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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065523
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】切替装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/22 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
H01H21/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174437
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】尾原 孝明
(72)【発明者】
【氏名】古用 智弘
(72)【発明者】
【氏名】藤原 椋柊
(72)【発明者】
【氏名】濱田 翼
(72)【発明者】
【氏名】中道 大介
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219GS35
5G219HT01
5G219HU60
(57)【要約】
【課題】ハンドルの操作性が高い切替装置の提供。
【解決手段】筐体2と、前記筐体2に取り付けられるハンドル4と、を備え、前記ハンドル4は、前記筐体2外で往復動可能な掴部40を有し、前記掴部40の往復動する方向である往復動方向に対して直交する不動方向における中央部400は、前記不動方向における両端部よりも前記往復動方向における厚みが大きい厚肉部となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に取り付けられるハンドルと、を備え、
前記ハンドルは、前記筐体外で往復動可能な掴部を有し、
前記掴部が往復動する方向である往復動方向に対して直交する不動方向における中央部は、前記不動方向における両端部よりも前記往復動方向における厚みが大きい厚肉部となっている、
切替装置。
【請求項2】
前記厚肉部は、前記不動方向における中心部から前記不動方向において外側に向かうにつれて前記往復動方向での厚みが徐々に小さくなるように湾曲するように構成される、
請求項1に記載の切替装置。
【請求項3】
前記厚肉部は、前記往復動方向と前記不動方向に直交する直交方向における中心部から前記直交方向において外側に向かうにつれて前記往復動方向での厚みが徐々に小さくなるように湾曲するように構成される、
請求項1又は請求項2に記載の切替装置。
【請求項4】
前記厚肉部の前記往復動方向における外側面には、前記不動方向に延びる凸条が形成される、
請求項1に記載の切替装置。
【請求項5】
前記掴部は、
前記不動方向に並べて互いに連結される複数の分割体によって構成され、
前記複数の分割体には、
前記不動方向における前記厚肉部の中心部から一方の端部までを含む分割体と、
前記不動方向における前記厚肉部の中心部から他方の端部までを含む分割体と、が含まれる
請求項1に記載の切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内の電気回路の状態を手動で切り替えるためのハンドルを備える切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記切替装置として、例えば3線から成る2系統の回路を切り替える切替開閉器が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる切替開閉器は、ケース内に配置されている可動接点と、可動接点に接続される切替元端子と、2系統のうちの一方の回路が接続される第1系統端子と、2系統のうちの他方の回路が接続される第2系統端子と、切替元端子に接続された回路の接続先を第1系統端子に接続された回路、又は第2系統端子に接続された回路に切り替える切替操作を行う操作ハンドル(ハンドル)とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-207563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の切替開閉器は、操作ハンドルが薄板状に形成されているため、手触りが悪く操作ハンドルの操作性が低かった。なお、このような問題は、前記切替開閉器とは別種の切替装置においても同様に起こり得る。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、ハンドルの操作性が高い切替装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の切替装置は、
