(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065398
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】モータ、および無人飛行体
(51)【国際特許分類】
H02K 3/52 20060101AFI20240508BHJP
H02K 3/02 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174246
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】水池 宏友
(72)【発明者】
【氏名】胡 亞波
(72)【発明者】
【氏名】廣川 剛士
(72)【発明者】
【氏名】新村 省悟
【テーマコード(参考)】
5H603
5H604
【Fターム(参考)】
5H603AA04
5H603BB01
5H603BB09
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB12
5H603CB19
5H603CC05
5H603CC07
5H603CC11
5H603CC17
5H603CD21
5H603CE02
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604QB03
5H604QB15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】離間するコイル同士を、絶縁を確保しつつ接続した信頼性の高いモータ、および無人飛行体を提供する。
【解決手段】中心軸線を中心とするロータと複数のコイルを有するステータ30と同相のコイル同士を繋ぐ複数の渡り線バスバーと、を備える。複数のコイルは、第1相コイル31U、および第2相コイル31Vを含む複数相のコイルに分類される。渡り線バスバーは、第1端子部44a、および第2端子部44bと、を有する。第1相コイルと第2相コイルとが隣り合うスロットStでは、第1相コイルから延び出る第1引出線31aと、第2相コイルから延び出る第2引出線31bと、が軸方向一方側にそれぞれ引き出される。第1引出線には、1つの渡り線バスバーの第1端子部44aが接続される。第2引出線には、他の渡り線バスバーの第2端子部44bが接続される。これらの第1端子部と第2端子部とは、周方向位置が重なり径方向にずれて配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転するロータと、
周方向に並ぶ複数のコイルを有するステータと、
複数のバスバーを有するバスバーユニットと、を備え、
複数の前記コイルは、第1相コイル、および第2相コイルを含む複数相の前記コイルに分類され、
それぞれ同相の前記コイルには、同位相の交流電流が流れ、
複数の前記バスバーには、同相の前記コイル同士を繋ぐ複数の渡り線バスバーが含まれ、
前記渡り線バスバーは、
周方向に沿って延びる基部と、
前記基部の両端に位置しそれぞれ異なる前記コイルに接続される第1端子部、および第2端子部と、を有し、
前記第1相コイルと前記第2相コイルとが隣り合うスロットでは、前記第1相コイルから延び出る第1引出線と、前記第2相コイルから延び出る第2引出線と、が軸方向一方側にそれぞれ引き出され、
前記第1引出線には、前記渡り線バスバーのうち前記第1相コイル同士を繋ぐ第1相渡り線バスバーの前記第1端子部が接続され、
前記第2引出線には、前記渡り線バスバーのうち前記第2相コイル同士を繋ぐ第2相渡り線バスバーの前記第2端子部が接続され、
前記第1相渡り線バスバーの前記第1端子部と、前記第2相渡り線バスバーの前記第2端子部とは、周方向位置が重なり径方向にずれて配置される、
モータ。
【請求項2】
前記第1相コイルは、前記スロットに対し周方向一方側に位置し、
前記第1相渡り線バスバーは、前記スロットに対し周方向他方側に延び、
前記第2相コイルは、前記スロットに対し周方向他方側に位置し、
前記第2相渡り線バスバーは、前記スロットに対し周方向一方側に延びる、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1端子部、および前記第2端子部は、前記第1引出線又は前記第2引出線を挟み込む挟持部をそれぞれ有し、
前記第1端子部の前記挟持部と前記第2端子部の前記挟持部とは、軸方向から見て互いに異なる方向を開口方向とする、
請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記第1端子部は、前記基部から径方向一方側に延び出て、
前記第2端子部は、前記基部から径方向他方側に延び出る、
請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1端子部と前記第2端子部とは、軸方向の位置が互いに重なる、
請求項1に記載のモータ。
【請求項6】
互いに異なる相の前記渡り線バスバーは、互いに同形状である、
請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
前記第1端子部は、軸方向から見て、前記スロットに対し径方向内側または外側に配置され、
前記第2端子部は、軸方向から見て、前記スロットに重なる、
請求項1に記載のモータ。
【請求項8】
前記第1端子部は、軸方向から見て、前記スロットに対し径方向内側に配置される、
請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記コイルは、
それぞれ平角線が巻かれて構成され径方向に並ぶ複数の巻線体と、
前記巻線体同士を繋ぐ中間接続部と、を有し、
前記中間接続部は、
径方向に隣り合う一対の前記巻線体から軸方向一方側に引き出される前記平角線の端部同士を繋ぐことで構成され、
前記スロットにおいて、前記第1引出線は、周方向に隣り合う前記第1相コイルと前記第2相コイルの前記中間接続部同士の間を径方向に延びる、
請求項1に記載のモータ。
【請求項10】
前記コイルは、平角線から構成され、
前記平角線の表面は、絶縁性の被覆で覆われ、
前記平角線は、前記第1端子部および前記第2端子部との接続部において前記被覆から前記表面が露出する、
請求項1に記載のモータ。
【請求項11】
前記コイルは、アルファ巻きによって巻かれている、
請求項1に記載のモータ。
【請求項12】
複数の前記コイル、周方向に並ぶ同相の前記コイルを含み、
周方向に並ぶ同相の前記コイル同士は、それぞれの前記コイルから軸方向一方側に引き出される引出線の端部同士を繋ぐことで構成されるコイル間接続部において互いに接続され、
前記バスバーユニットは、複数の前記バスバーを支持するバスバーホルダを有し、
前記バスバーホルダは、
軸方向から見て前記ステータの径方向内側に位置するホルダ本体と、
前記ホルダ本体から径方向外側に延びて前記ホルダ本体を支持する脚部と、を有し、
前記脚部には、軸方向に貫通する孔部が設けられ、
前記孔部には、前記コイル間接続部が挿入される、
請求項1に記載のモータ。
【請求項13】
前記ステータは、前記バスバーユニットによってΔ結線される18個の前記コイルを有し、
同相の6個の前記コイルは、周方向に連続して並ぶ3個を一組として、二組に分けられ、各組において隣り合う前記コイルは、引出線で接続され、同相の異なる組の前記コイルは、前記渡り線バスバーによって接続される、
請求項1に記載のモータ。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の前記モータと、
