(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065436
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240508BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174289
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】円谷 信一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】災害時における情報を効率的に収集することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、登録された情報提供者に対し、情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する情報送信部と、情報提供者が提供した監視箇所情報を取得する情報取得部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する情報送信部と、
前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得する情報取得部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報送信部は、さらに、継続して監視すべき前記箇所が抽出された場合、前記箇所の前記監視箇所情報を時間をずらして複数回提供することを要求する指示を表す情報を送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報送信部は、さらに、監視の仕方を変えて監視すべき既に前記監視箇所情報を取得済みの前記箇所が抽出された場合、前記監視の仕方を変えて前記箇所を監視した新たな前記監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報送信部は、さらに、前記監視箇所情報の提供率が所定の閾値より小さい領域が抽出された場合、前記領域内の箇所の前記監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記監視箇所情報に基づいて所定の領域毎に危険度を推定した結果を提示する情報提示部を
さらに備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報送信部は、さらに、前記危険度が所定の閾値を超える前記領域内に位置する前記情報提供者に対し、前記領域からの避難の指示を表す情報を送信する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するステップと、
前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するステップと、
前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、次のような防災情報収集処理システムが記載されている。すなわち、特許文献1に記載されているシステムは、災害発生時に被害状況などを即時収集して、データベース化処理を行い、インターネットを利用して、リアルタイムに情報提供を可能とするためのシステムである。このシステムは、データ収集部に各種電話回線用インタフェースと音声ガイダンス機能部とを設け、ビデオカメラからのデータ情報を収集し、編集部に送信し、送信されたデータ情報と、編集部内に予め登録されている災害発生予測地点の画像情報と雨量データとを、災害現場の地点情報をキーとして結合・編集し、編集されたデータ情報をインターネットサーバ上に掲示する。特許文献1に記載のシステムによれば、災害現場の状況の静止画または動画の蓄積、変換、提供を、人手を介さずに行うことができ、リアルタイムに情報を広く一般利用者に提供することができるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているシステムは、監視対象を特定するための機能を備えていないため、例えば、複数の撮影者によって同一の撮影対象が不要に重複して撮影されてしまったり、複数の監視対象間の移動に不要に時間を要してしまったりすることで、複数の監視対象に関する情報の収集が効率的に行えない場合があるという課題がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、災害時における情報を効率的に収集することができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置は、登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する情報送信部と、前記情報提供者が前記提供した監視箇所情報を取得する情報取得部と、を備える。
【0007】
本開示に係る情報処理方法は、登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するステップと、前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得するステップと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するステップと、前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の情報処理装置、情報処理方法およびプログラムによれば、災害時における情報を効率的に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置の基本的動作例を示すフローチャートである。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの構成例を示す模式図である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る監視対象DBの構成例を示す模式図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る区域DBの構成例を示す模式図である。
【
図8】本開示の第1実施形態に係る経路DBの構成例を示す模式図である。
【
図9】本開示の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図10】本開示の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図11】本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの内容の例を示す模式図である。
