(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065533
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、文書データ管理システムの製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20240508BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240508BHJP
【FI】
G06F21/31
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174454
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 卓司
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 幸徳
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】契約締結依頼の信頼性を高めること。
【解決手段】文書データ管理サービスを提供するためのプログラムであって、コンピュータのプロセッサに、第1のユーザから、承認対象となる文書データの指定と、文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップと、指定された第2のユーザに対して、文書データの承認を依頼するための通知であって、承認の対象となる文書データのアクセス先の情報ではない文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む通知を送信するステップと、第2のユーザから、通知に含まれるリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、受け付けられたリンク情報へのアクセスに基づいて、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを提示するステップと、を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、文書データと、各ユーザによる前記文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するためのプログラムであって、
第1のユーザから、承認対象となる前記文書データの指定と、前記文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップと、
指定された前記第2のユーザに対して、前記文書データの承認を依頼するための通知であって、前記承認の対象となる前記文書データのアクセス先の情報ではない前記文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む前記通知を送信するステップと、
前記第2のユーザから、前記通知に含まれる前記リンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
受け付けられた前記リンク情報へのアクセスに基づいて、前記第2のユーザに対し、前記文書データ管理サービスを介して、前記第1のユーザから承認を依頼される前記文書データを提示するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記送信するステップにおいて、前記通知に含まれる前記リンク情報として、
前記文書データ管理サービスを第1の手段により利用するための第1のリンク情報と、
前記文書データ管理サービスを前記第1の手段とは異なる第2の手段により利用するための第2のリンク情報とを含み、
前記提示するステップにおいて、前記第1の手段または前記第2の手段により、前記文書データを前記第2のユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記アクセスを受け付けるステップにおいて、前記第1の手段と、前記第2の手段のいずれで前記文書データ管理サービスを前記第2のユーザに利用させる場合も前記第2のユーザから認証用の情報を受け付けており、
前記提示するステップにおいて、前記認証用の情報に基づき前記第2のユーザの認証に成功した場合に、前記文書データ管理サービスを介して、前記文書データを提示し、
前記アクセスを受け付けるステップにおいて、前記認証用の情報により前記第2のユーザの認証に成功した履歴がある場合、前記第2のユーザからアクセスがあった際、前記第1の手段における前記認証用の情報の入力をするための操作を、前記第2の手段における前記認証用の情報の入力をするための操作よりも軽減して、前記第2のユーザに前記文書データ管理サービスを利用させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記送信するステップにおいて、
前記第1の手段として、前記第2のユーザの端末においてインストール可能なアプリケーションであって前記文書データ管理サービスを利用するための前記アプリケーションを起動させるための第1のリンク情報と、
前記第2の手段として、前記文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトをウェブブラウザ上で表示させるための第2のリンク情報と、を含む前記通知を前記第2のユーザに対し送信し、
前記提示するステップにおいて、
前記アプリケーションの実行により前記端末において表示される画面、または、
前記端末において前記ウェブブラウザで表示される前記ウェブサイトの画面により、前記文書データを前記第2のユーザに提示する、請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2のユーザから、前記第1のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
前記第2のユーザから、起動された前記アプリケーションから、前記文書データ管理サービスへのログインを実行するために、前記認証用の情報として、前記第2のユーザに関する第1の認証情報の入力および前記第1の認証情報とは異なる第2の認証情報の入力を受け付けるステップと、
前記第1の認証情報および前記第2の認証情報の入力に基づき、前記文書データ管理サービスへ前記第2のユーザをログインさせるステップと、を実行させ、
前記ログインさせるステップにおいて、前記認証用の情報の入力により前記第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、前記成功にかかる前記認証用の情報の入力から一定期間内において前記第2のユーザが前記アプリケーションにより前記文書データ管理サービスにアクセスする際、前記認証用の情報の入力を前記第2のユーザから受け付けずとも、前記第2のユーザを前記文書データ管理サービスにログインさせ、
前記提示するステップにおいて、前記第2のユーザが前記文書データ管理サービスへログインしている状態である場合に、前記第2のユーザに対し、前記文書データ管理サービスを介して、前記第1のユーザから承認を依頼される前記文書データを提示する、
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2のユーザから、前記第2のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
前記第2のユーザから、表示された前記ウェブブラウザ上の前記ウェブサイトから、前記文書データ管理サービスへのログインを実行するために、前記認証用の情報として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報との入力を受け付けるステップを実行させ、
前記ログインさせるステップにおいて、前記認証用の情報の入力により前記第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、前記成功にかかる前記認証用の情報の入力から一定期間内において前記第2のユーザが前記ウェブブラウザにより前記ウェブサイトにアクセスする際、前記認証用の情報として、前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とのうち少なくともいずれかの入力を受け付けて、前記第2のユーザを前記文書データ管理サービスにログインさせる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2のユーザから、前記第1のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
前記第2のユーザから、起動された前記アプリケーションから、前記文書データ管理サービスへのログインを実行するために、前記認証用の情報として、前記第2のユーザに関する第1の認証情報の入力および前記第1の認証情報とは異なる第2の認証情報の入力を受け付けるステップと、
前記第1の認証情報および前記第2の認証情報の入力に基づき、前記文書データ管理サービスへ前記第2のユーザをログインさせるステップと、を実行させ、
前記ログインさせるステップにおいて、前記認証用の情報の入力により前記第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、前記成功にかかる前記認証用の情報の入力から一定期間内において前記第2のユーザが前記アプリケーションにより前記文書データ管理サービスにアクセスする際、前記第1の認証情報と前記第2の認証情報とのうちいずれか一方の入力を第2のユーザから受け付けることにより、前記第2のユーザを前記文書データ管理サービスにログインさせ、
前記提示するステップにおいて、前記第2のユーザが前記文書データ管理サービスへログインしている状態である場合に、前記第2のユーザに対し、前記文書データ管理サービスを介して、前記第1のユーザから承認を依頼される前記文書データを提示する、
請求項4記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2のユーザから、前記第2のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
前記第2のユーザから、表示された前記ウェブブラウザ上の前記ウェブサイトから、前記文書データ管理サービスへのログインを実行するために、前記認証用の情報として前記第1の認証情報と前記第2の認証情報との入力を受け付けるステップを実行させ、
前記ログインさせるステップにおいて、前記認証用の情報の入力により前記第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、前記成功にかかる前記認証用の情報の入力から一定期間内において前記第2のユーザが前記ウェブブラウザにより前記ウェブサイトにアクセスする際、前記認証用の情報として、前記第1の認証情報と前記第2の認証情報との両方の入力を受け付けて、前記第2のユーザを前記文書データ管理サービスにログインさせる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、文書データと、各ユーザによる前記文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するための方法であって、
前記プロセッサが、
第1のユーザから、承認対象となる前記文書データの指定と、前記文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップと、