前記モータのロータに接続されるプロペラと、を備える、
無人飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、および無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
三相交流モータ等のモータにおいて、コイルに平角線を用いる場合など、同相のコイル同士をバスバーで接続する構造が知られている。特許文献1には、Δ結線されるステータにおいて、隣り合うコイル同士をバスバー状の渡り線で接続する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同相のコイル同士を周方向に離間して配置する場合などには、渡り部同士が周方向において交差し、渡り部同士の導通の懸念が大きくなる。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、バスバーによって周方向に離間するコイル同士を、他相のコイルとの絶縁を確保しつつ接続した信頼性の高いモータ、および無人飛行体を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、中心軸線を中心として回転するロータと、周方向に並ぶ複数のコイルを有するステータと、複数のバスバーを有するバスバーユニットと、を備える。複数の前記コイルは、第1相コイル、および第2相コイルを含む複数相の前記コイルに分類される。それぞれ同相の前記コイルには、同位相の交流電流が流れる。複数の前記バスバーには、同相の前記コイル同士を繋ぐ複数の渡り線バスバーが含まれる。前記渡り線バスバーは、周方向に沿って延びる基部と、前記基部の両端に位置しそれぞれ異なる前記コイルに接続される第1端子部、および第2端子部と、を有する。前記第1相コイルと前記第2相コイルとが隣り合うスロットでは、前記第1相コイルから延び出る第1引出線と、前記第2相コイルから延び出る第2引出線と、が軸方向一方側にそれぞれ引き出される。前記第1引出線には、前記渡り線バスバーのうち前記第1相コイル同士を繋ぐ第1相渡り線バスバーの前記第1端子部が接続される。前記第2引出線には、前記渡り線バスバーのうち前記第2相コイル同士を繋ぐ第2相渡り線バスバーの前記第2端子部が接続される。前記第1相渡り線バスバーの前記第1端子部と、前記第2相渡り線バスバーの前記第2端子部とは、周方向位置が重なり径方向にずれて配置される。
【0007】
本発明の無人飛行体の一つの態様は、前期モータと、前記モータのロータに接続されるプロペラと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、バスバーによって周方向に離間するコイル同士を、他相のコイルとの絶縁を確保しつつ接続した信頼性の高いモータ、および無人飛行体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態の無人飛行体を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のモータの断面模式図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のステータおよびバスバーユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態のステータおよびバスバーユニットの平面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態のコイルの斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態の複数のコイルの接続構成を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態のロータの中心軸線Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸線Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸線Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」または「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」または「軸方向他方側」と呼ぶ。径方向のうち中心軸線Jを向く側を「径方向内側」または「径方向他方側」と呼ぶ。径方向のうち中心軸線Jを向く側と反対側を「径方向外側」または「径方向一方側」と呼ぶ。なお、上側および下側は、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
周方向は、各図において矢印θで示される。周方向のうち矢印θが向く側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と反対側を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、上側(+Z側)から見て、中心軸線J回りに時計回りに進む側(+θ側)である。周方向他方側は、上側から見て、中心軸線J回りに時計回りに進む側(-θ側)である。
【0012】
<無人飛行体>
図1は、本実施形態の無人飛行体100を示す斜視図である。
本実施形態の無人飛行体100は、本体部100bと、撮像装置100aと、複数(本実施形態では4個)のモータ1と、各モータ1のロータに接続されるプロペラ1pと、を有する。各モータ1は、それぞれの中心軸線Jを中心としてプロペラ1pを回転させる。本体部100bは、撮像装置100aおよび複数のモータ1に接続される。本体部100bは、複数のモータ1を制御し、プロペラ1pの回転数を調整することで、所望の方向に推進力を発生させる。
【0013】
<モータ>
図2は、本実施形態のモータの断面模式図である。
本実施形態のモータ1は、インナーロータ型の三相交流モータである。3相とは、U相(第1相)、V相(第2相)およびW相(第3相)である。なお、本実施形態では、モータ1が無人飛行体に搭載される場合について例示するが、モータ1が取り付けられる機器は、これに限定されない。
【0014】
モータ1は、中心軸線Jを中心として回転するロータ20と、ロータ20と径方向に対向するステータ30と、ステータ30の上側に位置するバスバーユニット4と、一対のベアリング5a、5bと、ハウジング2と、を備える。
【0015】
ハウジング2は、ロータ20、ステータ30、バスバーユニット4を内部に収容する。ハウジング2は、筒状部2aと上カバー部2bと下カバー部2cとを有する。本実施形態において、筒状部2aと下カバー部2cとは、連結された単一の部材である。筒状部2aは、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。上カバー部2bは、筒状部2aの上端部に固定され筒状部2aの上側の開口を覆う。上カバー部2bは、ベアリング5bを介してロータ20のシャフト21を支持する。下カバー部2cは、筒状部2aの下端部から径方向内側に延びて筒状部2aの下側の開口を覆う。下カバー部2cは、ベアリング5aを介してシャフト21を支持する。
【0016】
<ロータ>
ロータ20は、ロータコア22と図示略の磁石とシャフト21とを有する。ロータコア22は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。ロータコア22は、シャフト21を径方向に囲んでいる。ロータコア22には、複数の磁石が固定される。複数の磁石は、磁極を交互に反転させながら周方向に並ぶ。