筐体と、
前記筐体に取り付けられるハンドルと、を備え、
前記ハンドルは、前記筐体外で往復動可能な掴部を有し、
前記掴部が往復動する方向である往復動方向に対して直交する不動方向における中央部は、前記不動方向における両端部よりも前記往復動方向における厚みが大きい厚肉部となっている。
【0008】
上記構成の切替装置によれば、掴部の不動方向における中央部が、掴部を動かす方向である往復動方向での厚みが両端部よりも大きい厚肉部となっているため、ハンドルを操作する者の手に掴部が馴染みやすくなり、これにより、ハンドルの操作性が高まる。
【0009】
また、本発明の前記切替装置において、
前記厚肉部は、前記不動方向における中心部から前記不動方向において外側に向かうにつれて前記往復動方向での厚みが徐々に小さくなるように湾曲するように構成されるものであってもよい。
【0010】
このようにすれば、厚肉部の形状がなだらかになることで柔らかな手触りが生まれ、これにより、ハンドルを操作する者の手に掴部が馴染みやすくすることができる。
【0011】
また、本発明の前記切替装置において、
前記厚肉部は、前記往復動方向と前記不動方向に直交する直交方向における中心部から前記直交方向において外側に向かうにつれて前記往復動方向での厚みが徐々に小さくなるように湾曲するように構成されるものであってもよい。
【0012】
このようにする場合においても、厚肉部の形状がなだらかになることで柔らかな手触りが生まれ、これにより、ハンドルを操作する者の手に掴部が馴染みやすくなる。
【0013】
また、本発明の前記切替装置において、
前記厚肉部の前記往復動方向における外側面には、前記不動方向に延びる凸条が形成されるようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、掴部を掴んだ指に凸条がかかるため、厚肉部に対する指の滑りが抑えられるようになっている。
【0015】
また、本発明の前記切替装置において、
前記掴部は、
前記不動方向に並べて互いに連結される複数の分割体によって構成され、
前記複数の分割体には、
前記不動方向における厚肉部の中心部から一方の端部までを含む分割体と、
前記不動方向における厚肉部の中心部から他方の端部までを含む分割体と、が含まれるようにしてもよい。
【0016】
このようにすれば、ハンドルの分割位置が厚みの大きい厚肉部に設定されるため、掴部の剛性が損なわれにくくなる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の切替装置は、ハンドルの操作性が高いという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る切替装置の斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係る切替装置の斜視図であって、端子カバーを外した状態の斜視図である。
図3図3は、同実施形態に係る切替装置の部分断面の拡大図である。
図4図4は、同実施形態に係る切替装置における筐体の天面の拡大図である。
図5図5は、同実施形態に係る切替装置の一方の側面図である。
図6図6は、同実施形態に係る切替装置の他方の側面図である。
図7図7は、同実施形態に係る切替装置におけるハンドルの分解斜視図である。
図8図8は、同実施形態に係る切替装置におけるハンドルの横断面図である。
図9図9は、同実施形態に係る切替装置の天面図である。
図10図10は、同実施形態に係る切替装置におけるハンドルの動きを説明するための動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態にかかる切替装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0020】
本実施形態に係る切替装置1は、図1に示すように、筐体2と、筐体2の外部に取り付けられている複数の外部端子3と、筐体2に対して往復動可能な状態で取り付けられるハンドル4と、筐体2の外面に形成される表示部5と、を備えている。
【0021】
なお、本実施形態の切替装置1は、外部端子3上に配置する端子カバー6も備えている。
【0022】
筐体2は、図2に示すように、外部端子3を配置する端子配置部20と、ハンドル4が往復動可能な状態で挿通されるハンドル挿通部21と、筐体2の外面に形成される被保持部22と、を有する。
【0023】
筐体2には、切替装置1の取付場所に向けて配置される取付面F10と、取付面とは反対側の露出面F11とが含まれており(図5参照)、取付面F10と露出面F11とが並ぶ方向を高さ方向と称する。
