(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065565
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】鋳造品の製造方法および鋳造品製造装置並びに金型
(51)【国際特許分類】
B22D 19/00 20060101AFI20240508BHJP
B22D 17/24 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B22D19/00 A
B22D17/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174494
(22)【出願日】2022-10-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000128175
【氏名又は名称】株式会社エフ・シー・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】三室 貴義
(57)【要約】
【課題】鋳造品に組み込まれたパイプに充填された非圧縮性流体を効率よく取り除くこと。
【解決手段】製造方法は、固定型30と可動型40とを含む金型20を準備する準備工程と、注入口103および排出口107が金型20から外部に露出するように、金型20内にパイプ100を配置する配置工程と、金型20を閉じる型締め工程と、注入口103から非圧縮性流体を注入して、パイプ100の本体部110の第3流路111内に非圧縮性流体を充填する第1充填工程と、可動型40と固定型30とによって形成された成形空間50に溶融した金属材料を充填する第2充填工程と、排出口107から第3流路111内に充填された非圧縮性流体を排出する排出工程と、可動型40を固定型30から離隔させて金型20を開き、第3流路111から非圧縮性流体が排出された鋳造品140を取り出す取り出し工程と、を包含する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非圧縮性流体が注入される注入口と、非圧縮性流体が排出される排出口と、前記注入口と前記排出口との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路と、を有するパイプと、
前記パイプを鋳ぐるむ金属材料と、を備えた鋳造品を製造する方法であって、
固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型とを含む金型を準備する準備工程と、
前記注入口および前記排出口が前記金型から外部に露出するように、前記金型内に前記パイプを配置する配置工程と、
前記可動型を前記固定型に接近させて、前記金型を閉じる型締め工程と、
前記注入口から非圧縮性流体を注入して、前記流路内に非圧縮性流体を充填する第1充填工程と、
前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に溶融した金属材料を充填する第2充填工程と、
前記排出口から前記流路内に充填された非圧縮性流体を排出する排出工程と、
前記可動型を前記固定型から離隔させて前記金型を開き、前記流路から非圧縮性流体が排出された前記鋳造品を取り出す取り出し工程と、を包含する、製造方法。
【請求項2】
固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含む金型であって、非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有する第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されたときに、前記注入口および前記排出口が外部に露出するように構成された金型と、
前記成形空間に配置された前記パイプの前記注入口および前記排出口に装着され、前記注入口から非圧縮性流体を注入しかつ前記排出口から非圧縮性流体を排出させる流体搬送装置と、を備えた、鋳造品製造装置。
【請求項3】
固定型と、
前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含み、
非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有しかつ前記第1直線部と平行な第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されるように構成された金型であって、
前記固定型または前記可動型は、
前記第1直線部が挿入されかつ前記第1直線部を保持する第1保持部と、
前記第2直線部が挿入されかつ前記第2直線部を保持する第2保持部と、を備え、
前記パイプの前記第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記パイプの前記本体部と前記固定型および前記可動型とは接触しないように構成されている、金型。
【請求項4】
前記パイプの前記第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記第1直線部および前記第2直線部が前記金型から外部に露出するように、前記第1保持部および前記第2保持部の長さが設定されている、請求項3に記載の金型。
