(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065437
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】圧縮機モジュール
(51)【国際特許分類】
F04D 29/62 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
F04D29/62 B
F04D29/62 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174292
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】上田 博久
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】宮田 寛之
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB05
3H130AB06
3H130AB07
3H130AB12
3H130AB27
3H130AB60
3H130AC01
3H130AC30
3H130BA95A
3H130CA24
3H130DJ06X
3H130ED03A
(57)【要約】
【課題】据え付け作業の短縮化を図る。
【解決手段】圧縮機モジュールは、軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、前記圧縮機及び前記ガス供給機器を前記鉛直方向の下方から支持する第一支持部と、前記第一支持部に対して鉛直方向の真下に固定され、少なくとも二つの冷却部を前記鉛直方向の下方から支持する第二支持部と、を備え、前記第二支持部は、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成され、前記第一支持部は、配管によって接続された前記圧縮機と前記ガス供給機器が固定された状態で、運搬可能とされ、前記第二支持部は、少なくとも二つの冷却部が固定された状態で、運搬可能とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、
前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、
前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、
前記圧縮機及び前記ガス供給機器を鉛直方向の下方から支持する第一支持部と、
前記第一支持部に対して前記鉛直方向の真下に固定され、少なくとも二つの冷却部を前記鉛直方向の下方から支持する第二支持部と、を備え、
前記第二支持部は、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成され、
前記第一支持部は、配管によって接続された前記圧縮機と前記ガス供給機器が固定された状態で、運搬可能とされ、
前記第二支持部は、少なくとも二つの前記冷却部が固定された状態で、運搬可能とされている圧縮機モジュール。
【請求項2】
前記圧縮機は、
前記流体を圧縮する第一圧縮部と、
前記第一圧縮部で圧縮された前記流体を圧縮する第二圧縮部と、を少なくとも有し、
複数の前記冷却部は、
前記第一圧縮部で圧縮された前記流体を冷却し、前記第二圧縮部に供給可能な第一冷却部と、
前記第二圧縮部で圧縮された前記流体を冷却可能な第二冷却部と、を少なくとも有し、
前記第一冷却部は、複数の前記冷却部の中で最も容積が大きく、
前記第二支持部は、前記第一冷却部及び前記第二冷却部が固定された状態で、運搬可能とされている請求項1に記載の圧縮機モジュール。
【請求項3】
前記第一冷却部及び前記第二冷却部と前記圧縮機とはそれぞれ伸縮継手によって接続されている請求項2に記載の圧縮機モジュール。
【請求項4】
前記第二支持部は、前記水平方向における前記第一冷却部と前記第二冷却部との間であって、前記軸線の延びる方向から見た際に、前記圧縮機と重なる位置に少なくとも一つの柱部を有する請求項2又は3に記載の圧縮機モジュール。
【請求項5】
前記第二支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部を前記鉛直方向の下方から支持する第三支持部と、を備え、
前記圧縮機は、
前記第二圧縮部で圧縮された前記流体を圧縮する第三圧縮部と、
前記第三圧縮部で圧縮された前記流体を圧縮する第四圧縮部とをさらに有し、
複数の前記冷却部は、
前記第三圧縮部で圧縮された前記流体を冷却し、前記第四圧縮部に供給可能な第三冷却部と、
前記第四圧縮部で圧縮された前記流体を冷却可能な第四冷却部とをさらに有し、
前記第三支持部は、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成され、
前記第三支持部は、前記第二支持部に対して前記水平方向に隣接して配置され、前記第三冷却部及び前記第四冷却部が固定された状態で、運搬可能とされている請求項2又は3に記載の圧縮機モジュール。
【請求項6】
前記第二支持部及び前記第三支持部と異なる少なくとも二つの前記冷却部を前記鉛直方向の下方から支持する第四支持部と、を備え、
前記圧縮機は、
前記第四圧縮部で圧縮された前記流体を圧縮する第五圧縮部と、
前記第五圧縮部で圧縮された前記流体を圧縮する第六圧縮部とをさらに有し、
複数の前記冷却部は、
前記第五圧縮部で圧縮された前記流体を冷却し、前記第六圧縮部に供給可能な第五冷却部と、
前記第六圧縮部で圧縮された前記流体を冷却可能な第六冷却部とをさらに有し、
前記第四支持部は、前記第三支持部に対して前記鉛直方向の上方であって前記第一支持部に対して前記水平方向に隣接して配置され、前記第五冷却部及び前記第六冷却部が固定された状態で、運搬可能とされている請求項5に記載の圧縮機モジュール。
【請求項7】
前記軸線回りに回転駆動される出力軸を有し、前記出力軸の回転が伝達して前記圧縮機を駆動可能な回転駆動機をさらに備え、
前記回転駆動機は、前記鉛直方向から見た際に、前記第一支持部及び前記第二支持部と重ならない位置であって、前記圧縮機に対して前記軸線の延びる軸方向に並んで配置されている請求項1又は2に記載の圧縮機モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮機モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
