(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065411
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/30 20060101AFI20240508BHJP
G06F 11/34 20060101ALI20240508BHJP
G06F 9/4401 20180101ALI20240508BHJP
【FI】
G06F11/30 155
G06F11/34 123
G06F9/4401
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174259
(22)【出願日】2022-10-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.第1の公開 ウェブサイトの掲載日 2022年10月13日 ウェブサイトのアドレス https://www.nec-lavie.jp/products/notebook/lavie/n15/ <資 料> ウェブサイトのページ プリントアウト 2.第2の公開 出荷日 2022年10月13日 出荷した場所 NECパーソナルコンピュータ株式会社 米沢事業場(山形県米沢市下花沢二丁目6-80)
(71)【出願人】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】山崎 大介
【テーマコード(参考)】
5B042
5B376
【Fターム(参考)】
5B042JJ17
5B042MA08
5B042MC31
5B042MC37
5B042MC40
5B376AE54
(57)【要約】
【課題】利用者の利用に即した適切な起動時刻及び終了時刻を提案する。
【解決手段】情報処理装置は、実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部から、自装置の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得する取得処理部と、前記取得処理部が取得した、前記起動時刻及び前記終了時刻と、前記ログイン時刻及び前記ログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行する学習処理部と、前記学習処理部が学習した学習結果に基づいて、予測される前記起動時刻及び前記終了時刻を提案する提案処理部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部から、自装置の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得する取得処理部と、
前記取得処理部が取得した、前記起動時刻及び前記終了時刻と、前記ログイン時刻及び前記ログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行する学習処理部と、
前記学習処理部が学習した学習結果に基づいて、予測される前記起動時刻及び前記終了時刻を提案する提案処理部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記学習処理部は、取得した前記起動時刻及び前記終了時刻を含む学習データにより、前記学習処理を実行し、前記終了時刻から前記起動時刻までの間隔が、第1閾値以下である再起動であり、且つ、当該再起動に対応する前記ログアウト時刻と、前記再起動後の前記ログイン時刻との間隔が、第2閾値以上である場合に、当該再起動に対応する前記起動時刻及び前記終了時刻を、前記学習データから除外する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習処理部は、前記再起動であり、且つ、当該再起動に対応する前記ログアウト時刻と、前記再起動後の前記ログイン時刻との間隔が、第2閾値より短い場合に、当該再起動に対応する前記起動時刻及び前記終了時刻を、前記学習データから除外する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提案処理部は、前記学習結果に基づいて、1日のうちの単位時間ごとに、起動状態と停止状態とのいずれかを推定し、前記停止状態から前記起動状態に変化する時刻を、前記起動時刻として提案するとともに、前記起動状態から前記停止状態に変化する時刻を、前記終了時刻として提案する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提案処理部は、
前記学習結果に基づいて、前記起動時刻及び前記終了時刻の候補を複数推定し、
前記起動状態の期間が重複する複数の前記起動時刻の候補間の最長の間隔が、第1の閾値単位時間以上である場合に、前記期間が重複する複数の前記起動時刻の候補のうちの最も遅い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻として提案し、
前記起動状態の期間が重複する複数の前記終了時刻の候補間の最長の間隔が、前記第1の閾値単位時間以上である場合に、前記期間が重複する複数の前記終了時刻の候補のうちの最も早い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻と提案して、
前記起動状態の期間を統合する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提案処理部は、
前記起動状態の期間が重複する複数の前記起動時刻の候補間の最長の間隔が、第1の閾値単位時間より短い第2の閾値単位時間以下である場合に、前記期間が重複する複数の前記起動時刻の候補のうちの最も早い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻として提案し、
前記起動状態の期間が重複する複数の前記終了時刻の候補間の最長の間隔が、前記第2の閾値単位時間以下である場合に、前記期間が重複する複数の前記終了時刻の候補のうちの最も遅い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻と提案して、
前記起動状態の期間を統合する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部を備える情報処理装置の制御方法であって、