【請求項5】
前記第1保持部および前記第2保持部を備えた前記固定型または前記可動型は、
前記第1直線部を側方から押圧する第1押圧部および前記第2直線部を側方から押圧する第2押圧部の少なくともいずれか一方を備えている、請求項3または4に記載の金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造品の製造方法および鋳造品製造装置並びに金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から鋳造品の製造において鋳ぐるみと呼ばれる方法が用いられている。例えば、鋳ぐるみによって製造された鋳造品には、この鋳造品自体の鋳造とは別に予め製造されたパイプが組み込まれている。より詳細には、鋳ぐるみでは、鋳造品を製造するための金型内にパイプが予め設置され、その後、この金型内に、アルミニウム合金等の金属材料を溶融させた溶湯が流し込まれる。これにより、パイプが組み込まれた鋳造品が製造される。例えば、パイプが組み込まれた鋳造品としては、駆動モータのケース等が挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、管状パイプの内部に充填材が満たされたスマートコアを、キャビティが形成された金型内に挿入し、キャビティに溶湯を注入した後に、スマートコア内の充填材を除去する鋳造品の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、スマートコアが組み込まれた鋳造品を金型から取り出した後に、管状パイプの内部の充填材を除去している。即ち、金型から鋳造品を取り出した後に、充填剤を除去するための装置に鋳造品をセットする必要がある。このため、鋳造品の製造時間が長くなる虞がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、鋳造品に組み込まれたパイプに充填された非圧縮性流体を効率よく取り除くことができる鋳造品の製造方法および鋳造品製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る鋳造品の製造方法は、非圧縮性流体が注入される注入口と、非圧縮性流体が排出される排出口と、前記注入口と前記排出口との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路と、を有するパイプと、前記パイプを鋳ぐるむ金属材料と、を備えた鋳造品を製造する方法であって、固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型とを含む金型を準備する準備工程と、前記注入口および前記排出口が前記金型から外部に露出するように、前記金型内に前記パイプを配置する配置工程と、前記可動型を前記固定型に接近させて、前記金型を閉じる型締め工程と、前記注入口から非圧縮性流体を注入して、前記流路内に非圧縮性流体を充填する第1充填工程と、前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に溶融した金属材料を充填する第2充填工程と、前記排出口から前記流路内に充填された非圧縮性流体を排出する排出工程と、前記可動型を前記固定型から離隔させて前記金型を開き、前記流路から非圧縮性流体が排出された前記鋳造品を取り出す取り出し工程と、を包含する。
【0008】
本発明に係る製造方法によると、パイプが金型に配置された状態で注入口から非圧縮性流体を注入し、成形空間に溶融した金属材料が充填された後に、パイプが金型内に配置された状態で排出口から非圧縮性流体を排出する。このように、鋳造品が金型内に存在する状態でパイプの流路に充填された非圧縮性流体を排出口から排出させるため、非圧縮性流体を除去するための装置に鋳造品をセットする必要がなく、鋳造品の製造時間の短縮を実現することができる。なお、パイプの流路に非圧縮性流体が充填された状態で、鋳造品を金型から取り出す場合には、パイプの注入口または排出口から非圧縮性流体が外部に飛び散る虞がある。しかし、上記製造方法によると鋳造品を金型から取り出すときには非圧縮性流体が排出されているため、非圧縮性流体が外部に飛び散る虞がない。
【0009】
また、本発明の鋳造品製造装置は、固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含む金型であって、非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有する第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されたときに、前記注入口および前記排出口が外部に露出するように構成された金型と、前記成形空間に配置された前記パイプの前記注入口および前記排出口に装着され、前記注入口から非圧縮性流体を注入しかつ前記排出口から非圧縮性流体を排出する流体搬送装置と、を備えている。
【0010】