指定された前記第2のユーザに対して、前記文書データの承認を依頼するための通知であって、前記承認の対象となる前記文書データのアクセス先の情報ではない前記文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む前記通知を送信するステップと、
前記第2のユーザから、前記通知に含まれる前記リンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
受け付けられた前記リンク情報へのアクセスに基づいて、前記第2のユーザに対し、前記文書データ管理サービスを介して、前記第1のユーザから承認を依頼される前記文書データを表示させるためのアクセス情報を提示するステップと、
を実行する方法。
【請求項10】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記情報処理装置は、文書データと、各ユーザによる前記文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するためのものであり、前記制御部が、
第1のユーザから、承認対象となる前記文書データの指定と、前記文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップと、
指定された前記第2のユーザに対して、前記文書データの承認を依頼するための通知であって、前記承認の対象となる前記文書データのアクセス先の情報ではない前記文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む前記通知を送信するステップと、
前記第2のユーザから、前記通知に含まれる前記リンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
受け付けられた前記リンク情報へのアクセスに基づいて、前記第2のユーザに対し、前記文書データ管理サービスを介して、前記第1のユーザから承認を依頼される前記文書データを表示させるためのアクセス情報を提示するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項11】
文書データ管理システムの製造方法であって、
文書データと、各ユーザによる前記文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスをユーザに提供するための情報処理装置に、
第1のユーザから、承認対象となる前記文書データの指定と、前記文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップと、
指定された前記第2のユーザに対して、前記文書データの承認を依頼するための通知であって、前記承認の対象となる前記文書データのアクセス先の情報ではない前記文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む前記通知を送信するステップと、
前記第2のユーザから、前記通知に含まれる前記リンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、
受け付けられた前記リンク情報へのアクセスに基づいて、前記第2のユーザに対し、前記文書データ管理サービスを介して、前記第1のユーザから承認を依頼される前記文書データを提示するステップと、
を実行させるためのプログラムを、提供することを含む、文書データ管理システムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、文書データ管理システムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
契約書の電子データをインターネット上で交換して電子署名を施すことで契約を締結し、企業のサーバあるいはクラウドストレージなどに電子データを保管しておく技術がある。
【0003】
特許文献1には、複数の契約当事者の各端末装置に、異なるURLが記載された電子メールを一斉に送信することで、各URLのリンク先にて各契約当事者が電子署名すべき電子契約書の閲覧を促すことについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、送信者を偽って契約締結を促す締結依頼メールが送信され、契約締結であると見せかけて不正なアクセスへと誘導するいわゆるフィッシングメールであっても、受信者が適正なメールであると判断してしまう場合がある。受信者が、このようなフィッシングメールに含まれる偽のリンク情報あるいは添付ファイルを誤って開いてしまうと、ユーザ端末がコンピュータウイルスに感染する、または、なりすましのウェブサイト上でユーザが誤って個人情報を送信して個人情報を盗まれる等の被害を受けるおそれがある。
【0006】
そこで、本開示において、契約締結依頼の信頼性をよりいっそう高める技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、文書データと、各ユーザによる文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、第1のユーザから、承認対象となる文書データの指定と、文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップと、指定された第2のユーザに対して、文書データの承認を依頼するための通知であって、承認の対象となる文書データのアクセス先の情報ではない文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む通知を送信するステップと、第2のユーザから、通知に含まれるリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、受け付けられたリンク情報へのアクセスに基づいて、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを提示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、受信者である第2のユーザに対して、契約書などの文書データへアクセスするためのURLを含まない文書データの承認を依頼するための通知を送信することで、契約締結依頼メールの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の電子契約システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】受信者側端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】電子契約管理データベース2021のデータ構造を示す図である。
【
図6】送信時承認者情報2022のデータ構造を示す図である。
【
図7】承認履歴2023のデータ構造を示す図である。
【
図8】サーバ20を介した当事者間での契約締結の処理の流れを示す図である。
【
図9】文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションによるユーザ認証の流れを示す図である。
【
図10】文書データ管理サービスを利用するためのウェブブラウザ上のウェブサイトにおける、ユーザ認証の流れを示す図である。
【
図11】受信者宛てに送信された通知の画面例を示す図である。
【
図12】文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションから、文書データ管理サービスへのログインを実行するための画面例を示す図である。
【
図13】文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションから、文書データ管理サービスへのログインを実行するために認証コードの入力を要求する画面例を示す図である。
【
図14】文書データ管理サービスを利用するためのウェブブラウザ上のサイトから、文書データ管理サービスへのログインを実行するために認証コードの入力を要求する画面例を示す図である。
【
図15】ログイン実行後に契約データへのアクセスするための画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施の形態>
以下の実施形態では、文書データ管理サービスにおいて、契約を締結する当事者同士で、各当事者のユーザに、契約締結の対象である文書データを閲覧させつつ、当該文書データを承認する操作を行うよう、メール、メッセンジャーツール等で通知をする例を用いて説明する。
メール等の、ユーザ間で通知をするシステムにおいて、攻撃者によって不正なメールにファイルが添付され、当該ファイルを開くことで感染するコンピュータウィルスがある。ここで、電子契約において契約締結の依頼をするメールが送受信されることがあるが、当該メールにおいて添付ファイルを開く等によりコンピュータウィルスに感染してしまうのではないかとおそれを抱くユーザがいる場合、電子契約の利用が促進されないこととなる。
そこで、以下の実施形態では、電子契約による契約締結依頼の通知の信頼性をよりいっそう向上させる技術を提供することで、電子契約の利用をよりいっそう促す技術を提供する。
(1)文書データ管理サービスにログインすることにより、承認対象の文書データを閲覧させる
具体的には、当事者同士で契約等により文書データを承認する操作を依頼するための通知を、各当事者のユーザに宛ててメール等で送信するにあたり、承認の対象となる文書データの格納先の情報(URL等の形式で表示される、文書データの格納先にアクセスするための情報)を通知には含めず、文書データ管理サービスへログインするための情報を当該通知に含める。
(2)文書データ管理サービスを利用するための複数の手段と、ログイン操作の容易化
具体的には、文書データ管理サービスを利用するための複数の手段をユーザに提供する。当該複数の手段として、以下が含まれる。
第1の手段:ユーザの端末で実行可能なアプリケーションであって、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションにより、文書データ管理サービスを利用するもの。当該アプリケーションは、文書データ管理サービスを運営する事業者等により、ユーザに対して提供される。
第2の手段:ユーザの端末で動作するウェブブラウザにより、文書データ管理サービスを提供するためのウェブサイトにアクセスさせるもの。
文書データ管理サービスにおいて、ユーザに対し文書データを承認する操作を依頼するための通知において、第1の手段を利用するためのリンクと、第2の手段を利用するためのリンクを含める。
さらに、文書データ管理サービスにおいて、ユーザがアプリケーション(第1の手段)により利用する場合は、ウェブブラウザでウェブサイトにアクセスして利用する場合(第2の手段)よりも、サービスの利用に伴うユーザの認証のための操作を軽減することとしてもよい。
ここで、文書データ管理サービスは、二要素以上の要素により、ユーザの認証を行うこととし、当該認証に成功している場合は、その履歴に基づき、一定期間については、ユーザの認証を行うための操作の一部を省略することとしてもよい。ここで、アプリケーションを利用する場合のほうが、ウェブブラウザでウェブサイトを閲覧する場合と比べて、認証を行うために省略できる操作を多くする(ユーザが行う認証のための操作を減らす)こととしてもよい。これにより、アプリケーションにより文書データ管理サービスを利用することが各ユーザに促される。
