IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特開2024-65341回路装置及びリアルタイムクロック装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065341
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】回路装置及びリアルタイムクロック装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20240508BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240508BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20240508BHJP
   H03L 3/00 20060101ALN20240508BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/00 B
G06F1/26 303
H03L3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174163
(22)【出願日】2022-10-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】神山 正之
【テーマコード(参考)】
5B011
5G015
5G503
5J106
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011DA11
5B011DA13
5B011EA00
5B011JB10
5G015GB06
5G015JA05
5G015JA07
5G015JA55
5G015JA60
5G503AA08
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB03
5G503DA04
5J106AA01
5J106DD08
5J106EE03
5J106EE17
5J106GG16
5J106HH08
5J106KK34
(57)【要約】
【課題】不安定なエナジーハーベスト電源を用いる場合において適切な電源切り替え制御が可能な回路装置等を提供すること。
【解決手段】回路装置100は、バッテリー電源端子TVBATと、エナジーハーベスト電源端子TVDD2と、蓄電電源端子TVDDと、電源スイッチ回路110と、電源スイッチ回路110を制御する制御回路120と、を含む。電源スイッチ回路110は、第1状態では、エナジーハーベスト電源電圧VDD2をバッテリー電源端子TVBATに供給することでバッテリー70を充電しながら、蓄電電源電圧VDDを供給ノードNVOUTに出力する。電源スイッチ回路110は、第2状態では、エナジーハーベスト電源電圧VDD2を蓄電電源端子TVDDに供給することで蓄電用キャパシター50を充電しながら、蓄電電源電圧VDD及びエナジーハーベスト電源電圧VDD2を供給ノードNVOUTに出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーに接続されるバッテリー電源端子と、
エナジーハーベスト電源に接続されるエナジーハーベスト電源端子と、
蓄電用キャパシターに接続される蓄電電源端子と、
電源スイッチ回路と、
前記電源スイッチ回路を制御する制御回路と、
を含み、
前記電源スイッチ回路は、
第1状態では、前記エナジーハーベスト電源端子からのエナジーハーベスト電源電圧を前記バッテリー電源端子に供給することで前記バッテリーを充電しながら、前記蓄電電源端子からの蓄電電源電圧を供給ノードに出力し、
第2状態では、前記エナジーハーベスト電源電圧を前記蓄電電源端子に供給することで前記蓄電用キャパシターを充電しながら、前記蓄電電源電圧及び前記エナジーハーベスト電源電圧を前記供給ノードに出力することを特徴とする回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載された回路装置において、
前記電源スイッチ回路は、
スタートアップ期間において、前記エナジーハーベスト電源電圧を前記蓄電電源端子に供給することで前記蓄電用キャパシターを充電し、
前記スタートアップ期間の後に、前記第1状態と前記第2状態を繰り返すことを特徴とする回路装置。
【請求項3】
請求項1に記載された回路装置において、
前記電源スイッチ回路は、前記エナジーハーベスト電源電圧が非供給であるとき、前記バッテリー電源端子からのバッテリー電源電圧を前記供給ノードに出力することを特徴とする回路装置。
【請求項4】
請求項1に記載された回路装置において、
前記電源スイッチ回路は、前記バッテリー及び前記蓄電用キャパシターが満充電になったとき、前記エナジーハーベスト電源電圧を放電すると共に前記バッテリー電源端子及び前記蓄電電源端子に対して前記エナジーハーベスト電源電圧を非供給にすることを特徴とする回路装置。
【請求項5】
請求項4に記載された回路装置において、
前記電源スイッチ回路は、前記バッテリー及び前記蓄電用キャパシターが前記満充電になったとき、前記蓄電電源電圧を前記供給ノードに出力することを特徴とする回路装置。
【請求項6】
請求項1に記載された回路装置において、
前記供給ノードの電圧を回路装置の外部に出力する電源出力端子を含むことを特徴とする回路装置。
【請求項7】
請求項1に記載された回路装置において、
インターフェース回路と、
前記インターフェース回路を介して前記電源スイッチ回路の制御パラメーターを書き込み可能なメモリーと、
を含み、
前記制御回路は、前記メモリーに記憶された前記制御パラメーターに基づいて動作するシーケンサー又はコントローラーであることを特徴とする回路装置。
【請求項8】
請求項1に記載された回路装置において、
前記電源スイッチ回路は、
前記蓄電電源端子と前記供給ノードとの間に設けられる第1スイッチと、
前記バッテリー電源端子と前記供給ノードとの間に設けられる第2スイッチと、
前記バッテリー電源端子と前記エナジーハーベスト電源端子との間に設けられる第3スイッチと、
前記エナジーハーベスト電源端子と前記蓄電電源端子との間に設けられる第4スイッチと、
を含むことを特徴とする回路装置。
【請求項9】
請求項8に記載された回路装置において、
前記第1状態において、前記第1スイッチ及び前記第3スイッチがオンであり、前記第2スイッチ及び前記第4スイッチがオフであり、
前記第2状態において、前記第1スイッチ及び前記第4スイッチがオンであり、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフであることを特徴とする回路装置。
【請求項10】
請求項8に記載された回路装置において、
電源出力端子を含み、
前記電源スイッチ回路は、前記供給ノードと前記電源出力端子との間に設けられる第5スイッチを含むことを特徴とする回路装置。
【請求項11】
請求項10に記載された回路装置において、
第3状態において、前記第2スイッチ及び第5スイッチがオンであり、前記第3スイッチ及び前記第4スイッチがオフであり、前記電源スイッチ回路は、前記バッテリー電源電圧を前記供給ノード及び前記電源出力端子に出力することを特徴とする回路装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載された回路装置において、
前記制御回路は、発振回路の発振信号に基づいてリアルタイムクロック処理を行い、
前記制御回路の電源電圧は、前記供給ノードの電圧に基づいて供給されることを特徴とする回路装置。
【請求項13】
請求項12に記載された回路装置と、
前記発振回路に電気的に接続される振動子と、
を含むことを特徴とするリアルタイムクロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路装置及びリアルタイムクロック装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RTC回路と電源切替回路とを含むリアルタイムクロック装置が開示されている。電源切替回路には、メイン電源からの電源電圧と、二次電池等のバックアップ電源からの電源電圧とが供給される。電源切替回路は、メイン電源の電圧を監視する電源監視回路からの出力信号に基づいて、通常モードからスタンバイモードに切り替える。通常モードにおいて、電源切替回路は、メイン電源とバックアップ電源の間に設けられたスイッチ回路を間欠的にオンオフさせ、電源監視回路が電源監視を行う。スタンバイモードにおいて、電源切替回路は、スイッチ回路をオフする。これにより、メイン電源が遮断された場合のバックアップ電源からの無駄な電流の流入が低減され、速やかに電源切替が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-017965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
環境に存在するエネルギーから電力を得るエナジーハーベスト電源を回路の電源として利用する場合がある。エナジーハーベスト電源は不安定であることから、回路に対して安定な電源を供給するためには、適切な電源切り替え制御が求められる。特許文献1には、メイン電源と二次電池等のバックアップ電源との切り替え制御が開示されているが、エナジーハーベスト電源を含めた電源の切り替え制御については開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、バッテリーに接続されるバッテリー電源端子と、エナジーハーベスト電源に接続されるエナジーハーベスト電源端子と、蓄電用キャパシターに接続される蓄電電源端子と、電源スイッチ回路と、前記電源スイッチ回路を制御する制御回路と、を含み、前記電源スイッチ回路は、第1状態では、前記エナジーハーベスト電源端子からのエナジーハーベスト電源電圧を前記バッテリー電源端子に供給することで前記バッテリーを充電しながら、前記蓄電電源端子からの蓄電電源電圧を供給ノードに出力し、第2状態では、前記エナジーハーベスト電源電圧を前記蓄電電源端子に供給することで前記蓄電用キャパシターを充電しながら、前記蓄電電源電圧及び前記エナジーハーベスト電源電圧を前記供給ノードに出力する回路装置に関係する。
【0006】
また本開示の他の態様は、上記の回路装置と、前記発振回路に電気的に接続される振動子と、を含むリアルタイムクロック装置に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】回路装置、リアルタイムクロック装置、及び電子機器の構成例。
図2】電源スイッチ回路の詳細構成例。
図3】スイッチ制御回路の詳細構成例。
図4】初期状態におけるスイッチ状態。
図5】スタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態におけるスイッチ状態。
