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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065613
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ウェッジクラブ用ヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240508BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240508BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174568
(22)【出願日】2022-10-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】512120018
【氏名又は名称】佐藤 健一
(71)【出願人】
【識別番号】393000847
【氏名又は名称】キャスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健一
(72)【発明者】
【氏名】竹田 敦
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA03
2C002CH02
2C002CH03
(57)【要約】
【解決手段】ウェッジクラブ用ヘッド10は、バンス34が設けられたソール部12を備える。バンス34は、地面に向かって突出した頂部40を頂点として共有する第1面42、第2面44、第3面46及び第4面48を有する。ウェッジクラブ用ヘッド10をフェース部14側から目視したとき、バンス34はV字形状として視認される。また、ウェッジクラブ用ヘッド10をトゥ部18側から目視したとき、第3面46は、内部に向かって窪んだ凹面である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソール部、フェース部、バックフェース部、トゥ部、ヒール部及びネック部を備えるウェッジクラブ用ヘッドにおいて、
前記ソール部は、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間に位置するバンスを有し、
前記バンスは、該バンスを地面に向けたときに該地面に向かって突出した頂部と、前記頂部から前記リーディングエッジに向かって延び且つ前記リーディングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第1面と、前記頂部から前記トレーリングエッジに向かって延び且つ前記トレーリングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第2面と、前記頂部から前記トゥ部に向かって延び且つ前記トゥ部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第3面と、前記頂部から前記ヒール部に向かって延び且つ前記ヒール部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第4面と、を有し、
前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記フェース部側から目視したときと、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記トゥ部側から目視したときとの双方で、前記バンスがV字形状として視認され、
前記第3面は、凹面からなる、ウェッジクラブ用ヘッド。
【請求項2】
請求項1記載のウェッジクラブ用ヘッドにおいて、前記リーディングエッジの延在方向に対して直交する水平方向を厚み方向とするとき、前記第4面の厚み方向の寸法は、前記頂部を通り且つ前記リーディングエッジに平行な仮想直線の略中央で最大である、ウェッジクラブ用ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェッジクラブに用いられるウェッジクラブ用ヘッドに関する。なお、ウェッジクラブはゴルフクラブの1種である。
【背景技術】
【0002】
ウェッジクラブは、主に、ゴルフボールの飛距離を短くしたいときに用いられる。ウェッジクラブは、ラフ又はバンカーにおける打球時に用いられることもある。そこで、クラブヘッドのソール部において、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間にバンスが形成される。バンスは、地面(下方)に向かう膨出である。バンスにより、クラブヘッドが地面又は芝等に深く突き刺さることが防止される。また、バンスは、バンカー内の砂の中にクラブヘッドが過度に潜り込むことも防止する。
【0003】
バンスの大きさは、バンス角で示される。一般的に、バンス角が大きくなるほどクラブヘッドが地面又は芝等に突き刺さり難くなり、且つ砂に潜り難くなる。しかしながら、その反面、ソール部の面積が大きくなるためにソール部が地面と接触し易くなる。仮にソール部が接地した場合、クラブヘッドが地面からの抵抗を受けるので、クラブヘッドが滑り難くなる。すなわち、いわゆる振り抜けが良好でなくなる。
【0004】
