(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065602
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240508BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240508BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20240508BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20240508BHJP
F21V 14/08 20060101ALI20240508BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240508BHJP
F21V 21/34 20060101ALI20240508BHJP
F21V 21/30 20060101ALI20240508BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240508BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20240508BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240508BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S2/00 365
F21S2/00 340
F21S2/00 390
F21V9/40 400
F21V14/02 200
F21V14/08
F21V23/00 140
F21V23/00 150
F21S2/00 355
F21S8/04 110
F21S8/04 320
F21V21/34 500
F21V21/30 310
F21S2/00 110
G02F1/13 505
G02F1/1347
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174551
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】390031521
【氏名又は名称】トキコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】前田 剛
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
3K014
【Fターム(参考)】
2H088EA42
2H088HA05
2H088HA06
2H088HA24
2H088HA28
2H189AA29
2H189AA53
2H189AA56
2H189AA70
2H189AA73
2H189AA78
2H189AA79
2H189AA83
2H189AA88
2H189LA09
2H189LA18
2H189LA20
2H189MA15
3K014AA01
3K014DA08
(57)【要約】
【課題】液晶レンズを用いた照明装置において、所望の領域を照明できるよう配光を補正する。
【解決手段】照明装置10は、光源ユニット23と、光源ユニット23から出射された光の配光を制御する液晶レンズ27と、光源ユニット23の光軸Axを中心として、液晶レンズ27を光源ユニット23に対して回転可能に支持する液晶レンズホルダ26とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射された光の配光を制御する液晶レンズと、
前記光源ユニットの光軸を中心として、前記液晶レンズを前記光源ユニットに対して回転可能に支持する回転支持機構と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光源ユニットからの光を制御するレンズをさらに備え、
前記回転支持機構は、
前記レンズを保持し、前記光源ユニットに固定されるレンズホルダと、
前記液晶レンズを保持する液晶レンズホルダと、
を備え、
前記液晶レンズホルダは、前記レンズホルダに対して回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源ユニットを収容する筐体と、
前記筐体を第1軸回りに回転可能に支持する第1支持部と、
前記第1支持部を前記第1軸と垂直な第2軸回りに回転可能に支持する第2支持部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1支持部に設けられた、前記液晶レンズを制御するための制御基板をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1支持部に設けられた、前記液晶レンズの動作を切り替えるための切替スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記液晶レンズに電圧を印加するためのフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板からリード線への変換を行うための配線変換基板と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項7】
光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射された光の配光を制御する液晶レンズと、
前記光源ユニットと前記液晶レンズとを所定の位置関係に保持する保持部材と、
前記光源ユニットおよび前記液晶レンズの少なくとも一部を収容する筐体と、
前記光源ユニットの光軸を中心として、前記光源ユニットおよび前記液晶レンズを前記筐体に対して回転可能に支持する回転支持機構と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