空気やガス等の気体を圧縮する圧縮機と、圧縮機を駆動させるモータやタービン等の回転駆動機とを台板上に設置した圧縮機モジュールが、船等の海上設備に使用されている。このような圧縮機モジュールでは、圧縮機で圧縮された流体を冷却するクーラも一体に設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、圧縮機モジュールとして、圧縮機と、複数のクーラとを有する圧縮装置が記載されている。この圧縮装置では、圧縮機が上部に配置された本体支持台と、本体支持台に接続された付属支持台とに、複数のクーラが吊り下げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような圧縮機モジュールは、構成する装置の数や各装置を繋ぐ配管数が非常に多くなっている。そのため、圧縮機モジュールの据え付け場所において、各装置の位置を調整して設置するための現合作業や、複数の配管を接続するための配管組み立て据え付け作業が長くなってしまう。そのため、圧縮機モジュールの据え付け作業の短縮化が求められている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、据え付け作業の短縮化を図ることが可能な圧縮機モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示にかかる圧縮機モジュールは、軸線回りに回転する回転軸を有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機と、前記圧縮機に対してシールガスを供給するガス供給機器と、前記圧縮機で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部と、前記圧縮機及び前記ガス供給機器を鉛直方向の下方から支持する第一支持部と、前記第一支持部に対して前記鉛直方向の真下に固定され、少なくとも二つの冷却部を前記鉛直方向の下方から支持する第二支持部と、を備え、前記第二支持部は、前記鉛直方向に延びる複数の柱部と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成され、前記第一支持部は、配管によって接続された前記圧縮機と前記ガス供給機器が固定された状態で、運搬可能とされ、前記第二支持部は、少なくとも二つの冷却部が固定された状態で、運搬可能とされている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の圧縮機モジュールによれば、据え付け作業の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係る圧縮機モジュールの概略構成を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態の圧縮機モジュールを軸方向の正面から見た様子を示す正面図である。
【
図3】本実施形態の圧縮機モジュールを鉛直方向の上方から見た様子を示す上面図である。
【
図4】本実施形態の圧縮機モジュールを幅方向の片側から見た様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示による圧縮機モジュール100を実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0011】
(圧縮機モジュールの構成)
図1~
図4に示すように、圧縮機モジュール100は、圧縮機1と、回転駆動機2と、ガス供給機器3と、複数の冷却部4と、オイルコンソール機器5と、第一支持部6と、第二支持部7と、第三支持部8と、第四支持部9と、駆動支持部25と、を備えている。
【0012】
(圧縮機)
圧縮機1は、作動流体としてガスを圧縮する。圧縮機1は、軸線O回りに回転する回転軸1aを有している。回転軸1aは、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。圧縮機1は、段階的にガス(流体)を圧縮可能とされている。本実施形態の圧縮機1は、複数の圧縮部10を有することで、段階的にガスを圧縮可能とされている。本実施形態の圧縮機1は、例えば8段の圧縮部10を有するギアド圧縮機である。圧縮機1は、各圧縮部10がインペラ(不図示)を一つずつ有している。
【0013】
本実施形態の圧縮機1は、内部に、複数のギア(不図示)を有するギアケーシング1bをさらに備えている。ギアケーシング1bは、上下に分割可能とされている。ギアケーシング1bの上半部分が取り外されることで、内部のギアが視認可能となる。ギアは、回転軸1aの回転を複数の従動軸(不図示)に伝達可能とされている。従動軸は、両端にそれぞれ圧縮部10が配置され、回転軸1aと平行に軸方向Daに延びている。複数のギアによって、複数(本実施形態では四つ)の従動軸の回転数がそれぞれ異なるように設定されている。回転軸1aは、ギアケーシング1bの外部に突出するように延びている。
【0014】
また、以下では、後述する回転軸1aの軸線Oが延びている方向を軸方向Daとする。軸方向Daは水平方向に一つである。水平方向は、鉛直方向Dvと直交する仮想面の広がる方向である。また、軸方向Daと直交する水平方向の一つを幅方向Dwと称する。
【0015】
また、複数の圧縮部10は、ギアケーシング1bの外部に配置されている。本実施形態の圧縮機1は、圧縮部10として、第一圧縮部11と、第二圧縮部12と、第三圧縮部13と、第四圧縮部14と、第五圧縮部15と、第六圧縮部16と、第七圧縮部17と、第八圧縮部18とを有している。
【0016】
第一圧縮部11は、圧縮機1の外部から供給されたガスを圧縮する。第一圧縮部11は、複数の圧縮部10の中で、圧縮するガスの体積流量が最も多い。第二圧縮部12は、第一圧縮部11で圧縮されたガスを圧縮する。第二圧縮部12は、第一圧縮部11と同じ従動軸によって回転される。第二圧縮部12で圧縮するガスの体積流量は、第一圧縮部11より少ない。
【0017】
第三圧縮部13は、第二圧縮部12で圧縮されたガスを圧縮する。第三圧縮部13は、第一圧縮部11及び第二圧縮部12とは異なる従動軸によって回転される。第三圧縮部13で圧縮するガスの体積流量は、第二圧縮部12よりも少ない。第四圧縮部14は、第三圧縮部13で圧縮されたガスを圧縮する。第四圧縮部14は、第三圧縮部13と同じ従動軸によって回転される。第四圧縮部14で圧縮するガスの体積流量は、第三圧縮部13より少ない。
【0018】
第五圧縮部15は、第四圧縮部14で圧縮されたガスを圧縮する。第五圧縮部15は、第三圧縮部13及び第四圧縮部14とは異なる従動軸によって回転される。第五圧縮部15で圧縮するガスの体積流量は、第四圧縮部14よりも少ない。第六圧縮部16は、第五圧縮部15で圧縮されたガスを圧縮する。第六圧縮部16は、第五圧縮部15と同じ従動軸によって回転される。第六圧縮部16で圧縮するガスの体積流量は、第五圧縮部15より少ない。