このような観点から、クラブヘッドの振り抜けを良好にすることが試みられている。例えば、特許文献1記載のクラブヘッドにおいては、ソール部に、ヒール部からトゥ部まで延在する凹部が設けられている。また、特許文献2には、ソール部に、フェース部からバックフェース部に延びる1本以上の溝状凹部を形成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-299164号公報
【特許文献2】特開2005-168831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載のクラブヘッドでは、ソール部にバンスが形成されない。このため、クラブヘッドの地面又は芝への突き刺さりを防止することが容易ではない。また、クラブヘッドの砂中への潜り込みを防止することも容易ではない。
【0007】
特許文献2記載のクラブヘッドによれば、該クラブヘッドを固い砂の表面で滑動させて振り抜く場合、地面からの抵抗が小さくなると予想される。しかしながら、バンカー内のゴルフボールを砂と一緒に打球する、いわゆるエクスプロージョンショットにおいて、地面からの抵抗を低減することが容易ではない。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、ソール部、フェース部、バックフェース部、トゥ部、ヒール部及びネック部を備えるウェッジクラブ用ヘッドにおいて、前記ソール部は、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間に位置するバンスを有し、前記バンスは、該バンスを地面に向けたときに該地面に向かって突出した頂部と、前記頂部から前記リーディングエッジに向かって延び且つ前記リーディングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第1面と、前記頂部から前記トレーリングエッジに向かって延び且つ前記トレーリングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第2面と、前記頂部から前記トゥ部に向かって延び且つ前記トゥ部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第3面と、前記頂部から前記ヒール部に向かって延び且つ前記ヒール部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第4面と、を有し、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記フェース部側から目視したときと、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記トゥ部側から目視したときとの双方で、前記バンスがV字形状として視認され、前記第3面は、凹面からなる、ウェッジクラブ用ヘッドが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ソール部にバンスが設けられているので、ゴルフボールの打球時にウェッジクラブ用ヘッドが地面又は芝等に深く突き刺さることが回避される。また、バンカーにおけるショットでは、バンカー内の砂が凹面に沿って移動する。これにより、ウェッジクラブ用ヘッドが砂に過度に潜り込むことが防止される。その結果、地面からの抵抗が低減するので、振り抜けが良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係るウェッジクラブ用ヘッドの概略正面図である。
図2図2は、ウェッジクラブ用ヘッドの概略背面側斜視図である。
図3図3は、トゥ部側から視認したウェッジクラブ用ヘッドの概略側面図である。
図4図4は、ウェッジクラブ用ヘッドの概略底面図である。
図5図5は、トゥ部側からのウェッジクラブ用ヘッドの概略斜視図である。
図6図6は、ウェッジクラブ用ヘッドの一部断面図である。
図7図7は、評価試験の結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、ウェッジクラブ用ヘッドを単に「クラブヘッド」と表記する場合がある。
【0013】
図1は本実施形態に係るクラブヘッド10の概略正面図であり、図2はクラブヘッド10の概略背面側斜視図である。クラブヘッド10は、ソール部12と、フェース部14と、バックフェース部16と、トゥ部18と、ヒール部20と、ネック部22とを備える。ネック部22にシャフト24が取り付けられることで、ウェッジクラブ26が構成される。
【0014】
クラブヘッド10は、前方を向くリーディングエッジ30と、後方を向くトレーリングエッジ32とを有する。リーディングエッジ30は、ソール部12の前縁と、フェース部14の下縁との境界線である。一方、トレーリングエッジ32は、ソール部12の後縁と、バックフェース部16の下縁との境界線である。ソール部12は、バンス34を有する。バンス34は、リーディングエッジ30とトレーリングエッジ32との間に位置する部分であり、地面(下方)に向かって膨出する形状をなす。
【0015】