【
図12】本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの内容の例を示す模式図である。
【
図13】本開示の第1実施形態に係る監視対象DBの内容の例を示す模式図である。
【
図14】本開示の第1実施形態に係る経路DBの内容の例を示す模式図である。
【
図15】本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの内容の例を示す模式図である。
【
図16】本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの内容の例を示す模式図である。
【
図17】本開示の第1実施形態に係る監視対象DBの内容の例を示す模式図である。
【
図18】本開示の第1実施形態に係る経路DBの内容の例を示す模式図である。
【
図19】本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの内容の例を示す模式図である。
【
図20】本開示の第1実施形態に係る監視対象DBの内容の例を示す模式図である。
【
図21】本開示の第1実施形態に係る経路DBの内容の例を示す模式図である。
【
図22】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図23】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図24】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図25】本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図26】本開示の第2実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
【
図27】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法およびプログラムについて、各図を参照して説明する。
図1は、本開示の第1実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、本開示の第1実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
図3および
図4は、本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
図5は、本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの構成例を示す模式図である。
図6は、本開示の第1実施形態に係る監視対象DBの構成例を示す模式図である。
図7は、本開示の第1実施形態に係る区域DBの構成例を示す模式図である。
図8は、本開示の第1実施形態に係る経路DBの構成例を示す模式図である。
図9および
図10は、本開示の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
図11、
図12、
図15、
図16および
図19は、本開示の第1実施形態に係る情報提供者DBの内容の例を示す模式図である。
図13、
図17および
図20は、本開示の第1実施形態に係る監視対象DBの内容の例を示す模式図である。
図14、
図18および
図21は、本開示の第1実施形態に係る経路DBの内容の例を示す模式図である。
図22~
図25は、本開示の第1実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
図26は、本開示の第2実施形態に係る情報処理装置を説明するための模式図である。
図27は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
<第1実施形態>
(情報処理システムの構成)
図1に示すように、本開示の第1実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置10と、複数の端末T-2とを備える。情報処理装置10と、複数の端末T-2とは通信ネットワーク30を介して接続される。通信ネットワーク30は、例えば、移動体通信網、通信衛星を直接利用する通信網、インターネット、構内通信網等を含み、情報処理装置10と端末T-2間を通信接続する。情報処理システム100は、例えば夜間や休日に災害等が発生した場合に、公共団体の職員、企業等の従業員等が、公共団体、企業等の拠点へ、自宅等の当該拠点外から参集する途中で、取得した監視対象の箇所の情報である監視箇所情報を収集するためのシステムである。なお、以下では、拠点に参集する職員、従業員等のうち、予め拠点参集時に監視箇所情報を取得および提供する要員として登録されている者を情報提供者という。なお、本実施形態において監視箇所情報は、例えば、監視箇所を撮影した画像情報(静止画や動画)、監視箇所の状況を報告する文字情報や災害の程度を表す指標情報等を含む報告情報、監視箇所において所定の測定箇所を測定した結果を表す測定結果情報(数値情報等)等を含む。また、監視箇所情報は、画像を撮影した際の端末T-2の位置情報、監視箇所情報を送信した際の端末T-2の位置情報等を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0013】
(端末の構成)
各端末T-2は、各情報提供者が携帯するスマートフォン、携帯電話等の通信端末である。端末T-2は、例えば、プロセッサおよび通信装置、測位装置、カメラ等の周辺装置や周辺回路等のハードウェアを備え、そのハードウェアと、プロセッサが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、入出力部21、撮影部22、通信部23、測位部24、および、情報取得提供部25を備える。ただし、端末T-2は、ここで例示したハードウェアや機能的構成の一部を備えていなくてもよい。入出力部21は、例えば入力機能と出力機能を有するタッチパネル、表示装置と入力装置との組み合わせ等を用いて構成され、情報提供者に対して情報処理装置10から受信した情報や撮影部22が撮影した画像を表す情報を表示したり、情報提供者による入力操作を受け付けたりする。撮影部22は、静止画、動画等の画像を撮影する撮影装置を用いて、入出力部21に対する入力操作に応じて画像を撮影する。通信部23は、通信ネットワーク30を介して情報処理装置10等との間で情報取得提供部25等の指示に応じて所定の情報を送受信する。測位部24は、衛星測位システム等の測位装置を用いて端末T-2の位置情報を取得する。情報取得提供部25は、例えば、入出力部21に対する入力操作等に応じて、通信部23を介して、情報処理装置10から所定の情報を取得して入出力部21に表示したり、情報処理装置10から指示された箇所の画像情報、報告情報、測定結果情報等の監視箇所情報を情報処理装置10に対して提供したりする。情報取得提供部25は、情報処理装置10との間で、例えば、電子メール、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、専用のアプリケーション・プログラムによる通信等を利用して情報の取得と提供とを行う。
