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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065362
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】幅寄せ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20240508BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B65G47/28 L
B65G47/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174191
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】逸見 真己
(72)【発明者】
【氏名】田城 孝行
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3F080AA23
3F080BA01
3F080BF08
3F080CE03
3F080CG14
3F080DA07
3F080EA03
3F080EA04
3F081AA20
3F081BC04
3F081BC11
3F081CC08
3F081CE14
3F081DA02
3F081DA08
3F081DA10
3F081EA04
(57)【要約】
【課題】物品を適切に幅寄せできる幅寄せ装置を提供する。
【解決手段】搬送方向Aに移動する物品11を搬送方向Aに交差する幅方向Bの一側の幅寄せ方向B1に幅寄せする幅寄せ装置13である。幅方向Bの一側に、物品11の一側を案内する固定ガイド23を設ける。幅方向Bに移動可能とする移動体24を設ける。移動体24に、物品11の他側を案内する可動案内面25aを有し、物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せする可動ガイド25を設ける。搬送方向Aに沿って可動ガイド25の複数位置に配置され、可動案内面25aを幅寄せ方向B1に付勢する第1の付勢部を設ける。移動体24を幅寄せ方向B1に付勢する第2の付勢部を設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に移動する物品を前記搬送方向に交差する幅方向の一側の幅寄せ方向に幅寄せする幅寄せ装置であって、
前記幅方向の一側に設けられ、前記物品の一側を案内する固定ガイドと、
前記幅方向に移動可能とする移動体と、
前記移動体に設けられ、前記物品の他側を案内する可動案内面を有し、前記物品を前記幅寄せ方向に幅寄せする可動ガイドと、
前記搬送方向に沿って前記可動ガイドの複数位置に配置され、前記可動案内面を前記幅寄せ方向に付勢する複数の第1の付勢部と、
前記移動体を前記幅寄せ方向に付勢する第2の付勢部と
を備えることを特徴とする幅寄せ装置。
【請求項2】
1つの前記第1の付勢部の付勢力は、前記第2の付勢部の付勢力よりも小さい
ことを特徴とする請求項1記載の幅寄せ装置。
【請求項3】
前記幅方向に移動する移動部を有し、この移動部の移動に伴って前記移動体を前記幅方向に移動させるとともに前記幅寄せ方向には前記第2の付勢部を介して移動させる駆動部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の幅寄せ装置。
【請求項4】
前記移動体と前記移動部とが前記第2の付勢部の付勢に抗する方向に相対的に所定量以上移動する押圧状態を検知する検知部を備える
ことを特徴とする請求項3記載の幅寄せ装置。
【請求項5】
搬送方向に移動する物品を前記搬送方向に交差する幅方向の一側の幅寄せ方向に幅寄せする幅寄せ装置であって、
前記幅方向の一側に設けられ、前記物品の一側をガイドする固定ガイドと、
前記幅方向に移動可能とする移動体と、
前記移動体に設けられ、前記物品の他側を案内する可動案内面を有し、前記物品を前記幅寄せ方向に幅寄せして前記固定ガイドと共に前記物品を挟んでガイドする可動ガイドと、
前記搬送方向に沿って前記可動ガイドの複数位置に配置され、前記可動案内面を前記幅寄せ方向に付勢する夫々が独立した複数の第1の付勢部と、
前記移動体を前記幅寄せ方向に付勢する第2の付勢部とを備え、
前記固定ガイドと前記可動ガイドで前記物品を挟む挟持圧力が第1の圧力範囲内の場合、一または複数の前記第1の付勢部が付勢力に抗して前記幅寄せ方向と反対に移動し、
前記挟持圧力が前記第1の圧力範囲を超える第2の圧力に至る場合、前記可動ガイド全体が前記第1の付勢部と一体で前記第2の付勢部の付勢力に抗して前記幅寄せ方向と反対に移動する
ことを特徴とする幅寄せ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を幅寄せする幅寄せ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、搬送する物品の搬送方向に交差する幅方向の幅寸法を検出し、この検出された物品の幅寸法に応じてガイドを幅方向に移動させ、このガイドで物品を幅寄せするようにした装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-97220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、物品の状態や形状によっては、検出または予定された物品の幅寸法に応じてガイドを動作させると、ガイドを過剰に移動させて物品を押し付けてしまったり、ガイドの移動が不足することにより物品を寄せきれない幅寄せ不足が生じたりすることで、物品を適切に幅寄せすることができないおそれがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