【0024】
筐体2は、高さ方向に直交する方向のうちの一方向における寸法が高さ方向に直交する方向のうちの他方向における寸法よりも長くなっている。そのため、以下の説明においては、高さ方向に直交する方向のうちの一方向を長さ方向と称し、高さ方向に直交する方向のうちの他方向(高さ方向と長さ方向とに直交する方向)を幅方向と称する。
【0025】
また、筐体2の幅方向における一方の面は一側面F20、他方の面は他側面F21と称する(図9参照)。
【0026】
本実施形態の筐体2は、複数の端子配置部20を有する。
【0027】
本実施形態の筐体2は、長さ方向における一端部に位置する2つの端子配置部20と、長さ方向における他端部に位置する1つの端子配置部20とを有する。
【0028】
長さ方向における一端部に位置する2つの端子配置部20は、高さ方向における形成位置が異なっている。
【0029】
端子配置部20は、図3に示すように、外部端子3(後述する導電板部30)が載置される載置部200と、載置部200に載置される外部端子3を固定する固定部201と、を有する。
【0030】
固定部201は、幅方向における載置部200の両端側に立設されている縦壁202(図1参照)に形成された凹部によって構成されている。
【0031】
固定部201を構成する凹部には、外部端子3の後述する突出片部301が挿し込まれる。そのため、固定部201は、突出片部301の側部と上部を覆うことによって外部端子3(導電板部300が載置部200に載置されている状態の外部端子3)を位置決めできるようになっている。
【0032】
なお、1つの端子配置部20が有する載置部200の数は1つであっても複数であってもよいが、本実施形態の端子配置部20は、2つの載置部200を有するように構成されている。また、固定部201は1つの載置部200に対して2つずつ形成されている。
【0033】
ハンドル挿通部21は、図4に示すように、筐体2の露出面F11の一部を構成している。また、ハンドル挿通部21は、筐体2の外方(露出面F11の前方)に向かって凸となるように湾曲する複数の湾曲部210を有し、複数の湾曲部210は、幅方向で互いに間隔を空けて並んでいる。そのため、隣り合う湾曲部210の間には、長さ方向に延びるスリット211が形成されている。
【0034】
被保持部22は、切替装置1を持つ者が指で掴む部分である。
【0035】
本実施形態の切替装置1では、筐体2の一側面F20(図5参照)と他側面F21(図6参照)とに一つずつ被保持部22が形成されている。
【0036】
被保持部22は、幅方向で真っすぐに見た形状が円形状になっている。また、被保持部22の外周縁部220よりも内側の部分は、中心部に向かうにつれて幅方向における内側に向かうように湾曲した凹面221によって構成されている。
【0037】
外部端子3は、図3に示すように、導電性を有する導電板部300と、幅方向において導電板部300の端部から外方に突出する突出片部301と、を有する。
【0038】
複数の外部端子3には、1つの常用端子3と、該常用端子3に電気的に接続された状態と、該常用端子3に電気的に切り離された状態とに切替可能な切替端子3とが含まれている。本実施形態の切替装置1では、複数の外部端子3が1つの常用端子3と2つの切替端子3とで構成されている。
【0039】
常用端子3は、具体的には、負荷に対して電気的に接続される負荷用端子であり、2つの切替端子3のうちの一方は、商用電源に対して電気的に接続される商用端子であり、2つの切替端子3のうちの他方は、分散電源に対して電気的に接続される分散端子である。
【0040】
負荷用端子となる常用端子3は、長さ方向における一端部に位置する2つの端子配置部20のうち取付面側に位置する端子配置部20に配置され、商用端子となる切替端子3は、長さ方向における一端部に位置する2つの端子配置部20のうち露出面側に位置する端子配置部20に配置され、分散端子となる切替端子3は、長さ方向における他端部に位置する端子配置部20に配置される。
【0041】
なお、図1図2においては、常用端子3には符号「3A」を付し、常用端子3用の端子配置部20には符号「20A」を付している。また、商用端子となる切替端子3には符号「3B」を付し、かかる切替端子3用の端子配置部20には符号「20B」を付している。さらに、分散端子となる切替端子3には符号「3C」を付し、かかる切替端子3用の端子配置部20には符号「20C」を付している。
【0042】
ハンドル4は、図1に示すように、筐体2の外部に配置される掴部40と、掴部40の外面に形成される滑止部41と、掴部40から延出し、筐体2内に挿し込まれている脚部42と、を有する。
