(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065592
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】コーヒー焙煎機
(51)【国際特許分類】
A23N 12/10 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A23N12/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174537
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】522426559
【氏名又は名称】株式会社HINOIRI
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 航生
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA05
4B061BA09
4B061CD07
(57)【要約】
【課題】 持ち運びが容易なコーヒー焙煎機を提供する。
【解決手段】 ドラムと前記ドラムを支えるための土台とを含むコーヒー焙煎機であって、前記ドラムは、収容部と、前記収容部を回転させるための回転部とを備え、前記収容部は、4枚の側面板、1枚の正面板及び1枚の背面板の6枚の板により構成され、6枚の前記板から略両端閉塞角筒状に組立でき且つ6枚の前記板に分解できる、コーヒー焙煎機。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムと前記ドラムを支えるための土台とを含むコーヒー焙煎機であって、
前記ドラムは、収容部と、前記収容部を回転させるための回転部とを備え、
前記収容部は、4枚の側面板、1枚の正面板及び1枚の背面板の6枚の板により構成され、6枚の前記板から略両端閉塞角筒状に組立でき且つ6枚の前記板に分解できる
ことを特徴とする、コーヒー焙煎機。
【請求項2】
前記収容部の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に当該辺との間に第1挿入溝が形成される第1係合片が突設され、前記本体部の相対する他の辺に当該辺との間に前記第1挿入溝と逆方向に開口する第2挿入溝が形成される第2係合片が突設される
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項3】
前記収容部の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺の内側に板厚方向に貫通する側面差込孔が設けられ、前記本体部の相対する他の辺に外側に延出する側面差込片が突設される
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項4】
前記収容部の前記側面板同士は、同大同形状である
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項5】
前記収容部の前記正面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の相対する両辺のそれぞれに外側に延出する略台形の拡開片と、前記拡開片の上底辺から外側に延出する正面差込片が突設される
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項6】
前記拡開片同士の上底辺間幅は、前記側面板の本体部の相対する側辺間の幅である側辺間幅より大きい
ことを特徴とする、請求項5に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項7】
前記収容部の前記背面板は、略正方形の本体部を有し、前記本体部の4辺のそれぞれに外側に延出する補助片と、前記補助片の一部を板厚方向に貫通する背面差込孔が設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項8】
前記背面差込孔は、当該辺の延伸方向に平行に延びる直線状の直線壁部と、前記直線壁部と相対し且つ内側に凹む円弧状の円弧壁部を有する
ことを特徴とする、請求項7に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項9】
前記土台は、4枚の側面板により胴部が構成され、4枚の前記板から略両端開口角筒状に組立でき且つ4枚の前記板に分解できる
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項10】
前記土台の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に当該辺との間に第1挿入溝が形成される第1係合片が突設され、前記本体部の相対する他の辺に当該辺との間に前記第1挿入溝と逆方向に開口する第2挿入溝が形成される第2係合片が突設される
ことを特徴とする、請求項9に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項11】
前記土台の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に外側に延出する略台形の支持片と、前記支持片の上底辺から内側に凹む略U字状の支持溝が設けられる
ことを特徴とする、請求項9に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項12】
前記土台の前記側面板同士は、同大同形状である
ことを特徴とする、請求項9に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項13】
