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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065448
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
H04N1/00 L
H04N1/00 567M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174310
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森山 正
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB32
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC11
5C062AC22
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
(57)【要約】
【課題】保存部のサイズが読取設定における最大サイズの搬送媒体1枚の画像データより小さい場合でも、原稿の画像データを読取っている途中での間欠動作の発生を低減する。
【解決手段】原稿Sを搬送する搬送部102と、原稿Sの画像を読み取る画像読取部103と、画像読取部103により読み取られた画像を保存する保存部104と、保存部104の使用容量を監視し、使用容量が第一閾値以上になると搬送部102による原稿の搬送を中断させ、使用容量が第二閾値以下になると搬送部102による原稿の搬送を再開させる監視部107とを有し、第一閾値または第二閾値は、画像読取部103による画像読取り中の区間と、画像読取部103により画像読み取りしていない区間とで異なることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する搬送部と、
前記原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた画像を保存する保存部と、
前記保存部の使用容量を監視し、前記使用容量が第一閾値以上になると前記搬送部による原稿の搬送を中断させ、前記使用容量が第二閾値以下になると前記搬送部による原稿の搬送を再開させる監視部と
を有し、
前記第一閾値または前記第二閾値は、前記画像読取部による画像読取り中の区間と、前記画像読取部により画像読み取りしていない区間とで異なることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記保存部に格納できる画像データの最大サイズが、前記画像読取部における読取設定で設定可能な最大サイズの原稿一枚分の画像データより少ないことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記画像読取り中の区間における前記第二閾値が、前記画像読み取りしていない区間にける前記第一閾値より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記画像読み取りしていない区間における、前記第一閾値と前記第二閾値とが単一の閾値であることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
第一の原稿の画像を読取る際の、画像読取り開始時の前記保存部の使用容量と、画像読取り終了時の前記保存部の使用容量と、原稿の読取り中に前記保存部の使用容量が第一閾値以上となり搬送を中断した回数とに基づいて、前記第一の原稿の読取りが終了した次の前記画像読み取りしていない区間における前記第二閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スキャナや複写機、ファクシミリ装置等の画像読取装置は、自動紙送り機構(ADF:Auto Document Feeder)を備えたものが広く流通している。これらの画像読取装置は、原稿束(バッチ)から原稿を1枚ずつ順番に画像読取装置内に搬送し、各原稿の電子データを連続して出力する機能を有している。
【0003】
また、近年では無線ネットワークやモバイル機器の浸透により、画像読取装置がホストデバイスへ画像データを出力する際の速度が安定しないことが多々ある。この場合、画像読取装置に画像データが蓄積され、画像読取装置内のメモリがフル状態となり、原稿の読取りを一時的に停止させる必要が出てくる。しかし、原稿の画像データを読取っている途中で原稿の搬送、及び読取りを中断する場合、読取を中断した箇所で色ずれや伸び等、画像データに異常をきたす可能性がある。
【0004】
これらを背景に、特許文献1のように原稿の読取途中でスキャナや複写機の内のメモリがフル状態となった場合の画像読取の一時停止制御に関する技術が提案されている。特許文献1では、紙間で次の用紙1枚の画像データが保存できる空き容量が確保できるまで間欠動作する機能について記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-052352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の画像読取装置では、メモリのサイズが読取設定における最大サイズの搬送媒体1枚の画像データが収まるサイズであることを前提としている。
【0007】
本発明は、メモリのサイズが読取設定における最大サイズの搬送媒体1枚の画像データが収まるサイズより小さい場合でも、原稿の画像データを読取っている途中での間欠動作の発生を軽減できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取装置は、
原稿を搬送する搬送部と、
前記原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた画像を保存する保存部と、
前記保存部の使用容量を監視し、前記使用容量が第一閾値以上になると前記搬送部による原稿の搬送を中断させ、前記使用容量が第二閾値以下になると前記搬送部による原稿の搬送を再開させる監視部と
を有し、
前記第一閾値または前記第二閾値は、前記画像読取部による画像読取り中の区間と、前記画像読取部により画像読み取りしていない区間とで異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿一枚の画像読取り中での間欠動作の発生頻度を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成図
図2】画像読取装置の断面図
