(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006564
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】冷凍パンの加熱方法
(51)【国際特許分類】
A21D 17/00 20060101AFI20240110BHJP
A21D 15/02 20060101ALN20240110BHJP
A23L 3/365 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
A21D17/00
A21D15/02
A23L3/365 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107588
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】500292415
【氏名又は名称】株式会社ポンパドウル
(71)【出願人】
【識別番号】591087703
【氏名又は名称】株式会社アロンワールド
(74)【代理人】
【識別番号】100107375
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 明広
(72)【発明者】
【氏名】三藤 貴史
(72)【発明者】
【氏名】松本 郁広
(72)【発明者】
【氏名】長村 和典
【テーマコード(参考)】
4B022
4B032
【Fターム(参考)】
4B022LA01
4B022LB01
4B022LQ07
4B022LQ10
4B032DB01
4B032DG02
4B032DK18
4B032DK54
4B032DP08
4B032DP33
4B032DP40
4B032DP73
4B032DP74
4B032DP80
(57)【要約】
【課題】冷凍状態から極めて短時間で、焼きたて直後と同等の品質を復元することができる冷凍パンの加熱方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る冷凍パンの加熱方法は、遠赤外線ヒーターと、スチーム供給手段と、マイクロ波出力手段とを有する加熱装置の加熱室内に、-5℃~-25℃の冷凍状態のパンをセットして加熱工程を実施することを特徴とし、更に、この加熱工程において、遠赤外線ヒーターによる遠赤外線加熱を開始し、規定時間経過後(遠赤外線加熱の開始から3~7秒後)に、スチーム供給手段によるスチーム加熱、及び、マイクロ波出力手段によるマイクロ波加熱を開始し、スチーム加熱とマイクロ波加熱を、実行継続時間と停止時間をそれぞれ3~7秒の範囲内に設定して、インターバルを置いて間歇的に実施することを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線ヒーターと、スチーム供給手段と、マイクロ波出力手段とを有する加熱装置の加熱室内に、-5℃~-25℃の冷凍状態のパンをセットして、加熱工程を実施する冷凍パンの加熱方法であって、
加熱工程において、遠赤外線ヒーターによる遠赤外線加熱を開始し、規定時間経過後に、スチーム供給手段によるスチーム加熱、及び、マイクロ波出力手段によるマイクロ波加熱を開始し、
スチーム加熱とマイクロ波加熱を、インターバルを置いて間歇的に実施することを特徴とする冷凍パンの加熱方法。
【請求項2】
遠赤外線加熱の開始から3~7秒後に、スチーム供給手段によるスチーム加熱、及び、マイクロ波出力手段によるマイクロ波加熱を開始することを特徴とする、請求項1に記載の冷凍パンの加熱方法。
【請求項3】
スチーム加熱とマイクロ波加熱の実行継続時間と停止時間を3~7秒の範囲内に設定して加熱工程を実施することを特徴とする、請求項1に記載の冷凍パンの加熱方法。
【請求項4】
マイクロ波加熱の出力を400W~800Wに設定して加熱工程を実施することを特徴とする、請求項1に記載の冷凍パンの加熱方法。
【請求項5】
主原料と副原料とを混合し、混捏してパン種を作り、これを発酵させた後に焼成し、冷凍するパン類の製造方法であって、副原料の一つとして、アルカリイオン水と食用油脂とを混合することによって生成した乳化油脂組成物を、主原料100重量部に対して、1~20重量部の範囲で、主原料を混捏する前に、水と共に混入し、水を、乳化油脂組成物に含まれるアルカリイオン水によってアルカリ性に改質し、これらを混捏することにより、生地中においてグルテンを形成し、グルテンが形成された後に、油脂を徐々に加え、この油脂をまんべんなく混ぜ合わせてパン種を形成することを特徴とし、更に、乳化油脂組成物は、pH12以上のアルカリイオン水100重量部に対し、食用油脂を1~50重量部の範囲で混合すると共に、適量の糖類を混入し、攪拌して、微粒子化させた食用油脂を、アルカリイオン水の界面活性力によってアルカリイオン水と結合させ、エマルジョン化したものであるパン類の製造方法によって製造したパンを使用することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の冷凍パンの加熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍状態のパンを加熱する方法に関し、特に、焼きたて直後と同等の品質(風味、食味、及び、食感等)を復元するための冷凍パンの加熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼成したパンに耐凍性を付与し、冷凍障害を好適に回避することができるパンの製造方法として、特許文献1に記載の方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記方法によって製造し、冷凍したパンの解凍方法として、従来、自然解凍(常温で30分以上静置する)が適用されていた。