(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065391
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】食品収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/24 20060101AFI20240508BHJP
B65D 5/64 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B65D5/24
B65D5/64 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174233
(22)【出願日】2022-10-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】522426087
【氏名又は名称】株式会社インターナショナルシステムパッケージング
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勇
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA07
3E060AB15
3E060BA22
3E060BC04
3E060CG12
3E060DA18
3E060EA13
(57)【要約】
【課題】隅部におけるフランジ部の体裁が良好で、容器自体の開口部をトップシールフィルムによって覆っても容器内外の空気流を阻止し、収納食品の鮮度維持も図れる。
【解決手段】ヒートシール能を有してコーティングした厚紙状物によって、底側壁2の周囲に連設形成した複数の側面片3,4を立脚すると共に、隣接する側面片3,4間に設けた折込片5を挟んで側面片3,4相互を重ね合わせて容器本体1を形成する。側面片3,4には容器本体1の外方に延びるフランジ部6,7を形成し、隣接するフランジ部6,7間に設けたフランジ折込片8を挟んでフランジ部6,7相互を重ね合わせて貼着連結し、フランジ折込片8の上端縁はフランジ部6,7の内部に位置させる。フランジ折込片8は、前記折込片5に連設形成し、フランジ部6,7の重ね合わせ部位には、フランジ折込片8がある三重部分と、フランジ部6,7のみが重ね合わせられた二重部分とを設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁の周囲に連設形成した複数の側面片を立脚すると共に、隣接する側面片間に設けた折込片を挟んで側面片相互を重ね合わせて形成した容器本体から成る食品収納容器において、側面片には容器本体の外方に延びるフランジ部を形成し、隣接するフランジ部間に設けたフランジ折込片を挟んでフランジ部相互を重ね合わせて貼着連結し、フランジ折込片の上端縁はフランジ部の内部に位置していることを特徴とする食品収納容器。
【請求項2】
フランジ折込片は、前記折込片に連設形成してある請求項1に記載の食品収納容器。
【請求項3】
フランジ部の重ね合わせ部位には、フランジ折込片がある三重部分と、フランジ部のみが重ね合わせられた二重部分とが設けられている請求項1に記載の食品収納容器。
【請求項4】
二重部分は、トップシールフィルムが接合されるに足る幅員を有している請求項3に記載の食品収納容器。
【請求項5】
フランジ折込片の上端縁は、前記折込片との境界に対し傾斜形成してある請求項1または2に記載の食品収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパルプ材料から形成された厚紙状物を素材とする容器、例えばトレー、弁当容器等において、その素材である厚紙状物によってフランジ部を有して例えば平面矩形状に折込成形する場合、隅部におけるフランジ部においてドリップ等が生じることなく体裁が良好で、しかも容器自体の開口部を薄肉フィルム材にてトップシールしても容器内外の空気流を阻止し、収納食品の鮮度維持も図れるようにした食品収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、本発明者は、合成樹脂素材製の食品容器その他の使用後の廃棄に伴う償却処理で発生する有害ガス、微粉砕化による海洋汚染、更には生物に対する様々な悪影響その他を解消すべく、容器自体をパルプ素材によって構成することを種々に検討し、研究を重ねている。
【0003】
