板61は、一枚の金属板をプレス加工することにより形成されている。
【0053】
図4に示すように、第1金属板本体部61aは、接着剤63を介して搭載面54に接合されている。第1金属板本体部61aは、接着剤63を介して搭載面54に熱的に接続されている。したがって、第1金属板61は、搭載面54に熱的に接続されている。第1金属板本体部61aは、一対の巻線51における搭載面54側の部分を覆っている。したがって、第1金属板61は、一対の巻線51における搭載面54側の部分を覆っている。
【0054】
図3及び
図4に示すように、第2金属板62は、本体部としての第2金属板本体部62aと、一対の延在部62bと、を有している。第2金属板本体部62aは、矩形平板状である。各延在部62bは、矩形平板状である。
図4に示すように、一対の延在部62bは、第2金属板本体部62aから吸入ハウジング15の端壁15aに向けて延在している。各延在部62bは、第2金属板本体部62aの長手方向の両端縁からそれぞれ延びている。各延在部62bは、第2金属板本体部62aから延びる方向が、第2金属板本体部62aの厚み方向に一致した状態で、第2金属板本体部62aの長手方向の両端縁からそれぞれ延びている。一対の延在部62bは、互いに平行に延びている。第2金属板本体部62aの幅は、各延在部62bの幅と同じである。第2金属板本体部62aの幅は、第1金属板本体部61aの幅と同じである。各延在部62bの幅は、各起立部61bの幅と同じである。第2金属板62は、一枚の金属板をプレス加工することにより形成されている。
【0055】
第2金属板本体部62aは、一対の巻線51における搭載面54とは反対側の部分を覆っている。したがって、第2金属板62は、一対の巻線51における搭載面54とは反対側の部分を覆っている。第2金属板本体部62aは、第1金属板61に対して、一対の巻線51を間に挟んで配置されている。一対の延在部62bは、一対の巻線51における互いに隣り合う部分とは反対側の部分をそれぞれ覆っている。
【0056】
各延在部62bの先端部は、各起立部61bと接合されている。したがって、導電体60は、各延在部62bの先端部と各起立部61bとを金属接合する複数の接合部64を備えている。各延在部62bと各起立部61bとは、例えば、抵抗溶接により溶接されている。したがって、接合部64は、各延在部62bと各起立部61bとを互いに溶接している部分である。
【0057】
このように、一対の延在部62bは、第1金属板61に電気的に接続されている。よって、第1金属板61は、第2金属板62に熱的に接続されている。そして、導電体60は、各延在部62bの先端部と各起立部61bとが接合部64を介して接合されていることにより、帯状であり、且つ、無端状に形成されている。
【0058】
各延在部62bの先端部及び各起立部61bは、各凹部55にそれぞれ挿入されている。各凹部55内には、接着剤65が充填されている。そして、各延在部62bの先端部及び各起立部61bは、接着剤65を介して凹部55の内面に熱的に接続されている。したがって、各延在部62bの先端部は、各凹部55にそれぞれ挿入されて凹部55の内面に熱的に接続されている。よって、一対の延在部62bは、ハウジング14に熱的に接続されている。第1金属板61と第2金属板62とのうち、少なくとも、第2金属板62はハウジング14に熱的に接続されている。一対の起立部61bは、各凹部55に挿入されて凹部55の内面に熱的に接続されている。したがって、各起立部61bは、各凹部55にそれぞれ挿入され、ハウジング14と熱的に接続されている。各接合部64は、各凹部55の内側にそれぞれ配置され、ハウジング14と熱的に接続されている。
【0059】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
一対の巻線51の通電により各巻線51に電流が流れる。すると、コア50に磁束が発生するとともに漏れ磁束が発生する。ここで、漏れ磁束に抗う方向に磁束を発生させるべく導電体60の内部において誘導電流が周方向に流れる。第1金属板61と第2金属板62とには、コア50からの漏れ磁束の変化を抗うように誘導電流が環状における周方向に流れる。このようにして、導電体60において、各巻線51の通電に伴い発生する漏れ磁束に抗う方向に磁束を発生させるべく誘導電流が内部において周方向に流れる。誘導電流は、コア50を周回するように流れている。そして、導電体60に流れる誘導電流が熱エネルギーに変換されることにより、導電体60は、磁気抵抗として働くため、ダンピング効果が生じる。その結果として、ローパスフィルタ40によって発生した共振ピークが抑えられる。