本発明の鋳造品製造装置によれば、成形空間に配置されたパイプの注入口および排出口に装着された流体搬送装置は、注入口から非圧縮性流体を注入しかつ排出口から非圧縮性流体を排出させる。このように、パイプが金型内に配置された状態で、パイプの排出口から非圧縮性流体を排出させることができるため、非圧縮性流体を除去するための装置に鋳造品をセットする必要がなく、鋳造品の製造時間の短縮を実現することができる。また、注入口から非圧縮性流体を注入するときと、排出口から非圧縮性流体を排出するときとにおいて、流体搬送装置と金型との相対的な位置関係が変わらないため、精度よく非圧縮性流体の注入および排出を行うことができる。
【0011】
また、本発明の金型は、固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含み、非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有しかつ前記第1直線部と平行な第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されるように構成された金型であって、前記固定型または前記可動型は、前記第1直線部が挿入されかつ前記第1直線部を保持する第1保持部と、前記第2直線部が挿入されかつ前記第2直線部を保持する第2保持部と、を備え、前記パイプの第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記パイプの前記本体部と前記固定型および前記可動型とは接触しないように構成されている。
【0012】
本発明に係る金型によれば、パイプの第1直線部が第1保持部に保持されかつ第2直線部が第2保持部に保持された状態において、パイプの本体部と固定型および可動型とは接触しないように構成されている。このため、成形空間に溶融した金属材料を充填したときには、金属材料はパイプの本体部の全体を鋳ぐるむことになる。即ち、製造された鋳造品においてパイプの本体部は外部に露出しない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、鋳造品に組み込まれたパイプに充填された非圧縮性流体を効率よく取り除くことができる鋳造品の製造方法および鋳造品製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る鋳造品製造装置の模式図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るパイプを模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る鋳造品を模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る固定型の斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る固定型にパイプが保持された状態を示す側面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る鋳造品の製造方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、一実施形態に係る金型が閉じた状態を示す断面図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る固定型に保持されたパイプに流体搬送装置が連結された状態を示す側面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る金型において鋳造品が製造された状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係る可動型を固定型から離隔させて金型を開いた状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る鋳造品製造装置の実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る鋳造品製造装置10の模式図である。鋳造品製造装置10は、ダイカスト法、即ち高速高圧での鋳造方法を用いる装置である。ここで、高圧とは、例えば、20MPa~100MPaである。鋳造品製造装置10は、パイプ100(
図2参照)と、パイプ100を鋳ぐるむ金属材料120とを備えた鋳造品140(
図3参照)を製造する装置である。鋳造品製造装置10は、金型20と、流体搬送装置80と、を備えている。
【0017】
パイプ100は、熱伝導率の高い金属(例えばアルミニウム合金)から形成されている。
図2に示すように、パイプ100は、第1直線部102と、第1直線部102と平行な第2直線部106と、第1直線部102と第2直線部106との間に位置する本体部110と、を有する。第1直線部102と、第2直線部106と、本体部110とは一体的に形成されている。第1直線部102は、非圧縮性流体が注入される注入口103と、注入口103と連通しかつ非圧縮性流体が流通する第1流路104と、を有する。第2直線部106は、非圧縮性流体が排出される排出口107と、排出口107と連通しかつ非圧縮性流体が流通する第2流路108と、を有する。第1直線部102および第2直線部106の本体部110からの長さは同じであるが、異なっていてもよい。第1直線部102および第2直線部106は、本体部110から同じ方向に延びる。即ち、注入口103および排出口107は、同じ方向に向けて開口している。本体部110は、非圧縮性流体が流通する第3流路111を有する。第3流路111は、第1流路104および第2流路108と連通する。即ち、第3流路111は、注入口103および排出口107と連通する。第3流路111は、流路の一例である。本体部110は、らせん状に形成されている。なお、本体部110の形状は、らせん状に限定されない。