前記土台は、4枚の側面板及び1枚の底面板の5枚の板により構成され、5枚の前記板から略一端閉塞角筒状に組立でき且つ5枚の前記板に分解できる
ことを特徴とする、請求項1に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項14】
前記土台の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に外側に延出する略台形の支持片と、前記支持片の上底辺から内側に凹む略U字状の支持溝が設けられ、前記本体部の相対する他の辺の内側に板厚方向に貫通する側面差込孔が設けられる
ことを特徴とする、請求項13に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項15】
前記土台の前記底面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の相対する両辺のそれぞれに外側に延出する略台形の拡開片と、前記拡開片の上底辺から外側に延出する底面差込片が突設される
ことを特徴とする、請求項13に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項16】
前記拡開片同士の上底辺間幅は、前記側面板の本体部の相対する側辺間の幅である側辺間幅より大きい
ことを特徴とする、請求項15に記載のコーヒー焙煎機。
【請求項17】
コーヒー焙煎機用のドラムであって、
前記ドラムは、収容部と、前記収容部を回転させるための回転部とを備え、
前記収容部は、4枚の側面板、1枚の正面板及び1枚の背面板の6枚の板により構成され、6枚の前記板から略両端閉塞角筒状に組立でき且つ6枚の前記板に分解できる
ことを特徴とする、ドラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー焙煎機に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者自らコーヒー豆を焙煎する小型のコーヒー焙煎機として、従来、「本体左右に、ドラム回転軸のついた円筒型ドラム、内部に巾の異なるドラム内豆攪拌板を取り付け、一方4ドラム開閉蓋と12bドラム回転軸を一体化し、五徳支柱上部回転軸を通す穴に通し、回転させるのを特徴とする家庭用コーヒー焙煎器」が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、インドアに限らず、アウトドアでコーヒー豆を焙煎する消費者も少なくない。例えば、キャンプや登山の際に、大自然の中で自ら焙煎したコーヒー豆を用いてコーヒーを入れて楽しむ消費者が増えつつある。
【0005】
しかしながら、上記コーヒー焙煎機は、家庭用のものではあるものの、円筒型ドラムを持ち運ぶことは容易ではない。また、山道やキャンプ場等で円筒型ドラムをそのまま抱えて歩くことは危険でもある。アウトドアでも使用できる持ち運びが容易なコーヒー焙煎機が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、持ち運びが容易なコーヒー焙煎機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、ドラムと前記ドラムを支えるための土台とを含むコーヒー焙煎機であって、前記ドラムは、収容部と、前記収容部を回転させるための回転部とを備え、前記収容部は、4枚の側面板、1枚の正面板及び1枚の背面板の6枚の板により構成され、6枚の前記板から略両端閉塞角筒状に組立でき且つ6枚の前記板に分解できる。
【0008】
好ましくは、前記収容部の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に当該辺との間に第1挿入溝が形成される第1係合片が突設され、前記本体部の相対する他の辺に当該辺との間に前記第1挿入溝と逆方向に開口する第2挿入溝が形成される第2係合片が突設される。
【0009】
好ましくは、前記収容部の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺の内側に板厚方向に貫通する側面差込孔が設けられ、前記本体部の相対する他の辺に外側に延出する側面差込片が突設される。
【0010】
好ましくは、前記収容部の前記側面板同士は、同大同形状である。
【0011】
好ましくは、前記収容部の前記正面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の相対する両辺のそれぞれに外側に延出する略台形の拡開片と、前記拡開片の上底辺から外側に延出する正面差込片が突設される。
【0012】
好ましくは、前記拡開片同士の上底辺間幅は、前記側面板の本体部の相対する側辺間の幅である側辺間幅より大きい。
【0013】
好ましくは、前記収容部の前記背面板は、略正方形の本体部を有し、前記本体部の4辺のそれぞれに外側に延出する補助片と、前記補助片の一部を板厚方向に貫通する背面差込孔が設けられる。
【0014】
好ましくは、前記背面差込孔は、当該辺の延伸方向に平行に延びる直線状の直線壁部と、前記直線壁部と相対し且つ内側に凹む円弧状の円弧壁部を有する。
【0015】
好ましくは、前記土台は、4枚の側面板により胴部が構成され、4枚の前記板から略両端開口角筒状に組立でき且つ4枚の前記板に分解できる。
【0016】
好ましくは、前記土台の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に当該辺との間に第1挿入溝が形成される第1係合片が突設され、前記本体部の相対する他の辺に当該辺との間に前記第1挿入溝と逆方向に開口する第2挿入溝が形成される第2係合片が突設される。