【0017】
シャフト21は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる。シャフト21は、ロータコア22の内周面に固定される。シャフト21の上端部には、
図1に示すプロペラ1pが固定される。シャフト21は、一対のベアリング5a、5bによって回転可能に支持される。
【0018】
<ステータ>
ステータ30は、ロータ20を径方向外側から囲む。ステータ30は、筒状部2aの内周面に固定される。
【0019】
図3は、ステータ30およびバスバーユニット4の斜視図である。
図4は、ステータ30およびバスバーユニット4の平面図である。
図5は、
図4の一部を拡大する部分拡大図である。なお、
図4、および
図5において、バスバーユニット4に含まれるバスバーホルダ40の図示を省略する。
【0020】
図3に示すように、ステータ30は、ステータコア32と、複数のコイル31と、を有する。また、各図において図示を両略するが、ステータ30は、ステータ30とコイル31との間に介在するインシュレータ(図示略)を有する。インシュレータは、絶縁材料で構成される。
【0021】
ステータコア32は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。ステータコア32は、ロータ20を径方向に囲んでいる。ステータコア32は、コアバック部32aと、複数のティース部32bと、を有する。
【0022】
コアバック部32aは、中心軸線Jを中心とする環状である。コアバック部32aの外周面は、筒状部2aの内周面に固定される。これにより、ステータ30は、ハウジング2に固定される。
【0023】
複数のティース部32bは、それぞれ、コアバック部32aから径方向内側に向けて延びる。複数のティース部32bは、それぞれ、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。複数のティース部32bは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。本実施形態のステータコア32には、18個のティース部32bが設けられる。
【0024】
複数のコイル31は、それぞれ、インシュレータ(図示略)を介して、ティース部32bに装着される。したがって、複数のコイル31は、周方向に並ぶ。
【0025】
図6は、本実施形態のコイル31の斜視図である。なお、
図6において、中心軸線Jに対する径方向内側RIおよび径方向外側ROを矢印として図示する。
【0026】
コイル31は、複数の巻線体38、39と、複数の巻線体38、39同士を繋ぐ中間接続部31mと、を有する。本実施形態のコイル31には、2個の巻線体38、39が設けられる。
【0027】
一対の巻線体38、39は、それぞれ平角線31pが巻かれて構成される。すなわち、コイル31は、平角線31pから構成される。コイル31の断面形状は、例えば、角丸の四角形状である。コイル31を構成する導線として、平角線31pを採用することによりスロット内で導線間に隙間ができにくくなりスロット内での導線の占積率を高めることができる。
【0028】
平角線31pの表面は、絶縁性の被覆であるエナメル被覆(被覆)Ctで覆われている。また、平角線31pは、両端部においてエナメル被覆Ctから表面が露出する。平角線31pは表面が露出する端部において、他の平角線31pまたは、バスバーユニット4の端子に接続される。
【0029】
一対の巻線体38、39は、中心軸線Jの径方向に並ぶ。すなわち、一対の巻線体38、39は、1つのティース部32bの突出方向に沿って並んで配置される。以下の説明において、2個の巻線体38、39を互いに区別する場合、中心軸線Jの径方向外側ROに位置する一方を第1巻線体38と呼び、径方向内側RIに位置する他方を第2巻線体39と呼ぶ。すなわち、本実施形態において第1巻線体38は、1つのコイル31の径方向外側ROの部分を構成し、第2巻線体39は、同じコイル31の径方向内側RIの部分を構成する。
【0030】
本実施形態の一対の巻線体38、39は、それぞれアルファ巻きによって、ティース部32bに巻き付けられる。したがって、それぞれの巻線体38、39を構成する平角線31pの両端部は、それぞれの巻線体38、39の最外周から上側(+Z側)に引き出される。
【0031】
本実施形態において第1巻線体38は、径方向に並ぶ2列に整列巻きされた巻線が3層重ねられて構成されている。これにより、第1巻線体38の総巻き数は、6となっている。同様に、本実施形態において第2巻線体39は、径方向に並ぶ2列に整列巻きされた巻線が3層重ねられて構成されている。これにより、第2巻線体39の総巻き数は、6となっている。すなわち、本実施形態の複数の巻線体は、径方向に並ぶ列数、および重ねて巻き付けられる層数が互いに一致する。第1巻線体38と第2巻線体39とは、中間接続部31mにおいて互いに接続されるため、1つのコイル31の総巻き数は、12となっている。
【0032】
なお、本実施形態において、第1巻線体38を構成する平角線31pと、第2巻線体39を構成する平角線31pとは、断面積を略一致させつつ断面形状を互いに異ならせている。より具体的には、複数の巻線体38、39のうち、径方向外側に位置する巻線体38の平角線31pの断面は、径方向内側に位置する平角線31pの断面と比較して、周方向(矢印θの方向)に大きく、径方向(矢印RI、ROの方向)に小さい。これにより、巻線体38、39の断面形状を略扇状のスロットの断面形状に合わせることができ、コイル31は、スロット内での平角線31pの占積率を高めることができる。
【0033】
第1巻線体38を構成する平角線31pの一対の端部38a、38bは、第1巻線体38の周方向両側であって第1巻線体38の径方向の内外の端部からそれぞれ上側(+Z)に延び出る。同様に、第2巻線体39を構成する平角線31pの一対の端部39a、39bは、第2巻線体39の周方向両側であって第2巻線体39の径方向の内外の端部からそれぞれ上側(+Z側)に延び出る。
【0034】
第1巻線体38と第2巻線体39とは、中間接続部31mにおいて、互いに接続されている。中間接続部31mは、第1巻線体38を構成する平角線31pの一端部38aと、第2巻線体39を構成する平角線31pの一端部39aとが、互いに接続されて構成される。すなわち、中間接続部31mは、径方向に隣り合う一対の巻線体38、39から上側(+Z側)に引き出される平角線の端部38a、39a同士を繋ぐことで構成される。第1巻線体38と第2巻線体39とは、直列に接続されて1つのコイル31を構成している。
【0035】
中間接続部31mは、軸方向から見てコイル31の周方向の中央に配置される。また、中間接続部31mは、軸方向から見て第1巻線体38と第2巻線体39の間に配置される。中間接続部31mにおいて、平角線31pの端部38a、39a同士を接続する方法は、特に限定されない。端部38a、39a同士は、半田によって固定されてもよいし、レーザ溶接によって固定されてもよい。
【0036】
第1巻線体38を構成する平角線31pの一対の端部38a、38bのうち、第2巻線体39と接続されない一方は、上側(+Z側)に引き出されてコイル31の第1引出線31aを構成する。第2巻線体39を構成する平角線31pの一対の端部39a、39bのうち、第1巻線体38と接続されない一方は、上側(+Z側)に引き出されてコイル31の第2引出線31bを構成する。すなわち、コイル31は、第1引出線31aと第2引出線31bとを有する。第1引出線31aは、コイル31の径方向外側RO、かつ周方向他方側(-θ側)の端部から上側(+Z側)に延び出る。一方で、第2引出線31bは、コイル31の径方向内側RI、かつ周方向一方側(+θ側)の端部から上側(+Z側)に延び出る。コイル31は、第1引出線31aおよび第2引出線31bにおいて、他のコイル31または、バスバーユニット4の端子に接続される。
