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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065323
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】コイル挿入装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/085 20060101AFI20240508BHJP
   H02K 15/06 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H02K15/085
H02K15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174131
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】服部 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】坂井 秀徳
【テーマコード(参考)】
5H615
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB05
5H615PP01
5H615PP13
5H615QQ03
5H615SS09
5H615SS10
5H615SS59
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置を提供する。
【解決手段】コイル挿入装置1は、装置本体部2と、装置本体部に支持され、複数のステータコア91を、ステータコアの複数のスロット内にコイル92が挿入されるコイル挿入位置P1に搬送するステータコア搬送部3と、コイル挿入位置に搬送されたステータコアの複数のスロット内に挿入するコイル挿入部6と、を有する。ステータコア搬送部は、ステータコアがそれぞれ載置される複数の載置部33を有する搬送台31と、搬送台を装置本体部に対して移動可能に支持する支持部41と、搬送台を記支持部に対して移動させることにより、複数の載置部の一つをコイル挿入位置に位置付けるとともに、残りの載置部を待機位置に位置付ける駆動部43と、を有する。支持部は、待機位置よりもコイル挿入位置に近い位置で、搬送台を支持している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアの複数のスロット内にコイルを挿入するコイル挿入装置であって、
装置本体部と、
前記装置本体部に支持され、複数の前記ステータコアを、該ステータコアの複数のスロット内にコイルが挿入されるコイル挿入位置に搬送するステータコア搬送部と、
前記コイル挿入位置に搬送された前記ステータコアに対して、前記ステータコアの軸方向の一側から他側に向かってコイルを移動させることにより、前記コイルを前記ステータコアの前記複数のスロット内に挿入するコイル挿入部と、
を有し、
前記ステータコア搬送部は、
前記ステータコアがそれぞれ載置される複数の載置部を有する搬送台と、
前記搬送台を前記装置本体部に対して移動可能に支持する支持部と、
前記搬送台を前記支持部に対して移動させることにより、前記複数の載置部の一つを前記コイル挿入位置に位置付けるとともに、残りの載置部を待機位置に位置付ける駆動部と、
を有し、
前記支持部は、
前記待機位置よりも前記コイル挿入位置に近い位置で、前記搬送台を支持している、
コイル挿入装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル挿入装置において、
前記複数の載置部は、前記搬送台上に一方向に並んで位置し、
前記駆動部は、前記搬送台を前記複数の載置部の並び方向に移動させる、
コイル挿入装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコイル挿入装置において、
前記待機位置に位置付けられている載置部にステータコアを供給するステータコア供給部を、さらに有する、
コイル挿入装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコイル挿入装置において、
前記コイル挿入部は、
前記コイル及びウェッジを保持した状態で、前記コイル挿入位置に位置付けられたステータコアに対して軸方向に移動することにより、前記コイル及び前記ウェッジを前記ステータコアの複数のスロット内に挿入する、
コイル挿入装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコイル挿入装置において、
前記支持部は、
前記搬送台を厚み方向から見て、前記コイル挿入位置に位置付けられた前記載置部よりも外周側に所定の間隔で位置する複数の柱状部材を含み、
前記柱状部材は、
一方の端部が前記装置本体部に接続され、他方の端部が前記搬送台に接続されている、
コイル挿入装置。
【請求項6】
請求項1に記載のコイル挿入装置において、
前記コイル挿入部は、
前記搬送台に対して前記載置部が位置する面とは反対側に位置し、
前記搬送台は、
前記載置部が位置する面とは反対側の面に、前記載置部上の前記ステータコアに対して前記コイル挿入部の位置を決めるためのコイル挿入位置決め部を有する、
コイル挿入装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のコイル挿入装置において、
前記コイル挿入部は、
前記搬送台に対して前記載置部が位置する面とは反対側に位置し、
前記ステータコア搬送部は、
前記コイル挿入位置に位置付けられた前記載置部に対して、前記載置部に載置されたステータコアにおけるコイルの挿入側とは反対側に、前記ステータコアの前記反対側に位置する端面を押さえるステータコア押さえ部を有する、
コイル挿入装置。
【請求項8】
請求項1に記載のコイル挿入装置において、
前記コイル挿入部を搬送するコイル挿入搬送部をさらに有し、
前記装置本体部は、
前記コイル挿入部を載置可能な載置面を有する位置決め台を有し、
前記位置決め台は、
前記載置面上で前記軸方向から見て前記コイル挿入位置と重なる位置に、前記コイル挿入部を位置決めする第1位置決め部を有し、
前記コイル挿入搬送部は、
前記コイル挿入部によって前記ステータコアの複数のスロット内に前記コイルを挿入する際に、前記コイル挿入部を、前記載置面上で前記第1位置決め部によって位置決めされる位置に搬送する、
コイル挿入装置。
【請求項9】
請求項8に記載のコイル挿入装置において、
前記コイル挿入部にウェッジを供給するウェッジ供給部
をさらに有し、
前記コイル挿入部は、
前記コイルを保持するコイル保持部と、
前記コイル保持部よりも前記軸方向の一方に位置し、前記ウェッジを保持するウェッジ保持部と、
を有し、
前記ウェッジ保持部は、前記ウェッジが挿入される挿入孔を有し、
前記ウェッジ供給部は、前記位置決め台の下方に位置し、
前記位置決め台は、
前記ウェッジ供給部から供給される前記ウェッジが通過可能な貫通孔と、
前記載置面上で、且つ、前記位置決め台を前記軸方向から見て前記ウェッジ保持部の前記挿入孔が前記貫通孔と重なる位置に、前記コイル挿入部を位置決めする第2位置決め部と、
を有し、
前記コイル挿入搬送部は、
前記ウェッジ供給部によって前記コイル挿入部に前記ウェッジを供給する際に、前記コイル挿入部を、前記載置面上で前記第2位置決め部によって位置決めされる位置に搬送する、
コイル挿入装置。
【請求項10】
請求項9に記載のコイル挿入装置において、
前記第2位置決め部は、
前記載置面上で前記軸方向から見て前記コイル挿入位置と重ならない位置に、前記コイル挿入部を位置決めする、