例えば、文書データ管理サービスにおいて、二要素以上の要素によるユーザの認証を前提としつつ、端末にインストールされるアプリケーションを利用してユーザの認証を行った場合は、以降、一定期間については認証の入力を要さないようにしつつウェブブラウザを利用した場合は少なくとも1つの要素での認証を要することとしてもよい。
また、例えば、アプリケーションを利用する場合は、当初必要とされる要素でのユーザの認証よりも少ない要素でユーザの認証を行うこととしつつ、ウェブブラウザでウェブサイトにアクセスして文書データ管理サービスを利用する場合は、アプリケーションを利用する場合よりも多い要素でユーザの認証を行うこととしてもよい。
本実施形態において、ユーザは、PC(personal computer)、スマートフォン、タブレット等の携帯端末を操作し、文書データ管理サービスを利用する。文書データ管理サービスは、文書データと、その文書データの内容について承認をしたユーザの情報とを管理するものであり、各ユーザに文書データの内容を閲覧させつつ、各ユーザから、文書データの内容に承認をする操作を受け付ける。例えば、契約締結をする当事者同士で、各当事者のユーザが、文書データ管理サービスを利用することにより、電子契約により文書データについて承認をする操作を行い、契約を締結する。電子契約では、契約当事者間で合意された内容である、電子契約を締結する対象となる契約データについて、両当事者間で承認をする操作を行うことで契約締結を進行させる。また、誓約書など、両当事者間の契約を示すものではあるが、当事者のうち一方のユーザが、文書データに承認をする操作を行うこともある。
【0012】
契約データは、両当事者で合意された契約条件に基づき、例えば、少なくとも以下のようにして作成されるものを含む。
・ドキュメントを作成するためのソフトウェアにより作成される契約書のデータ
・契約条件の各項目と、項目それぞれについて両当事者で合意された内容とを対応付けたデータ
【0013】
電子契約では、契約データを承認するための承認者が一人以上存在する。承認者は契約データに基づき、当該契約データの内容に示される条件での契約締結の可否を判断する。
【0014】
以下で説明する電子契約システム1において、サーバ20は、法人または個人である複数のユーザの間で電子契約を締結させるためのものである。なお、個人には、個人事業主が含まれる。
・法人同士の電子契約の締結
例えば、法人などの第1のユーザと同じく法人などの第2のユーザとの間で、第1のユーザと第2のユーザとを契約主体として、契約締結に合意する。
・法人と個人との電子契約の締結
例えば、不動産賃貸借契約、雇用契約、保険契約などのように、不動産管理会社などの法人である第1のユーザと、個人である第2のユーザとの間で、第1のユーザと第2のユーザとを契約主体として、契約締結に合意する。
・個人同士の電子契約の締結
また、契約当事者としては2以上の場合があり得る(例えば、三者間契約)。
【0015】
<1.1 システム全体の構成図>
図1は、実施形態の電子契約システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子契約システム1は、受信者側端末装置10と、送信者側端末装置30と、サーバ20とを含み、これらの装置がネットワーク80によって互いに通信可能に接続されている。
【0016】
図1の例では、ユーザが使用する受信者側端末装置10を示している。受信者側端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末である。
【0017】
受信者側端末装置10は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じたシステムを操作する環境をユーザに対して提供する。受信者側端末装置10は、プログラムを読み込んで実行することにより、受信者側端末装置10と、送信者側端末装置30と、サーバ20とを通信接続する。そして、受信者側端末装置10は、電子契約に関連するデータ(例えば、契約データ、各ユーザが契約データを承認したことを示す情報、契約締結された契約データをユーザに閲覧させる情報等)を、受信者側端末装置10と送信者側端末装置30とサーバ20との間で送受信する。
【0018】
サーバ20は、電子契約に必要なデータを、適宜、受信者側端末装置10へ送信することで、受信者側端末装置10での電子契約の状況を可視化させる。サーバ20は、電子契約を操作するユーザの電子契約に関連する各種データを管理する。サーバ20は、受信者側端末装置10と通信し、各ユーザの電子契約の進行に応じて、画像、ファイル、テキストデータなどを受信者側端末装置10へ送信する。
【0019】
例えば、サーバ20は、電子契約に関連するユーザの情報、電子契約に使用する契約データの情報、電子契約においてあるユーザが承認した承認日時の情報などその他の各種データを管理する。
【0020】
受信者側端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0021】
通信IF12は、受信者側端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0022】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0023】
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0024】
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0025】
記憶部16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0026】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0027】
サーバ20は、電子契約により契約締結を行うユーザの情報、電子契約の際に使用する契約データその他の情報を管理する装置である。
【0028】
サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0029】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0030】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0031】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0032】
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0033】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0034】
送信者側端末装置30は、通信IF(Interface)32と、入力装置33と、出力装置34と、メモリ35と、記憶部36と、プロセッサ39とを備える。
【0035】
通信IF32は、送信者側端末装置30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0036】
入力装置33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0037】
出力装置34は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0038】
メモリ35は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0039】
記憶部36は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0040】
プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0041】
<1.2 受信者側端末装置10の機能的な構成>
図2は、受信者側端末装置10の機能的な構成を示す図である。受信者側端末装置10は、アンテナ111と、無線通信部121と、プロセッサ19と、操作受付部130と、記憶部16と、メモリ15と、ディスプレイ132と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカー142と、位置情報センサ150と、カメラ160とを含む。
【0042】
アンテナ111は、受信者側端末装置10が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を無線通信部121へ与える。
【0043】
無線通信部121は、受信者側端末装置10が他の通信機器と通信するため、アンテナ111等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。無線通信部121は、チューナー、高周波回路などを含む無線通信用の通信モジュールであり、受信者側端末装置10が送受信する無線信号の変復調あるいは周波数変換を行い、受信信号をプロセッサ19へ与える。
【0044】
プロセッサ19は、記憶部16に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、受信者側端末装置10の動作を制御する。プロセッサ19は、例えばアプリケーションプロセッサによって実現される。
【0045】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。例えば、操作受付部130は、マウス、タッチパッド、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、コントローラ、ユーザの身体の動きを入力操作としてセンシングする撮影手段等として実現される。例えば、操作受付部130において、ユーザの身体の動きとして、手などの身体の部位の動き、ユーザの顔の表情などをセンシングすることにより、これら身体の部位等の動きを入力操作として受け付ける。操作受付部130は、タッチパッドまたはタッチパネル等に対してユーザが指を接触させる等により入力操作を受け付けた座標に基づいて、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0046】
記憶部16は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等により構成され、受信者側端末装置10が使用するプログラム、および、受信者側端末装置10がサーバ20から受信する各種データ等を記憶する。
【0047】
ディスプレイ132は、プロセッサ19の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)その他の表示装置によって実現される。
【0048】
音声処理部140は音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号をプロセッサ19へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカー142へ与える。
【0049】
マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。
【0050】
スピーカー142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を受信者側端末装置10の外部へ出力する。
【0051】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
