(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065432
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20240508BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20240508BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G09B29/10 A
G08G1/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174283
(22)【出願日】2022-10-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(71)【出願人】
【識別番号】521467087
【氏名又は名称】トヨタ・コニック・アルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
(72)【発明者】
【氏名】中川 祐
(72)【発明者】
【氏名】野宗 智仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
【テーマコード(参考)】
2C032
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC08
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF03
(57)【要約】
【課題】通信量と演算負荷を抑制してデバイスを制御することができるプログラム、情報処理装置、システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、基準となる地図情報及び地図情報に対応する基準位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得機能102と、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得機能104と、変化に関する情報が検出された場合に、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行機能105と、を実現させ、所定の動作は、基準位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
基準となる地図情報及び前記地図情報に対応する位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得機能と、
前記第1特徴点及び前記第2特徴点に基づいて検出された前記位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得機能と、
前記変化に関する情報が検出された場合に、前記第1端末及び前記第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、前記変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行機能と、
を実現させ、
前記所定の動作は、前記位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く、プログラム。
【請求項2】
前記第1端末及び前記第2端末は、移動可能な端末であり、
前記所定の動作は、移動速度の変更と、移動経路の変更と、端末の使用者に対する通知と、の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記変化に関する情報は、前記第1特徴点の一部及び前記第2特徴点の少なくとも一部を比較することと、前記第1特徴点の少なくとも一部及び前記第2特徴点の一部を比較することとの少なくとも一方により生成された情報である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記変化が検出される条件は、前記第1特徴点と、前記第2特徴点とに差分が存在するという条件を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1特徴点に関する情報は、長期記憶部に記憶され、
前記第2特徴点に関する情報は、前記長期記憶部よりも情報の保存期間が短いとともに転送速度が高い短期記憶部に記憶される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
基準となる地図情報及び前記地図情報に対応する位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得機能と、
前記第1特徴点及び前記第2特徴点に基づいて検出された前記位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得機能と、
前記変化に関する情報が検出された場合に、前記位置における第2撮影情報を取得する撮影情報取得機能と、
を実現させる、プログラム。
【請求項7】
前記変化が検出される条件は、前記第1特徴点及び前記第2特徴点の差分が所定の閾値以上であることである、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1撮影情報及び前記第2撮影情報は、同じ撮影対象に関する情報である、請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
前記第2撮影情報に基づいて、前記地図情報を更新する更新機能、を実現させる、請求項3に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1特徴点及び前記第2特徴点のそれぞれに関する情報のデータ量は、前記地図情報及び前記第1撮影情報のデータ量以下である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1特徴点に関する情報は、前記第1端末において生成されたものではない、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第2特徴点に関する情報は、前記第1端末において生成されたものである、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1端末は、移動可能な端末であり、
前記第1撮影情報のデータ量と、前記第2特徴点に関する情報のデータ量との比は、前記第1端末の移動速度に応じて変動する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項14】
前記撮影情報取得機能は、前記第1端末とは異なる第2端末が取得した前記第2撮影情報を取得する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
基準となる地図情報及び前記地図情報に対応する位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得部と、
前記第1特徴点及び前記第2特徴点に基づいて検出された前記位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得部と、
前記変化に関する情報が検出された場合に、前記第1端末及び前記第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、前記変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行部と、
を備え、
前記所定の動作は、前記位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く、情報処理装置。
【請求項16】
基準となる地図情報及び前記地図情報に対応する位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得部と、
前記第1特徴点及び前記第2特徴点に基づいて検出された前記位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得部と、
前記変化に関する情報が検出された場合に、前記第1端末及び前記第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、前記変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行部と、
を備え、
前記所定の動作は、前記位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く、情報処理システム。
【請求項17】
コンピュータに、
基準となる地図情報及び前記地図情報に対応する位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得ステップと、