【0014】
(本実施形態の利用例)
図3および
図4を参照して、以下の説明で用いる本実施形態の利用例について説明する。
図3は、参集先となる役所、事業所等の拠点1と、複数の情報提供者2-A~2-Jと、周辺の監視対象の箇所との位置関係を地図上に模式的に表す。
図3に示す地図には、道路3-1および3-2と、川4と、橋5-1および5-2と、堤防6とが含まれている。本実施形態では、橋5-1および5-2と、堤防6とが予め監視対象の箇所として登録されているものとする。また、
図3に示す地図には、夜間等の災害発生時に拠点へ参集する際に各情報提供者がとるべき行動態様を区分する区域ZA-1~ZA-4と、破線で示す各区域間の境界ZAB-1~ZAB-3が示されている。また、白丸は、災害発生時の情報提供者2-A~2-Jの位置を示す。
【0015】
図4は、情報提供者2-A、2-Bおよび2-Cが、拠点1へ参集する際の経路を模式的に示す。
図4は、経路7-1、経路7-2、経路8-1および経路8-2を示す。経路7-1は、情報提供者2-A、2-Bおよび2-Cに対して、情報処理システム100に予め登録されている拠点1への通常の(平時の)経路である。経路7-2は、情報提供者2-A、2-Bおよび2-Cに対して、経路7-1が使用できない場合の拠点1への情報処理システム100に予め登録されている迂回経路である。経路8-1および経路8-2は、情報処理装置10によって災害発生後に設定された情報提供者2-Bおよび2-C用の経路である。また、経路7-1は橋5-1を通る経路である。経路7-2は、橋5-1を通らず、橋5-2を通る経路である。経路8-1と経路8-2は、堤防6の近傍を通り、橋5-1を通らず、橋5-2を通る経路である。
【0016】
(情報処理装置の構成)
図1に示す情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、サーバ等の1または複数のコンピュータを用いて構成され、コンピュータとその周辺装置等のハードウェアと、そのコンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、例えば、次の各部を備える。すなわち、情報処理装置10は、機能的構成として、情報取得部11、情報送信部12、情報更新部13、情報提示部14、入出力部15、通信部16、および記憶部17を備える。また、記憶部17は、情報提供者DB(データベース)171、監視対象DB172、区域DB173、経路DB174、地
図DB175、画像DB176、報告DB177および端末DB178を記憶する。なお、情報処理装置10が備える各機能的構成の一部は、例えば通信ネットワーク30を介して接続された外部の1または複数のコンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0017】
情報取得部11は、端末T-2から、例えば監視対象の箇所を撮影した画像等を含む当該箇所の監視箇所情報、位置情報等の所定の情報を通信部16を介して取得する。
【0018】
情報送信部12は、例えば、情報取得部11が取得した情報等に基づき、情報提供者DB171、監視対象DB172、区域DB173、および経路DB174等に登録されている情報に基づき、登録された情報提供者に対し(すなわち登録された端末T-2に対し)、当該情報提供者が拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報等、所定の情報を通信部16を介して送信する。
【0019】
なお、情報送信部12は、継続して監視すべき箇所が抽出された場合、当該箇所の監視箇所情報を時間をずらして複数回提供することを要求する指示を表す情報を送信するようにしてもよい。また、情報送信部12は、さらに、監視の仕方を変えて監視すべき既に監視箇所情報を取得済みの箇所が抽出された場合、監視の仕方を変えて当該箇所を監視した新たな監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するようにしてもよい。なお、監視の仕方の変更とは、画像情報について視点を変えて画像を撮影すること、報告情報について報告項目を追加したり変更したりすること、測定結果情報について測定箇所を変更すること等が例示される。情報送信部12は、さらに、監視箇所情報の提供率が所定の閾値より小さい領域が抽出された場合、当該領域内の箇所の監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するようにしてもよい。ここで、提供率は、所定の領域内に設定されている監視対象の箇所の合計数に対する監視箇所情報が提供済みの箇所の合計数の割合である。また、情報送信部12は、さらに、危険度が所定の閾値を超える領域内に位置する情報提供者に対し、当該領域からの避難の指示を表す情報を送信するようにしてもよい。なお、継続して監視すべき箇所の抽出、時間をずらして複数回当該箇所の監視箇所情報の提供を要求することの決定、および、監視の仕方を変えて監視すべき既に監視箇所情報を取得済みの箇所の抽出は、例えば、入出力部15を用いて、受信した画像等の監視箇所情報を表示し、ユーザの入力操作に応じて行うことがきる。また、提供率が所定の閾値より小さい領域が抽出、および、危険度が所定の閾値を超える領域の抽出は、情報提示部14によって提供率を算出させたり、危険度を推定させたりし、入出力部15を用いて、算出結果や推定結果を表示し、ユーザの入力操作に応じて領域を選択することで行うことがきる。
【0020】
情報更新部13は、情報取得部11が取得した情報等に基づき、情報提供者DB171、監視対象DB172、経路DB174等の内容を更新する。
【0021】
情報提示部14は、例えば情報処理装置10のユーザが入出力部15を用いて入力した要求に応じて、所定の情報を入出力部15から出力する。情報提示部14は、例えば、情報提供者2-A~2-Jから提供された監視箇所情報等に基づいて所定の領域毎に危険度を推定した結果を提示する。