コイル挿入装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステータコアのスロット内に、予め環状に巻かれたコイルを挿入するコイル挿入装置が知られている。例えば、特許文献1には、固定子を着脱自在に収容保持する保持機構を放射状に延びた各アーム部先端に有し上下方向に移動するとともに水平方向に旋回運動する旋回搬送手段と、自動巻線装置で巻かれたコイルを挿入治具内に移入する移入装置並びに前記挿入治具内に移入されたコイルを旋回搬送手段の所定保持機構内の固定子に挿入するコイル挿入位置まで旋回搬送する旋回テーブルを備えた自動コイル挿入手段とを有する複合巻線装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60-170446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の複合巻線装置では、前記旋回搬送手段は、保持する複数のステータコアを、順次、コイル挿入位置の上方に旋回搬送する。前記自動コイル挿入手段は、前記自動巻線装置で巻かれたコイルを、順次、前記コイル挿入位置に旋回搬送する。そして、前記コイル挿入位置に搬送された前記コイルに対して前記アーム部先端を下方に移動させて、前記ステータコアにコイルを挿入する。このように前記複合巻線装置では、巻線作業を効率良く自動的に行うことができる。よって、1つずつステータコアにコイルを挿入する装置に比べて、生産性を向上することができる。
【0005】
しかしながら、前記特許文献1の複合巻線装置では、旋回搬送手段は、ステータコアを回転中心から離れたアーム部の先端で保持する。前記アーム部の先端は、装置本体に対して固定されていないため、上下に変位可能である。よって、前記ステータコアに前記コイルを挿入する際に、前記ステータコアの軸方向が前記コイルの移動方向に対して変化する可能性がある。これにより、コイルの挿入時に、前記コイルによって前記スロットの内面等に傷が付く場合がある。その結果、不良品が発生して、ステータの生産性が低下する可能性がある。そこで、コイル挿入時における不良品の発生を抑制しつつ、ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置が求められている。
【0006】
本発明の目的は、ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な一実施形態に係るコイル挿入装置は、ステータコアの複数のスロット内にコイルを挿入するコイル挿入装置である。前記コイル挿入装置は、装置本体部と、前記装置本体部に支持され、複数の前記ステータコアを、該ステータコアの複数のスロット内にコイルが挿入されるコイル挿入位置に搬送するステータコア搬送部と、前記コイル挿入位置に搬送された前記ステータコアに対して、前記ステータコアの軸方向の一側から他側に向かってコイルを移動させることにより、前記コイルを前記ステータコアの前記複数のスロット内に挿入するコイル挿入部と、を有する。前記ステータコア搬送部は、前記ステータコアがそれぞれ載置される複数の載置部を有する搬送台と、前記搬送台を前記装置本体部に対して移動可能に支持する支持部と、前記搬送台を前記支持部に対して移動させることにより、前記複数の載置部の一つを前記コイル挿入位置に位置付けるとともに、残りの載置部を待機位置に位置付ける駆動部と、を有する。前記支持部は、前記待機位置よりも前記コイル挿入位置に近い位置で、前記搬送台を支持している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の例示的な一実施形態によれば、ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係るコイル挿入装置の概略構成を示す図である。
図2図2は、ステータコアの斜視図である。
図3図3は、ステータコアのスロット内にコイルを挿入する様子を模式的に示す図である。
図4図4は、コイル及びウェッジが挿入されたステータコアのスロットを軸方向から見た部分拡大図である。
図5図5は、支持部によって支持されている部分におけるステータコア搬送部の断面図である。
図6図6は、支持部によって支持されている部分におけるステータコア搬送部を搬送台の厚み方向から見た図である。
図7図7は、実施形態1に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
図8図8は、実施形態1に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
図9図9は、実施形態1に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
図10図10は、実施形態1に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
図11図11は、実施形態1に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
図12図12は、実施形態1に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
図13図13は、実施形態2に係るコイル挿入装置の概略構成を示す図である。
図14図14は、実施形態2に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する様子を示す図である。
図15図15は、実施形態3に係るコイル挿入装置の概略構成を示す図である。
図16図16は、図15をA方向から見た図である。
図17図17は、ウェッジ供給部及び位置決め台の部分断面図である。
図18図18は、実施形態3に係るコイル挿入装置によってコイル挿入部を搬送する方法を説明する図である。
図19図19は、実施形態3に係るコイル挿入装置によってコイル挿入部を搬送する方法を説明する図である。
図20図20は、実施形態3に係るコイル挿入装置によってコイル挿入部を搬送する方法を説明する図である。
図21図21は、実施形態3に係るコイル挿入装置によってコイル挿入部を搬送する方法を説明する図である。
図22図22は、実施形態3に係るコイル挿入装置によってステータコアのスロット内にコイルを挿入する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表しているわけではない。
【0011】
なお、以下の説明において、コイル挿入装置1を設置した状態の鉛直方向を上下方向という。また、ステータコア91の中心軸と平行な方向を軸方向、中心軸に対して直交する方向を径方向、ステータコア91を前記軸方向から見て中心軸を中心とする円弧に沿う方向を周方向とそれぞれいう。
【0012】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”及び“取り付ける”等の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的及び間接的な固定等の意味が含まれる。
【0013】
(実施形態1)
図1から図12を参照して、本発明の例示的な実施形態に係るコイル挿入装置1について説明する。図1は、コイル挿入装置1の概略構成を示す図である。コイル挿入装置1は、図示省略するコイル巻線装置によって予め巻回されたコイル92を、ステータコア91のスロット95内に挿入する装置である。
【0014】
最初に、図2から図4を用いて、コイル挿入装置1によってコイル92が挿入される一例としてのステータのステータコア91について簡単に説明する。
【0015】
図2に示すように、ステータコア91は、筒状である。ステータコア91は、軸方向の一側に位置する端面91aと、他側に位置する端面91bとを有する。ステータコア91は、複数のスロット95を有する。複数のスロット95は、ステータコア91を軸方向に貫通している。複数のスロット95は、ステータコア91の径方向内側に開口95aを有する。
【0016】
図3に示すように、ステータコア91のスロット95内には、巻回されたコイル92が挿入される。また、図示省略するが、ステータコア91のスロット95内には、ウェッジ94が挿入される。
【0017】
図4は、コイル92及びウェッジ94がスロット95内に挿入された状態のステータコア91を軸方向から見た部分拡大図である。図4に示すように、スロット95内には、コイル92及びウェッジ94が位置する。ウェッジ94は、スロット95内における開口95a側に位置する。ウェッジ94は、ステータコア91の軸方向に長い樹脂製の部材である。ウェッジ94は、スロット95内に挿入されたコイル92が、スロット95の開口95aからステータコア91の内周側に出ることを防止する。なお、図示省略するが、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入された状態で、コイル92の一部は、ステータコア91の端面91a及び91bから突出している。
【0018】