前記第1特徴点及び前記第2特徴点に基づいて検出された前記位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得ステップと、
前記変化に関する情報が検出された場合に、前記第1端末及び前記第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、前記変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行ステップと、
を実行させ、
前記所定の動作は、前記位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体に設置されたセンサの出力に基づいて、通信帯域を圧迫することなく地図データを更新する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は車両内の装置において地図データを更新するための各種処理を行っているが、処理が一つの装置に集中することにより当該装置における演算負荷が増加するという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、通信量と演算負荷を抑制してデイバスの動作を制御することができるプログラム、情報処理装置、システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、基準となる地図情報及び地図情報に対応する基準位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得機能と、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得機能と、変化に関する情報が検出された場合に、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行機能と、を実現させ、所定の動作は、基準位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、基準となる地図情報及び地図情報に対応する基準位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得部と、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得部と、変化に関する情報が検出された場合に、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行部と、を実現させ、所定の動作は、基準位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、基準となる地図情報及び地図情報に対応する基準位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得部と、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得部と、変化に関する情報が検出された場合に、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行部と、を実現させ、所定の動作は、基準位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、基準となる地図情報及び地図情報に対応する基準位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得ステップと、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得ステップと、変化に関する情報が検出された場合に、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行ステップと、を実現させ、所定の動作は、基準位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通信量と演算負荷を抑制してデバイスの動作を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係るシステムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係るシステムの機能構成の一例を説明するための図である。
【
図3】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図4】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図5】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図6】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図7】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図8】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図9】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図10】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
【
図12】本実施形態に係るシステムのハードウェア構成の一例を説明するための図である。
【
図13】本実施形態に係るシステムの変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
本発明において、「部」、「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、ソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」、「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段、装置、ソフトウェアにより実現されても良い。
【0014】
図1に、本実施形態に係るデバイス制御システム1の概略図を示す。デバイス制御システム1は、端末14に備えられたカメラ等の撮像装置により取得された撮影情報に基づいて、端末14を制御するシステムである。端末14を制御することは、移動可能な端末14の移動の状態を変更すること(例えば、移動速度及び移動経路の変更)、端末14の使用者に対して通知すること及び端末14が取得した撮影情報を送信させることを含む。
【0015】
<1.システム構成>
図1を参照して、デバイス制御システム1のシステム構成例を説明する。
【0016】
図1に示すように、デバイス制御システム1は、デバイス制御サーバ10、地図情報サーバ12、端末14及び通信ネットワーク16を含む。端末の数は、例えば、3つに限定されず、2つ以下又は4つ以上であってよい。デバイス制御サーバ10、地図情報サーバ12及び端末14は、通信ネットワーク16を介して互いに通信可能に接続されている。
【0017】
デバイス制御サーバ10は、地図情報サーバ12及び端末14との通信が可能な情報処理装置である。デバイス制御サーバ10は、所定のプログラムを実行することにより、端末14を制御する機能を実現する。端末14を制御することは、端末14に対して所定の動作(撮影情報の送信及び取得を除く)を実行させることと、端末14に対して撮影情報を送信させることとを含む。
【0018】
地図情報サーバ12は、地図情報を管理する者が使用する情報処理装置であって、デバイス制御サーバ10及び端末14との通信が可能な情報処理装置である。地図情報サーバ12は、所定のプログラムを実行することにより、地図情報を更新する機能を実現する。
【0019】
端末14は、デバイス制御サーバ10及び地図情報サーバ12との通信が可能な装置である。端末14は、所定のプログラムを実行することにより、地図情報及び撮影情報を取得し、これらの情報に基づいて特徴点に関する情報を生成する機能を実現する。端末14は、例えば、自動車、定点カメラ又はスマートフォン等である。
【0020】
通信ネットワーク16は、無線ネットワーク、有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網、PHS(Personal HandY-phone SYstem)網、無線LAN(Local Area Network、IEEE802.11に準拠する通信(いわゆるWi-Fi(登録商標))を含む)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMaX(登録商標)、赤外線通信、可視光通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電力線通信ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0021】