【0037】
なお、複数のコイル31のうち、半数のコイル31では、
図6で示す引き出し位置から一対の引出線31a、31bが引き出されるが、他の半数のコイル31では、巻線方向が反転されるため一対の引出線31a、31bの周方向位置が逆転した構成となる。
【0038】
本実施形態では、コイル31に2つの巻線体38、39が含まれる場合について説明したが、巻線体の数は本実施形態に限定されない。1つのコイル31に含まれる中間接続部31mの数は、巻線体の数とともに増加する。例えば、3個の巻線体が設けられるコイル31には、2個の中間接続部31mが設けられる。この場合、複数の中間接続部31mは、ティース部32bの延びる方向(すなわち、径方向)に沿って並んで配置される。
【0039】
図4に示すように、本実施形態のステータ30は、18個のコイル31を有する。18個のコイル31は、6個のU相コイル(第1相コイル)31U、6個のV相コイル(第2相コイル)31V、および6個のW相コイル(第3相コイル)31Wに分類される。すなわち、複数のコイル31は、複数相のコイル31に分類される。各相のコイル31には、同位相の交流電流が流れる。また、互いに異なる相のコイル31に流される交流電流同士は、互いに位相がずれている。本実施形態のU相コイル31U、V相コイル31V、およびW相コイル31Wは、それぞれ120°毎に位相をずらした交流電流が流される。なお、各相のコイル31の個数は、本実施形態の個数に限定されない。
【0040】
<バスバーユニット>
図3に示すようにバスバーユニット4は、ステータ30の上側に配置される。バスバーユニット4は、ステータ30から上側に引き出される平角線31pの端部に接続される。
【0041】
バスバーユニット4は、バスバーホルダ40と、複数のバスバー41、42、43、44と、を有する。複数のバスバー41、42、43、44には、第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43と、複数(本実施形態では3個)の渡り線バスバー44と、が含まる。
【0042】
図4に示すように、渡り線バスバー44は、それぞれ同相のコイル31同士を繋ぐ。以下の説明において、3個の渡り線バスバー44のうち、U相コイル31U同士を繋ぐものをU相渡り線バスバー(第1相渡り線バスバー)44Uと呼び、V相コイル31V同士を繋ぐものをV相渡り線バスバー(第2相渡り線バスバー)44Vと呼び、W相コイル31W同士を繋ぐものをW相渡り線バスバー(第3相渡り線バスバー)44Wと呼ぶ。
【0043】
図7は、本実施形態の18個のコイル31の接続構成を表す概略図である。
図7において、第1バスバー41が接続されるU相コイル31UおよびW相コイル31Wが隣接するスロットを1番目のスロットとし、このスロットから周方向他方側(-θ側)に向かって18番目のスロットまで番号付けをしている。
【0044】
18個のコイル31は、バスバーユニット4によってΔ結線される。同相のコイル31同士は、互いに直列接続される。例えば、6個のU相コイル31Uは、全て直列接続される。本実施形態において、同相の6個のコイル31は、周方向に連続して並ぶ3個を一組として、二組に分けられる。同じ組のコイル31同士の巻線方向は、互いに一致する。一方で、互いに異なる組のコイル31同士の巻線方向は、互いに反転する。なお、ここで「巻線方向」とは、ティース部32bを径方向内側から見た場合の巻線の巻き方向を意味する。
【0045】
各組において隣り合うコイル31同士は、それぞれのコイル31の引出線同士を直接的に繋ぐことで互いに接続される。ここで、コイル31の引出線同士の接続部をコイル間接続部35と呼ぶ。すなわち、周方向に並ぶ同相、かつ同組のコイル31同士は、それぞれのコイル31から上側に引き出される引出線の端部同士を繋ぐことで構成されるコイル間接続部35において互いに接続される。一方で、同相の異なる組のコイル31同士は、渡り線バスバー44を介して互いに接続される。
【0046】
6個のU相コイル31Uは、1番目から4番目のスロットまでに配置される1組目(G1)の3個のU相コイル31Uと、10番目から13番目のスロットまでに配置される2組目(G2)の3個のU相コイル31Uと、に分類される。1組目(G1)の3個のU相コイル31Uは、2個のコイル間接続部35において直列に接続される。同様に、2組目(G2)の3個のU相コイル31Uは、2個のコイル間接続部35において直列に接続される。さらに、1組目(G1)のうち、周方向他方側(-θ側)の端部に位置するU相コイル31Uと、2組目(G2)の周方向一方側(+θ)の端部に位置するU相コイル31Uとは、U相渡り線バスバー44Uを介して互いに接続される。
【0047】
6個のV相コイル31Vは、4番目から7番目のスロットまでに配置される1組目(G1)の3個のV相コイル31Vと、13番目から16番目のスロットまでに配置される2組目(G2)の3個のV相コイル31Vと、に分類される。1組目(G1)の3個のV相コイル31Vは、2個のコイル間接続部35において直列に接続される。同様に、2組目(G2)の3個のV相コイル31Vは、2個のコイル間接続部35において直列に接続される。さらに、1組目(G1)のうち、周方向他方側(-θ側)の端部に位置するV相コイル31Vと、2組目(G2)の周方向一方側(+θ)の端部に位置するV相コイル31Vとは、V相渡り線バスバー44Vを介して互いに接続される。
【0048】
6個のW相コイル31Wは、7番目から10番目のスロットまでに配置される1組目(G1)の3個のW相コイル31Wと、16番目から1番目のスロットまでに配置される2組目(G2)の3個のW相コイル31Wと、に分類される。1組目(G1)の3個のW相コイル31Wは、2個のコイル間接続部35において直列に接続される。同様に、2組目(G2)の3個のW相コイル31Wは、2個のコイル間接続部35において直列に接続される。さらに、1組目(G1)のうち、周方向他方側(-θ側)の端部に位置するW相コイル31Wと、2組目(G2)の周方向一方側(+θ)の端部に位置するW相コイル31Wとは、W相渡り線バスバー44Wを介して互いに接続される。
【0049】
第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43は、それぞれ外部装置(図示略)に接続される。外部装置は、第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43に120°毎に位相をずらした交流電流を印加する。
【0050】
第1バスバー41は、1番目のスロットにおいてU相コイル31U、およびW相コイル31Wから引き出される引出線に接続される。第2バスバー42は、13番目のスロットにおいてU相コイル31U、およびV相コイル31Vから引き出される引出線に接続される。第3バスバー43は、7番目のスロットにおいてV相コイル31V、およびW相コイル31Wから引き出される引出線に接続される。
【0051】