【0019】
第七圧縮部17は、第六圧縮部16で圧縮されたガスを圧縮する。第七圧縮部17は、第五圧縮部15及び第六圧縮部16とは異なる従動軸によって回転される。第七圧縮部17で圧縮するガスの体積流量は、第六圧縮部16よりも少ない。第八圧縮部18は、第七圧縮部17で圧縮されたガスを圧縮する。第八圧縮部18は、第七圧縮部17と同じ従動軸によって回転される。第八圧縮部18で圧縮するガスの体積流量は、第七圧縮部17より少ない。
【0020】
(回転駆動機)
回転駆動機2は、圧縮機1に連結されている。回転駆動機2は、圧縮機1を駆動させる。回転駆動機2は、回転駆動される出力軸2aを有する。本実施形態の回転駆動機2は、例えば、電動モータである。回転駆動機2は、常に一定速で出力軸2aを回転させる。出力軸2aは、軸線O回りに回転駆動される。出力軸2aは、軸線Oを中心とする円柱状をなしている。出力軸2aは、回転軸1aに接続されている。これにより、出力軸2aの回転は、回転軸1aに伝達される。なお、回転駆動機2は、圧縮機1に直接接続された構造に限定されるものではなく、変速機等を介して間接的に接続された構造であってもよい。回転駆動機2は、圧縮機1に対して軸方向Daに間隔を空けて並んで配置されている。また、回転駆動機2の出力軸2aは、圧縮機1の回転軸1aに比べて重量が大きく、回転周波数が比較的低いため、運転時に低次振動モードによる励振(共振)を引き起こしやすくなっている。
【0021】
(ガス供給機器)
ガス供給機器3は、圧縮機1に対してシールガスを供給可能とされている。ガス供給機器3は、複数の配管31によって圧縮機1と接続されている。ガス供給機器3は、圧縮機1に対して幅方向Dwに離れて配置されている。本実施形態のガス供給機器3は、ガスシールモジュール(GSM:ガスシール装置)である。ガス供給機器3は、ケーシング内に配置されたドライガスシール(不図示)に送り込んだシールガスが、ドライガスシールにおいて逆流することを防ぐため、シールガスの圧力が内部よりも高くなるよう調整可能とされている。
【0022】
(冷却部)
複数の冷却部4は、圧縮機1で圧縮されたガスを冷却する。冷却部4は、二つの圧縮部10同士の段間に一つずつ配置されている。本実施形態の冷却部4は、シェルアンドチューブ型の熱交換器である。つまり、冷却部4は、円筒状のシェル40と、シェル40の内部に配置された冷却配管等のチューブ式の熱交換部(不図示)を有している。冷却部4では、冷媒として冷却水が使用される。各々の冷却部4は、前段の圧縮部10から吐出されたガスを冷却し、後段の圧縮部10に供給する。本実施形態の複数の冷却部4は、第一冷却部41と、第二冷却部42と、第三冷却部43と、第四冷却部44と、第五冷却部45と、第六冷却部46とを有している。
【0023】
第一冷却部41は、第一圧縮部11で圧縮されたガスを冷却する。第一冷却部41は、冷却したガスを第二圧縮部12に供給可能とされている。第一冷却部41は、第一圧縮部11や第二圧縮部12に対して伸縮継手49(
図2参照)で接続されている。つまり、第一冷却部41と第一圧縮部11とを繋ぐライン(接続配管)や第一冷却部41と第二圧縮部12とを繋ぐライン(接続配管)の少なくとも一部が伸縮継手49で構成されている。第一冷却部41は、複数の冷却部4の中で最も容積が大きい。つまり、第一冷却部41は、複数の冷却部4の中で最も多くのガスを冷却可能とされている。また、第一冷却部41は、バンドル構造となっており、内部に配置された熱交換部が軸方向Daに移動することでシェル40に対して着脱可能となっている。
【0024】
第二冷却部42は、第二圧縮部12で圧縮されたガスを冷却する。第二冷却部42は、冷却したガスを第三圧縮部13に供給可能とされている。第二冷却部42は、第二圧縮部12や第三圧縮部13に対して伸縮継手49(
図2参照)で接続されている。つまり、第二冷却部42と第二圧縮部12とを繋ぐライン(接続配管)や第二冷却部42と第三圧縮部13とを繋ぐライン(接続配管)の少なくとも一部が伸縮継手49で構成されている。第二冷却部42は、第一冷却部41と同等又は小さい容積とされている。また、第二冷却部42は、第一冷却部41と同様に、バンドル構造となっている。
【0025】
第三冷却部43は、第三圧縮部13で圧縮されたガスを冷却する。第三冷却部43は、冷却したガスを第四圧縮部14に供給可能とされている。第三冷却部43は、第三圧縮部13や第四圧縮部14に対して伸縮継手49(
図2参照)で接続されている。つまり、第三冷却部43と第三圧縮部13とを繋ぐライン(接続配管)や第三冷却部43と第四圧縮部14とを繋ぐライン(接続配管)の少なくとも一部が伸縮継手49で構成されている。また、第三冷却部43は、第一冷却部41及び第二冷却部42と同様に、バンドル構造となっている。
【0026】
第四冷却部44は、第四圧縮部14で圧縮されたガスを冷却する。第四冷却部44は、冷却したガスを第五圧縮部15に供給可能とされている。第四冷却部44は、第四圧縮部14や第五圧縮部15に対して伸縮継手49(
図2参照)で接続されている。つまり、第四冷却部44と第四圧縮部14とを繋ぐライン(接続配管)や第四冷却部44と第五圧縮部15とを繋ぐライン(接続配管)の少なくとも一部が伸縮継手49で構成されている。また、第四冷却部44は、第一冷却部41から第三冷却部43と同様に、バンドル構造となっている。
【0027】
第五冷却部45は、第五圧縮部15で圧縮されたガスを冷却する。第五冷却部45は、冷却したガスを第六圧縮部16に供給可能とされている。第五冷却部45は、第五圧縮部15や第六圧縮部16に対して配管及び伸縮継手49(
図2参照)で接続されている。つまり、第五冷却部45と第五圧縮部15とを繋ぐライン(接続配管)や第五冷却部45と第六圧縮部16とを繋ぐライン(接続配管)の少なくとも一部が配管及び伸縮継手49で構成されている。第五冷却部45は、第三冷却部43及び第四冷却部44よりも容積が小さい。
【0028】
第六冷却部46は、第八圧縮部18で圧縮されたガスを冷却する。第六冷却部46は、第八圧縮部18に対して配管及び伸縮継手49(
図2参照)で接続されている。つまり、第六冷却部46と第八圧縮部18とを繋ぐライン(接続配管)の少なくとも一部が配管及び伸縮継手49で構成されている。本実施形態の第六冷却部46は、圧縮機1で圧縮された最も圧力の高いガスを最終的に冷却するリサイクルクーラである。第六冷却部46は、冷却したガスを圧縮機モジュール100の内部の圧縮部入口に供給可能とされている。
【0029】
(オイルコンソール機器)