ここで、地図情報とは、地球表面の全部または一部の地物に関する情報である。具体的には、地図情報は、任意の座標における地物の形状及び名称等を含む。また、地図情報は、ある一定の範囲に含まれる複数の地物に関するものであってもよく、特定の座標に存在する単一の地物に関するものであってもよい。例えば、地図情報は、東京都内に存在する全ての建築物に関するものであってもよく、ある特定の位置における一の建築物に関するものであってもよい。また、地図情報は、設計図、設計模型及び完成品の立体データ等であってもよい。
【0022】
地図情報は、2次元地図と3次元地図のいずれに基づくものであってもよい。2次元地図とは、地物を2次元座標軸上に平面的に表現した地図である。2次元地図では、典型的には、地形の立体的形状は等高線等によって表現され、建築物の立体的形状は表現されない。一方で、3次元地図とは、地物を3次元座標軸上に立体的に表現した地図である。3次元地図は、3Dマップとも呼ばれ、メタバース等の仮想空間における地形データ等に用いられる。他にも、2次元的表現と3次元的表現を組み合わせた鳥瞰図等の情報も地図情報に含まれる。
【0023】
地図情報は、地物の情報に対して位置及び地物に関する情報が関連付けられてもよい。例えば、地物の立体的形状に加え、当該地物の名称、当該地物の緯度及び経度等が関連付けられてもよい。地図情報の具体例は、
図5を用いて後述する。
【0024】
また、撮影情報とは、典型的には、撮像装置により生成した情報である。撮像装置は、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、赤外線カメラ及びソナー等、その機能を発揮することにより物体の形状又は模様等を把握することができる機器を含む。
【0025】
撮影情報は、典型的には、画像データ又は動画データである。また、画像データ及び動画データは、2次元データ及び3次元データのいずれであってもよい。例えば、撮影情報は、LiDARを用いて生成したOBJ(オブジェクト)形式の3次元形状データであってもよく、一般的な光学カメラを用いて生成したJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の2次元画像データであってもよい。
【0026】
撮影情報には、位置情報、撮影者に関する情報及び撮影時間に関する情報等の付加的な情報が関連付けられていてもよい。
【0027】
撮影情報は、特徴点に関する情報を生成するための第1撮影情報及び地図情報サーバ12に記憶された地図情報を更新するための第2撮影情報を含む。撮影情報の具体例は、
図7を用いて後述する。
【0028】
また、特徴点に関する情報とは、地図情報又は撮影情報に基づいて生成した所定の情報である。特徴点に関する情報は、例えば、地図情報に含まれる建築物の高さ、縦横比、入口の種類、窓の数、全体の形状、特定の箇所の凹凸及び他の地物との距離等である。
【0029】
特徴点に関する情報は、特徴量と言うこともできる。この場合、特徴点に関する情報は、例えば、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)及びHOG(Histograms of Oriented Gradients)等の、画像データに基づいて特徴量を算出するアルゴリズムを利用して生成されるものであってもよい。
【0030】
特徴点に関する情報は、地図情報に基づいて生成された第1特徴点に関する情報及び第1撮影情報に基づいて生成された第2特徴点に関する情報を含む。第1特徴点に関する情報を生成する具体例は
図6を用いて、第2特徴点に関する情報を生成する具体例は
図8を用いて後述する。
【0031】
<2.各装置の機能構成>
図2の機能ブロック図を参照して、デバイス制御システム1に含まれる各装置の機能の例を説明する。
【0032】
図2に示すように、デバイス制御システム1は、デバイス制御サーバ10、地図情報サーバ12、端末14及び通信ネットワーク16を含む。
【0033】
―(1)デバイス制御サーバ10―
デバイス制御サーバ10は、制御部100、記憶部120及びネットワークインタフェース部140を含む。
【0034】
記憶部120は、制御モード情報DB(DataBase)121、特徴点情報DB122、変化情報DB124、端末情報DB126及び撮影情報DB128を含む。以下では、記憶部120における各DBにおいて記憶される情報の一例を示す。
【0035】
―制御モード情報DB121―
制御モード情報DB121には、デバイス制御サーバ10の制御モードに関する情報が記憶される。制御モードは、変化情報取得部104が変化に関する情報を検出した場合に、実行部105及び撮影情報取得部106のどちらを機能させるかを決定するための設定値である。デバイス制御サーバ10は、制御モードが「所定動作モード」に設定されている場合には実行部105を機能させ、一方で、制御モードが「撮影情報取得モード」に設定されている場合には撮影情報取得部106を機能させる。制御モードに応じたデバイス制御サーバ10の動作の一例については、
図3を用いて後述する。
【0036】
なお、制御モードは、事前に(例えば、デバイス制御サーバ10の工場出荷時から)設設定されていてもよく、事後的に設定できるものであってもよい。制御モードは、一度設定したら変更できないものであってもよく、設定を変更できるものであってもよい。
【0037】
―特徴点情報DB122―
特徴点情報DB122には、特徴点情報取得部102が端末14から取得した特徴点に関する情報が記憶される。記憶された特徴点に関する情報は、変化情報取得部104において変化に関する情報を取得するために用いられる。
【0038】
―変化情報DB124―
変化情報DB124には、変化情報取得部104が取得した、基準となる地図情報に対応する位置(以下、「基準位置」という)における変化に関する情報が記憶される。記憶された変化に関する情報は、更新部108において地図情報サーバ12の地図情報の更新の要否を判断するために用いられる。
【0039】
基準位置における変化は、当該位置における地物の変化を含む。地物の変化は、例えば、建築物及び地形の変化を含む。建築物の変化は、例えば、建築物の増築・減築・建て替え・取り壊し・新築等に加え、入居するテナントの変更、デザインの変更、内装の変更、設備の劣化・故障等を含む。地形の変化は、例えば、河川及び傾斜面の工事等の人為的な変化に加え、土砂崩れ及び地震等による自然的な変化を含む。
【0040】
―端末情報DB126―
端末情報DB126には、各端末の識別情報と各端末の状態に関する情報が記憶される。端末の識別情報とは、各端末を一意に特定することができる情報であり、端末IDということもできる。端末の状態に関する情報とは、端末の位置、移動速度及び向いている方角等を示す情報を含む。典型的には、デバイス制御システム1の全ての端末14に関する情報は端末情報DB126に登録される。
【0041】
―撮影情報DB128―
撮影情報DB128には、撮影情報取得部106が端末14から取得した第2撮影情報が記憶される。記憶された第2撮影情報は、地図情報サーバ12に記憶された地図情報を更新するために用いられる。
【0042】
制御部100は、特徴点情報取得部102、変化情報取得部104、実行部105、撮影情報取得部106、更新部108及び通信部110を含む。以下では、制御部100における各機能部における処理の一例を示す。
【0043】
―特徴点情報取得部102―
特徴点情報取得部102は、基準位置における地図情報及び基準位置において端末14が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する。
【0044】
特徴点情報取得部102は、端末14の特徴点情報DB326に記憶された特徴点に関する情報の少なくとも一部を取得する。取得された特徴点に関する情報は、特徴点情報DB122に記憶される。
【0045】
―変化情報取得部104―
変化情報取得部104は、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された、基準位置における変化に関する情報を取得する。
【0046】
第1特徴点及び第2特徴点に基づいて変化が検出されることとは、例えば、第1特徴点及び第2特徴点の差分が存在することを含む。他にも、例えば、第1特徴点及び第2特徴点の差分が所定の閾値以上であることを含む。変化に関する情報を取得する具体例は、
図9を用いて後述する。
【0047】
変化情報取得部104は、特徴点情報DB122に記憶された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報に基づいて、変化に関する情報を取得する。取得された変化に関する情報は、変化情報DB124に記憶される。
【0048】
―実行部105―