その一方、紙を素材として各種の食品用容器が提案されており、例えば特許文献1の紙容器用ブランクと紙容器、特許文献2の食料品収納用容器等がある。特許文献1の紙容器は、周囲壁となる折り込み接合板相互間に形成される隙間となる狭窄路を、その途中部で位置ズレさせるよう形成して成るとする。特許文献2の食料品収納用紙器は、底板周囲の側板相互間に設けた扇形部片を三つ折りして貼着して周囲壁を形成した容器とすると共に、容器上縁に囲りぶち片を固着して成るとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-28346号公報
【特許文献2】実開昭55-72614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記の特許文献1の紙容器では、狭窄路の位置ズレ構成は面倒であり、またそのフランジ構成は隣接するフランジ部を重ね合わせるときに折り込まれる折込部分はフランジ部の幅員とほぼ同幅であるから、フランジ部全体では肉厚となって他部位との間で段差が生じる。そのため、例えばトップシールフィルムで開口部を覆う場合、生じている段差によって密着せず、容器内外で空気流が生じて収納した食品等の鮮度を維持できなくなるから、容器全体をラッピングする必要がある。
【0006】
特許文献2の食料品収納用紙器では、四隅において重ね合わせて接合している囲りぶち片において、この囲りぶち片の端縁から繋げた延長部分を挟み込んで重ね合わせていることで、重ね合わせ部分では肉厚となって他部位との間で段差が生じる。そのため、上記した特許文献1におけると同様な不都合がある。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、パルプ素材等の紙資材を素材して成形される食品容器において、隅部において隣接する側面片を連結させるよう側面片相互間で折り込まれる折込片と同様に、フランジ部を連結させるよう挟み込んで折り込まれるフランジ折込片の上端縁をフランジ部の内部に位置させることで、容器本体内に収納した食品等から滲出される液状成分の外部へのドリップ等による漏出、汚損を防止すると共に、隅部におけるフランジ部を補強して容器の保形性を維持し、またフランジ部相互の連結部位において段差を生じさせず、容器本体の開口部のみを覆うトップシールフィルムによっても容器内外の空気流が阻止され、収納食品の鮮度をも維持でき、フィルム使用を節減できるようにした食品収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明における食品収納容器にあっては、パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁2の周囲に連設形成した複数の側面片3,4を立脚すると共に、隣接する側面片3,4間に設けた折込片5を挟んで側面片3,4相互を重ね合わせて形成した容器本体1から成る食品収納容器において、側面片3,4には容器本体1の外方に延びるフランジ部6,7を形成し、隣接するフランジ部6,7間に設けたフランジ折込片8を挟んでフランジ部6,7相互を重ね合わせて貼着連結し、フランジ折込片8の上端縁はフランジ部6,7の内部に位置していることを特徴とする。
なお、本発明において、パルプ材料とは、パルプのみならず、パルプを主成分とする植物性繊維材料、竹材、再生紙その他を含む紙材料をいう。
フランジ折込片8は、前記折込片5に連設形成して構成することができる。
フランジ部6,7の重ね合わせ部位には、フランジ折込片8がある三重部分と、フランジ部6,7のみが重ね合わせられた二重部分とが設けられて構成することができる。
二重部分は、トップシールフィルムTが接合されるに足る幅員を有して構成することができる。
フランジ折込片8の上端縁は、前記折込片5との境界に対し傾斜形成して構成することができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る食品収納容器にあって、容器本体1における底側壁2の周囲に立脚した隣接する側面片3,4は折込片5を挟んだ状態で重ね合わせられ、隣接するフランジ部6,7相互間はおフランジ折込片8を挟んで重ね合わせられることで連結され、ボックス状の容器本体1を形成させる。
重ね合わせられているフランジ部6,7に挟み込まれたフランジ折込片8の上端縁は、フランジ部6,7の内部に位置することで、折込片5にフランジ折込片8を連設形成したことと相俟ち、容器本体1に収納した食品Fから滲出した例えば肉汁等の液状成分はフランジ部6,7相互の貼着連結部位に進入せず、フランジ部6,7を汚損させない。
フランジ部6,7におけるフランジ折込片8を重ね合わせられた三重部分は、フランジ部6,7自体の強度を増大させ、容器本体1の保形性を維持させ、フランジ部6,7に接合させて容器本体1の開口部を覆うトップシールフィルムTによっても容器本体1をゆがませない。