【0060】
導電体60は、第1金属板61と第2金属板62とに周方向に分割されている。第1金属板61の厚み方向での断面積は、第2金属板62の厚み方向での断面積よりも小さい。このため、第1金属板61の電気抵抗値は、第2金属板62の電気抵抗値よりも大きくなる。よって、第1金属板61での発熱量は、第2金属板62での発熱量よりも多くなる。したがって、導電体60から生じる熱は、第1金属板61に集中し易くなる。このとき、第1金属板61は、搭載面54に熱的に接続されているため、第1金属板61で生じた熱は、ハウジング14へ効率良く放熱される。その結果、導電体60から生じる熱がハウジング14へ効率良く放熱される。
【0061】
また、第2金属板62においても少なからず熱が生じる。第2金属板本体部62aから生じた熱は、各延在部62bを介してハウジング14に放熱される。このとき、第1金属板61の厚み方向での断面積は、第2金属板62の厚み方向での断面積よりも小さい。言い換えると、第2金属板62の厚み方向での断面積は、第1金属板61の厚み方向での断面積よりも大きい。したがって、誘導電流の電流経路における電気抵抗値及び熱抵抗値のうち少なくとも一方は、第2金属板62の方が第1金属板61よりも小さい。このため、第2金属板本体部62aから各延在部62bを介してハウジング14に至る熱伝達経路が確保され易くなっている。特に、各延在部62bの先端部が、各凹部55に挿入されて凹部55の内面に熱的に接続している。したがって、例えば、各延在部62bの先端が搭載面54に熱的に接続している場合に比べると、各延在部62bとハウジング14との間の熱伝達経路を増加している。したがって、第2金属板62から生じる熱がハウジング14へ効率良く放熱される。
【0062】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第2金属板62は、第2金属板本体部62aと、一対の延在部62bと、を有している。第2金属板本体部62aは、第1金属板61に対して、一対の巻線51を間に挟んで配置されている。一対の延在部62bは、第2金属板本体部62aからハウジング14に向けて延在している。第1金属板61と第2金属板62とのうち、少なくとも、第2金属板62はハウジング14に熱的に接続されている。第1金属板61は、第2金属板62に熱的に接続されている。これによれば、第2金属板62の熱をハウジング14に放熱することができる。このとき、誘導電流の電流経路における電気抵抗値及び熱抵抗値のうち少なくとも一方は、第2金属板62の方が第1金属板61よりも小さい。このため、第2金属板本体部62aから各延在部62bを介してハウジング14に至る熱伝達経路が確保され易くなっている。したがって、第2金属板62から生じる熱をハウジング14へ効率良く放熱することができる。その結果、導電体60の放熱性の向上を図ることができる。
【0063】
(2)ハウジング14は、一対の凹部55を有している。各延在部62bの先端部は、各凹部55にそれぞれ挿入されている。これによれば、例えば、各延在部62bの先端がハウジング14の搭載面54に熱的に接続している場合に比べると、各延在部62bとハウジング14との間の熱伝達経路を増加させることができる。したがって、第2金属板62から生じる熱をハウジング14へさらに効率良く放熱することができる。
【0064】
(3)第1金属板61は、一対の起立部61bを有している。一対の起立部61bは、ハウジング14に向けて起立している。各起立部61bは、各凹部55にそれぞれ挿入され、ハウジング14と熱的に接続されている。これによれば、第1金属板61から生じた熱が、各起立部61bを介して凹部55の内面にも伝達される。したがって、第1金属板61から生じる熱をハウジング14へ効率良く放熱することができる。その結果、導電体60の放熱性の向上をさらに図ることができる。
【0065】