【0052】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0053】
記憶部16において、電子契約管理情報161、送信時承認者情報162、承認履歴163の各情報を記憶する。
電子契約管理情報161は、各電子契約を管理するための情報である。
送信時承認者情報162は、受信者側端末装置10で締結を進める電子契約において、送信者側端末装置30で指定された、受信者側の承認者の情報を示す。
承認履歴163は、各電子契約において、承認者となるユーザが承認したタイミングの情報を含む、承認の履歴の情報を示す。
【0054】
プロセッサ19がプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191、送受信部192、データ処理部193、報知制御部194としての機能を発揮する。
【0055】
入力操作受付部191は、操作受付部130等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、操作受付部130が例えばタッチ・センシティブ・デバイスである場合、タッチ・センシティブ・デバイスに対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0056】
送受信部192は、受信者側端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0057】
データ処理部193は、受信者側端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0058】
報知制御部194は、情報をユーザに提示する処理として、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカー142に出力させる処理、振動をバイブレータ等に発生させる処理などを行う。
【0059】
<1.3 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0060】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0061】
記憶部202は、電子契約管理データベース2021と、送信時承認者情報2022と、承認履歴2023等の各種データベースを記憶する。
【0062】
電子契約管理データベース2021は、電子契約システム1で締結される各契約の情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0063】
送信時承認者情報2022は、電子契約システム1で締結される各契約について、承認者として設定されているユーザの情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0064】
承認履歴2023は、各電子契約において、承認者となるユーザが承認したタイミングの情報を含む、承認の履歴のデータベースである。詳細は後述する。
【0065】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、電子契約情報取得モジュール2033、承認者ユーザ情報取得モジュール2034、承認日時情報取得モジュール2035として示す機能を発揮する。
【0066】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0067】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0068】
電子契約情報取得モジュール2033は、電子契約の情報を管理するための一連の処理を行うものである。
【0069】
承認日時情報取得モジュール2035は、承認者がいつ承認したかの日時の情報を管理するための一連の処理を行うものである。
【0070】
<1.4 電子契約を説明するための概念図>
図4は、電子契約を説明するための概念図である。
【0071】
本実施形態において「電子契約」とは、サーバ20を運営する事業者等により提供される文書データ管理サービスを用いて、契約当事者が合意している契約データに対し、以下のように署名鍵を用いて電子署名およびタイムスタンプを行うことが含まれる。
・契約当事者自身が用意する署名鍵を用いて、契約データに対し、当該契約当事者が電子署名およびタイムスタンプを行う
・文書データ管理サービスの事業者が用意する署名鍵を用いて、契約データに対し、契約当事者の意思に基づき(例えば、契約当事者が契約データを承認する操作に応答して)電子署名およびタイムスタンプを行う
【0072】
例えば、契約当事者が、それぞれの端末装置を操作することにより、サーバ20を介して端末装置間で契約書類のデータをインターネット上で交換し、契約当事者が合意の意思表示の入力操作を行うことにより、契約当事者が電子署名とタイムスタンプとを契約書類の電子データに付与することをいう。
【0073】
まず契約書送信者は、送信者側端末装置30を操作することにより、契約データを例えばクラウド上のサーバ20にアップロードする。サーバ20は、契約書送信者が合意した契約データに対し、契約書送信者の電子署名およびタイムスタンプを付与する。
【0074】
契約書送信者(第1のユーザ)は、契約書受信者(第2のユーザ)に合意締結を依頼するための操作を行う。具体的には、送信者側端末装置30は、ユーザから、契約書受信者を指定する操作を受け付けてサーバ20へ送信する。本実施形態では、送信者側端末装置30は、契約者送信者(第1のユーザ)から、1または複数の契約書受信者(第2のユーザ)を特定する情報を受け付けて、サーバ20を介して、契約書受信者のユーザに合意締結を依頼する。契約書送信者から受け付ける、ユーザを特定する情報としては、以下のようにしてもよい。
・契約書受信者それぞれのメールアドレス
・契約書受信者が利用しているサービスのアカウント(例えば、サーバ20が提供している文書データ管理サービスにおいてユーザアカウントを発行している場合、ユーザIDなど、当該ユーザアカウントを特定する情報。またサーバ20が提供している文書データ管理サービスとは別のサービスにおいてユーザアカウントを特定する情報など)
【0075】
電子契約システム1のサーバ20は、契約書送信者の第1のユーザによって指定された契約書受信者(第2のユーザ)側のメールアドレスに宛てて、文書データである契約データの合意締結(承認)を依頼するための通知を契約書受信者に電子メールで送付する。
当該通知には、以下が含まれる。
・契約書受信者の端末にインストールされるアプリケーションであって、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションを起動するためのリンク
・文書データ管理サービスのウェブサイトへウェブブラウザでアクセスするためのリンク
・文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションをダウンロードするためのリンク
ここで、サーバ20が契約書受信者に対して契約データの合意締結(承認)を依頼するための通知を送信する方法として、以下が含まれる。
・契約書受信者のメールアドレスに宛てて通知を電子メールにより送信する
・契約書受信者が利用する、文書データ管理サービス以外のサービス(SNS(Social Network Service)アカウント、メッセンジャーツールのアカウント、等)のユーザのアカウントに宛てて、当該サービスの機能により通知する
・契約書受信者が使用する端末のOS(Operating System)の機能として、端末にインストールされるアプリケーションに関する通知を行う
・契約書受信者が使用する端末に割り当てられている電話番号に宛てて、SMS(Short Message Service)、MMS(Multimedia Messaging Service)により通知を行う
【0076】
ここで、サーバ20は、契約書送信者(第1のユーザ)から、複数の契約書受信者(第2にユーザ)の閲覧順の指定を受け付けることとしてもよい。例えば、サーバ20は、契約書送信者から、契約書受信者の複数のメールアドレスの指定を受け付けた場合、指定されているメールアドレスの順序に従って、順に、契約データの合意締結を依頼するための通知を、各契約書受信者に送付することとしてもよい。
【0077】
例えば、契約書送信者(第1のユーザ)によって、契約書受信者(第2のユーザ)として第1のメールアドレス、第2のメールアドレス、第3のメールアドレスが指定されていたとする。サーバ20は、まず、第1のメールアドレスの第1の契約書受信者に対し、契約データの合意締結を依頼するための通知を送信して、第1の契約書受信者から承認をする操作を受け付ける。サーバ20は、第1の契約書受信者から、契約データに対し承認をする操作を受け付けることに応答して、当該第1の契約書受信者が承認をしたこと及び承認をしたタイミングを記録し(例えば、当該承認をする操作に応答して、第1の契約書受信者の電子署名を付与する)、第2のメールアドレスの第2の契約書受信者に対し、契約データの合意締結を依頼するための通知を送信する。以降、サーバ20は、同様に、第2の契約書受信者が承認をしたこと及び承認をしたタイミングを記録し(例えば、当該承認をする操作に応答して、第2の契約書受信者の電子署名を付与する)、第2の契約書受信者が承認したことに応答して第3の契約書受信者に対し、契約データの合意締結を依頼するための通知を送信し、第3の契約書受信者から承認をする操作を受け付ける。
【0078】
契約書受信者(第2のユーザ)は、受信者側端末装置10において受信した電子メールに記載されたリンクをクリックし、文書データ管理サービスと連携するアプリケーションまたはウェブブラウザを起動させ、その後の認証処理を経て、オンラインでサーバ20上の契約データの内容を確認することで、契約書に合意締結(承認)することができる。受信者側端末装置10は、この契約書について合意をすることを示す操作を受け付けるための画面を受信者側端末装置10のユーザに提示して、合意するための操作を当該ユーザから受け付ける。
この時点で契約内容に瑕疵があるような場合、サーバ20は、契約書受信者から、契約に合意をしない旨の操作を受け付けることとしてもよい。
【0079】
サーバ20は、契約書受信者から、契約データについて合意する操作を受け付けることにより、当該契約データに、契約書受信者の電子署名およびタイムスタンプを付与する。契約データは、サーバ20に保管される。契約当事者双方の電子署名・タイムスタンプが付与されることで、契約書の改ざんは防止される。
【0080】
本実施形態は、このようなクラウド型の文書データ管理サービスを実現するものである。以下の実施形態では、文書データ管理サービスである文書データ管理サービスにおいて管理される契約データへの承認に関して、契約締結依頼メールの信頼性を高めるための技術について説明する。
【0081】
<2 データ構造>
図5乃至
図7は、サーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、
図5乃至
図7は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0082】