ここで、クラブヘッド10をトゥ部18側から目視したときのクラブヘッド10の概略側面図を図3に示す。図3においては、ネック部22及びシャフト24の軸線が鉛直線Vに重なる姿勢として、クラブヘッド10を示している。鉛直線Vとフェース部14との交差角度は、クラブヘッド10におけるロフト角αである。ロフト角αは、例えば、56°であるが、これに特に限定されない。
【0016】
以下、鉛直線Vに対して直交する第1水平線H1の延在方向を厚み方向と呼ぶ。厚み方向は、リーディングエッジ30の延在方向に対しても直交する。なお、リーディングエッジ30の延在方向は、図1に示す第2水平線H2の延在方向と同一である。具体的に、第2水平線H2は、トゥ部18からヒール部20(又はヒール部20からトゥ部18)に向かう水平方向に沿って延びている。トゥ部18又はヒール部20の端部は、第2水平線H2上に位置してもよいし、位置していなくてもよい。
【0017】
図1及び図3から理解されるように、バンス34は、地面に最も近接する頂部40を有する。頂部40は、クラブヘッド10の厚み方向略中央に位置し、且つリーディングエッジ30の延在方向の略中央に位置する。
【0018】
バンス34は、さらに、図2及び図4に示す第1面42、第2面44、第3面46及び第4面48を有する。第1面42は、頂部40からリーディングエッジ30に向かって延びる傾斜面である。第1面42は、頂部40から離間し且つリーディングエッジ30に接近するにつれて、地面から離間するように傾斜する。第2面44は、頂部40からトレーリングエッジ32に向かって延びる傾斜面である。第2面44は、頂部40から離間し且つトレーリングエッジ32に接近するにつれて、地面から離間するように傾斜する。図4に示すように、第1面42と第2面44とは、頂部40を基準に互いに反対側に位置する。
【0019】
第3面46は、頂部40からトゥ部18に向かって延びる傾斜面である。第3面46は、頂部40から離間し且つトゥ部18に接近するにつれて、地面から離間するように傾斜する。第4面48は、頂部40からヒール部20に向かって延びる傾斜面である。第4面48は、頂部40から離間し且つヒール部20に接近するにつれて、地面から離間するように傾斜する。図4に示すように、第3面46と第4面48とは、頂部40を基準に互いに反対側に位置する。第1面42、第2面44、第3面46及び第4面48は、頂部40を頂点として共有する。
【0020】
以上の構成に基づき、図1に示すようにクラブヘッド10をフェース部14側から目視したとき、バンス34はV字形状として視認される。この方向からの目視において、バンス34の頂部40の内角θの好ましい範囲は、概ね140°~160°である。内角θの一層好ましい範囲は、144°~156°である。
【0021】
図3に示すようにクラブヘッド10をトゥ部18側から目視したときにも、バンス34はV字形状として視認される。
【0022】
以上のように、ソール部12は、頂部40が突出した形状である。このため、ソール部12には、第1稜線43、第2稜線45、第3稜線47及び第4稜線49が形成される。第1稜線43は、第1面42と第3面46との境界である。第2稜線45は、第3面46と第2面44との境界であり、第3稜線47は、第2面44と第4面48との境界である。第4稜線49は、第4面48と第1面42との境界である。
【0023】
ここで、第3面46は凹面である。具体的に、クラブヘッド10をトゥ部18側から目視したとき、図3及び図5に示すように、第3面46は、内部に向かって窪んでいる。すなわち、第3面46は、クラブヘッド10の厚み方向に沿った鉛直断面において凹んでいる。この窪みにより、ソール部12に凹空間50が形成されている。凹空間50は、頂部40よりもトゥ部18側に寄っている。なお、トゥ部18から凹空間50の底52までの距離(凹空間50の深さ)は特に限定されない。
【0024】
図5に示すように、第3面46は、凹空間50の底52からフェース部14に向かう第1傾斜面54と、底52からバックフェース部16に向かう第2傾斜面56とを有する。図6に示すように、クラブヘッド10をトゥ部18側から視認したときの鉛直断面において、第1傾斜面54の頂部から第2傾斜面56の頂部にわたって仮想直線M2を引く。図示例では、仮想直線M2と第1傾斜面54との交差角度βは、仮想直線M2と第2傾斜面56との交差角度γよりも小さい。すなわち、図6では、β<γである場合を例示している。ただし、β=γであってもよいし、β>γであってもよい。
【0025】
第1面42、第2面44及び第4面48は、平坦面であるか、又は、クラブヘッド10の外方に向かって僅かに膨出した湾曲面として形成されている。図4に示すように、第4面48において、第1水平線H1と平行方向の寸法(厚み方向の寸法)は、頂部40を通り且つリーディングエッジ30に平行な仮想直線M1の略中央で最大である。すなわち、図4では、厚み方向の最大寸法をDmaxで示している。
【0026】
バックフェース部16には、突出高さがトレーリングエッジ32よりも小さな第1凸部60及び第2凸部62が設けられている。トレーリングエッジ32と第1凸部60との間には、相対的に凹んだ第1凹部64が形成される。第1凸部60と第2凸部62との間には、相対的に凹んだ第2凹部66が形成される。
【0027】
このように構成されたクラブヘッド10は、以下の効果を奏する。
【0028】