フランジ部6,7における二重部分は、トップシールフィルムTを接合させるに際し、容器本体1の周囲のフランジ部6,7との段差を小さくし、接合させるトップシールフィルムTとフランジ部6,7の上面とに間隙を生じさせず、容器本体1内外の空気流を阻止して収納した食品Fの鮮度を維持させる。
折込片5との境界に対して傾斜形成されたフランジ折込片8の上端縁は、重ね合わせられているフランジ部6,7相互の上面において、容器本体1の内外方向ではなだらかな傾斜面を形成し、トップシールフィルムTの接合を強固にさせる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上説明したように構成されているため、側面片3,4から外方に形成されて隣接するフランジ部6,7相互をフランジ折込片8を挟み込み、このフランジ折込片8の上端縁をフランジ部6,7の内部に位置させてあることで、容器本体1内に収納した食品F等が浸出する液状成分の外部への漏出、汚損を防止することができる。そればかりでなく、隅部におけるフランジ部6,7を補強し、フランジ部6,7相互の連結部位において段差を生じさせず、容器本体1の開口部のみを覆うトップシールフィルムTによっても容器内外の空気流が阻止され、収納した食品Fの鮮度をも維持できるのであり、しかも、容器全体を覆うラッピング式に比しフィルム使用を大きく節減できる利点もある。
【0011】
また、容器本体1内に収納した食品Fから滲出する肉汁その他の液状成分は、重ね合わせたフランジ部6,7がフランジ折込片8を挟み込み貼着されていることで、素材の切断端面はフランジ部6,7の内部に隠蔽されることになり、フランジ部6,7の内部に液状成分が浸入せず、外部へのドリップ等の漏出はもとより、容器自体を汚損させることもない。
【0012】
重ね合わせたフランジ部6,7には、フランジ折込片8が挟み込まれた三重部分があることで、フランジ部6,7自体の強度を増大させ、ひいては容器本体1の保形性を維持し、トップシールフィルムTによって容器本体1の開口部を覆っていても容器自体をゆがませず、包装形態を良好に維持する。
【0013】
また、隅部で重ね合わせたフランジ部6,7には、フランジ部6,7のみが重ね合わせられた二重部分が設けられていることで、フランジ部6,7における他部位との間での段差も小さく、容器本体1の開口部を覆ってフランジ部6,7に接合されるトップシールフィルムTとの間で容器本体1内外の空気流を生じさせず、容器本体1に収納した食品Fの鮮度を維持させることができる。
【0014】
しかも、フランジ折込片8の上端縁は、折込片5との境界に対し傾斜形成されていることで、フランジ折込片8を挟み込んで重ね合わせたフランジ部6,7の上面では、容器本体1の内外方向でその上面をなだらかにしている。そのため、トップシールフィルムTをフランジ部6,7に接合してもなだらかとなり、容器内外の空気流を一層阻止することができる。
【0015】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明を実施するための一形態を示す使用状態の斜視図である。
【
図2】同じく(A)、(B)、(C)、(D)、(E)それぞれは容器本体における折込部分の展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストアその他の店頭で販売される魚、肉、野菜、惣菜等の各種の食品Fを収納するようにした容器本体であり、所定肉厚の紙材等を折曲成型することで例えばボックス状に形成されている。
【0018】
この容器本体1自体は、例えばパルプ材料から厚紙状物を形成し、この厚紙状物にヒートシール能を有する熱可塑性樹脂をコーティングした容器素材によって、例えば矩形状を呈する底側壁2の前後、左右に側面片3,4を折曲立脚して成る。すなわち、底側壁2の側縁から連設されていて、四隅において相互に隣接する側面片3,4相互間に設けた折込片5を折り込み状に挟み込んで重ね合わせることで、側面片3,4それぞれが所定の角度で底側壁2の側縁から立脚状となるボックス状に形成されている。
【0019】
容器本体1の形成素材はヒートシール能を有することで、折り込み時の加熱によって折込部分等は重ね合わせた状態で接合される。また、平面から見て矩形状であるとき、対向する一方が先ず折り込まれ、ついで対向する他方が折り込まれるものとしてある。
【0020】
