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特開2024-65567医用情報処理装置及び医用情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065567
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】医用情報処理装置及び医用情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20240508BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174496
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 将太
(72)【発明者】
【氏名】篠原 滉平
(72)【発明者】
【氏名】二見 光
(72)【発明者】
【氏名】高澤 純一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び各診察項目の待ち時間を予測することである。
【解決手段】医用情報処理装置は、受付部、生成部、予測部及び通知部を備える。受付部は、外来患者を受け付ける。生成部は、前記受付部が受け付けた前記外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察フローを生成する。予測部は、前記診察フローに関する診察時間情報を予測する。通知部は、前記生成部が生成した前記診察フロー及び前記予測部が予測した前記診察時間情報を通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外来患者を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察フローを生成する生成部と、
前記診察フローに関する診察時間情報を予測する予測部と、
前記生成部が生成した前記診察フロー及び前記予測部が予測した前記診察時間情報を通知する通知部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記診察時間情報は、前記診察項目に要する予想時間、前記診察項目を受診するまでの予想待ち時間及び前記外来患者が会計に終了するまでに要する予想滞在時間のうち、少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記外来患者が回答した問診票に基づいて、前記診察フローを再生成する再生成部と、
前記再生成部が再生成した前記診察フローに関する前記診察時間情報を再予測する再予測部と、
を備え、
前記通知部は、前記再生成部が再生成した前記診察フロー及び前記再予測部が再予測した前記診察時間情報を通知する、
請求項1または2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記再生成部は、前記外来患者が検査を受診する場合、前記検査に対応する検査情報に基づいて、前記検査を含む前記診察フローを再生成し、
前記再予測部は、前記再生成部が再生成した前記検査を含む前記診察フローに関する前記診察時間情報を再予測する、
請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記外来患者が会計を終了すると、前記通知部が通知した通知結果を、前記診察フロー及び前記診察時間情報に対して、フィードバックするフィードバック部と、を備える、
請求項4に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
外来患者を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップが受付した前記外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察フローを生成する生成ステップと、
前記診察フローに関する診察時間情報を予測する予測ステップと、
前記生成ステップが生成した前記診察フロー及び前記予測ステップが予測した前記診察時間情報を通知する通知ステップと、
を含む医用情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置及び医用情報処理方法に関する。
【0002】
外来診察は、受付、診察、会計(以下、診察項目ともいう)の流れで進む。例えば、外来患者は、受付から診察、診察から会計までの間、受付番号が呼ばれるまで待合室まで待機する必要がある。また、外来患者によっては、検査や処方等が追加される場合がある。従来、外来患者が作成した問診票や過去の待ち時間等に基づいて、待ち時間を予測するシステムが開示されている。
【0003】
ところが、外来患者によっては、受診から会計までの流れが異なる場合があり、外来患者個人の受診から会計までの流れに応じた各診察項目の待ち時間を予測することが望まれており、更なる改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-11971号公報
【特許文献2】特開2011-209968号公報
【特許文献3】特開2012-3366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び各診察項目の待ち時間を予測することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用情報処理装置は、受付部、生成部、予測部及び通知部を備える。受付部は、外来患者を受け付ける。生成部は、前記受付部が受け付けた前記外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察フローを生成する。予測部は、前記診察フローに関する診察時間情報を予測する。通知部は、前記生成部が生成した前記診察フロー及び前記予測部が予測した前記診察時間情報を通知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る表示端末に表示される内容の一例を示す模式図である。