一般的に、集中巻きの三相交流モータでは、スロット数を増加させることでトルクを維持しつつ軸方向寸法を小型化することができることが知られている。このため、本実施形態のような無人飛行体100用のモータ1では、スロット数を増加させて軽量化を図ることが望まれる。一方で、無人飛行体100用のモータ1では、揚力を得る程度のプロペラ1pの回転速度を確保する必要があるが、スロット数を多くし過ぎるとインバータにおいて十分な回転数を得るための周波数の交流電流を創出することが難しくなる。本実施形態によれば、スロット数を18とすることで、無人飛行体100用として、軽量化と周波数のバランスに優れたモータ1を提供できる。
【0052】
本実施形態によれば、直列接続される同相の6個のコイル31を二組に分けて中心軸線Jの反対側に配置する。本実施形態によれば、中心軸線Jを中心とするロータ20の回転を円滑にしつつ、交流電流の周波数を適当な範囲でプロペラ1pを回転させることができるモータ1を提供できる。
【0053】
<渡り線バスバーの具体的な構成>
図3に示すように、渡り線バスバー44は、周方向に沿って円弧状に延びる。渡り線バスバー44は、導電性の金属板をプレス加工することで成形されている。
【0054】
本実施形態において、互いに異なる相の渡り線バスバー44は、互いに同形状である。すなわち、U相渡り線バスバー44U、V相渡り線バスバー44V、およびW相渡り線バスバー44Wは、互いに同形状である。本実施形態によれば、バスバーユニット4を構成する部品の種類を削減することができるため、モータ1のコスト低減に寄与できる。
【0055】
本実施形態の渡り線バスバー44は、全長に亘って軸方向と直交する方向を板厚方向とする。渡り線バスバー44は、全長に亘って軸方向を幅方向とする帯状である。
【0056】
渡り線バスバー44は、基部44kと第1端子部44aと第2端子部44bとを有する。第1端子部44a、および第2端子部44bは、それぞれ異なるコイル31に接続される。渡り線バスバー44は、同相のコイル31同士を繋ぐため、第1端子部44aに接続されるコイル31と第2端子部44bに接続されるコイル31とは、互いに同相である。
【0057】
基部44kは、周方向に沿って円弧状に延びる。基部44kの円弧中心は、中心軸線Jと一致する。基部44kの周方向一方側(+θ側)の端部には、第1端子部44aが配置される。一方で、基部44kの周方向他方側(-θ側)の端部には、第2端子部44bが配置される。すなわち、第1端子部44a、および第2端子部44bは、基部44kの両端に位置する。
【0058】
第1端子部44aは、基部44kに対し径方向他方側(本実施形態では内側)に延び出る。一方で、第2端子部44bは、基部44kに対し径方向一方側(本実施形態では外側)に延び出る。すなわち、第1端子部44aと第2端子部44bとは、径方向において互いに反対側に延び出る。本実施形態によれば、第1端子部44aと第2端子部44bの径方向位置をずらして配置し易い。これにより、異なる渡り線バスバー44の第1端子部44aと第2端子部44bとが、径方向に重なって配置される場合において、第1端子部44aと第2端子部44bとの絶縁を確保し易い。さらに、本実施形態の渡り線バスバー44によれば、基部に対し第1端子部、および第2端子部が、径方向一方側に集中して延び出る場合と比較して、第1端子部44aと第2端子部44bとを径方向にずらしつつ第1端子部44aから第2端子部44bまでバスバー長を短くすることができる。これにより、渡り線バスバー44の導電性材料の使用量を低減するとともに、渡り線バスバー44における電気抵抗を低減できる。
【0059】
第1端子部44aは、コイル31の第1引出線31aに接続される。また、第1端子部44aは、第1挟持部44cを有する。第1挟持部44cは、軸方向から見てU字状であり、第1引出線31aを周方向両側から挟み込む。第1挟持部44cの開口方向は、軸方向から見て径方向外側である。
【0060】
同様に、第2端子部44bは、コイル31の第2引出線31bに接続される。また、第2端子部44bは、第2挟持部44dを有する。第2挟持部44dは、軸方向から見てU字状であり、コイル31の第2引出線31bを径方向内外から挟み込む。第2挟持部44dの開口方向は、軸方向から見て周方向一方側(+θ側)である。
【0061】
本実施形態によれば、第1端子部44a、および第2端子部44bは、軸方向から見て、第1引出線31a又は第2引出線31bを挟み込む挟持部44c、44dをそれぞれ有する。挟持部44c、44dは、それぞれ引出線31a、31bに対してかしめることで、引出線31a、31bに対し固定される。これにより、第1端子部44a、および第2端子部44bと引出線31a、31bとをレーザ溶接によって接合する場合に、接合位置を安定させることができ、信頼性の高い接続を実現できる。なお、第1端子部44a、および第2端子部44bと引出線31a、31bとは、抵抗溶接によって接合してもよい。この場合、抵抗溶接用の一対の電極で、挟持部44c、44dを挟み込んで溶接を行うことで、接合するための接点を安定させることができ、信頼性の高い溶接を実現できる。
【0062】
本実施形態の第1端子部44aの第1挟持部44cと第2端子部44bの第2挟持部44dとは、軸方向から見て互いに異なる方向を開口方向とする。挟持部44c、44dは、引出線31a、31bとの接続工程において、開口方向と直交する方向から治具等(かしめ治具、又は抵抗溶接用の電極を言う、以下同じ)で挟み込まれる。このため、挟持部44c、44dの開口方向と直交する方向には、治具等を配置するためのスペースが必要とされる。本実施形態によれば、第1挟持部44cと第2挟持部44dの開口方向を異なる方向とすることで、各挟持部44c、44dの周囲にスペースを確保しやすい適切な開口方向を選択できる。これにより、第1端子部44a、および第2端子部44bと、引出線31a、31bとの接続工程を簡素化できる。
【0063】
本実施形態の第2端子部44bは、軸方向から見て、コイル31と重なって配置される。したがって、第2端子部44bの周方向両側には、中間接続部31m等の他の部位が配置されている。本実施形態によれば、第2挟持部44dの開口方向を周方向とすることで、製造工程において第2挟持部44dを挟み込む治具等を第2挟持部44dの径方向内外に配置でき、治具等が他の部位と干渉することを抑制できる。
【0064】
一方で、本実施形態の第1端子部44aは、軸方向から見て、コイル31よりも径方向内側に配置される。したがって、第1端子部44aの周方向両側には、十分なスペースを確保し易い。また、第1端子部44aの径方向内側には、第2端子部44b、および中間接続部31m等の他の部位が配置されている。本実施形態によれば、第1挟持部44cの開口方向を径方向とすることで、製造工程において第1挟持部44cを挟み込む治具等を第1挟持部44cの周方向両側に配置でき、治具等が他の部位と干渉することを抑制できる。
【0065】
なお、本明細書において、挟持部44c、44d同士の開口方向が異なるか否かは、径方向に対する開口方向の向きによって判断する。例えば、1つの渡り線バスバー44の一対の挟持部44c、44dの開口方向が、中心軸線Jと直交するXY座標系において同方向(例えば+X方向)を向いていたとしても、中心軸線Jとそれぞれの挟持部44c、44dとを結ぶ径方向に対する開口方向の角度および方向が異なっていれば、これらの開口方向は、互いに異なるものと判断する。また、1つの渡り線バスバー44の一対の挟持部44c、44dの開口方向が、例えば、共に中心軸線J側を向いていれば、中心軸線Jと直交するXY座標系においてこれらがそれぞれ異なる方向(例えば+X方向と、+Y方向)を向いていたとしても、これらの開口方向は同一であると判断する。すなわち、一対の挟持部44c、44dの開口方向は、中心軸線Jを中心とする極座標系において互いに異なっていればよい。
