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  • 特開-排尿記録装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065334
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】排尿記録装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20240508BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174150
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】504177284
【氏名又は名称】国立大学法人滋賀医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】522425921
【氏名又は名称】イシダメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100186761
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 勇太
(72)【発明者】
【氏名】河内 明宏
(72)【発明者】
【氏名】中谷 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光平
(72)【発明者】
【氏名】澤田 征人
(72)【発明者】
【氏名】川村 政貴
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】入力漏れが発生した場合に、患者が表示部に排尿量が表示されないという異常状態に気付くことにより、正しい情報入力作業を行うことができる排尿記録装置を提供すること。
【解決手段】排尿記録装置によれば、採尿済容器WCが計量皿WPに載置され、かつ、容器釦P2と違和感釦P1の操作後にバーコードがバーコードリーダ3によって読み込まれると、排尿量演算手段F2が排尿済容器の重量から選択した排尿容器重量値を減算して排尿量を算出し、表示制御手段C2が表示部P3の表示をバー表示から排尿量値の表示に変更し、排尿データが記録メモリに記録される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IDデータを入力するID入力手段と、
計量皿に載置される排尿容器の重量に基づき排尿量を取得する計量手段と、
排尿時刻を特定する刻時手段と、
前記排尿量を表示する表示手段と、
前記IDデータ、前記排尿量及び前記排尿時刻を記録する記録手段と、
前記IDデータ入力前に前記表示手段に対する排尿量を非表示とし、前記IDデータ入力時に前記表示手段に排尿量を表示させる表示制御手段と、を備える
排尿記録装置。
【請求項2】
前記計量手段は、演算手段により前記排尿容器の重量より容器重量を除いた排尿量を取得する、請求項1に記載の排尿記録装置。
【請求項3】
前記演算手段は、重量値より体積値に変換する機能を有する、請求項2に記載の排尿記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排尿データが確実に入力されたことを視覚的に確認できるようにした排尿記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
泌尿器障害を持つ患者は、排尿の状態を把握するために、排尿日誌の作成を求められることがある。排尿日誌を記録する患者は、排尿の度に測定した排尿量と排尿時刻と排尿感等の排尿情報を漏れなく記録しなければならないが、排尿情報の記録漏れが発生し易く、排尿情報が欠落すると、排尿状態(症状)を正確に把握できず医師の診断に支障を来す。
【0003】