冷凍状態のままトースター又は電子レンジにセットして、遠赤外線加熱、又は、マイクロ波加熱を行うと、全体が解凍される前に、クラスト(外皮)やクラム(内層)が焦げてしまうという問題があり、また、冷凍状態のまま蒸し器にセットして、スチーム加熱を行うと、焼きたての状態よりも柔らかくなってしまい、サクサクした食感を復元できないという問題があった。
【0005】
このため上述の通り、まずは自然解凍を行い、解凍後に、必要に応じてトースター等による再加熱、又は、仕上げ焼成を実施することにより、焼きたて直後と同等の品質の復元を実現していた。しかしながら、自然解凍には時間がかかるため、より短時間で復元できる方法の確立が求められている。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術における課題を解決しようとするものであって、冷凍状態から極めて短時間で、焼きたて直後と同等の品質を復元することができる冷凍パンの加熱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る冷凍パンの加熱方法は、遠赤外線ヒーターと、スチーム供給手段と、マイクロ波出力手段とを有する加熱装置の加熱室内に、-5℃~-25℃の冷凍状態のパンをセットして加熱工程を実施することを特徴とし、更に、この加熱工程において、遠赤外線ヒーターによる遠赤外線加熱を開始し、規定時間経過後に、スチーム供給手段によるスチーム加熱、及び、マイクロ波出力手段によるマイクロ波加熱を開始し、スチーム加熱とマイクロ波加熱を、インターバルを置いて間歇的に実施することを特徴としている。
【0008】
尚、この冷凍パンの加熱方法においては、遠赤外線加熱の開始から3~7秒後に、スチーム供給手段によるスチーム加熱、及び、マイクロ波出力手段によるマイクロ波加熱を開始することが好ましく、また、スチーム加熱とマイクロ波加熱の実行継続時間と停止時間を3~7秒の範囲内に設定して加熱工程を実施することが好ましい。更に、マイクロ波加熱の出力を400W~800Wに設定して加熱工程を実施することが好ましい。
【0009】
また、この冷凍パンの加熱方法においては、特許第5255201号に記載されている方法によって製造されたパンを使用することが好ましい。具体的には、主原料と副原料とを混合し、混捏してパン種を作り、これを発酵させた後に焼成し、冷凍するパン類の製造方法であって、副原料の一つとして、アルカリイオン水と食用油脂とを混合することによって生成した乳化油脂組成物を、主原料100重量部に対して、1~20重量部の範囲で、主原料を混捏する前に、水と共に混入し、水を、乳化油脂組成物に含まれるアルカリイオン水によってアルカリ性に改質し、これらを混捏することにより、生地中においてグルテンを形成し、グルテンが形成された後に、油脂を徐々に加え、この油脂をまんべんなく混ぜ合わせてパン種を形成することを特徴とし、更に、乳化油脂組成物は、pH12以上のアルカリイオン水100重量部に対し、食用油脂を1~50重量部の範囲で混合すると共に、適量の糖類を混入し、攪拌して、微粒子化させた食用油脂を、アルカリイオン水の界面活性力によってアルカリイオン水と結合させ、エマルジョン化したものであるパン類の製造方法によって製造したパンを使用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る冷凍パンの加熱方法によれば、製造後(焼成後)に一旦冷凍したパンを、極めて短い時間で、焼きたて直後と同等の品質(風味、食味、及び、食感等)の状態に復元することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る「冷凍パンの加熱方法」は、基本的には、特定の方法によって製造した冷凍状態(-5℃~-25℃)のパンを、専用の加熱装置の加熱室内にセットして、加熱工程を実施するというものである。
【0012】