図3】従来技術の画像読取装置100の間欠動作を説明する図
図4】本発明の第1実施形態に係る画像読取装置100の間欠動作を説明する図
図5】本発明の第2実施形態に係る紙間間欠動作閾値を説明する図(1)
図6】本発明の第2実施形態に係る紙間間欠動作閾値を説明する図(2)
図7】本発明の第2実施形態に係る紙間間欠動作閾値を説明する図(3)
図8】本発明の第2実施形態に係る画像読取装置100の間欠動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<<第1実施形態>>
<画像読取装置の概略に関する説明>
図1は本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成図である。図1を用いて、本実施形態に係る画像読取装置100の主要なハードウェア構成の例を示す。今後の説明において同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。なお、図1に示す構成は一例であり、他の部位を含んでいてもよい。
【0012】
CPU101は、保存部104に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて、画像読取装置100を構成する各部位の動作の全体制御を行う。
【0013】
搬送部102は図2にて後述する方法を用いて搬送媒体である原稿を画像読取装置100内に搬送し、筐体外へと排紙する手段である。
【0014】
画像読取部103は、搬送部102により搬送された原稿の画像を図2にて後述する方法で取得する。
【0015】
保存部104は、CPU101が各種処理を実行する際に用いるワークエリアや、画像読取部により読み取られた画像等を一時的に記憶するための記憶領域として機能する。保存部104は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM( Read Only Memory) 等の記憶媒体から構成される。保存部104は必ずしも、全領域が筐体内に設置される必要はない。例えば保存領域の一部として画像読取装置100に接続された外部機器(USB Memory等)の記憶媒体領域を利用し、画像の保存等を行っても良い。
【0016】
検知部105は図2にて後述する方法で、搬送部102により筐体内に搬送されてきた原稿の位置を検知する。
【0017】
インターフェイス部106は、外部装置との情報通信を行うインターフェイスである。外部装置としてPC(Personal Computer)を想定した場合、インターフェイス部106は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスやSCSI(Small Computer System Interface)等を挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェイスの他、インターフェイス部106は無線通信のインターフェイスを採用する構成を取っても良く、有線通信、無線通信の双方のインターフェイスを備えていてもよい。
【0018】
監視部107は保存部104の空き容量を監視し、それに基づきCPU101から搬送部102に搬送停止、搬送再開を指示して間欠動作を行う。
【0019】
<搬送部及び画像読取部の説明>
図2を用いて、本実施形態に係る画像読取装置の搬送部及び画像読取部を説明する。
【0020】
画像読取装置100は、載置台1に積載された一又は複数の搬送媒体Sを1つずつ装置内の経路RTに搬送してその画像を読取り、排出トレイ2に排出する装置である。読み取る搬送媒体Sは、例えば、OA紙、小切手、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。また、搬送媒体Sにはパスポートなどの冊子も含まれる。
【0021】
次に搬送部102について説明する。画像読取装置100には経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構としての第一搬送部10が設けられている。第一搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部4を介して駆動力が伝達され、図中反時計回り(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる方向)に回転駆動される。伝達部4は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0022】
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部4は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sの逆送の場合に駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部4により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部4は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0023】
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11と同じ、図中反時計回り方向)に回転駆動される。
【0024】
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0025】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離機能を持たせるようにしてもよい。
【0026】
第一搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構としての第二搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第一搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部3から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0027】