オイルコンソール機器5は、潤滑油を圧縮機1や回転駆動機2に供給している。オイルコンソール機器5は、タンク、ポンプ、オイルクーラ、オイルフィルタ等の不図示の複数の機器によって構成されている。オイルコンソール機器5は、鉛直方向Dvから見た際に水平方向において圧縮機1及び回転駆動機2と重ならない位置に配置されている。オイルコンソール機器5は、圧縮機1及び回転駆動機2に対して、鉛直方向Dvの下方に配置されている。オイルコンソール機器5は、基礎200に固定されている。つまり、オイルコンソール装置は、第一支持部6、第二支持部7、第三支持部8、第四支持部9、及び駆動支持部25とは独立して配置されている。
【0030】
(第一支持部)
第一支持部6は、圧縮機1及びガス供給機器3を水平方向と直交する鉛直方向Dvの下方から支持している。第一支持部6は、複数の配管31によって接続された圧縮機1とガス供給機器3が固定された状態で、運搬可能とされている。つまり、第一支持部6上に、圧縮機1とガス供給機器3とが固定されている。
図5に示すように、本実施形態の第一支持部6は、複数の第一縦梁部61と、複数の第一横梁部62と、台板本体65と、を有している。
【0031】
第一縦梁部61は、軸方向Daに延びる柱状の部材である。複数の第一縦梁部61は、幅方向Dwに間隔開けて配置されている。本実施形態では、三つの第一縦梁部61が、幅方向Dwに均等に離れて配置されている。第一縦梁部61は、例えば、H型鋼である。
【0032】
第一横梁部62は、幅方向Dwに延びる柱状の部材である。複数の第一横梁部62は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、四つの第一横梁部62が、軸方向Daに離れて配置されている。第一横梁部62は、例えば、H型鋼である。第一横梁部62は、第一縦梁部61と固定されている。幅方向Dwにおいて最も外側に配置された二つの第一縦梁部61と、軸方向Daにおいて最も外側に配置された第一横梁部62によって、矩形状の第一枠体6aが構成されている。つまり、第一枠体6aは、鉛直方向Dvの上方から見た際に、内部が中空の矩形環状に形成されている。また、
図3に示すように、第一枠体6aにおいて、軸方向Daにおいて、中央付近に配置された二つの第一横梁部62は、鉛直方向Dvから見た際に、圧縮機1やガス供給機器3と重なる位置に配置されている。
【0033】
図5に示すように、台板本体65は、軸方向Da及び幅方向Dwに広がっている。本実施形態の台板本体65は、水平方向に広がる大きな面を有した長方形状の平板部材である。台板本体65は、第一枠体6aに対して鉛直方向Dvの上方に配置されている。台板本体65は、第一枠体6aに固定されている。台板本体65は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一縦梁部61及び複数の第一横梁部62の全領域と重なる大きさで形成されている。本実施形態の台板本体65は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、軸方向Daの長さが第一枠体6aと等しく、幅方向Dwの長さが第一枠体6aよりも大きい長方形状に形成されている。台板本体65は、作業員等の軽量の物体が乗っても変形しない。第一支持部6の台板本体65には、圧縮機1及びガス供給機器3が固定されている。
【0034】
また、
図1~
図4に示すように、第一支持部6は、圧縮機1及びガス供給機器3とともに第一ユニットAを構成している。第一ユニットAは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0035】
(第二支持部)
第二支持部7は、第一支持部6に対して鉛直方向Dvの真下に固定されている。第二支持部7は、少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持している。第二支持部7は、少なくとも二つの冷却部4が固定された状態で、運搬可能とされている。本実施形態の第二支持部7には、第一冷却部41及び第二冷却部42が固定されている。つまり、第二支持部7は、第一冷却部41及び第二冷却部42が固定された状態で、運搬可能とされている。また、第二支持部7は、第一支持部6と固定されている。
図6に示すように、第二支持部7は、第二上縦梁部(梁部)71と、第二上横梁部(梁部)72と、第二下縦梁部(梁部)73と、第二下横梁部(梁部)74と、柱部75とを有している。
【0036】
第二上縦梁部71は、軸方向Daに延びる部材である。複数の第二上縦梁部71は、幅方向Dwに間隔開けて配置されている。本実施形態では、三つの第二上縦梁部71が、幅方向Dwに均等に離れて配置されている。第二上縦梁部71は、例えば、H型鋼である。第二上縦梁部71は、第一縦梁部61と同じ形状で形成されている。また、複数の第二上縦梁部71は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一縦梁部61と同じ位置に配置されている。
【0037】
図6に示すように、第二上横梁部72は、幅方向Dwに延びる部材である。複数の第二上横梁部72は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、四つの第二上横梁部72が、軸方向Daに離れて配置されている。第二上横梁部72は、例えば、H型鋼である。第二上横梁部72は、第一横梁部62と同じ形状で形成されている。また、複数の第二上横梁部72は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第一横梁部62と同じ位置に配置されている。第二上横梁部72は、第二上縦梁部71と固定されている。幅方向Dwにおいて最も外側に配置された二つの第二上縦梁部71と、軸方向Daにおいて最も外側に配置された第二上横梁部72とによって、矩形状の第二上枠体7aが構成されている。つまり、第二上枠体7aは、鉛直方向Dvの上方から見た際に、内部が中空の矩形環状に形成されている。第二上枠体7aは、第一枠体6aと同じ形状で形成されている。第一枠体6aは、第二上枠体7aに直接固定されている。第二上枠体7aは、第一冷却部41及び第二冷却部42に対して鉛直方向Dvの上方に離れて配置されている。
【0038】
第二下縦梁部73は、軸方向Daに延びる部材である。複数の第二下縦梁部73は、幅方向Dwに間隔開けて配置されている。本実施形態では、三つの第二下縦梁部73が、幅方向Dwに均等に離れて配置されている。第二下縦梁部73は、例えば、H型鋼である。第二下縦梁部73は、第二上縦梁部71と同じ形状で形成されている。また、複数の第二下縦梁部73は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第二上縦梁部71と同じ位置に配置されている。
