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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065490
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240508BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240508BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20240508BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 302
B41J2/01 301
B41J2/17 201
B41J29/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174377
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】神谷 将孝
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩洋
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
5G435
【Fターム(参考)】
2C056EA27
2C056JC29
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB08
2C061CQ06
2C061CQ11
2C061CQ24
5G435AA13
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE02
5G435EE09
5G435EE13
5G435KK02
5G435LL12
(57)【要約】
【課題】筐体内に浸入する液体の排出性能の向上を実現できる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1において、ディスプレイカバー100は、ディスプレイ開口91を通じて筐体9の外部に露出し、表示面10Aの上方に位置する露出面109と、露出面109よりも第1方向の一方に位置する複数の第1当接面110と、隣り合う2つの第1当接面110の間に位置し、下方に凹み、かつ第1方向の一方に向かって開いた第1溝101と、各第1当接面110よりも第1方向の一方に位置し、ディスプレイカバー100の上方と下方とを連通させるディスプレイカバー開口146と、露出面109よりも第1方向の他方に位置する第2当接面120と、第2当接面120よりも第1方向の他方に位置し、下方に凹み、かつ底141D、141Eを有する第1凹み141と、ディスプレイカバー100の外周を囲む周壁140と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示面を有するディスプレイと、
前記ディスプレイよりも上方に位置するトップカバーであって、ディスプレイ開口が設けられた前記トップカバーを有する筐体と、
光透過性を有し、前記ディスプレイを上方から覆うディスプレイカバーと、
を備え、
前記ディスプレイカバーは、前記ディスプレイ開口を通じて前記筐体の外部に露出し、前記表示面の上方に位置して少なくとも第1方向に延びる露出面と、
前記露出面よりも前記第1方向の一方に位置し、前記トップカバーの下面に当接可能な複数の第1当接面と、
隣り合う2つの前記第1当接面の間に位置し、下方に凹み、かつ前記第1方向の前記一方に向かって開いた第1溝と、
各前記第1当接面よりも前記第1方向の前記一方に位置し、前記ディスプレイカバーの上方と下方とを連通させるディスプレイカバー開口と、
前記露出面よりも前記第1方向の他方に位置し、前記トップカバーの前記下面に当接可能な第2当接面と、
前記第2当接面よりも前記第1方向の前記他方に位置し、下方に凹み、かつ底を有する第1凹みと、
前記ディスプレイカバーの外周を囲み、かつ上方に突出する周壁と、
を有していることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記露出面は、前記第1方向に直交する第2方向にも延びており、
前記露出面の前記第2方向の長さは、前記露出面の前記第1方向の長さよりも大きい請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記ディスプレイカバーは、前記第2方向に並んだ3つ以上の前記第1当接面と、
複数の前記第1溝と、を有している請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイカバーは、前記第1方向において隣り合う前記第1当接面と前記第2当接面との間に位置し、下方に凹み、かつ第2方向に延びる第2溝を有している請求項2又は3記載の表示装置。
【請求項5】
前記ディスプレイカバーは、各前記第1当接面及び前記第2当接面よりも前記第2方向の一方に位置し、下方に凹み、かつ前記第1方向に延びる第2凹みと、
前記第2凹みにおける前記第1方向の前記一方側に接続し、下方に凹み、かつ前記第2方向の他方に延びる第3凹みであって、前記ディスプレイカバー開口に向かって開いた前記第3凹みと、
前記第2凹みにおける前記第1方向の前記他方側に位置し、前記第1凹みと前記第2凹みとの間で上方に突出して前記第1凹みと前記第2凹みとを区画する区画壁と、
を有している請求項2又は3記載の表示装置。
【請求項6】
複数のラバーキーと、各前記ラバーキーの下端同士を連結するとともに液体を受けるベースと、前記ベースの外周を囲み、かつ上方に突出するラバーキー周壁と、を一体に有するラバーキー体を備え、
前記ディスプレイカバー開口は、前記ベースの直上に位置し、
前記筐体は、前記筐体の側面に位置して前記筐体の内部と外部とを連通させる連通経路を有し、