図6】EHノーマルモードのバッテリー充電状態におけるスイッチ状態。
図7】EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態におけるスイッチ状態。
図8】EHノーマルモードの満充電状態におけるスイッチ状態。
図9】EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態におけるスイッチ状態。
図10】ノーマルモードのVBOUT出力オフ状態におけるスイッチ状態。
図11】ノーマルモードのVBOUT出力オン状態におけるスイッチ状態。
図12】バックアップモードのVBOUT出力オフ状態におけるスイッチ状態。
図13】バックアップモードのVBOUT出力オン状態におけるスイッチ状態。
図14】電圧モニター状態におけるスイッチ状態。
図15】電圧波形の一例。
図16】状態遷移の例。
図17】遷移条件の例。
図18】遷移条件の例。
図19】初期状態に関する状態遷移の例。
図20】EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態に関する状態遷移の例。
図21】遷移条件の例。
図22】ノーマルモード及びバックアップモードに関する状態遷移の例。
図23】遷移条件の例。
図24】状態遷移の経過を示すタイミングチャート例。
図25】状態遷移の経過を示すタイミングチャート例。
図26】状態遷移の経過を示すタイミングチャート例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.構成例
図1は、本実施形態の回路装置、回路装置を含むリアルタイムクロック装置、及びリアルタイムクロック装置を含む電子機器の構成例である。ここでは、本実施形態の電源切り替え制御をリアルタイムクロック装置に適用した例を説明するが、電源切り替え制御の適用対象はリアルタイムクロック装置に限らず、エナジーハーベスト電源を利用可能な様々な装置であってよい。
【0010】
電子機器300は、リアルタイムクロック装置200と外部回路90と安定化キャパシター20とエナジーハーベスト電源60と蓄電用キャパシター50とバッテリー70とを含む。電子機器300は、エナジーハーベスト電源60を備えると共に、リアルタイムクロック装置200が出力する時刻情報を用いる様々な機器であってよい。電子機器300は、例えば、腕時計、ウェアラブルデバイス、電子計算機、屋外照明機器、防犯カメラ、定点カメラ、又は構造ヘルスモニターである。
【0011】
外部回路90は、回路装置100又はリアルタイムクロック装置200の外部に設けられた回路であって、リアルタイムクロック装置200が出力する電圧VBOUTを電源電圧として動作する。外部回路90は、例えば、無線通信を行うためのRFモジュール、システムの状態をモニターするセンサーデバイス、マイクロコンピューター又はCPU等のプロセッサー、或いは電子機器を制御するコントローラーである。
【0012】
安定化キャパシター20は、いわゆるバイパスコンデンサーであり、回路装置100の内部電源電圧である電圧VOUTを安定化する。
【0013】
エナジーハーベスト電源60は、その周囲の環境に存在するエネルギーから発電を行う電源である。エナジーハーベスト電源60は、外部環境に応じて電圧の供給状態が変化する電源、或いは、不定のタイミングで電圧供給する電源である。環境に存在するエネルギーは、例えば自然光、人工光、熱、温度差、又は振動である。エナジーハーベスト電源60の一例は、自然光又は人工光を電力に変換するソーラーセル、熱又は温度差を電力に変換する熱電対、振動を電力に変換する圧電素子である。
【0014】
蓄電用キャパシター50は、エナジーハーベスト電源60が出力する電源電圧であるエナジーハーベスト電源電圧VDD2を一時的に蓄電するためのキャパシターである。蓄電用キャパシター50に蓄電された電圧である蓄電電源電圧VDDは、メイン電源としてリアルタイムクロック装置200へ供給される。
【0015】
バッテリー70は、リアルタイムクロック装置200のバックアップ電源である。バッテリー70が出力する電圧であるバッテリー電源電圧VBATは、バックアップ電源としてリアルタイムクロック装置200へ供給される。バッテリー70は、繰り返し充放電可能な二次電池であり、例えばリチウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、又は鉛蓄電池である。或いは、バッテリー70は、バックアップ電源用途の電気二重層コンデンサ(EDLC)である。
【0016】
リアルタイムクロック装置200は、エナジーハーベスト電源60、蓄電用キャパシター50又はバッテリー70から電力供給を受けて動作し、現在時刻情報を生成する。リアルタイムクロック装置200は、メイン電源が非供給であっても、バックアップ電源から電力供給を受けて現在時刻情報の生成を継続する。
【0017】
リアルタイムクロック装置200は、回路装置100と振動子10とを含む。リアルタイムクロック装置200は、例えば、回路装置100と振動子10がパッケージに収容されることで構成されている。
【0018】
振動子10は、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子10は、水晶振動片等の振動片により実現できる。例えば振動子10は、音叉型水晶振動片である。或いは振動子10は、カット角がATカット又はSCカット等の厚みすべり振動する水晶振動片などにより実現できる。なお本実施形態の振動子10は、音叉型又は厚みすべり振動型以外の振動片、又は水晶以外の材料で形成された圧電振動片等の種々の振動片により実現できる。例えば、振動子10として、SAW共振子、又はシリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS振動子が採用されてもよい。SAWはSurface Acoustic Waveの略であり、MEMSはMicro Electro Mechanical Systemsの略である。
【0019】
回路装置100は、電源スイッチ回路110と制御回路120とメモリー130とインターフェース回路140と電圧検出回路150とレギュレーター160と発振回路170とパワーオンリセット回路PORDとを含む。またリアルタイムクロック装置200は、蓄電電源端子TVDDと、エナジーハーベスト電源端子TVDD2と、バッテリー電源端子TVBATと、電源出力端子TVBOUTと、端子TVOUT、TX1及びTX2とを含む。回路装置100は、例えば、複数の回路素子が半導体基板に集積された集積回路装置である。各端子は、例えば半導体基板に形成されたパッドである。
【0020】
蓄電電源端子TVDDは、蓄電用キャパシター50の一端に接続される。蓄電用キャパシター50の他端はグランドノードに接続される。エナジーハーベスト電源端子TVDD2は、エナジーハーベスト電源60の電源出力端子に接続される。バッテリー電源端子TVBATは、バッテリー70の正極端子に接続される。バッテリー70の負極端子はグランドノードに接続される。電源出力端子TVBOUTは外部回路90の電源ノードに接続される。端子TVOUTは、安定化キャパシター20の一端に接続される。安定化キャパシター20の他端はグランドノードに接続される。なお、本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続とは、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子又は能動素子等を介した接続であってもよい。
【0021】
電源スイッチ回路110は、制御回路120からのスイッチ制御信号SWCTに基づいて、蓄電用キャパシター50、エナジーハーベスト電源60、バッテリー70及び外部回路90の間の接続を切り替える。具体的には、電源スイッチ回路110は、蓄電電源電圧VDD、エナジーハーベスト電源電圧VDD2及びバッテリー電源電圧VBATのいずれかの電圧を、内部電源電圧である電圧VOUTとして出力する。また、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源電圧VDD2を蓄電用キャパシター50へ充電する状態と、充電しない状態とを切り替える。また、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源電圧VDD2をバッテリー70へ充電する状態と、充電しない状態とを切り替える。また、電源スイッチ回路110は、電圧VOUTを電圧VBOUTとして外部に出力する状態と、出力しない状態とを切り替える。例えば、電源スイッチ回路110は、バッテリー電源電圧VBATを電源スイッチ回路110を介して電圧VOUT経由で電圧VBOUTとして外部に出力する状態と、出力しない状態とを切り替える。
【0022】
レギュレーター160は、電圧VOUTを、ロジック回路用の電源電圧VLOGにレギュレートする。レギュレーター160は、例えば、演算増幅器と抵抗で構成されたリニアレギュレーター、或いはスイッチとキャパシターで構成されたスイッチングレギュレーターである。
【0023】
パワーオンリセット回路PORDは、電源電圧VLOGのノードに接続され、電源電圧VLOGに基づいて、制御回路120のパワーオンリセットを行うためのパワーオンリセット信号R_VOUTを出力する。具体的には、パワーオンリセット回路PORDは、電圧VOUTが供給されることで電源電圧VLOGが閾値を超えたとき、パワーオンリセット信号R_VOUTをリセットレベルからリセット解除レベルにする。
【0024】
発振回路170は、振動子10に接続され、振動子10を発振させることで発振信号を生成し、その発振信号に基づくクロック信号を制御回路120へ出力する。振動子10の一端は端子TX1に接続され、振動子10の他端は端子TX2に接続される。端子TX1は発振回路170の駆動ノードに接続され、端子TX2は発振回路170の入力ノードに接続される。発振回路170は、ピアース型、コルピッツ型、インバーター型又はハートレー型等の種々のタイプの発振回路であってよい。
【0025】
メモリー130は、制御回路120が実行する処理の内容を制御する制御パラメーター131を記憶する。また、メモリー130は、制御回路120が実行する処理の内容が記述された制御プログラムを記憶してもよいし、回路装置100の動作設定情報を記憶してもよいし、或いは制御回路120のワーキングメモリーとして機能してもよい。メモリー130は、RAM等の揮発性メモリー、及びEEPROM等の不揮発性メモリーの少なくとも一方を含む。RAMは、Random Access Memoryの略である。EEPROMは、Electrically Erasable and Programmable Read Only Memoryの略である。
【0026】