図4図4は、実施形態に係る表示端末に表示される内容の一例を示す模式図である。
図5図5は、実施形態に係る表示端末に表示される内容の一例を示す模式図である。
図6図6は、実施形態に係る表示端末に表示される内容の一例を示す模式図である。
図7図7は、実施形態に係る表示端末に表示される内容の一例を示す模式図である。
図8図8は、実施形態に係る医用情報処理システムの処理内容の一例を示すシーケンスである。
図9図9は、実施形態に係る医用情報処理システムの処理内容の一例を示すシーケンスである。
図10図10は、実施形態に係る医用情報処理システムの処理内容の一例を示すシーケンスである。
図11図11は、実施形態に係る医用情報処理システムの処理内容の一例を示すシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に関する医用情報処理システムについて説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作を行うものとして、重複する説明を適宜省略する。
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る医用情報処理システム10の構成の一例を示すブロック図である。医用情報処理システム10は、表示端末20、情報処理サーバ30及び病院システム40を備える。また、各システム及び各装置は、ネットワークを介して相互に通信可能に接続する。なお、図1に示す構成は、一例であり、各システム及び各装置の台数は任意に変更しても良い。
【0010】
表示端末20は、外来診察の各診察項目を表示する端末である。表示端末20は、例えば、外来診察を受診する外来患者により用いられる。表示端末20は、例えば、スマートフォン等の携帯端末を含む。
【0011】
表示端末20は、表示端末20が備える入力インターフェース(図示せず)を介して、外来患者により、情報処理サーバ30から取得した問診票に対する回答を入力される。また、表示端末20は、表示端末20が備える通信インターフェース(図示せず)を介して、入力された問診票に対する回答を情報処理サーバ30へ送信する。そして、表示端末20は、情報処理サーバ30から外来診察の各診察項目に関する情報を取得し、表示する。なお、表示端末20に表示される内容について後述する。
【0012】
情報処理サーバ30は、外来診察を受診する外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び診察フローに関する診察時間情報を予測し、予測した情報を外来患者個人に対して提供する。情報処理サーバ30は、医用情報処理装置の一例である。
【0013】
情報処理サーバ30は、病院システム40から外来患者個人に関する患者特定情報(一例として、診察券に付される患者識別子等)を取得し、外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び診察フローに関する診察時間情報を予測する。情報処理サーバ30は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0014】
病院システム40は、病院内で用いられるシステムである。病院システム40は、病院情報サーバ50及び放射線情報サーバ60を備える。なお、病院システム40は、これに限定されない。
【0015】
病院情報サーバ50は、患者等の患者に関する各種情報、患者毎の電子カルテを管理する。病院情報サーバ50は、管理サーバの一例である。病院情報サーバ50は、例えば、HIS(Hospital Information System)である。病院情報サーバ50は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。病院情報サーバ50は、患者等の患者に関する各種情報、電子カルテ及び検査オーダを自装置の記憶回路等に記憶する。
【0016】
患者等の患者に関する各種情報は、後述する待ち時間情報、診察フロー情報、検査時間情報及び受診情報を含む。電子カルテは、患者の診療記録を有するデータである。検査オーダは、モダリティ(図示せず)による患者の撮影する依頼するデータである。
【0017】
放射線情報サーバ60は、放射線部門に関する各種情報を管理する。放射線情報サーバ60は、管理サーバの一例である。すなわち、放射線情報サーバ60は、RIS(Radiology Information System)を管理するサーバ装置である。放射線情報サーバ60は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0018】
また、放射線情報サーバ60は、検査を行う患者に関する患者特定情報(患者識別子)、被曝線量記録情報等を自装置の記憶回路等に記憶する。被曝線量記録情報は、モダリティによるX線画像データの取得に伴い患者の被曝線量の記録に関する情報である。
【0019】
放射線情報サーバ60は、医師などの医療従事者が操作する操作端末(図示せず)からオーダを受け取り、当該オーダに従って放射線部門での検査を管理する。放射線情報サーバ60は、受け取ったオーダをモダリティへ送信する。
【0020】
次に、本実施形態に係る情報処理サーバ30の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理サーバ30の構成の一例を示すブロック図である。情報処理サーバ30は、通信インターフェース31、記憶回路32及び処理回路33を備える。なお、情報処理サーバ30が備える構成はこれに限定されない。
【0021】
通信インターフェース31は、処理回路33に接続され、ネットワークを介して接続された各装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信インターフェース31は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0022】