、物品を適切に幅寄せできる幅寄せ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、搬送方向に移動する物品を前記搬送方向に交差する幅方向の一側の幅寄せ方向に幅寄せする幅寄せ装置であって、前記幅方向の一側に設けられ、前記物品の一側を案内する固定ガイドと、前記幅方向に移動可能とする移動体と、前記移動体に設けられ、前記物品の他側を案内する可動案内面を有し、前記物品を前記幅寄せ方向に幅寄せする可動ガイドと、前記搬送方向に沿って前記可動ガイドの複数位置に配置され、前記可動案内面を前記幅寄せ方向に付勢する複数の第1の付勢部と、前記移動体を前記幅寄せ方向に付勢する第2の付勢部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の幅寄せ装置によれば、物品を適切に幅寄せできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態の幅寄せ装置を用いた開梱装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図2】同上開梱装置の斜視図である。
図3】同上幅寄せ装置の平面図である。
図4】同上幅寄せ装置を幅方向の一側から見た側面図である。
図5】同上幅寄せ装置を搬送方向の上流側から見た側面図である。
図6】同上幅寄せ装置の可動ガイドを付勢する構造を示す平面図である。
図7】同上幅寄せ装置の駆動ユニットを搬送方向の上流側から見た側面図である。
図8】同上幅寄せ装置の駆動ユニットを幅方向の一側から見た側面図である。
図9】同上幅寄せ装置の駆動ユニットと移動体との関係を示し、(a)は非過負荷状態の平面図、(b)は過負荷状態の平面図である。
図10】同上開梱装置の切断装置の斜視図である。
図11】同上幅寄せ装置の幅寄せ動作の一例を説明するフローチャートである。
図12】同上幅寄せ装置の幅寄せ動作の他の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1および図2に開梱装置10を示す。この開梱装置10は、物品11である例えば梱包された容器としての段ボール箱内から収納物を取り出すために段ボール箱を開梱する。開梱装置10は、物品11を搬送する搬送装置12と、この搬送装置12による物品11の搬送方向Aに対して交差する幅方向Bの一側へ向けた幅寄せ方向B1に物品11を幅寄せする幅寄せ装置13と、この幅寄せ装置13で幅寄せされた物品11の底面部と側面部との間の1辺を切断する切断装置14とを備えている。
【0011】
搬送装置12は、物品11の搬送方向Aの上流側から順に配設される転換コンベヤ17、投入コンベヤ18、処理コンベヤ19、搬出コンベヤ20を備えている。
【0012】
転換コンベヤ17は、上流側より開梱装置10の幅方向Bの他側から搬入される物品11を、転換コンベヤ17の幅方向Bの一側の所定位置に幅寄せするように搬送した後、搬送方向を投入コンベヤ18に向けた搬送方向Aに転換して搬送する。
【0013】
投入コンベヤ18は、例えばアキュームコンベヤが用いられ、幅方向Bの一側に幅寄せされた物品11を転換コンベヤ17から受け入れて幅方向Bの一側に幅寄せした状態で搬送方向Aに搬送し、処理コンベヤ19上での開梱処理の完了毎に物品11を処理コンベヤ19に順次投入する。
【0014】
処理コンベヤ19は、例えばベルトコンベヤが用いられ、投入コンベヤ18から投入される物品11をベルト上に搭載して搬送方向Aに搬送する。
【0015】
搬出コンベヤ20は、処理コンベヤ19から搬送される物品11を受け入れて搬送方向Aに搬出する。
【0016】
各コンベヤ17~20には物品11の位置を検知するセンサが配設されている。
【0017】
このような構成の開梱装置10を上流から連続するように3台設置し、上流側の開梱装置10の搬出コンベヤ20の搬送方向Aの下流側に、開梱装置10の転換コンベヤ17の幅方向Bの他側が接続されるようにする。さらに、上流側の開梱装置10に下流側の開梱装置10が直交するように順次配設されることにより、つまり3つの開梱装置10が平面視で略コの字形に配設されることにより、各開梱装置10により物品11の底面部と側面部との間の3辺が順次切断され、残りの1辺を介して底面部を開いて収容物を取出可能に開梱する。なお、3つの開梱装置10が直線状に配設され、上流側の開梱装置10と下流側の開梱装置10との間の転換コンベヤ17により物品11の搬送方向Aの向きを90°変換するようにしてもよい。
【0018】
次に、幅寄せ装置13は、処理コンベヤ19の位置に配設され、処理コンベヤ19で搬送方向Aに搬送する物品11を搬送方向Aに交差する幅方向Bの一側へ向けた幅寄せ方向B1に幅寄せする。
【0019】
図1ないし図5に示すように、幅寄せ装置13は、搬送方向Aの上流側で物品11の幅方向Bの幅寸法を測定する物品測定部22と、処理コンベヤ19上の幅寄せ方向B1側である幅方向Bの一側に配設される固定ガイド23と、処理コンベヤ19に対して幅方向Bに移動可能とする移動体(移動ユニット)24と、この移動体24上に支持され、物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せする可動ガイド25と、移動体24を幅方向Bに移動させる駆動ユニット26とを備えている。
【0020】
物品測定部22は、処理コンベヤ19よりも搬送方向Aの上流側の投入コンベヤ18の位置で、幅方向Bの一側に対して反対側の幅方向Bの他側に配置されている。物品測定部22は、例えば、物品11に光を照射して反射する光を受光することで距離を測定する距離センサが用いられる。物品測定部22は、転換コンベヤ17から一側面が幅方向Bの一側に幅寄せされて投入コンベヤ18上に搬送された物品11に対して、幅方向Bの一側に幅寄せされた一側面とは反対側の他側面との間の距離を測定し、測定した距離から物品11の幅方向Bの幅寸法を測定する。なお、物品測定部22は、物品11に対する可動ガイド25の移動量を測定するものでもよく、距離センサの他にラインセンサ、カメラなどを使用して寸法を計測することができる。さらに、バーコード、QRコード(登録商標)などの識別コードや、撮影した画像から物品を特定し、特定した物品について登録された寸法データを使用することもできる。