【0018】
図3に示すように、鋳造品140は、パイプ100と、パイプ100を鋳ぐるむ金属材料120とを含む。パイプ100と金属材料120とは一体化している。パイプ100のうち第1直線部102の一部と、第2直線部106の一部と、本体部110の全体とは金属材料120に覆われている。第1直線部102のうち注入口103を含む一部と、第2直線部106のうち排出口107を含む一部とは、金属材料120から外部に露出している。金属材料120は、例えば、パイプ100と同じ金属である。なお、金属材料120とパイプ100とは異なる金属であってもよい。鋳造品140は、例えば、駆動モータのケース等として利用され得る。
【0019】
図1に示すように、金型20は、固定型30と、固定型30に接近または離隔可能な可動型40とを含む。固定型30には、鋳造品140の一部を形成するために用いられるキャビティ部31(
図7参照)が形成されている。固定型30は、外表面30F(可動型40とは反対側の面)からキャビティ部31に向けて凹む凹部30Mを備えている。可動型40には、鋳造品140の他の一部を形成するために用いられるコア部41(
図7参照)が形成されている。可動型40を固定型30に接近させて、金型20を閉じたときに、可動型40と固定型30とによって成形空間50(
図7参照)が形成される。成形空間50には、パイプ100が配置される。成形空間50は、キャビティ部31およびコア部41によって区画される。
【0020】
図4に示すように、固定型30は、パイプ100の第1直線部102を保持する第1保持部32と、パイプ100の第2直線部106を保持する第2保持部36と、を備えている。第1保持部32および第2保持部36は、固定型30に形成された貫通孔である。第1保持部32および第2保持部36は、凹部30Mと連通している。
【0021】
図5に示すように、第1保持部32には、第1直線部102が挿入される。第1保持部32の内径と第1直線部102の外径とは、第1直線部102が第1保持部32に挿入された状態で、第1直線部102が第1保持部32に保持され、かつ、第1直線部102と第1保持部32との間でがたつきが生じないように設定されている。第1保持部32の内径と第1直線部102の外径とはほぼ同径である。第1保持部32の長手方向の長さは、第1直線部102が第1保持部32に保持された状態において、第1直線部102が金型20(ここでは固定型30)から外部に露出するように、その長さが設定されている。第1保持部32の長手方向の長さは、第1直線部102の長手方向の長さより短い。第1保持部32に第1直線部102が挿入された状態(即ちパイプ100が成形空間50に配置されたとき)には、第1直線部102の一部が金型20(ここでは固定型30)の外部に露出する。即ち、注入口103が固定型30の外部に露出する。注入口103は、固定型30の凹部30M内に位置する。なお、注入口103は、凹部30Mよりも外方に位置してもよい。
【0022】
図5に示すように、第2保持部36には、第2直線部106が挿入される。第2保持部36の内径と第2直線部106の外径とは、第2直線部106が第2保持部36に挿入された状態で、第2直線部106が第2保持部36に保持され、かつ、第2直線部106と第2保持部36との間でがたつきが生じないように設定されている。第2保持部36の内径と第2直線部106の外径とはほぼ同径である。第2保持部36の長手方向の長さは、第2直線部106が第2保持部36に保持された状態において、第2直線部106が金型20(ここでは固定型30)から外部に露出するように、その長さが設定されている。第2保持部36の長手方向の長さは、第2直線部106の長手方向の長さより短い。第2保持部36に第2直線部106が挿入された状態(即ちパイプ100が成形空間50に配置されたとき)には、第2直線部106の一部が金型20(ここでは固定型30)の外部に露出する。即ち、排出口107が固定型30の外部に露出する。排出口107は、固定型30の凹部30M内に位置する。なお、排出口107は、凹部30Mよりも外方に位置してもよい。なお、第1直線部102および第2直線部106が金型20(ここでは固定型30)から外部に露出していなくてもよい。この場合、例えば、第1保持部32を介してパイプ100の注入口103に非圧縮性流体を注入したり、第2保持部36を介してパイプ100の排出口107から非圧縮性流体を排出したりしてもよい。
【0023】
図5に示すように、パイプ100の第1直線部102が第1保持部32に保持されかつ第2直線部106が第2保持部36に保持された状態において、パイプ100は固定型30に保持されている。即ち、パイプ100は、第1保持部32および第2保持部36のみによって固定型30に保持されている。パイプ100の第1直線部102が第1保持部32に保持されかつ第2直線部106が第2保持部36に保持された状態において、パイプ100の本体部110と固定型30および可動型40とは接触しないように構成されている(