スロット内には、絶縁紙が位置していてもよい。前記絶縁紙は、一部がスロットの内面に沿って位置するとともに、一部がステータコアの端面から突出している。前記絶縁紙は、ステータコアから突出したコイルの基端部分を覆う。前記絶縁紙によって、コイルの前記基端部分がステータコアの端面と接触することを防止することができる。
【0019】
(コイル挿入装置の構成)
次に、本実施形態に係るコイル挿入装置1の構成について、図1及び図5から図12を用いて、詳細に説明する。図1に示すように、コイル挿入装置1は、装置本体部2と、ステータコア搬送部3と、ステータコア供給部5と、コイル挿入部6とを有する。
【0020】
装置本体部2は、コイル挿入装置1が設置される設置面に支持されている。装置本体部2は、後述する支持部41を介して、ステータコア搬送部3を支持している。
【0021】
(ステータコア搬送部)
ステータコア搬送部3は、搬送台31と、支持部41と、ステータコア押さえ部42と、駆動部43とを有する。ステータコア搬送部3は、搬送台31上に載置された複数のステータコア91を一つずつ、コイル挿入位置P1に搬送する。
【0022】
コイル挿入位置P1は、コイル挿入部6が、ステータコア91のスロット95内にコイルを挿入する位置である。本実施形態では、ステータコア搬送部3は、コイル挿入位置P1に位置するコイル挿入部6と軸線方向において重なる位置に向かって、ステータコア91を搬送する。
【0023】
図1図5及び図6に示すように、搬送台31は、搬送台本体32と、載置部33と、コイル挿入位置決め部35とを有する。
【0024】
図5及び図6に示すように、搬送台本体32は、板状である。本実施形態では、搬送台本体32は、搬送台本体32を厚み方向から見て、一方向に長い矩形状である。搬送台本体32の上面には、複数の載置部33が位置する。搬送台本体32は、厚み方向に貫通する複数の貫通孔32aを有する。
【0025】
搬送台本体32は、支持部41によって支持されている。搬送台本体32は、支持部41によって支持された状態で、装置本体部2に対して搬送台本体32の長手方向に移動可能である。なお、各図における白抜き矢印は、搬送台本体32の移動方向を示す。
【0026】
複数の載置部33は、板状である。複数の載置部33は、それぞれ、搬送台本体32上に位置している。載置部33は、厚み方向に貫通する貫通孔33aを有する。載置部33の貫通孔33aは、前記厚み方向から見て、搬送台本体32の貫通孔32aと重なる位置に位置している。
【0027】
載置部33には、ステータコア91が載置される。載置部33にステータコア91が載置された状態で、前記厚み方向から見て、ステータコア91の中央を貫通する貫通孔は、搬送台本体32の貫通孔32a及び載置部33の貫通孔33aと重なる。
【0028】
図1及び図6に示すように、本実施形態では、複数の載置部33は、搬送台31上に一方向に並んで位置している。複数の載置部33には、それぞれ、ステータコア91が1つずつ載置可能である。載置部33に載置されたステータコア91は、載置部33上の所定位置に位置決めされている。なお、本実施形態では、搬送台31は、2つの載置部33を有するが、搬送台は、3つまたは3つ以上の載置部を有してもよい。
【0029】
コイル挿入位置決め部35は、搬送台本体32の下面に位置している。詳細には、コイル挿入位置決め部35は、搬送台本体32の下面において、搬送台本体32を貫通する貫通孔32aの外周に位置している。コイル挿入位置決め部35によって、後述するコイル挿入部6が搬送台本体32の下面上の所定位置に位置決めされる。なお、搬送台は、コイル挿入位置決め部を有さなくてもよい。
【0030】
図1及び図6に示すように、支持部41は、搬送台本体32に接続されている。詳しくは、支持部41は、搬送台本体32を厚み方向から見て、コイル挿入位置P1の近くで搬送台本体32を支持している。
【0031】
支持部41は、搬送台本体32を装置本体部2に対して移動可能に支持している。すなわち、搬送台本体32は、支持部41に支持された状態で、装置本体部2に対して移動可能である。搬送台本体32が移動することにより、搬送台本体32に載置された複数の載置部33は、支持部41が接続されている位置に近づいたり離れたりする。
【0032】
本実施形態では、支持部41は、複数の柱状部材44を含む。複数の柱状部材44は、上端部が装置本体部2に接続されている。複数の柱状部材44は、下端部が搬送台本体32に接続されている。複数の柱状部材44は、前記厚み方向から見て、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33よりも外周側に所定の間隔で位置している。
【0033】
搬送台本体32は、支持部41によって支持されている部分の支持剛性が高い。すなわち、コイル挿入位置P1の近くに位置する載置部33は、支持部41によって高い支持剛性で支持されており、軸方向に変位しにくい。
【0034】
複数の柱状部材44は、搬送台31を上下に駆動させる上下移動機構を有する。前記上下移動機構は、一般的な上下移動機構と同様であるため、説明を省略する。搬送台31が下方に移動することにより、載置部33に載置されたステータコア91にコイル92が挿入される。
【0035】
ステータコア押さえ部42は、板状である。ステータコア押さえ部42は、載置部33に載置されるステータコア91の上方に位置している。ステータコア押さえ部42は、厚み方向に貫通する貫通孔42aを有する。貫通孔42aは、前記厚み方向から見て、搬送台本体32の貫通孔32aと重なる位置に位置している。
【0036】
ステータコア押さえ部42は、上側に接続された支持部45を介して、装置本体部2に支持されている。支持部45は、ステータコア押さえ部42を上下に駆動させる上下移動機構を有する。前記上下移動機構は、一般的な上下移動機構と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
ステータコア押さえ部42は、下方に移動することにより、載置部33に載置されたステータコア91の上側の端面91bに接触する。ステータコア押さえ部42は、載置部33に載置されたステータコア91が上方に移動することを制限する。
【0038】
駆動部43は、搬送台31を複数の載置部33の並び方向に移動させる。駆動部43は、搬送台31を移動させることにより、搬送台本体32に載置された載置部33のうち一つをコイル挿入位置P1に位置付ける。
【0039】
本実施形態では、駆動部43は、2つの載置部33を交互にコイル挿入位置P1に位置付ける。具体的には、駆動部43は、搬送台31を前記並び方向の一方に移動させることにより、2つの載置部33のうち前記並び方向の他方に位置する載置部33をコイル挿入位置P1に位置付ける。駆動部43は、搬送台31を前記並び方向の他方に移動させることにより、2つの載置部33のうち前記並び方向の一方に位置する載置部33をコイル挿入位置P1に位置付ける。なお、載置部33の一つがコイル挿入位置P1に位置付けられているとき、他方の載置部33は、他の位置に位置付けられている。以下では、一つの載置部33がコイル挿入位置P1に位置付けられているときに、他の載置部33が位置付けられている位置を待機位置P2と称する。
【0040】
このように、駆動部43は、搬送台31を直線上で往復移動させることにより、複数の載置部33をコイル挿入位置P1と待機位置P2とに移動させる。したがって、駆動部43による搬送台31の移動機構を簡単な構成によって実現することができる。また、搬送台31は直線上を移動するので、搬送台31が移動するスペースを小さくすることができる。これにより、コンパクト且つ簡単な構成によってステータコア搬送部3を実現することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、支持部41は、前記厚み方向から見て、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33の外周側に所定の間隔で位置している複数の柱状部材44によって搬送台31を支持している。しかしながら、支持部は、コイル挿入位置に位置付けられた載置部の外周側に所定の間隔で位置していなくてもよい。支持部は、コイル挿入位置と、待機位置との中間地点よりも、コイル挿入位置に近い位置で、搬送台を支持する構成であればよい。例えば、1つの支持部が、搬送台におけるコイル挿入位置の近くを支持する構成であってもよい。