【0021】
また、固定ガイド23は、搬送方向Aに沿って処理コンベヤ19の上方に配設されたガイド板にて構成されており、幅寄せ方向B1と反対側に向いて物品11の一側面をガイドする固定案内面23aを有している。固定ガイド23の搬送方向Aの中間位置には、切断装置14が配置される開放部27が形成されている。この固定ガイド23の開放部27の搬送方向Aの長さは、取り扱う物品11の搬送方向Aの長さよりも短く、固定ガイド23に幅寄せされて搬送方向Aに搬送される物品11が固定ガイド23の開放部27から飛び出したり引っ掛かることなく通過可能とする。なお、固定ガイド23に開放部27を設けるか否かは任意であり、固定ガイド23を連続した1本の部材で構成してもよい。
【0022】
移動体24は、床面などの設置面に設置される固定フレーム29上に、幅方向Bに移動可能に配設されている。固定フレーム29上には、搬送方向Aの上流側と下流側とに離間した位置に、幅方向Bに沿って一対のガイドレール30が配設されている。移動体24は、一対のガイドレール30上に支持され、一対のガイドレール30に沿って幅方向Bに移動可能とする。
【0023】
移動体24は、搬送方向Aに沿って配置されて一対のガイドレール30上に支持される下側移動フレーム31と、この下側移動フレーム31の搬送方向Aに沿った長手方向の両端部から立設されたサイドフレームである一対の支持フレーム32と、これら一対の支持フレーム32上に搬送方向Aに沿って支持された上側移動フレーム33とを備えている。
【0024】
下側移動フレーム31は、断面四角形枠状の筒状に設けられ、その長手方向が搬送方向Aに沿って配設される。下側移動フレーム31の長手方向の両端側には幅方向Bに長いブロックブラケット34が取り付けられ、このブロックブラケット34の長手方向の両端部にガイドレール30に沿って幅方向Bにスライド可能に嵌合する一対のガイドブロック35が取り付けられている。
【0025】
一対の支持フレーム32は、平板状で搬送方向Aに板厚方向を向けて配置される挿通部36を有し、この挿通部36が処理コンベヤ19と投入コンベヤ18との間および処理コンベヤ19と搬出コンベヤ20との間にそれぞれ形成される隙間に挿通配置され、これらコンベヤ18,19,20に干渉することなく幅方向Bに移動可能とするとともに、処理コンベヤ19の上方に上側移動フレーム33を支持する。
【0026】
上側移動フレーム33は、一対の支持フレーム32の上端側に取り付けられ、処理コンベヤ19の上方に配置されている。上側移動フレーム33は、搬送方向Aに沿った長手方向の両端側のプーリ受プレート37と、長手方向の中間で両端側のプーリ受プレートを連結する連結プレート38とを有している。さらに、上側移動フレーム33は、プレート37,38の上方に配設されたトッププレート39を有している。トッププレート39は、上側移動フレーム33の長手方向に沿って長尺状に設けられ、複数のスペーサ40を介して、プレート37,38の上面との間に間隔を空けて配置されている。
【0027】
また、可動ガイド25は、移動体24の上側移動フレーム33に配設され、処理コンベヤ19の上方を幅方向Bに移動可能とするとともに、物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せして固定ガイド23との間に挟み込みながら搬送方向Aに搬送可能とする。可動ガイド25は、サイドベルトコンベヤによって構成されており、無端搬送体であるベルト43と、このベルト43を回行可能に掛け回す複数のプーリ44と、複数のプーリ44のうちの一部の幅寄せ用のプーリ44aを支持して幅寄せ方向B1に付勢する複数の付勢ユニット45と、複数のプーリ44のうちの1つの駆動用のプーリ44bを回転駆動してベルト43を回行させるモータ46とを備えている。なお、ベルト43は、例えば無端状の丸ベルトや平ベルトなどが用いられている。
【0028】
複数のプーリ44は、ベルト43を、上側移動フレーム33から幅寄せ方向B1に突出し、物品11の他側面に当接して案内する可動案内面25aである第1のベルト領域43aと、この第1のベルト領域43aに対して幅寄せ方向B1と反対側で上側移動フレーム33上に配置する第2のベルト領域43bとに掛け回す。
【0029】
第1のベルト領域43aは、複数の付勢ユニット45のプーリ44aによって支持され、搬送方向Aに沿って配置される。第1のベルト領域43aの搬送方向Aの上流側および下流側には、第2のベルト領域43bとの間が傾斜状となる傾斜ベルト領域43cが形成されている。上流側の傾斜ベルト領域43cは、上流側の付勢ユニット45のプーリ44aと上流側のプーリ受プレート37上のプーリ44との間に掛け回され、第2のベルト領域43bから搬送方向Aに向うのに従って幅寄せ方向B1に突出するように傾斜され、投入コンベヤ18から投入される物品11を幅寄せ方向B1に寄せて第1のベルト領域43aに導くように作用する。また、下流側の傾斜ベルト領域43cは、下流側の付勢ユニット45のプーリ44aと下流側のプーリ受プレート37上のプーリ44との間に掛け回され、第1のベルト領域43aから搬送方向Aに向うのに従って幅寄せ方向B1と反対方向に傾斜されている。
【0030】