取得処理部が、前記イベントログ記憶部から、自装置の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得するステップと、
学習処理部が、取得された、前記起動時刻及び前記終了時刻と、前記ログイン時刻及び前記ログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行するステップと、
提案処理部が、前記学習処理によって学習された学習結果に基づいて、予測される前記起動時刻及び前記終了時刻を提案するステップと
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(パーソナルコンピュータ)などの情報処理装置において、起動時刻及び終了時刻を設定し、設定時刻で自動的に起動処理及び終了処理を行うものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、このような情報処理装置では、さらに、過去の利用実績から学習して、起動時刻及び終了時刻を提案するものが知られている。このような従来技術の情報処理装置では、起動及び終了のイベントログを用いて学習して起動時刻及び終了時刻の提案を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術の情報処理装置では、例えば、OS(Operating System)のアップデータなどのユーザが意図しない起動処理及び終了処理も学習してしまうため、利用者の利用に即していない起動時刻及び終了時刻が提案される場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、利用者の利用に即した適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部から、自装置の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得する取得処理部と、前記取得処理部が取得した、前記起動時刻及び前記終了時刻と、前記ログイン時刻及び前記ログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行する学習処理部と、前記学習処理部が学習した学習結果に基づいて、予測される前記起動時刻及び前記終了時刻を提案する提案処理部とを備える情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記学習処理部は、取得した前記起動時刻及び前記終了時刻を含む学習データにより、前記学習処理を実行し、前記終了時刻から前記起動時刻までの間隔が、第1閾値以下である再起動であり、且つ、当該再起動に対応する前記ログアウト時刻と、前記再起動後の前記ログイン時刻との間隔が、第2閾値以上である場合に、当該再起動に対応する前記起動時刻及び前記終了時刻を、前記学習データから除外してもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記学習処理部は、前記再起動であり、且つ、当該再起動に対応する前記ログアウト時刻と、前記再起動後の前記ログイン時刻との間隔が、第2閾値より短い場合に、当該再起動に対応する前記起動時刻及び前記終了時刻を、前記学習データから除外してもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記提案処理部は、前記学習結果に基づいて、1日のうちの単位時間ごとに、起動状態と停止状態とのいずれかを推定し、前記停止状態から前記起動状態に変化する時刻を、前記起動時刻として提案するとともに、前記起動状態から前記停止状態に変化する時刻を、前記終了時刻として提案してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記提案処理部は、前記学習結果に基づいて、前記起動時刻及び前記終了時刻の候補を複数推定し、前記起動状態の期間が重複する複数の前記起動時刻の候補間の最長の間隔が、第1の閾値単位時間以上である場合に、前記期間が重複する複数の前記起動時刻の候補のうちの最も遅い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻として提案し、前記起動状態の期間が重複する複数の前記終了時刻の候補間の最長の間隔が、前記第1の閾値単位時間以上である場合に、前記期間が重複する複数の前記終了時刻の候補のうちの最も早い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻と提案して、前記起動状態の期間を統合してもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記提案処理部は、前記起動状態の期間が重複する複数の前記起動時刻の候補間の最長の間隔が、第1の閾値単位時間より短い第2の閾値単位時間以下である場合に、前記期間が重複する複数の前記起動時刻の候補のうちの最も早い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻として提案し、前記起動状態の期間が重複する複数の前記終了時刻の候補間の最長の間隔が、前記第2の閾値単位時間以下である場合に、前記期間が重複する複数の前記終了時刻の候補のうちの最も遅い前記起動時刻の候補を、前記起動時刻と提案して、前記起動状態の期間を統合してもよい。
【0012】
また、本発明の一態様は、実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部を備える情報処理装置の制御方法であって、取得処理部が、前記イベントログ記憶部から、自装置の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得するステップと、学習処理部が、取得された、前記起動時刻及び前記終了時刻と、前記ログイン時刻及び前記ログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行するステップと、提案処理部が、前記学習処理によって学習された学習結果に基づいて、予測される前記起動時刻及び前記終了時刻を提案するステップとを含む制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記態様によれば、利用者の利用に即した適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態によるノートPCの主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態によるノートPCの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態における学習データからの除外処理の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における学習モデルの一例を示す図である。