【0042】
すなわち、ステータコア搬送部3では、ステータコア91が載置される搬送台31は、支持部41によって、コイル挿入位置P1の近くで支持されている。したがって、搬送台31の支持剛性は、コイル挿入位置P1に近い位置で高い。よって、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33上のステータコア91のスロット95内に、コイル挿入部6がコイル92を挿入する際に、コイル挿入部6に対してステータコア91が変位することを抑制できる。これにより、スロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付くことを防止できる。
【0043】
本実施形態では、コイル挿入部6は、搬送台31に対して載置部33が位置する面とは反対側に位置する。搬送台31は、載置部33が位置する面とは反対側の面に、載置部33上のステータコア91に対してコイル挿入部6の位置を決めるためのコイル挿入位置決め部35を有する。
【0044】
これにより、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33上のステータコア91に対して、コイル挿入部6を容易に位置決めすることができる。よって、ステータコア91の複数のスロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付くことをより確実に防止できる。
【0045】
また、本実施形態では、コイル挿入部6は、搬送台31に対して載置部33が位置する面とは反対側に位置する。ステータコア搬送部3は、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33に対して、載置部33に載置されたステータコア91におけるコイル92の挿入側とは反対側に、ステータコア91の前記反対側に位置する端面91bを押さえるステータコア押さえ部42を有する。
【0046】
これにより、ステータコア91にコイル92が挿入される側の端面91aとは反対側の端面91bを、ステータコア押さえ部42によって押さえることができる。したがって、ステータコア91の複数のスロット95内にコイル92を挿入する際に、ステータコア91がコイル92の挿入方向に移動することを防止することができる。これにより、スロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付くことをより確実に防止することができる。
【0047】
(ステータコア供給部)
図1に示すように、ステータコア供給部5は、ステータコア搬送部3にステータコア91を供給する。具体的には、ステータコア供給部5は、待機位置P2に位置付けられている載置部33に、コイル92が挿入される前のステータコア91を供給する。
【0048】
このように、コイル挿入装置1は、待機位置P2に位置付けられている載置部33にステータコア91を供給するステータコア供給部5を有する。
【0049】
ステータコア供給部5は、コイル挿入位置P1に搬送されたステータコア91のスロット95内にコイル92が挿入されている間に、待機位置P2に位置付けられた載置部33に、ステータコア91を供給する。これにより、ステータの生産性を向上することができる。
【0050】
(コイル挿入部)
図1に示すように、コイル挿入部6は、コイル挿入位置P1に搬送されたステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する。本実施形態では、コイル挿入部6は、コイル保持部61と、ウェッジ保持部62とを有する。コイル挿入部6は、コイル保持部61によって保持されたコイル92を、図示しないコイル移動部によってステータコア91の軸方向に移動させることにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する。
【0051】
コイル保持部61は、筒状である。コイル保持部61は、ステータコア91のスロット95内に挿入するコイル92を保持する。
【0052】
ウェッジ保持部62は、筒状である。ウェッジ保持部62は、ステータコア91のスロット95内に挿入するウェッジ94を保持する。ウェッジ保持部62は、コイル保持部61よりも前記軸方向の一方に位置する。詳しくは、ウェッジ保持部62は、コイル挿入部6がステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際に移動する方向の後方に接続されている。ウェッジ保持部62は、内部に軸方向に延びる複数のウェッジ保持空間を有する。前記ウェッジ保持空間は、前記軸方向から見て、ステータコア91のスロット95内にウェッジ94が挿入される位置と重なっている。ウェッジ保持部62は、前記複数のウェッジ保持空間内に、それぞれウェッジ94を保持する。
【0053】
コイル挿入部6は、コイル92及びウェッジ94を保持した状態で、コイル挿入位置P1に位置付けられている。ステータコア搬送部3は、コイル挿入位置P1に位置付けられているコイル挿入部6の上方にステータコア91を搬送し、該ステータコア91をコイル挿入部6に向かって軸方向に移動させる。コイル挿入部6は、該ステータコア91に対して、ステータコア91の端面91a側から端面91b側に向かってコイル92及びウェッジ94を移動させる。これにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入される。
【0054】
すなわち、コイル挿入部6は、コイル92及びウェッジ94を保持した状態で、コイル挿入位置P1に位置付けられたステータコア91に対して軸方向に移動することにより、コイル92及びウェッジ94をステータコア91の複数のスロット95内に挿入する。
【0055】
このように、コイル挿入部6は、コイル挿入位置P1で、ステータコア91の複数のスロット95内にコイル92及びウェッジ94を挿入することができる。したがって、コイルを挿入する装置と、ウェッジを挿入する装置とが異なる構成に比べて、作業効率を向上することができる。
【0056】
また、上述の構成では、コイル92が挿入されるステータコア91は、搬送台31において支持剛性が高い位置に位置付けられた載置部33に載置されている。すなわち、ステータコア91は、コイル挿入部6の移動方向に対して変位することが抑制されている。よって、コイル挿入部6により、ステータコア91の複数のスロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付いたり、ウェッジ94が損傷したりすることを防止できる。
【0057】
(コイル挿入方法)
次に、図7から図12を参照して、コイル挿入装置1を用いて、複数のステータコア91のスロット95内に、コイル92及びウェッジ94を挿入する方法について説明する。
【0058】
図7に示すように、待機位置P2に位置付けられた載置部33Bにステータコア91が載置されていない場合、ステータコア供給部5は、載置部33Bにステータコア91を供給する。図8に示すように、載置部33Bにステータコア91が載置されると、駆動部43は、搬送台31を水平方向に移動させる。これにより、図9に示すように、載置部33Bは、コイル挿入部6が位置するコイル挿入位置P1の上方に位置付けられる。
【0059】
次に、図10に示すように、支持部45の図示しない上下移動機構によってステータコア押さえ部42が下方に移動して、ステータコア91の上側の端面91bを押さえる。さらに、複数の柱状部材44の図示しない上下移動機構によって搬送台31が下方に移動する。その後、コイル挿入部6は、ステータコア91に対してコイル及びウェッジ94を軸方向に移動させる。これにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入される。
【0060】
ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入されている間に、ステータコア供給部5は、待機位置P2に位置付けられている載置部33Aに、次にコイル92を挿入するステータコア91を供給する。
【0061】