図7参照)。言い換えれば、パイプ100の本体部110の全体に亘って固定型30および可動型40との間に隙間が設けられている。即ち、パイプ100は、本体部110が宙に浮いた状態で固定型30に保持されている。なお、本実施形態では、第1保持部32および第2保持部36は、固定型30に設けられているが、可動型40に設けられていてもよい。
【0024】
図1に示すように、固定型30は、パイプ100の第1直線部102を側方から押圧する第1押圧部38と、パイプ100の第2直線部106を側方から押圧する第2押圧部39と、を備えている。第1押圧部38および第2押圧部39は、例えば棒状の部材である。第1押圧部38は固定型30に形成された第1収容孔32Hに収容されて第1収容孔32H内を移動するように構成されている。第1収容孔32Hは、第1保持部32と交差する方向(例えば直交する方向)に延びる。第2押圧部39は固定型30に形成された第2収容孔36Hに収容されて第2収容孔36H内を移動するように構成されている。第2収容孔36Hは、第2保持部36と交差する方向(例えば直交する方向)に延びる。第1押圧部38および第2押圧部39は、パイプ100に非圧縮性流体が充填された後に、それぞれ第1直線部102および第2直線部106を側方から押圧するように構成されている。なお、第1押圧部38および第2押圧部39は、パイプ100に非圧縮性流体が充填された前に、それぞれ第1直線部102および第2直線部106を側方から押圧するように構成されていてもよい。第1押圧部38および第2押圧部39は、例えば、図示しないソレノイド等によってその移動が制御される。第1押圧部38は、第1直線部102を側方から押圧することで、第1直線部102を所定の位置に固定する。第2押圧部39は、第2直線部106を側方から押圧することで、第2直線部106を所定の位置に固定する。なお、本実施形態では、第1押圧部38および第2押圧部39は、固定型30に設けられているが、可動型40に第1保持部32および第2保持部36が設けられている場合には、可動型40に設けられていてもよい。また、第1押圧部38および第2押圧部39の少なくともいずれか一方のみを備えていてもよい。
【0025】
図7に示すように、金型20は、スライド部35を備えている。スライド部35は、固定型30の一部である。スライド部35は、成形空間50に配置されたパイプ100の本体部110のらせん状部分に挿入される部材である。スライド部35は、円柱形状を有する。スライド部35は、本体部110とは接触しない。スライド部35は、パイプ100に対して相対的に移動可能に構成されている。
【0026】
図1に示すように、流体搬送装置80は、金型20とは別体の装置である。流体搬送装置80は、パイプ100の注入口103に非圧縮性流体を注入する装置である。流体搬送装置80は、パイプ100の排出口107から非圧縮性流体を排出させて回収する装置である。非圧縮性流体は、パイプ100の内部に充填されることによって、パイプ100に荷重が加わってもパイプ100の変形を抑止するものであれば特に限定されない。非圧縮性流体は、例えば、油(例えば作動油)である。流体搬送装置80は、金型20の成形空間50(
図7参照)に配置されたパイプ100の注入口103および排出口107に装着される。流体搬送装置80は、非圧縮性流体を送り出す搬送部82と、非圧縮性流体を回収する回収部84と、を備えている。搬送部82および回収部84は、例えば、耐圧性および耐熱性を有するホースである。搬送部82は、パイプ100の第1直線部102に装着される。搬送部82は、第1直線部102の注入口103と連通する。回収部84は、パイプ100の第2直線部106に装着される。回収部84は、第2直線部106の排出口107と連通する。なお、搬送部82を第1直線部102に装着する方法および回収部84を第2直線部106に装着する方法は特に限定されない。例えば、カプラ(ワンタッチ接手)等によって着脱可能としてもよい。
【0027】
次に、本実施形態の鋳造品140の製造方法について説明する。
図6は、鋳造品140の製造方法(以下単に製造方法とする)を示すフローチャートである。
図6に示すように、製造方法は、準備工程(ステップS10)と、配置工程(ステップS20)と、型締め工程(ステップS30)と、第1充填工程(ステップS40)と、第2充填工程(ステップS50)と、排出工程(ステップS60)と、取り外し工程(ステップS70)とを含む。ここでは、
図1に示すように、金型20および流体搬送装置80とを備えた鋳造品製造装置10を用いて鋳造品140(
図3参照)を製造する。なお、
図7~
図10において、可動型40が固定型30に対して移動する方向を型移動方向Pとし、可動型40が固定型30に接近する方向をP1とし、可動型40が固定型30から離隔する方向をP2とする。
【0028】
まず、準備工程(ステップS10)において、
図1に示すように、固定型30と、固定型30に接近または離隔可能な可動型40とを含む金型20を準備する。
【0029】
次に、配置工程(ステップS20)において、金型20内にパイプ100を配置する。より詳細には、