このような第二搬送部20よりも搬送方向下流側にある第三搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第二搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第三搬送部30は排出機構として機能する。駆動ローラ31にはモータ等の駆動部3から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れまわる。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニットによって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。搬送部102は、以上のように給送部である第一搬送部10、第二搬送部20、第三搬送部30によって構成されているが、これに限られない。
【0028】
第一搬送部10と第二搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、第一搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
なお、本実施形態では、重送検出センサ40を省略しても構わない。
【0029】
次に、検知部105として媒体検出センサ50の説明を行う。重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第二搬送部20よりも上流側で、第一搬送部10よりも下流側に配置された上流側の検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第一搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達 又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0030】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出されると、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサや超音波センサでもよい。
【0031】
検知部105として、媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60について説明する。媒体検出センサ60は画像読取ユニット70a及び70bよりも上流側で、第二搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第二搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第二搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50、60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
【0032】
次に画像読取部として画像読取ユニット70a及び70bの説明を行う。媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70a及び70bは、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像として読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット70a及び70bは経路RTを挟んで両側に配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。しかし、経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成として
もよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70a及び70bについて、経路RTを挟んで両側に対向配置した構造としているが、例えば経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0033】
画像読取装置100の基本的な動作について説明する。制御部8は、画像読取の開始指示を受信すると、駆動部3により第一搬送部10、第二搬送部20、第三搬送部30の駆動を開始する。載置台1に積載された搬送媒体Sはその最も下(載置台1側)に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送される。
【0034】
制御部8は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第二搬送部20により搬送されてきた搬送媒体Sの、画像読取ユニット70a及び70bによる画像読取を開始し、読み取った画像を保存部104に記憶して、その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信する。画像読取が終了した搬送媒体Sは第三搬送部30により排出トレイ2に排出される。
【0035】
上記方法で、画像読取装置100は搬送媒体Sを搬送する搬送部102と搬送媒体Sの 画像読取を行う画像読取部103を構成する。
【0036】
<メモリフル状態及びメモリフル状態解除の判定と間欠動作についての説明>
以下、本実施形態におけるメモリフル状態の判定方法及びメモリフル状態解除の判定方
法と、原稿束の画像読取の一時停止処理(以降、間欠動作)について説明する。
【0037】
搬送媒体Sは、図2にて説明した方法により1枚毎に分離され搬送路RT内に矢印の方向で給紙される。この際、給紙された搬送媒体Sのn枚目の搬送媒体をS、n+1枚目の搬送媒体をSn+1とする。
【0038】
図3図4は搬送媒体S(例として3枚の搬送媒体S、S、S)を読み取る際の、保存部104のメモリ使用量と、画像読取部103の動作と、搬送部102の動作を模式的に表したタイムチャートである。図3は従来技術の動作の図で、図4は本発明第1実施形態の動作の図である。
【0039】
図3図4において、空き領域M1は保存部104のメモリの空き領域を表し、色付きの使用領域M2は保存部104のメモリにおける使用領域を表す。また、このメモリの使用領域についての2種類の閾値を有しており、図3では第一閾値Hと第二閾値L。図4では、第一閾値H又はIH、 第二閾値L又はILである。
【0040】
まず、図3を用いて従来技術の動作を説明する。
【0041】
画像読取の開始指示の受信で搬送部102は搬送媒体Sの給紙動作を開始し、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T001)、読取った画像データを保存部104に格納していく。
【0042】
監視部107が保存部104の使用領域が第一閾値H以上になったことを検出したら、メモリフル状態と判定し、 搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T002)。