前記回転支持機構は、前記筐体の内面で転動する複数の転動体を備え、
前記光源ユニットおよび前記液晶レンズは、前記複数の転動体を介して前記筐体内で回転可能に支持されることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記筐体を第1軸回りに回転可能に支持する第1支持部と、
前記第1支持部を前記第1軸と垂直な第2軸回りに回転可能に支持する第2支持部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に液晶レンズを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を液晶レンズにより制御することにより、所望の配光を得られるよう設計された照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶レンズは、それ単体では照射可能な配光パターンに限りがあるため、照明装置の配置によっては所望の領域を照明できない場合がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶レンズを用いた照明装置において、所望の領域を照明できるよう配光を補正することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の照明装置は、光源ユニットと、光源ユニットから出射された光の配光を制御する液晶レンズと、光源ユニットの光軸を中心として、液晶レンズを光源ユニットに対して回転可能に支持する回転支持機構と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様もまた、照明装置である。この装置は、光源ユニットと、光源ユニットから出射された光の配光を制御する液晶レンズと、光源ユニットと液晶レンズとを所定の位置関係に保持する保持部材と、光源ユニットおよび液晶レンズの少なくとも一部を収容する筐体と、光源ユニットの光軸を中心として、光源ユニットおよび液晶レンズを筐体に対して回転可能に支持する回転支持機構と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液晶レンズを用いた照明装置において、所望の領域を照明できるよう配光を補正することのできる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る照明装置の正面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る照明装置の左側面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る照明装置の右側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る照明装置が備える本体部の一部切り欠き斜視断面図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(c)は、第1実施形態に係る照明装置で投影可能な配光パターンの例を示す図である。
【
図9】
図9(a)および
図9(b)は、第1実施形態に係る照明装置による配光補正を説明するための図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る照明装置の正面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る照明装置の左側面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る照明装置の右側面図である。
【
図15】本発明の第2実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。以下の構成は本開示を理解するための例示を目的とするものであり、本開示の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ定まる。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る照明装置10の斜視図である。
図2は、照明装置10の正面図である。
図3は、照明装置10の左側面図である。
図4は、照明装置10の右側面図である。
図5は、
図2に示す照明装置10のA-A断面図である。
図6は、照明装置10の分解斜視図である。
図7は、照明装置10が備える本体部12の一部切り欠き斜視断面図である。
【0013】
本実施形態に係る照明装置10は、天井や壁などに固定される配線ダクトレールに取り付けて使用されるスポットライトと呼ばれる照明装置である。照明装置10は、液晶レンズを備える。この液晶レンズにより光源からの光の配光を制御して、所望の配光を得ることができる。
【0014】
照明装置10は、光を照射する本体部12と、本体部12を第1軸13回りに回転可能に支持する第1支持部14と、第1支持部14を第1軸13と垂直な第2軸15回りに回転可能に支持する第2支持部16と、を備える。
【0015】
第2支持部16は、略矩形状の箱体であり、その内部に直流を交流に変換するための電源回路基板(図示せず)が収容されている。また、第2支持部16の上面には、照明装置10の全体を配線ダクトレール(図示せず)に取り付けるための取付部17,18が設けられている。
【0016】
第1支持部14は、扁平矩形状の箱体であり、第2軸15を介して第2支持部16に回転可能に連結されている。第1支持部14の内部には、液晶レンズを制御するための制御回路基板が収容されている。第1支持部14の右側面14aには、第1軸13を介して本体部12が回転可能に連結されている。第1支持部14の左側面14bには、液晶レンズの動作を切り替えるための切替スイッチ19が配置されている。