【
図5】本実施形態における起動時刻及び終了時刻の候補の統合処理の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態によるノートPCの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態によるノートPCの起動時刻及び終了時刻の提案の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び制御方法について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態によるノートPC1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、ノートブック型のPC(パーソナルコンピュータ)であるノートPC1について説明する。
【0017】
図1に示すように、ノートPC1は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、HDD23と、オーディオシステム24と、WLANカード25と、USBコネクタ26と、撮像部27と、エンベデッドコントローラ31と、入力部32と、電源回路33とを備える。
なお、本実施形態において、CPU11と、チップセット21とは、メイン制御部10に対応する。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御している。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(オペレーティングシステム)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0019】
ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、表示部14に描画データ(表示データ)として出力する。
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイであり、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。
【0020】
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。
図1では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、HDD23と、オーディオシステム24と、WLANカード25と、USBコネクタ26と、撮像部27とが、チップセット21に接続されている。また、チップセット21は、RTC(Real Time Clock)機能を備える。
【0021】
BIOS(Basic Input Output System)メモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0022】
HDD(Hard Disk Drive)23(不揮発性記憶装置の一例)は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
オーディオシステム24は、音データの記録、再生、出力を行う。
【0023】
WLAN(Wireless Local Area Network)カード25は、ワイヤレス(無線)LANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。WLANカード25は、例えば、ネットワークからのデータを受信した際に、データを受信したことを示すイベントトリガを発生する。
【0024】
USBコネクタ26は、USBを利用した周辺機器類を接続するためのコネクタである。
撮像部27は、Webカメラであり、画像を撮像する。撮像部27は、例えば、USBインタフェースによりチップセット21と接続されている。
【0025】
エンベデッドコントローラ31は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源回路33を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、入力部32、及び電源回路33などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。
【0026】
入力部32は、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス、タッチパッドなどの入力デバイスである。
電源回路33は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、AC/DCアダプタなどを含んでおり、AC/DCアダプタ、又は電池ユニットから供給される直流電圧を、ノートPC1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源回路33は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて、ノートPC1の各部に電力を供給する。
【0027】
次に、
図2を参照して、本実施形態によるノートPC1の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態によるノートPC1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
記憶部40は、例えば、メインメモリ12又はHDD23により実現される記憶部であり、ノートPC1が利用する各種情報を記憶する。記憶部40は、例えば、各種アプリケーションが利用する各種情報を一時記憶する。また、記憶部40は、OSの各種設定情報を記憶する。記憶部40は、イベントログ記憶部41と、学習データ記憶部42と、学習結果記憶部43と、提案時刻記憶部44とを備える。
【0029】