【0043】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで保存部104の空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出するとメモリフル状態解除と判定し、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T003)。
【0044】
その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T004)。
【0045】
続いて、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T005)、画像データを保存部104に格納するが、読取開始時点で保存部104に搬送媒体Sの画像データが残っているため、搬送媒体Sの読取りに比べて、早いタイミングで監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上となったことを検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T006)。
【0046】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出するとメモリフル状態解除と判定し、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T007)。
【0047】
初回の間欠動作が早いタイミングで発生したため、搬送媒体Sの画像読取完了前に、再度、監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出してしまい、メモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T008)。
【0048】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出するとメモリフル状態解除と判定し、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T009)。
【0049】
その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T010)。
【0050】
以後、搬送媒体Sの読取についても、搬送媒体Sと同じ理由で搬送媒体Sより間欠動作の発生回数が多くなる。画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取って搬送媒体Sの画像読取を終了した後、搬送媒体Sが排紙されるまで搬送したら、搬送部102が搬送を停止する。インターフェイス部106により搬送媒体Sの画像データが保存部104メモリから全て読み出されたら画像読取の動作を終了する。
【0051】
次に、図4を用いて本発明の第1実施形態の動作を説明する。
【0052】
画像読取の開始指示の受信で搬送部102は搬送媒体Sの給紙動作を開始し、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T101)、読取った画像データを保存部104に格納する。搬送媒体Sの読取開始を契機に監視部107が読取中の閾値として第一閾値H、第二閾値Lを使用するように設定する。なお、少なくとも本実施形態においては、保存部104の保存可能な容量(サイズ)が、画像読取部103での読取設定における設定可能な最大サイズの搬送媒体S一枚分の画像データが収まるサイズより小さい。
【0053】
監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出したらメモリフル状態と判定し、 搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T102)。
【0054】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出したらメモリフル状態解除と判定し、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T103)。
【0055】
その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T104)。
【0056】
搬送媒体Sの読取終了を契機に、監視部107が媒体間用の閾値として第一閾値IH、第二閾値ILを使用するように設定する。本実施形態では各閾値の大小関係をIL<IH<L<Hとしており、搬送媒体Sの読取が終了したT104の時点(媒体間用の閾値が設定された時点)で保存部104の使用容量が第一閾値IH以上になったことを検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示する。
【0057】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値IL以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示する(T105)。
【0058】
続いて媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T106)、画像データを保存部に格納する。搬送媒体Sの画像読取開始を契機に、監視部107が読取中の閾値として第一閾値H、第二閾値Lを使用するように変更する。監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出したらメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T107)。
【0059】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T108)。その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T109)。
【0060】
搬送媒体Sの読取終了を契機に、監視部107が媒体間用の閾値として第一閾値IH、第二閾値ILを使用するように設定する。この時点で保存部104の使用容量が第一閾値IH以下になったことを検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示する。
【0061】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値IL以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示する(T110)。