前記ベース及び前記ラバーキー周壁の少なくとも一方は、前記ベースが受けた液体を前記連通経路に排出する排出開口を有している請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示装置。
【請求項7】
接続ケーブルと、
前記ディスプレイよりも下方に位置して前記ディスプレイを制御するディスプレイ基板であって、前記接続ケーブルの一端と接続するコネクタを有する前記ディスプレイ基板と、
前記筐体内に位置し、前記接続ケーブルの他端と接続する本体基板と、
を備え、
前記コネクタの全体は、上下方向に沿って見て前記露出面、各前記第1当接面及び前記第2当接面が存在する領域の内側に位置している請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示装置。
【請求項8】
前記ディスプレイよりも下方に位置して前記ディスプレイを制御するディスプレイ基板であって、配線パターンを下面に有する前記ディスプレイ基板と、
前記配線パターンを覆うフィルムと、
を備え、
前記筐体は、前記ディスプレイ基板よりも下方に位置し、前記フィルムに当接して前記ディスプレイ基板を支持するフレームを有している請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示装置。
【請求項9】
接続ケーブルと、
前記ディスプレイよりも下方に位置して前記ディスプレイを制御するディスプレイ基板であって、前記接続ケーブルの一端と接続する前記ディスプレイ基板と、
前記筐体内に位置し、前記接続ケーブルの他端と接続する本体基板と、
を備え、
前記接続ケーブルは、前記一端から前記トップカバーの前記下面に沿って延びる延伸部分を有し、
前記トップカバーは、前記延伸部分が延びる方向と交差し、かつ前記トップカバーの前記下面に沿う交差方向において前記延伸部分の位置を規制する規制リブを有し、
前記延伸部分と前記トップカバーの前記下面とに粘着する両面テープをさらに備えている請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の表示装置の一例が開示されている。この表示装置において、筐体は、開口部と、開口部を囲むLCDフィルター取付部と、LCDフィルター取付部の周囲に位置する排水溝と、を有している。
【0003】
この表示装置は、LCDフィルターとLCDフィルター取付部との隙間から浸入する水等の液体を排水溝によって排水することで、その浸入する水が開口部を経由して筐体内に浸入することを抑制する。
【0004】
上記特許文献1開示の表示装置では、LCDフィルターの全体が開口部及びLCDフィルター取付部を上方から覆っているが、そのような構成とは異なる構成を備えた従来の表示装置もある。
【0005】
この表示装置は、情報を表示する表示面を有するディスプレイと、トップカバーを有する筐体と、光透過性を有し、ディスプレイを上方から覆うディスプレイカバーと、を備えている。
【0006】
トップカバーは、ディスプレイよりも上方に位置している。トップカバーには、ディスプレイ開口が設けられている。
【0007】
ディスプレイカバーは、露出面及び当接面を有している。露出面は、ディスプレイ開口を通じて筐体の外部に露出し、表示面の上方に位置している。当接面は、トップカバーの下面に当接可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8-8546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記構成のディスプレイカバーを有する従来の表示装置では、トップカバーのディスプレイ開口と、ディスプレイカバーの露出面と、の隙間から液体が筐体内に浸入する場合がある。
【0010】
このため、この表示装置は、その浸入する液体が筐体内の意図しない領域にこぼれることを抑制し、意図する排出経路に案内する対策を行うことが必須であり、筐体内に浸入する液体の排出性能の向上が求められている。
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、筐体内に浸入する液体の排出性能の向上を実現できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の表示装置は、情報を表示する表示面を有するディスプレイと、
前記ディスプレイよりも上方に位置するトップカバーであって、ディスプレイ開口が設けられた前記トップカバーを有する筐体と、
光透過性を有し、前記ディスプレイを上方から覆うディスプレイカバーと、
を備え、
前記ディスプレイカバーは、前記ディスプレイ開口を通じて前記筐体の外部に露出し、前記表示面の上方に位置して少なくとも第1方向に延びる露出面と、
前記露出面よりも前記第1方向の一方に位置し、前記トップカバーの下面に当接可能な複数の第1当接面と、
隣り合う2つの前記第1当接面の間に位置し、下方に凹み、かつ前記第1方向の前記一方に向かって開いた第1溝と、
各前記第1当接面よりも前記第1方向の前記一方に位置し、前記ディスプレイカバーの上方と下方とを連通させるディスプレイカバー開口と、
前記露出面よりも前記第1方向の他方に位置し、前記トップカバーの前記下面に当接可能な第2当接面と、
前記第2当接面よりも前記第1方向の前記他方に位置し、下方に凹み、かつ底を有する第1凹みと、
前記ディスプレイカバーの外周を囲み、かつ上方に突出する周壁と、
を有していることを特徴とする。
【0013】
本発明の表示装置において、トップカバーのディスプレイ開口と、ディスプレイカバーの露出面と、の隙間から液体が筐体内に浸入する場合がある。この場合、その浸入する液体を各第1当接面及び第2当接面が受け、周壁が堰き止める。
【0014】
ディスプレイカバー開口は、各第1当接面及び第2当接面が受けた液体をディスプレイカバーの下方に案内する。その下方に案内される液体は、さらに意図する排出経路に案内される。第1凹みは、第2当接面が受けた液体の一部を収容する。
【0015】