なお、隣接する側面片3,4相互の重ね合わせに際し、重ね合わせ部分を接合することも、あるいは接合しないでおくことも可能である。製作工程上での例えば簡素化等を図るため接合しないとしても、後述するように、隣接するフランジ部6,7相互間では重ね合わせて貼着、接合されることで、側面片3,4相互が離反することはなく、容器本体1の形状は維持される。
【0021】
そして、四囲の側面片3,4の上縁には、容器本体1の外方に延びるフランジ部6,7が一体状に連設されている。このフランジ部6,7は、隣接する側面片3,4相互を折り込む折込片5の上縁から連設されているフランジ折込片8を折り込み、重合貼着させることで、隣接するフランジ部6,7相互を連結させるようにしている。すなわち、隣接するフランジ部6,7相互を連結させるフランジ折込片8は、隣接する側面片3,4相互が連結されるとき、同様に隣接するフランジ部6,7相互間に折り込まれることでフランジ部6,7相互を連結させる。
【0022】
また、隣接するフランジ部6,7相互間では、このフランジ部6,7が容器本体1の外方に向かって延びていることで、側面片3,4相互間の折込部分の外方位置であるフランジ部6,7相互間は切断、分離されている。そして、フランジ折込片8自体は、この切断、分離されている空隙部位に前記折込片5の上縁から連設されて突出配置されることで形成される。フランジ折込片8自体は、隣接するフランジ部6,7相互間で折り込まれるときの全域で重ね合わせられると、フランジ部6,7相互間が肉厚となり、その肉厚分の段差が生じる。
【0023】
これを回避するため、折込部位で重ね合わせられる隣接するフランジ部6,7間では、フランジ部6,7の外側部分が切除された状態の一部である内側部分が、空隙部位において、前記折込片5の上縁から連設されたフランジ折込片8として突出形成される。
【0024】
図示のように、フランジ折込片8は、その上端縁はフランジ部6,7の外縁に至らない内方、すなわち隣接するフランジ部6,7を重ね合わせて貼着し、連結したときの内部に位置して隠蔽されており、容器本体1の内部に収納した食品Fから滲出することがある液状成分がフランジ部6,7に至ることがあっても内部のフランジ折込片8の上端縁には至らないようにしている。
【0025】
図2(A)においては、フランジ折込片8の上端縁の一方は、隣接する側面片3,4が折り込まれるときの上になる側面片3(4)のフランジ部6(7)の内面側より外側に至る間に位置している。また、他方は折り込まれるときの下になる側面片4(3)の上端位置より上方に位置していて、フランジ部7(6)の内面側である側面片4(3)の上縁より上方位置となる、側面片3,4とフランジ部6,7との境界における近傍位置のフランジ部6,7側に設定してある。上端縁は、折込片5とフランジ折込片8との境界に対し、上になる側面片3(4)側が外側になる斜辺状になっている。
【0026】
図2(B)においては、フランジ折込片8の上端縁の一方は、隣接する側面片3,4が折り込まれるときの下になる側面片4(3)のフランジ部7(6)の内面側より外側に至る間に位置している。また、他方は折り込まれるときの上になる側面片3(4)の上端位置より上方に位置していて、フランジ部6(7)の内面側である側面片3(4)の上縁より上方位置となる、側面片3,4とフランジ部6,7との境界における近傍位置のフランジ部6,7側に設定してある。上端縁は、折込片5とフランジ折込片8との境界に対し、下になる側面片4(3)側が外側になる斜辺状になっている。
【0027】
図2(C)においては、フランジ折込片8の上端縁は、折込片5とフランジ折込片8との境界に対しほぼ平行状となるように設定してある。
【0028】
また、
図2(D)においては、フランジ折込片8の上端縁が直線状でなく、段差状に形成されている場合である。直線状とするか、段差状とするかは、適宜に選定できるところであり、直線状であれば上になるフランジ部6(7)の上面を一層なだらかにすることが可能である。
【0029】
また、図示を省略したが、フランジ折込片8の上端縁の形状は、このフランジ折込片8自体が重ね合わせられるフランジ部6,7の内部に位置しているのであればよいから、湾曲形状になっていたり、波形形状になっていたりしてもよい。
【0030】
なお、フランジ折込片8における上端縁の位置は、フランジ部6,7の内面側より外側に至る中間以内の位置に、例えば側面片3,4におけるフランジ部6,7の端縁における内側からの約1/3~1/2位置の箇所に位置している。これは、例えばフランジ部6,7の幅員が例えば4~6mm程度であるときの一例であり、もとより、このフランジ折込片8における上端縁の位置は、フランジ部6,7の幅員が広い場合にはフランジ部6,7の内側から1/2位置よりも外方に設定されることもある(