イベントログ記憶部41は、実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶する。イベントログ記憶部41は、例えば、実行された時刻情報と、実行されたイベントの内容とを対応付けて、イベントログとして記憶する。イベントの内容は、例えば、ノートPC1の起動処理及び終了処理と、利用者のログイン処理及びログアウト処理とを含む各種実行処理の内容である。
【0030】
学習データ記憶部42は、ノートPC1の起動時刻及び終了時刻を予測する学習モデルを構築する学習処理を実行するための学習データを記憶する。学習データ記憶部42は、例えば、季節情報と、曜日情報と、起動時刻又は終了時刻との組情報を、複数含む学習データを記憶する。
【0031】
学習結果記憶部43は、学習処理を実行した学習結果を記憶する。学習結果記憶部43は、学習処理により構築された学習モデル(予測モデル)の重み付けて情報(係数情報)等のパラメータ情報を記憶する。
【0032】
提案時刻記憶部44は、利用者に提案するノートPC1の起動時刻及び終了時刻を含む情報を記憶する。提案時刻記憶部44は、提案された起動時刻及び終了時刻の他に、利用者によって設定された起動時刻及び終了時刻を記憶してもよい。また、提案時刻記憶部44は、例えば、季節ごと、曜日ごとに、提案又は設定された起動時刻及び終了時刻を記憶するようにしてもよい。
【0033】
メイン制御部10は、CPU11及びチップセット21が、メインメモリ12が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、OS(例えば、Windows(登録商標))に基づく各種処理を実行する。
メイン制御部10は、計時部101と、OS処理部102と、取得処理部103と、学習処理部104と、提案処理部105とを備える。
【0034】
計時部101は、チップセット21のRTC機能により実現される機能部であり、時計として時刻を計時する。計時部101が計時する時刻は、イベントログに添付される時刻に利用されるとともに、設定されたノートPC1の起動時刻及び終了時刻を判定するために利用される。
【0035】
OS処理部102は、主にOSに基づく処理を実行する。OS処理部102は、例えば、ノートPC1の起動時刻及び終了時刻や、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻を含むイベントログを、イベントログ記憶部41に記憶させる。
【0036】
また、OS処理部102は、計時部101が計時する時刻が、設定されたノートPC1の起動時刻になった場合に、自装置(ノートPC1)を起動する起動処理を実行する。また、OS処理部102は、計時部101が計時する時刻が、設定されたノートPC1の終了時刻になった場合に、自装置(ノートPC1)を起動を終了する終了処理を実行する。
【0037】
取得処理部103は、イベントログ記憶部41から、ノートPC1(自装置)の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得する。ここで、起動時刻は、イベントログとして、ノートPC1(自装置)の起動処理に対応付けられた時刻情報である。また、終了時刻は、イベントログ記憶部41が記憶するイベントログとして、ノートPC1(自装置)の終了処理に対応付けられた時刻情報である。
【0038】
また、ログイン時刻は、イベントログ記憶部41が記憶するイベントログとして、利用者のログイン処理に対応付けられた時刻情報である。また、ログアウト時刻は、イベントログ記憶部41が記憶するイベントログとして、利用者のログアウト処理に対応付けられた時刻情報である。
【0039】
取得処理部103は、イベントログ記憶部41が記憶する複数のイベントログの中から、起動処理、終了処理、ログイン処理、及びログアウト処理に対応するものを抽出し、抽出したイベントログの処理に対応付けられた時刻情報を、それぞれ、起動時刻、終了時刻、ログイン時刻、及びログアウト時刻として取得する。
【0040】
学習処理部104は、取得処理部103が取得した、起動時刻及び終了時刻と、ログイン時刻及びログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行する。学習処理部104は、例えば、季節、曜日、起動時刻、及び終了時刻を学習データとし、以下のルールにより、利用者の意図しない起動時刻及び終了時刻を学習データから除外する。
【0041】
(ルール1)学習処理部104は、終了時刻から起動時刻までの間隔が、閾値Tth1以下(第1閾値以下)である再起動であり、且つ、当該再起動に対応するログアウト時刻と、再起動後のログイン時刻との間隔が、閾値Tth2以上(第2閾値以上)である場合に、当該再起動に対応する起動時刻及び終了時刻を、学習データから除外する。
【0042】
(ルール2)学習処理部104は、終了時刻から起動時刻までの間隔が、閾値Tth1以下(第1閾値以下)である再起動であり、且つ、当該再起動に対応するログアウト時刻と、再起動後のログイン時刻との間隔が、閾値Tth3(第2閾値の一例)より短い場合に、当該再起動に対応する起動時刻及び終了時刻を、学習データから除外する。なお、閾値Tth3と閾値Tth2とは、等しくてもよい。
【0043】
ここで、
図3を参照して、(ルール1)及び(ルール2)による学習データの除外処理の具体例について説明する。
図3は、本実施形態における学習データからの除外処理の一例を示す図である。
【0044】
図3(a)は、上述した(ルール1)の除外処理の一例を示している。
図3(a)において、横棒SU1及び横棒SU2は、ノートPC1が起動している起動状態を示している。また、間隔TR1は、横棒SU1の右端である終了時刻と、横棒SU2の左端である起動時刻との間の間隔を示している。
【0045】
また、ログアウト時刻TLO1(黒丸)は、利用者のログアウトした時刻を示し、ログイン時刻TLI1(黒丸)は、利用者のログインした時刻を示している。また、間隔TR2は、ログアウト時刻TLO1と、ログイン時刻TLI1との間の間隔を示している。
【0046】
図3(a)に示すように、学習処理部104は、間隔TR1が、閾値Tth1以下である場合に、ノートPC1に再起動が発生したと判定する。また、学習処理部104は、さらに、再起動が発生した前後のログアウト-ログイン間隔である間隔TR2が、閾値Tth1よりも大きい閾値Tth2以上である場合に、OS更新などによる再起動であると判定する。その結果、学習処理部104は、この再起動の終了時刻及び起動時刻を、学習データから除外する。