【0066】
図3に示すように、本実施形態の第1端子部44aと第2端子部44bとは、軸方向の位置が互いに重なる。より具体的には、第1端子部44aの上端の高さ位置と第2端子部44bの上端の高さ位置とは、互いに一致する。このため、第1端子部44aと第1引出線31aとのレーザ溶接、および第2端子部44bと第2引出線31bとのレーザ溶接を、同じ焦点距離に設定したレーザによって溶接できる。結果的に、溶接工程内で焦点距離の調整を行うことがなく、溶接工程を簡素化できる。
【0067】
次に、
図5に示すように、互いに異なる相のコイル31が隣り合うスロットに着目する。互いに異なる相のコイル31が隣り合うスロットを境界スロット(スロット)Stと呼ぶ。なお、ここでは、U相とV相のコイル31が隣り合う境界スロットStについて説明するが、他の相同士(U相とW相、又はV相とW相)が隣り合う境界スロットStについても同様の構成を有する。他の相同士が隣り合う境界スロットStにおける構成の説明については、ここでは省略する。
【0068】
U相コイル31Uは、境界スロットStに対し周方向一方側(+θ側)に位置し、V相コイル31Vは、境界スロットStに対し周方向他方側(-θ側)に位置する。U相コイル31UとV相コイル31Vの境界スロットStでは、U相コイル31Uから延び出る第1引出線31aと、V相コイル31Vから延び出る第2引出線31bと、が上側(+Z側)にそれぞれ引き出される。
【0069】
第1引出線31aは、U相コイル31Uの径方向外側、かつ周方向他方側(-θ側)の端部から上側に引き出され、さらに径方向内側に向かって折り曲げられ、さらに先端部において上側に折り曲げられる。第1引出線31aにおいて径方向に延びる部分を第1延伸部31aaと呼ぶ。すなわち、第1引出線31aは、第1延伸部31aaを有する。第1延伸部31aaの長さは、境界スロットStの径方向に沿う長さより長い。したがって、第1引出線31aの先端部は、軸方向から見て、境界スロットStに対し径方向内側に配置される。また、第1引出線31aの先端部の周方向位置は、境界スロットStの周方向位置に重なる。
【0070】
第2引出線31bは、V相コイル31Vの径方向外側、かつ周方向一方側(+θ側)の端部から上側に引き出され、さらに径方向内側に向かって折り曲げられ、さらに先端部において上側に折り曲げられる。第2引出線31bにおいて径方向に延びる部分を第2延伸部31baと呼ぶ。すなわち、第2引出線31bは、第2延伸部31baを有する。第2延伸部31baの長さは、境界スロットStの径方向に沿う長さより短い。したがって、第1引出線31aの先端部は、軸方向から見て、境界スロットStの径方向内側の端部において、境界スロットStに重なる。したがって、第2引出線31bの先端部の周方向位置は、境界スロットStの周方向位置に重なる。
【0071】
第1引出線31aには、U相渡り線バスバー44Uの第1端子部44aが接続される。一方で、第2引出線31bには、V相渡り線バスバー44Vの第2端子部44bが接続される。U相渡り線バスバー44Uの第1端子部44aと、V相渡り線バスバー44Vの第2端子部44bとは、周方向位置が重なり径方向にずれて配置される。
【0072】
本実施形態の第1引出線31aと第2引出線31bとは、互いに異なる相のコイル31から引き出されており、互いに異なる位相の電流が流れる。第1引出線31a、および第2引出線31bは、ともに1つの境界スロットStから引き出されており、それぞれ渡り線バスバー44との接続部が近接し易い。
図6に示すように、第1引出線31a、および第2引出線31bの先端部は、渡り線バスバー44との接続するために、エナメル被覆Ctが除去されている。すなわち、平角線31pは、第1端子部44aおよび第2端子部44bとの接続部においてエナメル被覆Ctから表面が露出する。このため、第1引出線31a、および第2引出線31bは、先端部同士が近接する場合に、異なる相のコイル31同士の間で導通が生じやすくなる。
【0073】
図5に示すように、本実施形態のU相渡り線バスバー44Uの第1端子部44aと、V相渡り線バスバー44Vの第2端子部44bとは、周方向位置が重なり径方向にずれて配置される。このため、U相渡り線バスバー44Uの第1端子部44aに接続される第1引出線31aの先端部と、V相渡り線バスバー44Vの第2端子部44bに接続される第2引出線31bの先端部とを、周方向位置を近接させたまま径方向にずらして配置できる。
【0074】
本実施形態によれば、第1引出線31aと第1端子部44a、および第2引出線31bと第2端子部44bの接続部にワニス等の絶縁被覆を設けることなく、第1引出線31aと第2引出線31bとの間の絶縁を確保することができる。したがって、低コストで信頼性の高いモータ1を提供できる。
【0075】
本実施形態によれば、境界スロットStから引き出される第1引出線31aおよび第2引出線31bを周方向に折り曲げてこれらを周方向に離間させる必要がない。このため、第1引出線31a、および第2引出線31bの折り曲げ工程を簡素化できる。また、第1引出線31a、および第2引出線31bの周方向両側に他の部位(例えば、中間接続部31m)を配置するスペースを確保し易くなり、全体としてステータ30を小型化できる。
【0076】
U相コイル31Uは、境界スロットStに対し周方向一方側(+θ側)に位置し、U相渡り線バスバー44Uは、境界スロットStに対し周方向他方側-θに延びる。一方で、V相コイル31Vは、境界スロットStに対し周方向他方側(-θ側)に位置し、V相渡り線バスバー(44V)は、境界スロットStに対し周方向一方側(+θ側)に延びる。すなわち、本実施形態において、U相の電流経路と、V相の電流経路とは、境界スロットStで互いに交差する。本実施形態のモータ1によれば、ステータ30において2つの相の電流経路が境界スロットStで交差する場合であっても、2つの相の間の絶縁を確保することができる。
【0077】
本実施形態において、V相渡り線バスバー44Vの第2端子部44bは、第1引出線31aの第1延伸部31aaの上側を通過する。すなわち、軸方向から見て、第1引出線31aは、第1延伸部31aaにおいて、V相渡り線バスバー44Vの第2端子部44bと交差する。第1延伸部31aaにはエナメル被覆Ctが施されている。このため、第1引出線31aは、第1延伸部31aaにおいてV相渡り線バスバー44Vと近接しても導通が生じ難い。本実施形態のモータ1によれば、異なる相の電流経路が軸方向から見て互いに交差させつつ導通を抑制できる。
【0078】
本実施形態の境界スロットStにおいて、第1引出線31a、および第2引出線31bは、周方向に隣り合うU相コイル31UとV相コイル31Vの中間接続部31m同士の間を径方向に延びる。すなわち、第1延伸部31aa、および第2延伸部31baは、一対の中間接続部31mの間を通る。本実施形態によれば、第1延伸部31aa、および第2延伸部31baが、中間接続部31mの上側を通って中間接続部31mとの干渉を避ける場合などと比較して、ステータ30を軸方向に小型化できる。また、本実施形態によれば、第1引出線31a、および第2引出線31bの先端部を、中間接続部31mから離間させて配置でき、第1引出線31a、および第2引出線31bの先端部と中間接続部31mとの導通を抑制できる。これにより、中間接続部31mが、第1引出線31a、および第2引出線31bと渡り線バスバー44との接続工程を阻害することを抑制できる。
【0079】