記憶回路32は、処理回路33に接続され、各種データを記憶する。記憶回路32は、記憶部の一例である。記憶回路32は、外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び診察フローに関する診察時間情報を予測するための情報を記憶する。また、記憶回路32は、処理回路33が読み出して実行することで各種機能を実現するための種々のプログラムを記憶する。
【0023】
例えば、記憶回路32は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、記憶回路32に記憶される外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び診察フローに関する診察時間情報を予測するための情報について後述する。
【0024】
処理回路33は、情報処理サーバ30全体の動作を制御する。処理回路33は、例えば、受付機能331、生成機能332、取得機能333、予測機能334、再生成機能335、再予測機能336、通知機能337及びフィードバック機能338を備える。実施形態では、受付機能331、生成機能332、取得機能333、予測機能334、再生成機能335、再予測機能336、通知機能337及びフィードバック機能338にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路32へ記憶されている。
【0025】
処理回路33は、プログラムを記憶回路32から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路33は、図2の処理回路33内に示された各機能を有することになる。
【0026】
なお、図2においては単一のプロセッサにて、受付機能331、生成機能332、取得機能333、予測機能334、再生成機能335、再予測機能336、通知機能337及びフィードバック機能338を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路33を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
【0027】
また、図2においては、記憶回路32等の単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路33は、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0028】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD),及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0029】
プロセッサは、記憶回路32に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路32にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0030】
受付機能331は、外来患者を受け付ける。受付機能331は、受付部の一例である。受付機能331は、外来患者が病院に来院したことを受け付ける。例えば、受付機能331は、表示端末20に記憶されるアプリケーションが起動したことを示すアプリケーション起動情報を取得する。なお、受付機能331は、病院システム40から外来患者が病院に来院し、外来患者を受付したことを示す受付情報を取得しても良い。
【0031】
生成機能332は、診察フローを生成する。生成機能332は、生成部の一例である。具体的には、生成機能332は、受付機能331が受け付けた外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察フローを生成する。診察フローは、例えば、外来患者の受付から始まり、外来患者の問診票の記入、問診医による診察、会計までの流れを示す。すなわち、診察フローは、受付から会計までの各診察項目を示す。
【0032】
ここで、生成機能332が生成する診察フローについて、図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係る表示端末20に表示される内容の一例を示す模式図である。図3には、生成機能332が生成した診察フロー70が示されている。診察フロー70は、受付、問診票、診察、会計及び終了の順で各診察項目が示されている。また、外来患者が置かれている状況は、外来患者の診察フロー70の各診察項目の近傍に示される。図3において、外来患者が置かれている状況は、受付が完了し、問診票を記入している状態が示されている。
【0033】
図2に戻る。取得機能333は、病院システム40から各種情報を取得する。取得機能333は、取得部の一例である。取得機能333は、病院システム40から後述する予測機能334が診察フローに関する診察時間情報を予測するために用いるための待ち時間を示す待ち時間情報を取得する。
【0034】
ここで、待ち時間情報について説明する。待ち時間情報は、生成機能332が生成した診察フローに関する診察時間情報に対して、待ち時間を予測するための情報である。待ち時間情報は、例えば、診察に対応する医師の人数、診察室の空き数、診察を待つ患者の人数、会計を待つ患者の人数、病院事務の人数、季節や気象状態を示す環境情報及び現在の時刻等を含む。なお、待ち時間情報については、これに限定されない。
【0035】
また、取得機能333は、表示端末20から外来患者が入力した問診票を取得する。そして、取得機能333は、病院システム40に対して、表示端末20から取得した問診票を送信する。さらに、取得機能333は、病院システム40から後述する再生成機能335が再診察フローを生成するために用いるための診察フローを示す診察フロー情報を取得する。
【0036】