この際、第1溝は、上述した配置によりディスプレイカバー開口に近い位置にあって、各第1当接面が受けた液体をディスプレイカバー開口に多く案内する。また、第1溝は、各第1当接面が受けた液体を第1凹みから遠ざけるように案内する。これにより、ディスプレイカバー開口が多くの液体をディスプレイカバーの下方に案内できるので、第1凹みに浸入する液体が減る。
【0016】
その結果、この表示装置は、ディスプレイカバーが受けた液体が周壁を越えて筐体内の意図しない領域にこぼれることを抑制できる。
【0017】
したがって、本発明の表示装置は、筐体内に浸入する液体の排出性能の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施例の画像形成装置の斜視図である。
図2図2は、実施例の画像形成装置に係り、トップカバー等を取り外した状態を示す部分斜視図である。
図3図3は、トップカバー、ディスプレイ基板、フィルム、接続ケーブル、両面テープ等を示す部分斜視図である。
図4図4は、トップカバーの部分下面図であって、露出面、各第1当接面及び第2当接面が存在する領域と、コネクタと、ディスプレイ基板と、を二点鎖線で示す図である。
図5図5は、図1のA-A断面を示す部分断面図である。
図6図6は、ディスプレイカバー、ディスプレイ、ラバーキー体及びディスプレイ基板の分解斜視図である。
図7図7は、ディスプレイカバーの斜視図である。
図8図8は、ディスプレイカバーの斜視図である。
図9図9は、ディスプレイカバーの斜視図である。
図10図10は、図8のB-B断面を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置1は、本発明の表示装置の具体的態様の一例である。
【0021】
図1において、画像形成装置1の筐体9の前面9F側が前方である。筐体9の幅方向は、前後方向に直交し、かつ水平に延びる方向である。前面9Fに向かった場合に左に来る側が幅方向の一方である。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。
【0022】
<全体構成>
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体9、画像形成部3、シートカセット4及び本体基板70を備えている。
【0023】
筐体9は略箱状体であり、その上面に排出トレイ9Tを有している。筐体9は、その下部においてシートカセット4を収容している。シートカセット4は、シートを積層状態で支持している。
【0024】
本体基板70は、筐体9内における側面9S側に位置している。本体基板70は、画像形成部3を含む画像形成装置1の全体の動作を制御する。
【0025】
図1及び図2に示すように、画像形成部3は、筐体9内におけるシートカセット4よりも上方に位置している。画像形成部3は、シートカセット4から搬送されるシートに対し、電子写真方式やインクジェット方式等により画像を形成する。
【0026】
図1に示すように、排出トレイ9Tは、画像形成部3によって画像が形成されて筐体9の上面に排出されるシートを支持する。
【0027】
<フロントカバー及びサイドカバー>
筐体9は、フロントカバー80及びサイドカバー85を有している。
【0028】
フロントカバー80は、前壁81及び上壁82を有している。前壁81は、幅方向及び上下方向に延びる略平板形状である。前壁81の前面は、シートカセット4の前壁の前面と共に、筐体9の前面9Fを構成している。上壁82は、前壁81の上端に接続して後方に突出し、かつ幅方向に延びる略平板形状である。
【0029】
図1に示すように、サイドカバー85は、前後方向及び上下方向に延びる略平板形状である。サイドカバー85における幅方向の一方を向く側面は、筐体9の側面9Sを構成している。
【0030】
図2に示すように、サイドカバー85は、その前端において第1前端面85A及び第2前端面85Bを有している。第1前端面85Aは、前方を向いて上下方向に延びる平坦面である。第2前端面85Bは、第1前端面85Aにおける幅方向の他方に位置して上下方向に延びる端縁に接続している。第2前端面85Bは、第1前端面85Aよりも前方に位置し、幅方向の一方を向いて上下方向に延びる平坦面である。
【0031】
第1前端面85A及び第2前端面85Bのそれぞれの上端は、サイドカバー85の前方かつ上方の角部に位置している。図示は省略するが、第1前端面85A及び第2前端面85Bのそれぞれの下端は、サイドカバー85の前方かつ下方の角部に位置している。
【0032】
サイドカバー85は、その上端の前部分において連通溝85Cを有している。連通溝85Cは、下方に凹み、かつ前後方向に延びている。連通溝85Cの後端は、閉じている。連通溝85Cの前端は、第1前端面85Aの上端の真上において、前方に向かって開いている。
【0033】
サイドカバー85は、連通経路CP1を有している。連通経路CP1は、第1前端面85A、第2前端面85B及び連通溝85Cによって構成されている。連通経路CP1は、筐体9の側面9Sに位置して筐体9の内部と外部とを連通させている。
【0034】
<トップカバー>
図1に示すように、筐体9は、トップカバー90を有している。トップカバー90は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂製部材である。
【0035】
トップカバー90は、フロントカバー80の上壁82よりも後方に位置し、前後方向及び幅方向に延びる略平板形状である。トップカバー90の上面は、上壁82の上面と共に筐体9の上面を構成している。
【0036】
図3及び図4に示すように、トップカバー90の下面90Bには、複数のリブが形成されている。各リブは、互いに格子状に接続してトップカバー90を補強している。
【0037】
図1に示すように、トップカバー90の中央には、矩形状の排出トレイ開口93が設けられている。排出トレイ開口93は、排出トレイ9Tにおける傾斜する後部分9T1と、排出ローラ対5と、を露出させている。トップカバー90及び上壁82における排出トレイ開口93よりも前方に位置する部分は、排出トレイ9Tの前部分を構成している。
【0038】