【0047】
また、
図3(b)は、上述した(ルール2)の除外処理の一例を示している。
図3(b)において、横棒SU3及び横棒SU4は、ノートPC1が起動している起動状態を示している。また、間隔TR3は、横棒SU3の右端である終了時刻と、横棒SU4の左端である起動時刻との間の間隔を示している。
【0048】
また、ログアウト時刻TLO2(黒丸)は、利用者のログアウトした時刻を示し、ログイン時刻TLI2(黒丸)は、利用者のログインした時刻を示している。また、間隔TR4は、ログアウト時刻TLO2と、ログイン時刻TLI2との間の間隔を示している。
【0049】
図3(b)に示すように、学習処理部104は、間隔TR3が、閾値Tth1以下である場合に、ノートPC1に再起動が発生したと判定する。また、学習処理部104は、さらに、再起動が発生した前後のログアウト-ログイン間隔である間隔TR4が、閾値Tth3より短い場合に、短期間に再起動が発生したと判定する。その結果、学習処理部104は、この再起動の終了時刻及び起動時刻を、学習データから除外する。
【0050】
図2の説明に戻り、学習処理部104は、除外処理を行った学習データを、学習データ記憶部42に記憶させる。
また、学習処理部104は、学習データにより、学習処理を実行し、起動時刻及び終了時刻を予測する学習モデル(例えば、SVM(サポートベクターマシン)などの分類器や決定木、等)を構築する。学習処理部104は、機械学習の学習処理により、例えば、季節、曜日、1日のうちの単位時間こと(例えば、1時間を単位時間とした1時間ごと)のノートPC1の状態(例えば、停止状態(終了状態)か、起動状態か、など)を予測する学習モデル(予測モデル)を構築する。ここで、
図4を参照して、本実施形態における学習モデルの一例について説明する。
【0051】
図4は、本実施形態における学習モデルの一例を示す図である。
図4に示すように、学習モデルは、単位時間である1時間ごとの時刻の入力に対して、当該時刻の単位時間の期間(例えば、1時間)におけるノートPC1の状態を分類する。例えば、時刻“0時”において、学習モデルは、学習結果に基づいて、“停止状態”であると分類する。また、例えば、時刻“8時”において、学習モデルは、学習結果に基づいて、“起動状態”であると分類する。ここで、“停止状態”から“起動状態”に変更される時刻が、起動時刻の候補に相当し、“起動状態”から“停止状態”に変更される時刻が、終了時刻の候補に相当する。
【0052】
学習処理部104は、学習処理を実行して構築した学習モデル(予測モデル)を、学習結果として、学習結果記憶部43に記憶させる。学習処理部104は、例えば、学習結果記憶部43に、学習モデルの重み付けて情報(係数情報)等のパラメータ情報を記憶させる。
【0053】
再び、
図2の説明に戻り、提案処理部105は、学習処理部104が学習した学習結果に基づいて、予測される起動時刻及び終了時刻を提案する。提案処理部105は、学習結果記憶部43に記憶されている学習結果を用いて、例えば、季節及び曜日に対応する起動時刻及び終了時刻を提案する。
【0054】
すなわち、提案処理部105は、
図4に示すように、単位時間(ここでは、1時間ごと)の時刻に対するノートPC1の状態を分類し、“停止状態”から“起動状態”に変更される時刻により起動時刻の候補を予測し、“起動状態”から“停止状態”に変更される時刻により終了時刻の候補を予測する。
【0055】
このように、提案処理部105は、学習結果に基づいて、1日のうちの単位時間ごと(例えば、1時間ごと)に、起動状態と停止状態とのいずれかを推定(予測)し、停止状態から起動状態に変化する時刻を、起動時刻として提案するとともに、起動状態から停止状態に変化する時刻を、終了時刻として提案する。
【0056】
また、提案処理部105は、起動時刻及び終了時刻の候補が複数ある場合に、以下のルールにより、複数の候補を統合した、起動時刻及び終了時刻を提案する。
なお、複数の候補は、学習モデルが複数の候補を出力するものであってもよいし、今回の起動時刻及び終了時刻の候補と、過去の所定の回数分の候補とであってもよい。
【0057】
(ルールA)提案処理部105は、複数の候補において、起動時刻同士、又は終了時刻同士が遠い場合に、内側の時刻に統合する。具体的に、提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の起動時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth4以上(第1の閾値単位時間以上)である場合に、期間が重複する複数の起動時刻の候補のうちの最も遅い起動時刻の候補を、起動時刻として提案する。また、提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の終了時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth4以上(第1の閾値単位時間以上)である場合に、期間が重複する複数の終了時刻の候補のうちの最も早い起動時刻の候補を、起動時刻と提案する。
【0058】
(ルールB)提案処理部105は、複数の候補において、起動時刻同士、又は終了時刻同士が近い場合に、外側の時刻に統合する。提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の起動時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth4(第1の閾値単位時間)より短い閾値単位時間Tth5以下(第2の閾値単位時間以下)である場合に、期間が重複する複数の起動時刻の候補のうちの最も早い起動時刻の候補を、起動時刻として提案する。また、提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の終了時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth5以下(第2の閾値単位時間以下)である場合に、期間が重複する複数の終了時刻の候補のうちの最も遅い起動時刻の候補を、起動時刻と提案する。
【0059】
次に、
図5を参照して、本実施形態における起動時刻及び終了時刻の候補の統合処理の具体例について説明する。
図5は、本実施形態における起動時刻及び終了時刻の候補の統合処理の一例を示す図である。なお、