ステータコア91のスロット95内へのコイル92及びウェッジ94の挿入が完了すると、図11に示すように、ステータコア押さえ部42及び搬送台31が上方に移動する。さらに、駆動部43は、搬送台31を水平方向に移動させる。搬送台31が移動している間に、コイル挿入装置1は、コイル挿入位置P1に、コイル92及びウェッジ94を保持するコイル挿入部6を位置付ける。
【0062】
図12に示すように、駆動部43が搬送台31を水平方向に移動させることにより、載置部33Aがコイル挿入位置P1の上方に位置付けられる。
【0063】
その後、載置部33Aに載置されたステータコア91に対して、同様の工程を行う。すなわち、ステータコア押さえ部42及び搬送台31を下方に移動させる。これにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入される。
【0064】
ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入されている間に、載置部33Bからコイル92が挿入されたステータコア91は、載置部33Bから取り除かれる。ステータコア供給部5は、待機位置P2に位置付けられている載置部33Bに、次にコイル92を挿入するステータコア91を供給する。
【0065】
以上の工程を繰り返すことにより、複数のステータコア91に、順次、コイル92及びウェッジ94を供給することができる。
【0066】
以上の構成を有する本実施形態に係るコイル挿入装置1は、装置本体部2と、装置本体部2に支持され、複数のステータコア91を、ステータコア91の複数のスロット95内にコイル92が挿入されるコイル挿入位置P1に搬送するステータコア搬送部3と、コイル挿入位置P1に搬送されたステータコア91に対して、ステータコア91の軸方向の一側から他側に向かってコイル92を移動させることにより、コイル92をステータコア91の複数のスロット95内に挿入するコイル挿入部6と、を有する。ステータコア搬送部3は、ステータコア91がそれぞれ載置される複数の載置部33を有する搬送台31と、搬送台31を装置本体部2に対して移動可能に支持する支持部41と、搬送台31を支持部41に対して移動させることにより、複数の載置部33の一つをコイル挿入位置P1に位置付けるとともに、残りの載置部33を待機位置P2に位置付ける駆動部43と、を有する。支持部41は、待機位置P2よりもコイル挿入位置P1に近い位置で、搬送台31を支持している。
【0067】
上述の構成では、ステータコア91が載置される載置部33を有する搬送台31は、装置本体部2に対して、待機位置P2よりもコイル92が挿入されるコイル挿入位置P1に近い位置で、支持部41によって支持されている。したがって、搬送台31の支持剛性は、待機位置P2に近い位置よりもコイル挿入位置P1に近い位置の方が高い。よって、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33上のステータコア91のスロット95内に、コイル挿入部6がコイル92を挿入する際に、コイル挿入部6に対してステータコア91が変位することを抑制できる。これにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付くことを防止することができる。
【0068】
また、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33上のステータコア91に対してコイル92が挿入されている間に、待機位置P2に位置付けられた載置部33に、次にコイル92を挿入するステータコアをセッティングすることができる。これにより、ステータコア91にコイル92を挿入する作業時間を短縮することができ、作業効率を向上することができる。よって、ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置1を提供することができる。
【0069】
本実施形態では、支持部41は、搬送台31を厚み方向から見て、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33よりも外周側に所定の間隔で位置する複数の柱状部材44を含む。柱状部材44は、一方の端部が装置本体部2に接続され、他方の端部が搬送台31に接続されている。
【0070】
上述の構成では、搬送台31において、コイル挿入位置P1に位置付けられた載置部33の外周側が、複数の柱状部材44によって支持される。これにより、搬送台31のうちコイル挿入位置P1に位置付けられた部分の支持剛性をより確実に向上することができる。したがって、ステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付くことをより確実に防止することができる。
【0071】
(実施形態2)
次に、図13及び図14を参照して、本発明の例示的な実施形態2に係るコイル挿入装置101について説明する。以下では、実施形態1と同じ構成については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0072】
図13に示すように、コイル挿入装置101は、装置本体部102と、ステータコア搬送部3と、ステータコア供給部5と、コイル挿入部106と、コイル挿入搬送部107とを有する。
【0073】
(装置本体部)
本実施形態では、装置本体部102は、位置決め台121を有する。装置本体部102は、実施形態1と同様、支持部41を介してステータコア搬送部3を支持する。
【0074】
位置決め台121は、水平に延びる板状である。位置決め台121は、ステータコア搬送部3の下方に位置する。位置決め台121は、支柱によって装置本体部102に支持されている。位置決め台121は、上側の面である載置面122上に、第1位置決め部123を有する。位置決め台121には、コイル挿入部106を載置可能である。
【0075】
第1位置決め部123には、ステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際にコイル挿入部106が位置付けられる。
【0076】
本実施形態では、第1位置決め部123は、載置面122上で軸方向から見てコイル挿入位置P1の近くに位置している。第1位置決め部123は、例えば軸方向に突出する凸部を含む。第1位置決め部123は、コイル挿入部106をコイル挿入位置P1に位置決めする。
【0077】
(コイル挿入部)
コイル挿入部106は、コイル保持部61と、ウェッジ保持部162とを有する。
【0078】
ウェッジ保持部162は、実施形態1と同様に、コイル挿入部106の移動方向の後方に接続されている。ウェッジ保持部162は、ウェッジ94を保持する。
【0079】
本実施形態では、ウェッジ保持部162は、後端部に第1位置決め部123によって位置決めされるための被位置決め部163を有する。被位置決め部163は、例えば軸方向に窪む凹部を含む。コイル挿入部106の被位置決め部163の凹部に、位置決め台121の第1位置決め部123の凸部が挿入されることにより、コイル挿入部106は、位置決め台121上に、水平方向、周方向及び軸方向に位置決めされる。
【0080】
(コイル挿入搬送部)
コイル挿入搬送部107は、水平方向に延びる板状である。コイル挿入搬送部107は、コイル挿入部106を保持する。コイル挿入搬送部107は、厚み方向に貫通する貫通孔107aを有する。
【0081】
コイル挿入部106は、貫通孔107aを貫通した状態で、コイル挿入搬送部107に保持される。すなわち、コイル挿入搬送部107に保持された状態で、ウェッジ保持部162の後端部は、コイル挿入搬送部107から下方に突出している。
【0082】
コイル挿入搬送部107は、コイル挿入部106を保持した状態で、移動可能である。例えば、コイル挿入搬送部107は、図示省略する駆動機構によって、移動する。コイル挿入搬送部107は、ステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際に、コイル挿入部106を、載置面122上で第1位置決め部123によって位置決めされる位置に搬送する。
【0083】
すなわち、本実施形態に係るコイル挿入装置101は、コイル挿入部106を搬送するコイル挿入搬送部107をさらに有する。装置本体部102は、コイル挿入部106を載置可能な載置面122を有する位置決め台121を有する。位置決め台121は、載置面122上で前記軸方向から見てコイル挿入位置P1と重なる位置に、コイル挿入部106を位置決めする第1位置決め部123を有する。コイル挿入搬送部107は、コイル挿入部106によってステータコア91の複数のスロット95内にコイル92を挿入する際に、コイル挿入部106を、載置面122上で第1位置決め部123によって位置決めされる位置に搬送する。