図1及び図4に示すように、トップカバー90における排出トレイ開口93よりも幅方向の一方かつ前方に位置する部分には、ディスプレイ開口91及び複数のラバーキー開口96が設けられている。
【0039】
ディスプレイ開口91は、幅方向の長さが前後方向の長さよりも大きい長円形状である。各ラバーキー開口96は、ディスプレイ開口91よりも前方に位置し、前後方向及び幅方向に並んでいる。
【0040】
<サイドフレーム>
図2及び図5に示すように、筐体9は、サイドフレーム99を有している。サイドフレーム99は、本発明の「フレーム」の一例である。サイドフレーム99も、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂製部材である。
【0041】
図2に示すように、サイドフレーム99は、サイドカバー85に隣接するように、筐体9内における幅方向の一方に位置している。サイドフレーム99は、サイドカバー85の前端の近傍に位置する前端99Aから、サイドカバー85の後端の近傍に位置する後端99Bまで前後方向に延びている。また、サイドフレーム99は、サイドカバー85の上端の近傍から、サイドカバー85の下端の近傍まで上下方向に延びている。
【0042】
サイドフレーム99は、画像形成部3を構成する複数の部品、本体基板70等を支持している。サイドカバー85は、サイドフレーム99に装着されている。
【0043】
画像形成装置1は、図5及び図6に示すディスプレイ10と、図1図2及び図5図10に示すディスプレイカバー100と、図1図2図5及び図6に示すラバーキー体60と、図2図6に示すディスプレイ基板71と、を備えている。
【0044】
<ディスプレイ>
図6に示すように、ディスプレイ10は、液晶ディスプレイである。ディスプレイ10は、幅方向の長さが前後方向の長さよりも大きく、かつ上下方向の厚みが小さい扁平な略直方体である。
【0045】
ディスプレイ10は、複数の画素が前後方向及び幅方向に並ぶドットマトリクス型の表示面10Aを有している。表示面10Aは、各画素の点滅によって、文字、記号、図形等からなる情報、例えば画像形成装置1の動作状況や各種設定に関する情報を表示する。
【0046】
図5に示すように、トップカバー90は、ディスプレイ10よりも上方に位置している。ディスプレイ10の前端には、ディスプレイケーブル17の一端17Aが接続している。ディスプレイケーブル17は、フレキシブルプリント基板である。
【0047】
ディスプレイケーブル17は、一端17Aから下向きにUターンした後、ディスプレイ10の下面に沿って後向きに延び、ディスプレイ10の後端の近傍で下向きに延びて略「J字」状に湾曲している。
【0048】
図4及び図5に示すように、ディスプレイケーブル17の他端17Bは、ディスプレイ基板71の後述するディスプレイコネクタ73に接続している。
【0049】
<ディスプレイカバー>
図5及び図6に示すように、ディスプレイカバー100は、透明な熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂製部材であり、光透過性を有している。ディスプレイカバー100は、上面視略矩形状であり、ディスプレイ10よりも大きい。ディスプレイカバー100は、ユーザによる表示面10Aの視認を可能にしつつディスプレイ10を上方から覆っている。
【0050】
図7図9に示すように、ディスプレイカバー100は、カバー本体105、ディスプレイカバー開口146、第1凹み141、第2凹み142、第3凹み143、区画壁144及び周壁140を一体に有している。
【0051】
図9及び図10に示すように、カバー本体105の下面は、前後方向及び幅方向に延びる平坦面である。図10に示すように、カバー本体105の上面の高さは、3段階に変化している。
【0052】
図7及び図8に示すように、ディスプレイカバー100は、カバー本体105の上面に形成された露出面109、第1当接面110、第1溝101、第2当接面120、第2溝102及び受け面130を有している。
【0053】
露出面109は、カバー本体105の上面のうちの最も高い位置にある平坦面であって、前後方向及び幅方向に延びている。
【0054】
前後方向は、本発明の「第1方向」の一例である。前方は、本発明の「第1方向の一方」の一例である。後方は、本発明の「第1方向の他方」の一例である。
【0055】
幅方向は、本発明の「第1方向に直交する第2方向」の一例である。幅方向の他方は、本発明の「第2方向の一方」の一例である。幅方向の一方は、本発明の「第2方向の他方」の一例である。
【0056】
図1に示すように、露出面109は、トップカバー90のディスプレイ開口91に整合する長円形状である。露出面109の幅方向の長さL2は、露出面109の前後方向の長さL1よりも大きい。
【0057】
図7及び図8に示すように、ディスプレイカバー100は、3つ以上の第1当接面110を有している。本実施例では、第1当接面110は6つである。各第1当接面110は、露出面109よりも前方に位置し、幅方向に並んでいる。
【0058】
各第1当接面110は、カバー本体105の上面のうちの最も高い位置と最も低い位置との中間に位置する平坦面であって、前後方向及び幅方向に延びている。つまり、各第1当接面110は、露出面109よりも一段低い位置にある。
【0059】
各第1当接面110のうちの最も幅方向の一方に位置する第1当接面110(110L)は、露出面109よりも幅方向の一方に位置する部分を有している。
【0060】
各第1当接面110のうちの最も幅方向の他方に位置する第1当接面110(110R)は、露出面109よりも幅方向の他方に位置する部分を有している。
【0061】
ディスプレイカバー100は、複数の第1溝101を有している。本実施例では、第1溝101は5つである。各第1溝101は、隣り合う2つの第1当接面110の間に位置している。
【0062】
各第1溝101は、各第1当接面110よりも下方に凹み、かつ前後方向に延びて前方に向かって開いている。図10に示すように、各第1溝101の後端は、露出面の前端縁の真下に位置している。各第1溝101の底は、カバー本体105の上面のうちの最も低い位置にある。