【0039】
第二下横梁部74は、幅方向Dwに延びる部材である。複数の第二下横梁部74は、軸方向Daに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、四つの第二下横梁部74が、軸方向Daに離れて配置されている。第二下横梁部74は、例えば、H型鋼である。第二下横梁部74は、第二上横梁部72と同じ形状で形成されている。また、複数の第二下横梁部74は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第二上横梁部72と同じ位置に配置されている。第二下横梁部74は、第二下縦梁部73と固定されている。幅方向Dwにおいて最も外側に配置された二つの第二下縦梁部73と、軸方向Daにおいて最も外側に配置された第二下横梁部74とによって、矩形状の第二下枠体7bが構成されている。つまり、第二下枠体7bは、鉛直方向Dvの上方から見た際に、内部が中空の矩形状に形成されている。第二下枠体7bは、第二上枠体7aと同じ形状で形成されている。第二下枠体7bは、基礎200に直接固定されている。第二下枠体7bは、第一冷却部41及び第二冷却部42に対して鉛直方向Dvの下方で固定されている。
【0040】
柱部75は、鉛直方向Dvに延びる柱状の部材である。複数の柱部75は、水平方向(幅方向Dwや軸方向Da)に間隔を開けて配置されている。また、複数の柱部75の一部は、水平方向における第一冷却部41と第二冷却部42との間であって、軸線Oの延びる方向から見た際に、圧縮機1と重なる位置に少なくとも一つが配置されている。本実施形態では、軸方向Daに離れて配置された四つの柱部75が、幅方向Dwに離れて三組配置されている。軸方向Daに離れて配置された四つの柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第二上縦梁部71及び第二下縦梁部73と重なる位置に配置されている。幅方向Dwに離れて配置された三つの柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、複数の第二上横梁部72及び第二下横梁部74と重なる位置に配置されている。幅方向Dwに離れて配置された三つの柱部75の真ん中の柱部75は、幅方向Dwにおいて第一冷却部41と第二冷却部42との間に配置されている。また、軸方向Daに離れて配置された四つの柱部75の中で真ん中の二つであって、幅方向Dwの中央に配置され二つの柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、ギアケーシング1bと重なる位置に配置されている。柱部75は、例えば、H型鋼である。複数の柱部75の両端は、第二上枠体7a及び第二下枠体7bにそれぞれ固定されている。
【0041】
このように、第二支持部7は、複数の柱部75と、第二上枠体7aと、第二下枠体7bとによって、直方状に形成されたラーメン構造有している。つまり、ラーメン構造は、鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と、水平方向の一つである軸方向Daに延びる複数の第二上縦梁部71及び第二下縦梁部73と、水平方向の一つである幅方向Dwに延びる複数の第二上横梁部72及び第二下横梁部74とによって形成されている。なお、本実施形態におけるラーメン構造とは、上述した部材加えて、方杖やブレースで補強された構造も含まれる。
【0042】
また、第一冷却部41及び第二冷却部42は、ラーメン構造によって形成された第二支持部7の内部の空間に固定されている。
図1~
図4に示すように、第二支持部7は、第一冷却部41及び第二冷却部42とともに第二ユニットBを構成している。第二ユニットBは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0043】
(第三支持部)
第三支持部8は、第二支持部7に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。第三支持部8は、第二支持部7と異なる少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持している。本実施形態の第三支持部8には、第三冷却部43及び第四冷却部44が固定されている。第三支持部8は、第三冷却部43及び第四冷却部44が固定された状態で、運搬可能とされている。また、第三支持部8は、第二支持部7と同じ構造で形成されている。つまり、第三支持部8も、第二支持部7と同様に、鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成されたラーメン構造を有している。したがって、第三支持部8は、第二支持部7と同様に、第二上縦梁部71と、第二上横梁部72と、第二下縦梁部73と、第二上横梁部72と、柱部75とを有している。また、第三支持部8では、幅方向Dwに離れて配置された三つの柱部75の真ん中の柱部75は、幅方向Dwにおいて第三冷却部43と第四冷却部44との間に配置されている。さらに、これら真ん中の柱部75は、鉛直方向Dvの上方から見た際に、第五冷却部45及び第六冷却部46と重なる位置に配置されている。
【0044】
また、第三冷却部43及び第四冷却部44は、ラーメン構造によって形成された第三支持部8の内部の空間に固定されている。第三支持部8は、第三冷却部43及び第四冷却部44とともに第三ユニットCを構成している。第三ユニットCは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0045】
(第四支持部)
第四支持部9は、第三支持部8に対して鉛直方向Dvの上方であって、第一支持部6に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。第四支持部9は、第三支持部8に固定されている。第四支持部9は、第二支持部7及び第三支持部8と異なる少なくとも二つの冷却部4を鉛直方向Dvの下方から支持している。本実施形態の第四支持部9には、第五冷却部45及び第六冷却部46が固定されている。第四支持部9は、第五冷却部45及び第六冷却部46が固定された状態で、運搬可能とされている。また、第四支持部9は、第一支持部6と同じ構造で形成されている。したがって、第四支持部9も、第一支持部6と同様に、複数の第一縦梁部61と、複数の第一横梁部62と、台板本体65と、を有している。第四支持部9の台板本体65には、第五冷却部45が固定されている。