実行部105は、基準位置における変化に関する情報が検出され、かつ、制御モード情報DB121に記憶された制御モードが「所定動作モード」である場合に、端末14に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる。なお、所定の動作は、撮影情報を取得又は送信することを除き、例えば、移動速度の変更、移動経路の変更及び端末の使用者に対する通知等を含む。
【0049】
―撮影情報取得部106―
撮影情報取得部106は、基準位置における変化に関する情報が検出され、かつ、制御モード情報DB121に記憶された制御モードが「撮影情報取得モード」である場合に、当該基準位置における第2撮影情報を取得する。
【0050】
典型的には、第1撮影情報及び第2撮影情報は、同じ撮影対象に関する情報である。上述した通り、第1特徴点及び第2特徴点の差分が所定の閾値以上である場合(すなわち、基準位置における変化が検出された場合)には地図情報と第1撮影情報とのそれぞれに含まれる地物は異なるものである可能性が高い。このような場合に、第1撮影情報と同じ撮影対象に関する第2撮影情報は地図情報を更新するために用いられる。
【0051】
なお、地物が異なることには、地物自体が異なること(例えば、空き地に建築物が建築された場合、建築物が取り壊されて空き地になった場合等)及び地物の状態が異なること(例えば、建築物のデザイン又はテナントが変わった場合等)が含まれる。
【0052】
撮影情報取得部106は、端末14の撮影情報DB324に記憶された第2撮影情報を取得する。取得された第2撮影情報は、撮影情報DB128に記憶される。
【0053】
―更新部108―
更新部108は、撮影情報取得部106が第2撮影情報を取得した場合、第2撮影情報に基づいて地図情報を更新する。
【0054】
地図情報を更新することとは、第2撮影情報を解析及び加工して用いることにより地図情報を新たな情報に置き換えることである。解析には、第2撮影情報に含まれる地物の認識及び当該地物の形状(立体的形状を含む)・色彩・模様等の抽出が含まれる。加工には、拡大、縮小、切り取り、補完及び形状等の変更等が含まれる。
【0055】
地物の認識とは、具体的には、第2撮影情報から地物の種類及び名称等を把握することである。例えば、第2撮影情報が「○○小学校」を撮影した画像データである場合に、当該第2撮影情報に対して「学校」という種類及び「○○小学校」という名称を関連付けることが含まれる。
【0056】
地物の形状等の抽出とは、具体的には、第2撮影情報から地物の形状等を把握することである。例えば、第2撮影情報が建築物を撮影した画像データから当該建築物の六面図又は3Dモデルを作成することが含まれる。
【0057】
地図情報を更新することの一例は、建築物に関する画像データである第2撮影情報を解析することで当該建築物の3Dモデルを生成し、これを用いて3Dマップである地図情報を更新すること等である。地図情報の更新の具体例は、
図11を用いて後述する。
【0058】
なお、地図情報を更新することには、他の装置に記憶された地図情報を更新させることを含む。本実施形態においては、撮影情報DB128に記憶された第2撮影情報に基づいて、地図情報サーバ12に地図情報DB222を更新させるものとして説明する。
【0059】
―通信部110―
通信部110は、ネットワークインタフェース部140を介して地図情報サーバ12及び端末14との通信を行う。送受信される情報の具体例は、
図4等を用いて後述する。
【0060】
ネットワークインタフェース部140は、通信ネットワーク16を介して、地図情報サーバ12及び端末14との通信を行う。
【0061】
―(2)地図情報サーバ12―
【0062】
地図情報サーバ12は、制御部200、記憶部220及びネットワークインタフェース部240を含む。
【0063】
記憶部220は、地図情報DB222を含む。地図情報DB222には、地図情報が記憶される。記憶された地図情報は、端末14の地図情報取得部302により取得され、また、地図情報更新部202により更新される。
【0064】
制御部200は、地図情報更新部202及び通信部204を含む。
【0065】
―地図情報更新部202―
地図情報更新部202は、更新部108による要求に応じて、第2撮影情報に基づいて地図情報DB222に記憶された地図情報を更新する。地図情報の更新の具体例は、
図11を用いて後述する。
【0066】
―通信部204―
通信部204は、ネットワークインタフェース部240を介してデバイス制御サーバ10及び端末14との通信を行う。送受信される情報の具体例は、
図4等を用いて後述する。
【0067】
ネットワークインタフェース部240は、通信ネットワーク16を介して、デバイス制御サーバ10及び端末14との通信を行う。
【0068】
―(3)端末14―
端末14は、制御部300、記憶部320、ネットワークインタフェース部340、入力部360及び出力部380を含む。なお、本実施形態において、端末14はコンピュータを搭載した自動車であるとする。
【0069】
記憶部320は、地図情報DB322、撮影情報DB324及び特徴点情報DB326を含む。以下では、記憶部320の各DBにおいて記憶される情報の一例を示す。
【0070】
―地図情報DB322―
地図情報DB322には、地図情報取得部302が地図情報サーバ12から取得した地図情報が記憶される。記憶された地図情報は、自装置14の特徴点情報生成部306において第1特徴点に関する情報を生成するために用いられる。
【0071】
―撮影情報DB324―
撮影情報DB324には、撮影部304が生成した撮影情報が記憶される。記憶された撮影情報は、特徴点情報生成部306において第2特徴点に関する情報を生成するために用いられ、また、デバイス制御サーバ10の撮影情報取得部106により取得される。
【0072】
―特徴点情報DB326―
特徴点情報DB326には、端末14が特徴点情報生成部306により生成した特徴点に関する情報が記憶される。記憶された特徴点に関する情報は、デバイス制御サーバ10の特徴点情報取得部102により取得される。
【0073】
制御部300は、移動制御部301、地図情報取得部302、撮影部304、特徴点情報生成部306、通信部308を含む。
【0074】
―動作制御部301―
動作制御部301は、実行部105により指定された変化への対応を含む所定の動作を実行する。所定の動作は、撮影情報を取得又は送信することを除き、例えば、移動速度の変更、移動経路の変更及び端末の使用者に対する通知等を含む。
【0075】
―地図情報取得部302―
地図情報取得部302は、地図情報サーバ12の地図情報DB222から地図情報を取得する。取得された地図情報は、地図情報DB322に記憶される。
【0076】
―撮影部304―
撮影部304は、撮像装置362を機能させることにより第1撮影情報及び第2撮影情報を生成する。生成された撮影情報は、撮影情報DB324に記憶される。
【0077】
―特徴点情報生成部306―
特徴点情報生成部306は、地図情報DB322に記憶された地図情報及び撮影情報DB324に記憶された第1撮影情報に基づいて特徴点に関する情報を生成する。生成された特徴点に関する情報は、特徴点情報DB326に記憶される。
【0078】
―通信部308―
通信部308は、ネットワークインタフェース部340を介してデバイス制御サーバ10及び地図情報サーバ12との通信を行う。送受信される情報の具体例は、
図4等を用いて後述する。
【0079】
ネットワークインタフェース部340は、通信ネットワーク16を介して、デバイス制御サーバ10及び地図情報サーバ12との通信を行う。
【0080】
入力部360は、撮像装置362及びGPS364を含む。撮像装置362は、撮影部304が撮影情報を取得するために利用される。GPS364は、端末自体の位置情報を取得するために利用される。位置情報は、撮影情報と関連付けられて撮影情報DB324に記憶される。なお、位置情報には経度及び緯度からなる2次元座標の他に、端末14が存在する標高及び端末14が向いている方角等の情報が含まれていてもよい。
【0081】
出力部380は、カーナビ382を含む。カーナビ382は、端末14の利用者に対して各種情報を表示する。
【0082】
<3.動作の説明>
図3-11を用いて、本実施形態に係るデバイス制御システム1の動作の一例について説明する。
図3は、変化に関する情報が検出された場合の、制御モードに応じたデバイス制御サーバ10の動作の一例について説明するための図である。
図4-9は、デバイス制御サーバ10が実行部105を機能させる場合の動作の一例について説明するための図である。
図10-11は、デバイス制御サーバ11が撮影情報取得部106を機能させる場合の動作の一例を説明するための図である。
【0083】
―(1)制御モードに応じた動作の一例―
図3を用いて、変化に関する情報が検出された場合の、制御モードに応じたデバイス制御サーバ10の動作の一例について説明する。なお、この例においては、「開始」の時点で既に変化情報取得部104が変化に関する情報を検出しているものとする。変化に関する情報を検出する前段階である特徴点情報取得部102及び変化情報取得部104の動作の一例については、