【0063】
図7及び図8に示すように、ディスプレイカバー100は、1つの第2当接面120を有している。第2当接面120は、露出面109よりも後方に位置している。第2当接面120は、カバー本体105の上面のうちの最も高い位置と最も低い位置との中間に位置する平坦面であって、前後方向及び幅方向に延びている。つまり、第2当接面120は、露出面109よりも一段低い位置であって、各第1当接面110と高さが同じ位置にある。
【0064】
第2当接面120は、露出面109よりも幅方向の一方に位置する部分と、露出面109よりも幅方向の他方に位置する部分と、を有している。
【0065】
ディスプレイカバー100は、2つの第2溝102を有している。幅方向の一方に位置する第2溝102(102L)は、前後方向において隣り合う第1当接面110(110L)と第2当接面120との間に位置している。幅方向の他方に位置する第2溝102(102R)は、前後方向において隣り合う第1当接面110(110R)と第2当接面120との間に位置している。
【0066】
各第2溝102は、各第1当接面110及び第2当接面120よりも下方に凹み、かつ幅方向に延びている。第2溝102(102L)は、幅方向の一方に向かって開いている。第2溝102(102R)は、幅方向の他方に向かって開いている。
【0067】
各第2溝102の底は、カバー本体105の上面のうちの最も低い位置であって、各第1溝101の底と高さが同じ位置にある。
【0068】
受け面130は、カバー本体105の上面のうちの最も低い位置にある平坦面であって、前後方向及び幅方向に延びている。受け面130は、各第1当接面110及び第1溝101よりも前方に位置する部分と、第1当接面110(110L)及び第2当接面120よりも幅方向の一方に位置する部分と、第2当接面120における幅方向の一方の端部よりも後方に位置する部分と、第1当接面110(110R)及び第2当接面120よりも幅方向の他方に位置する部分と、を有している。
【0069】
つまり、受け面130は、各第1当接面110及び第2当接面120よりも一段低い位置にあって、各第1当接面110及び第2当接面120を上面視略「C」字状に囲っている。
【0070】
図8及び図10に示すように、ディスプレイカバー開口146は、各第1当接面110、各第1溝101及び受け面130よりも前方に位置している。ディスプレイカバー開口146は、上面視略矩形状の貫通穴であり、ディスプレイカバー100の上方と下方とを連通させている。
【0071】
図7及び図8に示すように、第1凹み141は、第2当接面120よりも後方に位置している。第1凹み141は、第2当接面120における幅方向の一方の端部の近傍から、第2当接面120における幅方向の他方の端部の近傍まで幅方向に延びている。
【0072】
第1凹み141は、第2当接面120よりも下方に凹み、かつ底141D、141Eを有している。底141Eは、第1凹み141における幅方向の他方側に位置し、底141Dよりも一段低くなっている。
【0073】
第2凹み142は、第1当接面110(110R)、第2当接面120、第2溝102(102R)及び受け面130よりも幅方向の他方に位置している。第2凹み142は、各第1当接面110、第2当接面120及び受け面130よりも下方に凹み、かつ前後方向に延びている。
【0074】
第3凹み143は、受け面130よりも前方、かつディスプレイカバー開口146よりも幅方向の他方に位置している。第3凹み143は、第2凹み142の前方側に接続している。
【0075】
第3凹み143は、各第1当接面110、第2当接面120及び受け面130よりも下方に凹み、かつ幅方向の一方に延びている。第3凹み143は、ディスプレイカバー開口146に向かって開いている。
【0076】
区画壁144は、第2当接面120及び受け面130よりも後方、かつ第1凹み141よりも幅方向の他方に位置している。また、区画壁144は、第2凹み142の後方側に位置している。
【0077】
区画壁144は、第1凹み141と第2凹み142との間で上方に突出して第1凹み141と第2凹み142とを区画している。区画壁144の上端は、受け面130と高さが略同じ位置にある。
【0078】
周壁140は、ディスプレイカバー100の外周を囲み、かつ上方に突出している。換言すると、周壁140は、カバー本体105、ディスプレイカバー開口146、第1凹み141、第2凹み142、第3凹み143及び区画壁144を囲んでいる。
【0079】
図10に示すように、周壁140の上端の高さは、場所によって変化しているが、各第1当接面110及び第2当接面120の高さ以下、かつ受け面130の高さ以上である。
【0080】
図9に示すように、ディスプレイカバー100におけるカバー本体105の下面よりも下方の空間は、ディスプレイ収容部160である。
【0081】
ディスプレイカバー100は、ディスプレイ収容部160における後方かつ幅方向の一方の角部に位置する係止片161Lを有している。
【0082】
また、ディスプレイカバー100は、ディスプレイ収容部160における後方かつ幅方向の他方の角部に位置する係止片161Rを有している。
【0083】
さらに、ディスプレイカバー100は、ディスプレイ収容部160における前方かつ幅方向の中間部に位置する係止片161Cを有している。係止片161Cは、前後方向に弾性変形可能である。
【0084】
図5に示すように、ディスプレイカバー100は、ディスプレイ10をディスプレイ収容部160に収容し、ディスプレイ10の表示面10Aがカバー本体105の下面に当接する状態で、ディスプレイ10を係止片161L、161R、161Cによって係止することにより、ディスプレイ10を支持する。この状態で、露出面109は、表示面10Aの上方に位置している。
【0085】
図7図9に示すように、ディスプレイカバー100は、2つの係止爪150Aと、板状係止片150Bと、を一体に有している。
【0086】