【0062】
続いて媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T111)、画像データを保存部104に格納する。搬送媒体Sの画像読取開始を契機に、監視部107が読取中の閾値として第一閾値H、第二閾値Lを使用するように設定する。
【0063】
監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出するとメモリフル状態と判定し、 搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T112)。
【0064】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以上になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T113)。その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T114)。
【0065】
搬送媒体Sの読取終了を契機に、監視部107が媒体間用の閾値として第一閾値IH、第二閾値ILを使用するように設定する。この時点で保存部104の使用容量が第一閾値IH以上になったことを検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示する。
【0066】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値IL以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示する(T115)。
【0067】
その後、搬送媒体Sが排紙されるまで搬送したら、搬送部102が搬送を停止する(T116)。インターフェイス部106により搬送媒体Sの画像データが保存部104のメモリから全て読み出されたら画像読取の動作を終了する。
【0068】
本実施形態では、CPU101がタイマ割込みを契機に保存部104のメモリの状態を確認することで、監視部107の機能を実現しているが、他の割込みなど定常的に発生するタイミングを使用してもよい。
【0069】
以上のように、本発明実施の動作によれば、搬送媒体Sの画像読取終了から搬送媒体Sn+1の画像読取開始の間の画像読取していない区間で、第一閾値の値を画像読取り中の閾値Hより空き容量が多い媒体間用の閾値IHに設定することで間欠動作を誘発し、第二閾値の値を画像読取り中の閾値Lより空き容量が多い媒体間用の閾値ILに設定することで搬送媒体Sn+1の画像読取開始時点の保存部104の空き容量を増やすことにより、搬送媒体Sn+1の画像読取中の間欠動作の発生頻度が軽減できる。
【0070】
本実施形態では、画像読取していない区間で第一閾値、第二閾値を設けて搬送停止と搬送再開を判断しているが、単一の閾値で搬送停止と搬送再開を判断しても構わない。また、その単一の閾値を保存部104の容量最大値として、インターフェイス部106により搬送媒体Sの画像データが保存部104のメモリから全て読み出されたら搬送再開するとしても構わない。
【0071】
<<第2実施形態>>
次に本発明の第2実施形態の動作を説明する。
【0072】
第2実施形態では、搬送媒体Sの画像を読み取る際に、画像読取部103が読取った画像データを保存部104に格納する速度が、インターフェイス部106を介し外部へ画像を送信する速度を上回ることで生じる保存部104のメモリ使用量の増加分Δnと、 搬送媒体S読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSと、搬送媒体S読取り終了時の保存部104のメモリ使用量MEと、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数Iから算出した、搬送媒体SとSn+1の紙間での画像読取していない区間の単一の間欠動作閾値ITを用いて間欠動作を行う。これによって、搬送媒体Sn+1の読取り開始時のメモリ使用量MSn+1を搬送媒体Sn+1の画像読取中の間欠動作回数を最小に出来る値のうち最大の値とすることで、間欠動作回数を最小にしつつ、搬送媒体SとSn+1の紙間での間欠動作時間を最小にする。
【0073】
間欠動作閾値ITの算出にあたり、画像を読み取る際に画像読取部103が読取った画像データを保存部104に格納する速度は搬送媒体SとSn+1で同一であると仮定し、インターフェイス部106を介し外部へ画像を送信する速度も、搬送媒体SとSn+1で同一であると仮定して計算を行う。
【0074】
搬送媒体Sの読み取り時の保存部104のメモリ使用量の増加分Δnは、搬送媒体Sの読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSと搬送媒体Sの読取り終了時の保存部104のメモリ使用量MEと、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数Iと画像読取り中の間欠動作の第一閾値H、第二閾値Lを用いて、下記の式で求められる。ここで、メモリ使用量の増加分Δnとは、搬送媒体Sの読み取り開始時から読取り終了時までの間にメモリに書きこまれたデータ量の合計とインターフェイス部106を介し外部へ送信したデータ量の合計との差を意味しており、単なる読み取り前後のメモリの使用量変化に加えて、間欠動作によって減少した分の使用量も含んでいる。
Δn=ME-MS+(I×(H-L))
【0075】
図5に示すように、搬送媒体Sの読取り終了時に、H>Δnかつ、ME+Δn<Hの場合は、搬送媒体Sn+1の読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1が搬送媒体Sの読取り終了時の保存部104のメモリ使用量MEと等しいと仮定しても、MSn+1+Δn<Hとなり、搬送媒体Sn+1の画像読取で保存部104のメモリ使用量がΔn増加しても第一閾値Hを超えないため、間欠動作が行われる事はないと判断し、搬送媒体SとSn+1の紙間での間欠動作を行わない。
【0076】
一方、図6に示すように、搬送媒体Sの読取り終了時に、H>Δnかつ、H≦ME+Δの場合は、搬送媒体Sn+1の読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1が搬送媒体Sの読取り終了時の保存部104のメモリ使用量MEと等しいと仮定すると、H≦MSn+1+Δnとなり、搬送媒体Sn+1の画像読取で保存部104のメモリ使用量がΔn増加した場合に、メモリ使用量が第一閾値Hを超えて間欠動作が行われると判断し、下記の式で求めた間欠動作閾値ITn1を用いて搬送媒体SとSn+1の紙間での間欠動作を行う。