図4-9を用いて後述する。
【0084】
まず、デバイス制御サーバ10は、制御モード情報DB121を参照して制御モードの設定を取得する(S12)。制御モードが「所定動作モード」に設定されている場合は、S14に進む。制御モードが「撮影情報取得モード」に設定されている場合は、S16に進む。
【0085】
制御モードが「所定動作モード」に設定されている場合、デバイス制御サーバ10は、実行部105を機能させる(S14)。すなわち、デバイス制御サーバ10は端末14に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させ、端末14はこれに応じて動作制御部301を機能させる。
【0086】
制御モードが「撮影情報取得モード」に設定されている場合、デバイス制御サーバ10は、撮影情報取得部106を機能させる(S16)。すなわち、デバイス制御サーバ10は、典型的には端末14から第2撮影情報を取得する。
【0087】
デバイス制御サーバ10が第2撮影情報を取得した後、デバイス制御サーバ10は、更新部108を機能させる(S18)。すなわち、デバイス制御サーバ10は、典型的には地図情報サーバ12に対して地図情報を更新させる。
【0088】
―(2)制御モードが「所定動作モード」である場合の動作の一例―
図4―9を参照して、制御モードが「所定動作モード」である場合のデバイス制御システム1の動作の一例を説明する。
図4は、デバイス制御サーバ10、地図情報サーバ12、第1端末14a及び第2端末14bを含むデバイス制御システム1のシーケンス図である。
図5は、第1端末14aが取得した地図情報の一例を示す図である。
図6は、地図情報に基づいて生成される特徴点に関する情報の一例である。
図7は、第1端末14aが取得する撮影情報の一例を示す図である。
図8は、撮影情報に基づいて生成される特徴点に関する情報の一例である。
図9は、特徴点に関する情報を比較することにより地図情報及び撮影情報の変化を検知する方法の一例である。
【0089】
第1端末14aは、地図情報取得部302により、地図情報を取得する(S102)。なお、第1端末14aは、第1撮影情報を生成するとともに特徴点に関する情報を生成する端末である。一方、第2端末14bは、デバイス制御サーバ10からの要求を受けて所定の動作を実行する端末である。
【0090】
図5を用いて、取得された地図情報の一例を示す。第1端末14aの地図情報DB322には、直方体形状の建築物に関する地図情報(以下、「地図情報322a」という)及び四角錐台の建築物に関する地図情報(以下、「地図情報322b」)が含まれる。
【0091】
ここで、直方体形状の建築物は位置L1に、四角錐台形状の建築物は位置L2に存在したものとする。すなわち、地図情報DB322では、地図情報322aに対して位置L1が、地図情報322bに対して位置L2がそれぞれ関連付けられている。
【0092】
なお、この例においては、地図情報DB322には3Dマップが記憶されているものとする。すなわち、地図情報DB322には各種オブジェクトの3Dモデルが位置情報とともに記憶されており、地図情報322a及び地図情報322bはそれぞれ直方体形状の建築物及び四角錐台形状の建築物の3Dモデルである。このような形式で記憶された情報は、例えば、メタバース空間の作成等に利用することができる。
【0093】
また、地図情報の取得は頻繁(例えば、1秒毎又は1分毎等)ではなくても、比較的長い周期(例えば、1日毎又は1週間毎等)によるものであってもよい。例えば、1週間毎に東京都内の全ての建築物についての地図情報を取得してもよい。
【0094】
地図情報は、典型的には、頻繁に取得・更新しなくてもよい。例えば1分程度の短い期間で建築物が建て替わるということは通常では少ないため、通信量及び演算量の削減の観点からは、地図情報はある程度長い周期で取得することが好ましい。
【0095】
地図情報を取得した第1端末14aは、特徴点情報生成部306により、地図情報に基づいて第1特徴点に関する情報を生成する(S106)。地図情報に基づく第1特徴点に関する情報の生成は、例えば、画像解析等を利用して行われる。
【0096】
図6を用いて、生成される第1特徴点に関する情報の一例を示す。この例では、特徴点に含まれる項目は窓の数、入口の種類、高さ、高さと幅の比及び前面の形状であるとする。地図情報322aの第1特徴点の各項目の値は、それぞれ「6個」、「開き戸」、「12m」、「2:1」及び「長方形」である。一方、地図情報322bの第1特徴点の各項目の値は、それぞれ「3個」、「自動ドア」、「9m」、「3:2」及び「台形」である。
【0097】
典型的には、第1特徴点に関する情報のデータ量は、地図情報のデータ量以下である。例えば、地図情報が3Dモデルのデータであることに対して、第1特徴点に関する情報はJSON(JavaScript Object Notation)形式によるテキストデータであってもよい。この場合、一般的に3Dモデルのデータと比較してテキストデータはデータ量が少ないため、特徴点に関する情報は、地図情報よりも少ない通信量及び演算量で取り扱うことができる。
【0098】
なお、地図情報の取得・更新が頻繁でなくてもよいことと同様に、第1特徴点に関する情報の生成も頻繁でなくてもよい。典型的には、地図情報を取得する度に第1特徴点に関する情報を生成すれば足りる。
【0099】
第1特徴点に関する情報が取得された後、第1端末14aは、撮影部304により第1撮影情報を生成する(S108)。なお、この例では、第1撮影情報は画像データであるとする。
【0100】
図7を用いて、生成される第1撮影情報の一例を示す。第1端末14aは、地図情報322aに関連付けられた位置(すなわち、位置L1)に対応する位置L3において、ドーム型の建築物600を撮影した第1撮影情報(以下、「撮影情報324a」)を生成する。また、地図情報322bに関連付けられた位置(すなわち、位置L2)に対応する位置L4において、四角錐台形状の建築物602を撮影した第1撮影情報(以下、「撮影情報324b」)を生成する。
【0101】
ここで、ドーム型の建築物600は位置L1にあり、四角錐台形状の建築物602は位置L2にあるとする。すなわち、撮影情報DB324では、撮影情報324aに対して位置L1が、撮影情報324bに対して位置L2がそれぞれ関連付けられている。
【0102】
第1撮影情報に含まれる地物は、地図情報に関連付けられた地物とは必ずしも一致しない。この例では、位置L1には、撮影情報324aによるとドーム型の建築物が存在し、一方で、地図情報322aによると直方体形状の建築物が存在する。
【0103】
地図情報が生成された時点から第1撮影情報が生成される時点までに当該地物が変化(例えば、建て替え等)した場合には、地図情報には変化前の地物に関する情報が含まれ、第1撮影情報には変化後の地物に関する情報が含まれる。
【0104】
また、この例のように第1撮影情報が画像データである場合には、ある程度高い頻度(例えば、0.1秒毎又は1秒毎等)で生成することが望ましい。第1端末14aは、典型的には移動する端末であるため、生成の頻度が低い(例えば、1分毎又は1時間毎等)場合には存在する地物のデータを十分に収集できないからである。
【0105】
他にも、定期的ではなく、地物を認識することを契機として第1撮影情報を生成してもよい。例えば、第1端末14aが任意の建築物に接近したタイミングで、当該建築物に関する第1撮影情報を生成してもよい。
【0106】
第1撮影情報を取得した第1端末14aは、特徴点情報生成部306により、第1撮影情報に基づいて第2特徴点に関する情報を生成する(S110)。第1撮影情報に基づく第2特徴点に関する情報の生成は、例えば、画像解析等を利用して行われる。
【0107】
図8を用いて、生成される第2特徴点に関する情報の一例を示す。この例では、第2特徴点は第1特徴点と同様の項目(すなわち、窓の数、入口の種類、高さ、高さと幅の比及び前面の形状)であるとする。撮影情報324aの第2特徴点の各項目の値は、それぞれ「6個」、「開き戸」、「9m」、「3:2」及び「ドーム型」である。一方、撮影情報324bの第2特徴点の各項目の値は、それぞれ「3個」、「自動ドア」、「9m」、「3:2」及び「台形」である。
【0108】
典型的には、第2特徴点に関する情報のデータ量は、第1撮影情報のデータ量以下である。例えば、第1撮影情報が画像データであることに対して、特徴点に関する情報はJSON形式によるテキストデータである。
【0109】
一般的には、画像データと比較してテキストデータはデータ量が少ないため、第2特徴点に関する情報は、第1撮影情報よりも少ない演算量及び通信量で取り扱うことができる。
【0110】
デバイス制御サーバ10は、特徴点情報取得部102により、第1端末14aから第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する(S114)。