図5は、電子契約管理データベース2021のデータ構造を示す図である。電子契約管理データベース2021の各レコードは、項目「契約ID」と、項目「送信者側書類送信日時」と、項目「契約のステータス」と、項目「契約完了日時」と、項目「送信者側メールアドレス」と、項目「受信者側メールアドレス1」と、項目「受信者側メールアドレス2」と、項目「受信者側メールアドレス3」と、項目「電子契約に用いた書類ID」とを含む。図示する例では、電子契約における送信者側のユーザ(第1のユーザ)から、複数の受信者側のユーザ(第2のユーザ)として3名の指定を受け付けることが可能な例を示しているが、3名までに限らない。
【0083】
項目「契約ID」は、電子契約により締結される各契約について、例えばサーバ20により発行される識別情報を示す。
【0084】
具体的には、項目「契約ID」は、ユーザ間で電子契約により締結される各契約を管理する際に必要となる、電子契約に対して一意なIDのことである。
【0085】
項目「送信者側書類送信日時」は、電子契約により契約を締結するために送信者側のユーザがサーバ20へ契約データを送信したタイミングを示す。例えば、サーバ20は、送信者側のユーザから、契約データのアップロードを受け付ける処理をすることにより、当該処理を行ったタイミングを、項目「送信者側書類送信日時」において保持させる。
【0086】
項目「契約のステータス」は、送信者側と受信者側とで締結を進めている電子契約の締結の状況を示す。具体的には、当事者間での電子契約の締結の状況として、以下を含みうる。
・「未契約」:ユーザ間での電子契約の締結作業が開始されていない状態。例えば、電子契約の締結作業にかかわるユーザの指定を受け付けている状態
・「契約締結中」:電子契約の締結において各ユーザが指定されているが、指定された各ユーザのうち少なくともいずれかのユーザから、契約の内容を承認する操作を受け付けていない状態
・「契約完了」:電子契約の締結において指定されている各ユーザが承認する操作をサーバ20で受け付けて、電子契約による契約の締結が完了した状態
【0087】
項目「送信者側メールアドレス」は、送信者側のユーザを特定する情報を示し、具体的には送信者側のユーザのメールアドレスを示す。
【0088】
項目「受信者側メールアドレス1」は、受信者側のユーザを特定する情報を示し、具体的には受信者側のユーザのメールアドレス(1個目)を示す。
【0089】
項目「受信者側メールアドレス2」は、上記と同様に受信者側のユーザを特定する情報を示し、具体的には受信者側のメールアドレス(2個目)を示す。
【0090】
項目「受信者側メールアドレス3」は、上記と同様に受信者側のユーザを特定する情報を示し、具体的には受信者側のメールアドレス(3個目)を示す。
【0091】
項目「電子契約に用いた書類ID」は、電子契約の対象となる書類のデータの識別情報(ID)を示す。例えば、書類の識別情報として、サーバ20が電子契約の対象として書類のデータのアップロードを受け付けることにより当該書類のデータと関連付けて発行する一意な情報(当該書類に発行する識別情報、当該書類に各端末装置がアクセスするためのリンク情報など)を含む。
【0092】
図6は、送信時承認者情報2022のデータ構造を示す図である。送信時承認者情報2022の各レコードは、項目「契約ID」と、項目「承認者1ユーザID」と、項目「承認者2ユーザID」と、項目「承認者3ユーザID」と、を含む。図示する例では、電子契約における送信者側のユーザ(第1のユーザ)から、複数の受信者側のユーザ(第2のユーザ)として3名の指定を受け付けることが可能な例を示しているが、3名までに限らない。
【0093】
項目「契約ID」は、電子契約により締結される各契約について、例えばサーバ20により発行される識別情報を示す。
【0094】
具体的には、項目「契約ID」は、ユーザ間で電子契約により締結される各契約を管理する際に必要となる、電子契約に対して一意なIDのことである。
【0095】
項目「承認者1ユーザID」は、電子契約の送信者側のユーザによって指定される、受信者側の承認者(一人目)のユーザのIDを示す。
【0096】
項目「承認者2ユーザID」は、同様に受信者側の承認者(二人目)のユーザのIDを示す。
【0097】
項目「承認者3ユーザID」は、同様に受信者側の承認者(三人目)のユーザのIDを示す。
【0098】
図7は、承認履歴2023のデータ構造を示す図である。承認履歴2023は、項目「契約ID」と、項目「承認者1ユーザID」と、項目「承認者1の承認日時」と、項目「承認者2ユーザID」と、項目「承認者2の承認日時」と、項目「承認者3ユーザID」と、項目「承認者3の承認日時」と、を含む。図示する例では、電子契約における送信者側のユーザ(第1のユーザ)から、複数の受信者側のユーザ(第2のユーザ)として3名の指定を受け付けることが可能な例を示しているが、3名までに限らない。
【0099】
項目「契約ID」は、電子契約により締結される各契約について、例えばサーバ20により発行される識別情報を示す。
【0100】
具体的には、項目「契約ID」は、ユーザ間で電子契約により締結される各契約を管理する際に必要となる、電子契約に対して一意なIDのことである。
【0101】
項目「承認者1ユーザID」は、承認者(一人目)のユーザのIDを示す。
【0102】
項目「承認者1の承認日時」は、承認者(一人目)が承認した日時を示す。
【0103】
項目「承認者2ユーザID」は、承認者(二人目)のユーザのIDを示す。
【0104】
項目「承認者2の承認日時」は、承認者(二人目)が承認した日時を示す。
【0105】
項目「承認者3ユーザID」は、承認者(三人目)のユーザのIDを示す。
【0106】
項目「承認者3の承認日時」は、承認者(三人目)が承認した日時を示す。
【0107】
<第1の実施形態の動作>
次に、電子契約システム1を構成する各装置の動作について説明する。
【0108】
図8は、サーバ20を介した当事者間での契約締結の処理の流れを示す図である。以下の例では、電子契約による契約締結に際して、送信者である第1のユーザが、受信者である第2のユーザを特定したうえで、サーバ20を介して契約締結を進めていく例を説明する。
【0109】
ステップS601において、送信者側端末装置30は、送信者(第1のユーザ)から、第1のユーザと第2のユーザとの電子契約で用いる書類のデータを指定する操作を受け付ける。送信者側端末装置30は、受け付けた書類のデータを契約データとしてサーバ20へ送信する。
【0110】
契約データをサーバへ送信するにあたり、送信者側端末装置30は、送信者(第1のユーザ)から、書類の宛先として、受信者(第2のユーザ)のメールアドレスの入力を受け付ける。送信者側端末装置30は、受け付けたメールアドレスの情報をサーバ20へ送信する。
【0111】
ステップS631において、サーバ20は、送信者側端末装置30から、電子契約で用いる契約データを受信する。サーバ20は、送信者側端末装置30から受信した情報(契約データ、第1の事業者のユーザを指定する情報等)に基づき、電子契約管理データベース2021を更新する。
【0112】
ステップS632において、サーバ20は、指定された受信者に対し、契約書承認を依頼する通知を含む電子メールを受信者に送信する。
【0113】
通知には、各ユーザが承認する対象となる文書データのアクセス先の情報ではなく、文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報が含まれている。具体的には、リンク情報は、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーション(受信者側端末装置10でインストールされるアプリケーション)を起動するためのURLとして記述されるリンクと、文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトをウェブブラウザ上で表示させるためのURLとして記述されるリンクとを含む。例えば、受信者側端末装置10は、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションを起動するためのURLを指定する操作をウェブブラウザ上でユーザから受け付けた場合、ウェブブラウザのダイアログを表示させて、インストールされたアプリケーションを起動するか否かの操作をユーザから受け付ける。
【0114】
ステップS651において、受信者(第2のユーザ)の受信者側端末装置10は、サーバ20から、電子メール等で通知を受信する。
【0115】
ステップS652において、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、電子メール等の通知に含まれる文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報へのアクセスを受け付けて、サーバ20へ送信する。例えば、受信者側端末装置10は、受信者に対し、上記のアプリケーションを起動するためのリンクと、ウェブサイトをウェブブラウザで表示させるためのリンクとを表示する画面を提供し、受信者から、いずれかのリンクを指定する入力操作を受け付ける。
【0116】
ステップS633において、サーバ20は、受信者(第2のユーザ)からのアクセスを受信した場合、契約内容を示す契約データを表示させるための情報を受信者に提示する。具体的には、サーバ20は、受信者が指定したリンク情報に応じて、契約データを表示させるための情報として、アプリケーションへのログインを促すための情報、若しくは、ウェブブラウザで表示されるウェブサイトから、文書データ管理サービスへのログインの実行を促すための情報を受信者に提示する。
【0117】
ステップS653において、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、サーバから提示される情報に基づき、ログインの実行を受け付けて、サーバへ送信する。ログインの実行は、後述する、2つ以上の異なる認証要素を組み合わせたユーザ認証(多要素認証)によって受け付けられる。
【0118】
ステップS634において、ユーザ認証が適正に行われた場合、サーバ20は、契約データを受信者(第2のユーザ)に提示する。具体的に、サーバ20は、ログインが行われたユーザのアカウント情報に基づき、電子契約管理データベース2021に管理される情報を参照して、ユーザが契約締結の操作を行うべき契約書を特定し、ユーザに契約データを提示する。ユーザへの提示は、ディスプレイ132に情報を表示する、音声で通知する等により、行われる。
【0119】
ステップS654において、受信者側端末装置10は、承認者である受信者(第2のユーザ)から、契約データの内容を確認し、契約締結するための入力操作(承認をする入力操作)を受け付ける。受信者側端末装置10は、契約締結するための入力操作に応答して、契約締結することを示す情報をサーバ20へ送信する。
【0120】
ステップS635において、サーバ20は、第2のユーザから、契約データについて契約締結することを示す情報を受信し、承認履歴2023、電子契約管理データベース2021等の各種情報を更新する。
【0121】
サーバ20は、承認者となっている第2のユーザから、契約締結することを示す情報を受信することにより、第1のユーザと、第2のユーザ(例えば、電子契約の締結にあたり、送信者または受信者として関わるユーザのメールアドレス)とに対し、契約締結が完了したことを示す情報を送信する。例えば、サーバ20は、第2のユーザのメールアドレスに宛てて、第1のユーザの側で契約締結の作業が完了したことの通知、契約締結の対象となった書類を閲覧するためのリンク情報等を含むメッセージを送信する。
【0122】
ステップS602において、送信者側端末装置30は、ディスプレイ132に情報を表示する等により、送信者(第1のユーザ)に対し、電子契約締結の完了の結果を提示する。