インターフェース回路140は、リアルタイムクロック装置200の外部の処理装置と回路装置100との間の通信を行う。処理装置は、インターフェース回路140を介して、例えば制御パラメーター131、制御プログラム又は動作設定情報をメモリー130に書き込む。制御パラメーター131が外部から書き込み可能であることで、制御回路120が行う処理がプログラマブルになっている。
【0027】
電圧検出回路150は、蓄電電源電圧VDDの電圧値、エナジーハーベスト電源電圧VDD2の電圧値、バッテリー電源電圧VBATの電圧値、及び電圧VOUTの電圧値を検出し、各電圧値のデータを検出結果VDETとして制御回路120へ出力する。電圧検出回路150は、例えば、蓄電電源電圧VDD、エナジーハーベスト電源電圧VDD2、バッテリー電源電圧VBAT、又は電圧VOUTを選択するセレクターと、セレクターが選択した電圧をA/D変換するA/D変換回路と、を含む。
【0028】
制御回路120は、ロジック回路用の電源電圧VLOGと、発振回路170からのクロック信号とにより動作するロジック回路である。制御回路120は、ステートマシン等を含むシーケンサー又はコントローラーであり、制御パラメーター131に基づいて様々な処理を実施する。制御パラメーター131は、シーケンサー又はコントローラーが行う処理の内容を制御するパラメーターである。制御回路120は、発振回路170からのクロック信号に基づいてリアルタイムクロック処理を行うことで、現在時刻情報を生成する。インターフェース回路140は、現在時刻情報を外部の処理装置等に出力する。また、制御回路120は、スイッチ制御信号SWCTを電源スイッチ回路110に出力することで、上述した電源スイッチ回路110における接続切り替えを制御する。具体的には、制御回路120は、電圧検出回路150からの各電圧値と様々な閾値とを比較し、その比較結果に基づいて電源スイッチ回路110の接続状態を決定し、その接続状態を指示するスイッチ制御信号SWCTを電源スイッチ回路110に出力する。
【0029】
なお、上記において制御回路120の機能が、シーケンサー又はコントローラー、及びそれらが行う処理の内容を制御する制御パラメーター131により実現されるとしたが、これに限定されない。例えば、制御回路120は、CPU、マイクロコンピューター又はDSP等のプロセッサーであってもよく、制御プログラムを実行することで様々な処理を実施してもよい。その場合、制御プログラムと共に制御パラメーター131がメモリー130に記憶され、プロセッサーが制御プログラム及び制御パラメーター131を用いて処理を実行することで、上述のシーケンサー又はコントローラーの機能を実現する。或いは、制御回路120は、その機能がハードウェアとして予め組み込まれたロジック回路であってもよい。また、上記において制御回路120が各電圧値のデータと閾値とを比較する構成としたが、これに限定されず、電圧検出回路150が、各電圧値と閾値とを比較するアナログコンパレーターであってもよい。その場合、アナログコンパレーターの比較結果が、検出結果VDETとして制御回路120へ出力される。
【0030】
図2は、電源スイッチ回路の詳細構成例であり、図3は、スイッチ制御回路の詳細構成例である。図2に示すように、電源スイッチ回路110は、スイッチ制御回路111と第1スイッチSWAと第2スイッチSWBと第3スイッチSWCと第4スイッチSWDと第5スイッチSWEとスイッチSWLと抵抗RLとを含む。また電源スイッチ回路110は、パワーオンリセット回路PORA、PORB及びPORCを含む。スイッチ制御回路111とスイッチ等との接続例については、図3に示す。以下、第1~第5スイッチの「第1~第5」を省略する。
【0031】
スイッチSWBは、スイッチSWBの一端と他端の間に直列接続されたスイッチSWBa及びSWBbを含む。スイッチSWCは、スイッチSWCの一端と他端の間に直列接続されたスイッチSWCa及びSWCbを含む。スイッチSWDは、スイッチSWDの一端と他端の間に直列接続されたスイッチSWDa及びSWDbを含む。
【0032】
スイッチSWAは、スイッチ素子としてのMOSトランジスターと、そのMOSトランジスターのソース-ドレイン間に寄生するボディーダイオードとを含む。但し、スイッチSWAの構成は、これに限定されない。スイッチSWAは、スイッチ素子と、そのスイッチ素子に並列接続されたダイオードとを含んでいればよい。スイッチ素子がオンであるとき、スイッチSWAの両端がスイッチ素子を介して双方向に接続される。スイッチ素子がオフであるとき、スイッチSWAは、ダイオードの順方向にのみ電流を流すことが可能である。スイッチSWAのオンは、スイッチSWAのスイッチ素子がオンであることを示すものとし、スイッチSWAのオフは、スイッチSWAのスイッチ素子がオフであることを示すものとする。スイッチSWBa、SWBb、SWCa、SWCb、SWDa、SWDb及びSWEについても、スイッチSWAと同様である。
【0033】
スイッチSWBのオンは、スイッチSWBa及びSWBbの両方がオンであることを示すものとし、スイッチSWBのオフは、スイッチSWBa及びSWBbの両方がオフであることを示すものとする。スイッチSWBがオンであるとき、スイッチSWBの両端が双方向に接続され、スイッチSWBがオフであるとき、スイッチSWBの両端が双方向に遮断される。スイッチSWCとスイッチSWDについても、スイッチSWBと同様である。
【0034】
スイッチSWAの一端は、蓄電用キャパシター50に接続された蓄電電源端子TVDDに接続され、他端は、電圧VOUTの供給ノードNVOUTに接続される。スイッチSWAのダイオードの順方向は、蓄電電源端子TVDDから供給ノードNVOUTへの方向である。
【0035】
スイッチSWBの一端は、バッテリー70に接続されたバッテリー電源端子TVBATに接続され、他端は、電圧VOUTの供給ノードNVOUTに接続される。スイッチSWBa及びSWBbのうちスイッチSWBaが、供給ノードNVOUT側に接続される。スイッチSWBaのダイオードの順方向は、バッテリー電源端子TVBATから供給ノードNVOUTへの方向である。スイッチSWBbのダイオードの順方向は、供給ノードNVOUTからバッテリー電源端子TVBATへの方向である。
【0036】
スイッチSWCの一端は、エナジーハーベスト電源60に接続されたエナジーハーベスト電源端子TVDD2に接続され、他端は、バッテリー70に接続されたバッテリー電源端子TVBATに接続される。スイッチSWCa及びSWCbのうちスイッチSWCaが、バッテリー電源端子TVBAT側に接続される。スイッチSWCaのダイオードの順方向は、エナジーハーベスト電源端子TVDD2からバッテリー電源端子TVBATへの方向である。スイッチSWCbのダイオードの順方向は、バッテリー電源端子TVBATからエナジーハーベスト電源端子TVDD2への方向である。
【0037】
スイッチSWDの一端は、エナジーハーベスト電源60に接続されたエナジーハーベスト電源端子TVDD2に接続され、他端は、蓄電用キャパシター50に接続された蓄電電源端子TVDDに接続される。スイッチSWDa及びSWDbのうちスイッチSWDaが、蓄電電源端子TVDD側に接続される。スイッチSWDaのダイオードの順方向は、エナジーハーベスト電源端子TVDD2から蓄電電源端子TVDDへの方向である。スイッチSWDbのダイオードの順方向は、蓄電電源端子TVDDからエナジーハーベスト電源端子TVDD2への方向である。
【0038】
スイッチSWEの一端は、供給ノードNVOUTに接続され、他端は、外部回路90が接続された電源出力端子TVBOUTに接続される。スイッチSWEのダイオードの順方向は、電源出力端子TVBOUTから供給ノードNVOUTへの方向である。
【0039】
抵抗RL及びスイッチSWLは、エナジーハーベスト電源60の放電回路である。抵抗RLの一端はエナジーハーベスト電源端子TVDD2に接続され、他端はスイッチSWLの一端に接続される。スイッチSWLの他端はグランドノードに接続される。スイッチSWLは、例えば、1又は複数のトランジスターで構成されたアナログスイッチである。
【0040】
パワーオンリセット回路PORAは、蓄電電源端子TVDDに接続され、蓄電電源電圧VDDに基づいてパワーオンリセット信号R_VDDを出力する。具体的には、パワーオンリセット回路PORAは、蓄電電源電圧VDDが上昇して閾値を超えたとき、パワーオンリセット信号R_VDDをリセットレベルからリセット解除レベルにする。
【0041】
パワーオンリセット回路PORBは、エナジーハーベスト電源端子TVDD2に接続され、エナジーハーベスト電源電圧VDD2に基づいてパワーオンリセット信号R_VDD2を出力する。具体的には、パワーオンリセット回路PORBは、エナジーハーベスト電源電圧VDD2が上昇して閾値を超えたとき、パワーオンリセット信号R_VDD2をリセットレベルからリセット解除レベルにする。
【0042】
パワーオンリセット回路PORCは、バッテリー電源端子TVBATに接続され、バッテリー電源電圧VBATに基づいてパワーオンリセット信号R_VBATを出力する。具体的には、パワーオンリセット回路PORCは、バッテリー電源電圧VBATが上昇して閾値を超えたとき、パワーオンリセット信号R_VBATをリセットレベルからリセット解除レベルにする。
【0043】
図3に示すように、制御回路120には、電圧検出の検出結果VDETと、パワーオンリセット信号R_VOUT、R_VDD、R_VDD2及びR_VBATとに基づいて、スイッチ制御信号SWCTを出力する。
【0044】
スイッチ制御回路111は、スイッチ制御信号SWCTと、パワーオンリセット信号R_VDD、R_VDD2及びR_VBATとに基づいて、信号CSA、CSBa、CSBb、CSCa、CACb、CSDa、CSDb、CSE及びCSLを出力する。信号CSAは、スイッチSWAをオン又はオフに制御する信号である。同様に、信号CSBa、CSBb、CSCa、CACb、CSDa、CSDb、CSE、CSLは、スイッチSWBa、SWBb、SWCa、SWCb、SWDa、SWDb、SWE、SWLをオン又はオフに制御する信号である。スイッチ制御回路111は、各スイッチを、スイッチ制御信号SWCTにより指示されるオン又はオフの状態に制御する。スイッチ制御回路111はロジック回路である。またスイッチ制御回路111は、信号レベルを電源電圧VLOGから各スイッチのゲート制御に必要な電圧レベルにレベルシフトするレベルシフターを含んでもよい。
【0045】
2.スイッチ回路のモード及び状態
制御回路120は、モード及び状態に応じて電源スイッチ回路110のスイッチ状態を制御する。ここでは、各モード及び各状態におけるスイッチ状態を説明する。モード間及び状態間の遷移については後述する。
【0046】
図4は、初期状態におけるスイッチ状態である。初期状態ST0は、回路装置100が起動する前の状態、即ち回路装置100に対してエナジーハーベスト電源電圧VDD2、蓄電電源電圧VDD及びバッテリー電源電圧VBATのいずれも投入されていない状態である。
【0047】