図7に示すように、各係止爪150Aは、周壁140における幅方向の一方において前後方向に延びる部分に一体に形成されている。各係止爪150Aは、幅方向に弾性変形可能である。
【0087】
図8に示すように、板状係止片150Bは、周壁140における幅方向の他方において前後方向に延びる部分に一体に形成されている。
【0088】
図4に示すように、トップカバー90は、2つの係止片95Aと、2つの係止片95Bと、を有している。各係止片95A、95Bは、トップカバー90の下面90Bに形成されている。各係止片95Aは、ディスプレイ開口91よりも幅方向の一方に位置している。各係止片95Bは、ディスプレイ開口91よりも幅方向の他方に位置している。
【0089】
図5に示すように、トップカバー90は、各係止片95Aがディスプレイカバー100の各係止爪150Aを係止し、各係止片95Bがディスプレイカバー100の板状係止片150Bを係止することにより、ディスプレイカバー100を支持する。
【0090】
この状態で、露出面109は、ディスプレイ開口91を通じて筐体9の外部に露出している。各第1当接面110及び第2当接面120は、トップカバー90の下面90Bに当接可能である。
【0091】
各第1当接面110及び第2当接面120は、ディスプレイカバー100が傾斜しようとするときにトップカバー90の下面90Bに当接することで、ディスプレイカバー100を適正な姿勢に維持する。
【0092】
<ラバーキー体>
図6に示すように、ラバーキー体60は、複数のラバーキー61と、ベース63と、ラバーキー周壁65と、を一体に有している。
【0093】
各ラバーキー61は、トップカバー90の各ラバーキー開口96に整合する形状であり、前後方向及び幅方向に並んでいる。
【0094】
ベース63は、前後方向及び幅方向に略平板状に延びて各ラバーキー61の下端同士を連結している。ラバーキー周壁65は、ベース63の外周を囲み、かつ上方に突出している。
【0095】
ベース63及びラバーキー周壁65は、排出開口69を有している。排出開口69は、ベース63における前方かつ幅方向の一方の角部に位置する部分が幅方向の一方に突出し、ラバーキー周壁65がベース63の突出部分の上方において幅方向の一方に向かって開くことにより形成されている。
【0096】
図5に示すように、トップカバー90がその下面90B側においてラバーキー体60を支持する状態で、各ラバーキー61の上面は、各ラバーキー開口96を通じて筐体9の外部に露出している。ディスプレイカバー開口146は、ベース63の後部分の直上に位置している。図3に示すように、排出開口69は、トップカバー90における前方かつ幅方向の一方の角部の近傍に位置している。図2に示すように、排出開口69は、連通溝85Cの後部分の直上に位置している。
【0097】
<ディスプレイ基板>
図6に示すように、ディスプレイ基板71は、その上面に電子部品及び配線パターンが配置されており、表示制御回路及びスイッチ回路を有している。表示制御回路は、ディスプレイ10を制御して表示面10Aに情報を表示させる。スイッチ回路は、各ラバーキー61に対する入力操作を受けて遮断状態から通電状態に切り替わる複数のスイッチを有している。
【0098】
図3に示すように、ディスプレイ基板71は、配線パターン71Wを下面71Bに有している。配線パターン71Wは、表示制御回路及びスイッチ回路の一部を構成している。
【0099】
画像形成装置1は、フィルム71Fを備えている。フィルム71Fは、PETフィルム等である樹脂製の薄い膜体の一方の面に粘着層が形成されてなる。フィルム71Fは、ディスプレイ基板71の下面71Bに貼り付けられて、配線パターン71Wを覆っている。
【0100】
図3及び図5に示すように、ディスプレイ基板71は、ディスプレイコネクタ73を下面71Bに有している。ディスプレイコネクタ73は、ディスプレイ基板71の下面71Bにおける後方かつ幅方向の他方に位置する部分に固定され、差し込み口を下方に向けている。
【0101】
図3及び図6に示すように、ディスプレイ基板71は、その上面にコネクタ72を有している。コネクタ72は、ディスプレイ基板71の上面における後端かつ幅方向の一方に位置する部分に固定され、差し込み口を後方に向けている。
【0102】
図3及び図4に示すように、トップカバー90は、2つの係止爪97Aと、2つの係止爪97Bと、を有している。各係止爪97A、97Bは、トップカバー90の下面90Bに形成されて下向きに突出している。各係止爪97Aは、各ラバーキー開口96よりも幅方向の一方に位置している。各係止爪97Bは、各ラバーキー開口96よりも幅方向の他方に位置している。
【0103】
トップカバー90は、各係止爪97Aがディスプレイ基板71における幅方向の一方で前後方向に延びる側端縁を係止し、各係止爪97Bがディスプレイ基板71における幅方向の他方で前後方向に延びる側端縁を係止することにより、ディスプレイ基板71を支持する。
【0104】
この状態で、図5に示すように、ディスプレイ基板71は、ディスプレイカバー100、ディスプレイ10及びラバーキー体60よりも下方に位置している。ディスプレイコネクタ73は、ディスプレイケーブル17の他端17Bと接続している。
【0105】
サイドフレーム99は、ディスプレイ基板71よりも下方に位置している。サイドフレーム99は、その上面の一部の領域においてフィルム71Fに当接してディスプレイ基板71を支持している。
【0106】
図3に二点鎖線で示す四角形99E1、99E2、99E3は、フレーム99の上面のうちのフィルム71Fに当接する領域を示している。
【0107】
図4に示すように、露出面109、各第1当接面110及び第2当接面120が存在する領域を領域A1とする。コネクタ72の全体は、上下方向に沿って見て領域A1の内側に位置している。
【0108】
<接続ケーブル及び両面テープ>
図3に示すように、画像形成装置1は、接続ケーブル79及び両面テープ79Tを備えている。
【0109】