第2のベルト領域43bは、上流側および下流側のプーリ受プレート37上に回転可能に取り付けられた複数のプーリ44と、連結プレート38上に回転可能に取り付けられた2つのプーリ44と、モータ46の回転軸に連結された駆動用のプーリ44bとに掛け回される。連結プレート38上の2つのプーリ44のうちの一方のプーリ44は、他方のプーリ44に対して搬送方向Aに沿って接近、離反する方向に移動可能とされている。この一方のプーリ44がテークアップ機構によって支持されるとともに他方のプーリ44から離れる方向にテークアップ機構が有するばねによって付勢され、このテークアップ機構によりベルト43に対して常に一定の張力が付与される。なお、テークアップ機構はテークアップボルトの回転によりプーリ44を移動させて張力を調整するようなものでもよい。
【0031】
図3ないし図6に示すように、付勢ユニット45は、トッププレート39の下面側に取り付けられる固定部材49と、この固定部材49の下面側に幅方向Bに移動可能に支持された可動部材50と、この可動部材50と固定部材49との間に配設されて可動部材50を幅寄せ方向B1に付勢する第1の付勢部51と、可動部材50の下面側に取り付けられたプーリ支持部材52と、このプーリ支持部材52の下面側に回転可能に取り付けられたプーリ44aとを備えている。
【0032】
可動部材50は、固定部材49に取り付けられた2本のガイド軸53によって幅方向Bに移動可能に支持されている。
【0033】
プーリ44aは、プーリ支持部材52の幅寄せ方向B1の先端側に取り付けられ、プーリ44aの周辺部の一部がプーリ支持部材52の先端側から幅寄せ方向B1に突出され、ベルト43が係合される。
【0034】
第1の付勢部51は、固定部材49と可動部材50との間に配置されるコイル状の押しばねが用いられ、固定部材49に対してつまりは移動体24に対してプーリ44aおよびこのプーリ44aに係合するベルト43の可動案内面25aを幅寄せ方向B1に付勢する。第1の付勢部51の押しばねは、一端側が固定部材49から突出するばね保持軸49aの周囲に配置され、他端側が可動部材50の端面に設けられた円筒状の凹部50a内に配置され、固定部材49と可動部材50との間に保持されている。
【0035】
複数の付勢ユニット45は、上側移動フレーム33の搬送方向Aに沿った複数位置に例えば等間隔となる所定の間隔で配置され、各プーリ44aが係合するベルト43の部位をそれぞれ独立して支持するとともに可動案内面25aの各領域を幅寄せ方向B1に付勢する。
【0036】
モータ46は、上側移動フレーム33の連結プレート38上に軸方向が垂直状となるように設置されている。モータ46の回転軸が連結プレート38の下方に突出され、この回転軸に駆動用のプーリ44bが連結されている。モータ46は、駆動用のプーリ44bを介して、第1のベルト領域43aが搬送方向Aに移動するようにベルト43を回行させる。
【0037】
また、駆動ユニット26は、固定フレーム29上に配設された駆動部55を備えている。駆動部55は、固定フレーム29上で一対のガイドレール30間の位置に幅方向Bに沿って配設されるシリンダ部(本体部)56と、このシリンダ部56上を幅方向Bに移動する移動部57と、シリンダ部56を駆動して移動部57を幅方向Bに移動させるモータ58とを備えている。駆動部55は、移動部57が幅寄せ方向B1に対して反対方向に移動した位置を原点位置とし、物品測定部22で測定された物品11の幅寸法に基づいて幅寄せ装置13の制御部から入力される移動量に応じて、モータ58が所定量回転し、移動部57が原点位置から幅寄せ方向B1に所定量移動して停止する。駆動部55は、例えば、シリンダ部56内に配設されるボールねじをモータ58で回転させることにより、ボールねじに螺合するナット部材を介して移動部57が幅方向Bに移動する。
【0038】
駆動ユニット26は、移動部57の幅方向Bへの移動により、下側移動フレーム31を介して移動体24を幅方向Bに移動させる。駆動部55の移動部57と下側移動フレーム31との間には、駆動伝達機構59が配設されている。
【0039】
図7ないし図9に示すように、駆動伝達機構59では、駆動部55の移動部57上に移動台60が取り付けられ、この移動台60上で幅方向Bの両側に断面略Lの字形のブラケット61が複数取り付けられ、これらブラケット61によって下側移動フレーム31の幅方向Bの両側面に対向して当接可能な位置にストッパ62が配設されている。ストッパ62は、ブラケット61に対して、下側移動フレーム31に対向する方向へ向けた突出寸法を調整可能とする。幅方向Bに対向するストッパ62間の距離は、下側移動フレーム31の幅方向Bの両外側面間の距離よりも大きい。そのため、駆動伝達機構59は、駆動部55の移動部57と下側移動フレーム31を固定するのではなく、幅方向Bに所定の範囲内で遊動可能とする。
【0040】
移動台60上には幅寄せ方向B1の一側からアーム63が立設され、下側移動フレーム31上には取付部材64が取り付けられ、これらアーム63と取付部材64との間には移動体24を幅寄せ方向B1に付勢する第2の付勢部65が配設されている。第2の付勢部65は、複数の引張ばねを備え、これら引張ばねがアーム63の先端側と取付部材64との間に並列に張設されている。
【0041】
第2の付勢部65は、図7および図9(a)に示すように、幅寄せ方向B1に位置するストッパ62と下側移動フレーム31とが相対的に近付く方向に付勢力(複数の引張ばねの合成付勢力)を有しており、固定ガイド23と可動ガイド25との間に物品11を挟み込んでいない状態において、幅寄せ方向B1側のストッパ62と下側移動フレーム31とが当接状態となるように予め付勢力が加わっている。
【0042】