【0017】
照明装置10においては、第1軸13および第2軸15回りに本体部12を回転することにより、様々な方向にスポット光を照射することができる。なお、第1軸13および第2軸15は、360度の回転が可能である必要はなく、回転可能角度が制限されていてもよい。
【0018】
本体部12の構成について説明する。本体部12は、筐体30と、光源ユニット23と、コリメータレンズ24と、コリメータレンズホルダ25と、液晶レンズホルダ26と、液晶レンズ27と、押さえ部材28と、先端カバー29と、を備える。
【0019】
光源ユニット23は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)20と、LED20を搭載するLED基板21と、LED20から生じた熱を放熱するヒートシンク22とを備える。ヒートシンク22は、ベース部材22aおよび複数枚の放熱フィン22bから構成される。LED基板21は、ベース部材22a上に配置される。LED20は、白色光を発光するものであってよい。光源ユニット23の光軸Axは、LED20の光軸と一致する。LED20の光軸とは、LED20の出射面の法線方向(出射面に対して垂直な方向)の軸である。
【0020】
コリメータレンズ24は、その入射面がLED20の出斜面と対向し、且つその光軸が光源ユニット23の光軸Axと一致するように配置される。コリメータレンズ24は、光源ユニット23からの光を制御して平行光に変換する。コリメータレンズ24は、例えばガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明材料で形成されてよい。
【0021】
コリメータレンズホルダ25は、筒状の部材であり、コリメータレンズ24を保持可能に構成される。コリメータレンズホルダ25は、ヒートシンク22のベース部材22aに固定される。コリメータレンズホルダ25により、コリメータレンズ24と光源ユニット23は一体に構成される。
【0022】
筐体30は、略円筒形状を有し、その内部に光源ユニット23、コリメータレンズ24およびコリメータレンズホルダ25を収容する。光源ユニット23、コリメータレンズ24およびコリメータレンズホルダ25は、筐体30に固定される。筐体30は、第1軸13を介して第1支持部14に回転可能に連結される。
【0023】
液晶レンズ27は、液晶レンズホルダ26によって保持される。液晶レンズホルダ26は、環状の部材である。液晶レンズホルダ26の所定の部位に液晶レンズ27を載置した状態で、押さえ部材28を介して先端カバー29で液晶レンズ27を押圧し、先端カバー29を液晶レンズホルダ26に螺合することにより、液晶レンズ27が液晶レンズホルダ26に固定保持される。
【0024】
液晶レンズ27を保持する液晶レンズホルダ26は、コリメータレンズホルダ25に対して回転可能に取り付けられる。コリメータレンズホルダ25に対する液晶レンズホルダ26の回転可能角度は90度以上であることが好ましい。本実施形態に係る照明装置10において、コリメータレンズホルダ25および液晶レンズホルダ26は、光源ユニット23の光軸Axを中心として、液晶レンズ27を光源ユニット23に対して回転可能に支持する回転支持機構を構成している。
【0025】
コリメータレンズホルダ25がコリメータレンズホルダ25に取り付けられた状態において、液晶レンズ27は、コリメータレンズ24の出射面と対向するように配置される。このとき、光軸Axは円形状の液晶レンズ27の中心を通っている。液晶レンズ27には、コリメータレンズ24からの平行光が入射する。
【0026】
液晶レンズ27は、コリメータレンズ24から入射した光の配光を制御する。液晶層と、液晶層を挟むように配置された一対の透明電極とを備える。一対の透明電極によって液相に電圧を印加する。印加する電圧を調整すると、見かけ上の液晶の屈折率が変化するので、透過する光の配光を制御することができる。液晶レンズについては公知のため、その詳細な構造についての説明は省略する。
【0027】
本実施形態において、液晶レンズ27への電圧の供給はフレキシブルプリント基板32によりなされる。液晶レンズホルダ26には、フレキシブルプリント基板32からリード線への変換を行うための配線変換基板34が設けられる。本実施形態では、液晶レンズ27が回転するため、フレキシブルプリント基板32のままであると配索が困難であるためである。フレキシブルプリント基板32により変換されたリード線(図示せず)は、第1軸13の内部を通って第1支持部14内の制御回路基板に接続される。
【0028】
第1実施形態に係る照明装置10では、液晶レンズ27は、二枚の液晶レンズから成る。二枚の液晶レンズは、光の偏光方向が90度異なるように配置される。
図8(a)~
図8(c)は、第1実施形態に係る照明装置10で投影可能な配光パターンの例を示す。
図8(a)は円形のスポット光を示す。このとき、二枚の液晶レンズの両方とも電圧を印加していない。
図8(b)はY軸方向に延びた形状のスポット光を示す。このとき、一方の液晶レンズのみに電圧を印加して光をY軸方向に偏光させている。
図8(c)はX軸方向に延びた形状のスポット光を示す。このとき、他方の液晶レンズのみに電圧を印加して光をX軸方向に偏光させている。このように、照明装置10によれば、複数の異なる配光パターンを投影することができる。これらの配光の切替は、第1支持部14に設けた切替スイッチ19を操作することにより行うことができる。また、ワイヤレスで遠隔操作により配光の切替を行うように構成してもよい。
【0029】
図9(a)および
図9(b)は、第1実施形態に係る照明装置10による配光補正を説明するための図である。照明装置10において、本体部12は、第1軸13および第2軸15回りの回転により、様々な姿勢を取り得る。照明装置10によれば、