ITn1=H-Δn
【0077】
搬送媒体Sn+1の読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1がこのITn1と等しい場合、搬送媒体Sn+1の画像読取で保存部104のメモリ使用量がΔn増加した時に、搬送媒体Sn+1の画像読取り終了時のメモリ使用量MEn+1が画像読取り中の間欠動作の第一閾値Hに到達して間欠動作が発生することになるが、これは最悪条件の場合であるため、実際には、搬送媒体Sの画像読取終了から搬送媒体Sn+1を画像読取開始する位置に搬送するまでの間もインターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信するため、搬送媒体Sn+1読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1はITn1より減少し、メモリ使用量がΔn増加しても間欠動作の第一閾値Hに到達せず、間欠動作が行われない。また、インターフェイス部106を介し外部へ画像を送信する速度の変動等を考慮して、間欠動作閾値ITn1を一定のマージン分減算してもかまわない。
【0078】
次に、図7に示すように、搬送媒体Sの読取り終了時に、H≦Δnの場合は、搬送媒体Sn+1の画像読取で保存部104のメモリ使用量がΔn増加すると、搬送媒体Sn+1読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1が0であったとしても第一閾値Hを超えることになり、途中で間欠動作が行われる。そこで、搬送媒体Sn+1の画像読取中の間欠動作回数を最小にするため、下記の手順で間欠動作閾値ITn2を求め、それを用いて搬送媒体SとSn+1の紙間での間欠動作を行う。
【0079】
まず、搬送媒体Sn+1で発生する間欠回数In+1の最小値を求める。画像読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1が0の場合が最も間欠回数が少なくなるため、MSn+1=0として間欠回数In+1の最小値Min(In+1)は下記の式で算出できる。
Min(In+1)=(Δn-L)/(H-L)
【0080】
また、Min(In+1)での搬送媒体Sn+1の画像読取り終了時のメモリ使用量MEn+1は下記の式で表される。
MEn+1=(Δn-Min(In+1)×(H-L))+MSn+1=L+MSn+1
【0081】
つまり、Min(In+1)でのMEn+1の値はMSn+1の値により増減し、MEn+1が間欠動作の第一閾値Hに到達すると間欠回数が最小でなくなるため、下記の式で求めた間欠動作閾値ITn2により搬送媒体SとSn+1の紙間での間欠動作を行う事で、MEn+1が間欠動作の第一閾値Hに到達しないようにする。
ITn2=H-(Δn-Min(In+1)×(H-L))
【0082】
搬送媒体Sn+1の読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1がこのITn2と等しい場合、MEn+1が間欠動作の第一閾値Hに到達して間欠動作が発生することになるが、前述した通り、搬送媒体Sn+1の読取り開始時の保存部104のメモリ使用量MSn+1はITn2より減少し、メモリ使用量がΔn増加してもMEn+1は間欠動作の第一閾値Hに到達せず、間欠動作が行われない。また、インターフェイス部106を介し外部へ画像を送信する速度の変動等を考慮して、間欠動作閾値ITn2を一定のマージン分減算してもかまわない。
【0083】
図8を用いて本発明第2実施形態の画像読取動作を説明する。図8は本発明第2実施形態において、搬送媒体S(例として3枚の搬送媒体S、S、S)を読み取る際の、保存部104のメモリ使用量と、画像読取部の動作と、搬送部の動作を模式的に表したタイムチャートである。
【0084】
画像読取の開始指示の受信で搬送部102は搬送媒体Sの給紙動作を開始し、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T201)、読取った画像データを保存部に格納していく。
【0085】
搬送媒体Sの読取開始を契機に、監視部107が、搬送媒体Sの読取り開始時のメモリ使用量(MS)を記憶し、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数(I)を0にすると共に、第一閾値、第二閾値の値をH、Lに設定する。
【0086】
監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出したらメモリフル状態と判定し、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数(I)をカウントアップすると共に、搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T202)。
【0087】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出したらメモリフル状態解除と判定し、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T203)。その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T204)。
【0088】
搬送媒体Sの読取終了を契機に、監視部107が、搬送媒体S読取り終了時のメモリ使用量MEを記憶した後、紙間の画像読取していない区間で間欠動作の閾値を変更する必要性と、必要な場合の閾値を算出する。
【0089】
まず、前述した式を用いて、搬送媒体S読み取り時の保存部104のメモリ使用量の増加分Δ1を算出する。H>Δ1かつ、H>ME+Δ1の場合は、搬送媒体SとSの紙間での間欠動作は不要と判断し、第一閾値、第二閾値の値をH、Lのままとする。
【0090】
それ以外の場合は、搬送媒体SとSの紙間での間欠動作が必要と判断し、搬送媒体SとSの紙間での画像読取していない区間の単一の間欠動作閾値ITを前述の式に基づき算出し、閾値に設定する。保存部104の空き容量がIT以下になったことを検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示する。その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量がH-IT以下になった事を検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示する(T205)。