図5において、閾値単位時間Tth4を2時間(2単位時間)とし、閾値単位時間Tth5を1時間(1単位時間)とした場合の一例について説明する。
【0060】
図5(a)は、上述した(ルールA)の統合処理の一例を示している。
図5(a)において、横棒ST5、及び横棒ST6は、それぞれ、候補の起動時刻と終了時刻との間の起動状態の期間を示している。また、横棒ST7は、(ルールA)により統合された起動状態の期間を示している。
【0061】
図5(a)に示す例では、横棒ST5の起動時刻“7時”と、横棒ST6の起動時刻“9時”との間隔TR5は、2時間(2単位時間)であり、閾値単位時間Tth4以上(2時間以上)である。そのため、提案処理部105は、最も遅い候補(内側の候補)の“9時”を起動時刻として提案する。
【0062】
また、横棒ST5の終了時刻“20時”と、横棒ST6の終了時刻“17時”との間隔TR6は、3時間(3単位時間)であり、閾値単位時間Tth4以上(2時間以上)である。そのため、提案処理部105は、最も早い候補(内側の候補)の“17時”を終了時刻として提案する。
【0063】
したがって、
図5(a)に示す例では、提案処理部105は、横棒ST5と横棒ST6とを統合して、横棒ST7を候補として生成する。その結果、提案処理部105は、起動時刻“9時”及び終了時刻“17時”とを提案する。
【0064】
また、
図5(b)は、上述した(ルールB)の統合処理の一例を示している。
図5(b)において、横棒ST8、及び横棒ST9は、それぞれ、候補の起動時刻と終了時刻との間の起動状態の期間を示している。また、横棒ST10は、(ルールB)により統合された起動状態の期間を示している。
【0065】
図5(b)に示す例では、横棒ST8の起動時刻“7時”と、横棒ST9の起動時刻“8時”との間隔TR7は、1時間(1単位時間)であり、閾値単位時間Tth5以下(1時間以下)である。そのため、提案処理部105は、最も早い候補(外側の候補)の“7時”を起動時刻として提案する。
【0066】
また、横棒ST8の終了時刻“20時”と、横棒ST9の終了時刻“19時”との間隔TR8は、1時間(1単位時間)であり、閾値単位時間Tth5以下(1時間以下)である。そのため、提案処理部105は、最も遅い候補(外側の候補)の“20時”を終了時刻として提案する。
【0067】
したがって、
図5(b)に示す例では、提案処理部105は、横棒ST8と横棒ST9とを統合して、横棒ST10を候補として生成する。その結果、提案処理部105は、起動時刻“7時”及び終了時刻“20時”とを提案する。
【0068】
また、
図5(c)は、候補が3つ以上である場合の(ルールA)の統合処理の一例を示している。
図5(c)において、横棒ST11、横棒ST12、及び横棒ST13は、それぞれ、候補の起動時刻と終了時刻との間の起動状態の期間を示している。また、横棒ST14は、(ルールA)により統合された起動状態の期間を示している。
【0069】
図5(c)に示す例では、横棒ST11の起動時刻“7時”と、横棒ST12の起動時刻“8時”と、横棒ST13の起動時刻“9時”とのうちで、もっと間隔が長いのは、横棒ST11の起動時刻“7時”と横棒ST13の起動時刻“9時”との間隔TR9である。ここで、間隔TR9は、2時間(2単位時間)であり、閾値単位時間Tth4以上(2時間以上)である。そのため、提案処理部105は、最も遅い候補(内側の候補)の“9時”を起動時刻として提案する。
【0070】
また、横棒ST11の終了時刻“20時”と、横棒ST12の終了時刻“18時”と、横棒ST13の終了時刻“17時”とのうちで、もっと間隔が長いのは、横棒ST11の終了時刻“20時”と横棒ST13の狩猟時刻“17時”との間隔TR10である。ここで、間隔TR10は、3時間(3単位時間)であり、閾値単位時間Tth4以上(2時間以上)である。そのため、提案処理部105は、最も早い候補(内側の候補)の“17時”を終了時刻として提案する。
【0071】
したがって、
図5(c)に示す例では、提案処理部105は、横棒ST11、横棒ST12、及び横棒ST6を統合して、横棒ST10を候補として生成する。その結果、提案処理部105は、起動時刻“9時”及び終了時刻“17時”とを提案する。
【0072】
提案処理部105は、提案する起動時刻及び終了時刻を、提案時刻記憶部44に記憶させるとともに、例えば、起動時刻及び終了時刻を表示部14に表示させて、利用者に提案する。
【0073】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図6は、本実施形態によるノートPC1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0074】
図6に示すように、ノートPC1のメイン制御部10は、イベントログから起動時刻、終了時刻、ログイン時刻、及びログアウト時刻を取得する(ステップS101)。すなわち、メイン制御部10の取得処理部103は、イベントログ記憶部41が記憶する複数のイベントログの中から、起動処理、終了処理、ログイン処理、及びログアウト処理に対応するものを抽出し、抽出したイベントログの処理に対応付けられた時刻情報を、それぞれ、起動時刻、終了時刻、ログイン時刻、及びログアウト時刻として取得する。
【0075】
次に、メイン制御部10の学習処理部104は、起動時刻、終了時刻、ログイン時刻、及びログアウト時刻に基づいて、利用者の意図しない起動時刻、終了時刻を学習データから除外する(ステップS102)。学習処理部104は、上述した
図3に示すように、(ルール1)、及び(ルール2)により、利用者の意図しない起動時刻、終了時刻を学習データから除外する。学習処理部104は、除外処理後の学習データを学習データ記憶部42に記憶させる。
【0076】
次に、学習処理部104は、起動時刻及び終了時刻の学習データを用いて、学習処理を実行する(ステップS103)。学習処理部104は、学習データ記憶部42が記憶する学習データを用いて、例えば、
図4に示すような、学習モデルを構築する。学習処理部104は、構築した学習モデルを示す情報(学習結果)を、学習結果記憶部43に記憶させる。
【0077】
次に、メイン制御部10の提案処理部105は、学習結果に基づいて、起動時刻及び終了時刻の候補を予測する(ステップS104)。提案処理部105は、学習結果記憶部43が記憶する学習結果を用いて、