以上により、サーバ20は、契約データについて、第1のユーザと第2のユーザとの合意が成立したものとして、契約データを各種データベースに基づき管理する。
【0123】
(認証処理)
図9は、文書データ管理サービスと連携するアプリケーションによるユーザ認証の流れを示す図である。
図9の認証処理は、
図8における、ステップS651の処理から開始し、ステップS634の処理で終了する。
【0124】
ステップS651において、受信者側端末装置10は、サーバ20から、契約書承認を依頼する通知を含む電子メールを受信する。
【0125】
ステップS6521aにおいて、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、通知に含まれる文書データ管理サービスの利用を開始するための第1のリンク情報(文書データ管理サービスと連携するアプリケーションへアクセスするためのURLとして記述されるリンク)へのアクセスを受け付けて、サーバ20へ送信する。
【0126】
ステップS633において、サーバ20は、受信者(第2のユーザ)からのアクセスを受信した場合、受信者に対して、契約データを表示させるための情報として、アプリケーション上の文書データ管理サービスへのログイン画面を提示し、ログインを受け付ける。このログイン処理において入力される情報は、第1の認証情報であり、例えば、ユーザのアカウント情報とパスワードである。アカウント情報としては、ユーザが指定するメールアドレス、任意の文字列からなる情報などが挙げられる。
【0127】
ステップS6531aにおいて、受信者側端末装置10は、受信者から、ログイン画面において、第1の認証情報の入力を受け付け、サーバ20へ送信する。サーバ20は、第1の認証情報を適正に受け付けると続いて第2の認証情報の入力を要求する。
ここで、サーバ20は、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションから、文書データ管理サービスへのログイン処理としてユーザから第1の認証情報を受け付け、さらに、第2の認証情報の入力を受け付けた場合(二要素以上の要素により認証をした場合)、その後の一定期間内における当該ユーザのログインについては、認証に要する操作を軽減することとしてもよい。例えば、サーバ20は、端末にインストールされたアプリケーションを介してユーザから二要素以上の要素で認証を受け付けてから一定期間内である場合に、当該認証に用いた端末にインストールされたアプリケーションを介して当該ユーザが文書データ管理サービスを利用する際には、第1の認証情報および第2の第2の認証情報の入力を省略できることとしてもよいし、第1の認証情報の入力は受け付けつつ第2の認証情報の入力は省略できることとしてもよい。例えば、サーバ20は、受信者(第2のユーザ)が第2の認証情報を入力することなしに、過去に受け付けられた第2の認証情報を、自動的に第2の認証情報として受け付けることとしてもよい。このような第2の認証情報の省略は、アプリケーションを介したログイン処理をする際のユーザの利点であり、ウェブブラウザでウェブサイトからログイン処理を実行する場合には、二要素以上の認証(すなわち、第2の認証情報の入力など)が毎回求められることとしてもよい。
【0128】
アプリケーションを介したログイン処理において省略される第2の認証情報としては、
パスワード、認証コードなどが挙げられる。認証コードとしては、SMS(ショートメッセージサービス)や予め指定したメールアドレスへ送信される任意の文字列からなる情報が挙げられる。すなわち、サーバ20は、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションまたはウェブサイトとは別のユーザーインターフェース(例えば、上記のSMS等)で、ユーザから、第2の認証情報の入力を受け付ける。
【0129】
ステップS6331aにおいて、ユーザがアプリケーションを起動して文書データ管理サービスを利用している場合に、以前に第2の認証情報が適正に受け付けられて一定期間内であるか否かが判定され、一定期間内である場合には、第2の認証情報の入力が省略され、ステップS634の処理へ移行する。一方、ユーザがアプリケーションを起動して文書データ管理サービスを利用している場合であっても、第2の認証情報が受け付けられてから一定期間を超えている場合には、サーバ20は、受信者(第2のユーザ)へ、第2の認証情報の入力を要求する(ステップS6332a)。
【0130】
ステップS6532aにおいて、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、第2の認証情報の入力を受け付け、サーバ20へ送信する。
【0131】
ステップS634において、サーバ20は、ユーザ認証が適正に行われた場合、契約データを受信者に提示する。
【0132】
図10は、文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトにおいて、ウェブブラウザでの操作により行うユーザ認証の流れを示す図である。
図10の認証処理は、
図8における、ステップS651の処理から開始し、ステップS634の処理で終了する。
【0133】
ステップS651において、受信者側端末装置10は、サーバ20から、契約書承認を依頼する通知を含む電子メールを受信する。
【0134】
ステップS6521bにおいて、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、通知に含まれる文書データ管理サービスの利用を開始するための第2のリンク情報(文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトを、ウェブブラウザにより表示させるためのURLとして記述されるリンク)へアクセスを受け付けて、サーバへ送信する。
【0135】
ステップS633において、サーバ20は、受信者(第2のユーザ)からのアクセスを受信した場合、受信者に対して、契約データを表示させるための情報として、ウェブブラウザの画面に、文書データ管理サービスのウェブサイト(ログイン画面を表示したページ)を提示し、サービスへのログインを受け付ける。このログイン処理において入力される情報は、第1の認証情報であり、例えば、ユーザのアカウント情報とパスワードである。アカウント情報としては、ユーザが指定するメールアドレス、任意の文字列からなる情報などが挙げられる。
【0136】
ステップS6531bにおいて、受信者側端末装置10は、受信者から、ログイン画面において第1の認証情報の入力を受け付け、サーバ20へ送信する。第1の認証情報が適正に受け付けられると、続いて第2の認証情報の入力が要求される。
【0137】
ステップS6532bにおいて、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、第2の認証情報の入力を受け付け、サーバ20へ送信する。第2の認証情報としては、
パスワード、認証コードなどが挙げられる。認証コードとしては、SMS(ショートメッセージサービス)や予め指定したメールアドレスへ送信される任意の文字列からなる情報が挙げられる。
【0138】
ステップ634において、ユーザ認証が適正に行われた場合、契約データを受信者に提示する。
【0139】
以上のようにサーバ20は、送信時承認者情報2022、承認履歴2023の各情報に基づき、各承認者へ契約データを閲覧させ、承認をする操作を要求する。
【0140】
以上のようにサーバ20は、受信者(第2のユーザ)へ、契約データを提示するに際して、アプリケーションから、文書データ管理サービスへのログインを実行するときに、以前に第2の認証情報の入力が受け付けられて一定期間内である場合に、第2の認証情報の入力を省略し、ユーザ認証を簡略化する。
【0141】
<画面例>
図11は、受信者宛てに送信された通知の画面例を示す図である。
【0142】
図11の画面例は、サーバ20から、受信者(第2のユーザ)へ送信される電子メールに含まれる、契約書承認を依頼する通知を表示する画面である。
図8等のステップS651の処理に対応する。
【0143】
通知を表示する画面1100は、以下の各情報を表示する。画面1100に表示される通知には、文書データ管理サービスにおいて、承認の対象として確認をする契約データの格納場所(契約データへ直接アクセスするURL)を示す情報は含まれず、アプリケーション若しくはウェブブラウザで利用するウェブサイトからアクセスする、文書データ管理サービスのログイン画面へのリンク情報が含まれている。
・領域1100A:契約書承認依頼に関するメッセージに関する情報
・領域1100B:文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションへの第1のリンク情報(アプリケーションから、文書データ管理サービスのログイン画面へアクセスするためのURLとして記述されるリンク)
・領域1100C:文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトへの第2のリンク情報(文書データ管理サービスのログイン画面へアクセスするためのURLとして記述されるリンク)
・領域1100D:アプリケーションのダウンロードを促すメッセージに関する情報
・領域1100E:アプリケーションをダウンロードするサービスにアクセスするためのリンク情報
【0144】
契約書承認者である受信者(第2のユーザ)は、受信者側端末装置10において受信した電子メールに含まれる、「アプリを開く」と表記される第1のリンク情報1100B、若しくは「ウェブブラウザを開く」と表記される第2のリンク情報1100Cを指定する操作をすることにより、アプリケーション若しくはウェブブラウザを起動させる。
【0145】
通知には、契約データに直接アクセスするリンク情報が含まれないので、フィッシング締結依頼メールのように、偽の契約データ情報にアクセスすることが防止される。
【0146】
受信者(第2のユーザ)がアプリケーションをダウンロードしていない場合には、画面1100に表示される、「アプリをダウンロード」と表記されるリンク情報1100Eへアクセスすることで、アプリケーションをダウンロードするサービスを利用することができる。
【0147】
図12は、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションから、文書データ管理サービスへのログインを実行するための画面例を示す図である。
【0148】
図12の画面例は、受信者(第2のユーザ)が、アプリケーションを起動させるための第1のリンク情報へのアクセス、若しくはウェブブラウザを起動させるための第2のリンク情報へのアクセスを受信した場合、サーバ20が、受信者に対して、契約データを表示させるための情報を表示する画面である。
図8等のステップS633の処理に対応する。
【0149】
画面1200は、以下の各情報を表示する。ここでは、画面1200が、アプリケーションを介してログインを実行するための画面、ウェブブラウザを介してログインを実行するための画面共通のものであるとして説明する。
・領域1200A:ユーザのアカウント名の入力枠に関する情報
・領域1200B:ユーザのパスワードの入力枠に関する情報
・領域1200C:ユーザがパスワードを忘れた場合に、パスワードを再設定するサービスへアクセスするためのリンク情報
・領域1200D:ログインを実行するためのボタンに関する情報
【0150】