【0111】
上述したとおり、典型的には、第1特徴点及び第2特徴点に関する情報は、それぞれ地図情報及び第1撮影情報と比較してデータ量が少ない。そのため、第1端末14aが特徴点情報生成部306を備えることにより、第1端末14aからデバイス制御サーバ10に対して送信される情報の通信量を抑制することができる。例えば、3Dモデルのデータである地図情報及び画像データである第1撮影情報を送信することに比べて、いずれもテキストデータである第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を送信するほうが通信量を抑制することができる。
【0112】
特徴点に関する情報を取得したデバイス制御サーバ10は、変化情報取得部104により、変化に関する情報、すなわち第1特徴点と第2特徴点に関する情報の差分を取得し(S116)、差分の有無を判定する(S118)。
【0113】
図9を用いて、差分の有無の判定の一例を示す。この例では、第1特徴点と第2特徴点の対応する項目の値が一致していれば当該項目について「差分なし」と、一致していなければ「差分あり」と判定し、「差分あり」と判定された項目が1つ以上ある場合には差分が存在すると判断するものとする。
【0114】
位置L1における地図情報322aと撮影情報324aの特徴点については、窓の数及び入口の種類については「差分なし」と判定されているものの、高さ、高さと幅の比及び前面の形状については「差分あり」と判定されている。この場合、「差分あり」と判定された項目が1つ以上であるため、差分が所定の閾値以上であると判断する。
【0115】
一方で、位置L2における地図情報322bと撮影情報324bの特徴点については、全ての項目について「差分なし」と判定されている。この場合、「差分あり」と判定された項目が1つもないため、差分が所定の閾値未満であると判断する。
なお、2つの項目が「差分なし」と判定されるのは、当該項目が完全に同一である場合に限られず、2つの項目に一定の誤差が許容されてもよい。誤差の許容量は、項目の種類及びデバイス制御システム1の性能要件等に基づいて決定されてもよい。
【0116】
このように、デバイス制御サーバ10が変化情報取得部104を備えることにより、端末間における演算のオーバーヘッドを削減することができる。仮に各端末が変化情報取得部104を備えるとした場合、複数の端末が同一の位置についての変化に関する情報を取得するための計算を行うことになり、計算資源の効率的な利用が阻害される。一方で、上記の例ではデバイス制御サーバ10が処理を行うことにより、それぞれの地点について1度だけ変化に関する情報を取得するための演算が行われるため、各端末の有する計算資源を有効に利用することができる。
【0117】
変化に関する情報を検出したデバイス制御サーバ10は、設定された制御モードの判定を行う(S119)。この例においては、制御モードは「所定動作モード」に設定されていると判定されるものとする。
【0118】
制御モードが「所定動作モード」である場合、デバイス制御サーバ10は実行部105を機能させる(
図3参照)。実行部105は、第2端末14bに対して変化への対応を含む所定の動作を実行すること要求する(S120)。
【0119】
要求を受けた第2端末14bは、動作制御部301により、所定の動作を実行する(S122)。所定の動作とは、例えば、地図情報322aと撮影情報324aとの間に差分が存在する旨の通知を第2端末14bの使用者に対して行うことである。他にも、例えば、第2端末14bの移動速度を自動的に落とすこと又はカーナビ382による経路案内の経路を変更すること等であってもよい。
【0120】
地図情報と撮影情報との間に差分が存在する場合、端末14は通常とは異なる動作をすることが望ましい場合がある。例えば、端末14が自動車で、道路が新たに工事中になっていることを認識した場合(すなわち、地図情報と撮影情報との間に差分が存在する場合)、カーナビ382は当該工事の箇所を避けたルートを案内することが望ましい。
【0121】
さらに、実行部105が特徴点に関する情報を取得した第1端末14aとは異なる第2端末14bに所定の動作を実行させることにより、より柔軟なデバイス制御を実現することができる。例えば、第1端末14aが自動車で、道路が新たに工事中になっていることを認識した場合、デバイス制御サーバ10を介して自動車である第2端末14bに異なるルートを選択させることができる。他にも、例えば、自動車の事故が発生した場合に、当該事故の情報がカーナビシステムに登録されるよりも早く他の端末にその旨を共有し、渋滞発生防止のための移動速度の減速を指示することができる。
【0122】
複数の端末14を協調させた場合、各端末14が独立して動作する場合よりも効率的に端末14を動作させることができる。例えば、各端末14が独立して動作する場合としては自動運転車が自身の搭載するカメラで物体を認識して走行する例が挙げられるが、認識できる事象はカメラの撮影可能な範囲に限られるうえに、カメラが故障した場合などには認識の性能が著しく低下する。一方で、複数の端末14がデバイス制御サーバ10を介して動作を協調させることで、各端末は有視界外の情報を含む情報に基づいて、安定して動作することができる。
【0123】
以上をまとめると、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、基準となる地図情報及び地図情報に対応する基準位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得機能102と、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得機能104と、変化に関する情報が検出された場合に、第1端末及び第1端末とは異なる第2端末の少なくとも一方に対して、変化への対応を含む所定の動作を実行させる実行機能105と、を実現させ、所定の動作は、基準位置における第2撮影情報を取得又は送信することを除く。
【0124】
―(3)制御モードが「撮影情報取得モード」である場合の動作の一例―
図10-11を用いて、制御モードが「撮影情報取得モード」である場合の動作の一例について説明する。
図10は、制御モードが「撮影情報取得モード」である場合のデバイス制御システム1のシーケンス図である。
図11は、変化が検知された場合における地図情報の更新の様子の一例である
【0125】
図10のS202からS218は、それぞれ
図4のS102からS118と同様であるため、説明を省略する。S218では、S118と同様に変化に関する情報を検出したとする。なお、この例において、第2端末14bは、デバイス制御サーバ10に対して撮影情報を送信する端末である。
【0126】
変化に関する情報を検出したデバイス制御サーバ10は、設定された制御モードの判定を行う(S219)。この例においては、制御モードは「撮影情報取得モード」に設定されていると判定されるものとする。
【0127】
制御モードが「撮影情報取得モード」である場合、デバイス制御サーバ10は撮影情報取得部106を機能させる(
図3参照)。撮影情報取得部106は、第2端末14bに対して第2撮影情報の取得を要求する(S220)。
【0128】
取得の要求とは、例えば、第2端末14bのカーナビ382により、第2端末14bのユーザに対して位置L2において変化が検出された旨の通知をすることである。通知とは、例えば、変化が検出された位置を地図上にマッピングすることを含む。
【0129】
要求を受け取った第2端末14bは、撮影部304により、位置L1(変化が検出された位置に相当)における第2撮影情報を生成する(S222)。典型的には、第1撮影情報と第2撮影情報とは同じ撮影対象に関する情報である。具体的には、第2撮影情報は、第1撮影情報と同様にドーム型の建築物600を撮影することにより生成された画像データ、すなわち撮影情報324aと同一である。
【0130】
デバイス制御サーバ10は、第2撮影情報を撮影した第2端末14bから当該情報を取得する(S224)。
【0131】
第2撮影情報を撮影したデバイス制御サーバ10は、当該情報を地図情報サーバ12に送信(S228)するとともに、更新部108により地図情報サーバ12に地図情報DB222に含まれる地図情報を更新させる(S230)。
【0132】
図11を用いて、地図情報DB222を更新する様子の一例を示す。更新前の地図情報DB222には、S202において第1端末14aが取得した地図情報、すなわち位置L1における地図情報322aと位置L2における地図情報322bが含まれる(
図5参照)。
【0133】
ここで、S218の結果によると、これらの地図情報のうち、位置L1の地図情報322aについて変化が検出されているため(
図9参照)、地図情報サーバ12は第2撮影情報(すなわち、撮影情報324a)に基づいて地図情報を更新する。この際、画像データである第2撮影情報に基づいて3Dモデルの地図情報324cを作成する。更新後は地図情報324cより置き換えられたものであるとすると、更新後の地図情報DB222には、地図情報324cと地図情報322bが含まれる。