【0017】
好ましくは、前記土台の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に外側に延出する略台形の支持片と、前記支持片の上底辺から内側に凹む略U字状の支持溝が設けられる。
【0018】
好ましくは、前記土台の前記側面板同士は、同大同形状である。
【0019】
好ましくは、前記土台は、4枚の側面板及び1枚の底面板の5枚の板により構成され、5枚の前記板から略一端閉塞角筒状に組立でき且つ5枚の前記板に分解できる。
【0020】
好ましくは、前記土台の前記側面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の一の辺に外側に延出する略台形の支持片と、前記支持片の上底辺から内側に凹む略U字状の支持溝が設けられ、前記本体部の相対する他の辺の内側に板厚方向に貫通する側面差込孔が設けられる。
【0021】
好ましくは、前記土台の前記底面板は、略矩形の本体部を有し、前記本体部の相対する両辺のそれぞれに外側に延出する略台形の拡開片と、前記拡開片の上底辺から外側に延出する底面差込片が突設される。
【0022】
好ましくは、 前記拡開片同士の上底辺間幅は、前記側面板の本体部の相対する側辺間の幅である側辺間幅より大きい。
【0023】
上記の課題を解決する本発明の他の一態様は、コーヒー焙煎機用のドラムであって、前記ドラムは、収容部と、前記収容部を回転させるための回転部とを備え、前記収容部は、4枚の側面板、1枚の正面板及び1枚の背面板の6枚の板により構成され、6枚の前記板から略両端閉塞角筒状に組立でき且つ6枚の前記板に分解できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、持ち運びが容易なコーヒー焙煎機を提供することができる。
【0025】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態1に係るコーヒー焙煎機の一例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係るコーヒー焙煎機用のドラムの一例を示す図で、(a)平面図、(b)正面図、(c)左側面図である。
【
図3】ドラムの収容部の側面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)係合片を説明するための一部拡大図である。
【
図4】ドラムの収容部の正面板の一例を示す図である。
【
図5】ドラムの収容部の背面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)背面差込孔を説明するための一部拡大図である。
【
図6】ドラムの回転部の一例及びドラムの組立の例を示す図である。
【
図7】実施形態1に係るコーヒー焙煎機用の土台の一例を示す正面図である。
【
図8】土台の側面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)係合片を説明するための一部拡大図である。
【
図10】コーヒー焙煎機全体の組立の例を示す図である。
【
図11】コーヒー焙煎機の一例を後方から観察した斜視図である。
【
図12】実施形態2に係るコーヒー焙煎機の一例を示す斜視図である。
【
図13】実施形態2に係るコーヒー焙煎機用の土台の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態(及び変形例)において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0028】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るコーヒー焙煎機の一例を示す斜視図である。
図2は、実施形態1に係るコーヒー焙煎機用のドラムの一例を示す図で、(a)平面図、(b)正面図、(c)左側面図である。図中のXは左右方向(水平方向)、Yは上下方向(鉛直方向)、Zは奥行方向(前後方向)を示す(以下各図において同じ)。説明の便宜上、使用時に消費者に面する側(-Z側)を正面側、その反対側(+Z側)を背面側とする。
【0029】
本実施形態のコーヒー焙煎機1は、コーヒー豆を消費者自ら焙煎するための小型のコーヒー焙煎機である。コーヒー焙煎機1は、ドラム2と、ドラム2を支えるための土台5とを含む。
【0030】
本実施形態のドラム2は、収容部3と、収容部3を回転させるための回転部4とを備える。収容部3は、4枚の側面板31、1枚の正面板32及び1枚の背面板33の6枚の板により構成され、6枚の板から略両端閉塞角筒状に組立でき且つ6枚の板に分解できる。
【0031】
従来のコーヒー焙煎機は、円筒型ドラムをそのまま持ち運ばなければならないため、キャンプや登山などのアウトドアの使用には向いていない。これに対して、本実施形態のドラム2は、収容部3が6枚の板から使用時に略両端閉塞角筒状に組立でき、且つ使用後6枚の板に分解できるため、持運び時の体積を小さくすることができる。また、6枚の板を重ねて袋等に収納できるため、山道やキャンプ場等でも安全に携帯できる。このように、本実施形態のドラム2は、持ち運びが容易であり、キャンプや登山などのアウトドアにおける使用に好適である。
【0032】
収容部3は、4枚の側面板31により胴部が構成され、4枚の側面板31から略両端開口角筒状の胴部に組立でき且つ4枚の側面板31単体に分解できる。1枚の正面板32は胴部の正面側開口を閉鎖して収容部3の正面に組み立てるもの、1枚の背面板33は胴部の背面側開口を閉鎖して収容部3の背面に組み立てるものである(