図22~
図25は、情報提示部14が出力する情報の例を示す。
【0022】
図22は、地
図MAP1上に拠点1の位置と各情報提供者2-A~2-Fの現在位置とを表す情報を示す。なお、情報提示部14は、入力操作に応じて各情報提供者2-A~2-Fを選択し、選択した情報提供者の移動軌跡を表示したり、選択した情報提供者から提供された情報を重畳させて表示したりしてもよい。
【0023】
図23は、地
図MAP2上に、情報提供者2-A~2-Cの自宅から拠点1までの経路701、702および703と、迂回経路704および705とを表す情報を示す。
図23に示す情報を利用して、ユーザは、例えば、入出力部15を操作することで、各情報提供者の経路を設定したり変更したりすることができるようにしてもよい。
【0024】
図24は、地
図MAP3上に拠点1の位置と、定期的に通信することができる状態の情報提供者2-A~2-Dの現在位置と、少なくとも1回は通信することができかつ被災している旨の報告を受けた情報提供者2-E~2-Gの最後に確認された位置と、通信ができていない情報提供者2-H、2-Iおよび2-Jの自宅位置とを表す情報を示す。また、
図24に示す情報は、地
図MAP3上に、通信がとれていない情報提供者が集中している地域AR1と、被災した旨の報告が集中している地域AR2が、破線の枠で示されている。
図24に示す情報を利用して、ユーザは、例えば、地域AR2内に位置し、通信が可能な情報提供者2-Dに対して、情報送信部12から所定の指示を送信することで、安全を確保した上でさらなる画像の撮影や情報の収集を求めたり、地域AR1の周辺に位置する情報提供者に対して地域AR1では通信が途絶することがある旨を通知したりすることができるようにしてもよい。
【0025】
図25は、地
図MAP4上に被害が確認されている箇所61および62と、川4と、被害の発生が推定される範囲ZD-1およびZD-2を表す情報と、情報提供者の位置情報(ただし
図25に示す例では情報提供者の位置情報は含まれていない。)を示す。情報提示部14は、例えば、ハザードマップ等の地理情報システムによる情報や気象予報情報等を利用し、被害の発生が非常に高い(危険度が高い)範囲ZD-1と被害の発生が一定程度予測される(危険度が中程度の)範囲ZD-2を推定し、地
図MAP4上に表示する。
図25に示す情報を利用して、ユーザは、例えば範囲ZD-1内に情報提供者が位置している場合に、情報送信部12から所定の情報を送信することで、当該情報提供者に対して直ちに非難するようにとの指示を通知できるようにしてもよい。
【0026】
図1に戻り、入出力部15は、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力部と、表示装置、音声合成出力装置等の出力部とを用いて、例えば情報処理装置10のユーザとの間で所定の情報を入出力する。
【0027】
通信部16は、通信ネットワーク30等を介して、端末T-2や図示していない災害関連情報等を提供するサーバ等との間で所定の情報を送受信する。
【0028】
情報提供者DB171は、各情報提供者についての情報を管理するためのデータの集合である。
図5は、情報提供者DB171の構成例を示す。
図5に示す情報提供者DB171には、情報提供者名に対応付けて、自宅位置、既定参集経路、情報提供可否、現在位置、被害有無、行動態様、推奨経路、現在位置更新時刻、および情報提供指示情報が登録される。情報提供者名は、登録された情報提供者を識別する情報である(この例では「2-A」、「2-B」、「2-C」、…)。自宅位置は、各情報提供者の自宅の位置情報である(この例では「位置2-A」、「位置2-B」、「位置2-C」、…)。既定参集経路は、事前に登録された参集時の経路の経路名(この例では
図4に示す「経路7-1」および「経路7-2」)を示す情報である。なお、かっこで囲んで示す経路7-2は迂回経路を表す。情報提供可否は情報提供者が情報の提供を了承するか否かを示す情報である(初期設定は「不可」である)。情報提供者は、予め情報の提供を了承した者であるが、例えば被災した情報に応じて情報の提供を拒むことができる。現在位置は、情報提供者から送られてきた最新の位置情報である(初期設定は「不明」である)。被害有無は、例えば自宅や本人家族等に被害が発生しているか否かについての情報提供者からの報告に基づいて設定される情報である(初期設定は「不明」である)。行動態様は、当該情報提供者に対して指示された拠点1への参集についてとるべき行動の態様を示す情報である(詳細は後述する)。なお、行動態様以下の項目の内容は未設定である。推奨経路は、参集時に使用する経路名についての情報である。現在位置更新時刻は、情報提供者から送られてきた最新の位置情報の更新時刻である。情報提供指示情報は、当該情報提供者に対する情報提供の指示に関する情報である。この例では情報提供指示情報は、指示時刻、指示内容および実行有無を示す情報を含む。
【0029】
情報提供指示における指示内容は、例えば、参集経路上あるいは参集経路から少し寄り道する程度の参集経路近傍の監視対象等の監視(画像撮影等)を行うことの指示、参集経路から少し寄り道する場合には寄り道を含む経路の指示、時間をおいて複数回撮影を行うようにとの指示、視点を変えて撮影を再度行うようにとの指示等とすることができる。
【0030】
なお、
図5は、災害発生前の情報提供者DB171の内容の例を示す。情報提供可否、現在位置、被害有無、行動態様、推奨経路、現在位置更新時刻および情報提供指示情報は、災害発生後にユーザの所定の操作等に応じて情報処理装置10が処理を開始した後、情報更新部13によって更新される。
【0031】
監視対象DB172は、監視対象の箇所についての情報を管理するためのデータの集合である。本実施形態において監視対象の箇所は、監視対象とする物、空間領域、平面領域等がある場所や地点である。
図6は、監視対象DB172の構成例を示す。
図6に示す監視対象DB172には、監視対象名に対応付けて、監視対象位置、監視要否、危険度、画像ファイル名、および撮影時刻が登録される。監視対象名は、監視対象を識別する情報である(
図6に示す例では「橋5-1」、「橋5-2」および「堤防6」)。監視対象位置は、監視対象の位置情報である(