図5に示すように、パイプ100の第1直線部102を固定型30の第1保持部32に挿入して第1保持部32に保持させるとともに、パイプ100の第2直線部106を固定型30の第2保持部36に挿入して第2保持部36に保持させる。これにより、第1直線部102の注入口103および第2直線部106の排出口107が金型20(ここでは固定型30)の外部に露出する(
図1参照)。
【0030】
次に、型締め工程(ステップS30)において、
図7に示すように、可動型40を固定型30に接近させて、金型20を閉じる。即ち、可動型40を
図7の矢印P1の方向に移動させて、固定型30を可動型40によって閉じる。これにより、鋳造品140が成形される成形空間50が固定型30のキャビティ部31および可動型40のコア部41によって区画される。なお、可動型40を固定型30に接近させる前に、金型20のスライド部35(
図1も参照)を移動させてパイプ100の本体部110内に配置させる。金型20が閉じた状態では、パイプ100の本体部110は、固定型30および可動型40と接触していない。パイプ100の第1直線部102および第2直線部106のみが金型20(ここでは固定型30)と接触している。
【0031】
次に、第1充填工程(ステップS40)において、第1直線部102の注入口103から非圧縮性流体(例えば油)を注入して、本体部110の第3流路111内に非圧縮性流体を充填する。より詳細には、
図8に示すように、ワンタッチ継手等によって流体搬送装置80の搬送部82をパイプ100の第1直線部102に装着し、かつ、ワンタッチ継手等によって流体搬送装置80の回収部84をパイプ100の第2直線部106に装着する。そして、流体搬送装置80から注入口103を介してパイプ100の第1流路104、第2流路108および第3流路111内に非圧縮性流体を充填する。パイプ100内への非圧縮性流体の充填が完了した後には、流体搬送装置80をパイプ100から取り外してもよいし、装着したままであってもよい。また、パイプ100内への非圧縮性流体の充填が完了した後には、第1押圧部38がパイプ100の第1直線部102を側方から押圧すると共に、第2押圧部39がパイプ100の第2直線部106を側方から押圧することで、第1直線部102および第2直線部106を所定の位置に固定する。なお、本実施形態では、型締め工程(ステップS30)の後に第1充填工程(ステップS40)を実施しているが、第1充填工程(ステップS40)の後に型締め工程(ステップS30)を実施してもよい。
【0032】
次に、第2充填工程S50において、可動型40と固定型30とによって形成された成形空間50に溶融した金属材料を充填する。金属材料としては、例えば、アルミニウム合金が挙げられる。なお、溶融した金属材料(溶湯)は、固定型30に設けられた図示しない注入口から成形空間50内に充填される。そして、金型20内で溶融した金属材料(溶湯)を冷却して凝固させる。ここで本明細書の冷却とは、溶湯を凝固させるための冷却を意味する。
【0033】
次に、排出工程(ステップS60)において、鋳造品140の第2直線部106の排出口107から本体部110の第3流路111内に充填された非圧縮性流体を排出する。より詳細には、
図9に示すように、流体搬送装置80を駆動してパイプ100の第2直線部106の排出口107から流体搬送装置80に向けて非圧縮性流体を排出させる。排出口107から排出された非圧縮性流体は流体搬送装置80に回収される。そして、パイプ100内から非圧縮性流体が排出された後に、流体搬送装置80をパイプ100から取り外す。排出工程(ステップS60)は、金型20内に鋳造品140が配置された状態で実施される。なお、排出工程(ステップS60)は、金型20内の溶湯が完全に凝固してから実施してもよいし、溶湯が凝固している途中で実施してもよい。即ち、キュアリングタイム(溶湯を凝固させるための冷却に必要な時間)が経過してから非圧縮性流体の排出を開始してもよいし、キュアリングタイムが経過する前に非圧縮性流体の排出を開始してもよい。
【0034】
次に、取り出し工程(ステップS70)において、
図10に示すように、可動型40を固定型30から離隔させて金型20を開く。即ち、可動型40を
図10の矢印P2の方向に移動させて、固定型30から可動型40を離隔させる。このとき、成形された鋳造品140は、可動型40に固着している。そして、可動型40に固着した鋳造品140に鋳抜きピン(図示せず)を押し当てて、パイプ100の本体部110の第3流路111から非圧縮性流体が排出された鋳造品140を可動型40から取り外す。このようにして、パイプ100と、パイプ100を鋳ぐるむ金属材料120とを備えた鋳造品140が成形される。
【0035】
以上のように、本実施形態の製造方法によると、パイプ100が金型20に配置された状態で注入口103から非圧縮性流体を注入し、成形空間50に溶融した金属材料が充填された後に、パイプ100が金型20内に配置された状態で排出口107から非圧縮性流体を排出する。このように、鋳造品140が金型20内に存在する状態でパイプ100の本体部110の第3流路111に充填された非圧縮性流体を排出口107から排出させるため、非圧縮性流体を除去するための装置に鋳造品140をセットする必要がなく、鋳造品140の製造時間の短縮を実現することができる。なお、パイプ100の本体部110の第3流路111に非圧縮性流体が充填された状態で、鋳造品140を金型20から取り出す場合には、パイプ100の注入口103または排出口107から非圧縮性流体が外部に飛び散る虞がある。しかし、上記製造方法によると鋳造品140を金型20から取り出すときには非圧縮性流体が排出されているため、非圧縮性流体が外部に飛び散る虞がない。