図6を参照)。側面板31、正面板32及び背面板33には、コーヒー豆の焙煎に適した材料が用いられる。一例として、これらには、薄いステンレス鋼板が用いられ、板厚が同等に形成される。以下、側面板31、正面板32及び背面板33の構成の一例を具体的に説明する。
【0033】
4枚の側面板31同士は、好ましくは、同大同形状である。このように構成することで、製造コストを軽減でき、組立及び分解も迷わずに速やかに行える。また、収納や携帯もより容易になる。
【0034】
図3は、収容部の側面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)係合片を説明するための一部拡大図である。説明の便宜上、一の側面板31を、胴部の左側面に配置される姿勢で図示し、説明する。
【0035】
側面板31は、略矩形の本体部310を有する。本体部310は、概ね1対の対辺3101及び1対の対辺3102により囲まれる部分である。本体部310は、好ましくは、角部に丸みを有する(後述の正面板32や背面板33の本体部の角部や、各突片の角部において同じ。後述の土台5の構成において同じ。)。本体部310の中心側を内側とし、その反対側を外側とする(後述の各板の構成の説明において同じ)。本体部310の中心をY方向に通る中心線をY1とし、Z方向に通る中心線をZ1とする。
【0036】
側面板31は、本体部310の1対の対辺3101のうちの一の辺に第1係合片311が設けられ、他の辺に第2係合片312が設けられる。側面板31は、本体部310の1対の対辺3102のうちの一の辺の内側に側面差込孔313が設けられ、他の辺に側面差込片314が設けられる。第1係合片311、第2係合片312及び側面差込片314は、本体部310と同一平面(図示ではYZ面)上にある。
【0037】
側面板31同士は、第1係合片311及び第2係合片312の1対の係合片を用いて接続されて共通の内部空間を囲う胴部に組み立てられる。説明の便宜上、組立状態で側面板31同士が互いに接するないし近接する1対の辺3101を側辺と称し、他の1対の辺3102を端辺と称する。両側辺3101間の幅(距離)である側辺間幅をAとし、両端辺3102間の幅である端辺間幅をBとする。図示のように、本体部310が略長方形の場合、好ましくは、長辺が側辺3101を構成し、短辺が端辺3102を構成する。
【0038】
第1係合片311は、一の側辺3101から外側に突出する突片で、略直角に外側に突出する基端部3111と、基端部3111から略90度曲がって側辺3101に平行に延びる先端部3112とを有して略L字形状に形成され、角部に丸みを有する。第1係合片311は、側辺3101との間に細長い第1挿入溝3113が形成される。第1挿入溝3113は、挿入幅Cが側面板31の板厚と対応する。
【0039】
第2係合片312は、他の側辺3101から外側に突出する突片で、略直角に外側に突出する基端部3121と、基端部3121から略90度曲がって側辺3101に平行に延びる先端部3122とを有して略L字形状に形成され、角部に丸みを有する。第2係合片312は、側辺3101との間に第1挿入溝3113と逆方向に開口する細長い第2挿入溝3123が形成される。図示のように、第1挿入溝3113が正面側に開口する場合、第2挿入溝3123は背面側に開口し、両溝の底部が前後方向において同位置(図示ではY1上)にある。第2挿入溝3123は、第1挿入溝3113と同様に挿入幅Cが側面板31の板厚と対応する。
【0040】
収容部3は、側面板31が第1係合片311と第2係合片312を備えることで、ねじ等の締結部材を必要とせず、容易に胴部を組立できる。胴部の組立は、一方の側面板31の第1係合片311と他方の側面板31の第2係合片312が交差するように、基端部3111(または基端部3121)を対応の第2挿入溝3123(または第1挿入溝3113)に挿入するだけでよいので、組立及び分解が非常に簡単である。
【0041】
側面差込孔313は、一の端辺3102の内側に設けられる、板厚方向に貫通する細長い貫通孔で、長手方向が端辺3102の延伸方向と一致する。側面差込孔313の相対する長い壁部間の幅である差込幅は、正面板32の板厚と対応する。側面差込孔313は、後述の正面板32の正面差込片323と篏合するための係合部である。
【0042】
側面差込片314は、他の端辺3102から外側に略直角に延出するように突設される突片である。側面差込片314は、略矩形、より好ましくは略長方形であり、長手方向が端辺3102の延伸方向と一致する。側面差込片314は、後述の背面板33の背面差込孔333と篏合するための係合部である。
【0043】
図4は、収容部の正面板の一例を示す図である。正面板32は、略矩形の本体部320を有する。本体部320は、概ね1対の対辺3201及び1対の対辺3202(図示の破線の想像線)により囲まれる部分である。説明の便宜上、1対の対辺3202を係合辺と称し、他の1対の対辺3201を非係合辺と称する。本体部320の中心をX方向に通る中心線をX2とし、Y方向に通る中心線をY2とする。
【0044】
正面板32は、本体部320の中心部に後述の回転部4の軸部41を挿通させるための板厚方向に貫通する軸孔321が設けられる。正面板32は、本体部320の相対する両辺(係合辺3202)のそれぞれに外側に延出する略台形の拡開片322と、拡開片322の上底辺から外側に延出する正面差込片323が突設される。1対の拡開片322及び1対の正面差込片323は、本体部320と同一平面(図示ではXY面)上にある。
【0045】