図6に示す例では「橋5-1の位置情報」、「橋5-2の位置情報」および「堤防6の位置情報」)。監視要否は、監視の必要性を示す情報であり、例えば、「要」、「否」および「継続」のいずれかが設定される。「要」は監視が必要であること(例えば撮影が必要であること)を意味する。「否」は監視が不要であること(例えば撮影が不要であること)を意味する。例えば、一度監視され(例えば撮影され)、さらなる監視が不要と判断された状態である。「継続」は定期的に監視することが必要であること(例えば定期的な撮影が必要であること)を意味する。危険度は、危険度の高低あるいは不明等を示す情報である。監視要否と危険度は、情報更新部13によって、例えば当該監視対象を撮影した画像に基づいて学習済み機械学習モデル等を用いて自動で設定してもよいし、ユーザの指示に基づいて設定してもよい。画像ファイル名および撮影時刻は、当該監視対象を撮影した画像のファイル名および撮影時刻を示す情報である。なお、撮影画像が複数ある場合、複数の画像ファイル名および撮影時刻が登録される。なお、
図6は、災害発生前の監視対象DB172の内容の例を示す。この場合、橋5-1、橋5-2および堤防6が予め監視対象として登録されていることを示す。ただし、監視対象は、災害発生後に例えばユーザの指示に基づき情報更新部13によって追加して登録できるようにすることができる。
【0032】
区域DB173は、情報提供者がとるべき行動態様を区分する区域ZA-1~ZA-4(
図3)についての情報を管理するためのデータの集合である。
図7は、区域DB173の構成例を示す。
図7に示す区域DB173には、区域名に対応付けて、区域位置情報と、行動態様の情報が登録される。区域名は、区域を識別する情報である(
図7に示す例では「ZA-1」、「ZA-2」、「ZA-3」および「ZA-4」)。区域位置情報は、地図上で区域を特定する位置情報であり、例えば、区域間の境界(外側の境界)を特定する情報である(
図7に示す例では「境界ZAB-1の位置情報」、「境界ZAB-2の位置情報」、「境界ZAB-3の位置情報」および「設定なし」)。行動態様は、当該区域内に位置する情報提供者が災害発生後にとるべき行動の態様を示す情報である。
図7に示す例では、拠点1に最も近い区域ZA-1に対して「即時参集」が設定されている。拠点1に次に近い区域ZA-2に対して「日の出後に徒歩参集」が設定されている。拠点1に次の次に近い区域ZA-3に対して「バスチャーター」が設定されている。「バスチャーター」は、例えば後日バスのチャーターができた段階でチャーターされたバスを利用して拠点1へ参集するという行動態様である。そして、拠点1に最も遠い区域ZA-4に対して「自宅待機」が設定されている。なお、各区域の境界は、例えば徒歩での移動時間の長さに応じて設定してもよいし、移動時間の長さに移動の容易さを加味した指標等に基づいて設定してもよい。
【0033】
経路DB174は、拠点1への参集する場合の経路についての情報を管理するためのデータの集合である。
図8は、経路DB174の構成例を示す。
図8に示す経路DB174には、経路名に対応付けて、経路情報と、経路説明と、利用可否の情報が登録される。経路名は経路を識別する情報である(
図8に示す例では「7-1」、「7-2」、…)。経路情報は地図上で経路を特定する情報である(
図8に示す例では「7-1の位置情報列」、「7-2の位置情報列」、…)。経路説明はユーザや情報提供者に対して経路の内容を説明するための情報である(
図8に示す例では「道路3-1で橋5-1を渡り参集場所に至る経路」、「道路3-1から道路3-2に入り橋5-2を渡り道路3-1に戻った後参集場所に至る経路」、…)。利用可否は、例えば当該経路が利用可能か否かを示す情報であり、「不明」、「不可」、「可」等の情報が設定される。利用可否の情報は、例えば、情報提供者から提供された監視箇所情報(写真や文章での報告等)に基づき、情報更新部13によって、例えば当該監視対象を撮影した画像に基づいて学習済み機械学習モデル等を用いて自動で設定してもよいし、ユーザの指示に基づいて設定してもよい。
【0034】
地
図DB175は、拠点1およびその周囲の地理情報を表すデータの集合である。画像DB176は、情報提供者によって撮影および提供された画像ファイルと、例えば、画像ファイルのファイル名、格納位置、撮影日時、撮影位置等を特定する一覧情報等とを含む。報告DB177は、情報提供者によって提供された画像ファイル以外の文字情報等の監視箇所情報を表す情報を含む。報告DB177は、例えば、情報提供者と報告内容と報告日時と報告時の位置情報等の情報を含む。端末DB178は、各情報提供者と当該情報提供者が携帯する端末T-2の識別情報や電話番号、アクセスに用いるアドレスやID(識別情報)、ユーザ名とを対応付ける情報を含む。
【0035】
(情報処理装置の基本的動作)
図2を参照して、
図1に示す情報処理装置10の基本的動作の概要について説明する。なお、情報処理装置10は、例えばユーザの指示に応じて
図2に示す処理を開始する。ユーザは例えば参集が必要な災害が夜間に発生した場合、
図2に示す処理の実行を指示する。
図2に示す処理を開始すると、情報処理装置10は、各情報提供者の状況、位置情報および情報提供可否を確認する(ステップS11)。なお、ステップS11で、各情報提供者の状況、位置情報および情報提供可否を確認する処理は、情報提供者毎に確認がとれるまで実行される。また、確認がとれた場合、当該情報提供者に対する処理はステップS12以降へ進む。
【0036】
状況、位置情報および情報提供可否を確認できた場合、情報処理装置10は、情報提供可能な情報提供者の位置情報の逐次取得を開始する(ステップS12)。以降、情報処理装置10は、情報提供可能な情報提供者を対象としてステップS13~S17の処理を実行する。
【0037】
情報処理装置10は、各データベースの情報に基づき、情報提供者に必要に応じて、行動態様指示、経路指示、情報提供指示等を送信する(ステップS13)。
【0038】
また、情報処理装置10は、移動中の情報提供者から監視箇所情報を取得する(ステップS14)。移動中の情報提供者からの監視箇所情報は、例えば、情報提供指示に応じた撮影画像や状況報告の内容を表す情報、情報提供者が自発的に撮影した画像や状況報告の内容を表す情報等を含む。
【0039】
また、情報処理装置10は、取得した監視箇所情報等に基づきデータベースを更新する(ステップS15)。
【0040】
また、情報処理装置10は、ユーザの指示に応じて、指示された情報を入出力部15からユーザに対して提示する(ステップS16)。
【0041】
そして、情報処理装置10は、例えばユーザから情報取得を終了するという指示があった場合(ステップS17:YES)、
図2に示す処理を終了する。
【0042】
なお、ステップS13~S17の処理は、逐次実行してもよいし、例えばイベントドリブン方式で並列的に実行してもよい。
【0043】
(情報処理システムの動作例)
次に、
図9および
図10に示す情報処理装置10および情報提供者2-A、2-Bおよび2-Cの端末T-2-A、T-2-BおよびT-2-C間の情報の流れについて説明する。なお、情報提供者2-A、2-Bおよび2-Cは