そこで、病院等の入院施設では、面倒な排尿日誌記録作業を軽減すると共に排尿情報を漏れなく記録できるように排尿記録装置を採用することがある。この排尿記録装置は、例えば下記特許文献1に示す様に、患者識別と計量と刻時と排尿感等の入力と記録の機能を併せ持った装置である。この排尿記録装置が正しく利用された場合、患者毎の排尿日誌が確実に記録できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-97794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示すような排尿記録装置を使用しても、患者の操作ミス等により患者情報の入力漏れが発生し、患者を特定できない排尿情報が記録される事態が頻発した。そこで、本発明では、排尿情報が正しく入力されるまで排尿量表示部に排尿量を表示しないようにして患者に注意喚起をする排尿記録装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、ID入力手段と排尿量を取得する計量手段と刻時手段と排尿量を表示する表示手段と記録手段と、IDデータ入力前に表示手段に対する排尿量を非表示とし、IDデータ入力時に表示手段に排尿量を表示させる表示制御手段と、を備える排尿記録装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入力漏れが発生した場合に、患者が表示部に排尿量が表示されないという異常状態に気付くことにより、正しい情報入力作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る排尿日誌記録システムの全体構成と排尿記録装置の機能を示すブロック図である。
図2図2は、排尿記録装置の前半の動作を示すフローチャート図である。
図3図3は、本実施形態に係る排尿記録装置の後半の動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、複数の入院患者を収容する病室のトイレに設置された排尿記録装置を利用して複数の患者の排尿データを識別記録し、その排尿データをナースカーに載せた排尿日誌作成装置(コンピュータ)2に近距離無線転送して入院患者別の排尿日誌を作成する排尿日誌記録システムに本発明を採用する場合の実施例を示すものである。排尿データは、例えば、病室を巡回するタイミングで、看護師が排尿日誌作成装置から排尿記録装置にアクセスして得られる。排尿日誌に必要な入院患者毎の排尿データは、排尿日誌作成装置2内に蓄積記録される。
【0010】
図1に示す様に、排尿日誌記録システムは、排尿データを記録する排尿記録装置1と、排尿記録装置1から送信される排尿データを入力し排尿日誌を作成する排尿日誌作成装置2と、排尿記録装置1にプラグ接続されるバーコードリーダ3と、排尿記録装置1とバーコードリーダ3に電力を供給するために排尿記録装置1にプラグ接続可能なACアダプター4より成る。尚、バーコードリーダ3は、入院患者が腕に巻く患者バーコードを読み取って複数の入院患者を識別するために利用するものである。通院患者が自宅で使用する場合等、バーコードリーダ3を必要としない場合には、バーコードリーダ3は使用する必要がなく、その場合排尿記録装置1は電池駆動も可能に構成されている。
【0011】
排尿記録装置1は、筐体上部に計量皿WPを設けており、筐体前面に操作・表示部DPを備えている。
【0012】
操作・表示部DPには採尿容器(以下「容器」と略称する。)を選択するための容器釦P2と、排尿時の違和感を選択する違和感釦P1の2つが操作手段として設けられており、容器釦P2を短く押圧操作するとその度に「(採尿」カップ」と「紙オムツ」と「その他(の容器)」の3種類の選択状態が変更され、選択した容器に対応する3種類の文字上部にある3個のLED素子P5~P7が点灯するように構成されている。尚、初期状態で使用頻度が高いカップの位置を示すLED素子P5が点灯しており、採尿にカップを使用する限り、容器釦P2を操作する必要はなくなっている。
【0013】
違和感釦P1も、初期状態で違和感釦P1の上部のLED素子P4は消灯状態で「違和感なし」を選択しており、違和感釦P1が押圧されると対応するP4が点灯して「違和感あり」を選択することができる。この違和感釦P1は、押圧される度に「違和感なし」と「違和感あり」の状態を交互に選択することができる。
【0014】
操作・表示部DPの4桁の7セグメントLED(以下「表示部」という)P3は、計量皿WPに載置される容器重量値又は演算で求めた容器内の排尿量を数値表示するものであるが、表示制御によりバー表示の表示も可能にしている。
【0015】