【0084】
図14に、コイル挿入装置101によって、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94を挿入する様子を示す。本実施形態では、第1位置決め部123によって、コイル挿入時に、コイル挿入部106は、コイル挿入位置P1に位置決めされる。これにより、コイル挿入部106がステータコア91に対して軸方向に移動する際に、ステータコア91の軸方向に対してコイル挿入部106の移動方向が変位することが抑制される。
【0085】
また、前記軸方向から見てステータコア91のスロット95の位置と、コイル挿入部106が保持するコイル92及びウェッジ94の位置とを容易に位置合わせすることができる。したがって、スロット95内にコイル92を挿入する際に、コイル92がスロットの内面に接触することより確実に防止することができる。よって、スロット95の内面等に傷が付くことを、容易に、且つ、より確実に防止することができる。したがって、ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置101を提供することができる。
【0086】
(実施形態3)
次に、図15から図22を参照して、本発明の例示的な実施形態3に係るコイル挿入装置201について説明する。以下では、実施形態1、2と同じ構成については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0087】
図15に示すように、コイル挿入装置201は、装置本体部202と、ステータコア搬送部3と、ステータコア供給部5と、コイル挿入部206と、コイル挿入搬送部207と、ウェッジ供給部208とを有する。
【0088】
(装置本体部)
本実施形態では、装置本体部202は、位置決め台221を有する。装置本体部202は、実施形態1と同様、支持部41を介してステータコア搬送部3を支持する。
【0089】
位置決め台221は、ステータコア搬送部3の下方に位置する。位置決め台221は、水平方向に延びる板状である。図16に示すように、本実施形態の位置決め台221は、ステータコア搬送部3の搬送台31が移動する方向に対して交差する方向に延びている。図16は、コイル挿入装置201を図15の矢印Aの方向から見た図である。
【0090】
位置決め台221は、支柱によって装置本体部202に支持されている。位置決め台221は、上側の面である載置面222上に、第1位置決め部223と、第2位置決め部224とを有する。位置決め台221の下側の面に、ウェッジ供給部208が支持されている。
【0091】
図17に示すように、位置決め台221は、ウェッジ94が通過可能な貫通孔221aを有する。詳細は後述するが、貫通孔221aによって、位置決め台221の下側で支持されるウェッジ供給部208が保持するウェッジ94を、位置決め台221の上方に取り出すことができる。
【0092】
第1位置決め部223は、載置面222上で、位置決め台221を厚み方向から見てコイル挿入位置P1と重なる位置に位置している。第1位置決め部223の構成及び機能は、実施形態2の第1位置決め部123の構成及び機能と同様である。
【0093】
本実施形態では、第2位置決め部224は、載置面222上で且つ第1位置決め部223とは異なる位置に位置している。第2位置決め部224は、コイル挿入部206にウェッジ供給部208からウェッジ94が供給される位置に、コイル挿入部206を位置決めする。第2位置決め部224の構成及び機能は、実施形態2の第1位置決め部123の構成及び機能と同様である。
【0094】
第1位置決め部223には、ステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際にコイル挿入部206が位置付けられる。第2位置決め部224には、コイル挿入部206にウェッジ供給部208からウェッジ94が供給される際にコイル挿入部206が位置付けられる。
【0095】
(コイル挿入部)
コイル挿入部206は、コイル保持部61と、ウェッジ保持部262とを有する。
【0096】
ウェッジ保持部262は、実施形態1と同様に、コイル挿入部206の移動方向の後方に接続されている。ウェッジ保持部262は、ウェッジ94を保持する。
【0097】
本実施形態では、ウェッジ保持部262は、後端部に被位置決め部263を有する。被位置決め部263によって、コイル挿入部206は、載置面222上で、軸方向から見てコイル挿入位置P1と重なる位置に位置決めされる。コイル挿入部206は、載置面222上で、軸方向から見てウェッジ供給部208と重なる位置に位置決めされる。
【0098】
図17に示すように、本実施形態では、ウェッジ保持部262は、後端面にウェッジ94が挿入される挿入孔264を有する。挿入孔264は、ウェッジ供給部208から供給されるウェッジ94が通過可能である。
【0099】
挿入孔264は、軸方向から見て、コイル挿入部206が載置面222上で第2位置決め部224によって位置決めされた状態で、位置決め台221の貫通孔221aと重なる位置に位置している。よって、コイル挿入部206が載置面222上で第2位置決め部224によって位置決めされた状態で、ウェッジ供給部208は、ウェッジ保持部262に、ウェッジ94を供給することができる。
【0100】
(ウェッジ供給部)
ウェッジ供給部208は、筒状である。図15から図17に示すように、ウェッジ供給部208は、位置決め台221の下方に位置する。ウェッジ供給部208は、ウェッジ94を保持している。ウェッジ供給部208は、保持しているウェッジ94をコイル挿入部206に供給する。
【0101】
詳しくは、図17に示すように、ウェッジ供給部208の上側には、ウェッジ94が通過可能な貫通孔221aを有する位置決め台221が位置している。軸方向から見てウェッジ供給部208と重なる位置には、ウェッジ94が挿入される挿入孔264を有するコイル挿入部206が位置付けられる。位置決め台221上に、コイル挿入部206が位置付けられた状態で、ウェッジ供給部208は、図示しない押出部によって、保持しているウェッジ94を位置決め台221の貫通孔221aを介してコイル挿入部206の挿入孔264内に押し出す。これにより、ウェッジ供給部208は、ウェッジ94をコイル挿入部206のウェッジ保持部262に供給することができる。
【0102】
(コイル挿入搬送部)
図15及び図16に示すように、コイル挿入搬送部207は、コイル搬送本体271と、回転軸272とを有する。
【0103】
コイル搬送本体271は、水平方向に延びる板状である。コイル搬送本体271は、厚み方向から見て一方向に長い矩形状である。コイル搬送本体271には、厚み方向から見て中央部分に、回転軸272が接続されている。よって、コイル搬送本体271は、前記中央部分を中心として回転可能である。また、コイル搬送本体271は、上下に移動可能である。
【0104】
回転軸272は、上下方向に延びる回転軸である。回転軸272は、コイル搬送本体271を位置決め台221に対して回転可能に支持している。すなわち、回転軸272に支持された状態で、コイル搬送本体271は、位置決め台221に対して回転可能である。
【0105】
回転軸272の回転軸線は、位置決め台221を厚み方向から見て、ウェッジ供給部208の中心とコイル挿入位置P1との中間位置を通っている。すなわち、前記厚み方向から見て、ウェッジ供給部208の中心とコイル挿入位置P1とは、前記回転軸線を中心とする回転対称に位置している。
【0106】
本実施形態では、コイル搬送本体271は、厚み方向に貫通する2つの貫通孔207aを有する。コイル搬送本体271は、各貫通孔207aに、それぞれコイル挿入部206を保持することができる。2つの貫通孔207aは、前記回転軸線を中心として回転対称に位置している。
【0107】
上述したように、ウェッジ供給部208の中心とコイル挿入位置P1とは、前記回転軸線を中心として回転対称に位置している。2つの貫通孔207aは、回転軸272の回転軸線を中心として回転対称に位置している。したがって、コイル搬送本体271は、貫通孔207aに保持されるコイル挿入部206を、前記厚み方向から見て、ウェッジ供給部208と重なる位置と、コイル挿入位置P1と重なる位置とに移動させる。