拡開片322は、好ましくは、略等脚台形の突片で、上底辺が下底辺である係合辺3202より短く形成される。拡開片322同士は、Y2に関して線対称に形成される。拡開片322同士の上底辺間幅Fは、側面板31の側辺間幅Aより大きい。詳細は後述するが、収容部3は、拡開片322を備えることで、胴部の内部空間を正面側で拡開して、隣接の側面板31の接続部の緩み(遊び)を解消し、側面板31ががたつくことを防止する。
【0046】
好ましくは、拡開片322同士の下底辺間幅Eは、側面板31の側辺間幅Aより小さい。このように構成することで、隣接の側面板31間の角部と干渉せずに内部空間を拡開できる。拡開片322は、本体部320の4辺の全てに設けてもよいが、好ましくは、図示のように1対の対辺にのみ設けるとともに、他の1対の対辺(非係合辺)3201間の幅である非係合辺間幅Dは、側辺間幅Aと略同等とする。このように構成することで、組立の容易さを損なわず内部空間を拡開できる。
【0047】
正面差込片323は、略矩形、より好ましくは略長方形の突片で、長手方向が係合辺3202の延伸方向と一致する。正面差込片323は、側面板31の側面差込孔313と篏合して正面板32を収容部3の正面に組み立てるための係合部である。正面板32の組立は、ねじ等の締結部材を必要とせず、側面差込孔313に正面差込片323を挿通させるだけでよいので、組立及び分解が容易である。正面差込片323は、本体部320の4つの辺の全てに設けてもよいが、好ましくは、1対の対辺、より好ましくは1対の係合辺3202に、拡開片322から延出するように設けることで、組立をより容易にする。
【0048】
正面板32は、軸孔321と本体部320の各辺の間に1又は2以上の空気孔324が設けられる。空気孔324は、好ましくは、図示のように対角線上に複数設けられる。
【0049】
図5は、収容部の背面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)背面差込孔を説明するための一部拡大図である。背面板33は、略正方形の本体部330を有する。本体部330は、概ね4つの辺3301より囲まれる部分である。本体部330の中心をX方向に通る中心線をX3とし、Y方向に通る中心線をY3とする。背面板33は、後述のように収容部3の蓋の役割を果たすため、好ましくは、1対の辺3301間の幅である対辺間幅Gが側辺間幅Aよりやや大きく形成される。
【0050】
背面板33は、本体部330の中心部に後述の回転部4の軸部41を挿通させるための板厚方向に貫通する軸孔331が設けられる。背面板33は、本体部330の4つの辺3301のそれぞれに外側に延出する補助片332と、補助片332の一部を板厚方向に貫通する背面差込孔333が設けられる。補助片332は、本体部330と同一平面(図示ではXY面)上にある。
【0051】
補助片332は、略矩形、より好ましくは略長方形の突片で、長手方向が辺3301の延伸方向と一致する。補助片332は、背面板33を4枚の側面板31と係合させるための部分で、より具体的には、側面差込片314と篏合する背面差込孔333を設けるための延出部である。
【0052】
背面差込孔333は、側面差込片314と篏合して、背面板33を収容部3の背面に組み立てるための係合部である。背面板33の組立は、ねじ等の締結部材を必要とせず、背面差込孔333に側面差込片314を挿通させるだけでよいので、組立及び分解が容易である。また、背面板33の組立は、同じ方向に向く側面差込片314が背面差込孔333に挿通するように、背面板33を押し込むだけでよいので、組立が非常に簡単である。
【0053】
図5(b)に示すように、背面差込孔333は、細長い貫通孔で、長手方向が辺3301の延伸方向と一致する。背面差込孔333は、辺3301の延伸方向に平行に延びる直線状の直線壁部3331と、直線壁部3331と相対し且つ内側に凹む円弧状の円弧壁部3332と、両壁部を連結する短い直線状の連結壁部3333及び連結壁部3334とを有する。背面差込孔333は、好ましくは、連結壁部3333及び連結壁部3334が辺3301を跨るように形成される。直線壁部3331は辺3301の外側にあり、円弧壁部3332は辺3301の内側にある。連結壁部3333及び連結壁部3334の長さ、言い換えれば、直線壁部3331と円弧壁部3332との間の最短差込幅Hは、例えば、側面板31の側面差込孔313の差込幅の2倍程度である。詳細は後述するが、収容部3は、円弧壁部3332を備えることで、正面板32が拡開片322を備える場合でも、組立を容易にする。
【0054】
図6は、ドラムの回転部の一例及びドラムの組立の例を示す図である。
【0055】
回転部4は、軸部41と、1対の摘みねじ42と、ハンドル43とを備える。軸部41は、両端部の外周に雄ねじが設けられる。摘みねじ42は、例えばローレットノブであり、軸方向に貫通する孔部の内周面に雌ねじが設けられる。ハンドル43は、取付部431の外周面に雄ねじが設けられる。
【0056】
ドラム2は、4枚の側面板31の隣同士の一方の第1係合片311と他方の第2係合片312を係合させ、正面板32の正面差込片323を側面板31の側面差込孔313に差し込んで、共通の内部空間を囲うように、収容部3の胴部と正面を組み立てる。次いで、軸部41の一端部を胴部の内側から正面板32の軸孔321を挿通させて一の摘みねじ42の凸部422側と螺合させ、ハンドル43の取付部431と摘みねじ42の摘み部421側を螺合させる。ここまで組み立てると、ドラム2は、豆投入状態となる。
【0057】
この状態のドラム2を、正面板32が底面となる姿勢にすると、収容部3は上方開口の容器状になるので、所定量のコーヒー豆を投入する。次いで、軸部41の他端部が背面板33の軸孔331を挿通し、側面板31の側面差込片314が背面板33の背面差込孔333を挿通するように、背面板33を正面側に押して収容部3の背面に組み立てる。次いで、他の摘みねじ42の凸部422側と軸部41の他端部を螺合させると、組立が完了する。