図8(b)に示すようにY軸方向に延びた形状のスポット光を投影することが可能であるが、投影面に対する本体部12の姿勢が変化すると、
図9(a)に示すように配光パターンが傾斜して、所望の領域を照明できない場合がある。
【0030】
このような場合、液晶レンズホルダ26の外周面を把持し、筐体30に対して液晶レンズホルダ26を回転させる。これにより、液晶レンズ27は、光源ユニット23の光軸Axを中心として、光源ユニット23に対して回転し、投影される配光パターンも回転する。回転量を調整することにより、
図9(b)に示すように所望の配光パターンを得ることができる。このように、第1実施形態に係る照明装置10によれば、液晶レンズ27を光源ユニット23に対して回転可能としたことにより、所望の領域を照明できるよう配光を補正することができる。
【0031】
本実施形態では、手動で液晶レンズ27を光源ユニット23に対して回転させているが、モータ等を用いて自動で回転するように構成されてもよい。
【0032】
上述したように、第1実施形態に係る照明装置10では、液晶レンズ27を制御するための制御回路基板を本体部12から離れた第1支持部14に配置している。これにより、光源ユニット23から放出される熱の影響を制御回路基板が受け難くなる。
【0033】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る照明装置100の斜視図である。
図11は、照明装置100の正面図である。
図12は、照明装置100の左側面図である。
図13は、照明装置100の右側面図である。
図14は、
図11に示す照明装置100のB-B断面図である。
図15は、照明装置100の分解斜視図である。
【0034】
本実施形態に係る照明装置100も、天井や壁などに固定される配線ダクトレールに取り付けて使用されるスポットライトと呼ばれる照明装置である。照明装置100は、液晶レンズを備える。この液晶レンズにより光源からの光の配光を制御して、所望の配光を得ることができる。
【0035】
照明装置10は、光を照射する本体部112と、本体部112を第1軸113回りに回転可能に支持する第1支持部114と、第1支持部114を第1軸113と垂直な第2軸115回りに回転可能に支持する第2支持部116と、を備える。
【0036】
第2支持部116は、略矩形状の箱体であり、その内部に直流を交流に変換するための電源回路基板(図示せず)が収容されている。また、第2支持部116の上面には、照明装置100の全体を配線ダクトレール(図示せず)に取り付けるための取付部117,118が設けられている。
【0037】
第1支持部114は、扁平矩形状の箱体であり、第2軸115を介して第2支持部116に回転可能に連結されている。第1支持部114の右側面114aには、第1軸113を介して本体部112が回転可能に連結されている。
【0038】
照明装置100においては、第1軸113および第2軸115回りに本体部112を回転することにより、様々な方向にスポット光を照射することができる。なお、第1軸113および第2軸115は、360度の回転が可能である必要はなく、回転可能角度が制限されていてもよい。
【0039】
本体部112の構成について説明する。本体部112は、筐体130と、光源ユニット123と、コリメータレンズ124と、コリメータレンズホルダ125と、液晶レンズ127と、液晶レンズホルダ126と、先端カバー129と、複数の転動体136と、制御回路基板138と、後端カバー140とを備える。
【0040】
光源ユニット123は、光源としてのLED120と、LED120を搭載するLED基板121と、LED120から生じた熱を放熱するヒートシンク122とを備える。ヒートシンク122は、ベース部材122aおよび複数枚の放熱フィン122bから構成される。LED基板121は、ベース部材122a上に配置される。LED120は、白色光を発光するものであってよい。光源ユニット123の光軸Axは、LED120の光軸と一致する。LED120の光軸とは、LED120の出射面の法線方向(出射面に対して垂直な方向)の軸である。
【0041】
コリメータレンズ124は、その入射面がLED120の出斜面と対向し、且つその光軸が光源ユニット123の光軸Axと一致するように配置される。コリメータレンズ124は、光源ユニット123からの光を制御して平行光に変換する。コリメータレンズ124は、例えばガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明材料で形成されてよい。
【0042】
コリメータレンズホルダ125は、筒状の部材であり、コリメータレンズ124を保持可能に構成される。コリメータレンズホルダ125は、ヒートシンク122のベース部材122aに固定される。コリメータレンズホルダ125により、コリメータレンズ124と光源ユニット123は一体に構成される。
【0043】
液晶レンズ127は、液晶レンズホルダ126によって保持される。液晶レンズホルダ26は、環状の部材である。液晶レンズホルダ126をコリメータレンズホルダ125の所定の部位に載置した状態で、液晶レンズホルダ126を液晶レンズ127上に被せ、液晶レンズホルダ126をコリメータレンズホルダ125に固定することにより、液晶レンズ127がコリメータレンズ24の出射面と対向するように保持される。このとき、光軸Axは円形状の液晶レンズ127の中心を通っている。液晶レンズ127には、コリメータレンズ124からの平行光が入射する。先端カバー129は、液晶レンズホルダ126に螺合される。
【0044】
第2実施形態に係る照明装置100において、コリメータレンズホルダ125および液晶レンズホルダ126は、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127を所定の位置関係に保持する保持部材として機能している。第2実施形態に係る照明装置100では、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127が一体に構成されている。