【0108】
よって、コイル挿入搬送部207は、コイル挿入部206によってステータコア91のスロット95内に前記コイルを挿入する際に、コイル挿入部206を、載置面222上で第1位置決め部223によって位置決めされる位置に搬送することができる。また、コイル挿入搬送部207は、ウェッジ供給部208によってコイル挿入部206にウェッジ94を供給する際に、コイル挿入部206を、載置面222上で第2位置決め部224によって位置決めされる位置に搬送することができる。
【0109】
図18から図22を参照して、本実施形態のコイル挿入装置201によって、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94を挿入する方法について説明する。
【0110】
最初に、コイル挿入部206は、図示しないコイル巻線装置によって環状に巻かれたコイル92が供給された状態で、コイル挿入搬送部207の貫通孔207aに挿入される。コイル挿入搬送部207は、コイル挿入部206を、載置面222上で第2位置決め部224によって位置決めされる位置に搬送する。具体的には、コイル挿入搬送部207は、コイル挿入部206をウェッジ供給部208の上方に搬送する。その後、図18に示すように、コイル挿入搬送部207は下方に移動して、コイル挿入部206を第2位置決め部224に位置決めする。
【0111】
コイル挿入部206が第2位置決め部224に位置決めされた状態で、前記軸方向から見てウェッジ保持部262の挿入孔264と、位置決め台221の貫通孔221aとは重なっている。この状態で、図19に示すように、ウェッジ供給部208は、保持するウェッジ94をウェッジ保持部262に供給する。
【0112】
次に、図20に示すように、コイル挿入搬送部207は、上方に移動する。その後、図21に示すように、コイル挿入搬送部207は、回転して、保持するコイル挿入部206を、載置面222上で第1位置決め部223によって位置決めされる位置に搬送する。
【0113】
次に、図22に示すように、コイル挿入搬送部207は、下方に移動する。これにより、コイル挿入部206は、コイル挿入位置P1に位置付けられる。
【0114】
その後、ステータコア搬送部3の搬送台31が下方に移動することにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入される。
【0115】
ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入されている間に、位置決め台221の下方のウェッジ供給部208にウェッジ94が供給される。その後、ウェッジ供給部208の上方に、他のコイル挿入部がセッティングされる。これにより、コイル挿入位置P1でステータコア91のスロット95内にコイル92が挿入されている間に、他のコイル挿入部206にウェッジ94を供給することができる。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係るコイル挿入装置201は、コイル挿入部206にウェッジ94を供給するウェッジ供給部208をさらに有する。コイル挿入部206は、コイル92を保持するコイル保持部61と、コイル保持部61よりも軸方向の一方に位置し、ウェッジ94を保持するウェッジ保持部262と、を有する。ウェッジ保持部262は、ウェッジ94が挿入される挿入孔264を有する。ウェッジ供給部208は、位置決め台221の下方に位置する。位置決め台221は、ウェッジ供給部208から供給されるウェッジ94が通過可能な貫通孔221aと、第2位置決め部224とを有する。第2位置決め部224は、載置面222上で、且つ、位置決め台221を前記軸方向から見てウェッジ保持部262の挿入孔264が貫通孔221aと重なる位置に、コイル挿入部206を位置決めする。コイル挿入搬送部207は、ウェッジ供給部208によってコイル挿入部206にウェッジ94を供給する際に、コイル挿入部206を、載置面222上で第2位置決め部224によって位置決めされる位置に搬送する。
【0117】
コイル挿入搬送部207に支持されたコイル挿入部206は、コイル挿入部206にウェッジ94を供給するウェッジ供給部208の上方に、第2位置決め部224によって装置本体部202に対して位置決めされる。これにより、ウェッジ供給部208がコイル挿入部206にウェッジ94を供給する際に、ウェッジ供給部208に対してコイル挿入部206が変位することが抑制される。よって、コイル挿入部206にウェッジ94を精度良く供給することができる。
【0118】
また、本実施形態では、コイル挿入搬送部207は、コイル挿入部206によってステータコア91のスロット95内にコイル92を挿入する際に、コイル挿入部206を、載置面222上で第1位置決め部223によって位置決めされる位置に搬送する。
【0119】
コイル挿入部206は、第1位置決め部223によってコイル挿入位置P1に位置決めされる。これにより、コイル挿入部206がステータコア91に対して軸方向に移動する際に、ステータコア91の軸方向に対してコイル挿入部206の移動方向が変位することが抑制される。また、前記方向から見てステータコア91のスロット95の位置に、コイル挿入部206が保持するコイル92及びウェッジ94の位置に容易に重ねることができる。したがって、スロット95内にコイル92を挿入する際に、スロット95の内面等に傷が付くことを、容易に、且つ、より確実に防止することができる。
【0120】
また、本実施形態では、第2位置決め部224は、載置面222上で前記軸方向から見てコイル挿入位置P1と重ならない位置に、コイル挿入部206を位置決めする。
【0121】
これにより、コイル挿入位置P1でステータコア91のスロット95内にコイル92が挿入されている間に、他のコイル挿入部206にウェッジ94を供給することができる。したがって、ステータコア91にコイル92を挿入する作業時間を短縮することができ、作業効率を向上することができる。よって、ステータの生産性を向上可能なコイル挿入装置201を提供することができる。
【0122】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0123】
前記各実施形態では、コイル挿入装置1、101、201において、搬送台31の下方に位置するコイル挿入部6、106、206に向かって、搬送台31が移動することにより、ステータコア91のスロット95内にコイル92及びウェッジ94が挿入される。しかしながら、コイル挿入装置は、搬送台が上方に位置するコイル挿入部に向かって移動することにより、ステータコアのスロット内にコイル及びウェッジが挿入される構成であってもよい。
【0124】
前記各実施形態では、コイル挿入部6、106、206に向かってステータコア91が移動する。しかしながら、ステータコアに向かってコイル挿入部が移動する構成であってもよい。
【0125】
前記各実施形態では、搬送台31は、搬送台31を厚み方向から見て、一方向に長い矩形状である。また、複数の載置部33は、搬送台31上に前記一方向に並んで位置している。しかしながら、搬送台は、前記厚み方向から見て、他の形状であってもよい。例えば、搬送台は、前記厚み方向から見て、正方形状、円形状または放射状であってもよい。この場合、複数の載置部は、前記厚み方向から見て、搬送台上に複数列または円形に並んで位置してもよい。
【0126】
前記各実施形態では、駆動部43は、搬送台31を一方向に移動させることにより、複数の載置部33の一つをコイル挿入位置P1に位置付ける。しかしながら、支持部が、コイル挿入位置に近い位置で搬送台を支持して、駆動部が、複数の載置部の一つをコイル挿入位置に位置付ける構成であれば、駆動部が搬送台を移動させる方向は、前記一方向以外であってもよい。例えば、駆動部は、複数の載置部の一つを、コイル挿入位置の近くに回転搬送する構成であってもよい。
【0127】
前記各実施形態では、コイル挿入装置1、101、201は、ステータコア供給部5を有する。しかしながら、コイル挿入装置は、ステータコア供給部を有さなくてもよい。載置部には、他の方法によってステータコアが供給されてもよい。例えば、載置部には、ステータコアを製造するステータコア製造装置からステータコアが供給されてもよい。