図4に示すように、単位時間(例えば、1時間ごと)の時刻に対するノートPC1の状態を分類し、“停止状態”から“起動状態”に変更される時刻により起動時刻の候補を予測し、“起動状態”から“停止状態”に変更される時刻により終了時刻の候補を予測する。
【0078】
次に、提案処理部105は、起動時刻の候補同士、終了時刻の候補同士が閾値単位時間Tth4以上離れている場合に、起動状態の期間の内側に統合する(ステップS105)。提案処理部105は、上述した
図5(a)及び
図5(c)に示すように、(ルールA)により、起動時刻及び終了時刻の候補を統合する。
【0079】
次に、提案処理部105は、起動時刻の候補同士、終了時刻の候補同士が閾値単位時間Tth5以下である場合に、起動状態の期間の外側に統合する(ステップS106).提案処理部105は、上述した
図5(b)に示すように、(ルールB)により、起動時刻及び終了時刻の候補を統合する。
【0080】
次に、提案処理部105は、起動時刻及び終了時刻を提案する(ステップS107)。提案処理部105は、提案する起動時刻及び終了時刻を提案時刻記憶部44に記憶させるとともに、例えば、
図7に示すように、起動時刻及び終了時刻を表示部に表示させて、利用者に提案する。ステップS107の処理後に、提案処理部105は、処理を終了する。
【0081】
なお、
図6に示す処理は、例えば、ノートPC1が1日のうちで最初に起動した際に実行される。すなわち、
図6に示す処理は、1日に1回実行され、起動時刻及び終了時刻が提案される。
【0082】
ここで、
図7が示す起動時刻及び終了時刻の提案の表示例について説明する。
図7は、本実施形態によるノートPC1の起動時刻及び終了時刻の提案の一例を示す図である。
【0083】
図7において、表示画像G1は、起動時刻及び終了時刻の提案の表示例を示している。
図7に示すように、提案処理部105は、例えば、曜日ごとに、起動時刻及び終了時刻を提案する。
【0084】
なお、
図7において、提案処理部105は、選択ボタンBT1を表示して、提案した起動時刻及び終了時刻をそのまま起動時刻及び終了時刻として設定するか否かを選択できるようにしてもよい。また、提案処理部105は、起動時刻及び終了時刻の設定変更用のウインドウSW1を表示して、起動時刻及び終了時刻を利用者が手動で設定変更できるようにしてもよい。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、取得処理部103と、学習処理部104と、提案処理部105とを備える。取得処理部103は、実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部41から、ノートPC1(自装置)の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得する。学習処理部104は、取得処理部103が取得した、起動時刻及び終了時刻と、ログイン時刻及びログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行する。提案処理部105は、学習処理部104が学習した学習結果に基づいて、予測される起動時刻及び終了時刻を提案する。
【0086】
これにより、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、ログイン時刻及びログアウト時刻を用いることで、例えば、利用者の意図しない起動時刻及び終了時刻を除外できるため、利用者の利用に即した適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【0087】
また、本実施形態では、学習処理部104は、取得した起動時刻及び終了時刻を含む学習データにより、学習処理を実行する。学習処理部104は、終了時刻から起動時刻までの間隔が、閾値Tth1以下(第1閾値以下)である再起動であり、且つ、当該再起動に対応するログアウト時刻と、再起動後のログイン時刻との間隔が、閾値Tth2以上(第2閾値以上)である場合に、当該再起動に対応する起動時刻及び終了時刻を、学習データから除外する。ここで、閾値Tth2(第2閾値)は、閾値Tth1(第1閾値)より大きい。
【0088】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、例えば、OS更新などの利用者の意図しない起動時刻及び終了時刻を、学習データから除外するため、利用者の利用に即したより適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【0089】
また、本実施形態では、学習処理部104は、再起動であり、且つ、当該再起動に対応するログアウト時刻と、再起動後のログイン時刻との間隔が、閾値Tth3(第2閾値)より短い場合に、当該再起動に対応する起動時刻及び終了時刻を、学習データから除外する。なお、閾値Tth3は、上述した閾値Tth2と等しくてもよい。
【0090】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、例えば、再起動などの、利用者が実際にノートPC1を利用するのとは関係ない起動時刻及び終了時刻を、学習データから除外するため、利用者の利用に即したより適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【0091】
また、本実施形態では、提案処理部105は、学習結果に基づいて、1日のうちの単位時間ごと(例えば、1時間ごと)に、起動状態と停止状態とのいずれかを推定(予測)し、停止状態から起動状態に変化する時刻を、起動時刻として提案するとともに、起動状態から停止状態に変化する時刻を、終了時刻として提案する。
【0092】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、単位時間ごと(例えば、1時間ごと)に、起動状態と停止状態とのいずれかを推定(予測)し、起動状態と停止状態との変更時刻を、起動状態又は終了時刻とするため、簡易な学習もでるにより、容易に起動状態又は終了時刻を提案することができる。
【0093】