本実施形態においては、特許第5255201号に記載されている方法によって製造されたパンを使用する。具体的には、主原料と副原料とを混合し、混捏してパン種を作り、これを発酵させた後に焼成し、冷凍するパン類の製造方法であって、副原料の一つとして、アルカリイオン水と食用油脂とを混合することによって生成した乳化油脂組成物を、主原料100重量部に対して、1~20重量部の範囲で、主原料を混捏する前に、水と共に混入し、水を、乳化油脂組成物に含まれるアルカリイオン水によってアルカリ性に改質し、これらを混捏することにより、生地中においてグルテンを形成し、グルテンが形成された後に、油脂を徐々に加え、この油脂をまんべんなく混ぜ合わせてパン種を形成することを特徴とし、更に、乳化油脂組成物は、pH12以上のアルカリイオン水100重量部に対し、食用油脂を1~50重量部の範囲で混合すると共に、適量の糖類を混入し、攪拌して、微粒子化させた食用油脂を、アルカリイオン水の界面活性力によってアルカリイオン水と結合させ、エマルジョン化したものであることを特徴とするパン類の製造方法によって製造したパンを使用する。
【0013】
この方法によって製造したパンは、パン種を造る工程において、主原料(小麦粉、大麦粉、ライ麦粉など)を混捏する前に、水等の副原料と共に乳化油脂組成物を混入することにより水が改質され、焼成したパン類に耐凍性が付与され、冷凍してもパン生地の表面に皺が発生することがなく、また、縮み変形等の性状変化(冷凍障害)を起こさないという効果を期待することができる。また、解凍してもパン生地の組織が崩れずにしっかりしていて、直接空気に触れるパン生地の表面積が少ないことから、デンプン、タンパク質、油脂等の老化が抑制されるという効果も期待することができる。更に、乳化油脂組成物に含まれる強アルカリ性のアルカリイオン水の還元作用により、パン類の酸化が抑制され、パンの風味が持続するという効果も期待できる。
【0014】
この方法によって製造したパンについては、上述したように、従来、解凍方法として自然解凍が適用されていたが、非常に時間がかかるという問題があった。本実施形態においては、上記方法によって製造されたパンを、冷凍状態のまま、専用の加熱装置の加熱室内にセットして加熱工程を実施することにより、極めて短時間で、焼きたて直後と同等の品質を復元することができる。
【0015】
本実施形態においては、加熱装置として、遠赤外線ヒーターと、スチーム供給手段と、マイクロ波出力手段とを有する装置を使用する。この加熱装置において、遠赤外線ヒーターは、加熱室の上部及び下部にそれぞれ配置され、加熱室内にセットしたパンを上方側及び下方側から加熱することができる。また、これらの遠赤外線ヒーターは、加熱温度を個別に設定できるように構成されている。
【0016】
スチーム供給手段は、タンク、ボイラー等によって構成され、タンクから供給される水をボイラーによって沸騰させ、発生した高温のスチームを加熱室内に供給できるように構成されている。
【0017】
マイクロ波出力手段は、内蔵するマグネトロンに高電圧を印加することによってマイクロ波を発生させ、加熱室内に出力できるように構成されている。尚、マイクロ波の出力は、デフォルトで三段階(強:1100W、中:800W、弱:500W)に切り換えることができ、更に、微調整が可能なようになっている。
【0018】
この加熱装置は、加熱工程をスタートさせると、まず遠赤外線ヒーターによる加熱(遠赤外線加熱)が開始され、規定時間経過後(本実施形態においては5秒後(3~7秒後とすることもできる))に、スチーム供給手段からスチームの供給(スチーム加熱)が開始されるとともに、マイクロ波出力手段からマイクロ波の出力(マイクロ波加熱)が開始されるように構成されている。
【0019】
遠赤外線加熱は連続的に行われるが、スチーム加熱とマイクロ波加熱は、インターバルを置いて間歇的に実施されるようになっている。本実施形態においては、実行継続時間と停止時間がいずれも5秒に設定されており、スチーム加熱とマイクロ波加熱が5秒間継続して実行された後、5秒間停止され、このサイクルが加熱工程の終了まで繰り返される。尚、実行継続時間と停止時間は、3~7秒の範囲内で、それぞれ設定を変更することができる。
【0020】
このように、本実施形態に係る方法においては、上記方法によって製造されたパンを、遠赤外線ヒーターと、スチーム供給手段と、マイクロ波出力手段とを有する加熱装置にセットして、遠赤外線加熱と、スチーム加熱と、マイクロ波加熱とを同時に実行すること、及び、スチーム加熱とマイクロ波加熱を、遠赤外線加熱の開始から5秒後に開始し、間歇的に実行することにより、焼きたて直後と同等の品質を復元することができる。しかも、加熱工程の所要時間は、3分程度(2~5分)であり、自然解凍させる従来の方法と比較して、所要時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
ここで、加熱工程における作用について簡単に説明する。遠赤外線加熱又はマイクロ波加熱のみを実行して冷凍状態のパンを加熱した場合、内包されている水分が空気中に蒸散してパンが乾燥し、焼きたての品質を復元することができない。本実施形態においては、遠赤外線加熱、マイクロ波加熱とともに、スチーム加熱が実行され、スチームがパンの表面で結露して水分が補われるため、パンの過乾燥を回避することができる。
【0022】
また、スチーム加熱のみを実行した場合には、クラストが過剰に柔らかくなり、クリスピーさが損なわれてしまうことになる。本実施形態においては、遠赤外線加熱とスチーム加熱が同時に実行されるため、パンの過乾燥を回避しつつ、クラストの表面を焼き直して、クリスピーな仕上がりとすることができ、焼きたて直後と同等の品質を復元することができる。