(4)導電体60は、各延在部62bの先端部と各起立部61bとを金属接合する複数の接合部64を備えている。各接合部64は、各凹部55の内側にそれぞれ配置され、ハウジング14と熱的に接続されている。これによれば、各接合部64から生じた熱が、ハウジング14に伝達され易くなる。したがって、各接合部64から生じた熱をハウジング14へ効率良く放熱することができる。その結果、導電体60の放熱性の向上をさらに図ることができる。また、第2金属板62からハウジング14への放熱が、各接合部64によって妨げられることを抑制することができる。
【0066】
(5)第2金属板62は、第1金属板61よりも熱伝導率の高い材料により形成されている。例えば、第2金属板62が、第1金属板61と同じ熱伝達率の材料により形成されていたり、第1金属板61よりも熱伝達率の低い材料により形成されていたりする場合を考える。このような場合に比べて、第2金属板62から生じる熱をハウジング14へさらに効率良く放熱することができる。
【0067】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0068】
○ 実施形態において、例えば、第2金属板62が、第1金属板61と同じ熱伝達率の材料により形成されていたり、第1金属板61よりも熱伝達率の低い材料により形成されていたりしてもよい。
【0069】
○ 実施形態において、例えば、各延在部62bの先端がハウジング14の搭載面54に熱的に接続していてもよい。
○ 実施形態において、例えば、各延在部62bの先端部が搭載面54に沿って屈曲していてもよい。そして、当該屈曲部分が、搭載面54に熱的に接続していてもよい。
【0070】
○ 実施形態において、第1金属板61が、一対の起立部61bを有していなくてもよい。そして、各延在部62bが、第1金属板本体部61aの両端部にそれぞれ接合されることにより、一対の延在部62bが、第1金属板61に電気的に接続されていてもよい。
【0071】
○ 実施形態において、各接合部64が、各凹部55の外側に配置されていてもよい。
○ 実施形態において、各延在部62bと各起立部61bとが、例えば、半田付けにより接合されていてもよい。したがって、接合部64が、各延在部62bと各起立部61bとを互いに半田付けしている部分であってもよい。
【0072】
○ 実施形態において、各延在部62bと各起立部61bとが、各凹部55の内面に直接接触していてもよい。要は、各延在部62b及び各起立部61bが、各凹部55に挿入されて凹部55の内面に熱的に接続されていればよい。
【0073】
○ 実施形態において、第1金属板本体部61aにおける各巻線51に重なる部分に貫通孔が形成されていてもよい。そして、貫通孔の内側に接着剤を配置するとともに、各巻線51を接着剤を介して搭載面54に接合するようにしてもよい。これによれば、各巻線51から発生する熱が、接着剤を介して搭載面54に放熱される。
【0074】
○ 実施形態において、コア50の形状は、環状であれば、特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、第1金属板本体部61aの幅は、各起立部61bの幅と同じではなく、異なっていてもよい。
【0075】
○ 実施形態において、第2金属板本体部62aの幅は、各延在部62bの幅と同じではなく、異なっていてもよい。
○ 実施形態において、ハウジング14は、インバータ装置30を収容する部分と、圧縮部18とモータ19とを収容する部分とが一体となるように構成されているが、それぞれ別体となるようにハウジングを別途追加してもよい。
【0076】
○ 実施形態において、圧縮部18は、スクロール式に限らず、例えば、ピストン式やベーン式等であってもよい。
○ 実施形態において、電動圧縮機11は、車両空調装置10に用いられていたが、これに限らない。例えば、電動圧縮機11は、燃料電池車に搭載されており、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部18により圧縮するものであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
11…電動圧縮機、14…ハウジング、18…圧縮部、19…モータ、30…インバータ装置、34…回路基板、35…インバータ回路、36…ノイズ低減部、38…コモンモードチョークコイル、39…平滑コンデンサ、40…ローパスフィルタ、50…コア、51…巻線、55…凹部、60…導電体、61…第1金属板、61b…起立部、62…第2金属板、62a…本体部としての第2金属板本体部、62b…延在部、64…接合部。