【0046】
また、第四支持部9は、第五冷却部45及び第六冷却部46とともに第四ユニットDを構成している。第四ユニットDは、クレーン等の運搬機械によって、すべての部品が同時に運搬可能とされている。
【0047】
(駆動支持部)
駆動支持部25は、回転駆動機2を鉛直方向Dvの下方から支持している。駆動支持部25は、第一支持部6に対して軸方向Daに並ぶように配置されている。駆動支持部25は、鉛直方向Dvにおいて、回転駆動機2の出力軸2aの位置と、圧縮機1の回転軸1aの位置とを同じ位置(レベル)に配置するように形成されている。駆動支持部25は、例えば、第一支持部6及び第二支持部7よりも剛性の高いコンクリートで形成された門型の土台として形成されている。駆動支持部25は、基礎200に直接固定されている。駆動支持部25は、第一支持部6、第二支持部7、第三支持部8、及び第四支持部9とは独立して配置されている。
【0048】
(作用効果)
上記構成の圧縮機モジュール100では、ラーメン構造を有する第二支持部7上に第一支持部6が固定されている。そして、第一支持部6は、圧縮機1及びガス供給機器3が固定された状態で、運搬可能な第一ユニットAを構成している。また、第二支持部7は、第一冷却部41及び第二冷却部42が固定された状態で、運搬可能な第二ユニットBを構成している。したがって、第二支持部7を運搬するだけで、固定されて位置が定まった状態(移動不能な状態)の第一冷却部41及び第二冷却部42を指定の設置位置に配置できる。そのため、第一冷却部41及び第二冷却部42の設置作業の短縮化を図ることができる。同様に、第一支持部6を運搬して第二支持部7上に固定するだけで、固定されて位置が定まった状態の圧縮機1及びガス供給機器3を圧縮機モジュール100の設置位置に配置できる。特に、圧縮機1及びガス供給機器3は、配管31が既に接続された状態となっている。そのため、圧縮機1及びガス供給機器3を配置後に、圧縮機1及びガス供給機器3の間の配管31を別途繋ぐ作業が不要になる。したがって、圧縮機1及びガス供給機器3の設置作業の短縮化を図ることができる。これらによって、圧縮機モジュール100としての据え付け作業の短縮化を図ることができる。
【0049】
また、圧縮機1のギアケーシング1bは、上下分割可能とされている。このような圧縮機1が第二支持部7上に固定された第一支持部6上に固定されている。そのため、第一支持部6では、圧縮機1に対して鉛直方向Dvの上方には、何も配置されていない状態となっている。したがって、ギアケーシング1bの上半部分を取り外して、メンテナンスする際のアクセス性を維持することができる。
【0050】
また、ガス供給機器3が、圧縮機1と並んで第一支持部6上に固定されている。第一支持部6では、ガス供給機器3に対して鉛直方向Dvの上方には、何も配置されていない状態となっている。したがって、圧縮機1とは独立して、ガス供給機器3をメンテナンスできる。ガス供給機器3は、圧縮機1を運転したままメンテナンスする場合もあるが、このような場合であっても、ガス供給機器3のメンテナンス性を確保できる。
【0051】
また、複数の冷却部4の中で最も容積が大きい第一冷却部41が、第二冷却部42とともに第二支持部7に固定されている。したがって、複数の冷却部4の中で重量の大きな冷却部4が圧縮機1に対して鉛直方向Dvの下方に配置されている。したがって、第二支持部7上の第一支持部6というように、基礎200に対して高い位置に圧縮機1が配置されていても、重量物である第一冷却部41及び第二冷却部42によって、圧縮機1を安定して支持することができる。
【0052】
また、第二支持部7は、第一支持部6に対して鉛直方向Dvの真下に固定されている。そのため、第一冷却部41及び第二冷却部42と圧縮機1との位置を近づけることができる。したがって、第一冷却部41及び第二冷却部42と圧縮機1とを繋ぐ伸縮継手49等の接続配管を短くすることができる。
【0053】
また、第一冷却部41と第一圧縮部11や第二圧縮部12とはそれぞれ伸縮継手49で接続されている。同様に、第二冷却部42と第二圧縮部12や第三圧縮部13とはそれぞれ伸縮継手49で接続されている。そのため、第一支持部6と第二支持部7とを固定した際に、第一冷却部41や第二冷却部42と圧縮機1との位置がずれてしまっても、伸縮継手49によって、圧縮部10と冷却部4との据え付け誤差を吸収することができる。
【0054】
また、第二支持部7は、第一冷却部41と第二冷却部42との間であって、軸方向Daから見た際に、圧縮機1と重なる位置に二つの柱部75を有している。そのため、圧縮機1を二つの柱部75によって鉛直方向Dvの下方から支持することができる。その結果、第一上枠体及び第二上枠体7aだけで圧縮機1を支持する場合に比べて、圧縮機1に対する鉛直方向Dvの支持剛性を高めることができる。
【0055】
特に、本実施形態では、第一横梁部62、第二上横梁部72、及び第二下横梁部74も鉛直方向Dvから見た際に、圧縮機1と重なる位置に配置されている。そして、第二支持部7は、ラーメン構造となっている。そのため、圧縮機1に対する鉛直方向Dvの支持剛性をより高めることができる。これにより、第二支持部7に対して高い位置に圧縮機1が配置されていることで、圧縮機1の重量によって柱部75に引き抜くような力(引抜力)が生じても、この引抜力に抗して第二支持部7を安定した状態を維持させることができる。したがって、高い位置に配置された圧縮機1を安定して支持することができる。
【0056】
また、第二支持部7と同様にラーメン構造を有する第三支持部8に第三冷却部43及び第四冷却部44が固定されている。そして、第三支持部8は、第二支持部7に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。また、第三支持部8は、第三冷却部43及び第四冷却部44が固定された状態で、運搬可能な第三ユニットCを構成している。したがって、第三支持部8を運搬するだけで、固定されて位置が定まった状態の第三冷却部43及び第四冷却部44を指定の設置位置に配置できる。そのため、第三冷却部43及び第四冷却部44の設置作業の短縮化を図ることができる。つまり、第一ユニットA及び第二ユニットBだけでなく、第三ユニットCも用いることで、より多くの冷却部4の設置作業が短縮化され、圧縮機モジュール100としての据え付け作業の短縮化をより図ることができる。
【0057】
また、第二支持部7の内部に配置された第一冷却部41及び第二冷却部42と、第三支持部8の内部に配置された第三冷却部43及び第四冷却部44とが、軸方向Daに移動させることで内部部品である熱交換部がシェル40に対して着脱可能なバンドル構造とされている。そのため、第二上枠体7aが冷却部4の上方に配置されていても、冷却部4のメンテナンス性が損なわれることがない。