初期状態ST0において、スイッチSWBb及びSWDbがオンであり、スイッチSWA、SWBa、SWCa、SWCb、SWDa、SWE及びSWLがオフである。
【0048】
図5は、スタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態におけるスイッチ状態である。スタートアップモードは、回路装置100の起動時に設定されるモードである。スタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1は、エナジーハーベスト電源60から蓄電用キャパシター50への1回目の充電を行う状態である。
【0049】
蓄電用キャパシター充電状態ST1において、スイッチSWA及びSWDがオンであり、スイッチSWB、SWC、SWE及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源端子TVDD2と蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。エナジーハーベスト電源電圧VDD2が、スイッチSWDを介して蓄電用キャパシター50へ供給されると共に、スイッチSWD及びSWAを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。
【0050】
図6は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態におけるスイッチ状態である。EHはEnergy Harvestの略である。EHノーマルモードは、エナジーハーベスト電源60が発電しており、回路装置100にエナジーハーベスト電源電圧VDD2が供給されているときに設定されるモードである。EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2は、エナジーハーベスト電源60からバッテリー70に充電する状態である。
【0051】
バッテリー充電状態ST2において、スイッチSWA及びSWCがオンであり、スイッチSWB、SWD、SWE及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源端子TVDD2とバッテリー電源端子TVBATを接続し、蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTとを接続する。エナジーハーベスト電源電圧VDD2が、スイッチSWCを介してバッテリー70へ供給される。また、蓄電電源電圧VDDが、スイッチSWAを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。
【0052】
図7は、EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態におけるスイッチ状態である。EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3は、蓄電用キャパシター50が放電した後に、エナジーハーベスト電源60から蓄電用キャパシター50に充電する状態である。
【0053】
蓄電用キャパシター再充電状態ST3において、スイッチSWA及びSWDがオンであり、スイッチSWB、SWC、SWE及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源端子TVDD2と蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。エナジーハーベスト電源電圧VDD2が、スイッチSWDを介して蓄電用キャパシター50へ供給されると共に、スイッチSWD及びSWAを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。また、仮にエナジーハーベスト電源電圧VDD2が低下したとしても、蓄電電源電圧VDDがスイッチSWAを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。バッテリー電源電圧VBATがバッテリー電源端子TVBATに供給されるが、供給ノードNVOUTへは供給されない。
【0054】
図8は、EHノーマルモードの満充電状態におけるスイッチ状態である。EHノーマルモードの満充電状態ST4は、蓄電用キャパシター50及びバッテリー70が満充電になっている状態である。
【0055】
満充電状態ST4において、スイッチSWA及びSWLがオンであり、スイッチSWB、SWC、SWD及びSWEがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。蓄電電源電圧VDDが、スイッチSWAを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。バッテリー電源電圧VBATがバッテリー電源端子TVBATに供給されるが、供給ノードNVOUTへは供給されない。エナジーハーベスト電源60は発電しているが、満充電であるため抵抗RLとスイッチSWLを介してグランドノードに放電される。
【0056】
図9は、EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態におけるスイッチ状態である。EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6は、電圧VOUTを電圧VBOUTとして外部回路90に供給する状態である。
【0057】
VBOUT出力オン状態ST6において、スイッチSWB、SWE及びSWLがオンであり、スイッチSWA、SWC及びSWDがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、バッテリー電源端子TVBATと供給ノードNVOUTと電源出力端子TVBOUTを接続する。また、電源スイッチ回路110は、スイッチSWAのダイオードを介して蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。バッテリー電源電圧VBATが、スイッチSWBを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。また、VDD>VBAT+ΔVfである場合には、蓄電電源電圧VDDがスイッチSWAのダイオードを介して供給ノードNVOUTに供給される。ΔVfは、スイッチSWAのダイオードの順方向電圧である。電圧VOUTが、スイッチSWEを介して電圧VBOUTとして外部回路90に供給される。エナジーハーベスト電源60は発電しているが、満充電であるため抵抗RLとスイッチSWLを介してグランドノードに放電される。
【0058】
図10は、ノーマルモードのVBOUT出力オフ状態におけるスイッチ状態である。ノーマルモードは、エナジーハーベスト電源60が発電していないが、蓄電用キャパシター50から回路装置100への電力供給が可能なときに設定されるモードである。ノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51は、外部回路90への電力供給がオフになっている状態である。
【0059】
VBOUT出力オフ状態ST51において、スイッチSWAがオンであり、スイッチSWB、SWC、SWD、SWE及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。蓄電電源電圧VDDが、スイッチSWAを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。バッテリー電源電圧VBATがバッテリー電源端子TVBATに供給されるが、供給ノードNVOUTへは供給されない。電圧VOUTは、スイッチSWEがオフであるため、外部回路90に供給されない。
【0060】
図11は、ノーマルモードのVBOUT出力オン状態におけるスイッチ状態である。ノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST52は、電圧VOUTを電圧VBOUTとして外部回路90に供給する状態である。
【0061】
VBOUT出力オン状態ST52において、スイッチSWB及びSWEがオンであり、スイッチSWA、SWC、SWD及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、バッテリー電源端子TVBATと供給ノードNVOUTと電源出力端子TVBOUTを接続する。また、電源スイッチ回路110は、スイッチSWAのダイオードを介して蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。バッテリー電源電圧VBATが、スイッチSWBを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。また、VDD>VBAT+ΔVfである場合には、蓄電電源電圧VDDがスイッチSWAのダイオードを介して供給ノードNVOUTに供給される。電圧VOUTが、スイッチSWEを介して電圧VBOUTとして外部回路90に供給される。
【0062】
図12は、バックアップモードのVBOUT出力オフ状態におけるスイッチ状態である。バックアップモードは、エナジーハーベスト電源60が発電しておらず、蓄電用キャパシター50が放電した状態であり、バッテリー70から回路装置100へ電力が供給されるときに設定されるモードである。バックアップモードのVBOUT出力オフ状態ST53は、外部回路90への電力供給がオフになっている状態である。
【0063】
VBOUT出力オフ状態ST53において、スイッチSWBがオンであり、スイッチSWA、SWC、SWD、SWE及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、バッテリー電源端子TVBATと供給ノードNVOUTを接続する。バッテリー電源電圧VBATが、スイッチSWBを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。
【0064】
図13は、バックアップモードのVBOUT出力オン状態におけるスイッチ状態である。バックアップモードのVBOUT出力オン状態ST54は、電圧VOUTを電圧VBOUTとして外部回路90に供給する状態である。
【0065】
VBOUT出力オン状態ST54において、スイッチSWB及びSWEがオンであり、スイッチSWA、SWC、SWD及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、バッテリー電源端子TVBATと供給ノードNVOUTと電源出力端子TVBOUTを接続する。バッテリー電源電圧VBATが、スイッチSWBを介して供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。電圧VOUTが、スイッチSWEを介して電圧VBOUTとして外部回路90に供給される。
【0066】