【0058】
本実施形態のドラム2は、組立及び分解が容易で、工具を必要とせず行えるため、アウトドア活動に好適である。
【0059】
本実施形態の収容部3は、正面板32が1対の拡開片322を有し、拡開片同士の上底辺間幅Fが側面板31の側辺間幅Aより大きいため、胴部の内部空間を正面側で広げることができる。これにより、互いに係合し接続する2枚の側面板31間の緩み(遊び)を解消できる。
【0060】
収容部3は、内部空間が正面側で拡開されるため、背面側では内部空間が収縮する。言い換えれば、4枚の側面板31が、背面側に向かうにつれて内側に集まるようになり、斜めになる。背面板33は、蓋の役割を果たし頻繁に着脱することが想定されるが、側面板31が斜めになると側面差込片314が背面差込孔333を通りにくくなり差込みにくくなる。そこで、本実施形態では、背面差込孔333に円弧壁部3332を備えて、側面差込片314が斜めの姿勢でも通りやすくする。また、最短差込幅Hを広く(例えば側面差込孔313の差込幅の2倍程度)して、側面差込片314がさらに通りやすくする。
【0061】
収容部3は、正面板32にのみ空気孔324が設けられる。アウトドアにおける焙煎には、固形燃料を用いることがあり、このように構成することで、固形燃料の匂いや物質がコーヒー豆に移ることを防止する。
【0062】
図7は、実施形態1に係るコーヒー焙煎機用の土台の一例を示す正面図である。本実施形態の土台5は、4枚の側面板51により胴部が構成され、4枚の板から略両端開口角筒状に組立でき且つ4枚の板単体に分解できる。
【0063】
従来のコーヒー焙煎機は、五徳に支柱を取り付けた土台をそのまま持ち運ばなければならないため、キャンプや登山などのアウトドアの使用には向いていない。これに対して、本実施形態の土台5は、4枚の板から使用時に略両端開口角筒状に組立でき且つ4枚の板に使用後分解できるため、持運び時の体積を小さくすることができる。また、4枚の板を重ねて袋等に収納できるため、山道やキャンプ場等でも安全に携帯できる。このように、本実施形態の土台5は、持ち運びが容易であり、キャンプや登山などのアウトドアの使用に好適である。
【0064】
側面板51には、燃焼物を内部空間に内包するのに適した材料が用いられる。一例として、これらには、薄いステンレス鋼板が用いられ、板厚が同等に形成される。以下、側面板51の構成の一例を具体的に説明する。
【0065】
4枚の側面板51同士は、好ましくは、同大同形状である。このように構成することで、製造コストを軽減でき、組立及び分解も迷わずに速やかに行える。また、収納や携帯もより容易になる。
【0066】
図8は、土台の側面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)係合片を説明するための一部拡大図である。説明の便宜上、一の側面板51を胴部の正面に配置される姿勢で図示し、説明する。
【0067】
側面板51は、略矩形の本体部510を有する。本体部510は、概ね1対の対辺5101及び1対の対辺5102(図示の破線の想像線)により囲まれる部分である。本体部510の中心をY方向に通る中心線をY4とする。側面板51は、本体部510の1対の辺5101のうちの一の辺に第1係合片511が設けられ、他の辺に第2係合片512が設けられ、1対の対辺5102のうちの一の辺に支持片514と支持片514の一の辺から内側に凹む支持溝が設けられる。第1係合片511、第2係合片512及び支持片514は、本体部510と同一平面(図示ではXY面)上にある。
【0068】
側面板51同士は、第1係合片511及び第2係合片512の1対の係合片を用いて接続されて共通の内部空間を囲う胴部に組み立てられる。説明の便宜上、組立状態で側面板51同士が互いに接するないし近接する1対の辺5101を側辺と称し、他の1対の辺5102を端辺と称する。両側辺5101間の幅(距離)である側辺間幅をIとする。土台5の側面板51の側辺間幅Iは、収容部3の側面板31の端辺間幅Bより大きい。図示のように、本体部510が略長方形の場合、好ましくは、長辺が側辺5101を構成し、短辺が端辺5102を構成する。
【0069】
第1係合片511は、一の側辺5101から外側に突出する突片で、略直角に外側に突出する基端部5111と、基端部5111から略90度曲がって側辺5101に平行に延びる先端部5112とを有して略L字形状に形成され、角部に丸みを有する。第1係合片511は、側辺5101との間に細長い第1挿入溝5113が形成される。第1挿入溝5113は、挿入幅Cが側面板51の板厚と対応する。
【0070】
第2係合片512は、他の側辺5101から外側に突出する突片で、略直角に外側に突出する基端部5121と、基端部5121から略90度曲がって側辺5101に平行に延びる先端部5122とを有して略L字形状に形成され、角部に丸みを有する。第2係合片512は、側辺5101との間に第1挿入溝5113と逆方向に開口する細長い第2挿入溝5123が形成される。図示のように、第1挿入溝5113が上方に開口する場合、第2挿入溝5123は下方に開口し、両溝の底部が上下方向において同位置(図示の一点鎖線上)にある。第2挿入溝5123は、第1挿入溝5113と同様に挿入幅Jが側面板51の板厚と対応する。
【0071】
土台5は、側面板51が第1係合片511と第2係合片512を備えることで、ねじ等の締結部材を必要とせず、容易に胴部を組立できる。胴部の組立は、一方の側面板51の第1係合片511と他方の側面板51の第2係合片512が交差するように、基端部5111(または基端部5121)を対応の第2挿入溝5123(または第1挿入溝5113)に挿入するだけでよいので、組立及び分解が非常に簡単である。第1係合片511と第2係合片512は対に設けられ、1対設けられてもよいが、好ましくは、図示ように2対設けられる。