第1の付勢部51と第2の付勢部65との付勢力の関係は、1つの第1の付勢部51の付勢力は第2の付勢部65の付勢力(複数の引張ばねの合成付勢力)よりも小さく、また、複数の第1の付勢部51の合成付勢力は第2の付勢部65の付勢力(複数の引張ばねの合成付勢力)よりも大きく、もしくは、同等あるいは小さくてもよい。なお、固定ガイド23と可動ガイド25とで物品11を挟持した際に物品11の全体または局所にかかる挟持圧力が第1の圧力範囲内の場合に、第1の付勢部51の付勢力に抗して可動ガイド25の可動案内面25aが幅寄せ方向B1と反対方向に移動することで、可動ガイド25を移動させることなく物品11にかかる圧力を軽減し、また、挟持圧力が第1の圧力範囲を超えた第2の圧力に至ると、可動ガイド25自体が第2の付勢部65の付勢力に抗して幅寄せ方向B1と反対に移動して物品11にかかる圧力を軽減するように第1の付勢部51と第2の付勢部65との付勢力のバランスを調整することが好ましい。
【0043】
移動台60上には、下側移動フレーム31よりも幅寄せ方向B1に対して反対側に、検知部67が配設されている。検知部67は、検知光を投光する投光部67aとこの投光部67aから投光された検知光を受光する受光部67bとを有し、これら投光部67aと受光部67bが搬送方向Aに沿って検知光を投受光するように、移動台60上に立設された略Lの字形のブラケット68で支持されている。下側移動フレーム31の幅寄せ方向B1に対して反対側の側面には、投光部67aと受光部67bの間で検知光を遮ることが可能な高さ位置に、ドグ69が取り付けられている。駆動部55の移動部57が幅寄せ方向B1に移動する移動時において、固定ガイド23と可動ガイド25との間に物品11を挟み込むと、移動部57とともに第2の付勢部65を介して幅寄せ方向B1に移動していた移動体24の移動が止まるため、図9(b)に示すように、幅寄せ方向B1に継続して移動する移動部57に対して第2の付勢部65の引張ばねが伸長し、そして、移動部57が第2の付勢部65に抗して幅寄せ方向B1に所定量以上移動し、検知部67の検知光がドグ69で遮られると、検知部67は幅寄せ方向B1へ向けた可動ガイド25の幅寄せが完了した押圧状態を検知する。
【0044】
また、図10に示すように、切断装置14は、切断部72と、この切断部72の位置を調整する調整機構73とを備えている。
【0045】
切断部72は、例えば超音波カッターが用いられ、刃先72aに振動を与え、処理コンベヤ19上を搬送方向Aに搬送される物品11の底面部と側面部との間の1辺に刃先72aを押し当てて切断する。
【0046】
調整機構73は、固定ガイド23の開放部27に切断部72を配置するように、処理コンベヤ19のコンベヤフレーム19aに取り付けられる。調整機構73は、コンベヤフレーム19aに取り付けられる一対の固定部材74と、この固定部材74に対して上下方向に位置調整可能に取り付けられる一対の上下方向調整部材75と、切断部72を支持し、上方向下調整部材75に対して幅方向Bに位置調整可能に取り付けられる幅方向調整部材76とを備えている。
【0047】
上下方向調整部材75は、取付板部77と支持板部78とを有する断面略Lの字形に形成されている。取付板部77に上下方向に長い長孔79が複数設けられ、これら長孔79および固定部材74を挿通する複数のボルトとこのボルトの先端側に螺着される複数のナットにより、上下方向調整部材75が上下方向に位置調整可能に取り付けられる。支持板部78には幅方向Bに長い長孔80が複数設けられ、これら長孔80および幅方向調整部材76を挿通する複数のボルトとこのボルトの先端側に螺着される複数のナットにより、幅方向調整部材76が幅方向Bに位置調整可能に取り付けられる。さらに、固定部材74には、上下方向調整部材75を上下方向にスライド可能にガイドし、上下方向調整部材75の下限位置を規制するスライドガイド81が取り付けられている。
【0048】
幅方向調整部材76は、切断部72を取り付けるスライドガイド82と、このスライドガイド82の両端に上下方向調整部材75に連結される連結板部83とを有する断面略コの字形に形成されている。連結板部83は、上下方向調整部材75の長孔80を挿通するボルトが挿通され、このボルトが長孔80内を移動可能とする範囲内で幅方向Bの位置を調整可能とする。さらに、上下方向調整部材75の支持板部78には幅方向調整部材76の連結板部83を幅方向Bにスライド可能に支えるスライドガイド84が取り付けられている。
【0049】
このように構成された調整機構73により、切断部72の刃先72aの上下方向の位置および幅方向Bの位置を各スライドガイド81、82に沿って動かすことで任意の位置に調整可能とし、物品11の底面部と側面部との間の1辺を適切に切断できる位置に切断部72を容易に配置できる。
【0050】
次に、開梱装置10の全体の動作を説明する。
【0051】
図1および図2において、転換コンベヤ17に上流側より幅方向Bの他側から搬入される物品11を、転換コンベヤ17の幅方向Bの一側の所定位置に幅寄せするように搬送した後、搬送方向を投入コンベヤ18に向けた搬送方向Aに転換して搬送する。
【0052】
投入コンベヤ18は、幅方向Bの一側に幅寄せされた物品11を転換コンベヤ17から受け入れて幅方向Bの一側に幅寄せした状態で搬送方向Aに搬送し、処理コンベヤ19上での開梱処理の完了毎に物品11を処理コンベヤ19に順次投入する。
【0053】
投入コンベヤ18の箇所においては、物品測定部22により、転換コンベヤ17から一側面が幅方向Bの一側に幅寄せされて投入コンベヤ18上に搬送された物品11に対して、幅方向Bの一側に幅寄せされた一側面とは反対側の他側面との間の距離を測定し、測定した距離から物品11の幅方向Bの幅寸法を測定(算出)する。
【0054】
処理コンベヤ19の位置に配置される幅寄せ装置13では、物品測定部22の測定結果に基づいて、処理コンベヤ19上に投入コンベヤ18から次に投入さる物品11を幅寄せ方向B1に幅寄せする幅寄せ動作を実行する。なお、この幅寄せ動作の詳細については後述する。この幅寄せ動作により、可動ガイド25が物品11を固定ガイド23に幅寄せして挟み込む。モータ46の駆動により可動ガイド25のベルト43が回行し、このベルト43の回行と処理コンベヤ19のベルトの回行により、幅寄せ方向B1に幅寄せした状態の物品11を固定ガイド23に沿って搬送方向Aに搬送する。