図3に示すように区域ZA-1内に位置し、即時参集の対象であるとする。また、情報提供者DB171、監視対象DB172、経路DB174の各内容は、
図9に示す処理開始時に、
図5、
図6および
図8に示す内容である。また、監視箇所情報が主に画像情報である場合を例として動作例について説明する。
【0044】
情報処理装置10において処理が開始されると、まず、登録されている各情報提供者に対して情報提供要求が送信される(ステップS101)。ステップS101の情報提供要求には、例えば、各情報提供者に対しての、情報提供が可能か否かの問い合わせへの回答を求める指示、被害の有無についての問い合わせへの回答を求める指示等が含まれる。
【0045】
図9に示す例では、情報処理装置10は、まず、情報提供者2-Aから情報提供要求(S101)に対する応答(情報提供が可能であり、被害が無い旨の応答)と位置情報とを受信する(ステップS102)。以後、情報処理装置10は、定期的に端末T-2-Aから位置情報を受信する(ステップS103)。
【0046】
情報提供要求(S101)に対する応答(S102)を受信すると、情報処理装置10は、情報提供者DB171、区域DB173等の内容を参照し、情報提供者2-Aに行動態様の指示(即時参集)、経路の指示(経路7-1)、情報提供の指示(指示t002)を行うとともに、情報提供者DB171の内容を更新する(ステップS104)。
図11は、ステップS104で更新された情報提供者DB171の内容(情報提供者DB171-1)を示す。情報提供者DB171-1では、情報提供者2-Aの情報提供可否(の項目(フィールド))が「可」に更新され、被害有無が「無」に更新され、行動態様が「即時参集」に更新され、推奨経路が「経路7-1」に更新され、情報提供指示(1)の指示内容が「指示t002」(文字列)に更新され、実行有無が「無」に更新されるとともに、現在位置と現在位置更新時刻と指示時刻が更新されている。なお、情報提供指示(1)の内容(「指示t002」)は、経路7-1上の橋5-1の撮影である。
【0047】
次に、情報提供者2-Aが、橋5-1を撮影した画像データ(画像ファイルF001、撮影時刻tFA01とする。)と橋5-1が使用できない状態である旨の状況報告を行ったとすると、情報処理装置10は、画像データを含む監視箇所情報を受信するとともに、情報提供者DB171、監視対象DB172、経路DB174等の内容を更新する(ステップS105)。
図12は、ステップS105で更新された情報提供者DB171の内容(情報提供者DB171-2)を示す。情報提供者DB171-2では、情報提供指示(1)の実行有無が「有」に更新されるとともに、現在位置と現在位置更新時刻が更新されている。
図13は、ステップS105で更新された監視対象DB172の内容(監視対象DB172-1)を示す。監視対象DB172-1では、橋5-1の監視要否が「否」に、危険度が「高」に、画像ファイル名が「F001」に、撮影時刻が「tFA01」に更新されている。
図14は、ステップS105で更新された経路DB174の内容(経路DB174-1)を示す。経路DB174-1では、経路7-1の利用可否が「不可」に更新されている。
【0048】
次に、情報処理装置10は、情報提供者DB171、監視対象DB172、経路DB174等の内容を参照し、情報提供者2-Aに情報提供指示(指示t005)と経路指示(経路7-2)を行うとともに、情報提供者DB171の内容を更新する(ステップS106)。
図15は、ステップS106で更新された情報提供者DB171の内容(情報提供者DB171-3)を示す。情報提供者DB171-3では、情報提供者2-Aの推奨経路が「経路7-2」に更新され、情報提供指示(2)の指示内容が「指示t005」(文字列)に更新され、実行有無が「無」に更新されるとともに、現在位置と現在位置更新時刻と指示時刻が更新されている。なお、情報提供指示(2)の内容(「指示t005」)は、経路7-2上の橋5-2の撮影である。
【0049】
次に、情報処理装置10は、情報提供者2-Bから情報提供要求(S101)に対する応答(情報提供が可能であり、被害が無い旨の応答)と位置情報とを受信する(ステップS107)。以後、情報処理装置10は、定期的に端末T-2-Bから位置情報を受信する(ステップS108)。次に、情報処理装置10は、情報提供者DB171、区域DB173、経路DB174等の内容を参照し、情報提供者2-Bに行動態様の指示(即時参集)と、経路の指示(経路7-2)を行うとともに、情報提供者DB171の内容を更新する(ステップS109)。
【0050】
次に、情報処理装置10は、情報提供者2-Cから情報提供要求(S101)に対する応答(情報提供が可能であり、被害が無い旨の応答)と位置情報とを受信する(ステップS110)。以後、情報処理装置10は、定期的に端末T-2-Cから位置情報を受信する(ステップS111)。次に、情報処理装置10は、情報提供者DB171、区域DB173、経路DB174等の内容を参照し、情報提供者2-Cに行動態様の指示(即時参集)と、経路の指示(経路7-2)を行うとともに、情報提供者DB171の内容を更新する(ステップS112)。
【0051】
次に、情報提供者2-Aが、橋5-2を撮影した画像データ(画像ファイルFA02、撮影時刻tFA02とする。)と橋5-2が使用できる状態である旨の状況報告を行ったとすると、情報処理装置10は、画像データを含む監視箇所情報を受信するとともに、情報提供者DB171、監視対象DB172、経路DB174等の内容を更新する(ステップS113)。
【0052】
次に、情報処理装置10は、情報提供者DB171、監視対象DB172等の内容を参照し、情報提供者2-Bに経路の指示(経路8-1)、情報提供の指示(指示t007)を行うとともに、情報提供者DB171の内容を更新する(ステップS114)。なお、指示t005は、堤防6の撮影である。
【0053】
図16は、ステップS114で更新された情報提供者DB171の内容(情報提供者DB171-4)を示す。情報提供者DB171-4では、
図15に示す情報提供者DB171-3と比較して、情報提供者2-Aの情報提供指示(2)の実行有無が「有」に更新されているとともに、情報提供者2-Bの情報提供可否が「可」に更新され、被害有無が「無」に更新され、行動態様が「即時参集」に更新され、推奨経路が「経路8-1」に更新され、情報提供指示(1)の指示内容が「指示t007」(文字列)に更新され、実行有無が「無」に更新されるとともに、現在位置と現在位置更新時刻と指示時刻が更新され、さらに、情報提供者2-Cの情報提供可否が「可」に更新され、被害有無が「無」に更新され、行動態様が「即時参集」に更新されるとともに、現在位置と現在位置更新時刻とが更新されている。なお、情報提供指示(1)の内容(「指示t007」)は、堤防6の撮影である。また、