図14は、電圧モニター状態におけるスイッチ状態である。電圧モニター状態ST7は、電圧検出回路150が電圧検出を行うときに設定されるモードである。電圧モニター状態ST7は、上述した状態ST1~ST6及びST51~ST54の各状態において、間欠的に設定される。
【0067】
電圧モニター状態ST7において、スイッチSWBbがオンであり、スイッチSWA、SWBa、SWC、SWD、SWE及びSWLがオフである。これにより、電源スイッチ回路110は、スイッチSWBaのダイオードを介してバッテリー電源端子TVBATと供給ノードNVOUTを接続する。また、電源スイッチ回路110は、スイッチSWAのダイオードを介して蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTを接続する。蓄電電源電圧VDDがスイッチSWAのダイオードを介して、又はバッテリー電源電圧VBATがスイッチSWBaのダイオードを介して、供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして供給される。
【0068】
以下、上記スイッチ状態を用いたスイッチ制御を説明する。更に詳細なスイッチ制御については図15以降で説明する。
【0069】
本実施形態において、回路装置100は、バッテリー70に接続されるバッテリー電源端子TVBATと、エナジーハーベスト電源60に接続されるエナジーハーベスト電源端子TVDD2と、蓄電用キャパシター50に接続される蓄電電源端子TVDDと、電源スイッチ回路110と、電源スイッチ回路110を制御する制御回路120と、を含む。電源スイッチ回路110は、第1状態では、エナジーハーベスト電源端子TVDD2からのエナジーハーベスト電源電圧VDD2をバッテリー電源端子TVBATに供給することでバッテリー70を充電しながら、蓄電電源端子TVDDからの蓄電電源電圧VDDを供給ノードNVOUTに出力する。電源スイッチ回路110は、第2状態では、エナジーハーベスト電源電圧VDD2を蓄電電源端子TVDDに供給することで蓄電用キャパシター50を充電しながら、蓄電電源電圧VDD及びエナジーハーベスト電源電圧VDD2を供給ノードNVOUTに出力する。
【0070】
第1状態は、図6に示すEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に対応する。第2状態は、図7に示すEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に対応する。
【0071】
本実施形態によれば、不安定なエナジーハーベスト電源60を用いているが、電源スイッチ回路110がエナジーハーベスト電源60、蓄電用キャパシター50及びバッテリー70を適切に切り替えることで、回路装置100に対して安定な電源を供給できる。即ち、第1状態及び第2状態のいずれにおいても、蓄電用キャパシター50から供給ノードNVOUTへ電力が供給される。このとき、蓄電用キャパシター50は、第2状態においてエナジーハーベスト電源60により充電されることで、安定電源として機能できる。また、バッテリー70は、第1状態においてエナジーハーベスト電源60により充電されることで、エナジーハーベスト電源60が発電を停止したときのバックアップ電源として機能できる。
【0072】
また本実施形態では、第2状態において、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源60をバッテリー70から切り離すことでバッテリー70への充電を停止させると共に、エナジーハーベスト電源60から蓄電用キャパシター50への蓄電を行う。このようにすれば、バッテリー70への充電が停止していることで、蓄電用キャパシター50を急速に充電することが可能になる。
【0073】
また本実施形態では、第1状態において、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源60を供給ノードNVOUTから切り離すと共に、エナジーハーベスト電源60からバッテリー70への充電を行う。このようにすれば、エナジーハーベスト電源60から供給ノードNVOUTへの電力供給が停止するので、バッテリー70か効率的に充電される。
【0074】
また本実施形態では、電源スイッチ回路110は、スタートアップ期間において、エナジーハーベスト電源電圧VDD2を蓄電電源端子TVDDに供給することで蓄電用キャパシター50を充電する。電源スイッチ回路110は、スタートアップ期間の後に、第1状態と第2状態を繰り返す。
【0075】
例えば図15で後述するように、スタートアップ期間の後のバッテリー充電期間において、第1状態に対応するEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2と、第2状態に対応する蓄電用キャパシター再充電状態ST3とが、繰り返される。
【0076】
本実施形態によれば、スタートアップ期間の後において、エナジーハーベスト電源60又は蓄電用キャパシター50から供給ノードNVOUTに電力が供給される。これにより、エナジーハーベスト電源60が発電しているときにはバッテリー70が消費されないので、エナジーハーベスト電源60の発電が停止してバックアップモードに移行したとき、バッテリー70の充電が保たれている。これにより、バックアップモードに移行した後において長期間、バッテリー70が回路装置100を駆動可能である。例えば、リアルタイムクロック装置200は現在時刻情報を出力し続ける必要があるが、エナジーハーベスト電源60が発電を停止した後においても長時間、動作を続けることが可能である。
【0077】
また本実施形態では、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源電圧VDD2が非供給であるとき、バッテリー電源電圧VBATを供給ノードNVOUTに出力する。
【0078】
本状態は、図12及び図13に示すバックアップモードに対応する。バックアップモードにおいて、電源スイッチ回路110がバッテリー電源電圧VBATを供給ノードNVOUTに出力する。
【0079】
本実施形態によれば、エナジーハーベスト電源60が発電しているときに第1状態と第2状態を繰り返すことでバッテリー70を充電し、エナジーハーベスト電源60が発電しなくなったときにバッテリー70をバックアップ電源として利用できる。また、上述したように、エナジーハーベスト電源60が発電しているときにバッテリー70を消費しないスイッチ制御が行われるので、バックアップ電源により回路装置100を長く駆動できる。
【0080】
また本実施形態では、電源スイッチ回路110は、バッテリー70及び蓄電用キャパシター50が満充電になったとき、エナジーハーベスト電源電圧VDD2を放電すると共に、バッテリー電源端子TVBAT及び蓄電電源端子TVDDに対してエナジーハーベスト電源電圧VDD2を非供給にする。
【0081】
本状態は、図8に示すEHノーマルモードの満充電状態ST4に対応する。満充電状態ST4において抵抗RLを介してエナジーハーベスト電源電圧VDD2が放電される。また、エナジーハーベスト電源端子TVDD2とバッテリー電源端子TVBATが非接続であり、エナジーハーベスト電源端子TVDD2と蓄電電源端子TVDDが非接続である。
【0082】
本実施形態によれば、エナジーハーベスト電源60が発電しているが、その電力が不要であるときに、エナジーハーベスト電源電圧VDD2を放電できる。エナジーハーベスト電源60が無負荷であることで故障する場合があるが、本実施形態では、それを回避できる。
【0083】
また本実施形態では、電源スイッチ回路110は、バッテリー70及び蓄電用キャパシター50が満充電になったとき、蓄電電源電圧VDDを供給ノードNVOUTに出力する。
【0084】
本状態は、図8に示すEHノーマルモードの満充電状態ST4に対応する。満充電状態ST4において、蓄電用キャパシター50がスイッチSWAを介して供給ノードNVOUTに接続される。また、スイッチSWBによりバッテリー70と供給ノードNVOUTが遮断される。
【0085】
本実施形態によれば、エナジーハーベスト電源60が発電しているときにバッテリー70を消費しないスイッチ制御が行われるので、エナジーハーベスト電源60が発電しなくなった後において、バックアップ電源により回路装置100を長く駆動できる。
【0086】
また本実施形態では、回路装置100は、供給ノードNVOUTの電圧VOUTを回路装置100の外部に出力する電源出力端子TVBOUTを含む。
【0087】
本実施形態によれば、電源スイッチ回路110は、エナジーハーベスト電源電圧VDD2、蓄電電源電圧VDD又はバッテリー電源電圧VBATを電圧VOUTとして供給ノードNVOUTに出力する。電源出力端子TVBOUTが設けられることで、その電圧VOUTを、電源出力端子TVBOUTから外部回路90へ供給できる。
【0088】
また本実施形態では、回路装置100は、インターフェース回路140とメモリー130とを含む。インターフェース回路140を介してメモリー130へ電源スイッチ回路110の制御パラメーター131を書き込み可能である。制御回路120は、メモリー130に記憶された制御パラメーター131に基づいて動作するプロセッサーである。
【0089】
本実施形態によれば、電源スイッチ回路110の動作がプログラマブルになる。即ち、制御パラメーター131の内容を書き換えることによって、電源スイッチ回路110に様々なスイッチ動作を行わせることが可能になる。
【0090】
また本実施形態では、電源スイッチ回路110は、第1スイッチSWAと第2スイッチSWBと第3スイッチSWCと第4スイッチSWDとを含む。第1スイッチSWAは、蓄電電源端子TVDDと供給ノードNVOUTとの間に設けられる。第2スイッチSWBは、バッテリー電源端子TVBATと供給ノードNVOUTとの間に設けられる。第3スイッチSWCは、バッテリー電源端子TVBATとエナジーハーベスト電源端子TVDD2との間に設けられる。第4スイッチSWDは、エナジーハーベスト電源端子TVDD2と蓄電電源端子TVDDとの間に設けられる。
【0091】
本実施形態によれば、第1スイッチSWA、第2スイッチSWB、第3スイッチSWC及び第4スイッチSWDをオン又はオフに制御することで、エナジーハーベスト電源60、蓄電用キャパシター50及びバッテリー70を適切に切り替えて回路装置100に対して安定な電源を供給できる。また、エナジーハーベスト電源60から蓄電用キャパシター50への充電経路には第4スイッチSWDのみが設けられ、エナジーハーベスト電源60からバッテリー70への充電経路には第3スイッチSWCのみが設けられる。このように充電経路に設けられるスイッチ数が少ないことで、効率の良い充電を実現できる。
【0092】
また本実施形態では、第1状態において、第1スイッチSWA及び第3スイッチSWCがオンであり、第2スイッチSWB及び第4スイッチSWDがオフである。第2状態において、第1スイッチSWA及び第4スイッチSWDがオンであり、第2スイッチSWB及び第3スイッチSWCがオフである。