【0055】
処理コンベヤ19上を幅寄せ方向B1に幅寄せされながら搬送される物品11の一側面側の底面部と側面部との間の1辺を切断装置14により切断する開梱処理を実行する。
【0056】
この開梱処理が完了した物品11は、処理コンベヤ19から搬出コンベヤ20に搬送し、この搬出コンベヤ20から次工程に搬出する。
【0057】
次に、図11のフローチャートを参照して、幅寄せ装置13の具体的な幅寄せ動作の一例を説明する。
【0058】
投入コンベヤ18上で物品測定部22の上流側に配置されたセンサ、または物品測定部22により、投入コンベヤ18上を搬送方向Aに搬送される物品11を検知すると(ステップS1のYES)、物品測定部22により物品11の幅方向Bの幅寸法を測定する(ステップS2)。
【0059】
幅寄せ装置13の制御部は、投入コンベヤ18から処理コンベヤ19に投入される物品11の幅寸法に所定の幅αの寸法分を加算した第1間隔を求め、可動ガイド25の移動距離を算出したうえで、固定ガイド23と可動ガイド25の間隔が求めた第1間隔となる第1幅寄せ位置まで、幅寄せ方向B1への可動ガイド25の第1移動を開始させる(ステップS3)。この第1移動では、物品11を固定ガイド23と可動ガイド25との間に挟み込まないため、可動ガイド25を速く動かすようにしてもよい。
【0060】
可動ガイド25の第1幅寄せ位置への移動の際には、駆動部55のモータ58が所定量回転し、移動部57が原点位置から幅寄せ方向B1に所定量移動し、この移動部57とともに第2の付勢部65を介して移動体24が幅寄せ方向B1に移動し、移動体24上の可動ガイド25が第1幅寄せ位置に移動する。
【0061】
移動部57とともに第2の付勢部65を介して移動体24が幅寄せ方向B1に移動する際、第2の付勢部65では幅寄せ方向B1側のストッパ62と下側移動フレーム31とが当接状態となるように予め付勢力が加わっているため、移動部57とともに可動ガイド25を安定して移動させることができる。
【0062】
可動ガイド25が第1幅寄せ位置に移動する第1移動が完了したら(ステップS4のYES)、所定時間経過するまで待機する(ステップS5のNO)。この待機中に、投入コンベヤ18から処理コンベヤ19に投入される物品11が固定ガイド23と可動ガイド25との間に搬送される。待機する所定時間は、投入コンベヤ18から投入される物品11が固定ガイド23と可動ガイド25との間に搬送されるまでに必要な時間である。なお、第1移動の完了後、物品11の一部または全部が処理コンベヤ19に進入したことをセンサにより検知するまで待機するようにしてもよい。
【0063】
可動ガイド25が第1移動で移動した第1幅寄せ位置では、固定ガイド23と可動ガイド25との間の間隔が物品11の幅方向Bの幅寸法よりも幅α分だけ広いため、固定ガイド23と可動ガイド25との間に搬送される物品11を受け入れ易くできる。なお、第1幅寄せ位置に移動した可動ガイド25のベルト43を回行させ、物品11をより受け入れ易くしてもよい。
【0064】
可動ガイド25が第1幅寄せ位置に移動する第1移動が完了してから所定時間が経過したら(ステップS5のYES)、固定ガイド23と可動ガイド25との間の間隔が物品測定部22で測定された物品11の幅寸法から所定の幅βの寸法分を減算した第2間隔となる第2幅寄せ位置まで、幅寄せ方向B1への可動ガイド25の第2移動を開始させる(ステップS6)。
【0065】
可動ガイド25の第1幅寄せ位置から第2幅寄せ位置への移動の際には、駆動部55のモータ58が所定量回転し、移動部57が第1幅寄せ位置から幅寄せ方向B1に所定量移動し、この移動部57とともに第2の付勢部65を介して移動体24が幅寄せ方向B1に移動し、移動体24上の可動ガイド25が第2幅寄せ位置へ向けて移動する。
【0066】
可動ガイド25の第2幅寄せ位置への移動中は、固定ガイド23と可動ガイド25との間で物品11を挟み込むことで検知部67が押圧状態を検知したか(ステップS7)、可動ガイド25が第2幅寄せ位置に移動して第2移動が完了したか(ステップS8)、を監視する。
【0067】
ステップS7で検知部67が押圧状態を検知したら(ステップS7のYES)、幅寄せ方向B1へ向けた可動ガイド25の幅寄せが完了したものと判断し、駆動部55のモータ58を停止し、幅寄せ方向B1へ向けた可動ガイド25の第2移動を停止させる(ステップS9)。
【0068】
また、物品測定部22で測定された物品11の幅方向Bの幅寸法が、実際の物品11の幅方向Bの幅寸法よりも多少大きい場合などには、検知部67が押圧状態を検知しないまま、可動ガイド25が第2幅寄せ位置に移動して第2移動が完了する(ステップS8のYES)。この場合、幅寄せ方向B1への可動ガイド25の第3移動を開始させる(ステップS10)。
【0069】
可動ガイド25の第3移動中は、固定ガイド23と可動ガイド25との間で物品11を挟み込むことで検知部67が押圧状態を検知したかを監視する(ステップS11)。
【0070】
検知部67が押圧状態を検知したら(ステップS11のYES)、幅寄せ方向B1へ向けた可動ガイド25の幅寄せが完了したものと判断し、駆動部55のモータ58を停止し、幅寄せ方向B1へ向けた可動ガイド25の第3移動を停止させる(ステップS12)。
【0071】
なお、第1、第2、第3移動の可動ガイド25の移動速度は第1移動>第2移動≧第3移動とすることができ、可動ガイド25を、物品11に当接しない第1移動では第1速度で移動させ、第2移動では物品11に接触するので第1速度よりも遅い第2速度で移動させ、第3移動は物品11に接触するまで移動させるため第2速度または第2速度よりも遅い第3速度で動作させる。第2移動では、可動ガイド25は所定の距離だけ移動するので、物品を過度に押し付けてしまう可能性が低いが、第3移動では第2状態で物品11に可動ガイド25が既に接近している状態で所定の移動距離を使用せずに押圧状態の検知まで動かすことになる。そこで、第3移動は、第2速度によって、第2速度のまま移動を行ってもよいし、第3移動の速度を第2速度よりも遅い速度としてもよい。