【0072】
支持片514は、一の端辺(上端辺)5102から外側に延出する略台形の突片である。支持片514は、ドラム2の回転部4を支持するための部分で、より具体的には、回転部4の軸部41を支えるための支持溝515を凹設するための延出部である。支持片514は、好ましくは、略等脚台形に形成され、上底辺が下底辺である上端辺5102より短く、Y4に関して線対称に形成される。
【0073】
支持溝515は、支持片514の上底辺から内側に凹む略U字状の溝である。支持溝515は、略半円状の底壁5151と、底壁5151から上方に略垂直に延びる両側壁5152を有する。底壁5151の内径は、軸部41の外径と対応する。
【0074】
側面板51は、他の端辺(下端辺)5102に足片516を有してもよい。足片516は、本体部510と同一平面(図示ではXY面)上にある。足片516は、下端辺5102から外側に延出する突片で、中間部に内側に凹む円弧状の凹部517を有し、凹部517の両側の部分が外側に線対称に延出する。アウトドアでは、凹凸のある地面に土台5を置かなければならない場合も少なくなく、土台5は、足片516を備えることで、このような場合でも安定して載置できる。
【0075】
図9は、土台の組立の例を示す図である。土台5は、4枚の側面板51の隣同士の一方の第1係合片511と他方の第2係合片512を係合させて胴部を組み立てる。このように、本実施形態の土台5は、組立及び分解が容易で、工具を必要とせず行えるため、アウトドア活動に好適である。
【0076】
土台5は、側面板51の支持片514が台形であるため、隣接の側面板51の間に略V字状の空気を排出するための空気口が形成される。これにより、胴部内の燃料が燃焼しやくなる。
【0077】
図10は、コーヒー焙煎機全体の組立の例を示す図である。コーヒー焙煎機1の全体の組立は、ドラム2の正面側及び背面側の摘みねじ42の凸部422を土台5のいずれか1対の支持溝515の底壁に載置するだけで完了する。このように、コーヒー焙煎機1は、土台5の胴部の4面が同様に構成されるため、相対するいずれか1対の支持溝515を用いればよく、迷わず迅速に組立できる。また、ドラム2と土台5の単体に分解する際も、ドラム2を土台5から持ち上げるだけでよいので、分解が非常に簡単である。
【0078】
図11は、コーヒー焙煎機の一例を後方から観察した斜視図である。本実施形態のコーヒー焙煎機1は、焙煎に例えばガスコンロ等を用いることができる。焙煎の際は、土台5を、ガスコンロ、ガスバーナー、固形燃料等の火を囲うように設置し、コーヒー豆を投入したドラム2を土台5に載置して、回転部4のハンドルを回せばよい。
【0079】
<実施形態2>
図12は、実施形態2に係るコーヒー焙煎機の一例を示す斜視図である。本実施形態のコーヒー焙煎機1は、主として土台5が底面板52を備える点が上記実施形態と異なる。本実施形態のコーヒー焙煎機1は、焙煎に例えば固形燃料等を用いる場合に好適である。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0080】
図13は、実施形態2に係るコーヒー焙煎機用の土台の一例を示す斜視図である。本実施形態の土台5は、4枚の側面板51及び1枚の底面板52の5枚の板により構成され、5枚の板から略一端閉塞角筒状に組立でき且つ5枚の板に分解できる。
【0081】
従来のコーヒー焙煎機は、五徳に支柱を取り付けた土台をそのまま持ち運ばなければならないため、キャンプや登山などのアウトドアの使用には向いていない。これに対して、本実施形態の土台5は、5枚の板から使用時に略一端閉塞角筒状に組立でき且つ5枚の板に使用後分解できるため、持運び時の体積を小さくすることができる。また、5枚の板を重ねて袋等に収納できるため、山道やキャンプ場等でも安全に携帯できる。このように、本実施形態の土台5は、持ち運びが容易であり、キャンプや登山などのアウトドアの使用に好適である。
【0082】
土台5は、4枚の側面板51により胴部が構成され、4枚の側面板51から略両端開口角筒状の胴部に組立でき且つ4枚の側面板51単体に分解できる。1枚の底面板52は胴部の底面側開口を閉鎖して土台5の底面に組み立てるものである。側面板51及び底面板52には、燃焼物を内部空間に内包するのに適した材料が用いられる。一例として、これらには、薄いステンレス鋼板が用いられ、板厚が同等に形成される。以下、側面板51及び底面板52の構成の一例を具体的に説明する。
【0083】
4枚の側面板51同士は、好ましくは、同大同形状である。このように構成することで、製造コストを軽減でき、組立及び分解も迷わずに速やかに行える。また、収納や携帯もより容易になる。
【0084】
図14は、土台の側面板の一例を示す図で、(a)全体、(b)係合片を説明するための一部拡大図である。説明の便宜上、一の側面板51を胴部の正面に配置される姿勢で図示し、説明する。本実施形態の土台5の側面板51は、更に、側面差込孔513を備える点が上記実施形態と異なる。
【0085】
すなわち、ここでは、側面板51は、略矩形の本体部510を有し、本体部510の一の側辺5101に第1係合片511が突設され、他の側辺5101に第2係合片512が突設され、一の端辺(上端辺)5102に外側に延出する略台形の支持片514と、支持片514の上底辺から内側に凹む略U字状の支持溝515が設けられ、他の端辺(下端辺)5102の内側に板厚方向に貫通する側面差込孔513が設けられる。第1係合片511、第2係合片512、支持片514及び支持溝515は、上記と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0086】