計量皿WPには、計量のためのロードセルLCが配設されており、例えば計量皿WP上に載置される採尿済容器WC等の荷重物の重量値に応じた歪が齎す抵抗値変化を電圧値として出力している。
【0016】
排尿記録装置1の筐体の中の回路基板は、図1に一点鎖線の枠で囲んだ、AD変換回路AD、警報音ドライバWD、圧電サウンダVT、表示ドライバDD、時計回路CK、通信回路CCに加えて、破線で囲んだマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略称する)MCと、記録メモリRMを備えている。
【0017】
AD変換回路ADは、ロードセルLCが発する電圧値をAD変換しAD変換データをマイコンMCに出力している。警報音ドライバWDは、マイコンMCに制御され圧電サウンダVTを駆動している。圧電サウンダVTは、圧電素子を振動させて警報音を発する。表示ドライバDDは、マイコンMCに制御され操作・表示部PDの表示部P3に数値やバーを表示させる。時計回路CKは、日・時・分の現在時刻情報を発しており、マイコンMCの制御により記録メモリRMに排尿時刻を出力している。
【0018】
通信回路CCは、BlueTooth(登録商標)による近距離部線通信が可能でありマイコンMCの制御により排尿日誌作成装置2が病室内に侵入したとき看護師が無線通信機能を起動させて記録メモリRMの排尿データを排尿日誌作成装置2に送信している。ただし、この通信は、排尿記録装置と排尿日誌作成装置2の距離近くなり一定レベル以上の電波強度を検出した場合に、自動的に通信接続状態となり、データ転送が行えるようにしてもよい。
【0019】
また、記録メモリRMは、マイコンMCと接続される不揮発性メモリであり、ID読取直後にマイコンから入力されるIDデータと排尿量データと容器選択データと違和感データと排尿時刻データと時計回路CKから(排尿)時刻データをマイコンMCの制御により排尿データとして記録している。
【0020】
以下破線で囲んだマイコンMCの排尿記録機能ブロックについて説明する。この機能ブロックは、主として本発明の特徴となる排尿データの処理機能と排尿量の表示機能を示すものである。マイコンMC内には、種々の制御を司る制御手段C1と専ら操作・表示部DPの表示部P3の点灯状態を制御する表示制御手段C2が設けられている。制御手段C1については、操作・表示部DPの4個のLED素子の点灯状態を含む各種の制御を行っているが、その入力線や出力線については複雑となるため多くを図示省略している。
【0021】
マイコンMC内には、検知手段として荷重検知手段D1とID検知手段D2と容器釦検知手段D3と違和感釦検知手段D4が設けられている。荷重検知手段D1はAD変換出力を入力することにより計量皿WP上に荷重が課されたことを検知しその出力をタイマー手段F3と制御手段C1に出力(報知)している。ID検知手段D2はバーコードリーダ3の出力を入力することによりID読取が為されたことを検知してその出力をタイマー手段F3と制御手段C1出力(報知)している。容器釦検知手段D3は容器釦P2が短期操作(押圧)されたことを検知してその出力を容器バッファメモリM5と制御手段C1に出力(報知)している。違和感釦検知手段D4は違和感釦P1が操作(押圧)されたことを検知してその出力を違和感バッファメモリM6と制御手段C1に出力(報知)している。
【0022】
マイコンMC内には、メモリとして容器重量メモリM1と重量バッファメモリM2と排尿量バッファメモリM3とIDバッファメモリM4と容器バッファメモリM5と違和感バッファメモリM6が設けられている。
【0023】
容器重量メモリM1は、不揮発性メモリであり排尿量測定段階で入院患者毎が選択した容器に対応する容器重量値を排尿量演算手段F2に出力する。例えば、排尿量測定前の準備段階にて制御手段C1が発するタイミングで、重量バッファメモリM2とIDバッファメモリM4と容器バッファメモリM5から容器重量値データと患者IDデータと容器選択データを入力して入院患者毎に容器毎の重量値を予め記録している。
【0024】
重量バッファメモリM2は、AD変換データを重量換算する重量換算手段F1が発する重量値データを一時記録して排尿量演算手段F2と容器重量メモリM1と表示変換手段F4に出力している。
【0025】