ソール部12において、リーディングエッジ30に平行な左右方向の中央付近にバンス34の頂部40が現れる(図1参照)。このため、いわゆるバンス効果を得ることができる。すなわち、ラフにおいてゴルフボールを打球する場合、ヘッドクラブが芝に刺さり難くなる。また、ソール部12は、フェース部14側から見て鈍角のV字状であることから接地面積が小さい。しかも、バンカーにおけるショット時、砂がトゥ部18の凹空間50内に一旦取り込まれて凹空間50の外部に排出される。すなわち、砂が凹空間50を移動する。これにより、クラブヘッド10の振り抜けが良好となる。
【0029】
図4に示すように、第4面48において、厚み方向の寸法が、該第4面48の左右方向の中央付近において最大となっている。これにより、バンカーにおけるショット時にクラブヘッド10が砂の中に過度に潜り込むことが防止される。
【実施例0030】
ロフト角を56°に形成した実施例に係るクラブヘッド10を用いてウェッジクラブ26を作製した。このウェッジクラブ26を、5名のテスターがグリーン周りのバンカー内でゴルフボールを5回ずつ打球し、振り抜き性能を10段階の点数で評価した。5名のテスターの評価点数から平均値を求めた。平均値が高いほど、振り抜けが良好であることを表す。
【0031】
比較のため、市販品である2種類のウェッジクラブを用い、上記と同様にして振り抜き性能を10段階の点数で評価し、平均値を求めた。それぞれを比較例1、2とする。なお、比較例1に係るウェッジクラブのクラブヘッドでは、ソール部において、トゥ部からヒール部にわたって凹部が形成されている。比較例2に係るウェッジクラブのクラブヘッドは、凹部が設けられておらず比較的広面積で削りが少ないソール部を有する。
【0032】
さらに、5名のテスターが、実施例に係るウェッジクラブ26又は比較例1、2に係るウェッジクラブを用い、グリーンの周囲の芝が薄い場所に置いたゴルフボールを5回ずつ打球した。このアプローチショットにおける振り抜き性能を10段階の点数で評価し、5名のテスターの評価点数から平均値を求めた。
【0033】
以上の結果を、図7に併せて示す。図7から、図1図6に示すような構成を備えるクラブヘッド10において、優れた振り抜け性能が得られていることは明らかである。この理由は、クラブヘッド10のソール部12にバンス34が存在し、且つトゥ部18に凹面である第3面46が形成されているからである。
【0034】
以上説明したように、本実施形態は、ソール部(12)、フェース部(14)、バックフェース部(16)、トゥ部(18)、ヒール部(20)及びネック部(22)を備えるウェッジクラブ用ヘッド(10)において、前記ソール部は、リーディングエッジ(30)とトレーリングエッジ(32)との間に位置するバンス(34)を有し、前記バンスは、該バンスを地面に向けたときに該地面に向かって突出した頂部(40)と、前記頂部から前記リーディングエッジに向かって延び且つ前記リーディングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第1面(42)と、前記頂部から前記トレーリングエッジに向かって延び且つ前記トレーリングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第2面(44)と、前記頂部から前記トゥ部に向かって延び且つ前記トゥ部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第3面(46)と、前記頂部から前記ヒール部に向かって延び且つ前記ヒール部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第4面(48)と、を有し、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記フェース部側から目視したときと、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記トゥ部側から目視したときとの双方で、前記バンスがV字形状として視認され、前記第3面は、凹面からなる、ウェッジクラブ用ヘッドを開示する。
【0035】
ソール部には、頂部及び第1面~第4面によりバンスが形成される。この構成において、ラフにおいてゴルフボールを打球する場合、ウェッジクラブ用ヘッドが芝に刺さり難くなる。また、バンカーにおいてゴルフボールを打球する場合、ウェッジクラブ用ヘッドが地面に刺さり難くなる。すなわち、バンスが存在することにより、いわゆるバンス効果を得ることができる。
【0036】
フェース部側からウェッジクラブ用ヘッドを見たとき、ソール部は、例えば、鈍角のV字状である。このため、接地面積が小さい。しかも、バンカーにおけるショット時、トゥ部側に位置して凹面からなる第3面の凹空間内に砂が一旦取り込まれる。砂は、その後、凹空間の外部に排出される。すなわち、砂が凹空間を移動する。これにより地面からの抵抗が小さくなるので、ウェッジクラブ用ヘッドの振り抜けが良好となる。
【0037】
本実施形態は、前記リーディングエッジの延在方向に対して直交する水平方向を厚み方向とするとき、前記第4面の厚み方向の寸法は、前記頂部を通り且つ前記リーディングエッジに平行な仮想直線(M1)の略中央で最大である、ウェッジクラブ用ヘッドを開示する。
【0038】
この構成によれば、バンカーにおけるショット時にウェッジクラブ用ヘッドが砂の中に過度に潜り込むことが防止される。このため、振り抜けが一層良好となる。