【0093】
第1状態において、第3スイッチSWCがオンであることで、エナジーハーベスト電源電圧VDD2によりバッテリー70が充電される。第2状態において、第4スイッチSWDがオンであることで、エナジーハーベスト電源電圧VDD2により蓄電用キャパシター50が充電される。また、第1状態及び第2状態において、第1スイッチSWAがオンであり且つ第2スイッチSWBがオフであることで、蓄電電源電圧VDDが供給ノードNVOUTに供給され且つバッテリー70が供給ノードNVOUTから遮断される。
【0094】
また本実施形態では、回路装置100は、電源出力端子TVBOUTを含む。電源スイッチ回路110は、供給ノードNVOUTと電源出力端子TVBOUTとの間に設けられる第5スイッチSWEを含む。
【0095】
本実施形態によれば、第5スイッチSWEがオンになることで、供給ノードNVOUTと電源出力端子TVBOUTが接続される。これにより、電源スイッチ回路110が供給ノードNVOUTに出力する電圧VOUTを、電源出力端子TVBOUTから外部回路90へ供給できる。例えば、図9に示すEHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6、図11に示すノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST52、及び図13に示すバックアップモードのVBOUT出力オン状態ST54において、第5スイッチSWEがオンである。
【0096】
また本実施形態では、第3状態において、第2スイッチSWB及び第5スイッチSWEがオンであり、第3スイッチSWC及び第4スイッチSWDがオフであり、電源スイッチ回路110は、バッテリー電源電圧VBATを供給ノードNVOUT及び電源出力端子TVBOUTに出力する。なお、第3状態は、VBOUT出力オン状態に対応する。第3状態は、例えば、図9のEHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6であるが、図11又は図13の状態であってもよい。
【0097】
本実施形態によれば、電源出力端子TVBOUTに接続される外部回路90に対して、安定した放電能力を有するバッテリー70から電源を供給できる。また、第1状態においてバッテリー70を十分に充電した後において第3状態に遷移させることで、外部回路90に安定した電源を供給できるようになる。一例として、電源出力端子TVBOUTに接続される外部回路90として、Bluetooth Low Energy(BLE)などの無線デバイスを直接駆動する場合は、安定した放電能力を有する電源が求められる。そのため、図9において、バッテリー70に十分駆動が可能な電力を充電した状態にしてから、駆動可能であることを電圧モニターで判断してから、予め設定された出力タイミングで、第5スイッチSWEの制御でバッテリー70から電源出力端子TVBOUTへの出力を開始させることが可能である。さらに、その際には、エナジーハーベスト電源60の発電状態に依存しないように、第3スイッチSWCと第4スイッチSWDを遮断しており、安定したバッテリー出力と効率の良いバッテリー再充電を繰り返し制御することが可能になる。図9図11、及び図13に示すように、バッテリー70から電源出力端子TVBOUTに出力する場合、エナジーハーベスト電源60の入力の有無に関わらず、電源出力端子TVBOUTには不安定なエナジーハーベスト電源電圧VDD2の影響を直接受けた電源が出力されることが無くなり、安定電源の出力が可能になる。
【0098】
また本実施形態では、制御回路120は、発振回路170の発振信号に基づいてリアルタイムクロック処理を行う。制御回路120の電源電圧は、供給ノードNVOUTの電圧VOUTに基づいて供給される。
【0099】
本実施形態によれば、不安定なエナジーハーベスト電源60を用いているが、電源スイッチ回路110が電源を適切に切り替えることで、供給ノードNVOUTに対して安定な電源を供給できる。これにより、安定な電源のもとに制御回路120がリアルタイムクロック処理を行って現在時刻情報を生成できる。
【0100】
なお、「制御回路の電源電圧は、供給ノードの電圧に基づいて供給される」とは、例えば供給ノードの電圧そのものが電源電圧として制御回路に供給されること、或いは、供給ノードの電圧がレギュレートされ、そのレギュレート後の電圧が電源電圧として制御回路に供給されること、である。図1の構成例ではレギュレーター160が電圧VOUTをレギュレートして制御回路120の電源電圧VLOGを生成しているが、これに限定されない。
【0101】
3.スイッチ制御の詳細
図15は、電圧波形の一例である。ここでは、エナジーハーベスト電源60が発電した状態においてスタートアップして定常動作に至り、その後にエナジーハーベスト電源60が発電しなくなる場合における電圧波形を示す。但し、図15の電圧波形は一例であって、後述する状態遷移に従って、エナジーハーベスト電源60の状態等に応じて様々な電圧推移をとってよい。
【0102】
「スタートアップ期間」に示すように、エナジーハーベスト電源60が電力を出力すると、スイッチ制御回路111が電源スイッチ回路110をスタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1に設定する。ここでは、エナジーハーベスト電源電圧VDD2が最大電力点電圧VDD2_maxであるとする。エナジーハーベスト電源60が、スイッチSWDを介して蓄電用キャパシター50を充電すると共に、スイッチSWD及びスイッチSWAを介して電圧VOUTを上昇させる。
【0103】
「POR解除」に示すように、電圧VOUTがパワーオンリセット回路PORDの閾値を超えると、パワーオンリセット回路PORDが制御回路120をリセット解除する。以降、制御回路120が電源スイッチ回路110を制御する。制御回路120は、蓄電用キャパシター50が満充電になると、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に設定する。
【0104】
「バッテリー充電期間」に示すように、バッテリー電源電圧VBATが満充電の閾値VBFULLを超えるまでバッテリー70が充電される。具体的には、制御回路120が、電源スイッチ回路110を、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2と蓄電用キャパシター再充電状態ST3に交互に繰り返し設定する。バッテリー充電状態ST2においては、蓄電用キャパシター50が電圧VOUTを供給するので、蓄電電源電圧VDDが低下すると共に電圧VOUTが低下する。また、バッテリー70がエナジーハーベスト電源60により充電されることで、バッテリー電源電圧VBATが上昇する。蓄電用キャパシター再充電状態ST3においては、蓄電用キャパシター50がエナジーハーベスト電源60により充電されるので、蓄電電源電圧VDDが上昇すると共に電圧VOUTが上昇する。
【0105】
「定常動作期間」に示すように、バッテリー電源電圧VBATが満充電の閾値VBFULLを超えると、定常動作が行われる。具体的には、制御回路120が、電源スイッチ回路110を、EHノーマルモードの満充電状態ST4と蓄電用キャパシター再充電状態ST3に交互に繰り返し設定する。満充電状態ST4においては、蓄電用キャパシター50が電圧VOUTを供給するので、蓄電電源電圧VDDが低下すると共に電圧VOUTが低下する。蓄電用キャパシター再充電状態ST3においては、蓄電用キャパシター50がエナジーハーベスト電源60により充電されるので、蓄電電源電圧VDDが上昇すると共に電圧VOUTが上昇する。
【0106】
「定常動作期間」において、任意のタイミングにおいて電源スイッチ回路110がEHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6に設定されてもよい。なお、VBOUT出力のオンオフは、図20図23で後述するように、定常動作期間以降において、予め設定されたRTC内のタイマーやアラームの割込み機能、内外のイベント信号を元に任意に制御される。状態ST6において、バッテリー電源電圧VBATが供給ノードNVOUTと電源出力端子TVBOUTに出力されるので、VBOUT=VBATとなる。また、バッテリー70が外部回路90に電力供給することで、バッテリー電源電圧VBAT低下するので、供給ノードNVOUTの電圧VOUTが低下する。また蓄電電源電圧VDDがスイッチSWAのダイオードを介して供給ノードNVOUTに供給されるので、バッテリー電源電圧VBATが低下すると、ある時点からバッテリー電源電圧VBATと共に蓄電電源電圧VDDが低下する。
【0107】
EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6が解除されると、制御回路120が電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に設定する。状態ST3において、蓄電用キャパシター50が充電され、蓄電電源電圧VDDが上昇する。制御回路120は、蓄電用キャパシター50が満充電になったとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に設定する。状態ST2において、バッテリー70が充電され、バッテリー電源電圧VBATが上昇する。蓄電用キャパシター50から供給ノードNVOUTに電力が供給されるので、蓄電電源電圧VDDが低下する。制御回路120は、バッテリー70が満充電になったとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの満充電状態ST4に設定する。蓄電用キャパシター50から供給ノードNVOUTに電力が供給されるので、蓄電電源電圧VDDが低下する。以降、制御回路120が、電源スイッチ回路110を、EHノーマルモードの満充電状態ST4と蓄電用キャパシター再充電状態ST3に交互に繰り返し設定する。
【0108】
「VDD放電期間」に示すように、エナジーハーベスト電源60の出力が低下したとき、ノーマルモードへの遷移条件を満たすまではEHノーマルモードにおいて満充電状態ST4又は蓄電用キャパシター再充電状態ST3に設定される。満充電状態ST4では蓄電電源電圧VDD及び電圧VOUTが低下し、蓄電用キャパシター再充電状態ST3においては蓄電電源電圧VDD及び電圧VOUTが上昇する。しかし、エナジーハーベスト電源60の出力が低下しているので、蓄電電源電圧VDDが満充電とならず、エナジーハーベスト電源60の出力の低下に伴って蓄電電源電圧VDD及び電圧VOUTが低下していく。エナジーハーベスト電源60の出力が低下してノーマルモードへの遷移条件を満たすと、制御回路120が、電源スイッチ回路110を、ノーマルモードに設定する。ノーマルモードにおいて蓄電用キャパシター50が放電することで回路装置100に電力が供給される。図15には、電源スイッチ回路110がノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51に設定された場合の波形を示している。蓄電用キャパシター50が電圧VOUTを供給するので、蓄電電源電圧VDDが低下すると共に電圧VOUTが低下する。