【0128】
前記各実施形態では、コイル挿入装置1、101、201のコイル挿入部6、106、206は、ウェッジ保持部62、162、262を有し、ウェッジ保持部62、162、262がウェッジ94を保持した状態で、ステータコア91に対して軸方向に移動する。しかしながら、コイル挿入部は、ウェッジ保持部を有さなくてもよい。この場合、コイル挿入装置は、コイル挿入部とは別に、保持しているウェッジを直接ステータコアに供給するウェッジ供給部を有してもよい。例えば、コイル挿入装置は、コイル挿入位置の下方にウェッジ供給部を有し、前記ウェッジ供給部が、コイル挿入位置に搬送されたステータコアに、直接、ウェッジを供給してもよい。
【0129】
前記実施形態3では、位置決め台221は、ステータコア搬送部3の搬送台31が移動する方向に対して交差する方向に延びている。しかしながら、位置決め台は、ステータコア搬送部3の搬送台31が移動する方向に延びていてもよい。なお、位置決め台221が、前記交差する方向に延びていることにより、位置決め台を厚み方向から見て、位置決め台の一部は、搬送台と重ならない。よって、コイル挿入位置P1でコイル挿入部がステータコアのスロット95内にコイルを挿入している間に、次のコイル挿入部を容易に準備することができる。
【0130】
前記実施形態3では、ウェッジ供給部208は、第2位置決め部224の下方に位置する。しかしながら、ウェッジ供給部は、第1位置決め部の下方に位置してもよい。ウェッジ供給部は、第1位置決め部及び第2位置決め部の両方の下方に位置してもよい。ウェッジ供給部は、第2位置決め部の下方以外の位置に位置していてもよい。
【0131】
前記実施形態3では、コイル挿入搬送部207は、コイル挿入部206をコイル挿入位置P1に回転搬送する。しかしながら、コイル挿入搬送部は、ステータコア搬送部と同様、コイル挿入部を一方向に移動させて、コイル挿入位置に搬送する構成であってもよい。
【0132】
(構成例)
なお、本技術は以下のような構成をとることも可能である。
【0133】
(1)コイル挿入装置は、ステータコアの複数のスロット内にコイルを挿入するコイル挿入装置である。コイル挿入装置は、装置本体部と、前記装置本体部に支持され、複数の前記ステータコアを、該ステータコアの複数のスロット内にコイルが挿入されるコイル挿入位置に搬送するステータコア搬送部と、前記コイル挿入位置に搬送された前記ステータコアに対して、前記ステータコアの軸方向の一側から他側に向かってコイルを移動させることにより、前記コイルを前記ステータコアの前記複数のスロット内に挿入するコイル挿入部と、を有する。前記ステータコア搬送部は、前記ステータコアがそれぞれ載置される複数の載置部を有する搬送台と、前記搬送台を前記装置本体部に対して移動可能に支持する支持部と、前記搬送台を前記支持部に対して移動させることにより、前記複数の載置部の一つを前記コイル挿入位置に位置付けるとともに、残りの載置部を待機位置に位置付ける駆動部と、を有する。前記支持部は、前記待機位置よりも前記コイル挿入位置に近い位置で、前記搬送台を支持している。
【0134】
(2)(1)に記載のコイル挿入装置において、前記複数の載置部は、前記搬送台上に一方向に並んで位置する。前記駆動部は、前記搬送台を前記複数の載置部の並び方向に移動させる。
【0135】
(3)(1)または(2)に記載のコイル挿入装置において、前記待機位置に位置付けられている載置部にステータコアを供給するステータコア供給部を、さらに有する。
【0136】
(4)(1)から(3)のいずれか一つに記載のコイル挿入装置において、前記コイル挿入部は、前記コイル及びウェッジを保持した状態で、前記コイル挿入位置に位置付けられたステータコアに対して軸方向に移動することにより、前記コイル及び前記ウェッジを前記ステータコアの複数のスロット内に挿入する。
【0137】
(5)(1)から(4)のいずれか一つに記載のコイル挿入装置において、前記支持部は、前記搬送台を厚み方向から見て、前記コイル挿入位置に位置付けられた前記載置部よりも外周側に所定の間隔で位置する複数の柱状部材を含む。前記柱状部材は、一方の端部が前記装置本体部に接続され、他方の端部が前記搬送台に接続されている。
【0138】
(6)(1)から(5)のいずれか一つに記載のコイル挿入装置において、前記コイル挿入部は、前記搬送台に対して前記載置部が位置する面とは反対側に位置する。前記搬送台は、前記載置部が位置する面とは反対側の面に、前記載置部上の前記ステータコアに対して前記コイル挿入部の位置を決めるためのコイル挿入位置決め部を有する。
【0139】
(7)(1)から(6)のいずれか一つに記載のコイル挿入装置において、前記コイル挿入部は、前記搬送台に対して前記載置部が位置する面とは反対側に位置する。前記ステータコア搬送部は、前記コイル挿入位置に位置付けられた前記載置部に対して、前記載置部に載置されたステータコアにおけるコイルの挿入側とは反対側に、前記ステータコアの前記反対側に位置する端面を押さえるステータコア押さえ部を有する。
【0140】
(8)(1)から(7)のいずれか一つに記載のコイル挿入装置において、前記コイル挿入部を搬送するコイル挿入搬送部をさらに有する。前記装置本体部は、前記コイル挿入部を載置可能な載置面を有する位置決め台を有する。前記位置決め台は、前記載置面上で前記軸方向から見て前記コイル挿入位置と重なる位置に、前記コイル挿入部を位置決めする第1位置決め部を有する。前記コイル挿入搬送部は、前記コイル挿入部によって前記ステータコアの複数のスロット内に前記コイルを挿入する際に、前記コイル挿入部を、前記載置面上で前記第1位置決め部によって位置決めされる位置に搬送する。
【0141】
(9)(8)に記載のコイル挿入装置において、前記コイル挿入部にウェッジを供給するウェッジ供給部をさらに有する。前記コイル挿入部は、前記コイルを保持するコイル保持部と、前記コイル保持部よりも前記軸方向の一方に位置し、前記ウェッジを保持するウェッジ保持部と、を有する。前記ウェッジ保持部は、前記ウェッジが挿入される挿入孔を有する。前記ウェッジ供給部は、前記位置決め台の下方に位置する。前記位置決め台は、前記ウェッジ供給部から供給される前記ウェッジが通過可能な貫通孔と、前記載置面上で、且つ、前記位置決め台を前記軸方向から見て前記ウェッジ保持部の前記挿入孔が前記貫通孔と重なる位置に、前記コイル挿入部を位置決めする第2位置決め部と、を有する。前記コイル挿入搬送部は、前記ウェッジ供給部によって前記コイル挿入部に前記ウェッジを供給する際に、前記コイル挿入部を、前記載置面上で前記第2位置決め部によって位置決めされる位置に搬送する。
【0142】
(10)(9)に記載のコイル挿入装置において、前記第2位置決め部は、前記載置面上で前記軸方向から見て前記コイル挿入位置と重ならない位置に、前記コイル挿入部を位置決めする。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、ステータコアにコイルを挿入するコイル挿入装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0144】
1、101、201 コイル挿入装置
2、102、202 装置本体部
3 ステータコア搬送部
5 ステータコア供給部
6、106、206 コイル挿入部
31 搬送台
32 搬送台本体
32a 貫通孔
33、33A、33B 載置部
33a 貫通孔
35 コイル挿入位置決め部
41、45 支持部
42 ステータコア押さえ部
42a 貫通孔
43 駆動部
44 柱状部材
61 コイル保持部
62、162、262 ウェッジ保持部
91 ステータコア
91a、91b 端面
92 コイル
94 ウェッジ
95 スロット
95a 開口
107、207 コイル挿入搬送部
107a、207a 貫通孔
121、221 位置決め台
122、222 載置面
123、223 第1位置決め部
163、263 被位置決め部
208 ウェッジ供給部
221a 貫通孔
224 第2位置決め部
264 挿入孔
271 コイル搬送本体
272 回転軸
P1 コイル挿入位置
P2 待機位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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