【0058】
また、第四支持部9に第五冷却部45及び第六冷却部46が固定されている。そして、第四支持部9は、第一支持部6に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。また、第四支持部9は、第五冷却部45及び第六冷却部46が固定された状態で、運搬可能な第四ユニットDを構成している。したがって、第四支持部9を運搬するだけで、固定されて位置が定まった状態の第五冷却部45及び第六冷却部46を指定の設置位置に配置できる。そのため、第五冷却部45及び第六冷却部46の設置作業の短縮化を図ることができる。つまり、第一ユニットAから第三ユニットCだけでなく、第四ユニットDも用いることで、より一層多くの冷却部4の設置作業が短縮化され、圧縮機モジュール100としての据え付け作業の短縮化をより図ることができる。
【0059】
また、第四支持部9は、第二支持部7や第三支持部8に対して幅方向Dwに並んだ位置ではなく、第三支持部8に対して鉛直方向Dvの上方であって、第一支持部6に対して幅方向Dwに隣接して配置されている。そのため、第五冷却部45及び第六冷却部46と圧縮機1との位置を近づけることができる。したがって、第五冷却部45及び第六冷却部46と圧縮機1とを繋ぐ伸縮継手49等の接続配管を短くすることができる。
【0060】
また、回転駆動機2は、第一支持部6や第二支持部7とは異なり、基礎200に対してコンクリート製の土台である駆動支持部25で支持されている。圧縮機1を駆動可能させる回転駆動機2は、圧縮機1に比べて重量が大きく、運転時の振動も大きくなりやすい。このような回転駆動機2が、第一支持部6及び第二支持部7に対して、独立した位置で基礎200上に駆動支持部25が固定されている。そのため、回転駆動機2の重量や振動による悪影響を第一支持部6や第二支持部7が受けることが抑えられる。
【0061】
また、オイルコンソール装置は、圧縮機1及び回転駆動機2に対して鉛直方向Dvの下方に配置されている。そのため、圧縮機1及び回転駆動機2で使用された潤滑油を回収するための勾配を確保しやすくなっている。さらに、オイルコンソール装置は、第一支持部6、第二支持部7、第三支持部8、第四支持部9、及び駆動支持部25とは独立して、基礎200に直接固定されている。したがって、オイルコンソール装置に対して鉛直方向Dvの上方には、何も配置されていない状態となっている。したがって、複数の機器を有するオイルコンソール機器5への鉛直方向Dvの上方からのメンテナンス時のアクセス性を確保することができる。また、複数の機器を有するオイルコンソール機器5は、設置スペースを広く確保することが要求される場合がある。このような場合であっても、基礎200に直接固定されていることで、設置スペースを確保しやすくなる。
【0062】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0063】
なお、圧縮機1は、ギアド圧縮機に限定されるものではなく、多段遠心圧縮機のように他のタイプの圧縮機1であってもよい。
【0064】
また、回転駆動機2は、電動モータであることに限定されるものではなく、圧縮機1を駆動させることができればよい。したがって、回転駆動機2は蒸気タービンやガスタービンであってもよい。
【0065】
また、本実施形態の圧縮機モジュール100の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、圧縮機モジュール100は、第四ユニットDや第三ユニットCを有しておらず、第一ユニットA及び第二ユニットBのみを有する構造であってもよい。
【0066】
また、第一支持部6上には、圧縮機1及びガス供給機器3のみが固定されていることに限定されるものではない。例えば、第一支持部6上には、他の冷却部4が固定されていてもよい。また、第二支持部7には、第一冷却部41及び第二冷却部42のみが固定されていることに限定されるものではない。第二支持部7には、他の冷却部4を含め三つ以上の冷却部4が固定されていてもよい。同様に、第三支持部8には、第三冷却部43及び第四冷却部44のみが固定されていることに限定されるものではない。第三支持部8には、他の冷却部4を含め三つ以上の冷却部4が固定されていてもよい。
【0067】
また、第一支持部6、第二支持部7、第三支持部8、及び第四支持部9の構造は上述した構造に限定されるものではない。さらに、第一支持部6、第二支持部7、第三支持部8、及び第四支持部9は、それぞれ別の構造であってもよい。
【0068】
<付記>
実施形態に記載の圧縮機モジュール100は、例えば以下のように把握される。
【0069】
(1)第1の態様に係る圧縮機モジュール100は、軸線O回りに回転する回転軸1aを有し、段階的に流体を圧縮可能な圧縮機1と、前記圧縮機1に対してシールガスを供給するガス供給機器3と、前記圧縮機1で圧縮された流体を冷却する複数の冷却部4と、前記圧縮機1及び前記ガス供給機器3を鉛直方向Dvの下方から支持する第一支持部6と、前記第一支持部6に対して前記鉛直方向Dvの真下に固定され、少なくとも二つの冷却部4を前記鉛直方向Dvの下方から支持する第二支持部7と、を備え、前記第二支持部7は、前記鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成され、前記第一支持部6は、配管31によって接続された前記圧縮機1と前記ガス供給機器3が固定された状態で、運搬可能とされ、前記第二支持部7は、少なくとも二つの前記冷却部4が固定された状態で、運搬可能とされている。
【0070】
これにより、第二支持部7を運搬するだけで、固定されて位置が定まった状態の少なくとも二つの冷却部4を指定の設置位置に配置できる。そのため、冷却部4の設置作業の短縮化を図ることができる。同様に、第一支持部6を運搬して第二支持部7上に固定するだけで、固定されて位置が定まった状態の圧縮機1及びガス供給機器3を圧縮機モジュール100の設置位置に配置できる。特に、圧縮機1及びガス供給機器3は、配管31が既に接続された状態となっている。そのため、圧縮機1及びガス供給機器3を配置後に、圧縮機1及びガス供給機器3の間の配管31を別途繋ぐ作業が不要になる。したがって、圧縮機1及びガス供給機器3の設置作業の短縮化を図ることができる。これらによって、圧縮機モジュール100としての据え付け作業の短縮化を図ることができる。
【0071】