【0043】
ハンドル4は、脚部42が筐体2内で幅方向に延びる回転軸に対して回転可能に取り付けられているため、切替装置1を筐体2の露出面側から見ると、掴部40は長さ方向において往復動し、切替装置1を一側面、若しくは他側面側から見ると、掴部40は回転軸を中心とする円弧状の軌道に沿って動くようになっている(図10参照)。
【0044】
また、本実施形態の切替装置1では、被保持部22の上端部は、掴部40の軌道に合わせて湾曲した形状になっており、切替装置1を扱う者に掴部40の軌道(掴部40を動かす方向)を想起させやすくなっている。
【0045】
なお、掴部40は往復動する往復動方向に対して直交する方向には動かないため、この方向を不動方向と称する。本実施形態の切替装置1では、往復動方向と長さ方向とが一致し、不動方向と幅方向とが一致している。
【0046】
掴部40には、図9に示すように、不動方向における中央部400と、中央部400よりも不動方向において外側に位置する一対の外端部401と、が含まれる。
【0047】
中央部400は、往復動方向における厚みが外端部401の往復動方向における厚みよりも大きい厚肉部400となっている。以下、中央部400は厚肉部400と称する。厚肉部400には、少なくとも一部に外端部401よりも往復動方向における厚みが大きくなっている部分が含まれていればよい。
【0048】
厚肉部400は、不動方向における中心部から不動方向における外側に向かうにつれて往復動方向における厚みが徐々に小さくなるように形成されている。そのため、厚肉部400を筐体2の露出面F11側から見ると、往復動方向における厚肉部400の両側面は、往復動方向における外側に向かって膨らんでいる。
【0049】
また、厚肉部400は、往復動方向と不動方向とに直交する直交方向(ハンドル4の脚部42が筐体2の取付面F10から延出する方向)における中心部から直交方向における外側に向かうにつれて往復動方向における厚みが徐々に小さくなるように形成されている。そのため、厚肉部400を筐体2の一側面F20側、若しくは他側面F21側から見た場合も、往復動方向における厚肉部400の両側面は、往復動方向における外側に向かって膨らんでいる。
【0050】
外端部401は、不動方向における基端から先端に向かうにつれて往復動方向における厚みが徐々に小さくなるように形成されている。
【0051】
また、外端部401は、直交方向における中心部から直交方向における外側に向かうにつれて往復動方向における厚みが徐々に小さくなるように形成されている。そのため、外端部401を筐体2の一側面F20側、若しくは他側面F21側から見ると、往復動方向における両側面が往復動方向における外側に膨らんでいる。
【0052】
このように、掴部40では、往復動方向における両側面全体が、筐体2の露出面側から見ても、筐体2の一側面F20側、若しくは他側面側F21から見ても湾曲した形状となっている。
【0053】
滑止部41は、掴部40の側面に形成された複数の凸条410を有する。凸条410は、掴部40の側面形状に沿って不動方向に延びている。
【0054】
図5、及び図6に示すように、掴部40の側面の不動方向における一方側には、直交方向で並べて形成される複数の凸条410が形成され、掴部40の側面の不動方向における他方側にも、直交方向で並べて形成される複数の凸条410が形成されている。すなわち、複数の凸条410は、直交方向と不動方向とで整列している。
【0055】
また、掴部40を一側面F20側、若しくは他側面側F21から見ると、上述のように掴部40は外側に膨らむように湾曲した形状となっているが、複数の凸条410のそれぞれの先端は、一直線上に沿って並んでいる。
【0056】
ここで、本実施形態の掴部40は、図7に示すように、不動方向に並べた状態で互いに連結される複数の分割体43によって構成されている。
【0057】
分割体43は、不動方向で隣り合う別の分割体43と対向する対向面430と、不動方向で隣り合う別の分割体43との連結部分となる連結部431と、を有する。
【0058】
本実施形態の掴部40は、2つの分割体43によって構成されており、この2つの分割体43は同一の形状のものである。また、各分割体43には、脚部42が1つずつ形成されている。
【0059】
対向面430は、分割体43の不動方向における一端面を構成している。
【0060】
本実施形態の分割体43は、連結部431が隣り合う別の分割体43の連結部431と嵌合可能となるように構成されている。
【0061】
より具体的に説明すると、連結部431は、図8に示すように、対向面430から不動方向における外側に突出する連結凸部4310と、対向面430に形成され、且つ連結凸部4310を挿込可能な連結凹部4311と、を有する。