接続ケーブル79は、フレキシブルフラットケーブルである。コネクタ72は、接続ケーブル79の一端79Aと接続している。接続ケーブル79は、延伸部分79Cを有している。延伸部分79Cは、接続ケーブル79の一端79Aからトップカバー90の下面90Bに沿って後方に延びている。
【0110】
接続ケーブル79は、延伸部分79Cの後端から折り曲げられて下方に延びている。図2に示すように、本体基板70は、接続ケーブル79の他端79Bと接続している。
【0111】
図3に示すように、トップカバー90は、規制リブ97Rを有している。規制リブ97Rは、トップカバー90の下面90Bに形成され、下向きに突出した後に屈曲して幅方向の他方に延びている。規制リブ97Rは、コネクタ72よりも後方に位置している。
【0112】
延伸部分79Cは、トップカバー90の下面90Bと、規制リブ97Rの幅方向に延びる部分との間を通過している。規制リブ97Rは、その下向きに突出する部分によって、幅方向において延伸部分79Cの位置を規制している。幅方向は、延伸部分79Cが延びる方向と交差し、かつトップカバー90の下面90Bに沿う交差方向である。
【0113】
両面テープ79Tは略正方形状であり、規制リブ97Rよりも後方に位置している。両面テープ79Tは、延伸部分79Cとトップカバー90の下面90Bとに粘着している。
【0114】
<ディスプレイカバーの誤組み付け防止の構成>
画像形成装置1としては、上述した構成の品種とは別に、ディスプレイ10の表示面10Aの画素数よりも表示面の画素数が少ないディスプレイを搭載する品種がある。そのディスプレイは、ディスプレイ10と同様の大きさであるが、形状がディスプレイ10の形状と若干異なっている。
【0115】
このため、そのディスプレイを支持するディスプレイカバーの形状も、各係止爪150A及び板状係止片150Bとは異なる箇所において、ディスプレイカバー100の形状と若干異なっている。
【0116】
また、そのディスプレイカバーを支持するトップカバーの形状も、各係止片95A、95Bとは異なる箇所において、トップカバー90の形状と若干異なっている。
【0117】
そこで、ディスプレイカバー100とは若干異なるディスプレイカバーをトップカバー90に誤組み付けする不具合を防止するため、図4及び図5に示すように、トップカバー90の下面90Bにリブ98Aが形成されている。
【0118】
図5に示すように、リブ98Aは、第1凹み141に進入することにより、ディスプレイカバー100と干渉しない。その一方、リブ98Aは、ディスプレイカバー100とは若干異なるディスプレイカバーに干渉することで誤組み付けする不具合を防止する。
【0119】
また、ディスプレイカバー100をトップカバー90とは若干異なるトップカバーに誤組み付けする不具合を防止するため、図4に突起98Bを二点鎖線で示すように、トップカバー90とは若干異なるトップカバーに突起98Bが形成されている。
【0120】
突起98Bは、ディスプレイカバー100とは若干異なるディスプレイカバーと干渉しない。その一方、突起98Bは、図7に示すディスプレイカバー100の平坦面100Bに干渉することで誤組み付けする不具合を防止する。
【0121】
<作用効果>
実施例の画像形成装置1において、図5に示すように、トップカバー90のディスプレイ開口91と、ディスプレイカバー100の露出面109と、の隙間から液体が筐体9内に浸入する場合がある。この場合、図5及び図7に示すように、その浸入する液体を各第1当接面110、第2当接面120及び受け面130が受け、周壁140が堰き止める。
【0122】
ディスプレイカバー開口146は、各第1当接面110、第2当接面120及び受け面130が受けた液体をディスプレイカバー100の下方に案内する。その下方に案内される液体は、さらに意図する排出経路に案内される。
【0123】
より詳しくは、図5に示すように、ラバーキー体60において、ベース63は、ディスプレイカバー開口146によって下方に案内される液体を受ける。また、ベース63は、トップカバー90の各ラバーキー開口96と、各ラバーキー61の上面と、の隙間から筐体9内に浸入する液体も受ける。
【0124】
図2に示すように、ラバーキー周壁65は、ベース63が受けた液体を堰き止める。排出開口69は、ベース63が受けた液体を連通経路CP1の連通溝85Cに排出する。その液体は、連通溝85Cによって前方に案内され、さらに、第1前端面85A及び第2前端面85Bによって下方に案内されて筐体9の外部に排出される。
【0125】
その一方、図5及び図7に示すように、第1凹み141は、第2当接面120及び受け面130が受けた液体の一部を収容する。
【0126】
この際、図7に示すように、各第1溝101は、上述した配置によりディスプレイカバー開口146に近い位置にあって、各第1当接面110が受けた液体をディスプレイカバー開口146に多く案内する。また、各第1溝101は、各第1当接面110が受けた液体を第1凹み141から遠ざけるように案内する。これにより、ディスプレイカバー開口146が多くの液体をディスプレイカバー100の下方に案内できるので、第1凹み141に浸入する液体が減る。
【0127】
その結果、この画像形成装置1は、ディスプレイカバー100が受けた液体が周壁140を越えて筐体9内の意図しない領域にこぼれることを抑制できる。
【0128】
したがって、実施例の画像形成装置1は、筐体9内に浸入する液体の排出性能の向上を実現できる。
【0129】
また、この画像形成装置1において、図1に示すように、露出面109の幅方向の長さL2は、露出面109の前後方向の長さL1よりも大きい。この構成により、図7に示すように、ディスプレイカバー100における露出面109が形成された部分は、各第1当接面110と第2当接面120との間での液体の移動を抑制する。このため、各第1溝101は、各第1当接面110が受けた液体をディスプレイカバー開口146に一層多く案内できる。
【0130】
さらに、この画像形成装置1において、ディスプレイカバー100は、幅方向に並んだ3つ以上の第1当接面110と、複数の第1溝101と、を有している。この構成により、複数の第1溝101は、各第1当接面110が受けた液体をディスプレイカバー開口146に一層多く案内できる。