【0036】
また、本実施形態の鋳造品製造装置10によると、成形空間50に配置されたパイプ100の注入口103および排出口107に装着された流体搬送装置80は、注入口103から非圧縮性流体を注入しかつ排出口107から非圧縮性流体を排出させる。このように、パイプ100が金型20内に配置された状態で、パイプ100の排出口107から非圧縮性流体を排出させることができるため、非圧縮性流体を除去するための装置に鋳造品140をセットする必要がなく、鋳造品140の製造時間の短縮を実現することができる。また、注入口103から非圧縮性流体を注入するときと、排出口107から非圧縮性流体を排出するときとにおいて、流体搬送装置80と金型20との相対的な位置関係が変わらないため、精度よく非圧縮性流体の注入および排出を行うことができる。
【0037】
また、本実施形態の金型20によると、パイプ100の第1直線部102が第1保持部32に保持されかつ第2直線部106が第2保持部36に保持された状態において、パイプ100の本体部110と固定型30および可動型40とは接触しないように構成されている。このため、成形空間50に溶融した金属材料を充填したときには、金属材料はパイプ100の本体部110の全体を鋳ぐるむことになる。即ち、製造された鋳造品140においてパイプ100の本体部110は外部に露出しない。
【0038】
本実施形態の金型20では、パイプ100の第1直線部102が第1保持部32に保持されかつ第2直線部106が第2保持部36に保持された状態において、第1直線部102および第2直線部106が金型20から外部に露出するように、第1保持部32および第2保持部36の長さが設定されている。上記態様によれば、金型20から外部に露出した第1直線部102および第2直線部106に流体搬送装置80を容易に取り付けることができる。
【0039】
本実施形態の金型20では、第1保持部32および第2保持部36を備えた固定型30は、第1直線部102を側方から押圧する第1押圧部38および第2直線部106を側方から押圧する第2押圧部39を備えている。上記態様によれば、パイプ100の第1直線部102および/または第2直線部106を所定の位置に固定することができる。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 鋳造品製造装置
20 金型
30 固定型
32 第1保持部
36 第2保持部
38 第1押圧部
39 第2押圧部
40 可動型
50 成形空間
80 流体搬送装置
82 搬送部
84 回収部
100 パイプ
102 第1直線部
103 注入口
104 第1流路
106 第2直線部
107 排出口
108 第2流路
110 本体部
111 第3流路(流路)
120 金属材料
140 鋳造品
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非圧縮性流体が注入される注入口と、非圧縮性流体が排出される排出口と、前記注入口と前記排出口との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路と、を有するパイプと、
前記パイプを鋳ぐるむ金属材料と、を備えた鋳造品を製造する方法であって、
固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型とを含む金型を準備する準備工程と、
前記金型内に前記パイプを配置する配置工程と、
前記可動型を前記固定型に接近させて、前記金型を閉じる型締め工程と、
前記注入口から非圧縮性流体を注入して、前記流路内に非圧縮性流体を充填する第1充填工程と、
前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に溶融した金属材料を充填する第2充填工程と、
前記排出口から前記流路内に充填された非圧縮性流体を排出する排出工程と、
前記可動型を前記固定型から離隔させて前記金型を開き、前記流路から非圧縮性流体が排出された前記鋳造品を取り出す取り出し工程と、を包含する、製造方法。
【請求項2】
固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含む金型であって、非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有する第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されるように構成された金型と、
前記成形空間に配置された前記パイプの前記注入口および前記排出口に装着され、前記注入口から非圧縮性流体を注入しかつ前記排出口から非圧縮性流体を排出させる流体搬送装置と、を備えた、鋳造品製造装置。
【請求項3】
固定型と、