図2(E)参照)。
【0031】
こうすることで、重ね合わせられるフランジ部6,7の内側部分においてはフランジ折込片8が内部に挟み込まれている三重となり、外側部分においてはフランジ部6,7のみで二重となっている。内側の三重部分によってフランジ部6,7自体の補強を図り、重ね合わせたフランジ部6,7の上面においては、内側から外側に至るに伴いなだらかとなって段差が生じないようにしている。
【0032】
また、重ね合わせて成るフランジ部6,7において、上記の二重部分の幅員、すなわちフランジ折込片8の上端縁における最外側部位から、フランジ部6,7の外縁位置に至る部分の幅員は、容器本体1の開口部をフランジ部6,7に貼着される、いわゆるトップシールフィルムTが貼着されるに足りる幅員に設定される。上記のように、フランジ部6,7の幅員が狭い場合には、フランジ折込片8の折込片5からの突出大きさは小さめになるようにし、フランジ部6,7の幅員が広い場合には、フランジ折込片8の折込片5からの突出大きさは、二重部分の幅員が確保されれば大きく形成されることもある。
【0033】
このように、隣接するフランジ部6,7相互間で、フランジ折込片8を挟み込んで接合されることで、上記したように隣接する側面片3,4相互間が接合されておらず、間隙が生じていることがあっても、収納した食品Fからの液状成分が間隙内に滲入してもフランジ部6,7が汚損されたり、容器本体1外に漏出したりすることはない。
【0034】
また、このようにして形成される容器において、パルプ材料から形成される厚紙状物は、100乃至120/m2程度の肉厚の容器原紙を使用しても容器本体1の保形性、容器本体1外への漏出阻止、トップシールフィルムTによって覆ったときの密着性も良好であることを確認でき、形成素材の節減にも寄与できるものであった。なお、形成素材である厚紙状物の肉厚は、厚肉であれば容器の保形性には有効であってもフランジ部6,7における重ね合わせ部位では段差が生じるので好ましくはなく、薄肉であればトップシールフィルムTによるフランジ6,7における密着性は維持可能でも容器の保形性を維持できない恐れがあるから、容器大きさとの兼ね合いと共に密着性、保形性等を充足できる紙厚が選定される。
【符号の説明】
【0035】
F…食品
T…トップシールフィルム
1…容器本体
2…底側壁
3…側面片
4…側面片
5…折込片
6…フランジ部
7…フランジ部
8…フランジ折込片
【手続補正書】
【提出日】2023-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁の周囲に連設形成した複数の側面片を立脚すると共に、隣接する側面片間に設けた折込片を挟んで側面片相互を重ね合わせて形成した容器本体から成る食品収納容器において、側面片には容器本体の外方に延びるフランジ部を形成し、隣接するフランジ部間には、前記折込片に連設形成して設けたフランジ折込片を挟んでフランジ部相互を重ね合わせて貼着連結し、フランジ折込片の全域がフランジ部の内部に位置していることを特徴とする食品収納容器。
【請求項2】
フランジ部の重ね合わせ部位には、フランジ折込片がある三重部分と、フランジ部のみが重ね合わせられた二重部分とが設けられている請求項1に記載の食品収納容器。
【請求項3】
二重部分は、トップシールフィルムが接合されるに足る幅員を有している請求項2に記載の食品収納容器。
【請求項4】
フランジ折込片の上端縁は、前記折込片との境界に対し傾斜形成してある請求項1に記載の食品収納容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明における食品収納容器にあっては、パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁2の周囲に連設形成した複数の側面片3,4を立脚すると共に、隣接する側面片3,4間に設けた折込片5を挟んで側面片3,4相互を重ね合わせて形成した容器本体1から成る食品収納容器において、側面片3,4には容器本体1の外方に延びるフランジ部6,7を形成し、隣接するフランジ部6,7間に設けたフランジ折込片8を挟んでフランジ部6,7相互を重ね合わせて貼着連結し、フランジ折込片8の全域がフランジ部6,7の内部に位置していることを特徴とする。
なお、本発明において、パルプ材料とは、パルプのみならず、パルプを主成分とする植物性繊維材料、竹材、再生紙その他を含む紙材料をいう。
フランジ折込片8は、前記折込片5に連設形成して構成することができる。