【0039】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0040】
10…クラブヘッド 12…ソール部
14…フェース部 16…バックフェース部
18…トゥ部 20…ヒール部
22…ネック部 24…シャフト
26…ウェッジクラブ 30…リーディングエッジ
32…トレーリングエッジ 34…バンス
40…頂部 42…第1面
43…第1稜線 44…第2面
45…第2稜線 46…第3面
47…第3稜線 48…第4面
49…第4稜線 50…凹空間
52…底 54…第1傾斜面
56…第2傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、ソール部、フェース部、バックフェース部、トゥ部、ヒール部及びネック部を備えるウェッジクラブ用ヘッドにおいて、前記ソール部は、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間に位置するバンスを有し、前記バンスは、該バンスを地面に向けたときに該地面に向かって突出した頂部と、前記頂部から前記リーディングエッジに向かって延び且つ前記リーディングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第1面と、前記頂部から前記トレーリングエッジに向かって延び且つ前記トレーリングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第2面と、前記頂部から前記トゥ部に向かって延び且つ前記トゥ部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第3面と、前記頂部から前記ヒール部に向かって延び且つ前記ヒール部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第4面と、を有し、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記フェース部側から目視したときと、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記トゥ部側から目視したときとの双方で、前記バンスがV字形状として視認され、前記ソール部に、前記第1面と前記第3面との境界である第1稜線と、前記第2面と前記第3面との境界である第2稜線とが形成され、前記ソール部に、前記頂部よりも前記トゥ部側に寄った凹空間が形成され、前記第3面は、前記凹空間の内面である凹面であり、且つ前記凹空間の底から前記第1稜線に向かうにつれて前記フェース部に近づくように傾斜する第1傾斜面と、前記凹空間の前記底から前記第2稜線に向かうにつれて前記フェース部から遠ざかるように傾斜する第2傾斜面とを有する、ウェッジクラブ用ヘッドが提供される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソール部、フェース部、バックフェース部、トゥ部、ヒール部及びネック部を備えるウェッジクラブ用ヘッドにおいて、
前記ソール部は、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間に位置するバンスを有し、
前記バンスは、該バンスを地面に向けたときに該地面に向かって突出した頂部と、前記頂部から前記リーディングエッジに向かって延び且つ前記リーディングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第1面と、前記頂部から前記トレーリングエッジに向かって延び且つ前記トレーリングエッジに接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第2面と、前記頂部から前記トゥ部に向かって延び且つ前記トゥ部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第3面と、前記頂部から前記ヒール部に向かって延び且つ前記ヒール部に接近するにつれて前記地面から離間するように傾斜した第4面と、を有し、
前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記フェース部側から目視したときと、前記ウェッジクラブ用ヘッドを前記トゥ部側から目視したときとの双方で、前記バンスがV字形状として視認され、
前記ソール部に、前記第1面と前記第3面との境界である第1稜線と、前記第2面と前記第3面との境界である第2稜線とが形成され、
前記ソール部に、前記頂部よりも前記トゥ部側に寄った凹空間が形成され、
前記第3面は、前記凹空間の内面である凹面であり、且つ前記凹空間の底から前記第1稜線に向かうにつれて前記フェース部に近づくように傾斜する第1傾斜面と、前記凹空間の前記底から前記第2稜線に向かうにつれて前記フェース部から遠ざかるように傾斜する第2傾斜面とを有する、ウェッジクラブ用ヘッド。
【請求項2】
請求項1記載のウェッジクラブ用ヘッドにおいて、前記リーディングエッジの延在方向に対して直交する水平方向を厚み方向とするとき、前記第4面の厚み方向の寸法は、前記頂部を通り且つ前記リーディングエッジに平行な仮想直線の略中央で最大である、ウェッジクラブ用ヘッド。