【0091】
続いて媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T206)、画像データを保存部に格納する。搬送媒体Sの画像読取開始を契機に監視部107が搬送媒体S読取り開始時のメモリ使用量MSを記憶し、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数Iを0に設定すると共に、第一閾値、第二閾値の値をH、Lに設定する。
【0092】
監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出したらメモリフル状態と判定し、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数Iをカウントアップすると共に、搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T207)。
【0093】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103が読取を再開する(T208)。その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T209)。
【0094】
搬送媒体Sの読取終了を契機に監視部107が、搬送媒体S読取り終了時のメモリ使用量MEを記憶した後、紙間の画像読取していない区間で間欠動作の閾値を変更する必要性と、必要な場合の閾値を算出する。
【0095】
まず、前述した式を用いて、搬送媒体S読み取り時の保存部104のメモリ使用量の増加分Δ2を算出する。H>Δ2かつ、H>(ME+Δ2)の場合は、搬送媒体SとSの紙間での間欠動作は不要と判断し、第一閾値、第二閾値の値をH、Lのままとする。
【0096】
それ以外の場合は、搬送媒体SとSの紙間での間欠動作が必要と判断し、搬送媒体SとSの紙間での画像読取していない区間の単一の間欠動作閾値ITを前述の式に基づき算出し、閾値に設定する。保存部104の空き容量がIT以下になった事を検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示する。その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量がH-IT以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示する(T205)。
【0097】
続いて媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、画像読取部103が搬送媒体Sの画像読取を開始し(T211)、画像データを保存部に格納する。搬送媒体Sの画像読取開始を契機に監視部107が搬送媒体S読取り開始時のメモリ使用量MSを記憶し、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数Iを0に設定すると共に、第一閾値、第二閾値の値をH、Lに設定する。
【0098】
監視部107が保存部104の使用容量が第一閾値H以上になったことを検出したらメモリフル状態と判定し、搬送媒体S読取り中の間欠動作発生回数Iをカウントアップすると共に、搬送部102に搬送停止を指示し、搬送停止に伴い画像読取部103が読取を中断する(T212)。
【0099】
その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量が第二閾値L以下になったことを検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示し、搬送再開に伴い画像読取部103に読取を再開する(T213)。その後、画像読取部103が搬送媒体Sの全領域を読み取ったら搬送媒体Sの画像読取を終了する(T214)
【0100】
搬送媒体Sの読取終了を契機に、監視部107が、搬送媒体S読取り終了時のメモリ使用量MEを記憶した後、紙間の画像読取していない区間で間欠動作の閾値を変更する必要性と、必要な場合の閾値を算出する。まず、前述した式を用いて、搬送媒体S読み取り時の保存部104のメモリ使用量の増加分Δ3を算出する。H>Δ3かつ、H>ME+Δ3の場合は、搬送媒体S読取り後の間欠動作は不要と判断し、第一閾値、第二閾値の値をH、Lのままとする。
【0101】
それ以外の場合は、搬送媒体S読取り後の間欠動作が必要と判断し、搬送媒体S読取り後の画像読取していない区間の単一の間欠動作閾値ITを前述の式に基づき算出し、閾値に設定する。保存部104の空き容量がIT以下になった事を検出してメモリフル状態と判定し、搬送部102に搬送停止を指示する。その後、インターフェイス部106を介し順次外部へ画像を送信することで空き容量が増加し、監視部107が保存部104の使用容量がH-IT以下になった事を検出してメモリフル状態解除と判定したら、搬送部102に搬送再開を指示する(T215)。その後、搬送媒体Sが排紙されるまで搬送したら、搬送部102が搬送を停止する(T116)。インターフェイス部106により搬送媒体Sの画像データが保存部104のメモリから全て読み出されたら画像読取の動作を終了する。
【0102】
以上説明したように、本実施形態においては、画像データを保存部104に格納する速度と、インターフェイス部106を介し外部へ画像を送信する速度とを考慮してメモリ使用量の増加分を算出し、それに基づいて紙間での間欠動作を実行するか否かを判定することにより、搬送媒体の画像読取中で間欠動作が実行される回数を低減することができる。
【0103】
本発明は、以上説明した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更、あるいは各実施形態を組み合わせて適用することなどが可能である。
【0104】
例えば、第一閾値、第二閾値の大小関係について説明したが、上述したものに限られず、IL<L<IH<Hの関係となっていてもよい。また、いずれかの閾値同士が同じ値に設定されていてもよい。
【符号の説明】
【0105】
100 画像読取装置
101 CPU
102 搬送部
103 画像読取部
104 保存部
105 検知部
106 インターフェイス部
S 搬送媒体
RT 経路
D1 搬送方向
3 駆動部
10 第一搬送部
11 送りローラ
12 分離ローラ
20 第二搬送部
30 第三搬送部
50 媒体検出センサ
60 媒体検出センサ
70a 読取ユニット
70b 読取ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8