排尿量バッファメモリM3は、排尿量演算された排尿量値を一時記録して記録メモリRMと表示変換手段F4に出力している。IDバッファメモリM4は、バーコードリーダ3より得られるIDデータを一時記録して記録メモリRMと容器重量メモリM1に出力している。容器バッファメモリM5は、容器釦P2の短期操作により選択された容器の種類を一時記録して記録メモリRMと容器重量メモリM1に容器選択状態を出力している。違和感バッファメモリM6は、入院患者の違和感釦P1の操作により選択された違和感の有無を一時記録して記録メモリRMに違和感選択状態を出力している。
【0026】
マイコンMC内には、データ処理手段として重量換算手段F1と排尿量演算手段F2とタイマー手段F3と表示変換手段F4が設けられている。
【0027】
重量換算手段F1は、AD変換データを重量値に換算して重量値データを重量バッファメモリM2に出力している。
【0028】
排尿量演算手段F2は、排尿量測定段階で重量バッファメモリM2から読み出された重量値データから、容器重量メモリM1より読み出した容器重量値データを減算して排尿量を算出し、排尿量バッファメモリM3に出力している。尚、排尿量演算手段F2は、減算値の単位がグラムであることから、尿比重を1.02と見做しており、排尿量をグラムからミリリットルに変換している。
【0029】
タイマー手段F3は、荷重検知からID検知までの期間が所定時間T1以上経過したとき入院患者に入力操作を促す第1の警報と、ID検知から荷重検知が解除されるまでの期間が所定時間T2以上経過したとき入院患者に計量皿WPから容器の載置解除をするよう促すための第2の警報を発するため、その出力を制御手段C1に出力(報知)している。
【0030】
以下、図2図3のフローチャートに沿って、本実施形態における排尿記録装置1の操作手順について、図1のブロック図の機能ブロックとの対応関係も含めて説明する。
【0031】
まず、本実施形態のフローチャートは、8個のモードで構成されており、第2図に図示する省電力状態で荷重検知待ちの待機モードと、荷重検知後に起動状態となり荷重状態を報知するバー表示モードと、バー表示後の入力操作に備えるセンシングモードと、容器釦P2や違和感釦P1の操作に伴う選択モードと、ID読取操作に続く排尿量表示や容器重量表示の演算表示モードと、演算表示モードに続く記録モードとに加えて、第3図に図示する記録後の容器の載置解除忘れを防ぐ警報モードと、容器の載置解除後の終了モードより成る。
【0032】
まず、排尿記録装置1の電源(図示省略)が付勢されると待機モードとなり、この待機モードでは、荷重検知判定S1を実行して荷重検知待機状態となり、荷重が検知されると制御手段C1が働き、排尿記録装置1が電源の休止状態(省電力待機状態)から起動状態化S2される。起動状態化S2されると、操作・表示部DPに7セグメントを利用したバー表示S3が実行される。このバー表示は、表示制御手段C2がバー表示出力を表示ドライバDDに入力することにより、表示部P3の7セグメントLEDの中央の-LED素子を点灯させることにより実現される。
【0033】
バー表示S3後では、ID検知判定S4と容器釦操作判定S5と違和感釦操作判定S6と放置状態判定S7と無荷重判定S8がサイクリックに機能し、センシングモードを形成する。センシングモードは、放置状態判定S7により荷重検知からT1期間経過後(S7:YES)に第1の警報発生S11が実行される。この第1の警報発生S11は荷重検知からT1期間経過後にタイマー手段F3が発生する出力により制御手段C1が警報音ドライバWDを起動させ圧電サウンダVTを作動させることにより実行される。
【0034】
このセンシングモードは、無荷重判定S8により、計量皿WPから容器が外されたことを荷重検知手段D1が検知する(S8:YES)と、記録操作を中止して終了モードに移行する。このセンシングモードで、容器釦操作判定S5により、容器釦P2が操作(押圧)されたことが検出される(S5:YES)と、容器釦検知手段D3の出力が制御手段C1に入力され、制御手段C1内で釦操作の期間について短期操作判定S9が為される。
【0035】
短期操作判定S9の結果、操作が長押しと判定される(S9:NO)とID検知判定S10が実行されてID読取り待機状態となる。ここで、容器釦P2が例えば10秒以上押圧されるとき、容器釦P2が長押しされたと判定される。換言すると、容器釦P2が例えば10秒未満押圧されるとき、容器釦P2が短期間押しされた(短期操作された)と判定される。