本実施形態によれば、第2端子部44bは、軸方向から見て、境界スロットStに重なる。このため、第2端子部44bに接続される第2引出線31bの先端部を境界スロットStに対し径方向内側又は外側に引き出す必要がなく、第2引出線31bに係る加工工程を簡素化できる。また、一方で、第1端子部44aは、軸方向から見て、境界スロットStよりも径方向内側に配置される。これにより、第1端子部44aを第2端子部44bに対して径方向に十分に離間することができる。なお、本実施形態の第2引出線31bは、境界スロットStに対して径方向内側に位置するが、第2引出線31bが境界スロットStに対し径方向外側に位置する場合であっても同様の効果を得ることができる。すなわち、第1端子部44aが、軸方向から見て、境界スロットStに対し径方向内側または外側に配置され、第2端子部44bが、軸方向から見て、境界スロットStに重なる場合に、上述の効果を得ることができる。
【0080】
また、本実施形態では、第1端子部44aは、軸方向から見て、境界スロットStに対し径方向内側に配置される。本実施形態によれば、バスバーユニット4は、軸方向から見て、ステータ30の外形に対し径方向外側に突出することがなく、モータ1を径方向に小型化できる。
【0081】
<第1バスバー、第2バスバー、および第3バスバー>
図4に示すように、第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43は、全長に亘って軸方向と直交する方向を板厚方向とする。第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43は、それぞれ導電性の金属板をプレス加工することで成形されている。
【0082】
第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43は、それぞれ基部41k、42k、43kと端子部41a、42a、43aと外部装置接続部41b、42b、43bとを有する。それぞれの基部41k、42k、43kは、周方向に沿って延びる。第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43において、それぞれの端子部41a、42a、43aは、基部41k、42k、43kから径方向外側に延びる。同様に、第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43において、それぞれの外部装置接続部41b、42b、43bは、基部41k、42k、43kから径方向外側に延びる。外部装置接続部41b、42b、43bには、図示略の外部装置に接続され、外部装置から交流電流を印加される。
【0083】
第1バスバー41の端子部41aは、U相渡り線バスバー44U、およびW相渡り線バスバー44Wの引出線にまとめて接続される。第2バスバー42の端子部42aは、U相渡り線バスバー44U、およびV相渡り線バスバー44Vの引出線にまとめて接続される。第3バスバー43の端子部43aは、V相渡り線バスバー44V、およびW相渡り線バスバー44Wの引出線にまとめて接続される。
【0084】
端子部41a、42a、43aは、それぞれ挟持部41c、42c、43cを有する。挟持部41c、42c、43cは、それぞれ2本の引出線を周方向両側から挟み込む。挟持部41c、42c、43cの開口方向は、軸方向から見て径方向内側である。第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43の挟持部41c、42c、43cの開口方向は、互いに一致する。第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43の挟持部41c、42c、43cの開口方向は、第1挟持部44c、および第2挟持部44dの開口方向とは、異なる方向である。
【0085】
本実施形態によれば、端子部41a、42a、43aが、それぞれ挟持部41c、42c、43cを有することで、かしめ加工によりコイルの引出線への仮固定が可能となり、レーザ溶接を安定的に行うことができる。また、端子部41a、42a、43aと引出線とを抵抗溶接によって接合する場合であっても、抵抗溶接用の一対の電極で、挟持部41c、42c、43cを挟み込んで溶接を行うことができる。
【0086】
本実施形態において、挟持部41c、42c、43cが挟み込む一対の引出線は、周方向に並んで配置されている。挟持部41c、42c、43cは、周方向に並ぶ一対の引出線を周方向両側から挟み込む。本実施形態によれば、一対の引出線に対し、それぞれの挟持部41c、42c、43cをより確実に接触させることができ、一対の引出線と端子部41a、42a、43aとの接続の安定性を高めることができる。
【0087】
図3に示すように、本実施形態の第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43の端子部41a、42a、43aは、軸方向の位置が互いに重なる。さらに、第1バスバー41、第2バスバー42、および第3バスバー43の端子部41a、42a、43aは、第1端子部44a、および第2端子部44bとも軸方向の位置が互いに重なる。本実施形態によれば、各端子部41a、42a、43a、44a、44bのレーザ溶接工程内で焦点距離の調整を行うことがなく、溶接工程を簡素化できる。
【0088】
<バスバーホルダ>
図3に示すように、バスバーホルダ40は、複数のバスバー41、42、43、44を支持する。バスバーホルダ40は、中心軸線Jを中心とする円盤状のホルダ本体40aと、複数(本実施形態では3個)の脚部40bと、を有する。
【0089】
ホルダ本体40aは、軸方向から見てステータ30の径方向内側に配置される。したがってホルダ本体40aは、軸方向から見てロータ20と重なる。ホルダ本体40aには、中心軸線Jを中心とする円形の中央孔40eが設けられる。中央孔40eには、ロータ20のシャフト21が通される。
【0090】
ホルダ本体40aの上側を向く面には、複数の保持溝40dが設けられる。それぞれの保持溝40dは、周方向に沿って延びる。複数の保持溝40dには、複数のバスバー41、42、43、44の基部41k、42k、43k、44kがそれぞれ挿入される。これにより、バスバーホルダ40は、複数のバスバー41、42、43、44を保持する。なお、バスバーホルダ40は、インサート成形などによって基部41k、42k、43k、44kを埋め込むことでバスバー41、42、43、44を保持するものであってもよい。
【0091】
脚部40bは、ホルダ本体40aから径方向外側に延びる。脚部40bは、ホルダ本体40aを支持する。複数の脚部40bは、中心軸周りに等間隔に配置される。脚部40bは、ホルダ本体40aの外縁から径方向外側に延びる径方向延出部40kと、径方向延出部40kの径方向外側先端から下側に延びる下側延出部40jと、を有する。
【0092】
脚部40bは、下側延出部40jの下端面においてコアバック部32aの上面に接触する。これにより、脚部40bは、ステータ30に支持される。すなわち、バスバーホルダ40は、ステータ30に支持される。
【0093】
径方向延出部40kは、中心軸線Jと直交して平面に沿って延びる板状である。径方向延出部40kは、軸方向から見て、コイル31に重なる。径方向延出部40kには、軸方向に貫通する孔部40hが設けられる。すなわち、脚部40bには、軸方向に貫通する孔部40hが設けられる。孔部40hは、径方向外側に向かうに従い周方向他方側に延びる長孔状である。
【0094】