【0131】
また、この画像形成装置1において、ディスプレイカバー100は、第2溝102(102L、102R)を有している。第2溝102(102L)は、第1当接面110(110L)と第2当接面120との間での液体の移動を抑制する。第2溝102(102R)は、第1当接面110(110R)と第2当接面120との間での液体の移動を抑制する。これにより、ディスプレイカバー開口146が一層多くの液体をディスプレイカバー100の下方に案内できるので、第1凹み141に浸入する液体が一層減る。
【0132】
さらに、この画像形成装置1において、ディスプレイカバー100は、第2凹み142、第3凹み143及び区画壁144を有している。第2凹み142、第3凹み143及び区画壁144は、第2当接面120及び受け面130が受けた液体の一部を第1凹み141から遠ざけて、ディスプレイカバー開口146に案内する。これにより、ディスプレイカバー開口146が一層多くの液体をディスプレイカバー100の下方に案内できるので、第1凹み141に浸入する液体が一層減る。
【0133】
また、この画像形成装置1において、図5に示すように、ディスプレイカバー開口146は、ベース63の直上に位置している。図2に示すように、筐体9は、連通経路CP1を有している。ベース63及びラバーキー周壁65は、ベース63が受けた液体を連通経路CP1に排出する排出開口69を有している。この構成により、ディスプレイカバー100が受けた液体をディスプレイカバー開口146、ベース63、排出開口69及び連通経路CP1を経由して筐体9の外部に確実性高く排出できる。
【0134】
さらに、この画像形成装置1において、図4に示すように、コネクタ72の全体は、上下方向に沿って見て露出面109、各第1当接面110及び第2当接面120が存在する領域A1の内側に位置している。この構成により、ディスプレイカバー100が受けた液体が万が一にも周壁140を越えて筐体9内の意図しない領域にこぼれるとしても、そのこぼれた液体がコネクタ72に到達し難い。
【0135】
また、この画像形成装置1において、図2に示すように、フィルム71Fは、ディスプレイ基板71の下面71Bにある配線パターン71Wを覆っている。図5に示すように、ディスプレイ基板71よりも下方に位置するサイドフレーム99は、その上面の一部の領域99E1、99E2、99E3においてフィルム71Fに当接してディスプレイ基板71を支持している。この構成により、配線パターン71Wとサイドフレーム99の上面との間にフィルム71Fが介在するので、配線パターン71Wの損傷を抑制できる。
【0136】
さらに、この画像形成装置1において、図3に示すように、接続ケーブル79は、延伸部分79Cを有している。トップカバー90は、幅方向において延伸部分79Cの位置を規制する規制リブ97Rを有している。そして、画像形成装置1は、延伸部分79Cとトップカバー90の下面90Bとに粘着する両面テープ79Tをさらに備えている。この構成により、両面テープ79Tによって接続ケーブル79の延伸部分79Cの位置ずれを抑制できる。その結果、この画像形成装置1は、トップカバー90をサイドフレーム99等に組み付ける作業を容易に実施できる。
【0137】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0138】
実施例では、本発明の表示装置について、画像形成装置1として具体化したが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、画像読取機能を有する画像読取装置に本発明の構成を適用してもよい。また、画像形成装置の上方に画像読取装置を備えた複合機に本発明の構成を適用してもよい。
【0139】
実施例では、ディスプレイ10が液晶ディスプレイであるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、ディスプレイは、有機ELディプレイ等であってもよい。
【0140】
実施例では、ディスプレイカバー開口146が貫通穴であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例に係る周壁140におけるディスプレイカバー開口146よりも前方に位置する部分を切り欠いた構成も本発明に含まれる。
【0141】
実施例では、排出開口69が貫通穴ではないが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、排出開口は、ベース又はラバーキー周壁に形成された貫通穴であってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…表示装置(画像形成装置)、10A…表示面、10…ディスプレイ
90…トップカバー、91…ディスプレイ開口、9…筐体
100…ディスプレイカバー、109…露出面
90B…トップカバーの下面、110…第1当接面、101…第1溝
146…ディスプレイカバー開口、120…第2当接面
141…第1凹み、141D、141E…第1凹みの底、140…周壁
L2…露出面の第2方向の長さ(露出面の幅方向の長さ)
L1…露出面の第1方向の長さ(露出面の前後方向の長さ)
102…第2溝、142…第2凹み、143…第3凹み
144…区画壁、61…ラバーキー、63…ベース
65…ラバーキー周壁、60…ラバーキー体、9S…筐体の側面
CP1…連通経路、69…排出開口、79…接続ケーブル
71…ディスプレイ基板、79A…接続ケーブルの一端
72…コネクタ、79B…接続ケーブルの他端、70…本体基板
A1…露出面、各第1当接面及び第2当接面が存在する領域
71W…配線パターン、71B…ディスプレイ基板の下面
71F…フィルム、99…フレーム(サイドフレーム)
79C…接続ケーブルの延伸部分、97R…規制リブ
79T…両面テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10