【0109】
「バックアップ期間」に示すように、供給ノードNVOUTに電圧VOUTとして出力されている蓄電電源電圧VDDが電圧VDET以下になると、即時に回路装置100の電源がバックアップ電源に切り替えられる。具体的には、制御回路120が、電源スイッチ回路110を、バックアップモードに設定する。バッテリー70が電圧VOUTを供給するので、バッテリー電源電圧VBATが徐々に低下すると共に電圧VOUTが徐々に低下していく。蓄電電源電圧VDDが電圧VDET以下になったことは、電源スイッチ回路110に含まれる不図示のコンパレーターによって検出される。このコンパレーターは、蓄電電源電圧VDDと電圧VDETとを比較し、その比較結果の信号を制御回路120へ出力する。
【0110】
本実施形態によれば、不安定なエナジーハーベスト電源60を用いているが、電源スイッチ回路110がエナジーハーベスト電源60、蓄電用キャパシター50及びバッテリー70を適切に切り替えることで、回路装置100に対して安定な電源を供給できる。
【0111】
また、エナジーハーベスト電源60が発電しているEHノーマルモードにおいて、VBOUT出力オン状態を除いてバッテリー70が消費されず、エナジーハーベスト電源60又は蓄電用キャパシター50から回路装置100に電力が供給される。これにより、エナジーハーベスト電源60の発電が停止してバックアップモードに移行したとき、バッテリー70の充電が保たれているので、バックアップモードに移行した後において長期間、バッテリー70が回路装置100を駆動可能である。
【0112】
図16は、状態遷移の例である。図17及び図18は、遷移条件の例である。ここでは一部の状態を省略又は簡略化しているが、それらの状態については図19図23で後述する。
【0113】
制御回路120は、スタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1において条件Aを満たすか否かの判定を行い、条件Aを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に遷移させる。条件Aは、(a1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、(a2)蓄電電源電圧VDDが閾値pVDFULLよりも高く、且つ(a3)蓄電電源電圧VDDが閾値VDD_PORより高いことである。(a1)は、エナジーハーベスト電源60がオンであることを示す。(a2)は、蓄電用キャパシター50が満充電であることを示す。(a3)は、パワーオンリセット信号R_VDDがリセット解除レベルになったことを示す。
【0114】
制御回路120は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2において条件Bを満たすか否かの判定を行い、条件Bを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に遷移させる。条件Bは、(b1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、且つ(b2)蓄電電源電圧VDDが閾値mVDFULLよりも低いことである。(b2)は、蓄電用キャパシター50の再充電が必要であることを示す。閾値mVDFULLは閾値pVDFULLより低い。
【0115】
制御回路120は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2において条件Cを満たすか否かの判定を行い、条件Cを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの満充電状態ST4に遷移させる。条件Cは、(c1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、(c2)蓄電電源電圧VDDが閾値mVDFULLよりも高く、且つ(c3)バッテリー電源電圧VBATが閾値pVBFULLより高いことである。(c2)は、蓄電用キャパシター50の再充電が不要であることを示す。(c3)は、バッテリー70が満充電であることを示す。
【0116】
制御回路120は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2において条件Dを満たすか否かの判定を行い、条件Dを満たしたとき、電源スイッチ回路110を状態ST5に遷移させる。状態ST5は、バックアップモード又はノーマルモードに含まれる状態である。条件Dは、(d1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値mVDD2_OFFよりも低いことである。(d1)は、エナジーハーベスト電源60がオフであることを示す。閾値mVDD2_OFFは閾値pVDD2_OFFより低い。
【0117】
制御回路120は、EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3において条件Eを満たすか否かの判定を行い、条件Eを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に遷移させる。条件Eは、(e1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、且つ(e2)蓄電電源電圧VDDが閾値pVDFULLよりも高いことである。
【0118】
制御回路120は、EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3において条件Fを満たすか否かの判定を行い、条件Fを満たしたとき、電源スイッチ回路110を状態ST5に遷移させる。条件Fは、(f1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値mVDD2_OFFよりも低いことである。
【0119】
制御回路120は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において条件Gを満たすか否かの判定を行い、条件Gを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に遷移させる。条件Gは、(g1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、(g2)蓄電電源電圧VDDが閾値mVDFULLよりも高く、且つ(g3)バッテリー電源電圧VBATが閾値mVBFULLよりも低いことである。(g3)は、バッテリー70の再充電が必要であることを示す。閾値mVBFULLは閾値pVBFULLよりも低い。
【0120】
制御回路120は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において条件Hを満たすか否かの判定を行い、条件Hを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に遷移させる。条件Hは、(h1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、且つ(h2)蓄電電源電圧VDDが閾値mVDFULLよりも低いことである。
【0121】
制御回路120は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において条件Iを満たすか否かの判定を行い、条件Iを満たしたとき、電源スイッチ回路110を状態ST5に遷移させる。条件Iは、(i1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値mVDD2_OFFよりも低いことである。
【0122】
制御回路120は、状態ST5において条件Jを満たすか否かの判定を行い、条件Jを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に遷移させる。条件Jは、(j1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高いことである。
【0123】
図19は、初期状態に関する状態遷移の例である。図20は、EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態に関する状態遷移の例である。図21は、それらの遷移条件の例である。
【0124】
スイッチ制御回路111は、初期状態ST0において条件Kを満たしたとき、電源スイッチ回路110をスタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1に遷移させる。条件Kは、(k1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値pVDD2_OFFよりも高く、且つ(k2)蓄電電源電圧VDD及びバッテリー電源電圧VBATが初期状態の電圧であることである。(k2)は、例えば、蓄電電源電圧VDD及びバッテリー電源電圧VBATがグランド電圧GNDに等しいという条件である。
【0125】
制御回路120は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において条件L1を満たすか否かの判定を行い、条件L1を満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6に遷移させる。条件L1は、内部トリガー又は外部トリガーが発生することである。内部トリガーは、回路装置100の内部で発生するトリガーである。内部トリガーの一例は、タイマーが所定時間の経過をカウントとしたこと、又はリアルタイムクロック処理において特定の時刻になったことである。外部トリガーは、回路装置100の外部から回路装置100に入力されるトリガーである。外部トリガーの一例は、外部の処理装置がインターフェース回路140を介して制御回路120へ送信するトリガーである。
【0126】
制御回路120は、EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6において条件L2を満たすか否かの判定を行い、条件L2を満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの満充電状態ST4に遷移させる。条件L2は、内部トリガー又は外部トリガーが発生することである。
【0127】
図22は、ノーマルモード及びバックアップモードに関する状態遷移の例である。図23は、その遷移条件の例である。