【0072】
そして、幅寄せが完了した可動ガイド25は、物品11を固定ガイド23に幅寄せして固定ガイド23との間に所定の挟持圧力(第2の圧力)で挟み込む。可動ガイド25のベルト43の回行と処理コンベヤ19のベルトの回行により、幅寄せ方向B1に幅寄せした状態の物品11を固定ガイド23に沿って搬送方向Aに搬送する。この搬送方向Aに搬送する物品11の幅方向Bの一側面側の底面部と側面部との間の1辺を切断装置14により切断する。
【0073】
また、搬送方向Aに搬送する物品11の幅方向Bの側面に凹凸やゆがみなどが存在する場合もあるが、これらの影響は搬送方向Aに沿って配置される複数の付勢ユニット45の各第1の付勢部51により吸収される。例えば、物品11の幅方向Bの側面の凹箇所に対しては、第1の付勢部51の押しばねが伸長してベルト43を凹箇所に進出させ、また、凸箇所に対しては、第1の付勢部51の押しばねが圧縮してベルト43を幅寄せ方向B1と反対方向に後退させる。したがって、搬送方向Aに搬送する物品11の幅方向Bの側面に存在する凹凸やたわみなどの影響に対して、各第1の付勢部51によって吸収され、物品11の側面を過剰に押圧したり押圧不足による幅寄せ不良が生じるのが防止される。
【0074】
また、ステップS9またはステップS12で可動ガイド25の移動を停止させた後、処理コンベヤ19上の下流側のセンサにより開梱処理が施された物品11の通過が検知されれば(ステップS13のYES)、可動ガイド25を初期位置に復帰させ(ステップS14)、次の物品11の幅寄せ処理に待機または移行する。
【0075】
次に、図12のフローチャートを参照して、幅寄せ装置13の具体的な幅寄せ動作の他の例を説明する。なお、ステップS21~S25については、上述したステップS1~S5と同様であるため、その説明を省略する。
【0076】
可動ガイド25が第1幅寄せ位置に移動する第1移動が完了してから所定時間が経過したら(ステップS25のYES)、固定ガイド23と可動ガイド25との間の間隔が物品測定部22で測定された物品11の幅寸法である第2間隔となる第2幅寄せ位置まで、幅寄せ方向B1への可動ガイド25の第2移動を開始させる(ステップS26)。
【0077】
可動ガイド25の第1幅寄せ位置から第2幅寄せ位置への移動の際には、駆動部55のモータ58が所定量回転し、移動部57が第1幅寄せ位置から幅寄せ方向B1に所定量移動し、この移動部57とともに第2の付勢部65を介して移動体24が幅寄せ方向B1に移動し、移動体24上の可動ガイド25が第2幅寄せ位置に移動する。
【0078】
可動ガイド25の第2幅寄せ位置への移動中は、検知部67が過負荷を検知するか監視する(ステップS27)。物品測定部22で測定された物品11の幅方向Bの幅寸法が実際の物品11の幅方向Bの幅寸法と略同じで、物品11が正常に幅寄せされる場合には、可動ガイド25の第2幅寄せ位置への移動中に検知部67が過負荷を検知することはない。
【0079】
可動ガイド25が第2幅寄せ位置に移動して第2移動が完了したら(ステップS28のYES)、検知部67が過負荷を検知するか(ステップS29)、処理コンベヤ19上の下流側のセンサにより物品11の通過が検知されるか(ステップS30)を監視する。
【0080】
そして、第2幅寄せ位置に移動した可動ガイド25は、物品11を固定ガイド23に幅寄せして固定ガイド23との間に挟み込む。可動ガイド25のベルト43の回行と処理コンベヤ19のベルトの回行により、幅寄せ方向B1に幅寄せした状態の物品11を固定ガイド23に沿って搬送方向Aに搬送する。この搬送方向Aに搬送する物品11の幅方向Bの一側面側の底面部と側面部との間の1辺を切断装置14により切断する。
【0081】
また、搬送方向Aに搬送する物品11の幅方向Bの側面に凹凸やゆがみなどが存在する場合もあるが、これらの影響は搬送方向Aに沿って配置される複数の付勢ユニット45の各第1の付勢部51により吸収される。例えば、物品11の幅方向Bの側面の凹箇所に対しては、第1の付勢部51押しばねが伸長してベルト43を凹箇所に進出させ、また、凸箇所に対しては、第1の付勢部51の押しばねが圧縮してベルト43を幅寄せ方向B1と反対方向に後退させる。したがって、搬送方向Aに搬送する物品11の幅方向Bの側面に存在する凹凸やたわみなどの影響に対して、各第1の付勢部51によって吸収され、物品11の側面を過剰に押圧したり押圧不足による幅寄せ不良が生じるのが防止される。
【0082】
また、物品測定部22で測定された物品11の幅方向Bの幅寸法が、実際の物品11の幅方向Bの幅寸法よりも多少小さい場合などには、固定ガイド23との間に物品11を挟み込むことで可動ガイド25の幅寄せ方向B1への移動が止まった後、つまり移動体24の移動が止まった後も、移動部57が幅寄せ方向B1に少し移動するが、この移動部57と移動体24との間の第2の付勢部65の引張ばねが伸長することにより、物品11が押し潰されるような過剰な負荷が物品11に加わるのが軽減される。
【0083】
物品測定部22で測定された物品11の幅方向Bの幅寸法が、実際の物品11の幅方向Bの幅寸法と略同じか多少異なる程度で、物品11が正常に幅寄せされるとともに搬送方向Aに正常に搬送される場合には、処理コンベヤ19上の下流側のセンサにより物品11の通過が検知されるまでに、検知部67が過負荷を検知することはない。
【0084】
検知部67が過負荷を検知せず(ステップS29のNO)、処理コンベヤ19上の下流側のセンサにより物品11の通過が検知されれば(ステップS30のYES)、可動ガイド25を初期位置に復帰させ(ステップS31)、次の物品11の幅寄せ処理に待機または移行する。
【0085】