前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含み、
第1開口を有する第1直線部と、第2開口を有しかつ前記第1直線部と平行な第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されるように構成された金型であって、
前記第1直線部が挿入されかつ前記第1直線部を保持する第1保持部と、
前記第2直線部が挿入されかつ前記第2直線部を保持する第2保持部と、を備えている、金型。
【請求項4】
前記第1保持部および前記第2保持部は、前記固定型または前記可動型に設けられている、請求項3に記載の金型。
【請求項5】
前記パイプの前記第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記パイプの前記本体部と前記固定型および前記可動型との間に隙間が形成されている、請求項3に記載の金型。
【請求項6】
前記パイプの前記第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記第1直線部および前記第2直線部が前記金型から外部に露出するように、前記第1保持部および前記第2保持部の長さが設定されている、請求項3に記載の金型。
【請求項7】
前記第1保持部および前記第2保持部を備えた前記固定型または前記可動型は、
前記第1直線部を側方から押圧する第1押圧部および前記第2直線部を側方から押圧する第2押圧部の少なくともいずれか一方を備えている、請求項3から6のいずれか一項に記載の金型。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非圧縮性流体が注入される注入口と、非圧縮性流体が排出される排出口と、前記注入口と前記排出口との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路と、を有するパイプと、
前記パイプを鋳ぐるむ金属材料と、を備えた鋳造品を製造する方法であって、
固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型とを含む金型を準備する準備工程と、
前記金型内に前記パイプを配置する配置工程と、
前記可動型を前記固定型に接近させて、前記金型を閉じる型締め工程と、
前記注入口から非圧縮性流体を注入して、前記流路内に非圧縮性流体を充填する第1充填工程と、
前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に溶融した金属材料を充填する第2充填工程と、
前記排出口から前記流路内に充填された非圧縮性流体を排出する排出工程と、
前記可動型を前記固定型から離隔させて前記金型を開き、前記流路から非圧縮性流体が排出された前記鋳造品を取り出す取り出し工程と、を包含する、製造方法。
【請求項2】
固定型と、前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含む金型であって、非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有する第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されるように構成された金型と、
前記成形空間に配置された前記パイプの前記注入口および前記排出口に装着され、前記注入口から非圧縮性流体を注入しかつ前記排出口から非圧縮性流体を排出させる流体搬送装置と、を備えた、鋳造品製造装置。
【請求項3】
固定型と、
前記固定型に接近または離隔可能な可動型と、を含み、
非圧縮性流体が注入される注入口を有する第1直線部と、非圧縮性流体が排出される排出口を有しかつ前記第1直線部と平行な第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部との間に位置しかつ非圧縮流体が流通する流路を有する本体部と、を有するパイプが前記可動型と前記固定型とによって形成された成形空間に配置されるように構成された金型であって、
前記第1直線部が挿入されかつ前記第1直線部を保持する第1保持部と、
前記第2直線部が挿入されかつ前記第2直線部を保持する第2保持部と、を備えている、金型。
【請求項4】
前記第1保持部および前記第2保持部は、前記固定型または前記可動型に設けられている、請求項3に記載の金型。
【請求項5】
前記パイプの前記第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記パイプの前記本体部と前記固定型および前記可動型との間に隙間が形成されている、請求項3に記載の金型。
【請求項6】
前記パイプの前記第1直線部が前記第1保持部に保持されかつ前記第2直線部が前記第2保持部に保持された状態において、前記第1直線部および前記第2直線部が前記金型から外部に露出するように、前記第1保持部および前記第2保持部の長さが設定されている、請求項3に記載の金型。
【請求項7】
前記第1保持部および前記第2保持部を備えた前記固定型または前記可動型は、
前記第1直線部を側方から押圧する第1押圧部および前記第2直線部を側方から押圧する第2押圧部の少なくともいずれか一方を備えている、請求項3から6のいずれか一項に記載の金型。