図17は、ステップS114時点の監視対象DB172の内容(監視対象DB172-2)を示す。監視対象DB172-2では、
図13に示す監視対象DB172-1と比較して、橋5-2の監視要否が「否」に、危険度が「低」に、画像ファイル名が「F002」に、撮影時刻が「tFA02」に更新されている。また、
図18は、ステップS114時点での経路DB174の内容(経路DB174-2)を示す。経路DB174-2では、
図14に示す経路DB174-1と比較して、経路7-2の利用可否が「可」に更新されるとともに、新たな経路8-1が追加され、経路情報に「経路8-1の位置情報列」が、経路説明に「情報提供者2-Bの経路設定時点の位置から堤防6の近傍を経由して道路3-2に入り橋5-2を渡り道路3-1に戻った後参集拠点に至る経路」が、利用可否に「不明」が設定されている。なお、新たな経路の設定は、例えば、情報更新部13が、地
図DB175等を参照して実行することができる。
【0054】
次に、情報提供者2-Bが、堤防6を撮影した画像データ(画像ファイルFB01、撮影時刻tFB01とする。)と堤防6の状態が不明である状態である旨の状況報告を行ったとすると、情報処理装置10は、画像データを含む監視箇所情報を受信するとともに、情報提供者DB171、監視対象DB172、経路DB174等の内容を更新する(ステップS115)。
【0055】
図19は、ステップS115で更新された情報提供者DB171の内容(情報提供者DB171-5)を示す。情報提供者DB171-5では、
図16に示す情報提供者DB171-4と比較して、情報提供者2-Bの情報提供指示(1)の実行有無が「有」に更新されているとともに、情報提供者2-Cの推奨経路が「経路8-2」に更新され、情報提供指示(1)の指示内容が「指示t009」(文字列)に更新され、実行有無が「無」に更新されるとともに、現在位置と現在位置更新時刻と指示時刻が更新されている。
図20は、ステップS115時点の監視対象DB172の内容(監視対象DB172-3)を示す。監視対象DB172-3では、
図17に示す監視対象DB172-2と比較して、堤防6の監視要否が「継続」に、危険度が「中」に、画像ファイル名が「FB01」に、撮影時刻が「tFB01」に更新されている。また、
図21は、ステップS115時点での経路DB174の内容(経路DB174-3)を示す。経路DB174-3では、
図18に示す経路DB174-2と比較して、経路8-1の利用可否が「可」に更新されるとともに、新たな経路8-2が追加され、経路情報に「経路8-2の位置情報列」が、経路説明に「情報提供者2-Cの経路設定時点の位置から堤防6の近傍を経由して道路3-2に入り橋5-2を渡り道路3-1に戻った後参集拠点に至る経路」が、利用可否に「不明」が設定されている。
【0056】
以上の処理によって、情報処理装置10から、情報提供者2-Aに対して、経路7-1から経路7-2へ変更する経路指示が送信されるとともに、橋5-1と橋5-2の撮影という情報提供指示が送信される。また、情報処理装置10は、情報提供者2-Aから提供された監視箇所情報に基づいて、橋5-1と橋5-2の画像と、橋5-1および経路7-1が使用できないこと、および、橋5-2と経路7-2が使用できることを示す情報を収集することができる。また、情報処理装置10から、情報提供者2-Bに対して、経路7-1から経路8-1へ変更する経路指示が送信されるとともに、堤防6の撮影という情報提供指示が送信される。また、情報処理装置10は、情報提供者2-Bから提供された監視箇所情報に基づいて、堤防6の画像と、堤防6が中程度の危険度である可能性があることを示す情報を収集することができる。また、情報処理装置10から、情報提供者2-Cに対して、経路7-1から経路8-2へ変更する経路指示が送信されるとともに、堤防6の撮影という情報提供指示が送信される。また、情報処理装置10は、情報提供者2-Cから提供された監視箇所情報に基づいて、ある時間後、堤防6の画像を示す情報を収集することができる。
【0057】
(第1実施形態の作用効果)
第1実施形態の情報処理装置10は、登録された情報提供者に対し、当該情報提供者が拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する情報送信部12と、当該情報提供者が提供した監視箇所情報を取得する情報取得部11とを備える。
このため、情報処理装置10は、災害時における情報を効率的に収集することができる。
【0058】
第1実施形態の情報処理装置10は、継続して監視すべき箇所の監視箇所情報を、時間をずらして複数回提供することを要求する。
このため、情報処理装置10は、監視対象の箇所の情報を継続して収集することができる。
【0059】
第1実施形態の情報処理装置10は、監視の仕方を変えて監視すべき既に撮影済みの箇所を、監視の仕方を変えて提供することを要求する。
このため、情報処理装置10は、監視対象の箇所の情報を複数の視点から収集できる。
【0060】
第1実施形態の情報処理装置10は、監視箇所情報の提供率が所定の閾値より小さい領域が抽出された場合、当該領域内の箇所の監視箇所情報を提供することを要求する。
このため、情報処理装置10は、領域毎に均一に情報を収集することができる。
【0061】
第1実施形態の情報処理装置10は、所定の領域毎に危険度を推定した結果を提示する。
このため、情報処理装置10は、情報提供者に対し、危険度を提供できる。
【0062】
第1実施形態の情報処理装置10は、危険度が所定の閾値を超える領域内に位置する情報提供者に対し、領域からの避難の指示を表す情報を送信する。
このため、情報処理装置10は、情報提供者に対し、避難を促すことができる。
【0063】
<第2実施形態>
図26を参照して、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。第1実施形態では、夜間等に拠点外に多くの情報提供者が位置している場合に災害が発生したとき、参集拠点へ移動中の複数の情報提供者から監視対象の箇所の画像等を含む監視箇所情報を収集する。他方、第2実施形態では、就業時間中に就業場所等に多くの情報提供者が位置している場合に災害が発生したとき、避難場所へ移動中の複数の情報提供者から監視対象の箇所の画像等を含む監視箇所情報を収集する。
図26は、事業所等の敷地70に避難場所となる建屋71と、複数の従業員が就業する建屋72と建屋73が建てられている状況を模式的に示す。この場合、建屋72と建屋73には図示していない複数の情報提供者が位置している。