径方向延出部40kの直下に配置されるコイル31からは、一対のコイル間接続部35と、中間接続部31mと、が上側に突出する。一対のコイル間接続部35の一方は、コイル31の周方向一方側(+θ側)の端部、かつ径方向内側の端部から上側に延び出て、他方は、コイル31の周方向他方側(-θ側)の端部、かつ径方向外側の端部から上側に延び出る。また、中間接続部31mは、コイル31の周方向中央、かつ径方向中央から上側に延び出る。したがって、一方のコイル間接続部35と中間接続部31mと他方のコイル間接続部35は、直線状に並ぶ。孔部40hは、一対のコイル間接続部35、および中間接続部31mが並ぶ方向に沿って延びている。一対のコイル間接続部35、および中間接続部31mは、孔部40hに挿入される。
【0095】
本実施形態によれば、脚部40bに設けられる孔部40hに一対のコイル間接続部35、および中間接続部31mが挿入される。このため、脚部40bと一対のコイル間接続部35、および中間接続部31mとの接触を抑制しつつ脚部40bをコイル31に近づけて配置でき、モータ1を軸方向に小型化できる。
【0096】
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0097】
例えば、上述のモータは、発電機として使用してもよい。また、複数のコイルの結線構成は、Δ結線でなく、スター結線であってもよい。また、この場合、複数のコイルに流れる交流電流の相数は、三相に限定されない。さらに、上述の実施形態では、コイルを構成する導線が平角線である場合について説明したが、コイルは断面円形の導線よって構成されていてもよい。上述の実施形態では、各バスバーが軸方向から見てコイルに対し径方向内側に配置される場合について説明した。しかしながら、各バスバーは、軸方向から見てコイルの径方向外側に配置されていてもよい。
【0098】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心として回転するロータと、周方向に並ぶ複数のコイルを有するステータと、複数のバスバーを有するバスバーユニットと、を備え、複数の前記コイルは、第1相コイル、および第2相コイルを含む複数相の前記コイルに分類され、それぞれ同相の前記コイルには、同位相の交流電流が流れ、複数の前記バスバーには、同相の前記コイル同士を繋ぐ複数の渡り線バスバーが含まれ、前記渡り線バスバーは、周方向に沿って延びる基部と、前記基部の両端に位置しそれぞれ異なる前記コイルに接続される第1端子部、および第2端子部と、を有し、前記第1相コイルと前記第2相コイルとが隣り合うスロットでは、前記第1相コイルから延び出る第1引出線と、前記第2相コイルから延び出る第2引出線と、が軸方向一方側にそれぞれ引き出され、前記第1引出線には、前記渡り線バスバーのうち前記第1相コイル同士を繋ぐ第1相渡り線バスバーの前記第1端子部が接続され、前記第2引出線には、前記渡り線バスバーのうち前記第2相コイル同士を繋ぐ第2相渡り線バスバーの前記第2端子部が接続され、前記第1相渡り線バスバーの前記第1端子部と、前記第2相渡り線バスバーの前記第2端子部とは、周方向位置が重なり径方向にずれて配置される、モータ。
(2) 前記第1相コイルは、前記スロットに対し周方向一方側に位置し、前記第1相渡り線バスバーは、前記スロットに対し周方向他方側に延び、前記第2相コイルは、前記スロットに対し周方向他方側に位置し、前記第2相渡り線バスバーは、前記スロットに対し周方向一方側に延びる、(1)に記載のモータ。
(3) 前記第1端子部、および前記第2端子部は、前記第1引出線又は前記第2引出線を挟み込む挟持部をそれぞれ有し、前記第1端子部の前記挟持部と前記第2端子部の前記挟持部とは、軸方向から見て互いに異なる方向を開口方向とする、(1)又は(2)に記載のモータ。
(4) 前記第1端子部は、前記基部から径方向一方側に延び出て、前記第2端子部は、前記基部から径方向他方側に延び出る、(1)~(3)の何れか一項に記載のモータ。
(5) 前記第1端子部と前記第2端子部とは、軸方向の位置が互いに重なる、(1)~(4)の何れか一項に記載のモータ。
(6) 互いに異なる相の前記渡り線バスバーは、互いに同形状である、(1)~(5)の何れか一項に記載のモータ。
(7) 前記第1端子部は、軸方向から見て、前記スロットに対し径方向内側または外側に配置され、前記第2端子部は、軸方向から見て、前記スロットに重なる、(1)~(6)の何れか一項に記載のモータ。
(8) 前記第1端子部は、軸方向から見て、前記スロットに対し径方向内側に配置される、(7)に記載のモータ。
(9) 前記コイルは、それぞれ平角線が巻かれて構成され径方向に並ぶ複数の巻線体と、前記巻線体同士を繋ぐ中間接続部と、を有し、前記中間接続部は、径方向に隣り合う一対の前記巻線体から軸方向一方側に引き出される前記平角線の端部同士を繋ぐことで構成され、前記スロットにおいて、前記第1引出線は、周方向に隣り合う前記第1相コイルと前記第2相コイルの前記中間接続部同士の間を径方向に延びる、(1)~(8)の何れか一項に記載のモータ。
(10) 前記コイルは、平角線から構成され、前記平角線の表面は、絶縁性の被覆で覆われ、前記平角線は、前記第1端子部および前記第2端子部との接続部において前記被覆から前記表面が露出する、(1)~(9)の何れか一項に記載のモータ。
(11) 前記コイルは、アルファ巻きによって巻かれている、(1)~(10)の何れか一項に記載のモータ。
(12) 複数の前記コイル、周方向に並ぶ同相の前記コイルを含み、周方向に並ぶ同相の前記コイル同士は、それぞれの前記コイルから軸方向一方側に引き出される引出線の端部同士を繋ぐことで構成されるコイル間接続部において互いに接続され、前記バスバーユニットは、複数の前記バスバーを支持するバスバーホルダを有し、前記バスバーホルダは、軸方向から見て前記ステータの径方向内側に位置するホルダ本体と、前記ホルダ本体から径方向外側に延びて前記ホルダ本体を支持する脚部と、を有し、前記脚部には、軸方向に貫通する孔部が設けられ、前記孔部には、前記コイル間接続部が挿入される、(1)~(11)の何れか一項に記載のモータ。
(13) 前記ステータは、前記バスバーユニットによってΔ結線される18個の前記コイルを有し、同相の6個の前記コイルは、周方向に連続して並ぶ3個を一組として、二組に分けられ、各組において隣り合う前記コイルは、引出線で接続され、同相の異なる組の前記コイルは、前記渡り線バスバーによって接続される、(1)~(12)の何れか一項に記載のモータ。
(14) (1)~(13)の何れか一項に記載の前記モータと、前記モータのロータに接続されるプロペラと、を備える、無人飛行体。
【符号の説明】
【0099】
1…モータ、1p…プロペラ、4…バスバーユニット、20…ロータ、30…ステータ、31…コイル、31a…第1引出線、31b…第2引出線、31m…中間接続部、31p…平角線、31U…U相コイル(第1相コイル)、31V…V相コイル(第2相コイル)、31W…W相コイル(第3相コイル)、35…コイル間接続部、38、39…巻線体、40…バスバーホルダ、40a…ホルダ本体、40b…脚部、40h…孔部、41…第1バスバー(バスバー)、42…第2バスバー(バスバー)、43…第3バスバー(バスバー)、41c,42c,43c,44c,44d…挟持部、41k,42k,43k,44k…基部、44…渡り線バスバー(バスバー)、44a…第1端子部、44b…第2端子部、44U…U相渡り線バスバー(第1相渡り線バスバー)、44V…V相渡り線バスバー(第2相渡り線バスバー)、44W…W相渡り線バスバー(第3相渡り線バスバー)、100…無人飛行体、Ct…エナメル被覆(被覆)、J…中心軸線、St…境界スロット(スロット)