また、ステップS27において、可動ガイド25の第2幅寄せ位置への移動中に、検知部67が過負荷を検知する場合がある。これは、物品測定部22で測定された物品11の幅方向Bの幅寸法が、実際の物品11の幅方向Bの幅寸法よりも比較的小さかった場合などである。このような場合、幅寄せ方向B1に移動する可動ガイド25のベルト43が物品11を固定ガイド23に幅寄せし、この固定ガイド23との間に物品11を挟み込んだ後も、駆動部55の移動部57は幅寄せ方向B1への移動を継続する。そのため、図9(b)に示すように、固定ガイド23との間に物品11を挟み込むことで可動ガイド25の幅寄せ方向B1への移動が止まった後、つまり移動体24の移動が止まった後、幅寄せ方向B1への移動が継続される移動部57に対して第2の付勢部65の引張ばねが伸長し、さらに、移動部57が第2の付勢部65の付勢に抗して幅寄せ方向B1に所定量以上移動し、検知部67の検知光をドグ69で遮ることにより、検知部67は移動部57が幅寄せ方向B1に過剰に移動した過負荷の状態を検知する。
【0086】
検知部67が過負荷を検知すると(ステップS27のYES)、駆動部55のモータ58が幅寄せ時とは逆方向に回転し、移動部57の幅寄せ方向B1と反対方向への移動を開始させる(ステップS32)。
【0087】
移動部57が幅寄せ方向B1と反対方向への移動を開始してから、検知部67が過負荷を検知しなくなれば(ステップS33のYES)、移動部57の移動を停止し、ステップS28に進む。これにより、物品11が加わる負荷が軽減され、物品11が適切に幅寄せされる。
【0088】
また、ステップS29において、可動ガイド25が第2幅寄せ位置に移動する第2移動が完了してから、処理コンベヤ19上の下流側のセンサにより物品11の通過が検知されるまでの間に、検知部67が過負荷を検知する場合がある。これは、例えば、物品11の幅方向Bの幅寸法が搬送方向Aの下流側が広くなっているような異形であったり、搬送中の物品11が搬送方向Aに対して斜めになるなどの搬送の不具合などによる場合がある。このような場合、可動ガイド25に幅寄せ方向B1と反対方向への負荷が加わるが、図9(b)に示すように、第2の付勢部65の引張ばねが伸長することにより、駆動部55の移動部57に対して、可動ガイド25と一緒に移動体24が幅寄せ方向B1と反対方向に移動するのが許容され、物品11が押し潰されるような過剰な負荷が物品11に加わるのが軽減される。さらに、移動体24が第2の付勢部65の付勢に抗して幅寄せ方向B1と反対方向に所定量以上移動し、ドグ69で検知部67の検知光を遮ると、検知部67が過負荷を検知する。
【0089】
検知部67が過負荷を検知すると(ステップS29のYES)、駆動部55のモータ58が幅寄せ時とは逆方向に回転し、移動部57の幅寄せ方向B1と反対方向への移動を開始させる(ステップS34)。
【0090】
移動部57が幅寄せ方向B1と反対方向への移動を開始してから、検知部67が過負荷を検知しなくなれば(ステップS35のYES)、移動部57の移動を停止し、ステップS29に戻る。これにより、物品11が加わる負荷が軽減され、物品11が適切に幅寄せされる。ステップS29に戻ることで、再び、検知部67が過負荷を検知すれば、ステップS34に進み、移動体24を幅寄せ方向B1と反対方向に移動させる。
【0091】
このように、図12に示す幅寄せ装置13の幅寄せ動作の他の例では、検知部67で過負荷を検知し、移動部57を幅寄せ方向B1に対して反対方向に移動させることにより、過剰な幅寄せを解消し、物品11を適切に幅寄せできる。
【0092】
そして、幅寄せ装置13では、搬送方向Aに沿って移動体24の複数位置に設けられた各第1の付勢部51によって可動ガイド25のベルト43の可動案内面25aを幅寄せ方向B1に独立して付勢することにより、物品11の幅方向Bの側面の凹凸やたわみなどの影響を吸収することができ、さらに、第2の付勢部65によって移動体24の全体を幅方向に付勢することにより、移動体24の幅寄せ方向B1への過剰な移動などの影響を吸収することができ、物品11を適切に幅寄せできる。
【0093】
また、1つの第1の付勢部51の付勢力は第2の付勢部65の付勢力よりも小さく、複数の第1の付勢部51の合成付勢力は第2の付勢部65の付勢力よりも大きい関係にあることにより、各第1の付勢部51での物品11の幅方向Bの側面の凹凸やたわみ、または物品11の一側面に対して何らかの処理をしている際に物品11が幅寄せ方向B1と反対方向へ逸れようとする挙動などのような比較的小さい負荷の吸収と、第2の付勢部65での移動体24の幅寄せ方向B1への過剰な移動など比較的大きい負荷の吸収との両方を実現でき、物品11を適切に幅寄せできる。
【0094】
また、駆動部55の移動部57が移動することに伴って、移動体24が幅方向Bに移動するとともに、幅寄せ方向B1には第2の付勢部65を介して移動することにより、移動体24の幅寄せ方向B1への移動に負荷が加わっても、その負荷を第2の付勢部65によって吸収でき、物品11を適切に幅寄せできる。
【0095】
なお、固定ガイド23を回行するベルトで構成し、可動ガイド25をローラやガイド板などで構成してもよい。
【0096】
また、幅寄せ装置13は、開梱装置10に限らず、物品11の所定位置にラベルを貼り付けるラベル貼り装置など、物品11を幅寄せして処理する各種の物品処理装置に適用できる。
【0097】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0098】
11 物品
13 幅寄せ装置
23 固定ガイド
24 移動体
25 可動ガイド
25a 可動案内面
51 第1の付勢部
55 駆動部
57 移動部
65 第2の付勢部
67 検知部
A 搬送方向
B 幅方向
B1 幅寄せ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12