【0064】
第1実施形態と第2実施形態において、
図1に示す情報処理システム100と情報処理装置10の構成および動作は基本的に同一である。ただし、各データベースの内容が一部異なる。例えば、第2実施形態において監視対象の箇所は、例えば、建屋71、72および73を構成する壁、屋根、床等の構造部、屋内の設備や、敷地70に設置されている図示していない送配電設備、空調設備、配管設備等である。また、情報提示部14が危険度を推定する場合には、例えば構造物の使用年数や耐用年数等、災害に対する耐性等を考慮することが望ましい場合がある。
【0065】
(第2実施形態の作用効果)
第2実施形態の情報処理装置10は、登録された情報提供者に対し、当該情報提供者が、避難途中で監視すべき箇所の監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する情報送信部12と、当該情報提供者が提供した監視箇所情報を取得する情報取得部11とを備える。
このため、情報処理装置10は、災害時における情報を効率的に収集することができる。
【0066】
<その他の実施形態>
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0067】
<コンピュータ構成>
図27は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述の情報処理装置10は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0068】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0069】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0070】
<付記>
各実施形態に記載した情報処理装置10は、例えば以下のように把握される。
【0071】
(1)第1の態様に係る情報処理装置10は、登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する情報送信部12と、前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得する情報取得部11と、を備える。
本態様によれば、情報処理装置10は、災害時における情報を効率的に収集することができる。
【0072】
(2)第2の態様に係る情報処理装置10は、(1)の情報処理装置10であって、前記情報送信部12は、さらに、継続して監視すべき前記箇所が抽出された場合、前記箇所の前記監視箇所情報を時間をずらして複数回提供することを要求する指示を表す情報を送信する。
本態様によれば、情報処理装置10は、監視対象の箇所の情報を継続して収集することができる。
【0073】
(3)第3の態様に係る情報処理装置10は、(1)または(2)の情報処理装置10であって、前記情報送信部12は、さらに、監視の仕方を変えて監視すべき既に前記監視箇所情報を取得済みの前記箇所が抽出された場合、前記監視の仕方を変えて前記箇所を監視した新たな前記監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する。
本態様によれば、情報処理装置10は、監視対象の箇所の情報を複数の視点から収集できる。
【0074】
(4)第4の態様に係る情報処理装置10は、(1)~(3)のいずれか一つの情報処理装置10であって、前記情報送信部12は、さらに、前記監視箇所情報の提供率が所定の閾値より小さい領域が抽出された場合、前記領域内の箇所の前記監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信する。
本態様によれば、情報処理装置10は、領域毎に均一に情報を収集することができる。
【0075】
(5)第5の態様に係る情報処理装置10は、(1)~(4)のいずれか一つの情報処理装置10であって、前記監視箇所情報に基づいて所定の領域毎に危険度を推定した結果を提示する情報提示部14をさらに備える。
本態様によれば、情報処理装置10は、情報提供者に対し、危険度を提供できる。
【0076】
(6)第6の態様に係る情報処理装置10は、(5)の情報処理装置10であって、前記情報送信部12は、さらに、前記危険度が所定の閾値を超える前記領域内に位置する前記情報提供者に対し、前記領域からの避難の指示を表す情報を送信する。
本態様によれば、情報処理装置10は、情報提供者に対し、避難を促すことができる。
【0077】
(7)第7の態様に係る情報処理方法は、登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するステップと、前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得するステップと、を含む。
本態様によれば、情報処理方法は、災害時における情報を効率的に収集することができる。
【0078】
(8)第8の態様に係るプログラムは、登録された情報提供者に対し、前記情報提供者が避難または拠点参集途中で監視すべき箇所の情報である監視箇所情報の提供を要求する指示を表す情報を送信するステップと、前記情報提供者が提供した前記監視箇所情報を取得するステップと、をコンピュータに実行させる。
本態様によれば、コンピュータは、災害時における情報を効率的に収集することができる。
【符号の説明】
【0079】
1…拠点
2-A~2-J…情報提供者
3-1、3-2…道路
4…川
5-1、5-2…橋
6…堤防
7-1、7-2…経路
8-1、8-2…経路
10…情報処理装置
11…情報取得部
12…情報送信部
13…情報更新部
14…情報提示部
15…入出力部
16…通信部
17…記憶部
21…入出力部
22…撮影部
23…通信部
24…測位部
25…情報取得提供部
30…通信ネットワーク
61、62…箇所
70…敷地
71~73…建屋
90…コンピュータ
91…プロセッサ
92…メインメモリ
93…ストレージ
94…インタフェース
100…情報処理システム
171…情報提供者DB
171-1~171-5…情報提供者DB
172…監視対象DB
172-1~172-3…監視対象DB
173…区域DB
174…経路DB
174-1~174-3…経路DB
175…地
図DB
176…画像DB
177…報告DB
178…端末DB
701~703…経路
704、705…迂回経路
AR1、AR2…地域
MAP1~MAP4…地図
T-2…端末
ZA-1~ZA-4…区域
ZAB-1~ZAB-3…境界
ZD-1~ZD-2…範囲