【0023】
尚、加熱工程の初期段階においては、パンのクラスト及びクラムは凍結した状態であり、この状態でスチームが供給されると、クラストの表面に100℃の水滴が付着(結露)し、熱エネルギー(潜熱)が連続的に供給されるとともに、水分がクラムの内部へ浸透していくことになる。その結果、クラストだけでなく、クラムにおいても解凍が進行し、その領域が外側から内側へ向かって次第に拡がっていくことになるが、解凍直後においては0℃に近い低温のままである。
【0024】
初期段階を過ぎると、遠赤外線加熱によってクラストの温度が上昇していき、クラストの表面温度が100℃を超えると結露は生じなくなり、表面が乾燥しはじめ、180℃に到達するとメイラード反応が生じ、クリスピーな状態に近づいていくことになる。パンのクラストは、基本的には最初の製造時の焼成によって完成しているが、凍結状態を経て、この加熱工程でスチームの結露により水分を湛えた状態に戻すことによって熱交換膜が再生され、遠赤外線加熱(メイラード反応)によってクラストを焼き直すことにより、乾燥断熱層が再生されることになる。
【0025】
マイクロ波は、氷結晶に対しては作用が限定的であるのに対し、融解した水分に対しては効果的に作用する。具体的には、水分子の電子を振動させることによって急速に加熱することができる。上述したように、初期段階のスチーム加熱によって、水分がクラムの内部へ浸透することにより、クラムの外側から内側へ向かって解凍が進行していくことになるが、解凍直後は0℃に近い低温のままである。マイクロ波加熱を行うと、このクラム内の低温の水分を急速に加熱することができ、解凍を促進するとともに、クラムを適正な温度(焼きたて直後と同等の温度)まで短時間で上昇させることができる。
【0026】
尚、パンのクラムは、スポンジ状の構造となっており、全体的に含水率が低く、また、水分の分布が均一でない(水分量が多い部分と少ない部分とが混在している)ため、マイクロ波加熱の出力が強すぎると、水分量が多い部分の温度が異常に高くなり(加熱ムラ)、その部分だけ乾燥が進み、硬くなってしまうことがある。このため、マイクロ波加熱の出力は、500W程度(400W~800W)に設定するとともに、インターバルを置いて間歇的に実施することが好ましい。
【0027】
ここで、本発明の発明者らが、本発明に係る冷凍パンの加熱方法に関して行った各種の実験の結果を、本発明の実施例として説明する。
【実施例0028】
まず、特許第5255201号に記載されている方法によって製造したパンを11種類用意し、それらを冷凍状態(-5℃~-25℃)のまま、加熱装置の加熱室内にセットして加熱工程を実行した。
【0029】
加熱装置としては、遠赤外線ヒーターと、スチーム供給手段と、マイクロ波出力手段とを有する装置を使用し、遠赤外線加熱の開始から5秒後にスチーム加熱及びマイクロ波加熱が開始されるように設定し、更に、遠赤外線加熱は連続的に実行され、スチーム加熱とマイクロ波加熱は、間歇的に(実行継続時間5秒、停止時間5秒)実施されるように設定して加熱を行った。
【0030】
尚、加熱室内にセットするパンの数量(個)、マイクロ波出力(W)、加熱時間(分)、及び、遠赤外線ヒーターの温度(上火温度(℃)、下火温度(℃))等の条件は、パンの種類毎に個別に設定した。それらの条件と、仕上がり温度(℃)(加熱工程終了時の温度)を次表に示す。
【0031】
【0032】
各パンの仕上がり状態は、次の通りとなった。
クロワッサンは、加熱装置から取り出した直後においては、クラストが若干柔らかい状態であったが、粗熱が取れるとサクサクした状態となった。
メロンパンは、クラスト上面にまぶされていたグラニュー糖が僅かに溶けてしまった。チーズパンは、中心のチーズ量が多いため、クラストは柔らかく仕上がり、温度は50℃に到達したが、チーズ温度は32~40℃と低くなった。但し、余熱で改善された。
チーズオニオンは、クラスト側面が柔らかい状態となった。
ウィンナーロールは、クラムがふわふわの状態で、取り出した直後においては、ウィンナーが僅かに冷たく感じられたが、粗熱がとれた段階では、パンと同じ程度の温度となった。
【0033】
フランスあんぱんは、クラスト底面が僅かに硬くなった。
チョコパンは、生地がふわっと仕上がったが、少し芯が残る感じであった。
レーズンパンは、柔らかすぎず、丁度良い感じに仕上がった。
バケットAは、クラストがパリッと仕上がった。
バケットBは、クラストが少し柔らかい状態となった。
バタールは、クラストが柔らかい状態から、30分後にはパリッと仕上がった。
ブロードは、一部に芯が硬いところがあった。
【0034】
上述のように、パンの種類によって様々な仕上がり状態となったが、いずれのパンも、焼きたて直後とほぼ同等の風味、食味、及び、食感を復元することができた。尚、確認された一部の問題(グラニュー糖が溶けたこと、芯が残ったこと等)については、マイクロ波の出力、加熱時間、上火温度、下火温度等を僅かに調整するだけで、いずれも解消できると推察される。