(2)第2の態様に係る圧縮機モジュール100は、(1)の圧縮機モジュール100であって、前記圧縮機1は、前記流体を圧縮する第一圧縮部11と、前記第一圧縮部11で圧縮された前記流体を圧縮する第二圧縮部12と、を少なくとも有し、複数の前記冷却部4は、前記第一圧縮部11で圧縮された前記流体を冷却し、前記第二圧縮部12に供給可能な第一冷却部41と、前記第二圧縮部12で圧縮された前記流体を冷却し、前記第三圧縮部13に供給可能な第二冷却部42と、を少なくとも有し、前記第一冷却部41は、複の前記冷却部4の中で最も容積が大きく、前記第二支持部7は、前記第一冷却部41及び前記第二冷却部42が固定された状態で、運搬可能とされている。
【0072】
これにより、複数の冷却部4の中で重量の大きな冷却部4が圧縮機1に対して鉛直方向Dvの下方に配置されることとなる。したがって、高い位置に圧縮機1が配置されていても、重量物である第一冷却部41及び第二冷却部42によって、圧縮機1を安定して支持することができる。
【0073】
(3)第3の態様に係る圧縮機モジュール100は、(2)の圧縮機モジュール100であって、前記第一冷却部41及び前記第二冷却部42と前記圧縮機1とはそれぞれ伸縮継手49によって接続されている。
【0074】
これにより、第一支持部6と第二支持部7とを固定した際に、第一冷却部41や第二冷却部42と圧縮機1との位置がずれてしまっても、伸縮継手49によって、圧縮部10と冷却部4との据え付け誤差を吸収することができる。
【0075】
(4)第4の態様に係る圧縮機モジュール100は、(2)から(4)のいずれか一つの圧縮機モジュール100であって、前記第二支持部7は、前記水平方向における前記第一冷却部41と前記第二冷却部42との間であって、前記軸線Oの延びる方向から見た際に、前記圧縮機1と重なる位置に少なくとも一つの柱部75を有する。
【0076】
これにより、圧縮機1を少なくとも一つの柱部75によって鉛直方向Dvの下方から支持することができる。その結果、水平方向に延びる梁部材だけで圧縮機1を支持する場合に比べて、圧縮機1に対する鉛直方向Dvの支持剛性を高めることができる。
【0077】
(5)第5の態様に係る圧縮機モジュール100は、(2)から(5)のいずれか一つの圧縮機モジュール100であって、前記第二支持部7と異なる少なくとも二つの前記冷却部4を前記鉛直方向Dvの下方から支持する第三支持部8と、を備え、前記圧縮機1は、前記第二圧縮部12で圧縮された前記流体を圧縮する第三圧縮部13と、前記第三圧縮部13で圧縮された前記流体を圧縮する第四圧縮部14とをさらに有し、複数の前記冷却部4は、前記第三圧縮部13で圧縮された前記流体を冷却し、前記第四圧縮部14に供給可能な第三冷却部43と、前記第四圧縮部14で圧縮された前記流体を冷却可能な第四冷却部44とをさらに有し、前記第三支持部8は、前記鉛直方向Dvに延びる複数の柱部75と水平方向に延びる複数の梁部によって、直方状に形成され、前記第三支持部8は、前記第二支持部7に対して前記水平方向に隣接して配置され、前記第三冷却部43及び前記第四冷却部44が固定された状態で、運搬可能とされている。
【0078】
これにより、第三支持部8を運搬するだけで、固定されて位置が定まった状態の第三冷却部43及び第四冷却部44を指定の設置位置に配置できる。そのため、第三冷却部43及び第四冷却部44の設置作業の短縮化を図ることができる。つまり、より多くの冷却部4の設置作業が短縮化され、圧縮機モジュール100としての据え付け作業の短縮化をより図ることができる。
【0079】
(6)第6の態様に係る圧縮機モジュール100は、(2)から(5)の何れか一つの圧縮機モジュール100であって、前記第二支持部7及び前記第三支持部8と異なる少なくとも二つの前記冷却部4を前記鉛直方向Dvの下方から支持する第四支持部9と、を備え、前記圧縮機1は、前記第四圧縮部14で圧縮された前記流体を圧縮する第五圧縮部15と、前記第五圧縮部15で圧縮された前記流体を圧縮する第六圧縮部16とをさらに有し、複数の前記冷却部4は、前記第五圧縮部15で圧縮された前記流体を冷却し、前記第六圧縮部16に供給可能な第五冷却部45と、前記第六圧縮部16で圧縮された前記流体を冷却可能な第六冷却部46とをさらに有し、前記第四支持部9は、前記第三支持部8に対して前記鉛直方向Dvの上方であって前記第一支持部6に対して前記水平方向に隣接して配置され、前記第五冷却部45及び前記第六冷却部46が固定された状態で、運搬可能とされている。
【0080】
これにより、第四支持部9を運搬するだけで、固定されて位置が定まった状態の第五冷却部45及び第六冷却部46を指定の設置位置に配置できる。そのため、第五冷却部45及び第六冷却部46の設置作業の短縮化を図ることができる。つまり、より一層多くの冷却部4の設置作業が短縮化され、圧縮機モジュール100としての据え付け作業の短縮化をより図ることができる。
【0081】
(7)第7の態様に係る圧縮機モジュール100は、(1)から(6)の何れか一つの圧縮機モジュール100であって、前記軸線O回りに回転駆動される出力軸2aを有し、前記出力軸2aの回転が伝達して前記圧縮機1を駆動可能な回転駆動機2をさらに備え、前記回転駆動機2は、前記鉛直方向Dvから見た際に、前記第一支持部6及び前記第二支持部7と重ならない位置であって、前記圧縮機1に対して前記軸線Oの延びる軸方向Daに並んで配置されている。
【0082】
これにより、回転駆動機2が、第一支持部6及び第二支持部7に対して、独立した位置で駆動支持部25が固定されている。そのため、回転駆動機2の重量や振動による悪影響を第一支持部6や第二支持部7が受けることが抑えられる。
【符号の説明】
【0083】
100…圧縮機モジュール
1…圧縮機
1a…回転軸
O…軸線
10…圧縮部
11…第一圧縮部
12…第二圧縮部
13…第三圧縮部
14…第四圧縮部
15…第五圧縮部
16…第六圧縮部
17…第七圧縮部
18…第八圧縮部
1b…ギアケーシング
2…回転駆動機
2a…出力軸
3…ガス供給機器
31…配管
4…冷却部
40…シェル
41…第一冷却部
42…第二冷却部
43…第三冷却部
44…第四冷却部
45…第五冷却部
46…第六冷却部
49…伸縮継手
5…オイルコンソール機器
6…第一支持部
61…第一縦梁部
62…第一横梁部
65…台板本体
6a…第一枠体
7…第二支持部
71…第二上縦梁部
72…第二上横梁部
73…第二下縦梁部
74…第二下横梁部
75…柱部
7a…第二上枠体
7b…第二下枠体
8…第三支持部
9…第四支持部
A…第一ユニット
B…第二ユニット
C…第三ユニット
D…第四ユニット
25…駆動支持部
200…基礎
Da…軸方向
Dw…幅方向
Dv…鉛直方向