【0045】
第2実施形態に係る照明装置100においては、ヒートシンク122の後端部に制御回路基板ホルダ142が設けられている。制御回路基板ホルダ142は、液晶レンズを制御するための制御回路基板138を保持する。
【0046】
別の実施形態では、第1実施形態に係る照明装置10と同様に、制御回路基板138は、第1支持部114の内部に配置されてもよい。この場合、第1支持部114の左側面114bに、液晶レンズの動作を切り替えるための切替スイッチが配置されてもよい。
【0047】
筐体30は、略円筒形状を有し、その内部に光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127の少なくとも一部を収容する。筐体30は、第1軸13を介して第1支持部14に回転可能に連結される。筐体130の後端には、筐体130の開口部を塞ぐように後端カバー140が設けられている。筐体130の先端には、液晶レンズ127の出射面を囲むように先端カバー129が設けられている。
【0048】
複数の転動体136は、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127を筐体130内で回転可能に支持している。複数の転動体136は、光源ユニット123の光軸Axを中心として、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127を筐体130に対して回転可能に支持する回転支持機構を構成している。
【0049】
図15に示すように、コリメータレンズホルダ125には、複数の転動体保持部125aが設けられている。同様に、制御回路基板ホルダ142にも複数の転動体保持部142aが設けられている。複数の転動体136を転動体保持部125a、142aにセットした状態で光源ユニット123等を筐体130内に収容すると、各転動体136が筐体130の内面に当接し、複数の転動体136により光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127が筐体130内で支持された状態となる。これは「ベアリング」と類似した構造となり、各転動体136が筐体130の内面で転動することにより、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127を筐体130に対して回転することができる。転動体136の形状は、
図15に示すような「円筒ころ」の他に、「玉」とすることもできる。
【0050】
液晶レンズ127は、コリメータレンズ124から入射した光の配光を制御する。液晶層と、液晶層を挟むように配置された一対の透明電極とを備える。一対の透明電極によって液相に電圧を印加する。印加する電圧を調整すると、見かけ上の液晶の屈折率が変化するので、透過する光の配光を制御することができる。
【0051】
本実施形態において、液晶レンズ127への電圧の供給はフレキシブルプリント基板132によりなされる。フレキシブルプリント基板132は、制御回路基板138に接続される。本実施形態においては、液晶レンズ127は制御回路基板138と共に回転するので、フレキシブルプリント基板からリード線への変換は不要である。
【0052】
第2実施形態に係る照明装置100においても、液晶レンズ127は、二枚の液晶レンズから成る。二枚の液晶レンズは、光の偏光方向が90度異なるように配置される。第2実施形態に係る照明装置100においても、
図8(a)~
図8(c)で例示するような複数の異なる配光パターンを投影することができる。
【0053】
ここでも
図9(a)および
図9(b)を参照して、第2実施形態に係る照明装置100による配光補正を説明する。照明装置100において、本体部112は、第1軸113および第2軸115回りの回転により、様々な姿勢を取り得る。投影面に対する本体部112の姿勢が変化すると、
図9(a)に示すように配光パターンが傾斜して、所望の領域を照明できない場合がある。
【0054】
このような場合、先端カバー129の外周面を把持し、筐体130に対して先端カバー129を回転させる。これにより、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127は、光源ユニット23の光軸Axを中心として、筐体130に対して回転し、投影される配光パターンも回転する。回転量を調整することにより、
図9(b)に示すように所望の配光パターンを得ることができる。このように、第2実施形態に係る照明装置100によれば、光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127を光源ユニット123に対して回転可能としたことにより、所望の領域を照明できるよう配光を補正することができる。
【0055】
本実施形態では、手動で光源ユニット123、コリメータレンズ124および液晶レンズ127を光源ユニット123に対して回転させているが、モータ等を用いて自動で回転するように構成されてもよい。
【0056】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0057】
10、100 照明装置、 12、112 本体部、 13、113 第1軸、 14、114 第1支持部、 15、115 第2軸、 16、116 第2支持部、 19 切替スイッチ、 20、120 LED、 22、122 ヒートシンク、 23、123 光源ユニット、 24、124 コリメータレンズ、 25、125 コリメータレンズホルダ、 26、126 液晶レンズホルダ、 27、127 液晶レンズ、 30、130 筐体、 32 フレキシブルプリント基板、 34 配線変換基板。