ここで、診察フロー情報について説明する。診察フロー情報は、外来患者が記入した問診票の入力結果に対応する各診察項目に対して、診察フローを再生成するための情報である。診察フロー情報は、例えば、病院の来院歴や、検査歴等を含む。なお、診察フロー情報については、これに限定されない。
【0037】
また、取得機能333は、病院システム40から後述する再生成機能335が再診察フローを生成するために用いるための検査項目を含む検査情報を取得する。さらに、取得機能333は、病院システム40から後述する再予測機能336が診察フローに関する診察時間情報を予測するために用いるための検査時間を示す検査時間情報を取得する。
【0038】
ここで、検査時間情報について説明する。検査時間情報は、後述する再予測機能336が予測した再診察フローに含まれる、検査の診察項目に対して、診察時間情報を予測するための情報である。検査時間情報は、検査装置の空き数、検査技師の人数、検査を待つ患者の人数等を含む。なお、検査時間情報は、待ち時間情報を含んでも良い。なお、検査時間情報については、これに限定されない。
【0039】
また、取得機能333は、病院システム40から受診情報を取得する。具体的には、取得機能333は、外来患者が会計を終了すると、病院システム40から外来患者が病院を受診したことを示す受診情報を取得する。受診情報は、受付した時刻、各診察項目までの待ち時間、各診察項目に要した時間及び会計した時刻を含む。なお、受診情報は、これに限定されない。
【0040】
予測機能334は、診察時間情報を予測する。予測機能334は、予測部の一例である。予測機能334は、取得機能333が取得した待ち時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー70に関する診察時間情報を予測する。
【0041】
ここで、予測機能334が予測した診察時間情報について、図3を用いて説明する。図3には、予測機能334が予測した診察時間情報80が示されている。診察時間情報80は、診察フロー70が生成された時間を起点とする。診察時間情報80は、各診察項目に要する予想時間、各診察項目が終了するまでの予想待ち時間、診察フロー70が生成された時間から会計に終了するまでに要する予想滞在時間が示されている。予想滞在時間は、上述した各診察項目の予想時間及び予想待ち時間を累計した時間である。また、予想待ち時間には、現在の各診察項目に対応する混雑状態を示す。例えば、図3には、患者が多く、診察に時間を要しているため、混雑している状態が示されている。
【0042】
図3に戻る。再生成機能335は、診察フローを再生成する。再生成機能335は、再生成部の一例である。再生成機能335は、取得機能333が取得した診察フロー情報に基づいて、再生成機能335が生成した診察フロー70を再生成する。また、再生成機能335は、外来患者が置かれている状況に変化が生じた場合、再生成した診察フローを更新する。
【0043】
外来患者が置かれている状況に変化が生じた場合は、例えば、問診票の記入が完了し、次の診察項目が診察に移行した状態である。すなわち、外来患者が置かれている状況に変化が生じた場合は、診察フローにおける診察項目が終了し、次の診察項目に移行した場合である。
【0044】
ここで、再生成機能335が再生成した診察フローについて、図4図5図6及び図7を用いて説明する。図4図5図6及び図7は、実施形態に係る表示端末20に表示される内容の一例を示す模式図である。図4図5図6及び図7には、生成機能332が生成した診察フロー71が示されている。診察フロー71は、受付、問診票、診察、検査、再診察、会計及び終了の順で各診察項目が示されている。
【0045】
また、外来患者が置かれている状況は、診察フロー71の各診察項目の近傍に示される。図4において、外来患者が置かれている状況は、受付及び問診票の記入が完了し、診察を待つ状態が示されている。図5において、外来患者が置かれている状況は、受付、問診票の記入及び診察が完了し、検査項目が追加され、検査を待つ状態が示されている。
【0046】
図6において、外来患者が置かれている状況は、受付、問診票の記入、診察及び検査が完了し、再診察を待つ状態が示されている。図7において、外来患者が置かれている状況は、受付、問診票の記入、診察、検査及び再診察が完了し、会計を待つ状態が示されている。
【0047】
生成機能332が生成した診察フロー70は、外来患者が記入する問診票の内容によって、変化する場合がある。例えば、外来患者は、問診票に記入された内容に対して、検査が必要になる場合があるため、再生成された診察フロー71を確認する必要がある。したがって、再生成機能335は、取得機能333が取得した診察フロー情報に基づいて、再生成機能335が生成した診察フロー70を再生成する。これにより、外来患者は、個人にあわせた診察フローを把握することができる。
【0048】
図2に戻る。再予測機能336は、診察時間情報を再予測する。再予測機能336は、再予測部の一例である。再予測機能336は、取得機能333が取得した検査時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー70に関する診察時間情報を再予測する。
【0049】
ここで、再予測機能336が再予測した診察時間情報について、図4図5図6及び図7を用いて説明する。図4図5図6及び図7には、予測機能334が予測した診察時間情報81及び現在の進捗度合いを示す進捗状況82が示されている。診察時間情報81は、各診察項目に要する予想時間、各診察項目までの予想待ち時間、外来患者が会計に終了するまでに要する予想滞在時間が示されている。予想滞在時間は、上述した各診察項目の予想時間及び予想待ち時間を累計した時間である。
【0050】
各診察項目に要する予想時間には、診察項目に対応する連絡事項が示されている。例えば、図4には、診察に対して、検査における事前説明へのリンク先が表示されている。
【0051】