【0036】
その後、バーコードリーダ3によるIDデータの読取が、ID検知手段D2により検知される(S10:YES)と、第1の警報が発生している場合は、第1の警報解除S12が実行され、制御手段C1が警報音ドライバWDを電源消勢して圧電サウンダVTの作動を停止させ、演算表示モードに移行する。
【0037】
短期操作判定S9の結果、操作が短期間押しと判定される(S9:YES)と、選択モードに移行し、容器選択S17が実行される。容器選択S17では釦操作の度に操作・表示部DPの3個のLED素子P5~P7の点灯位置がシフトし、容器バッファメモリM5に選択された容器選択データが一時記録され、再びセンシングモードに移行する。
【0038】
また、センシングモードで、違和感釦操作判定S6により、違和感釦P1が操作(押圧)されたことが検出される(S6:YES)と、選択モードに移行し、違和感選択S18が実行される。この違和感選択状態では釦操作の度にLED素子P4が点灯と消灯を繰り返し、違和感バッファメモリM6に選択された違和感データが一時記録され、再びセンシングモードに移行する。
【0039】
このセンシングモードで、ID検知判定S4においてID検知手段D2によるID検知が実行される(S4:YES)と、第1の警報が発生している場合は、第1の警報解除S13が実行され、演算表示モードに移行する。容器釦P2の長押し操作に依らない排尿量測定の演算表示モードでは、排尿量演算S14が実行された後、排尿量表示S15が実行される。
【0040】
この排尿量演算S14では、制御手段C1が、入院患者のIDデータと入院患者が選択した容器選択データに対応する容器重量値データを容器重量メモリM1より読み出し、排尿量演算手段F2において、重量バッファメモリM2から読み出した重量値データから容器重量値データを減算することにより、排尿量を求め排尿量データとして排尿量バッファメモリM3に記録することにより実行される。
【0041】
排尿量表示S15に際しては、制御手段C1により排尿量バッファメモリM3から読み出した排尿量データを表示変換手段F4により7セグメント表示データに変換して表示制御手段C2に出力しており、表示制御手段C2がバー表示出力に代えて7セグメント表示データを表示ドライバDDに入力することにより、操作・表示部DPにバー表示に代えて排尿量表示を行う。排尿量表示S15が実行された後は、記録モードに移行する。
【0042】
容器釦P2の長押し操作に依る定容器重量測定の演算表示モードでは、容器重量表示S16が実行される。容器重量表示S16では、制御手段C1の制御により排尿量バッファメモリM3から容器重値データを読出して表示変換手段F4に入力し、表示変換手段F4が容器重量値データを7セグメントデータに変換して表示制御手段C2に入力することにより、前述する排尿量表示と同様のプロセスを経て表示部P3に容器重量値の7セグメント表示が実行される。容器重量表示S16が実行された後は、記録モードに移行する。排尿量表示後の記録モードでは、排尿データ記録S19が実行され警報モードへと移行する。
【0043】
排尿データ記録S19では、制御手段C1の制御により、排尿量バッファメモリM3とIDバッファメモリM4と容器バッファメモリM5と違和感バッファメモリM6と時計回路CKより、排尿量データとIDデータと容器選択データと違和感データと排尿時刻データを読み出し排尿データとして記録メモリRMに記録している。
【0044】
容器重量表示後の記録モードでは、容器重量記録S20が実行され警報モードへと移行する。容器重量記録S20では、制御手段C1制御により、重量バッファメモリM2とIDバッファメモリM4と容器バッファメモリM5より容器重量値データとIDデータと容器選択データを読出し、容器重量メモリM1に記録している。尚、記録される容器重量値は、容器釦P2の長押し前の容器選択状態に対応する容器の重量値であり、長押し前に計量皿WP上の容器と容器選択状態が一致しない場合、容器釦P2を短期操作して容器選択状態を変更する必要がある。
【0045】