受信者(第2のユーザ)は、受信者側端末装置10のディスプレイ132から、電子契約システム1においてユーザを識別する情報として、入力枠1200Aにユーザのアカウント情報を入力し、入力枠1200Bに予め設定したパスワード情報を入力する。受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)からの入力を受け付けて、サーバ20へ送信する。受信者(第2のユーザ)がこの画面1200で入力するアカウント情報とパスワード情報は、多要素認証における第1の認証情報である。
【0151】
サーバ20は、受信者側端末装置10から、第1の認証情報を適正に受け付けた場合、受信者(第2のユーザ)に対して、続けて第2の認証情報の入力を要求する。しかし、サーバ20は、アプリケーションを介して文書データ管理サービスへのログイン実行として第1の認証情報を受け付けた場合には、以前に第2の認証情報の入力を受け付けて一定期間内であることを条件に、第2の認証情報の入力を省略し、受信者(第2のユーザ)が第2の認証情報を入力することなしに、過去に受け付けられた第2の認証情報を、自動的に第2の認証情報として受け付ける。
【0152】
図13は、文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションを介して文書データ管理サービスへのログインを実行するために認証コードの入力を要求する画面例を示す図である。
【0153】
図13の画面例は、アプリケーションを介したログイン処理として、第2の認証情報の入力を要求する画面である。この画面1300は、サーバ20が、過去にアプリケーションを介したログイン処理を実行し、第2の認証情報の入力を受け付けて一定期間が経過している場合、あるいは初めてログインを実行する場合に表示される。
図9のステップS6332aの処理に対応する。
【0154】
画面1300は、以下の各情報を表示する。
・領域1300A:第2の認証情報の入力を促すメッセージに関する情報
・領域1300B:第2の認証情報の入力枠に関する情報
・領域1300C:次回以降の第2の認証情報の入力を省略できることを説明するメッセージに関する情報
・領域1300D:認証処理を実行するためのボタンに関する情報
【0155】
受信者(第2のユーザ)は、受信者側端末装置10のディスプレイ132から、入力枠1300Bに第2の認証情報を入力し、「認証」と表記された認証処理を実行するボタン1300Dを指定する操作を行う。受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、第2の認証情報の入力を受け付けて、サーバ20へ送信する。
【0156】
受信者が入力する第2の認証情報は、文書データ管理サービスに登録されている、受信者が保有する端末装置の電話番号宛に送信された認証コードである。認証コードは、第1の認証情報が適正に受け付けられたときに、受信者の端末装置へ、自動的に送信される。画面1300には、領域1300Cにおいて、アプリケーションを介して文書データ管理サービスを利用する場合には、次回以降の第2の認証情報の入力が一定期間省略されるというメリットが表示される。
【0157】
サーバ20は、受信者側端末装置10から、第2の認証情報を適正に受け付けた場合、受信者(第2のユーザ)に対して、契約データを提示する。
【0158】
図14は、文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトにおいてウェブブラウザ上の操作で文書データ管理サービスへのログイン処理を実行するために認証コードの入力を要求する画面例を示す図である。
【0159】
図14の画面例は、ウェブサイトにおけるログイン処理として、第2の認証情報の入力を要求する画面である。
図10のステップS6332bの処理に対応する。
【0160】
画面1400は、以下の各情報を表示する。
・領域1400A:第2の認証情報の入力を促すメッセージに関する情報
・領域1400B:第2の認証情報の入力枠に関する情報
・領域1400C:認証処理を実行するためのボタンに関する情報
【0161】
受信者(第2のユーザ)は、受信者側端末装置10のディスプレイ132から、入力枠1400Bに第2の認証情報を入力し、「認証」と表記された任所処理を実行するボタン1400Cを指定する操作を行う。受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、第2の認証情報の入力を受け付けて、サーバ20へ送信する。
【0162】
受信者が入力する第2の認証情報は、文書データ管理サービスに登録されている、受信者が保有する端末装置の電話番号宛に送信された認証コードである。認証コードは、第1の認証情報が適正に受け付けられたときに、受信者の端末装置へ、自動的に送信される。
【0163】
サーバ20は、受信者側端末装置10から、第2の認証情報を適正に受け付けた場合、受信者(第2のユーザ)に対して、契約データを提示する。
【0164】
図15は、ログイン実行後に契約データへのアクセスするための画面例を示す図である。
【0165】
図15の画面例は、受信者(第2のユーザ)に契約データを提示するために、文書データ管理サービスで管理される契約データへアクセスするための画面例を示す。
図8等のステップS634の処理に対応する。
【0166】
画面1500は、以下の各情報を表示する。
・領域1500A:ユーザがかかわる契約リストである旨を表示する情報
・領域1500B:1つめの契約データへアクセスするためのボタンに関する情報
・領域1500C:2つめの契約データへアクセスするためのボタンに関する情報
・領域1500D:3つめの契約データへアクセスするためのボタンに関する情報
・領域1500E:アクセス期限を超過した場合の対応を説明するメッセージに関する情報
【0167】
受信者(第2のユーザ)は、受信者側端末装置10のディスプレイ132に表示される画面1500から、自身にかかわる契約リストを確認することができる。画面1500上の契約リストは、矩形上のボタンとして表示され、受信者は、各ボタン1500B、1500C、1500Dをクリックすることで契約データを確認することができる。各ボタンの左上には、「契約未締結」若しくは「契約締結済」が表示され、受信者は、どの契約データが未締結であるかを容易に確認することができる。また、最新の契約データである場合には、「新着」が表示され、受信者は、新着案件の有無を容易に確認することができる。
【0168】
例えば、受信者は、契約データへアクセスするためのボタン1500Bをクリック等で指定し、アプリケーション若しくはウェブブラウザを介して、オンラインでサーバ20上の契約データの内容を確認して、合意締結することができる。受信者側端末装置10は、この契約書について合意をすることを示す操作を受け付けるための画面を受信者側端末装置10のユーザに提示して、合意するための操作を当該ユーザから受け付ける。
【0169】
未締結の契約データへアクセスするためのボタン1500B、1500Cには、URLのリンク情報の有効期限が表示されている。この期限を超過すると、ボタンをクリックしても契約データを提示する処理は実行されない。画面1500の領域1500Eには、アクセス期限を超過した場合には、送信者に再配信を依頼する必要があることが表示されている。
【0170】
サーバ20は、受信者(第2のユーザ)から、契約データについて合意する操作を受け付けることにより、当該契約データに、契約書受信者の電子署名およびタイムスタンプを付与する。契約データは、サーバ20に保管される。契約当事者双方の電子署名が付与されることで、契約書の改ざんは防止される。
【0171】
<変形例>
(1)アプリケーションを介した文書データ(契約データ)の承認を依頼するための通知の送信
サーバ20は、受信者(第2のユーザ)へ送信する、契約書を含む契約データの承認依頼の通知を、電子メールに代えて、電子契約管理サービスと連携するアプリケーションに搭載される通知手段によって実行することとしてもよい。
【0172】
例えば、アプリケーションのユーザである受信者(第2のユーザ)は、アプリケーションのサービスにログインした状態にあり、文書データ管理サービスに関するあらゆる通知を受け取ることができる。ログインした状態において、サーバ20は、受信者(第2のユーザ)に対して、アプリケーションに搭載される通知手段によって、契約書を含む契約データの承認依頼の通知を送信することとしてもよい。この通知は、端末装置のOSの通知機能によって、受信した時点で、ユーザの端末装置のディスプレイに自動的に表示されることとしてもよい。
【0173】
上記構成を採用すれば、文書データ管理サービスと連携したアプリケーションを利用することにより、ユーザは電子メールを確認することなく、アプリケーション上で通知の有無を確認することができ、ユーザの利便性を高めることができる。アプリケーションを介した通知とすることで、電子メールによって契約依頼の通知を受信する機会を減らすことができるので、フィッシング締結依頼メールによる被害を回避することができる。
【0174】
<変形例>
(2)ログイン実行の変形例
上記実施の形態においては、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、ログイン実行の画面1200において、ユーザのアカウント情報とパスワード情報との入力を受け付けて、第1の認証情報をサーバ20へ送信する構成を説明した。変形例では、これに代えて、端末装置10に搭載されるカメラ160で撮像されるユーザの顔画像を、ユーザの認証情報として使用することとしてもよい。
【0175】
例えば、受信者側端末装置10は、受信者(第2のユーザ)から、端末装置10のカメラ160で撮像されたユーザの顔画像を第1の認証情報として受け付けて、サーバ20へ送信する構成としてもよい。
【0176】
上記構成を採用すれば、ユーザによるログイン実行の処理において、アカウント情報とパスワードとを入力する手間が省かれるので、特にアプリケーションを利用するユーザの利便性を高めることができる。
【0177】
以上のように、受信者である第2のユーザに対して、契約データなどの文書データへアクセスするためのURLを含まない文書データの承認を依頼するための通知を送信することで、契約締結依頼メールの信頼性を高めることができる。
【0178】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態およびその変形は、発明の範囲、要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0179】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサ(29)と、メモリ(15)とを備えるコンピュータに実行させ、文書データと、各ユーザによる文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するためのプログラムであって、第1のユーザから、承認対象となる文書データの指定と、文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップ(S601)と、指定された第2のユーザに対して、文書データの承認を依頼するための通知であって、承認の対象となる文書データのアクセス先の情報ではない文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む通知を送信するステップ(S632)と、第2のユーザから、通知に含まれるリンク情報へのアクセスを受け付けるステップ(S652)と、受け付けられたリンク情報へのアクセスに基づいて、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを提示するステップ(S634)と、を実行させるプログラム。