側面差込孔513は、下端辺5102の内側に設けられる、板厚方向に貫通する細長い貫通孔で、長手方向が端辺5102の延伸方向と一致する。側面差込孔513の相対する長い壁部間の幅である差込幅は、底面板52の板厚と対応する。側面差込孔513は、後述の底面板52の底面差込片522と篏合するための係合部である。
【0087】
図15は、土台の底面板の一例を示す図である。底面板52は、略矩形の本体部520を有する。本体部520は、概ね1対の対辺5201及び1対の対辺5202(図示の破線の想像線)により囲まれる部分である。説明の便宜上、1対の対辺5202を係合辺と称し、他の1対の対辺5201を非係合辺と称する。本体部520の中心をX方向に通る中心線をX5とし、Z方向に通る中心線をZ5とする。
【0088】
底面板52は、本体部520の相対する両辺(係合辺5202)のそれぞれに外側に延出する略台形の拡開片521と、拡開片521の上底辺から外側に延出する底面差込片522が突設される。1対の拡開片521及び1対の底面差込片522は、本体部520と同一平面(図示ではXZ面)上にある。
【0089】
拡開片521は、好ましくは、略等脚台形の突片で、上底辺が下底辺である係合辺5202より短く形成される。拡開片521同士は、X5に関して線対称に形成される。拡開片322同士の上底辺間幅Lは、側面板51の側辺間幅Iより大きい。詳細は後述するが、土台5は、拡開片521を備えることで、胴部の内部空間を底面側で拡開して、隣接の側面板51の接続部の緩み(遊び)を解消し、側面板51ががたつくことを防止する。
【0090】
好ましくは、拡開片521同士の下底辺間幅Mは、側面板51の側辺間幅Iより小さい。このように構成することで、隣接の側面板51間の角部と干渉せずに内部空間を拡開できる。また、拡開片521と角部の間に空気を取り入れるための空気口が形成される。拡開片521は、本体部520の4辺の全てに設けてもよいが、好ましくは、1対の対辺にのみ設けるとともに、他の1対の対辺(非係合辺)5201間の幅である非係合辺間幅Kを側辺間幅Iと略同等とする。このように構成することで、組立の容易さを損なわず内部空間を拡開できる。
【0091】
底面差込片522は、略矩形、より好ましくは略長方形の突片で、長手方向が係合辺5202の延伸方向と一致する。底面差込片522は、側面板51の側面差込孔513と篏合して底面板52を土台5の底面に組み立てるための係合部である。底面板52の組立は、ねじ等の締結部材を必要とせず、側面差込孔513に底面差込片522を挿通させるだけでよいので、組立及び分解が容易である。底面差込片522は、本体部520の4つの辺の全てに設けてもよいが、好ましくは、1対の対辺、より好ましくは1対の係合辺5202に、拡開片521から延出するように設けることで、組立をより容易にする。
【0092】
図16は、土台の組立の例を示す図である。土台5は、4枚の側面板51の隣同士の一方の第1係合片511と他方の第2係合片512を係合させ、底面板52の底面差込片522を側面板51の側面差込孔513に差し込んで、共通の内部空間を囲うように、胴部と底面を組み立てる。このように、本実施形態の土台5は、組立及び分解が容易で、工具を必要とせず行えるため、アウトドア活動に好適である。
【0093】
本実施形態の土台5は、底面板52が1対の拡開片521を有し、拡開片同士の上底辺間幅Lが側面板51の側辺間幅Iより大きいため、胴部の内部空間が底面側で広げられる。これにより、胴部の互いに係合し接続する2枚の側面板51間の緩み(遊び)を解消できる。
【0094】
土台5は、下方において拡開片521と角部の間に空気を取り入れるための空気口が形成され、上方において隣接の側面板51の間に略V字状の空気を排出するための空気口が形成されるため、胴部内の燃料が燃焼しやくなる。
【0095】
本実施形態のコーヒー焙煎機1は、焙煎に例えば固形燃料等を用いる場合に好適である。焙煎の際は、土台5の底面板52の上に固形燃料等を載置し火を付けた後、コーヒー豆を投入したドラム2を土台5に載置して、回転部4のハンドルを回せばよい。
【0096】
以上、本発明に係るコーヒー焙煎機の実施形態の例について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。例えば、上記では、収容部の胴部を構成する4枚の側面板が全て同大同形状の例を説明したが、相対する1対の側面板同士のみが同大同形状でもよい。上記では、土台の胴部を構成する4枚の側面板が全て同大同形状の例を説明したが、相対する1対の側面板同士のみが同大同形状でもよい。上記では、収容部の側面板が1対の係合片を有する例を説明したが、2対以上有してもよい。
【0097】
本発明のコーヒー焙煎機1は、アウトドアにおける使用に好適であるが、インドアで使用してもよいことは言うまでもない。
【0098】
本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…コーヒー焙煎機、2…ドラム、3…収容部、31…側面板、310…本体部、3101…側辺、311…第1係合片、312…第2係合片、313…側面差込孔、314…側面差込片、32…正面板、320…本体部、321…軸孔、322…拡開片、323…正面差込片、33…背面板、330…本体部、331…軸孔、332…補助片、333…背面差込孔、4…回転部、41…軸部、42…摘みねじ、43…ハンドル、5…土台、51…側面板、510…本体部、5101…側辺、511…第1係合片、512…第2係合片、513…側面差込孔、514…支持片、515…支持溝、516…足片、52…底面板、520…本体部、521…拡開片、522…底面差込片。