【0062】
2つの分割体43は対向面430を対向させると、一方の分割体43の連結凸部4310と他方の分割体43の連結凹部4311とが対向し、他方の分割体43の連結凸部4310と一方の分割体43の連結凹部4311とが対向した状態になる。
【0063】
そして、一方の分割体43の連結凸部4310を他方の分割体43の連結凹部4311に挿し込み、他方の分割体43の連結凸部4310を一方の分割体43の連結凹部4311に挿し込むと分割体43同士が連結されるようになっている。
【0064】
このようにして2つの分割体43を連結して組み立てた掴部40では、2つの分割体43の継ぎ目が不動方向における掴部40の中央部400に形成される。
【0065】
表示部5は、図9に示すように、筐体2の露出面F11に形成される複数の切欠領域50を有する。この複数の切欠領域50は、取付面を切替装置1の取付場所に配置した状態で、正面側に向けられる露出面F11に形成されているため、切替装置1を扱う者が視認しやすくなっている。
【0066】
さらに、複数の切欠領域50には、切替端子3を配置する端子配置部20に形成される配置部側切欠領域50と、露出面F11のうちの筐体2を露出面F11側から見た状態で配置部側切欠領域50と隣り合う位置に形成される露出面側切欠領域50とが形成されている。
【0067】
そして、露出面側切欠領域50や、露出面F11の露出面側切欠領域50に隣接する領域に露出面側切欠領域50が形成されている端子配置部20の種類や用途を示す表示が形成されていれば、表示付きの露出面側切欠領域50と該露出面側切欠領域50に隣り合う配置部側切欠領域50とハンドル4の傾きとを確認することによって、常用端子3に接続されている切替端子3を判別しやすくなったり、配線作業を行う切替端子3を判別しやすくなる。
【0068】
例えば、商用端子用の端子配置部20Bに形成されている配置部側切欠領域50に隣接する露出面側切欠領域50(又は露出面側切欠領域50に隣接する領域)に商用電源を示す表示が形成され、分散端子用の端子配置部20Cに形成されている配置部側切欠領域50に隣接する露出面側切欠領域50(又は露出面側切欠領域50に隣接する領域)に分散電源を示す表示が形成されていれば、露出面側切欠領域50と配置部側切欠領域50とハンドル4の傾きとに基づいて、常用端子が商用端子、分散端子のどちらに接続されているかを確認しやすくなり、また、露出面側切欠領域50と配置部側切欠領域50とに基づいて切替端子3が商用端子であるか分散端子であるかを見分けやすくなったりする。
【0069】
本実施形態の切替装置1の構成は、以上の通りである。ハンドル4の掴部40は、掴部40自身が動く方向(本実施形態の切替装置1では往復動方向)の両側から操作者によって掴まれる。本実施形態の掴部40では、厚肉部400の往復動方向での厚みが、各外端部401の往復動方向での厚みよりも大きくなっているため、ハンドル4を操作する者の手に掴部40が馴染みやすくなり、これにより、ハンドル4の操作性が高まるという優れた効果を奏し得る。
【0070】
また、厚肉部400は、不動方向における中心部から不動方向における外側に向かうにつれて往復動方向での厚みが徐々に小さくなるように湾曲しているため、厚肉部400の形状をなだらかにしてひっかかりのない柔らかな手触りが生まれるようにでき、これにより、ハンドル4を操作する者の手に掴部40がより馴染みやすくなる。
【0071】
なお、本実施形態の掴部40では、厚肉部400の側面と外端部401の側面とがひとつながりになっているため、掴部40の側面全体が不動方向における全体に亘って湾曲した形状になっており、手触りのよさがより高まる。
【0072】
さらに、厚肉部400は、直交方向における中央部400から直交方向における外側に向かうにつれて往復動方向における厚みが徐々に小さくなるように湾曲するようにも構成されているため、ハンドル4を操作する者の手に掴部40がより馴染みやすくなる。
【0073】
なお、本実施形態の掴部40では、上述のように厚肉部400の側面と外端部401の側面とがひとつながりになっているため、掴部40の側面全体が直交方向における全体に亘って湾曲した形状になっており、手触りのよさがより高まる。
【0074】
このように、本実施形態の掴部40は側面全体が湾曲した形状となっているため、操作者が掴部40を指で包み込むように掴みやすくなる。
【0075】
さらに、本実施形態の切替装置1では、厚肉部400の往復動方向における側面に不動方向に延びる凸条410が形成されるため、掴部40を掴んだ指に凸条410がかかることで、厚肉部400に対する指の滑りを抑えられるようになっている。