【0128】
制御回路120は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2において条件Dを満たしたとき、又はEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3において条件Fを満たしたとき、電源スイッチ回路110をノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51に遷移させる。制御回路120は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において条件Iを満たしたとき、電源スイッチ回路110をノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51に遷移させる。制御回路120は、ノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51又はバックアップモードのVBOUT出力オフ状態ST53において条件Jを満たしたとき、電源スイッチ回路110をEHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に遷移させる。条件D、F、I及びJは上述の通りである。
【0129】
制御回路120は、ノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51において条件Mを満たすか否かの判定を行い、条件Mを満たしたとき、電源スイッチ回路110をバックアップモードのVBOUT出力オフ状態ST53に遷移させる。条件Mは、(m1)エナジーハーベスト電源電圧VDD2が閾値mVDD2_OFFよりも低く、且つ(m2)蓄電電源電圧VDDが閾値mVDFULLよりも低いという条件である。
【0130】
制御回路120は、ノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51において条件N1を満たすか否かの判定を行い、条件N1を満たしたとき、電源スイッチ回路110をノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST52に遷移させる。条件N1は、内部トリガー又は外部トリガーが発生することである。
【0131】
制御回路120は、ノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST52において条件N2を満たすか否かの判定を行い、条件N2を満たしたとき、電源スイッチ回路110をノーマルモードのVBOUT出力オフ状態ST51に遷移させる。条件N2は、内部トリガー又は外部トリガーが発生することである。
【0132】
制御回路120は、バックアップモードのVBOUT出力オフ状態ST53において条件P1を満たすか否かの判定を行い、条件P1を満たしたとき、電源スイッチ回路110をバックアップモードのVBOUT出力オン状態ST54に遷移させる。条件P1は、内部トリガー又は外部トリガーが発生することである。
【0133】
制御回路120は、バックアップモードのVBOUT出力オン状態ST54において条件P2を満たすか否かの判定を行い、条件P2を満たしたとき、電源スイッチ回路110をバックアップモードのVBOUT出力オフ状態ST53に遷移させる。条件P2は、内部トリガー又は外部トリガーが発生することである。
【0134】
図24図25及び図26は状態遷移の経過を示すタイミングチャート例である。図24において左から右に時間が経過し、続いて図25において左から右に時間が経過する。なお、図24図25及び図26のタイミングチャートは一例であって、上述した状態遷移に従って、エナジーハーベスト電源60の状態等に応じて様々な状態遷移の経過をたどってよい。
【0135】
図24に示すように、初期状態ST0においてエナジーハーベスト電源60が電力の供給を開始すると、パワーオンリセット信号R_VDD2がリセットレベルからリセット解除レベルになる。ここでは、ローレベルがリセットレベルであり、ハイレベルがリセット解除レベルであるとする。また、エナジーハーベスト電源60がスイッチSWDaのダイオードを介して蓄電用キャパシター50を充電することで、パワーオンリセット信号R_VDDがリセットレベルからリセット解除レベルになる。また、エナジーハーベスト電源60がスイッチSWDaのダイオード及びスイッチSWAのダイオードを介して電圧VOUTを上昇させることで、パワーオンリセット信号R_VOUTがリセットレベルからリセット解除レベルになる。ここまでは、スイッチ制御回路111が電源スイッチ回路110を初期状態ST0に設定している。
【0136】
パワーオンリセット信号R_VOUTがリセット解除レベルになると制御回路120がリセット解除される。以降、制御回路120が電源スイッチ回路110を制御する。制御回路120は、電源スイッチ回路110をスタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1に遷移させる。
【0137】
なお、ここではパワーオンリセット信号R_VOUTがリセット解除レベルになったとき初期状態ST0からスタートアップモードに遷移するとしたが、図19及び図21で説明したように、パワーオンリセット信号R_VDD2がリセット解除レベルになったとき初期状態ST0からスタートアップモードに遷移してもよい。
【0138】
制御回路120は、スタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1において間欠的に電源スイッチ回路110を電圧モニター状態ST7に設定し、電圧モニター状態ST7において電圧検出回路150に電圧検出を行わせる。図24には電圧モニター状態ST7が1回しか記載されていないが、例えば一定間隔毎に繰り返し設定される。また、制御回路120は、スタートアップモードのみでなく、各モード及び各状態において間欠的に電源スイッチ回路110を電圧モニター状態ST7に設定する。VSENは電圧検出回路150のイネーブル信号であり、ここではハイレベルが電圧検出回路150のイネーブルを示す。
【0139】
図25に示すように、電源スイッチ回路110は、スタートアップモードの蓄電用キャパシター充電状態ST1において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、電圧モニター状態ST7において条件が満たされたとき、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に遷移する。なお、図25には、間欠的な電圧モニター状態ST7のうち遷移条件が満たされたときの電圧モニター状態ST7のみ図示している。以下同様に、間欠的なST7の図示を省略する。電源スイッチ回路110は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、電圧モニター状態ST7において条件が満たされたとき、EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3に遷移する。電源スイッチ回路110は、EHノーマルモードの蓄電用キャパシター再充電状態ST3において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、電圧モニター状態ST7において条件が満たされたとき、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2に遷移する。電源スイッチ回路110は、EHノーマルモードのバッテリー充電状態ST2において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、電圧モニター状態ST7において条件が満たされたとき、EHノーマルモードの満充電状態ST4に遷移する。なお、図25では最初のバッテリー充電状態ST2の後、蓄電用キャパシター再充電状態ST3とバッテリー充電状態ST2が1回だけ行われているが、それが複数回行われてもよい。
【0140】
図26に示すように、電源スイッチ回路110は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、条件が満たされたとき、EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6に遷移する。電源スイッチ回路110は、EHノーマルモードのVBOUT出力オン状態ST6において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、条件が満たされたとき、EHノーマルモードの満充電状態ST4に遷移する。電源スイッチ回路110は、EHノーマルモードの満充電状態ST4において間欠的に電圧モニター状態ST7となり、電圧モニター状態ST7において条件が満たされたとき、バックアップモード又はノーマルモードの状態ST5に遷移する。
【0141】
なお、各モード及び状態におけるスイッチのオンオフ状態は、図4図14で説明した通りである。また、状態間の遷移条件は、図16図23で説明した通りである。
【0142】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。またエナジーハーベスト電源、蓄電用キャパシター、バッテリー、回路装置、振動子、リアルタイムクロック装置、外部回路及び電子機器等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0143】
10…振動子、20…安定化キャパシター、50…蓄電用キャパシター、60…エナジーハーベスト電源、70…バッテリー、90…外部回路、100…回路装置、110…電源スイッチ回路、111…スイッチ制御回路、120…制御回路、130…メモリー、131…制御パラメーター、140…インターフェース回路、150…電圧検出回路、160…レギュレーター、170…発振回路、200…リアルタイムクロック装置、300…電子機器、NVOUT…供給ノード、ST1…蓄電用キャパシター充電状態、ST2…バッテリー充電状態、ST3…蓄電用キャパシター再充電状態、ST4…満充電状態、ST51…VBOUT出力オフ状態、ST52…VBOUT出力オン状態、ST53…VBOUT出力オフ状態、ST54…VBOUT出力オン状態、ST6…VBOUT出力オン状態、ST7…電圧モニター状態、SWA…第1スイッチ、SWB…第2スイッチ、SWC…第3スイッチ、SWD…第4スイッチ、SWE…第5スイッチ、TVBAT…バッテリー電源端子、TVDD…蓄電電源端子、TVDD2…エナジーハーベスト電源端子、VBAT…バッテリー電源電圧、VDD…蓄電電源電圧、VDD2…エナジーハーベスト電源電圧、VOUT…供給ノードの電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26