予想待ち時間には、現在の各診察項目に対応する混雑状態を示す。例えば、図4には、患者が多く、診察に時間を要しているため、混雑している状態が示されている。また、待ち時間には、各診察項目に対応する予想対応時間が示されている。例えば、図4図5及び図6には、検査結果が出るまでの所要時間が示されている。さらに、予想待ち時間には、各診察項目に対応する外来患者への連絡事項が示されている。例えば、図4図5図6及び図7には、再診察後に、処方箋が発行されることが示されている。
【0052】
再予測機能336が予測した診察時間情報81は、再生成機能335が再生成した診察フロー71に対して、修正する必要がある。例えば、外来患者は、問診票に記入された内容に対して、検査が必要になる場合があるため、再生成された診察フロー71及び診察時間情報81を確認する必要がある。
【0053】
したがって、再予測機能336は、取得機能333が取得した検査時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー70に関する診察時間情報を再予測する。これにより、外来患者は、個人にあわせた診察フロー及び診察フローに関する診察時間情報を把握することができる。
【0054】
図2に戻る。通知機能337は、表示端末20に対して、診察フロー70及び診察時間情報80を通知する。通知機能337は、通知部の一例である。通知機能337は、表示端末20に対して、生成機能332が生成した診察フロー70及び予測機能334が予測した診察時間情報80を通知する。また、通知機能337は、再生成機能335が再生成した診察フロー71及び再予測機能336が再予測した診察時間情報81を通知する。
【0055】
フィードバック機能338は、診察フロー及び診察時間情報をフィードバックする。フィードバック機能338は、フィードバック部の一例である。フィードバック機能338は、取得機能333が取得した診察フロー情報に基づいて、生成機能332が生成した診察フロー70をフィードバックする。
【0056】
また、フィードバック機能338は、受付機能331が取得したアプリケーション起動情報、取得機能333が取得した待ち時間情報、検査時間情報及び受診情報に基づいて、予測機能334が予測した診察時間情報をフィードバックする。すなわち、フィードバック機能338は、通知機能337が通知した通知結果を、診察フロー及び診察時間情報に対して、フィードバックする。
【0057】
これにより、フィードバック機能338は、診察フロー及び診察時間情報をフィードバックすることで、今後受診する外来患者に対して、外来患者個人に応じた受付から会計までのより精度の高い診察フロー及び診察時間情報を提供することができる。
【0058】
図8は、医用情報処理システム10が実行する処理の一例を示すシーケンスである。なお、以下においては、説明を具体的にするため、外来患者が病院に来院し、病院の受付を開始する場合を想定する。
【0059】
表示端末20は、アプリケーションを起動する(ステップS101)。続いて、情報処理サーバ30の生成機能332は、外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察項目を含む診察フローを生成する(ステップS102)。続いて、情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40から診察フローに関する診察時間情報を予測するために用いるための待ち時間を示す待ち時間情報を取得する(ステップS103)。
【0060】
続いて、情報処理サーバ30の予測機能334は、取得機能333が取得した待ち時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー70に関する診察時間情報を予測する(ステップS104)。続いて、情報処理サーバ30の通知機能337は、表示端末20に対して、生成機能332が生成した診察フロー70及び予測機能334が予測した診察時間情報80を通知する(ステップS105)。
【0061】
続いて、表示端末20は、取得した情報(診察フロー70及び診察時間情報80)を表示する(ステップS106)(図3参照)。続いて、表示端末20は、外来患者により入力された入力結果に基づいて、問診票を入力する(ステップS107)。続いて、表示端末20は、情報処理サーバ30に対して、入力した問診票を送信する(ステップS108)。
【0062】
続いて、情報処理サーバ30の取得機能333は、表示端末20から外来患者が入力した問診票を取得する(ステップS109)。続いて、情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40に対して、表示端末20から取得した問診票を送信する(ステップS109)。
【0063】
続いて、情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40から再生成機能335が再診察フローを生成するために用いるための診察フローを示す診察フロー情報を取得する。取得機能333は、病院システム40から再予測機能336が診察フローに関する診察時間情報を予測するために用いるための検査時間を示す検査時間情報を取得する(ステップS110)。
【0064】
続いて、情報処理サーバ30の再生成機能335は、取得機能333が取得した診察フロー情報に基づいて、再生成機能335が生成した診察フロー70を再生成する(ステップS111)。続いて、情報処理サーバ30の再予測機能336は、取得機能333が取得した検査時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー70に関する診察時間情報を再予測する(ステップS112)。
【0065】
続いて、情報処理サーバ30の通知機能337は、再生成機能335が再生成した診察フロー71及び再予測機能336が再予測した診察時間情報81を通知する(ステップS113)。続いて、表示端末20は、表示端末20は、取得した情報(診察フロー71及び診察時間情報81)を表示する(ステップS114)(図4参照)。
【0066】
図9は、医用情報処理システム10が実行する処理の一例を示すシーケンスである。なお、以下においては、説明を具体的にするため、外来患者が診察を受診された時点から開始する場合を想定する。