フランジ部6,7の重ね合わせ部位には、フランジ折込片8がある三重部分と、フランジ部6,7のみが重ね合わせられた二重部分とが設けられて構成することができる。
二重部分は、トップシールフィルムTが接合されるに足る幅員を有して構成することができる。
フランジ折込片8の上端縁は、前記折込片5との境界に対し傾斜形成して構成することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁の周囲に連設形成した複数の側面片を立脚すると共に、隣接する側面片間に設けた折込片を挟んで側面片相互を重ね合わせて形成した容器本体から成る食品収納容器において、側面片には容器本体の外方に延びるフランジ部を形成し、隣接するフランジ部間に設けたフランジ折込片を挟んでフランジ部相互を重ね合わせて貼着連結すると共に、折込片の上縁は、隣接する一方の側面片の上縁と他方の側面片の上縁との間で同一の高さ位置で連続しており、前記フランジ折込片は、折込片の上縁から容器本体の外方に延びて連設形成されていて、その上端縁の両端部は、側面片の上縁より上方位置で、折込片とフランジ折込片との境界の外側に位置して隣接するフランジ部相互を連結させていて、隣接するフランジ部相互を重ね合わせたときにはフランジ折込片の前記上端縁の全域がフランジ部の内部に配置されていることを特徴とする食品収納容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明における食品収納容器にあっては、パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁2の周囲に連設形成した複数の側面片3,4を立脚すると共に、隣接する側面片3,4間に設けた折込片5を挟んで側面片3,4相互を重ね合わせて形成した容器本体1から成る食品収納容器において、側面片3,4には容器本体1の外方に延びるフランジ部6,7を形成し、隣接するフランジ部6,7間に設けたフランジ折込片8を挟んでフランジ部6,7相互を重ね合わせて貼着連結すると共に、折込片5の上縁は、隣接する一方の側面片3(4)の上縁と他方の側面片4(3)の上縁との間で同一の高さ位置で連続しており、前記フランジ折込片8は、折込片5の上縁から容器本体1の外方に延びて連設形成されていて、その上端縁の両端部は、側面片3,4の上縁より上方位置で、折込片5とフランジ折込片8との境界の外側に位置して隣接するフランジ部6,7相互を連結させていて、隣接するフランジ部6,7相互を重ね合わせたときにはフランジ折込片8の前記上端縁の全域がフランジ部6,7の内部に配置されていることを特徴とする。
なお、本発明において、パルプ材料とは、パルプのみならず、パルプを主成分とする植物性繊維材料、竹材、再生紙その他を含む紙材料をいう。
フランジ折込片8は、前記折込片5に連設形成して構成することができる。
フランジ部6,7の重ね合わせ部位には、フランジ折込片8がある三重部分と、フランジ部6,7のみが重ね合わせられた二重部分とが設けられて構成することができる。
二重部分は、トップシールフィルムTが接合されるに足る幅員を有して構成することができる。
フランジ折込片8の上端縁は、前記折込片5との境界に対し傾斜形成して構成することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
この容器本体1自体は、例えばパルプ材料から厚紙状物を形成し、この厚紙状物にヒートシール能を有する熱可塑性樹脂をコーティングした容器素材によって、例えば矩形状を呈する底側壁2の前後、左右に側面片3,4を折曲立脚して成る。すなわち、底側壁2の側縁から連設されていて、四隅において相互に隣接する側面片3,4相互間に設けた折込片5を折り込み状に挟み込んで重ね合わせることで、側面片3,4それぞれが所定の角度で底側壁2の側縁から立脚状となるボックス状に形成されている。
そして、図2に示すように、折込片5は、その上縁が隣接する一方の側面片3(4)の上縁と他方の側面片4(3)の上縁との間で同一の高さ位置で連続しており、側面片3,4相互間に折り込まれたとき、折込片5の上縁は側面片3,4それぞれの上縁と重なり合ったものとなり、折込片5の全域が側面片3,4の重なり部分と重なる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、隣接するフランジ部6,7相互間では、このフランジ部6,7が容器本体1の外方に向かって延びていることで、側面片3,4相互間の折込部分の外方位置であるフランジ部6,7相互間の空隙は上記のようにフランジ折込片8を介して連結されている。