【0134】
以上をまとめると、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、基準となる地図情報及び地図情報に対応する位置において第1端末が取得した第1撮影情報のそれぞれに基づいて生成された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報を取得する特徴点情報取得機能102と、第1特徴点及び第2特徴点に基づいて検出された位置における変化に関する情報を取得する変化情報取得機能104と、変化に関する情報が検出された場合に、基準位置における第2撮影情報を取得する撮影情報取得機能106と、を実現させる。
【0135】
<4.ハードウェア構成>
図12を参照して、上述してきたデバイス制御サーバ10をコンピュータ70により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0136】
図12に示すように、コンピュータ70は、プロセッサ700と、記憶装置702と、入力I/F704と、データI/F706と、通信I/F708、及び表示装置710を含む。
【0137】
プロセッサ700は、記憶装置702に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ70における様々な処理を制御する。例えば、デバイス制御サーバ10の制御部100が備える各機能部等は、記憶装置702に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ700が実行することにより実現可能である。
【0138】
記憶装置702は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。RAMは、プロセッサ700によって実行されるプログラムのプログラムコード等、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0139】
記憶装置702は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置702は、オペレーティングシステム等の上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置702は、事業者情報等の各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラム及びデータは、必要に応じて記憶装置702にロードされることにより、プロセッサ700から参照される。
【0140】
入力I/F704は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F704の具体例としては、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F704は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ70に接続されても良い。
【0141】
データI/F706は、コンピュータ70の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F706の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F706は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F706は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ70へと接続される。
【0142】
通信I/F708は、コンピュータ70の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク16を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F708は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F708は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ70に接続される。
【0143】
表示装置710は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置710の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置710は、コンピュータ70の外部に設けられても良い。その場合、表示装置710は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ70に接続される。また、入力I/F704としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置710は、入力I/F704と一体化して構成することが可能である。
【0144】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0145】
また、上記実施の形態で記載された本人確認装置が備える構成要素は、記憶装置702に格納されたプログラムがプロセッサ700によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」等とも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0146】
<5.変形例>
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0147】
―(1)機能構成に関する変形例―
上記実施形態では、デバイス制御サーバ10、地図情報サーバ12及び端末14のそれぞれが一つの機器であるとして説明したが、これに限られない。例えば、デバイス制御サーバ10及び地図情報サーバ12の機能が同一の機器により実現されてもよく、デバイス制御サーバ10の機能が複数の機器により実現されてもよい。他にも、例えば、端末14がデバイス制御サーバ10の機能を備えていてもよい。
【0148】
上記実施形態においては、第1端末14aと第2端末14bは異なる端末であるとして説明したが、これに限られない。例えば、第1端末14aと第2端末14bは同一の端末であり、当該端末において第1撮影情報と第2撮影情報との両方を生成してもよい。
【0149】
上記実施形態では、
図2のとおり各機器が機能部を有すると説明したが、これに限られない。すなわち、ある機器が備える機能部は、他の機器に備えられてもよい。
【0150】
上記実施形態では、地図情報取得部302は端末14が備えるものとして説明したが、これに限られない。例えば、デバイス制御サーバ10が地図情報取得部302を備え、地図情報サーバ12から地図情報を取得してもよい。
【0151】
すなわち、上記実施形態においては第1端末14aが地図情報を取得し、当該地図情報に基づいて第1特徴点に関する情報を生成すると説明したが、第1端末14aは地図情報を取得せず、第1特徴点に関する情報を生成しなくてもよい。この場合、デバイス制御サーバ10が第1特徴点に関する情報を生成する。
【0152】
このような構成にすることにより、地図情報を送信するための通信量を削減することができる場合がある。例えば、地図情報サーバ12から100台の端末のそれぞれに対して地図情報を送信することに比べて、1台のデバイス制御サーバ10に送信することにより、地図情報の送受信に係る通信量を1/100に削減することができる。
【0153】
他にも、上記実施形態では、特徴点情報生成部306は端末14が備えるものとして説明したが、これに限られない。例えば、デバイス制御サーバ10が特徴点情報生成部306を備え、地図情報及び撮影情報に基づいて特徴点に関する情報を生成してもよい。
【0154】
このような構成にすることにより、端末側の演算量を削減することができる場合がある。例えば、100台の端末のそれぞれが位置L1における建築物の地図情報に基づいて第1特徴点に関する情報を生成する場合に比べて、当該地図情報を受信した1台のデバイス制御サーバ10が第1特徴点に関する情報を生成することにより、第1特徴点に関する情報の生成に係る演算量を1/100に削減することができる。
【0155】
他にも、上記実施形態では、変化情報取得部104はデバイス制御サーバ10が備えるものとして説明したが、これに限られない。例えば、端末14が変化情報取得部104を備え、特定の位置における特徴点に関する情報に基づいて、変化に関する情報を生成してもよい。この場合、端末14は当該位置における変化の有無を判断し、判断の結果に応じてデバイス制御サーバ10に変化に関する情報を送信してもよい。
【0156】