【0076】
また、掴部40には、複数の凸条410が直交方向と不動方向とで整列するように形成されており、しかも、厚肉部400と外端部401とに亘って延びるように形成されているため、厚肉部400に対する指の滑りが抑えられやすくなっている。
【0077】
さらに、本実施形態の切替装置1では、筐体2の一側面と他側面には、中心部に向かうにつれて幅方向における内側に向かうように湾曲した凹面221を有する被保持部22が形成されているため、切替装置1を扱う者が筐体2を掴みやすくなっている。
【0078】
また、この被保持部22(外周縁部220)の上端部側は、掴部40の軌道に合わせて湾曲した形状になっているため、切替装置1を扱う者に掴部40の軌道(掴部40を動かす方向)を想起させやすくなっている。
【0079】
さらに、本実施形態の切替装置1では、掴部40は2つの分割体43により構成されていたが、この2つの分割体43の継ぎ目は厚肉部400に形成されるようになっているため、掴部40の剛性が損なわれにくくなる。
【0080】
また、2つの分割体43は、それぞれ同一の形状であるため、掴部40を組み立てる際に異なる種類の部品を用意する必要がなくなり、組立作業の効率が高まるようになっている。
【0081】
さらに、本実施形態の切替装置1では、導電板部300が載置部200に載置されている状態で導電板部300から突出する突出片部301を固定部201に挿通することができるため、端子配置部20に配置した外部端子3の位置ずれやがたつきを抑えることもできるようになっている。
【0082】
なお、本発明に係る切替装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0083】
上記実施形態の切替装置1の説明において特に言及しなかったが、ハンドルは、手動での操作に加えて自動で作動するように構成されたものであってもよい。
【0084】
上記実施形態の切替装置1は、1つの常用端子3に対する2つの切替端子3の接続状態を切り替えるものであったが、例えば、1つの常用端子3に対する1つの切替端子3の接続状態を切り替えるものであってもよい。具体的に説明すると、上記実施形態の切替装置1は、いわゆる、切替開閉器であってもよいし、ブレーカや、開閉器等の機器であってもよい。
【0085】
上記実施形態の厚肉部400の側面は、不動方向における外側から中心部にかけて往復動方向における外側に徐々に膨らむように湾曲していたが、この構成に限定されない。例えば、厚肉部400の側面は、不動方向における外側よりも中心部の厚みが大きくなっていれば、段状に形成されていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態の厚肉部400の側面は、直交方向における外側から中心部にかけても往復動方向における外側に徐々に膨らむように湾曲していたが、例えば、直交方向における外側よりも中心部の厚みが大きくなっていれば、段状に形成されていてもよい。
【0087】
なお、上記実施形態の厚肉部400の側面は、直交方向における外側から中心部にかけては真っ直ぐに形成されていてもよい。
【0088】
上記実施形態の掴部40は、2つの分割体43により構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、掴部40は、3つ以上の分割体43により構成されていてもよい。
【0089】
上記実施形態の掴部40では、複数の凸条410のそれぞれの先端が一直線上に沿って並んでいたが、この構成に限定されない。例えば、複数の凸条410のそれぞれの先端は、曲線上に沿って並んでいてもよいし、ジグザグに並んでいてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…切替装置、2…筐体、3…外部端子、4…ハンドル、5…表示部、6…端子カバー、20…端子配置部、21…ハンドル挿通部、22…被保持部、30…当接板部、40…掴部、41…滑止部、42…脚部、43…分割体、200…載置部、201…固定部、202…縦壁、210…湾曲部、211…スリット、220…外周縁部、221…凹面、300…当接板部、301…突出片部、400…中央部(厚肉部)、401…外端部、410…凸条、430…対向面、431…連結部、4310…連結凸部、4311…連結凹部、F10…取付面、F11…露出面、F20…一側面、F21…他側面
図1
図2
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図7
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図9
図10