そして、フランジ折込片8自体は、この空隙部位に前記折込片5の上縁から容器本体1の外方に延びるように連設されて突出配置されることで形成され、容器本体1の外方にあるフランジ部6,7と同様にその全域は容器本体1の外方に位置している。フランジ折込片8自体は、隣接するフランジ部6,7相互間で折り込まれるときの全域で重ね合わせられると、フランジ部6,7相互間が肉厚となり、その肉厚分の段差が生じる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図示のように、フランジ折込片8は、その上端縁の全域はフランジ部6,7の外縁に至らない内方、すなわち隣接するフランジ部6,7を重ね合わせて貼着し、連結したときの内部に位置して隠蔽されている。このため、側面片3,4の上縁と重なる折込片5の上縁からフランジ折込片8の全域が容器本体1の外方に連設されていることで、容器本体1の内部では切断端縁が生じておらず、容器本体1の内部に収納した食品Fから滲出することがある液状成分がフランジ部6,7に至ることがあっても内部のフランジ折込片8の上端縁には至らないようになり、容器外に漏出することもない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
このように、隣接するフランジ部6,7相互間で、フランジ折込片8を挟み込んで接合されることで、上記したように隣接する側面片3,4相互間が接合されておらず、間隙が生じていることがあっても、この側面片3,4相互間に存する折込片5には切断端面が存しないから、収納した食品Fからの液状成分が間隙内に滲入してもフランジ部6,7が汚損されたり、容器本体1外に漏出したりすることはない。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁の周囲に連設形成した複数の側面片を立脚すると共に、隣接する側面片間に設けた折込片を挟んで側面片相互を重ね合わせて形成した容器本体から成る食品収納容器において、側面片には容器本体の外方に延びるフランジ部を形成し、隣接するフランジ部間に設けたフランジ折込片を挟んでフランジ部相互を重ね合わせて貼着連結すると共に、折込片の上縁は、隣接する一方の側面片の上縁と他方の側面片の上縁との間で同一の高さ位置で連続しており、前記フランジ折込片は、折込片の上縁から容器本体の外方に延びて連設形成されていて、このフランジ折込片の上端縁の両端部は、側面片の上縁より上方位置で、折込片とフランジ折込片との境界の外側に位置して隣接するフランジ部相互を連結させていて、隣接するフランジ部相互を重ね合わせたときにはフランジ折込片の前記上端縁の全域がフランジ部の内部に配置されていることを特徴とする食品収納容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明における食品収納容器にあっては、パルプ材料から形成され、ヒートシール能を有する熱可塑性樹脂がコーティングされた厚紙状物によって、底側壁2の周囲に連設形成した複数の側面片3,4を立脚すると共に、隣接する側面片3,4間に設けた折込片5を挟んで側面片3,4相互を重ね合わせて形成した容器本体1から成る食品収納容器において、側面片3,4には容器本体1の外方に延びるフランジ部6,7を形成し、隣接するフランジ部6,7間に設けたフランジ折込片8を挟んでフランジ部6,7相互を重ね合わせて貼着連結すると共に、折込片5の上縁は、隣接する一方の側面片3(4)の上縁と他方の側面片4(3)の上縁との間で同一の高さ位置で連続しており、前記フランジ折込片8は、折込片5の上縁から容器本体1の外方に延びて連設形成されていて、このフランジ折込片8の上端縁の両端部は、側面片3,4の上縁より上方位置で、折込片5とフランジ折込片8との境界の外側に位置して隣接するフランジ部6,7相互を連結させていて、隣接するフランジ部6,7相互を重ね合わせたときにはフランジ折込片8の前記上端縁の全域がフランジ部6,7の内部に配置されていることを特徴とする。
なお、本発明において、パルプ材料とは、パルプのみならず、パルプを主成分とする植物性繊維材料、竹材、再生紙その他を含む紙材料をいう。
フランジ折込片8は、前記折込片5に連設形成して構成することができる。
フランジ部6,7の重ね合わせ部位には、フランジ折込片8がある三重部分と、フランジ部6,7のみが重ね合わせられた二重部分とが設けられて構成することができる。
二重部分は、トップシールフィルムTが接合されるに足る幅員を有して構成することができる。
フランジ折込片8の上端縁は、前記折込片5との境界に対し傾斜形成して構成することができる。