このような構成にすることにより、端末14からデバイス制御サーバ10に対する通信量を削減することができる場合がある。具体的には、変化の有無に関わらず端末14からデバイス制御サーバ10に対して特徴点に関する情報を送信する場合に比べて、端末14において変化が検出されたときにのみデバイス制御サーバ10に対して情報を送信することにより、デバイス制御サーバ10に対する通信量を削減することができる場合がある。
【0157】
他にも、上記実施形態では、更新部108はデバイス制御サーバ10が備えるものとして説明したが、これに限られない。例えば、地図情報サーバ12が更新部108を備え、地図情報サーバ12の地図情報DB222を更新してもよい。
【0158】
他にも、上記実施形態では、デバイス制御サーバ10は制御モードに応じて実行部105及び撮影情報取得部106の一方を機能させるものとして説明したが(
図3参照)、これに限られない。具体的には、デバイス制御サーバ10は、変化に関する情報が検出された場合に実行部105及び撮影情報取得部106の両方を機能させてもよい。すなわち、デバイス制御サーバ10は、実行部105により第2端末装置14bに所定の動作を実行させ、さらに撮影情報取得部106により第2撮影情報を取得してもよい。他にも、デバイス制御サーバ10は、実行部105と撮影情報取得部106の一方のみを備えるものであってもよい。
【0159】
―(2)変化情報取得部104に関する変形例―
上記実施形態では、第1特徴点及び第2特徴点の各項目の値が一致するか否かに基づいて差分の有無を判断したが、これに限られない。例えば、第1特徴点及び第2特徴点に関する情報が、各要素が数値であるベクトル(例えば、特徴ベクトル)により表現され、それぞれのベクトルの内積に基づいて基準位置における変化の有無を判断してもよい。
【0160】
上記実施形態では、第1特徴点及び第2特徴点の全項目について値が一致するか否かを判定したが、これに限られない。具体的には、変化に関する情報は、第1特徴点の一部及び第2特徴点の少なくとも一部を比較することと、第1特徴点の少なくとも一部及び第2特徴点の一部を比較することとの少なくとも一方により生成された情報であってもよい。例えば、変化に関する情報は
図9における各項目のうち、「前面の形状」の項目のみを比較することによって生成されたものであってもよい。
【0161】
このような構成にすることにより、変化に関する情報を少ない演算量で生成することができる。具体的には、
図9の位置、窓の数、入口の種類、高さ、高さと幅の比、及び前面の形状の6項目の全てを比較する場合に比べて、前面の形状のみを比較する場合は、比較を行う回数が1/6になる。
【0162】
人間が地物の変化を認識する場合も、類似の方法により変化に関する情報を取得していると考えられる。例えば、建築物が建て替わったと人間が認識する際には、窓の数や入口の種類等の複数の項目を総合的に考慮されているのではなく、全体的な形状や色彩等の一部の項目に着目して判断する場合が多い。
【0163】
比較に用いる項目の種類や数は、地物の種類や状況に応じて異なっても良い。具体的には、地物の種類、地物のデザイン及び端末14の移動速度等の要因によって比較に用いる項目が選択されてもよい。例えば、地物が看板である場合には、当該文字を認識し、比較に用いてもよい。他にも、例えば、端末14の移動速度が遅い場合には、高速で演算を行う必要がないため、高精度の検出を担保するために複数の項目について比較してもよい。
【0164】
また、変化情報取得部104は、長期記憶部(例えば、HDD又はSDD)に記憶された第1特徴点に関する情報と、長期記憶部よりも情報の保存期間が短いとともに転送速度が高い短期記憶部(例えば、メインメモリ及びキャッシュメモリ)に記憶された第2特徴点に関する情報とに基づいて変化に関する情報を取得してもよい。転送速度は、記憶部への情報の書込速度と、記憶部からの情報の読込速度との少なくとも一方を含む。
【0165】
第1特徴点に関する情報は地図情報に基づくものであり、典型的には頻繁には更新しなくてもよい情報であるため、長期記憶部に記憶しても問題はない。一方で、第2特徴点に関する情報は、頻繁に取得される第1撮影情報に基づくものであり、高速で読み込み及び書き込みを行う必要があるため、長期記憶部よりも情報の保存期間が短いとともに転送速度が高い短期記憶部に記憶することが望ましい。短期記憶部に記憶された第1特徴点に関する情報は、例えば、差分の算出(
図9参照)のために用いた直後に削除してもよい。
【0166】
上記のとおり、変化情報取得部104は、簡易評価と詳細評価の少なくとも一方により変化に関する情報を検出してもよい。簡易評価とは、変化に関する情報を検出するための演算速度の速さ(又は演算量の少なさ)を重視した方法である。簡易評価とは、例えば、長期記憶部に記憶された第1特徴点に関する情報の一部と、短期記憶部に記憶された第2特徴点に関する情報の一部とに基づいて変化に関する情報と検出する方法である。一方で、詳細評価とは、検出の精度を重視した方法である。詳細評価とは、例えば、いずれも長期記憶部に記憶された第1特徴点及び第2特徴点に関する情報の全部に基づいて変化に関する情報を検出する方法である。
【0167】
図13は、簡易評価及び詳細評価について説明するための図である。
図13(A)は、簡易評価の一例を示す図である。第1特徴点に関する情報は転送速度が低い長期記憶部120aに記憶され、第2特徴点に関する情報は転送速度が高い短期記憶部120bに記憶されている。簡易評価によれば、変化情報取得部104は、第1特徴点に関する情報の一部である項目A1と、第2特徴点に関する情報の一部である項目A2とに基づいて変化に関する情報を取得する。
図13(B)は、詳細評価の一例を示す図である。第1特徴点及び第2特徴点に関する情報はいずれも長期記憶部120aに記憶されている。詳細評価によれば、変化情報取得部104は、第1特徴点に関する情報の全部である項目A1―C1と、第2特徴点に関する情報の全部である項目A2―C2とに基づいて変化に関する情報を取得する。
【0168】
―(3)特徴点情報取得部102に関する変形例―
また、第1端末14aが移動可能な端末である場合、第1撮影情報のデータ量と、第2特徴点に関する情報のデータ量との比は、第1端末14aの移動速度に応じて変動してもよい。例えば、撮影情報324aに対して、第1端末14aが時速30kmで移動している場合には
図8のように項目が5つとなるように特徴点に関する情報を生成し、時速60kmで移動している場合には項目が2つとなるように特徴点に関する情報を生成してもよい。
【0169】
例えば、撮影情報が動画データである場合には、端末14の移動速度に応じてより多くの地物に関する撮影情報を処理する必要が生じる。このような場合に、移動速度に応じて撮影情報のデータ量と特徴点に関する情報のデータ量の比を変更することにより端末14の負荷を軽減することができる。
【0170】
上記実施形態では、特徴点に含まれる項目は、窓の数、入口の種類、高さ、高さと幅の比及び前面の形状が含まれるとしたが、これに限られない。例えば、第1特徴点の項目には窓の数、入口の種類、高さ、高さと幅の比及び前面の形状が含まれ、第2特徴点の項目は窓の数、入口の種類、高さのみであってもよい。すなわち、第1特徴点の項目と第2特徴点の項目は一致していなくてもよい。
【0171】
また、第1特徴点に関する情報は、長期記憶部に記憶され、第2特徴点に関する情報は、長期記憶部よりも情報の保存期間が短いとともに転送速度が高い短期記憶部に記憶されてもよい。なお、第1特徴点に関する情報は少なくとも一時的に短期記憶部に記憶されてもよく、第2特徴点に関する情報は少なくとも一時的に長期記憶部に記憶されてもよい。
【0172】
―(4)撮影情報取得部106に関する変形例―
上記実施形態においては、基準位置における変化が検出された場合、デバイス制御サーバ10は第2端末14bに対して基準位置における第2撮影情報の送信を要求すると説明した。これに加えて、地図情報サーバ12に基準位置に関する情報を送信し、変化が検出された位置を地図にマッピングさせてもよい。
【0173】
―(5)その他の変形例―
上記実施形態では、端末14は自動車であるとして説明したが、これに限られない。例えば、自律的に動作するドローン、スマートフォン及び定点カメラ等であってもよい。また、専用のアプリケーションソフトウェアを利用して撮影情報を生成してもよい。
【0174】
また、各機能部が情報を取得することには、他の装置に当該情報を取得させることを含む。例えば、変化情報取得部104はデバイス制御サーバ10が変化に関する情報を取得することに代えて、地図情報サーバ12に変化に関する情報を取得させてもよい。他にも、例えば、撮影情報取得部106は、デバイス制御サーバ10が第2撮影情報を取得することに代えて、地図情報サーバ12に第2撮影情報を取得させてもよい。
【符号の説明】
【0175】
1 デバイス制御システム
10 デバイス制御サーバ
12 地図情報サーバ
14 端末
102 特徴点情報取得部
104 変化情報取得部
105 実行部
106 撮影情報取得部
108 更新部