【0180】
(付記2)
送信するステップ(S632)において、通知に含まれるリンク情報として、文書データ管理サービスを第1の手段により利用するための第1のリンク情報(1100B)と、文書データ管理サービスを第1の手段とは異なる第2の手段により利用するための第2のリンク情報(1100C)とを含み、提示するステップにおいて、第1の手段または第2の手段により、文書データを第2のユーザに提示する、付記1に記載のプログラム。
【0181】
(付記3)
アクセスを受け付けるステップ(S652)において、第1の手段と、第2の手段のいずれで文書データ管理サービスを第2のユーザに利用させる場合も第2のユーザから認証用の情報を受け付けており、提示するステップ(S634)において、認証用の情報に基づき第2のユーザの認証に成功した場合に、文書データ管理サービスを介して、文書データを提示し、アクセスを受け付けるステップ(S652)において、認証用の情報により第2のユーザの認証に成功した履歴がある場合、第2のユーザからアクセスがあった際、第1の手段における認証用の情報の入力をするための操作を、第2の手段における認証用の情報の入力をするための操作よりも軽減して、第2のユーザに文書データ管理サービスを利用させる、付記2に記載のプログラム。
【0182】
(付記4)
送信するステップ(S632)において、第1の手段として、第2のユーザの端末においてインストール可能なアプリケーションであって文書データ管理サービスを利用するためのアプリケーションを起動させるための第1のリンク情報と、第2の手段として、文書データ管理サービスを利用するためのウェブサイトをウェブブラウザ上で表示させるための第2のリンク情報と、を含む通知を第2のユーザに対し送信し、提示するステップ(S634)において、アプリケーションの実行により端末において表示される画面、または、端末においてウェブブラウザで表示されるウェブサイトの画面により、文書データを第2のユーザに提示する、付記1記載のプログラム。
【0183】
(付記5)
第2のユーザから、第1のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップ(S6521a)と、第2のユーザから、起動されたアプリケーションから、文書データ管理サービスへのログインを実行するために、認証用の情報として、第2のユーザに関する第1の認証情報の入力および第1の認証情報とは異なる第2の認証情報の入力を受け付けるステップ(S6531a)(S6532a)と、第1の認証情報および第2の認証情報の入力に基づき、文書データ管理サービスへ第2のユーザをログインさせるステップと、を実行させ、ログインさせるステップにおいて、認証用の情報の入力により第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、成功にかかる認証用の情報の入力から一定期間内において第2のユーザがアプリケーションにより文書データ管理サービスにアクセスする際、認証用の情報の入力を第2のユーザから受け付けずとも、第2のユーザを文書データ管理サービスにログインさせ、提示するステップ(S634)において、第2のユーザが文書データ管理サービスへログインしている状態である場合に、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを提示する、付記4記載のプログラム。
【0184】
(付記6)
第2のユーザから、第2のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、第2のユーザから、表示されたウェブブラウザ上のウェブサイトから、文書データ管理サービスへのログインを実行するために、認証用の情報として第1の認証情報と第2の認証情報との入力を受け付けるステップ(S6531b)(S6532b)を実行させ、ログインさせるステップにおいて、認証用の情報の入力により第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、成功にかかる認証用の情報の入力から一定期間内において第2のユーザがウェブブラウザによりウェブサイトにアクセスする際、認証用の情報として、第1の認証情報と第2の認証情報とのうち少なくともいずれかの入力を受け付けて、第2のユーザを文書データ管理サービスにログインさせる、付記5に記載のプログラム。
【0185】
(付記7)
第2のユーザから、第1のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、第2のユーザから、起動されたアプリケーションから、文書データ管理サービスへのログインを実行するために、認証用の情報として、第2のユーザに関する第1の認証情報の入力および第1の認証情報とは異なる第2の認証情報の入力を受け付けるステップ(S6531a)(S6532a)と、第1の認証情報および第2の認証情報の入力に基づき、文書データ管理サービスへ第2のユーザをログインさせるステップと、を実行させ、ログインさせるステップにおいて、認証用の情報の入力により第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、成功にかかる認証用の情報の入力から一定期間内において第2のユーザがアプリケーションにより文書データ管理サービスにアクセスする際、第1の認証情報と第2の認証情報とのうちいずれか一方の入力を第2のユーザから受け付けることにより、第2のユーザを文書データ管理サービスにログインさせ、提示するステップ(S634)において、第2のユーザが文書データ管理サービスへログインしている状態である場合に、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを提示する、付記4記載のプログラム。
【0186】
(付記8)
第2のユーザから、第2のリンク情報へのアクセスを受け付けるステップと、第2のユーザから、表示されたウェブブラウザ上のウェブサイトから、文書データ管理サービスへのログインを実行するために、認証用の情報として第1の認証情報と第2の認証情報との入力を受け付けるステップ(S6531b)(S6532b)を実行させ、ログインさせるステップにおいて、認証用の情報の入力により第2のユーザのログインに成功した履歴に基づいて、成功にかかる認証用の情報の入力から一定期間内において第2のユーザがウェブブラウザによりウェブサイトにアクセスする際、認証用の情報として、第1の認証情報と第2の認証情報との両方の入力を受け付けて、第2のユーザを文書データ管理サービスにログインさせる、付記5に記載のプログラム。
【0187】
(付記9)
プロセッサ(29)と、メモリ(15)とを備えるコンピュータに実行させ、文書データと、各ユーザによる文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するための方法であって、プロセッサが、第1のユーザから、承認対象となる文書データの指定と、文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップ(S601)と、指定された第2のユーザに対して、文書データの承認を依頼するための通知であって、承認の対象となる文書データのアクセス先の情報ではない文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む通知を送信するステップ(S632)と、第2のユーザから、通知に含まれるリンク情報へのアクセスを受け付けるステップ(S652)と、受け付けられたリンク情報へのアクセスに基づいて、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを表示させるためのアクセス情報を提示するステップ(S634)と、を実行する方法。
【0188】
(付記10)
制御部(29)と、記憶部(15)とを備える情報処理装置であって、情報処理装置は、文書データと、各ユーザによる文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスを提供するためのものであり、制御部が、第1のユーザから、承認対象となる文書データの指定と、文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップ(S601)と、指定された第2のユーザに対して、文書データの承認を依頼するための通知であって、承認の対象となる文書データのアクセス先の情報ではない文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む通知を送信するステップ(S632)と、第2のユーザから、通知に含まれるリンク情報へのアクセスを受け付けるステップ(S652)と、受け付けられたリンク情報へのアクセスに基づいて、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを表示させるためのアクセス情報を提示するステップ(S634)と、を実行する情報処理装置。
【0189】
(付記11)
文書データ管理システムの製造方法であって、文書データと、各ユーザによる文書データの承認状態とを管理する文書データ管理サービスをユーザに提供するための情報処理装置に、第1のユーザから、承認対象となる文書データの指定と、文書データを承認する1または複数の第2のユーザの指定とを行うための操作を受け付けるステップ(S601)と、指定された第2のユーザに対して、文書データの承認を依頼するための通知であって、承認の対象となる文書データのアクセス先の情報ではない文書データ管理サービスの利用を開始するためのリンク情報を含む通知を送信するステップ(S632)と、第2のユーザから、通知に含まれるリンク情報へのアクセスを受け付けるステップ(S652)と、受け付けられたリンク情報へのアクセスに基づいて、第2のユーザに対し、文書データ管理サービスを介して、第1のユーザから承認を依頼される文書データを提示するステップ(S634)と、を実行させるためのプログラムを、提供することを含む、文書データ管理システムの製造方法。
【符号の説明】
【0190】
1:電子契約システム、10:受信者側端末装置、12:通信IF、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:記憶部、19:プロセッサ、20:サーバ、22:通信IF、23:入出力IF、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、30:送信者側端末装置、32:通信IF、33:入力装置、34:出力装置、35:メモリ、36:記憶部、39:プロセッサ、80:ネットワーク、111:アンテナ、121:無線通信部、130:操作受付部、132:ディスプレイ、140:音声処理部、141:マイク、142:スピーカー、150:位置情報センサ、160:カメラ、161:電子契約管理情報、162:送信時承認者情報、163:承認履歴、191:入力操作受付部、192:送受信部、193:データ処理部、194:報知制御部、201:通信部、202:記憶部、203:制御部、2021:電子契約管理データベース、2022:送信時承認者情報、2023:承認履歴、2031:受信制御モジュール、2032:送信制御モジュール、2033:電子契約情報取得モジュール、2034:承認者ユーザ情報取得モジュール、2035:承認日時情報取得モジュール