また、本実施形態では、提案処理部105は、学習結果に基づいて、起動時刻及び終了時刻の候補を複数推定する。提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の起動時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth4以上(第1の閾値単位時間以上)である場合に、期間が重複する複数の起動時刻の候補のうちの最も遅い起動時刻の候補を、起動時刻として提案する。また、提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の終了時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth4以上である場合に、期間が重複する複数の終了時刻の候補のうちの最も早い起動時刻の候補を、起動時刻と提案する。このように、提案処理部105は、起動状態の期間を統合する(ルールA)。
【0094】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、起動状態の期間を内側に統合するため、利用者の利用に即したより適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
なお、従来技術では、起動時刻及び終了時刻の候補を複数ある場合に、外側の時刻を採用して統合することが、一般的だった。そのため、従来技術では、例えば、個人のPCのように不定期な起動・終了を伴う場合、複数の提案時刻候補が結合された結果、0時に起動し、24時に終了する常時起動を提案してしまう問題があった。
【0095】
これに対して、本実施形態によるノートPC1では、起動時刻の候補同士、又は終了時刻の候補同士の間隔が遠い場合に、起動状態の期間の内側に統合するため、従来技術のように、0時に起動し、24時に終了する常時起動が提案されることを低減することができる。よって、本実施形態によるノートPC1は、起動状態の期間を内側に統合するため、利用者の利用に即したより適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【0096】
また、本実施形態では、提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の起動時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth4より短い閾値単位時間Tth5以下(第2の閾値単位時間以下)である場合に、期間が重複する複数の起動時刻の候補のうちの最も早い起動時刻の候補を、起動時刻として提案する。また、提案処理部105は、起動状態の期間が重複する複数の終了時刻の候補間の最長の間隔が、閾値単位時間Tth5以下である場合に、期間が重複する複数の終了時刻の候補のうちの最も遅い起動時刻の候補を、起動時刻と提案する。このように、提案処理部105は、起動状態の期間を統合する(ルールB)。
【0097】
これにより、本実施形態によるノートPC1は、起動時刻の候補同士、又は終了時刻の候補同士の間隔が近い場合(閾値単位時間Tth5以下の場合)に、起動状態の期間の外側に統合するため、利用者の利用に即したより適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【0098】
また、本実施形態による制御方法は、実行された処理の履歴を示すイベントログを記憶するイベントログ記憶部41を備えるノートPC1の制御方法であって、取得処理ステップと、学習処理ステップと、提案処理ステップとを含む。取得処理ステップにおいて、取得処理部103が、イベントログ記憶部41から、自装置の起動時刻及び終了時刻と、利用者のログイン時刻及びログアウト時刻とを取得する。学習処理ステップにおいて、学習処理部104が、取得された、起動時刻及び終了時刻と、ログイン時刻及びログアウト時刻とに基づいて、学習処理を実行する。提案処理ステップにおいて、提案処理部105が、学習処理によって学習された学習結果に基づいて、予測される起動時刻及び終了時刻を提案する。
【0099】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述したノートPC1と同様の効果を奏し、利用者の利用に即した適切な起動時刻及び終了時刻を提案することができる。
【0100】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置がノートブック型PC(ノートPC1)である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型PC、タブレット端末装置などの他の情報処理装置であってもよい。
【0101】
また、上記の実施形態において、学習モデルに、SVM(サポートベクターマシン)を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなどの他の方式の機械学習を用いてもよい。
【0102】
また、上記の実施形態において、学習モデルが、1時間を単位時間として、1時間ごとに、起動状態と停止状態とのいずれかに分類する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、単位時間を、30分や15分などの他の時間を用いてもよい。
【0103】
また、上記の実施形態において、提案処理部105が、
図7に示すように、提案した起動時刻及び終了時刻を、表示部14に表示する例を説明したが、
図7に示す表示形態に限定されるものではなく、他の表示形態であってもよい。
【0104】
なお、上述したノートPC1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0105】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0106】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0107】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 ノートPC
10 メイン制御部
11 CPU
12 メインメモリ
13 ビデオサブシステム
14 表示部
21 チップセット
22 BIOSメモリ
23 HDD
24 オーディオシステム
25 WLANカード
26 USBコネクタ
27 撮像部
31 エンベデッドコントローラ(EC)
32 入力部
33 電源回路
40 記憶部
41 イベントログ記憶部
42 学習データ記憶部
43 学習結果記憶部
44 提案時刻記憶部
101 計時部
102 OS処理部
103 取得処理部
104 学習処理部
105 提案処理部