図3に示す警報モードでは、無荷重判定S21と放置状態判定S22がサイクリックに実行される。警報モードでは、放置状態判定S22により荷重を検知している状態でID検知からT2期間経過後に第2の警報発生S23が実行される。この第2の警報発生S23では、ID検知手段D2と荷重検知手段D1の検知出力を入力するタイマー手段F3が、荷重検知のままID検知からT2期間経過後にタイマー手段F3が発生する出力により、制御手段C1が警報音ドライバWDを起動させると共に、圧電サウンダVTを作動させる。警報モードで、無荷重判定S21により荷重検知手段D1が無荷重を検知すると、第2の警報が発生している場合は、第2の警報解除S24が実行され、制御手段C1が警報音ドライバWDを電源消勢して圧電サウンダの作動を停止させて終了モードに移行する。
【0046】
終了モードでは初期化S25が実行され、制御手段C1により重量バッファメモリM2と排尿量バッファメモリM3とIDバッファメモリM4の一時記録はリセットされ、容器バッファメモリM5と違和感バッファメモリM6は初期状態にリセットされる。
【0047】
続いて、排尿記録装置1の休止状態化S26が実行された後、スタート地点の待機モードに戻る。このようにして、排尿記録装置の電源(図示省略)が消勢されるまで排尿データの記録が繰り返される。
【0048】
容器重量値の記録に関して前述する本実施形態では、採尿カップと紙オムツとその他の容器の3種類の採尿容器を選択するようにしているが、その他の採尿容器としてはユーリパンや採尿瓶や折畳採尿容器等種類や重さの異なる容器を想定している。
【0049】
また、容器重量値の記録に関して本実施形態では、容器メモリに、IDデータ毎・採尿容器種類毎の容器重量値を事前記録しているが、病院で試用する3種類の容器が共通の場合は、IDデータとの対応付けは必要なく、それぞれの容器重量値を容器種別と対応させて記録するだけでよい。
【0050】
共通容器重量値を記録する場合の操作は、別途用意した患者を特定しない共通のIDデータを用いて1回だけ共通容器重量値を容器重量メモリM1に記録することにより実現可能である。この場合、どの患者が容器種別を選択してIDデータを入力しても、容器重量メモリM1が選択した容器に対応する共通容器重量値を読出し、排尿量演算手段F2が正しい排尿量を演算することができる。
【0051】
警報に関して本実施形態では、バーコードリーダを読取る前に計量皿WLから採尿済容器WCの載置を解除した場合に、排尿データが記録されなかったことを報知する警報手段を追加してもよい。警報に関して本実施形態では、正しく排尿データが記録される場合にはじめて排尿量を表示して告知するようにしているが、この視覚的な表示変更に加えてチャイム音等を発生する告知手段を追加してもよい。更に、警報に関して本実施形態では、振動音による警報を行っているが、音声合成や点滅発光素手段による光学的な警報を採用してもよい。
【0052】
図1に示す本実施形態において、請求項1に記載する発明の「ID入力手段」は少なくともバーコードリーダ3を含み、「計量手段」は、少なくともロードセルLCとAD変換回路と重量換算手段F1を含み、「刻時手段」は少なくとも時計回路KCを含み、「表示手段」は少なくとも表示部P3を含み、「記録手段」は記録メモリMRを含み、「表示制御手段」は表示制御手段C2を含む。
【0053】
また、請求項1に記載する発明の「排尿量」は、計量皿に載置することにより表示手段に表示される数値であればよく、排尿容器重量を含んだ重量であっても、排尿容器重量を除いた正味の排尿重量であっても、重量を体積に換算した排尿体積であってもよく、排尿容器重量を含んだ重量値を記録手段にする場合、記録手段から読み出した重量値から排尿容器重量を減算する処理をすれば正確な排尿日誌を作成できる。
【0054】
また、請求項1に記載する「排尿時刻」とは、排尿期間中の厳密な時刻に限らず、排尿開始から排尿データを入力するまでの長い期間中のおおよその時刻やその他の排尿推定時刻を指すものである。
【符号の説明】
【0055】
1…排尿記録装置、3…バーコードリーダ(ID入力手段)、LC…ロードセル(計量手段)、AD…AD変換回路(計量手段)、F1…重量換算手段(計量手段)、CK…時計回路(刻時手段)、P3…表示部(表示手段)、MR…記録メモリ(記録手段)、C2…表示制御手段、WP…計量皿、WC…採尿済容器。
図1
図2
図3