【0067】
病院システム40は、医師による診察結果に基づいて、診察した医師により検査オーダを出す(ステップS201)。続いて、情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40から検査情報を取得する(ステップS202)。続いて、情報処理サーバ30の再生成機能335は、取得機能333が取得した検査情報に基づいて、再生成した診察フロー71を更新する(ステップS203)。
【0068】
続いて、情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40から再予測機能336が診察フロー71に関する診察時間情報を予測するために用いるための検査時間を示す検査時間情報を取得する(ステップS204)。続いて、情報処理サーバ30の再予測機能336は、取得機能333が取得した検査時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー71に関する診察時間情報を再予測する(ステップS205)。
【0069】
続いて、情報処理サーバ30の通知機能337は、再生成機能335が再生成した診察フロー71及び再予測機能336が再予測した診察時間情報81を通知する(ステップS206)。続いて、表示端末20は、表示端末20は、取得した情報(診察フロー71及び診察時間情報81)を表示する(ステップS207)(図5参照)。
【0070】
図10は、医用情報処理システム10が実行する処理の一例を示すシーケンスである。なお、以下においては、説明を具体的にするため、外来患者が検査、又は、再診察が完了した時点から開始する場合を想定する。
【0071】
情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40から再予測機能336が診察フローに関する診察時間情報を予測するために用いるための待ち時間を示す待ち時間情報を取得する(ステップS301)。続いて、情報処理サーバ30の再予測機能336は、取得機能333が取得した待ち時間情報に基づいて、外来患者の診察フロー71に関する診察時間情報を再予測する(ステップS302)。
【0072】
続いて、情報処理サーバ30の通知機能337は、再予測機能336が再予測した診察時間情報81を通知する(ステップS303)。続いて、表示端末20は、表示端末20は、取得した情報(診察フロー71及び診察時間情報81)を表示する(ステップS304)(図6及び図7参照)。
【0073】
図11は、医用情報処理システム10が実行する処理の一例を示すシーケンスである。なお、以下においては、説明を具体的にするため、外来患者が各診察項目の受診が完了し、会計が完了した時点から開始する場合を想定する。
【0074】
情報処理サーバ30の取得機能333は、病院システム40から受診情報を取得する(ステップS401)。続いて、情報処理サーバ30の記憶回路32は、予測に用いた各種情報(データ)及び実際の診察時間情報を記憶する(ステップS402)。
【0075】
続いて、情報処理サーバ30のフィードバック機能338は、取得機能333が取得した診察フロー情報に基づいて、生成機能332が生成した診察フロー70をフィードバックする(ステップS403)。続いて、情報処理サーバ30のフィードバック機能338は、受付機能331が取得したアプリケーション起動情報、取得機能333が取得した待ち時間情報、検査時間情報及び受診情報に基づいて、予測機能334が予測した診察時間情報をフィードバックする。
【0076】
以上のように、実施形態に係る医用情報処理装置は、外来患者が受診する、少なくとも一つの診察項目を含む診察フローを生成し、生成した診察フローに関する診察時間情報を予測し、診察フロー及び診察時間情報を通知する。
【0077】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、例えば、外来患者個人に応じた受付から会計までの診察フロー及び診察フローに関する診察時間情報を予測することができる。これにより、外来患者は、各診察項目までの待ち時間、ひいては、病院に滞在する滞在時間を把握することができる。
【0078】
(変形例1)
上記実施形態においては、情報処理サーバ30は、外来患者が病院に来院し受付した時点から診断フロー及び診察フローに関する診察時間情報を予測する形態を例とした。これに対し、変形例1では、情報処理サーバ30は、外来患者により、来院する予定の予約時刻を取得することで、予約時刻を受付した時点と捉えて、診断フロー及び診察時間情報を見積もって予測する形態でも良い。これにより、来院する予定の外来患者は、見積もられた診断フロー及び診察時間情報を把握し、予約したい予約時刻に実際に来院するか否かを判断することができる。
【0079】
(変形例2)
上記実施形態においては、情報処理サーバ30は、診察時間情報を再予測するタイミングとして、診察項目が次の工程へ移行した段階で再予測する形態を例とした。これに対し、変形例2では、再予測するタイミングは、病院システム40から、検査情報、待ち時間情報を予め定められた周期で取得し、診察時間情報を再予測しても良い。これにより、外来患者は、より鮮度の高い、各診察項目までの待ち時間、ひいては、病院に滞在する滞在時間を把握することができる。
【0080】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
10 医用情報処理システム
20 表示端末
30 情報処理サーバ
31 通信インターフェース
32 記憶回路
33 処理回路
40 病院システム
50 病院情報サーバ
60 放射線情報サーバ
331 受付機能
332 生成機能
333 取得機能
334 予測機能
335 再生成機能
336 再予測機能
337 通知機能
338 フィードバック機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11